JP2638037B2 - 圧力スイング吸着方法 - Google Patents

圧力スイング吸着方法

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JP2638037B2
JP2638037B2 JP63029968A JP2996888A JP2638037B2 JP 2638037 B2 JP2638037 B2 JP 2638037B2 JP 63029968 A JP63029968 A JP 63029968A JP 2996888 A JP2996888 A JP 2996888A JP 2638037 B2 JP2638037 B2 JP 2638037B2
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卓 青方
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文彦 糟谷
迪彦 福田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、4つの吸着塔を用いて、一酸化炭素(C
O)を含む混合ガスからCOを分離回収する圧力スイング
吸着方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、COを含む混合ガスからCOを分離回収する圧力ス
イング吸着方法としては、昇圧工程、吸着工程、洗浄工
程、休止工程および脱着工程を有するサイクルを複数の
吸着塔で互いにずらせて繰返すことにより、一つの吸着
塔の脱着工程が終了すれば他の吸着塔の脱着工程が開始
するようにして連続的にCOの脱着回収が行われるように
したものが知られている。
上記従来の圧力スイング吸着方法を第3図に示す工程
説明図と、第4図に示す4つの吸着塔A,B,C,Dを有する
装置とに基いて一つの吸着塔Aを中心に、脱着工程が終
了した状態から説明する。
昇圧工程は3つの段階に分れ、まず昇圧第1期では脱
着工程が終了して減圧状態にある吸着塔Aと、吸着工程
が終了して加圧状態にある吸着塔Bとを弁31bと弁32aと
を開くことにより接続し、吸着塔Bから減圧排ガスを循
環管路3を通して吸着塔Aに導くことにより、この吸着
塔Aはほぼ大気圧(0Kg/cm2G)まで昇圧されるととも
に、吸着塔Bはほぼ大気圧まで減圧される。この吸着塔
Bは、減圧工程後、洗浄用ガス供給管路4を通して洗浄
用ガスが供給されて洗浄工程に入る。
昇圧第2期では、上記吸着塔Bの洗浄排ガスが循環管
路3を通して吸着塔Aに供給されて洗浄排ガス中のCOが
回収され、残りの排ガスは弁21aが開かれて排ガス排出
管路2を通して放出される。
昇圧第3期では、上記弁21aと弁31bとが閉じられると
ともに、弁31dが開かれることにより、吸着工程の後半
にある吸着塔Dの吸着排ガスが循環管路3を通して吸着
塔Aに供給され、所定の吸着圧力(第3図では2Kg/cm
2G)まで昇圧される。なお、この吸着圧力は1〜5Kg/cm
2G程度の範囲で選択すればよい。
つぎに吸着工程では、弁11aと弁21aとが開かれるとと
もに、弁32aを閉じられて原料ガス圧縮機10によってC
O、CO2、N2およびH2などからなる混合ガスが原料ガスと
して吸着塔Aに供給される。吸着塔Aでは、例えばゼオ
ライトや活性アルミナなどの担体に銅化合物を添着した
吸着剤に原料ガス中の最も吸着性の高いCO(易吸着成
分)が加圧下で吸着され、吸着性の低いN2、CO2およびH
2(難吸着成分)が吸着排ガスとして弁21aおよび排ガス
排出管路2を通して大気中に放出される。
そして、この吸着工程の後半において、上記吸着排ガ
スのCO濃度が原料ガス中のCOの濃度と等しくなる直前に
弁21aを閉じるとともに、弁31aと弁32cとを開き、これ
により上記吸着排ガスを吸着塔Cの昇圧第3期における
昇圧ガスとして用いる。
上記吸着工程が終了すると、吸着塔Aは循環管路3の
弁31aと弁31bとを開くことによって減圧工程に入る。こ
れによって吸着圧力まで昇圧された吸着塔A内の原料ガ
スは減圧状態の吸着塔Bに移動し、吸着塔Aはほぼ大気
圧まで減圧されるとともに、吸着塔Bは昇圧第1期が行
われる。
この後、吸着塔Aは洗浄工程に入る。この洗浄工程で
は、洗浄用ガス供給管路4の弁41aと、循環管路3の弁3
1a,31bと、排ガス排出管路2の弁21bとが開かれ、製品
ガス貯留槽6のCO成分ガスが吸着塔Aに導入される。こ
のCO成分によって吸着塔A内に残留する難吸着成分がパ
ージされ、このパージ排ガスは循環管路3を通して吸着
塔Bに導かれて吸着塔Bの昇圧第2期に用いられる。
洗浄工程が終了した吸着塔Aは上記弁41aおよび弁31a
が閉じられて大気圧の状態で吸着塔Dの脱着工程が終了
するまで休止する。そして吸着塔Dの脱着工程が終了す
ると同時に脱着ガス回収管路5の弁51aを開き、真空ポ
ンプ50を引続いて作動させることによって吸着塔Aは脱
着工程に入る。この脱着工程によって吸着塔A内に吸着
されたCO成分が減圧脱着され、このCO成分ガスが製品ガ
ス貯留槽6に回収される。
上記吸着塔Aでの脱着工程は、吸着塔Bの吸着工程、
吸着塔Cの減圧、洗浄および休止工程、吸着塔Dの昇圧
工程がそれぞれ行なわれている間引続いて行われる。
この脱着工程によって吸着塔A内の圧力は最終的にほ
ぼ−1Kg/cm2まで減圧される。これによって1サイクル
が終了し、この後、吸着塔Aは昇圧工程に戻り、以下同
様の工程が繰返される。
上記従来の圧力スイング吸着方法においては、真空ポ
ンプの動力を有効に利用するために常にいずれかの吸着
塔が脱着工程にあるように設定されている。このため洗
浄工程が終了してから脱着工程に入るまで待機しなけれ
ばならず、この間は休止工程となり無駄が生じている。
また吸着剤としてゼオライトや活性アルミナなどの担
体に銅化合物を添着した化学吸着剤を用いているため
に、ゼオライトなどの物理吸着剤を用いる場合に比べ、
COはこの吸着剤に強く吸着される。このため脱着工程に
おいて減圧しても上記COの脱着は律速でその減圧の初期
はほとんど脱着されない。これに対してCO2、N2、H2
どの不純物はその平衡圧力に比例して容易に脱着される
ために、脱着工程初期に回収される製品ガスのCO純度が
比較的低くなり、この結果製造される製品ガス全体のCO
純度には限界があるという問題がある。
(発明の目的) この発明は、このような従来の問題を解決するために
なされたものであり、CO純度を向上させることができ、
しかも無駄な工程を省くことができる圧力スイング吸着
方法を提供するものである。
(発明の構成) この発明は、昇圧工程と、吸着工程と、減圧工程と、
洗浄工程と、脱着工程とを有し、銅化合物が添着された
吸着剤を充填した4つの圧力スイング吸着塔を用いて、
上記工程を互いにずらせて繰返すことにより一酸化炭素
を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイ
ング吸着方法において、上記脱着工程を予備脱着工程と
本脱着工程とに分け、この予備脱着工程は大気圧より低
く、かつ本脱着工程の圧力より大きい圧力で減圧脱着
し、この予備脱着工程の後に本脱着工程を1サイクルの
1/4の時間行い、本脱着工程での脱着ガスを製品ガスと
して回収するものである。
上記構成によれば、予備脱着工程において比較的脱着
されやすい不純物成分を外部に排出した後、本脱着工程
で脱着される脱着ガスを製品ガスとして回収することに
より、この製品ガスは上記不純物が除去される分だけCO
純度が向上する。
また上記予備脱着工程は比較的小さい減圧力に設定さ
れているのでCOはほとんど脱着されず、このため回収率
も従来方法とほぼ同じ程度に保つことができる。
さらに従来の休止工程の間に予備脱着工程を行うこと
により、無駄な工程を省くことができる。
(実施例) 第2図にはこの発明の方法を実施するための装置が示
されている。この装置は第4図に示す従来の方法を実施
するための装置に予備脱着管路7を新たに設けたもので
ある。この予備脱着管路7の一端は吸着塔A,B,C,Dの下
端と弁71a,71b,71c,71dを介して接続され、上記管路7
の途中には予備脱着用の小型真空ポンプ70が設けられ、
この小型真空ポンプ70の下流側で排ガス排出管路2と合
流されている。上記小型真空ポンプ70は吸着塔A,B,C,D
内をほぼ−0.1Kg/cm2G程度まで減圧することができるよ
うにその能力が設定され、これによって本脱着工程の前
に、吸着塔A,B,C,Dの吸着剤に吸着された吸着成分を比
較的小さい減圧力で予備脱着することができるようにし
ている。
また吸着塔A,B,C,Dには、ゼオライトや活性アルミナ
などの担体に銅化合物を添着した吸着剤が充填されてい
る。
第1図にはこの発明の実施例の各工程と各吸着塔内の
圧力とが経時的に示されている。第1図において、この
方法は昇圧工程と、吸着工程と、減圧工程と、洗浄工程
と、脱着工程とから基本構成され、上記昇圧工程は昇圧
第1期から昇圧第3期までに分けられ、また脱着工程は
予備脱着工程と本脱着工程とに分けられる。
上記各工程を第1図および第2図に基いて吸着塔Aを
中心に説明する。昇圧第1期から昇圧第3期、吸着工
程、減圧工程および洗浄工程は、第3図に示す従来の工
程と同じに行われ、洗浄工程の終了段階の吸着塔Aはほ
ぼ大気圧(0Kg/cm2G)にある。
洗浄工程において開かれていた弁41a、31a、32b、21b
が閉じられ、弁71aが開かれるとともに、小型真空ポン
プ70が作動されて予備脱着工程に入る。この予備脱着工
程においては、吸着塔A内がほぼ−0.1Kg/cm2Gに減圧さ
れ、これによって吸着剤に吸着されていたCO2、N2、H2
などの不純物成分を多量に含むCOガスが予備脱着管路7
を通して放出される。この予備脱着工程は吸着塔Dの本
脱着工程が終了するまでの間のほぼ1分30秒間続けら
れ、上記吸着塔Dの本脱着工程終了と同時にこの吸着塔
Aが本脱着工程に切換わる。なお、上記予備脱着工程は
0Kg/cm2G未満、−0.5Kg/cm2G以上の範囲の減圧力で行え
ばよい。この吸着塔Aの予備脱着工程の間、他の吸着塔
Bでは昇圧第3期、吸着塔Cでは吸着工程後半が行なわ
れている。
本脱着工程では、上記予備脱着管路7の弁71aが閉じ
られ、脱着ガス回収管路5における吸着塔D側の弁51d
が閉じられるとともに、吸着塔A側の弁51aが開かれる
ことにより、吸着塔A内が最終的にはほぼ−1Kg/cm2Gま
で減圧される。これによって吸着剤に吸着されていたCO
成分が脱着され、このCO成分が脱着ガス回収管路5を通
して製品ガス貯留槽6に回収される。この本脱着工程は
ほぼ3分間続けられ、この間、他の吸着塔Bでは吸着工
程、吸着塔Cでは減圧工程と洗浄工程と予備脱着工程、
吸着塔Dでは昇圧第1期から昇圧第3期までがそれぞれ
行われている。
この本脱着工程の終了によって1サイクル(12分間)
が終了し、この後、吸着塔Aは再び昇圧工程に戻り、以
下同様の工程が繰返される。なお、上記説明は吸着塔A
を中心にして行ったが、他の吸着塔B,C,Dにおいても同
様な弁の開閉操作によって各工程が順次繰返される。
このような方法によれば、従来の方法における脱着工
程初期の脱着回収ガスに比較的多量に含まれるCO2など
の不純物成分が、上記実施例では予備脱着工程において
大気に排出され、製品ガス貯留槽6に回収されることは
ないので、この分だけ製品ガスのCO純度が向上する。
さらに上記予備脱着工程は従来の方法における休止工
程の間に行われるように設定しているので、本脱着工程
の脱着時間を従来の方法と同じだけ行うことができる。
この結果、本脱着工程は4つの吸着塔A,B,C,Dで1サイ
クルの1/4に相当する3分間ずつ行われることになり、
一つの吸着塔の1サイクル12分間で真空ポンプ50は連続
運転され、本脱着工程も常にいずれかの吸着塔で行われ
ることになる。
(具体例1) 吸着剤として活性アルミナ担体に銅化合物を担持させ
た吸着剤を用い、この吸着剤を吸着塔に1塔当たり80
充填し、COが70%、CO2が15%、N2が15%の組成を有す
る原料ガスからCO成分を分離回収する場合について、第
4図に示す装置を用いて第3図に示す従来の方法による
場合と、第2図に示す装置を用いて第1図に示す実施例
の方法による場合とで比較試験を行った。
この結果、従来の方法では、運転開始後80分間で製品
ガスのCO純度は99.50%で一定となり、回収率は80%を
維持し、1サイクル12分間当たりのCOの回収量は1.28Nm
3であった。
一方、上記従来の方法による場合と同じ洗浄用ガス量
にして運転を行うことにより、運転開始後80分間で製品
ガスのCO純度は99.80%で一定となり、回収率は80%を
維持し、1サイクル12分間当たりのCOの回収量は1.28Nm
3であった。
(具体例2) 洗浄用ガス量を上記具体例1における洗浄用ガス量の
ほぼ50%に設定して上記従来の方法によって運転する
と、運転開始後80分間で製品ガスのCO純度は99.0%で一
定になり、回収率は87%を維持し、1サイクル12分間当
たりのCOの回収量は1.76Nm3であった。
一方、上記従来の方法による場合と同じCO純度(99.0
%)の製品ガスを得るように上記実施例の方法によって
運転すると、必要な洗浄用ガス量は上記従来の方法によ
る場合より少なくてすみ、また1サイクル12分間当たり
のCO回収量は1.98Nm3となり、回収率は90%を維持し
た。
(発明の効果) この発明の圧力スイング吸着方法によれば、予備脱着
工程において比較的脱着しやすい不純物成分が外部に排
出されるために、本脱着工程で脱着される製品ガスは上
記不純物が除去される分だけCO純度が向上する。また上
記予備脱着工程は比較的小さい減圧力に設定されている
のでCOはほとんど脱着されず、このため回収率も従来方
法とほぼ同じ程度に保つことができる。
したがって洗浄用ガス量を従来方法と同じにして運転
することにより、回収率および回収量をほぼ同程度に保
ちつつ、製品ガスのCO純度を向上させることができる。
また製品ガスのCO純度が従来方法で得られるCO純度と
同じに設定して運転することにより、洗浄用ガスが従来
方法より少なくてすむので、回収率を向上させることが
できるとともに、COの回収量の増加を図ることができ
る。
さらに従来方法における休止工程のかわりに予備脱着
工程を行うことにより、無駄な工程を省くことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例の工程説明図、第2図は第1
図の方法を実施するための装置の説明図、第3図は従来
の方法の工程説明図、第4図は第3図に示す従来の方法
を実施するための装置を示す説明図である。 A,B,C,D……圧力スイング吸着塔、1……原料ガス供給
間路、2……排ガス排出管路、3……循環管路、4……
洗浄用ガス供給管路、5……脱着ガス回収管路、6……
洗浄用ガス貯留槽、7……予備脱着管路、10……原料ガ
スブロア、50,70……真空ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糟谷 文彦 兵庫県神戸市東灘区北青木2丁目10―6 (72)発明者 福田 迪彦 兵庫県加古郡稲美町加古3765―1 (72)発明者 辻 利明 大阪府泉佐野市南中岡本145

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇圧工程と、吸着工程と、減圧工程と、洗
    浄工程と、脱着工程とを有し、銅化合物が添着された吸
    着剤を充填した4つの圧力スイング吸着塔を用いて、上
    記工程を互いにずらせて繰返すことにより一酸化炭素を
    含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイン
    グ吸着方法において、上記脱着工程を予備脱着工程と本
    脱着工程とに分け、この予備脱着工程は大気圧より低
    く、かつ本脱着工程の圧力より大きい圧力で減圧脱着
    し、この予備脱着工程の後に本脱着工程を1サイクルの
    1/4の時間行い、本脱着工程での脱着ガスを製品ガスと
    して回収することを特徴とする圧力スイング吸着方法。
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CN104474837B (zh) * 2014-11-04 2016-12-07 中国石油化工股份有限公司青岛安全工程研究院 油气回收系统吸附剂的钝化方法

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