JP2637520B2 - フッ素樹脂微粉の製法 - Google Patents
フッ素樹脂微粉の製法Info
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- JP2637520B2 JP2637520B2 JP29438388A JP29438388A JP2637520B2 JP 2637520 B2 JP2637520 B2 JP 2637520B2 JP 29438388 A JP29438388 A JP 29438388A JP 29438388 A JP29438388 A JP 29438388A JP 2637520 B2 JP2637520 B2 JP 2637520B2
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- pulverization
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、単純な機械粉砕では25μm以下に微粉砕す
ることが困難なフッ素樹脂を対象にして、微粉砕を可能
にするために、フッ素樹脂に電離性放射線を照射し、そ
の後でフッ素樹脂を機械粉砕するフッ素樹脂微粉の製法
に関する。
ることが困難なフッ素樹脂を対象にして、微粉砕を可能
にするために、フッ素樹脂に電離性放射線を照射し、そ
の後でフッ素樹脂を機械粉砕するフッ素樹脂微粉の製法
に関する。
従来、電離性放射線照射によってフッ素樹脂の架橋を
切った後、ハロゲン化メタンと酸素の共存下でフッ素樹
脂を加熱処理し、その後で、ロール粉砕機やハンマー粉
砕機による粗砕処理とボールミルや引臼などによる微粉
砕処理によってフッ素樹脂の微粉を製造していた(例え
ば特開昭49−22449号公報参照)。
切った後、ハロゲン化メタンと酸素の共存下でフッ素樹
脂を加熱処理し、その後で、ロール粉砕機やハンマー粉
砕機による粗砕処理とボールミルや引臼などによる微粉
砕処理によってフッ素樹脂の微粉を製造していた(例え
ば特開昭49−22449号公報参照)。
しかし、加熱処理工程が必要な上に粉砕に方式が相違
する二工程が必要であるため、設備、手間、経費、作業
時間のいずれにおいても欠点があり、危険なハロゲン化
メタンを取扱わなければならず、薬品管理や安全性の面
でも欠点があった。
する二工程が必要であるため、設備、手間、経費、作業
時間のいずれにおいても欠点があり、危険なハロゲン化
メタンを取扱わなければならず、薬品管理や安全性の面
でも欠点があった。
さらに、フッ素樹脂の微粉の粒度は、100メッシュ通
過分が88重量%程度であり、未だ微粉砕が不十分であっ
た。
過分が88重量%程度であり、未だ微粉砕が不十分であっ
た。
本発明の目的は、工程の簡略化を図れると共に危険な
薬品を不要にでき、かつ、十分な微粉砕を実現できる、
一段と優れた機械粉砕方式のフッ素樹脂微粉の製法を提
供する点にある。
薬品を不要にでき、かつ、十分な微粉砕を実現できる、
一段と優れた機械粉砕方式のフッ素樹脂微粉の製法を提
供する点にある。
本発明の特徴手段は、フッ素樹脂の機械粉砕を、電離
性放射線を照射しただけのフッ素樹脂に対して実行する
と共に、フッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲気下で実
行することにあり、その作用・効果は次の通りである。
性放射線を照射しただけのフッ素樹脂に対して実行する
と共に、フッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲気下で実
行することにあり、その作用・効果は次の通りである。
いかなる条件で機械粉砕すればフッ素樹脂の十分な微
粉砕を実行できると共に、工程の簡略化を十分に図れる
かについて、各種実験により調べたところ、下記の事実
が判明した。
粉砕を実行できると共に、工程の簡略化を十分に図れる
かについて、各種実験により調べたところ、下記の事実
が判明した。
例えば−100℃以下のフッ素樹脂が低温脆性を示す低
温雰囲気下で機械粉砕を実行すれば、前述の従来技術で
必要とした薬品処理と加熱処理を施さないで、単に電離
性放射線を照射しただけでフッ素樹脂を十分に微粉砕で
きる事実が判った。また、方式が相違する二工程の機械
粉砕を必要とせずに、衝撃式粉砕装置だけで1〜2回粉
砕処理することによって、前述の従来技術よりも一段と
微細に粉砕できる事実が判った。
温雰囲気下で機械粉砕を実行すれば、前述の従来技術で
必要とした薬品処理と加熱処理を施さないで、単に電離
性放射線を照射しただけでフッ素樹脂を十分に微粉砕で
きる事実が判った。また、方式が相違する二工程の機械
粉砕を必要とせずに、衝撃式粉砕装置だけで1〜2回粉
砕処理することによって、前述の従来技術よりも一段と
微細に粉砕できる事実が判った。
つまり、フッ素樹脂が低温脆性を示す−100℃で衝撃
粉砕する本発明法、及び、30℃で衝撃粉砕する比較法夫
々において、γ線照射量を変更すると、フッ素樹脂微粉
の粒度がいかに変化するかを調べたところ、第2図に示
す結果を得た。
粉砕する本発明法、及び、30℃で衝撃粉砕する比較法夫
々において、γ線照射量を変更すると、フッ素樹脂微粉
の粒度がいかに変化するかを調べたところ、第2図に示
す結果を得た。
その結果から、望ましくは6〜15Mradのγ線を照射
し、フッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲気下で機械粉
砕すると、電離性放射線照射によるフッ素樹脂の架橋切
断と低温脆化の相剰作用で、薬品処理や加熱処理を必要
とせずに、かつ、衝撃式粉砕だけで、フッ素樹脂を十分
に微粉化できることが判った。
し、フッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲気下で機械粉
砕すると、電離性放射線照射によるフッ素樹脂の架橋切
断と低温脆化の相剰作用で、薬品処理や加熱処理を必要
とせずに、かつ、衝撃式粉砕だけで、フッ素樹脂を十分
に微粉化できることが判った。
また、10Mradの電離性放射線を放射しただけのフッ素
樹脂を−100℃のフッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲
気で機械粉砕して、フッ素樹脂微粉の粒度を調べたとこ
ろ、微粉のほぼ全量が100メッシュの篩を通過し、62.5
重量%の微粉が500メッシュの篩を通過した。他方、前
述の従来技術では88重量%の微粉が100メッシュの篩を
通過するにすぎず、従来技術に比して本発明法は大巾な
微粒子化を図れることが判った。
樹脂を−100℃のフッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲
気で機械粉砕して、フッ素樹脂微粉の粒度を調べたとこ
ろ、微粉のほぼ全量が100メッシュの篩を通過し、62.5
重量%の微粉が500メッシュの篩を通過した。他方、前
述の従来技術では88重量%の微粉が100メッシュの篩を
通過するにすぎず、従来技術に比して本発明法は大巾な
微粒子化を図れることが判った。
その結果、従来必要としていた薬品処理と加熱処理を
無くすと共に、一方式の機械粉砕で済ますことができ
て、工程の大巾な簡略化を図れ、設備、手間、経費及び
作業時間のいずれにおいても有利に、かつ、危険な薬品
を必要としないで完全にフッ素樹脂の機械粉砕を実行で
きるようになり、その上、一段と微細なフッ素樹脂微粉
を製造できるようになった。
無くすと共に、一方式の機械粉砕で済ますことができ
て、工程の大巾な簡略化を図れ、設備、手間、経費及び
作業時間のいずれにおいても有利に、かつ、危険な薬品
を必要としないで完全にフッ素樹脂の機械粉砕を実行で
きるようになり、その上、一段と微細なフッ素樹脂微粉
を製造できるようになった。
次に、第1図により実施例を説明する。
先ず、フッ素樹脂に電離性放射線を照射して、フッ素
樹脂の架橋を切断する。
樹脂の架橋を切断する。
電離性放射線はα線、β線、γ線及びX線のいずれで
もよく、放射線源は原子炉、放射線同位元素、ファンデ
グラフ及びX線発生装置などである。工業的に望ましい
ものは、ファンデグラフによる電子線又はγ線、コバル
ト−60のγ線、X線発生装置によるX線などである。
もよく、放射線源は原子炉、放射線同位元素、ファンデ
グラフ及びX線発生装置などである。工業的に望ましい
ものは、ファンデグラフによる電子線又はγ線、コバル
ト−60のγ線、X線発生装置によるX線などである。
フッ素樹脂はポリテトラフルオルエチレン、ポリクロ
ルトリオルエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル、その他である。
ルトリオルエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル、その他である。
また、フッ素樹脂は粒状、粒状、繊維状、予備成型し
たもの等のいかなるものでもよい。
たもの等のいかなるものでもよい。
電離性放射線照射量は第2図に示すように6〜15Mrad
が効果及び効率面から望ましく、さらに望ましくは10Mr
ad程度(9〜11Mrad)である。
が効果及び効率面から望ましく、さらに望ましくは10Mr
ad程度(9〜11Mrad)である。
次に、電離性放射線を照射しただけのフッ素樹脂を、
衝撃式粉砕装置においてフッ素樹脂が低温脆性を示す低
温雰囲気下(例えば−100℃以下)で機械粉砕し、フッ
素樹脂微粉を製造する。
衝撃式粉砕装置においてフッ素樹脂が低温脆性を示す低
温雰囲気下(例えば−100℃以下)で機械粉砕し、フッ
素樹脂微粉を製造する。
衝撃式粉砕装置は例えばハンマーミルなどの公知のも
のから適宜選定する。
のから適宜選定する。
フッ素樹脂が低温脆性を示す低温雰囲気にするに、例
えば液化窒素ガスなどの低温液化ガスを粉砕装置内に噴
霧したり、粉砕装置の冷却ジャケットに供給する等、適
当な手段を選択できる。
えば液化窒素ガスなどの低温液化ガスを粉砕装置内に噴
霧したり、粉砕装置の冷却ジャケットに供給する等、適
当な手段を選択できる。
衝撃粉砕は必要に応じて複数回行ってもよい。
第1図は本発明のフローシートであり、第2図は実験結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−17456(JP,A) 特開 昭55−124612(JP,A) 特開 昭50−75645(JP,A) 特開 昭49−22449(JP,A) 特公 昭56−8043(JP,B2) 特公 昭52−25858(JP,B2)
Claims (3)
- 【請求項1】フッ素樹脂に電離性放射線を照射し、その
後でフッ素樹脂を機械粉砕するフッ素樹脂微粉の製法で
あって、 前記機械粉砕を、前記電離性放射線を照射しただけのフ
ッ素樹脂に対して実行すると共に、フッ素樹脂が低温脆
性を示す低温雰囲気下で実行するフッ素樹脂微粉の製
法。 - 【請求項2】前記電離性放射線の照射量を6〜15Mradに
する請求項1記載のフッ素樹脂微粉の製法。 - 【請求項3】前記機械粉砕を衝撃式粉砕装置だけで実行
する請求項1又は2記載のフッ素樹脂微粉の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29438388A JP2637520B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | フッ素樹脂微粉の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29438388A JP2637520B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | フッ素樹脂微粉の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02139204A JPH02139204A (ja) | 1990-05-29 |
JP2637520B2 true JP2637520B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=17807015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29438388A Expired - Lifetime JP2637520B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | フッ素樹脂微粉の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2637520B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101848775B1 (ko) * | 2015-08-31 | 2018-05-28 | 주식회사 티케이케미칼 | 열가소성 폐불소고분자 수지의 미분말 제조방법 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4837109B2 (ja) * | 2010-02-17 | 2011-12-14 | 株式会社サクラクレパス | エレクトレット性粗粉の製造方法 |
JP6497247B2 (ja) * | 2015-07-10 | 2019-04-10 | 日立金属株式会社 | 架橋フッ素樹脂粉体の製造方法 |
RU2669841C1 (ru) * | 2017-08-09 | 2018-10-16 | Сергей Витальевич Слесаренко | Способ получения полимерных материалов |
EP4428181A1 (en) | 2022-12-05 | 2024-09-11 | Daikin Industries, Ltd. | Method for producing polytetrafluoroethylene micropowder, and polytetrafluoroethylene micropowder |
-
1988
- 1988-11-21 JP JP29438388A patent/JP2637520B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101848775B1 (ko) * | 2015-08-31 | 2018-05-28 | 주식회사 티케이케미칼 | 열가소성 폐불소고분자 수지의 미분말 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02139204A (ja) | 1990-05-29 |
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