JP2637325B2 - 汚泥の脱水方法並びにその装置 - Google Patents

汚泥の脱水方法並びにその装置

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JP2637325B2 JP3306719A JP30671991A JP2637325B2 JP 2637325 B2 JP2637325 B2 JP 2637325B2 JP 3306719 A JP3306719 A JP 3306719A JP 30671991 A JP30671991 A JP 30671991A JP 2637325 B2 JP2637325 B2 JP 2637325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下水汚泥等の脱水方
法並びにその装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種下水汚泥等の脱水方法並び
にその脱水手段としては、下水を高分子凝集剤等で濃縮
して3〜5%程度の濃縮汚泥とした後、これをベルトプ
レス等の加圧脱水機で加圧ろ過して水分80%程度のケ
ーキとしてそのまま投棄あるいは焼却処分等をすること
が知られている。従来の濃縮手段の具体例をあげれば、
例えば、特公昭62−35804号発明があり、この発
明では、濃縮槽中にろ過板を吊設し、水分を吸引分離し
て濃縮された汚泥を槽の底部から抜くようにしている。
このような機械的手段で濃縮してもその濃度は3〜5%
であり、事後の脱水機に大きな負担をかけるとともに、
脱水機から得られるケーキも前述のように含水率が80
%程度のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
濃縮方法および脱水方法によれば、3〜5%程度にしか
濃縮できず、日々発生する汚泥量からして膨大な量とな
り、処理施設における消化タンクも大型となると、脱水
機に送られる汚泥も大量となって大型の脱水機を必要と
する。さらに、この脱水機で処理されたケーキも含水率
80%程度であり依然として大量であり、投棄するにも
運搬および場所の確保で、また、焼却するにも焼却炉、
燃料等、多くの課題を残している。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明では、
汚泥を二段に濃縮して脱水することによって、含水率の
低いケーキとしてその量を大巾に削減したものであり、
その濃縮脱水手法および手段として次のような方法およ
び手段を採用したものである。すなわち、高分子凝集剤
を添加して凝集した汚泥を急速にろ過脱水し、そのケー
キを撹拌しながら超音波を照射して分散流動化させ、こ
の分散流動化した一次脱水スラリーに、低分子量凝集剤
を添加して再凝集したのち、加圧脱水して二次脱水ケー
キを得るようにしたものである。そして、上述の二次脱
水ケーキを得る手段としてその前段に高分子量凝集剤に
よる凝集装置を備えたスクリーンドラム等よりなる急速
脱水機と、この急速脱水機の後段に設けられて、撹拌装
置と超音波照射装置とを備えた低分子量凝集剤による凝
集装置と、この凝集装置の後段に設けた加圧説水機とで
構成したものである。さらに、上記加圧脱水機および低
分子量凝集剤による凝集装置の具体的構成として、この
加圧脱水機の構成を外筒内にスクリュー軸を設けたスク
リュープレス状に構成し、その急速脱水機の終端部と加
圧脱水機の始端部との間に低分子凝集剤の添加装置を
備えた凝集筒を設け、この凝集筒内に撹拌装置と超音波
投射装置を設けたものである。
【0005】
【作用】この発明は、上述のように構成してあり、先
ず、高分子凝集剤によって凝集した汚泥は、そのフロ
ックが大きくて脱水性が良く、ろ過脱水機で急速に脱水
可能で、ベルトプレス等を用いると、含水率80%程度
のケーキを得ることができる。このときのケーキ中の水
分80%は、その大半が凝集フロック中の内部水であ
り、加圧では分離し難い状態でケーキ中に存在してい
る。次に、このケーキを撹拌しながら超音波を投射する
ことによって、上記の大きなフロックが破壊されてその
内部水が解放され、液体化して流動可能となる。すなわ
ち、濃度80%程度の漏縮スラリーとなるわけであり、
このスラリーに低分子量凝集剤を添加することによっ
て、その固形分が小さなフロックを形成して凝集する。
この小さなフロックの保持水は少ない上に流動化したス
ラリーの濃度が前述のように80%程度と濃いので、次
に行われる加圧脱水で低含水率(60%程度)のケーキ
を能率よく得ることができる。以下、図面に基づいてこ
の発明を具体的に説明する。
【0006】
【実施例】図1は、この発明を実施するための濃縮脱水
装置の縦断側面図であり、符号1は、メタルメッシュを
張設した円筒状のスクリーン、2は凝集室、3は、メタ
ルメッシュを張設した円筒状の回転スクリーンである。
符号4は、上記スクリーン1、凝集室2、回転スクリー
ン3内にこれらを貫通して設けた回転自在な送り軸であ
り、スクリーン1に対応する部位には、そのピッチを徐
々に縮めた螺旋翼5が巻回してあり、凝集室2に対応す
る部分には多数の撹拌翼6が取付けてあり、さらに、回
転スクリーン3に対応する部位には多重に螺旋翼7が巻
回してある。多重とは、円周方向に位相をずらせて同一
ピッチの螺旋翼7が巻回してある意味である。次に、符
号8は凝集汚泥の投入口でこの投入口8から投入される
汚泥は、高分子量凝集剤で凝集した汚泥である。符号9
は、その照射体を凝集室2内に向けた超音波照射器、1
0は、低分子量凝集剤の添加パイプである。すなわち、
この濃縮脱水装置は、その脱水部がスクリュープレス型
に形成され、その前段の脱水装置部分と後段の高圧脱水
部との間に、急速脱水装置に生じたケーキの分散と再凝
集部が設けられており、これらの装置が一連となって連
続して作動できるようにしてある。
【0007】この発明に係る濃縮脱水装置は上述のよう
に構成されており、投入口8から投入される汚泥は高分
子量凝集剤で凝集されていてフロックが大きく、送り軸
4の回転に伴ってスクリーン1で急速にその水分がろ過
分離されて、螺旋翼5によって凝集室2に送られる。こ
の凝集室2に送られる汚泥は、螺旋翼5によって押圧さ
れ乍らのスクリーンのろ過によるので普通水分が80%
〜85%のケーキ状となる。この凝集室2では、このケ
ーキが撹拌翼6によって撹拌されると同時に超音波照射
器9から超音波が照射され、破砕分散して流動化され、
次いでこの流動化したケーキに低分子量凝集剤が添加さ
れることによって、その流動化したスラリー内では、そ
の固形分が凝集して図5に示すように小さなフロックを
形成する。
【0008】図2〜図5は、上述の汚泥スラリーの固形
分が凝集剤の添加によって凝集する様子を模式的に示す
ものであり、図2は、高分子量凝集剤を添加することに
よってスラリー中に大きなフロックFを形成した状態を
示し、Wfは遊離水を示すものである。図3および図4
は、フロックFを取出したもので、図中符号Wは内部
水、Wsは表面付着水を示すものである。スクリーン1
内では、高分子凝集剤によって図2のように凝集したス
ラリー中の遊離水Wfが急速に分離されて前述のように
水分80%〜85%程度にケーキ化するものである。
【0009】凝集室2では、このケーキ化したスラリー
の中のフロックFが撹拌翼6および超音波によって破砕
され、そのフロックFの内部水および表面付着水が自由
水となり流動化する。すなわち、分散するものであり、
この流動化したスラリーに低分子量凝集剤を添加するこ
とによって、図5に示すような、大きなフロックFから
の遊離水Wfと再凝集した小さなフロックFsとよりな
るスラリーとなる。
【0010】このように凝集したスラリーは、次段の回
転スクリーン3内を送られる間に強圧されて遊離水Wf
がろ過脱水されて低水分(含水率60%程度)のケーキ
とすることができる。すなわち、この回転スクリーン3
部分では、図1に示すように送り軸4と回転スクリーン
3との間隙が送り方向に狭くしてあってスラリーを圧搾
するとともに、螺旋翼7が多重に設けてあってスラリー
を強圧するものである。また、この回転スクリーン部分
に送られるスラリーは、スクリーン1部分で一次脱水さ
れてその汚泥濃縮が15〜20%と高く、回転スクリー
ン3の目を小さくしてろ過性が悪くなっても、従来の3
〜5%程度の固形物濃度のスラリーを一挙にろ過脱水す
るのに比較すれば、そのろ過能率が極めて高いものであ
る。
【0011】以上の実施例の説明では、一次脱水、その
脱水ケーキの分散と再凝集、二次脱水の各操作をスクリ
ュープレス状の脱水機を用いて、一連に接続して行った
がこれら各装置を分離して行ってもよい。特に、二次脱
水機は、ベルトプレスを用いてもよく、また、圧搾装置
付フイルタプレスを用いるとさらに低含水率のケーキを
得ることができる。
【0012】
【発明の効果】このようにこの発明は、高分子凝集剤を
用いて凝集したスラリーを効率よく一次脱水し、その一
次脱水ケーキを撹拌破砕して分散流動化させ、その高濃
度のスラリーを低分子凝集剤で再凝集して二次脱水す
ることによって、一次、二次のろ過脱水共に効率がよ
く、従来の一次脱水によるケーキに比較してはるかに低
含水率のケーキを得ることができるものである。然も、
この発明では、特別な凝集装置や脱水機は必要とせず、
実施するにも至便なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる濃縮脱水装置の概略の縦断側
面図である。
【図2】この発明に係る一次凝集スラリーの内容状態の
解説図である。
【図3】図2のスラリー中のフロックの構造の説明図で
ある。
【図4】図3のフロックの構造の拡大説明図である。
【図5】この発明に係る二次凝集スラリーの内容状態の
解説図である。
【符号の説明】
4 送り軸 6 撹拌翼 9 超音波照射器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量凝集剤を添加して凝集した汚泥
    を急速にろ過脱水し、そのケーキを撹拌し乍ら、超音波
    を照射して分散流動化させ、この分散流動化した一次脱
    水スラリーに、低分子量凝集剤を添加して再凝集したの
    ち加圧ろ過して、二次脱水ケーキを得ることを特長とす
    る汚泥の脱水方法。
  2. 【請求項2】 その前段に高分子量凝集剤による凝集装
    置を備えたスクリーンドラム等よりなる急速脱水機と、
    この急速脱水機の後段に設けられて、撹拌装置6と超音
    波照射装置9とを備えた低分子量凝集剤による凝集装置
    と、この低分子量凝集装置の後段に設けた加圧脱水機と
    よりなり、急速ろ過機からの一次脱水ケーキを撹拌装置
    6と超音波で分散したのち、この一次脱水スラリーを加
    圧脱水機で二次脱水することを特長とする汚泥の脱水装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2における急速脱水機および加圧
    脱水機を外筒内にスクリュー軸4を設けたスクリュープ
    レス状に構成し、その急速脱水機の終端部と加圧脱水機
    の始端部との間に低分子凝集剤の添加装置を備えた凝
    集室2を設け、この凝集室内に撹拌装置6と超音波照射
    装置9を設けたことを特長とする汚泥の脱水装置。
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