JP2637231B2 - 押釦スイッチ - Google Patents

押釦スイッチ

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JP2637231B2
JP2637231B2 JP9058589A JP9058589A JP2637231B2 JP 2637231 B2 JP2637231 B2 JP 2637231B2 JP 9058589 A JP9058589 A JP 9058589A JP 9058589 A JP9058589 A JP 9058589A JP 2637231 B2 JP2637231 B2 JP 2637231B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パーソナルコンピユータ,ワードプロセツ
サ等のキーボードに使用される押釦スイツチに係り、特
にクリツク感触とスイツチ動作が的確に対応し、且つ確
実なスイツチ動作を行うように構成された押釦スイツチ
に関する。
〔従来の技術〕
ハウジングに設けられているスイツチ素子を、ハウジ
ングに摺動自在に取り付けられている操作部材を押し込
み操作することによつてON状態とし、スイツチ動作を行
わせる押釦スイツチは、パーソナルコンピユータ,ワー
ドプロセツサ等のキーボードとして使用されている。
クリツク感触を有するスイツチには、ドーム状弾性体
の裏面に直接可動接点を、例えばスポツト溶接の手段で
設けたものがある。
しかし、このドーム状弾性体に溶接により、応力が印
加されて、ドーム状弾性体が反転動作を円滑に行わなく
なり、操作者が快適なクリツクを触知出来ないことがあ
り望ましくない。このため、可動接点及び固定接点はハ
ウジング側に取り付け、ドーム状弾性体は反転動作の目
的のためだけに利用するのか、最近の趨勢である。
第4図は、従来の押釦スイツチの構成を示す縦断面図
であり、上面が開放面とされ、絶縁性合成樹脂材で筒状
に形成されたハウジング1の底面に開口2が形成され、
この開口2を塞ぐように、ハウジング1の底面にメンブ
レンスイツチ基板3が固定されている。
このメンブレンスイツチ3は、可動接点4が形成され
ている上シート5と、固定接点6が形成されている下シ
ート7と、可動接点4と固定接点6との対向位置に開口
8が形成されている絶縁性のスペーサ板9とで構成され
ており、このメンブレンスイツチ3は金属板29上に載置
されている。
ハウジング1の底面上にリング状突起10が一体に形成
され、このリング状突起10に嵌合するように、ハウジン
グ1の底面上にドーム状弾性体11が取り付けられ、この
ドーム状弾性体11のメンブレンスイツチ基板3と対向す
る面には、突起12が一体に形成されている。
ドーム状弾性体11の上面には嵌合凹部12hが形成さ
れ、この嵌合凹部12hにコイルばね13の一端が嵌合さ
れ、コイルばね13の他端には支持板14が係止されてい
る。
ハウジング1には、その開放面から、キートツプ16の
摺動部材15が嵌合され、出入自在にされている。このキ
ートツプ16は、摺動部材15の外側に固定されているガイ
ド部17が、ハウジング1の内周面と接して上下方向に摺
動自在に、ハウジング1に対して取り付けられている。
第6図(a)は、ドーム状弾性体11の作動力と移動量
との関係を示す作動特性図であり、第6図(b)は、コ
イルばね13の作動力と移動量との関係を示す作動力特性
図である。
同図(b)に示すように、コイルばね13ではばね力に
抗してコイルばね13を下方に押圧変位させて移動させる
と、その移動量と押圧に対して受ける反力(作動力)と
は、リニアな比例関係にある。また、同図(a)に示す
ように、ドーム状弾性体11では、作動力が増加して行つ
てc点に達すると、ドーム状弾性体11の中央部分か上シ
ート5側に湾曲するように反転変位するために、作動力
は減少し全体として極大値を有する特性曲線となる。
第4図においてコイルばね13を取り除き、ドーム状弾
性体11を直接押圧して、第6図(a)に示すようにドー
ム状弾性体11の移動量を増加させて行くと、同図(a)
のd点でドーム状弾性体11は完全に反転変位し上シート
5に接触し、i点でドーム状弾性体11で押し込まれた可
動接点4が固定接点6と接触する。
前述のように第6図(b)に示す作動力特性を有する
コイルばね13と、第6図(a)に示す作動力特性を有す
るドーム状弾性体11とを、第4図に示すように直列に接
続した弾性体系の作動力特性は、第5図に示すようにな
る。
即ち、この弾性体系では、第4図においてキートツプ
16を押し込んで、キートツプ16の裏面を支持板14に対峙
させ押し込みを続けると、コイルばね13のばね力が徐々
に増大され、キートツプ16に作用する反力(作動力)
が、第5図の直線傾斜部Aに沿つて増大して行く。この
作動力が第5図のe点に達すると、ドーム状弾性体11の
中央部分が上シート5側に湾曲するように反転変位する
ため、コイルばね13が急激に伸長して、キートツプ16の
作動力が、第5図の直線下降部Bの如く減少させられ
る。
この反転変位によつて、ドーム状弾性体11の突起12
が、メンブレンスイツチ基板3の上シート5を押圧する
ので、可動接点4が下シート7の固定接点6側に移動
し、第5図のf点で可動接点4が固定接点6と接触し、
同時にドーム状弾性体11が完全に反転変形しこれが操作
者にクリツク感として感知される。
この後、キートツプ16を更に押圧すると、コイルばね
13のばね力が増大して、作動力が第5図の直線傾斜部D
に沿つて増大させられる。そして、コイルばね13が圧縮
され、摺動部材15の下端部がハウジング1内底面に当接
すると、キートツプ16が変位出来なくなつて、その作動
力がg点で急激に増大する。
一方、キートツプ16の押圧力を解除すると、キートツ
プ16が、ドーム状弾性体11のばね復帰力とコイルばね13
のばね復帰力によつて、第5図の直線傾斜部Eに沿つて
弾性体系の移動量が減少する。この弾性体系の復帰が進
んで、第5図のh点に達すると、ドーム状弾性体11はコ
イルばね13側に反転し、操作者にクリツク感を触知させ
る。
前述の説明で明らかなように、理論的には第5図のe
点と第6図(a)のc点では、系の作動力は同一であ
り、第5図のh点と第6図(a)のd点では系の作動力
は同一である。そこで、メンブレンスイツチ基板3の可
動接点4と固定接点6とが、電気的にON状態を維持する
ために必要な作動力をf2とし、第6図(a)にとし
て書き込むと、同図における点dは第5図において点h
に対応するので、作動力f2は同図においてのように
書き込まれる。
第5図の直線傾斜部E上において、点kに対応する点
はlであるから、点fでONとなつたメンブレンスイツチ
基板3の可動接点4と固定接点6とは、点fから点lの
直前までは電気的にON状態を維持するが、点lにおいて
作動力が不足してOFF状態となる。
このようにして、従来の押釦スイツチによると、メン
ブレンスイツチ基板3の電気的ON及びOFFの動作点を換
えてヒステリシスカーブ状にスイツチ動作を行わせるこ
とが出来る。
〔発明が解決しようとする課題〕
第5図において点fでドーム状弾性体11が、操作者に
クリツク感を触知させて反転し、メンブレンスイツチ基
板3がONとなつて時に有する押圧のための作動力はf1
ある。この作動力f1と、前述の作動力f2との関係で、押
釦スイツチのスイツチ動作が次のような状態となる。
(1) f1<f2の場合 この場合は、第5図の点fでドーム状弾性体11は反転
し、操作者はクリツクを触知するがメンブレンスイツチ
基板3のON動作は行われない。
(2) f1=f2の場合 この場合は、作動力f2メンブレンスイツチ基板3のON
動作に必要な臨界値にあるため、第5図の点fでクリツ
クを触値した時に、スイツチ動作が起こつたり起こらな
かつたり不安定な状態となる。
(3) f1>f2の場合 この条件下では、第5図の点fでクリツクを触知する
と同時に、メンブレンスイツチ基板3はスイツチONとな
る。この場合、第5図に示すように点fでスイツチON後
に押圧力を解除すると、点lで作動力はf2となつてメン
ブレンスイツチ基板3がスイツチOFFとなつた後に、h
点においてドーム状弾性体11が反転して操作者はクリツ
クを触知する。
その場合には、第5図から明らかなように、作動力f2
が小さいことが、安定したスイツチ動作のために必要で
ある。つまり、f2が大きいとOFFポイントとのずれが大
きくなる。しかし、f2を小さくするには限界があり、電
気的なOFFポイントであるlとクリツクポイントhとの
ずれは解消できない。このように、点lが点hに近付い
てスイツチOFF動作と、ドーム状弾性体の反転とがほぼ
同時に起こることが、クリツク感触を伴う快適なスイツ
チ操作には望まれる。
本発明は、前述したようなこの種の押釦スイツチの現
状を踏まえてなされたものであり、その目的はスイツチ
動作時に、十分な作動力(接触圧)が与えられ、安定な
スイツチ動作をクリツク感触を伴つて行うことが出来る
押釦スイツチを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明はハウジングと、
このハウジングに出入自在に取り付けられた操作部材
と、可動接点及び固定接点よりなるスイツチ素子と、前
記操作部材で押し込まれるリニアな動作特性を有する第
1の弾性体と、この第1の弾性体の弾性変位により変位
するタクテイールな作動力特性を有する第2の弾性体
と、前記第1の弾性体の弾性変位により、前記第2の弾
性体と並列的に弾性変位して、前記スイツチ素子の可動
接点を押し込み、スイツチ動作を行わせる第3の弾性体
とを有する構成となつている。
〔作用〕
本発明では、ハウジングに出入自在に取り付けられて
いる操作部材を押し込み操作すると、リニアな作動力特
性を有する第1の弾性体が操作部材で押圧されて弾性変
位する。
この第1の弾性体の弾性変位によつて、タクテイール
な作動力特性を有する第2の弾性体と、弾3の弾性体と
が並列的に変位する。第2の弾性体は、作動力が急激に
上昇し且つ急激に下降する極大値を有するタクテイール
な作動力特性に従つて変位するために、操作者にはクリ
ツク感触が得られる。
また、第2の弾性体のこのクリツク感触を与えられる
反転に伴うスイツチON動作時には、第3の弾性体がハウ
ジングに設けられているスイツチ素子を押圧している。
このようにして、十分な作動力(接触圧)の下で、安
定なスイツチON動作が行われる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図乃至第3図を参照して
説明する。
ここで、第1図(a)(b)は、本発明の第1の実施
例のそれぞれ操作前後の状態を示す縦断面図、第2図
(a)(b)は、本発明の第2の実施例のそれぞれ操作
前後の状態を示す縦断面図、第3図は本発明の各実施例
の動作を説明する作動力特性図である。
第1図(a)(b)に示すように、すでに第4図を用
いて説明したメンブレンスイツチ3上に、上面が開放面
となつている筒状のハウジング1aが対向して固定配設さ
れている。
このハウジング1aの開放面から、ハウジング1a内にガ
イド円筒体17aを有するキートツプ16が、すでに第4図
で説明したように摺動自在に取り付けられている。ま
た、ハウジング1aに対して回動軸20を中心として回動自
在に、回動ホルダ21が、ハウジング1a内においてメンブ
レンスイツチ基板3上に取り付けられている。
この回動ホルダ21の一端には、先端が上方に屈折した
当接片22が固定され、回動ホルダ21の他端には先端が二
岐状に形成され、弾性当接部23が設けられたレバー24が
固定されている。
当接片22に対向して、ハウジング1aに対して反転ばね
が固定して、弾性当接部23はメンブレンスイツチ3の可
動接点4及び固定接点6の位置に対向して配されてい
る。
レバー24には係合凸部26が設けられ、この係合凸部26
にはコイルばね13の一端が係合され、コイルばね13の他
端が支持板14aに係合されている。
第1の実施例において、コイルばね13はすでに第4図
を用いて説明した従来の押釦スイツチの場合と同様に、
第6図(b)に示すようなリニアな作動力特性を有し、
本発明の第1の弾性体を構成している。反転ばね25は、
前述の従来の押釦スイツチのドーム状弾性体11と同様
に、第6図(a)に示すように作動力が急激に増加した
後急激に減少する極大値を有するタクテイールな作動力
特性を示し、本発明の第2の弾性体を構成している。
さらに、弾性当接部23は、コイルばね13の弾性変位に
より、反転ばね25と並列的に変位して、可動接点4を押
し込んで弾性変位しスイツチ動作を行わせるようになつ
ていて、本発明の第3の弾性体を構成している。
次に、第1の実施例の動作を説明する。
第1図(a)に示すスイツチOFFの状態から、キート
ツプ16をコイルばね13のばね力に抗して、下方に押圧変
位させて行くと、コイルばね13のばね力が徐々に増大
し、コイルばね13のばね力は係合凸部26からレバー24及
び当接片22を介して、反転ばね25に伝達される。
コイルばね13のばね力が反転ばね25の保形弾力よりも
大きくなると、反転ばね25が反転するので操作者にクリ
ツク感が触知される。この反転によつてレバー24が、回
動ホルダ21の回動軸20を中心に時計廻り方向に回動さ
れ、弾性当接部23がメンブレンスイツチ基板3の可動接
点4を固定接点6側に押圧し、量接点が接触状態とな
り、さらに弾性当接部23がたわんで弾性当接部23の作動
力が、メンブレンスイツチ基板3に加えられ、スイツチ
は電気的ON状態を維持する。
第3図はコイルバネ13を除いた特性図で、第3図にお
いて、m点で反転ばね25が反転し、キートツプの作動力
は曲線傾斜部Gに沿つて減少し、n点において弾性当接
部23が可動接点4を押圧し、可動接点4と固定接点6と
が、互いに接触状態となる。弾性当接部23がない場合
の、曲線傾斜部Iに示すように減少する作動力に、曲線
Hで示す弾性当接部23の作動力が、メンブレンスイツチ
基板3に加えられるので、作動力は曲線傾斜部Kのよう
になる。
このように、第3図のn点の後、可動接点4が押圧さ
れ、p点で反転ばね25と弾性当接部23とが移動を停止す
る。このP点において、押圧力f3が加えられていること
になる。
すでに第6図(a)で説明した従来の押釦スイツチ
が、第3図のq点で示す作動力(押圧力)よりも大きな
作動力が、第1の実施例では点pにおいて与えられるの
で、前述の第5図に示す作動力f2がf2′=f2−f3<f2
f1がf1′=f1+f3>f1となる。このため、第1の実施例
によると動作不良や不安定動作を起こすことなく、安定
したスイツチ動作が、快適なクリツク感触を伴つて行わ
れる。
第2図(a)(b)に示す第2の実施例は、すでに第
4図を用いて説明した従来の押釦スイツチに対して。ド
ーム状弾性体11の下面に設けた突部11aに第3の弾性体
としてコイルばね28の一端側が係止された構成となつて
いる。第2の実施例のその他の部分の構成は、すでに第
4図を用いて説明した従来の押釦スイツチと同一であ
る。
次に、第2の実施例の動作を説明する。
第2の実施例では、第3図のm点においてドーム状弾
性体11が反転すると、コイルばね28の先端がメンブレン
スイツチ基板3に接触し、さらに曲線傾斜部Gに沿つて
可動接点4を固定接点6側に押圧し、n点において可動
接点4と固定接点6とが接触状態となる。
その後、メンブレンスイツチ基板3には、コイルばね
28の作動力も重畳された作動力が、第3図の曲線傾斜部
Kのように加えられ、p点においてドーム状弾性体11と
コイルばね28とが移動を停止する。この時、コイルばね
28がメンブレンスイツチ基板3を押している押圧力はf3
となる。
第2の実施例においても、第3図のp点の作動力が、
コイルばね28の作動力f3だけ増加するので、動作不良や
不安定動作を起こすことなく、安定したスイツチ動作が
快適なクリツク感触を伴つて行われる。
なお、第6図の点cと点dと及び第3図の点mと点p
との作動力、移動量を同じに設定すれば同じ作動力カー
ブが得られる。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によると、従来の
押釦スイツチの部品を僅かに改作し、或いは部品を僅か
に追加する簡単な作業で製造でき、動作不良や不安定動
作を起こすことなく、優れた安定度でクリツク感触を伴
つたスイツチ動作を行う押釦スイツチが提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は、本発明の第1の実施例のそれぞ
れ操作前後の状態を示す縦断面図、第2図(a)(b)
は、本発明の第2の実施例のそれぞれ操作前後の状態を
示す縦断面図、第3図は本発明の各実施例の動作を説明
する作動特性図、第4図は従来の押釦スイツチを示す断
面図、第5図は従来の押釦スイツチの動作を示す作動力
特性図、第6図(a)(b)は、それぞれタクテイール
な作動力特性を示す特性図及びリニアな作動力特性を示
す特性図である。 3……メンブレンスイツチ基板、4……可動接点、5…
…上シート、6……固定接点、7……下シート、9……
スペーサ板、13……コイルばね、14a……支持板、16…
…キートツプ、17a……ガイド円筒体、20……回動軸、2
1……回動ホルダ、22……当接片、23……弾性当接部、2
4……レバ、28……コイルばね。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、このハウジングに出入自在
    に取り付けられた操作部材と、可動接点及び固定接点よ
    りなるスイツチ素子と、前記操作部材で押し込むれるリ
    ニアな作動力特性を有する第1の弾性体と、この第1の
    弾性体の弾性変位により変位するタクテイールな作動力
    特性を有する第2の弾性体と、前記第1の弾性体の弾性
    変位により、前記第2の弾性体と並列的に弾性変位して
    前記スイツチ素子の可動接点を押し込み、スイツチ動作
    を行なわせる第3の弾性体とを有することを特徴とする
    押釦スイツチ。
JP9058589A 1989-04-12 1989-04-12 押釦スイッチ Expired - Lifetime JP2637231B2 (ja)

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