JP2637162B2 - サーマルヘッド用発熱体およびその製造方法 - Google Patents
サーマルヘッド用発熱体およびその製造方法Info
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Landscapes
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
- Electronic Switches (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、サーマルヘッド用の発熱体に関する。
コンピュータ、ワードプロセッサ等の出力装置とし
て、サーマルヘッドによって印字を行うサーマルプリン
タが多用されている。サーマルヘッドは、発熱体をその
主要な構成要素としており、安定性の良いサーマルヘッ
ドを得るためには、高温安定性の優れたサーマルヘッド
用発熱体が不可欠である。
て、サーマルヘッドによって印字を行うサーマルプリン
タが多用されている。サーマルヘッドは、発熱体をその
主要な構成要素としており、安定性の良いサーマルヘッ
ドを得るためには、高温安定性の優れたサーマルヘッド
用発熱体が不可欠である。
サーマルヘッドの発熱体としては、従来Ti、Mo、W、
V、Nb、Zr、Hf等の炭化物、チッ化物、酸化物が知られ
ている。その外、シリコン系の発熱抵抗体として、本出
願人によって、シリコンとホウ素の2元系の発熱体が提
案されている。
V、Nb、Zr、Hf等の炭化物、チッ化物、酸化物が知られ
ている。その外、シリコン系の発熱抵抗体として、本出
願人によって、シリコンとホウ素の2元系の発熱体が提
案されている。
これは、Si1−xBx(ただし、xは0.01〜0.7)とする
もの(特開昭62−168375号公報)、シリコンにホウ素を
ドープしキャリア濃度1×1019〜8×1019/cm3とするも
の(特開昭63−14401号公報)である。
もの(特開昭62−168375号公報)、シリコンにホウ素を
ドープしキャリア濃度1×1019〜8×1019/cm3とするも
の(特開昭63−14401号公報)である。
サーマルヘッドは、通常300℃〜500℃程度の温度で使
用されるため、耐酸化性に優れていなければならない
が、上記した従来のTi、Mo、W、V、Nb、Zr、Hf等の炭
化物、チッ化物、酸化物による発熱体では酸化劣化され
やすく、比較的短期間の使用によって抵抗値が次第に上
昇し、ついには使用不能になり、或いは高温使用ができ
ないため高速印字ができないという問題点を有してい
た。
用されるため、耐酸化性に優れていなければならない
が、上記した従来のTi、Mo、W、V、Nb、Zr、Hf等の炭
化物、チッ化物、酸化物による発熱体では酸化劣化され
やすく、比較的短期間の使用によって抵抗値が次第に上
昇し、ついには使用不能になり、或いは高温使用ができ
ないため高速印字ができないという問題点を有してい
た。
また、本出願人によりシリコンとホウ素の2元系の発
熱体は、既に述べたとおり、Ti、Mo、W、V、Nb、Zr、
Hf等の炭化物、チッ化物、酸化物による発熱体に比較す
れば、その特性は優れているものの、キャリア濃度を5
×1020/cm3以上としたホウ素ドープポリシリコン発熱体
を用いてサーマルヘッドを構成すると、ときによりその
特性が期待した程でないサーマルヘッドとなってしまう
場合があり、安定性に欠けるという問題点を有してい
た。
熱体は、既に述べたとおり、Ti、Mo、W、V、Nb、Zr、
Hf等の炭化物、チッ化物、酸化物による発熱体に比較す
れば、その特性は優れているものの、キャリア濃度を5
×1020/cm3以上としたホウ素ドープポリシリコン発熱体
を用いてサーマルヘッドを構成すると、ときによりその
特性が期待した程でないサーマルヘッドとなってしまう
場合があり、安定性に欠けるという問題点を有してい
た。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであ
り、高温安定性の優れたサーマルヘッド用の発熱体を提
供することを目的とする。
り、高温安定性の優れたサーマルヘッド用の発熱体を提
供することを目的とする。
上述の問題点を解決するために、本発明においては、
発熱体としてホウ素ドープされた多結晶シリコンを用い
ホウ素濃度を5×1020/cm3以上とすると共に、この発熱
体中の酸素濃度を5×1020atom/cm3以下に抑えたことを
特徴としている。
発熱体としてホウ素ドープされた多結晶シリコンを用い
ホウ素濃度を5×1020/cm3以上とすると共に、この発熱
体中の酸素濃度を5×1020atom/cm3以下に抑えたことを
特徴としている。
これにより、発熱体の高温安定性を高めることができ
た。
た。
第1図から、サーマルヘッドの発熱部の概略を示し、
下から順にアルミナ等の基板5、蓄熱用のグレーズ層
4、抵抗発熱体層3、アルミニウム等のリード電極2、
2′、Si−B−N等の耐摩耗性保護層1よりなる。6は
発熱部である。
下から順にアルミナ等の基板5、蓄熱用のグレーズ層
4、抵抗発熱体層3、アルミニウム等のリード電極2、
2′、Si−B−N等の耐摩耗性保護層1よりなる。6は
発熱部である。
リード電極2、2′間に電圧を加えると、発熱体層3
にはその抵抗値に応じた電流が流れて発熱し、保護層1
を通してその表面に圧接され感熱色材リボンを加熱し、
さらにその表面に圧接された用紙に色材を転写する。
にはその抵抗値に応じた電流が流れて発熱し、保護層1
を通してその表面に圧接され感熱色材リボンを加熱し、
さらにその表面に圧接された用紙に色材を転写する。
抵抗発熱体層(以下、単に発熱体という)3には、こ
の発明に従って、ホウ素ドープされた多結晶シリコンを
用いると共に、この発熱体中の酸素濃度を所定の濃度以
下に抑えている。以下、この発熱体について詳細に述べ
る。
の発明に従って、ホウ素ドープされた多結晶シリコンを
用いると共に、この発熱体中の酸素濃度を所定の濃度以
下に抑えている。以下、この発熱体について詳細に述べ
る。
前述のとおり、この発明の発熱体は、ポリシリコンに
ホウ素をドープしたものを用いているが、ホウ素濃度を
5×1020以上としたホウ素ドープポリシリコン発熱体を
用いてサーマルヘッドを構成しても、ときとしてその高
温特性が予想されるより悪い特性しか得られない場合が
ある。
ホウ素をドープしたものを用いているが、ホウ素濃度を
5×1020以上としたホウ素ドープポリシリコン発熱体を
用いてサーマルヘッドを構成しても、ときとしてその高
温特性が予想されるより悪い特性しか得られない場合が
ある。
この点について本発明者は精密な実験を重ね、鋭意研
究した結果、発熱体のシート抵抗変化率はホウ素ドープ
ポリシリコン中の酸素濃度に大きく依存していることを
見出した。即ち、ホウ素ドープポリシリコン中の酸素濃
度が所定値以下であると、このホウ素ドープポリシリコ
ンを使用したサーマルヘッドは、優れた特性を示すが、
ホウ素ドープポリシリコン中の酸素濃度が所定値以上で
あると、このホウ素ドープポリシリコンを使用したサー
マルヘッドは、期待した特性を示さないことになる。
究した結果、発熱体のシート抵抗変化率はホウ素ドープ
ポリシリコン中の酸素濃度に大きく依存していることを
見出した。即ち、ホウ素ドープポリシリコン中の酸素濃
度が所定値以下であると、このホウ素ドープポリシリコ
ンを使用したサーマルヘッドは、優れた特性を示すが、
ホウ素ドープポリシリコン中の酸素濃度が所定値以上で
あると、このホウ素ドープポリシリコンを使用したサー
マルヘッドは、期待した特性を示さないことになる。
第2図は、この実験の結果を示すものである。第2図
において、横軸はポリシリコン中の酸素濃度(atom/c
m3)を示し、縦軸はシート抵抗変化率を示す。この場合
のポリシリコンのホウ素濃度は5×1020(1/cm3)であ
り、空気中における450℃、500時間アニール後の抵抗変
化率を示している。
において、横軸はポリシリコン中の酸素濃度(atom/c
m3)を示し、縦軸はシート抵抗変化率を示す。この場合
のポリシリコンのホウ素濃度は5×1020(1/cm3)であ
り、空気中における450℃、500時間アニール後の抵抗変
化率を示している。
第2図から明らかなように、シート抵抗変化率を5%
以下に抑えるために、ホウ素ドープポリシリコン中の酸
素濃度を5×1020(atom/cm3)とする必要がある。
以下に抑えるために、ホウ素ドープポリシリコン中の酸
素濃度を5×1020(atom/cm3)とする必要がある。
ところでドープ型シリコンを製造するには、減圧CVD
法が好適であり、ホウ素のトープ条件を制御することに
より、発熱体中のホウ素濃度を調整する。下記の成膜条
件で種々のキャリア濃度の発熱体を作成し、厚膜を2000
Åとしたところ、第3図に示すようなシート抵抗の変化
が得られた。
法が好適であり、ホウ素のトープ条件を制御することに
より、発熱体中のホウ素濃度を調整する。下記の成膜条
件で種々のキャリア濃度の発熱体を作成し、厚膜を2000
Åとしたところ、第3図に示すようなシート抵抗の変化
が得られた。
成膜条件 温度 620℃〜650℃ He 1SLM SiH4 10〜100SCCM B2H6 10SCCM 圧力 0.5〜1Toor 第3図から明らかなように、5×1020/cm3以上のホウ
素濃度になると、ホウ素濃度の変化に対する抵抗値の変
化が小さくなる。
素濃度になると、ホウ素濃度の変化に対する抵抗値の変
化が小さくなる。
ホウ素の高温度にドープしたポリシリコンは、低温ア
ニール(300〜600℃)において、時間と共にキャリア濃
度が減少するため、シート抵抗の上昇が観測されている
が、第3図に示したとおり、ホウ素をドープ量を5×10
20/cm3以上とすることにより、シート抵抗の変化を小さ
くすることができる。
ニール(300〜600℃)において、時間と共にキャリア濃
度が減少するため、シート抵抗の上昇が観測されている
が、第3図に示したとおり、ホウ素をドープ量を5×10
20/cm3以上とすることにより、シート抵抗の変化を小さ
くすることができる。
第4図は、この効果を示すための図であり、ホウ素ド
ープポリシリコンの空気中、500℃のアニールにおける
抵抗率変化を示しており、横軸にアニール時間、縦軸に
抵抗率変化をとっている。図では、ホウ素ドープポリシ
リコンのホウ素濃度を、それぞれ(a)5×1019/cm3、
(b)1×1020/cm3、(c)5×1020/cm3、(d)1×
1021/cm3とした場合のアニール後のシート抵抗変化を示
している。このときのシート抵抗は、1000Ω/□であっ
た。第4図には、これらに加えて比較のために、TiNの
場合のアニールによるシート抵抗変化を示している。
ープポリシリコンの空気中、500℃のアニールにおける
抵抗率変化を示しており、横軸にアニール時間、縦軸に
抵抗率変化をとっている。図では、ホウ素ドープポリシ
リコンのホウ素濃度を、それぞれ(a)5×1019/cm3、
(b)1×1020/cm3、(c)5×1020/cm3、(d)1×
1021/cm3とした場合のアニール後のシート抵抗変化を示
している。このときのシート抵抗は、1000Ω/□であっ
た。第4図には、これらに加えて比較のために、TiNの
場合のアニールによるシート抵抗変化を示している。
この図からも明らかなように、ホウ素濃度を5×1020
/cm3以上としたホウ素ドープポリシリコンのシート抵抗
変化は、他のものに比較してかなり小さくなっている。
/cm3以上としたホウ素ドープポリシリコンのシート抵抗
変化は、他のものに比較してかなり小さくなっている。
本発明において、ホウ素ドープポリシリコンは、第3
図と共に述べたと同様な成膜条件で減圧CVD法により製
造される。このときに必要とされる酸素量は非常に僅か
であり、酸素濃度の調整は、反応管とシランガス管の接
続部分に使用されるOリングの材質等を変えることによ
り行う。例えば、シリコン系のOリングを使用すると、
シリコンゴムが若干酸素を通すことから、その厚みを変
えて酸素ガスの通過量を制御できる。その外、Oリング
の締め付け度合いを調整いても良い。(フッ素系のゴム
の場合はほとんど酸素を通さない。) 以上に述べたホウ素ドープポリシリコンを用いてサー
マルヘッドを作り、耐パルス試験(駆動条件;パルス
数:1×108パルス、パワー:25w/mm2、周期:10mmSec、パ
ルス幅:1.5mSec)を行ったところ、抵抗値変化は±2%
以下(従来は5%)であり、十分改善されていることが
わかった。サーマルヘッドとしては、シート抵抗が200
Ω/□〜3000Ω/□の場合が好適である。
図と共に述べたと同様な成膜条件で減圧CVD法により製
造される。このときに必要とされる酸素量は非常に僅か
であり、酸素濃度の調整は、反応管とシランガス管の接
続部分に使用されるOリングの材質等を変えることによ
り行う。例えば、シリコン系のOリングを使用すると、
シリコンゴムが若干酸素を通すことから、その厚みを変
えて酸素ガスの通過量を制御できる。その外、Oリング
の締め付け度合いを調整いても良い。(フッ素系のゴム
の場合はほとんど酸素を通さない。) 以上に述べたホウ素ドープポリシリコンを用いてサー
マルヘッドを作り、耐パルス試験(駆動条件;パルス
数:1×108パルス、パワー:25w/mm2、周期:10mmSec、パ
ルス幅:1.5mSec)を行ったところ、抵抗値変化は±2%
以下(従来は5%)であり、十分改善されていることが
わかった。サーマルヘッドとしては、シート抵抗が200
Ω/□〜3000Ω/□の場合が好適である。
以上述べたとおり、この発明によれば、 (1) 発熱体としてポリシリコンを使用しているため
耐酸化性に優れており、 (2) 耐熱性が高いため、高速かつ高熱効率のサーマ
ルヘッドが作成可能であり、 (3) 抵抗値が上昇する原因であるホウ素濃度の減少
を生じても、抵抗率変化の小さい領域で使用しているた
め、抵抗値変化の小さいサーマルヘッドを供給できる、 という効果を有している。
耐酸化性に優れており、 (2) 耐熱性が高いため、高速かつ高熱効率のサーマ
ルヘッドが作成可能であり、 (3) 抵抗値が上昇する原因であるホウ素濃度の減少
を生じても、抵抗率変化の小さい領域で使用しているた
め、抵抗値変化の小さいサーマルヘッドを供給できる、 という効果を有している。
第1図はサーマルヘッドの構成を示す図、第2図はこの
発明の作用効果を説明するための図、第3図、第4図は
従来例の特性を説明するための図である。 1……耐摩耗性保護層、2、2′……リード電極 3……抵抗発熱体層、4……グレーズ層 5……アルミナ基板、6……発熱部
発明の作用効果を説明するための図、第3図、第4図は
従来例の特性を説明するための図である。 1……耐摩耗性保護層、2、2′……リード電極 3……抵抗発熱体層、4……グレーズ層 5……アルミナ基板、6……発熱部
Claims (3)
- 【請求項1】ポリシリコンにホウ素をドープし、ホウ素
濃度を5×1020/cm3以上とすると共に、酸素濃度を5×
1020(atom/cm3)以下としたサーマルヘッド用発熱体。 - 【請求項2】シート抵抗を200Ω/□〜3000Ω/□とし
たことを特徴とする請求項(1)記載のサーマルヘッド
用発熱体。 - 【請求項3】SiH4、B2H6、Heのガスを使用し、減圧CVD
によって製造するサーマルヘッド用発熱体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63114180A JP2637162B2 (ja) | 1988-05-11 | 1988-05-11 | サーマルヘッド用発熱体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63114180A JP2637162B2 (ja) | 1988-05-11 | 1988-05-11 | サーマルヘッド用発熱体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01283161A JPH01283161A (ja) | 1989-11-14 |
JP2637162B2 true JP2637162B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=14631194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63114180A Expired - Lifetime JP2637162B2 (ja) | 1988-05-11 | 1988-05-11 | サーマルヘッド用発熱体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2637162B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4237017A1 (de) * | 1992-11-02 | 1994-05-05 | Mir Patent Lizenzverwertungen | Verfahren zur Herstellung eines Heizelements |
-
1988
- 1988-05-11 JP JP63114180A patent/JP2637162B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01283161A (ja) | 1989-11-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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