JP2636989B2 - 蒸気供給装置の圧力制御方法 - Google Patents

蒸気供給装置の圧力制御方法

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JP2636989B2
JP2636989B2 JP3254438A JP25443891A JP2636989B2 JP 2636989 B2 JP2636989 B2 JP 2636989B2 JP 3254438 A JP3254438 A JP 3254438A JP 25443891 A JP25443891 A JP 25443891A JP 2636989 B2 JP2636989 B2 JP 2636989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気供給装置の圧力制御
方法に関し、蒸気を利用するプラント等におけるエネル
ギの利用効率を向上する技術に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、石油化学等の各種プラントにお
いては蒸気が多用されている。これらの蒸気はボイラ等
で発生されたのち、各種装置に分配される。各装置に分
配される蒸気は、ボイラ等で発生された高圧のままで利
用されるほか、利用に適した低圧まで減圧される。減圧
する際には各種減圧弁等も利用されるが、タービン等を
用いて減圧による損失エネルギを回収し、他装置の駆動
や発電等を行うことにより、蒸気のエネルギの有効利用
が図られている。
【0003】例えば、ボイラに通じる高圧蒸気系からの
高圧蒸気をタービンに通し、このタービンからの蒸気を
各種装置に通じる低圧蒸気系に送り、タービンにより低
圧蒸気系を適宜な圧力まで減圧するとともに、タービン
で発電機等を駆動したり、プラントの各部の駆動を行う
ことで減圧によるエネルギが回収再利用される。
【0004】ところで、前述したタービンとして背圧蒸
気タービンが用いられているが、この背圧蒸気タービン
では入口側に高圧蒸気系からの高圧蒸気が供給され、出
口側からの蒸気が低圧蒸気系に送られる。このような背
圧蒸気タービンを用いて低圧蒸気系の圧力制御を行う場
合、低圧蒸気系の圧力が所定となるように高圧蒸気系か
らタービンへの供給蒸気量を調節している。つまり、低
圧蒸気系の圧力が低いようなら供給蒸気量を増し、高い
ようなら蒸気供給量を減らしている(特開昭62−29706
号公報等参照)。
【0005】また、前述したタービンとしては抽気背圧
蒸気タービンも用いられており、この抽気背圧蒸気ター
ビンでは入口側に高圧蒸気系からの高圧蒸気が供給さ
れ、出口側からの蒸気が復水器などの別の装置や蒸気系
等に送られ、途中から取り出された抽気が低圧蒸気系に
送られる。このような抽気背圧蒸気タービンを用いて低
圧蒸気系の圧力制御を行う場合、低圧蒸気系の圧力が所
定となるようにタービンから低圧蒸気系への抽気蒸気量
を調節している。つまり、低圧蒸気系の圧力が低いよう
なら抽気蒸気量を増し、高いようならそれぞれを減らし
ている(特公昭57−41564 号公報等参照) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した背
圧蒸気タービンを用いる場合、低圧蒸気系の圧力制御を
行うために、低圧蒸気系の圧力が低下した際の増加分を
予め見込んでおく必要がある。このため、通常時の背圧
蒸気タービンへの蒸気供給は、圧力制御の際の増加見込
み分だけ当該タービンの最大出力よりも低めに設定する
必要があり、常時最大出力での運転を行うことができ
ず、運転効率を高めることができないという問題があ
る。さらに、圧力制御のために供給蒸気量を変化させた
場合、タービンの出力が変化し、このタービンで駆動さ
れる発電機等の出力も変動することになり、安定した運
転ができないという問題もある。
【0007】一方、前述した抽気背圧蒸気タービンを用
いる場合には、低圧蒸気系の圧力制御を抽気蒸気量の調
整で行うことができる。特に、抽気蒸気量を変動させて
も、タービンの回転が一定となるように高圧蒸気系から
タービンへの供給蒸気量を調節することができるので、
タービン出力が変動しないという長所がある。しかし、
このような抽気蒸気量の調整では、低圧蒸気系の圧力制
御能力が小さくなるという問題がある。このため、抽気
蒸気量の調整による制御能力を超えて低圧蒸気系の圧力
が上昇した際には、低圧蒸気系から低圧蒸気を大気中に
放出して圧力上昇を回避し、圧力が下降した際には、高
圧蒸気系からの蒸気を低圧蒸気系に直接的に導入する等
の対応が行われており、これらの対応が頻繁になること
で蒸気やそのエネルギの無駄が大きくなるという問題が
あった。
【0008】本発明の目的は、タービンの運転を安定さ
せられるとともにエネルギ効率を高められる蒸気供給装
置の圧力制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、高圧蒸気を供
給する高圧蒸気系と低圧蒸気を分配する低圧蒸気系との
間に、前記高圧蒸気系からの蒸気を低圧蒸気系に通過さ
せる蒸気バイパス経路と、前記高圧蒸気系から供給され
る蒸気で作動して排気を前記低圧蒸気系に送る背圧蒸気
タービンと、前記高圧蒸気系から供給される蒸気で作動
して抽気を前記低圧蒸気系に送る抽気背圧蒸気タービン
とを配置しておき、通常は前記抽気背圧蒸気タービンの
抽気蒸気量を調節して前記低圧蒸気系の蒸気圧力を制御
するとともに、前記低圧蒸気系の蒸気圧力が前記抽気背
圧蒸気タービンでは制御できない状態まで上昇した際に
は、前記背圧蒸気タービンの供給蒸気量を減少させ、前
記低圧蒸気系の蒸気圧力が前記抽気背圧蒸気タービンで
は制御できない状態まで下降した際には、前記蒸気バイ
パス経路の通過蒸気量を増加させることを特徴とする。
【0010】
【作 用】このような本発明においては、通常時の制御
を抽気背圧蒸気タービンの抽気蒸気量調節で行うこと
で、背圧蒸気タービンの供給蒸気量調節による圧力制御
を行う必要がなくなり、背圧蒸気タービンの運転を安定
化させられることになる。
【0011】また、抽気背圧蒸気タービンによる圧力制
御能力を超えて圧力低下が生じた際には、蒸気バイパス
経路を通して高圧蒸気系からの高圧蒸気を低圧蒸気系に
導入することで圧力を維持することができる。このた
め、背圧蒸気タービンは常時最大出力で運転することが
でき、背圧蒸気タービンの運転効率を高めることができ
るようになる。従って、背圧蒸気タービンの運転を安定
化させられるとともに、運転効率を高めることができる
ようになる。
【0012】さらに、抽気背圧蒸気タービンによる圧力
制御能力を超えて圧力上昇が生じた際には、先ず背圧蒸
気タービンの供給蒸気量を減らす。それでも圧力上昇が
調節しきれないということは殆ど起こらないが、このよ
うな場合には、低圧蒸気系の蒸気を大気放出することで
対応すればよい。このため、従来のように抽気背圧蒸気
タービン単独で低圧蒸気系の圧力を制御する場合より
も、大気放出の頻度が極めて少なくなり、大気放出によ
る蒸気の無駄を最小に抑えることができる。これらによ
り、タービンの運転を安定させられるとともに、蒸気お
よびタービンのエネルギ効率を高められるようになり、
前記目的が達成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、蒸気供給装置10は高圧蒸気ヘッ
ダ11および低圧蒸気ヘッダ12とを有し、本発明の方法に
より圧力制御されるものである。高圧蒸気ヘッダ11はボ
イラ13で発生された高圧蒸気を分配する配管類であり、
低圧蒸気ヘッダ12は配管14を介して図示しない蒸気利用
装置に利用に適した低圧蒸気を分配するものである。
【0014】高圧蒸気ヘッダ11と低圧蒸気ヘッダ12との
間には圧力制御装置群20が設置されている。圧力制御装
置群20は、背圧蒸気タービン21、抽気背圧蒸気タービン
22、蒸気バイパス経路23、大気放出弁24、および安全弁
25を基本として構成されている。これらの装置群20によ
り、高圧蒸気ヘッダ11からの高圧蒸気が適宜減圧されて
低圧蒸気ヘッダ12に供給され、低圧蒸気ヘッダ12の低圧
蒸気の圧力制御が行われるようになっている。
【0015】背圧蒸気タービン21は、タービンの入口側
が入口弁26を介して高圧蒸気ヘッダ11に接続され、出口
側が低圧蒸気ヘッダ12に接続されている。そして、高圧
蒸気ヘッダ11からの高圧蒸気により回転駆動され、低圧
化した蒸気を低圧蒸気ヘッダ12に送り出すようになって
いる。背圧蒸気タービン21の出力軸には発電機15が接続
され、高圧蒸気による背圧蒸気タービン21の回転に伴っ
て発電を行い、蒸気の減圧損失分エネルギを電力として
回収再利用できるようになっている。
【0016】背圧蒸気タービン21の入口弁26には開度調
整用のガバナモータ31が設置され、発電機15には電力セ
ンサ32が設置されている。また、低圧蒸気ヘッダ12の背
圧蒸気タービン21出口側の接続部位近傍には圧力発信器
33が設置され、これらは発電機出力制御調整計30に接続
されている。
【0017】発電機出力制御調整計30は、電力センサ32
を参照して発電機15の出力が最大となる状態となるよう
に背圧蒸気タービン21の運転を調整するべく、ガバナモ
ータ31に適宜指令を発して入口弁26を開閉するととも
に、圧力発信器33を参照して低圧蒸気ヘッダ12の圧力が
所定状態であるときにもガバナモータ31を介して入口弁
26を開閉するように構成されている。
【0018】抽気背圧蒸気タービン22は、タービンの入
口側が高圧蒸気ヘッダ11に接続され、出口側が復水器な
どの他の蒸気利用装置16に接続され、途中の抽気部が低
圧蒸気ヘッダ12に接続されている。そして、高圧蒸気ヘ
ッダ11からの高圧蒸気により回転駆動され、低圧化した
蒸気を低圧蒸気ヘッダ12に送り出すようになっている。
抽気背圧蒸気タービン22の出力軸には遠心式圧縮機など
の他の被駆動装置17が接続され、高圧蒸気による背圧蒸
気タービン21の回転によって駆動することで、蒸気の減
圧損失分エネルギを回収再利用できるようになってい
る。
【0019】抽気背圧蒸気タービン22の抽気部には抽気
量制御調節計35が接続されている。また、低圧蒸気ヘッ
ダ12の抽気背圧蒸気タービン22出口側の接続部位近傍に
は圧力発信器36が設置され、この圧力発信器36も抽気量
制御調節計35に接続されている。抽気量制御調節計35
は、圧力発信器36を参照して低圧蒸気ヘッダ12の圧力が
所定状態であるときに抽気背圧蒸気タービン22の抽気部
を調整し、低圧蒸気ヘッダ12への抽気量を加減するよう
に構成されている。
【0020】蒸気バイパス経路23は、高圧蒸気ヘッダ11
および低圧蒸気ヘッダ12を連通する管路であり、中間に
蒸気加減弁27を備えている。低圧蒸気ヘッダ12の蒸気バ
イパス経路23の接続部位近傍には圧力発信器37が設置さ
れ、この圧力発信器37は蒸気加減弁27に接続されてい
る。
【0021】蒸気加減弁27は通常閉じているが、圧力発
信器37で検出された低圧蒸気ヘッダ12の圧力に応じて開
度調整される。そして、蒸気加減弁27が開いた際には蒸
気バイパス経路23が開通され、蒸気加減弁27の開度に応
じて高圧蒸気ヘッダ11からの高圧蒸気が低圧蒸気ヘッダ
12に導入され、低圧蒸気ヘッダ12の圧力を上昇させられ
るようになっている。
【0022】大気放出弁24は、一端が低圧蒸気ヘッダ12
に接続され、他端が大気に解放されている。大気放出弁
24は通常閉じられているが、これを開くことにより低圧
蒸気ヘッダ12が大気解放され、開度に応じた蒸気の放出
が行われ、低圧蒸気ヘッダ12の圧力を低下させられるよ
うになっている。
【0023】大気放出弁24には開度調整用のモータ38が
設置され、このモータ38は大気放出弁制御調節計39に接
続されている。大気放出弁制御調節計39は、前述した圧
力発信器33の検出出力を参照して低圧蒸気ヘッダ12の圧
力が所定状態であるときにモータ38を介して大気放出弁
24を開閉するように構成されている。
【0024】安全弁25は、一端が低圧蒸気ヘッダ12に接
続され、他端が大気に解放されている。安全弁25は通常
閉じられているが、低圧蒸気ヘッダ12の内部圧力が予め
設定された値以上になった際に自動的に開き、蒸気を急
速に放出して低圧蒸気ヘッダ12の圧力が設定値以上に上
昇することを防止できるようになっている。
【0025】このような圧力制御装置群20は、所期の圧
力制御を実現するために、動作基準値を次のように設定
される。図2において、縦軸には低圧蒸気ヘッダ圧力が
示され、前述した蒸気供給装置10の運転にあたっての低
圧蒸気ヘッダ12の基準圧力がP0で示されている。そし
て、通常運転時の標準的な制御幅は圧力P0を挟む二本の
点線の範囲内となる。
【0026】抽気量制御は、前記図1の抽気量制御調整
計35による抽気背圧蒸気タービン22の抽気量の制御を示
し、圧力発信器36で検出された低圧蒸気ヘッダ12の現在
圧力P が基準圧力P0である際に中間的な値となるように
設定されている。そして、抽気量は現在圧力が低下する
につれて増加し、現在圧力が上昇するにつれて減少する
ように設定されている。
【0027】蒸気加減弁開度は、前記図1の蒸気加減弁
27による蒸気バイパス経路23からの高圧蒸気導入制御を
示し、通常状態では全閉であるが、圧力発信器37で検出
された低圧蒸気ヘッダ12の現在圧力が圧力P1よりも低下
するにつれて開かれ、除々に開度が大きくなるように設
定されている。
【0028】入口弁開度は、前記図1の発電機出力制御
調節計30による背圧蒸気タービン21への高圧蒸気供給制
御を示し、通常状態では略全開であるが、圧力発信器33
で検出された低圧蒸気ヘッダ12の現在圧力が圧力P2より
も上昇するにつれて除々に開度が減少するように設定さ
れている。
【0029】大気放出弁開度は、前記図1の大気放出弁
制御調節計39による低圧蒸気ヘッダ12からの蒸気放出制
御を示し、通常状態では全閉であるが、圧力発信器33で
検出された低圧蒸気ヘッダ12の現在圧力が圧力P3よりも
上昇するにつれて除々に開かれ、圧力P4において全開と
なるように設定されている。
【0030】安全弁開度は、前記図1の安全弁25による
低圧蒸気ヘッダ12からの蒸気放出制御を示し、通常状態
では全閉であるが、圧力発信器33で検出された低圧蒸気
ヘッダ12の現在圧力が上昇し、先の圧力P4を超えた時点
で急速に全開となるように設定されている。
【0031】このような設定のもとで、本実施例の蒸気
供給装置10は次のような動作および制御が行われる。先
ず、稼働中の蒸気供給装置10においては、高圧蒸気ヘッ
ダ11の高圧蒸気が背圧蒸気タービン21および抽気背圧蒸
気タービン22に供給される。供給された高圧蒸気は、背
圧蒸気タービン21で発電機15を駆動して発電を行うとと
もに、抽気背圧蒸気タービン22で他の被駆動装置17を駆
動し、各々エネルギ回収が行われる。
【0032】これらのエネルギ回収により減圧された蒸
気は、背圧蒸気タービン21の出口側および抽気背圧蒸気
タービン22の抽気部から低圧蒸気ヘッダ12に供給され、
低圧蒸気として配管14から図示しない蒸気利用装置に分
配利用される。この際、低圧蒸気ヘッダ12の圧力は圧力
発信器33, 36, 37で常時監視され、各制御調節計30, 3
5, 39等による制御により低圧蒸気ヘッダ12の圧力が一
定となるように制御される。
【0033】図3において、稼働中の蒸気供給装置10
は、低圧蒸気ヘッダ12の現在圧力P を検出し(処理S
1)、各制御調節計30, 35, 39等により現在状態を判定
し(処理S2〜7 )、各々の判定結果に基づいて各部の状
態を調整する(処理S8〜14)という処理手順を繰り返
す。
【0034】先ず、現在圧力P が基準圧力P0であれば、
低圧蒸気ヘッダ12は所期の状態に維持されていることに
なり、処理S2および処理S3での分岐はなく、無調整のま
まとされる(処理S10 )。このとき、入口弁26は略全開
であり、背圧蒸気タービン21は最大出力で作動してい
る。また、抽気背圧蒸気タービン22の抽気は中間的な値
とされている。
【0035】ここで、現在圧力P が基準圧力P0より下が
ったとすると、処理S4による圧力低下の程度が判定され
る。圧力低下の幅が小さければ(P1<P<P0 )、抽気背圧
蒸気タービン22の抽気量が増加される(処理S9)。これ
により、低圧蒸気ヘッダ12への蒸気供給が増加し、低圧
蒸気ヘッダ12の圧力は上昇して基準圧力P0に回復され
る。圧力低下の幅がそれより大きければ(P<P1)、抽気
背圧蒸気タービン22の抽気量増加に加えて、蒸気加減弁
27が除々に開かれる(処理S8)。これにより、蒸気バイ
パス経路23を通して高圧蒸気ヘッダ11の高圧蒸気が直接
的に導入され、低圧蒸気ヘッダ12の圧力は速やかに上昇
される。
【0036】一方、現在圧力P が基準圧力P0を超えたと
すると、処理S5, S6, S7による圧力上昇の程度が判定さ
れる。圧力上昇の幅が小さければ(P0<P)、抽気背圧蒸
気タービン22の抽気量が減少される(処理S11 )。これ
により、低圧蒸気ヘッダ12への蒸気供給が減少し、低圧
蒸気ヘッダ12の圧力が低下して基準圧力P0に回復され
る。圧力上昇の幅がそれより大きければ(P2<P)、背圧
蒸気タービン21の入口弁26の開度が除々に絞られる(処
理S12 )。これにより、背圧蒸気タービン21から低圧蒸
気ヘッダ12への蒸気供給が抑制され、低圧蒸気ヘッダ12
の圧力は速やかに低下される。
【0037】圧力上昇の幅が更に大きくなること(P3<
P)は殆どおこらないが、そのような場合には大気放出
弁24が除々に開かれる(処理S13 )。これにより、低圧
蒸気ヘッダ12内の蒸気が放出され、低圧蒸気ヘッダ12の
圧力は急速に低下する。圧力上昇の幅がより一層大きけ
れば(P4<P)、安全弁24が急速に開かれる(処理S14
)。これにより、低圧蒸気ヘッダ12内の蒸気が急激に
放出され、低圧蒸気ヘッダ12の圧力は急速に低下する。
【0038】従って、本実施例の蒸気供給装置10におい
ては、通常時の低圧蒸気ヘッダ12の圧力制御は抽気背圧
蒸気タービン22の抽気量制御によって行われる。そし
て、大幅な変動があった時にのみ、蒸気バイパス経路23
からの高圧蒸気の直接導入、背圧蒸気タービン21からの
蒸気量制限、低圧蒸気ヘッダ12からの蒸気放出を行い、
それぞれ状態に応じた急速な圧力回復が行われる。
【0039】このような本実施例によれば、次に示すよ
うな効果がある。すなわち、通常時の制御を抽気背圧蒸
気タービン22の抽気量で行うため、背圧蒸気タービン21
の供給蒸気量調節による圧力制御を行う必要がなくな
り、背圧蒸気タービン21の運転を安定化させることがで
きる。
【0040】また、抽気背圧蒸気タービン22による圧力
制御能力を超えて圧力低下が生じた際には、蒸気バイパ
ス経路23を通して高圧蒸気ヘッダ11からの高圧蒸気を低
圧蒸気ヘッダ12に導入することでその圧力を維持するこ
とができ、このため背圧蒸気タービン21の供給蒸気量を
増す等の対応を行う必要をなくすことができる。
【0041】このため、背圧蒸気タービン21は常時最大
出力で運転することができ、背圧蒸気タービン21および
これに駆動される発電機15の運転効率を高めることがで
きるようになる。さらに、本実施例では、背圧蒸気ター
ビン21の供給蒸気量の制御を発電機出力制御調節計30で
行うため、発電機15の出力に応じた背圧蒸気タービン21
の制御をも併せて行うこともでき、発電出力を一層安定
化させることができる。
【0042】さらに、抽気背圧蒸気タービン22による圧
力制御能力を超えて圧力上昇が生じた際には、先ず背圧
蒸気タービン21の供給蒸気量を減らし、大気放出による
蒸気の無駄を最小に抑えることができる。
【0043】また、背圧蒸気タービン21の入口弁26の開
度、抽気背圧蒸気タービン22の抽気量制御、蒸気加減弁
27の開度、大気放出弁24の開度などは、低圧蒸気ヘッダ
12の圧力発信器33, 36,37からの実際の検出圧力値に基
づいて各制御調節計30, 35,39等で制御するとしたた
め、正確な動作が確実に実現できるとともに、各々の設
定を容易に変更することができ、多様な条件設定に対応
することもできる。ただし、安全弁25は機械的動作とし
たため、動作が単純であり、確実な作動を得ることがで
き、安全性を高めることができる。
【0044】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば各タービン21,22の形式、大気放出
弁24、安全弁25、蒸気加減弁27、入口弁26等の弁形式、
各制御調節計30, 35, 39や圧力発信器33, 36, 37等の種
別方式等は任意であり、各々所期の機能が得られるよう
に適宜選択すればよい。
【0045】また、圧力P1〜P4の具体的数値も任意であ
り、実施にあたって各タービン21,22の性能、発電機15
や装置16,17の性能、低圧蒸気ヘッダ12の耐圧、高圧蒸
気ヘッダ11の圧力等に応じて適宜設定すればよい。
【0046】さらに、発電機出力制御調節計30は発電機
出力に応じた調整を行うものに限らず、単に入口弁26の
制御のみを行うものであってもよい。
【0047】また、発電機出力制御調節計30と大気放出
弁制御調整計39とで共通の圧力発信器33を用いる方式に
限らず、各々に独立したものを用いてもよい。そして、
他の制御調節計35, 39においても発電機出力制御調節計
30と同様に表示部分を設けてもよく、制御系の形態自体
も適宜変更することができる。
【0048】さらに、前記実施例では、大気放出弁24等
により低圧蒸気ヘッダ12の圧力上昇時に蒸気を放出する
ようにしたが、放出を行わず、背圧蒸気タービン21の蒸
気量制御のみによって低圧蒸気ヘッダ12の圧力上昇を抑
制するようにしてもよい。要するに、本発明は通常の圧
力制御を抽気量で行い、圧力上昇時には背圧蒸気タービ
ンの蒸気量制御を行い、圧力低下時には高圧蒸気の直接
導入を行うということである。
【0049】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
通常時の基本的な圧力制御を抽気背圧蒸気タービンの抽
気量制御で行い、その制御範囲を超えた際には蒸気の高
圧蒸気の直接導入、背圧蒸気タービンの蒸気量減少等で
対応することにより、背圧蒸気タービンを通常時には最
大出力で一定状態で作動させることができ、発電機等の
駆動を安定させられるとともに、蒸気の無駄等も無くす
ことができ、エネルギ効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】前記実施例の各部の圧力設定を示すグラフ。
【図3】前記実施例の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 蒸気供給装置 11 高圧蒸気ヘッダ 12 低圧蒸気ヘッダ 21 背圧蒸気タービン 22 抽気背圧蒸気タービン 23 蒸気バイパス経路 24 大気放出弁 26 入口弁 27 蒸気加減弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧蒸気を供給する高圧蒸気系と低圧蒸
    気を分配する低圧蒸気系との間に、前記高圧蒸気系から
    の蒸気を低圧蒸気系に通過させる蒸気バイパス経路と、
    前記高圧蒸気系から供給される蒸気で作動して排気を前
    記低圧蒸気系に送る背圧蒸気タービンと、前記高圧蒸気
    系から供給される蒸気で作動して抽気を前記低圧蒸気系
    に送る抽気背圧蒸気タービンとを配置しておき、 通常は前記抽気背圧蒸気タービンの抽気蒸気量を調節し
    て前記低圧蒸気系の蒸気圧力を制御するとともに、 前記低圧蒸気系の蒸気圧力が前記抽気背圧蒸気タービン
    では制御できない状態まで上昇した際には、前記背圧蒸
    気タービンの供給蒸気量を減少させ、 前記低圧蒸気系の蒸気圧力が前記抽気背圧蒸気タービン
    では制御できない状態まで下降した際には、前記蒸気バ
    イパス経路の通過蒸気量を増加させることを特徴とする
    蒸気供給装置の圧力制御方法。
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