JP2636784B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2636784B2
JP2636784B2 JP7057852A JP5785295A JP2636784B2 JP 2636784 B2 JP2636784 B2 JP 2636784B2 JP 7057852 A JP7057852 A JP 7057852A JP 5785295 A JP5785295 A JP 5785295A JP 2636784 B2 JP2636784 B2 JP 2636784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関し、特
に、LOC(リード・オン・チップ:Lead on
Chip))構造を有する樹脂封止型半導体装置におけ
る反り軽減の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】LOC構造のLSIはダイパッド構造や
COL(チップ・オン・リード:Chip on Le
ad)構造のLSIに比べて、パッケージに対するチッ
プの占有面積を大きくすることが可能である。従って、
「チップ面積≒記憶容量」となるRAMやROMなどの
記憶装置においては、例えばSOJ(Small Ou
tline Jーleaded Package)やS
OP(Small Outline Package)
などのような2辺に外部リードを持つ小型のパッケージ
に占有率が80%程度以上の大きなチップを搭載可能
な、LOC構造を採用することが多い。
【0003】図6に、従来のLOC構造LSIの一例の
断面図を示す。図6を参照すると、このLSIでは、チ
ップ8がポリイミドテープ4により内部リード3の下に
搭載され、チップ8のボンディングパッド(図示せず)
と内部リード3とが導電性のワイヤ5により電気的に接
続されている。それらテープ4、チップ8、内部リード
3、ワイヤ5は、図示しない熱硬化性の樹脂層によって
封止されている。
【0004】ところで、LOC構造LSIに限らず表面
実装型LSIにおいては、一般に、図7に示すようなコ
プラナリティ20と呼ばれる、外部リード21先端平坦
面22のリードどうし間の高低差が小さいことが、非常
に重要である。これはコプラナリティが大きいと、その
LSIをプリント配線基板などへ実装する際に、はんだ
が外部リードに付かないという実装不良が生じるためで
あり、従来、コプラナリティを小さくするための技術開
発が広範に進められている。ここで問題になるのは、コ
プラナリティが、外部リードの曲げ加工とパッケージ2
3の反りという2つの要素に影響を受けていることであ
り、しかも、パッケージの反りが外部リードの曲げ加工
にも影響を与えていることである。このことから、パッ
ケージの反りを軽減することがコプラナリティを向上さ
せるための有効な手段であることが、分る。
【0005】上記のパッケージの反りを軽減する方法の
一つに、矯正エージングという方法が知られている。こ
の方法は、樹脂封止型LSIの中でも特にダイパッド構
造のものに適用して有効な方法であって、樹脂封止工程
後のLSIでは樹脂の硬化がまだ不完全であり、樹脂を
完全に硬化させるためにエージングを行う必要があるこ
とと、金属製リードフレームにおける内部リードの可撓
性とを利用する方法である。
【0006】すなわち、ダイパッド構造樹脂封止型LS
Iおける封止工程後のパッケージの反りの状態をみる
と、図8(a)に示すように、チップ8が搭載された素
子部25での反りよりも、パッケージ周辺部24での反
りの方が圧倒的に大きい。これは、素子部25には金属
製ダイパッドに剛性の高いシリコンチップ8が搭載され
ているのに対して、周辺部24では金属製内部リード3
が骨格をなしており、その内部リード3の可撓性がチッ
プ8より大きいからである。従って、この周辺部24で
の反りを軽減できれば、LSI全体の反りをかなり小さ
くできることになる。
【0007】通常、樹脂封止工程では、成形金型のキャ
ビティ内に溶融樹脂を圧入した後、図9(a)に示すよ
うに、LSI26を樹脂層7の形状が維持できるぎりぎ
りの固さで金型28から取り出すようにすることで、金
型の使用頻度を増やして生産効率を高めている。そこ
で、樹脂層7の硬化を完全にするために、図9(b)に
示すように、硬化が不完全なLSI26を一まとめにし
て炉29の中で加熱し、樹脂層の硬化を完了させるエー
ジングを行うことになる。矯正エージングとは、図9
(c)の斜視図および図9(d)の断面図に示すよう
に、LSI26と金板30とを交互に矯正用トレー31
の中に重ね、蓋32をして、LSI26の反りを矯正し
ながらエージングを行うことである。この矯正エージン
グを施すと、図8(b)に示すように、パッケージ周辺
部24での反りが著しく小さくなる。
【0008】LOC構造の樹脂封止型LSIに対して
も、当然、上記の矯正エージングによる反り矯正が考え
られる。しかしながらLOC構造LSIの場合、その反
り矯正効果は、ダイパッド構造LSIにおける程には大
きくない。すなわち、ダイパッド構造LSIにおける矯
正エージング後の反りの状態を示す図8(b)を再び参
照すると、周辺部24での反り量が軽減されているのに
対し、素子部25での反りには変化がない。これは、周
辺部24では内部リード3が平坦に矯正され、反りの曲
率が小さくなっているのに対して、素子部25ではチッ
プ8が反り発生を抑える半面、逆に発生した反りの矯正
を難くしているからである。このことはLOC構造LS
Iにも当てはまり、チップのパッケージに占る占有率が
大きいLOC構造LSIには、矯正エージングは殆ど効
果がない。
【0009】樹脂封止型LSI本体の反りを小さくする
他の方法としては、パッケージの平面寸法を小型化する
方法がある。すなわち、図10に示すように、同じくL
OC構造で、しかもチップ対パッケージの比が同一のL
SIであっても、パッケージ外寸が小さいLSI(図1
0(a))における反り量の方が、パッケージ外寸が大
きいLSI(図10(b))における反り量よりも小さ
い。これは、反りの曲率が同じであっても、パッケージ
外寸の大きい方が反りの絶対値が大きくなるからであ
る。
【0010】そこで、樹脂封止型LSIにおいてそのパ
ッケージの外寸、特に平面形状を小さくすることで、反
り量を小さくすることが考えられる。特開平4ー252
061号公報に、樹脂封止型LSIの小型化を目的とし
た技術の一例が開示されている。すなわち、LOC構造
のチップとCOL構造のチップとを混在させたマルチチ
ップ構造のLSIである。上記公報記載の樹脂封止型L
SIの平面図を示す図11を参照して、このLSIで
は、LOC構造のチップ17とCOL構造の2つのチッ
プ18A,18Bとを、内部リード3を挟んで一部重な
るように配置している。この構造によれば、2種類のチ
ップ17,18A(又は、18B)を上下に重ねること
ができるので、同一機能のLSIを単一のLOC構造チ
ップ又はCOL構造チップだけで実現するよりも、パッ
ケージの平面寸法を小さくできる。このLOC・COL
混在構造LSIは、LSIにおける反り軽減を直接の目
的とするものではないが、反り軽減ひいてはコプラナリ
ティ改善に対しても効果を示すことが期待できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、LSIの高機能
化、高密度化は著しく、それに伴なってチップサイズは
ますます大型化しつつある。すなわち、LSI本体の反
り量は増大し、コプラナリティは悪化する傾向にある。
このような傾向は、LOC構造のLSIにおいても例外
ではなく、LOC構造LSIの、特にチップが大型化し
たときのコプラナリティの改善は、緊急の課題となって
いる。ところが、LOC構造LSIの反りは上述したよ
うに、矯正エージングによっても容易には軽減できな
い。
【0012】一方、上記公報記載のLOC・COL混在
構造の樹脂封止型LSIによれば、パッケージの平面寸
法を小型化してパッケージの反りを軽減し、リード端子
のコプラナリティを向上させることができる。しかしな
がらこの構造のLSIでは、LOC・COL混在構造で
あることに起因して、別の副作用が起る。すなわち、L
OC構造用チップとCOL構造用チップとでは、チップ
面上の接続用電極(ボンディングパッド)の配置の特徴
が、一方のチップではパッドがチップ中央付近に配置さ
れ、他方のチップではパッドがチップの周辺部分に配置
されるというふうに、全く異なっている。従って、例え
ば大容量RAMやROM或いは1チップCPUなどのよ
うに、本来、統一された設計思想、設計基準、設計ルー
ルのもとに1チップとして回路設計されレイアウト設計
されたレイアウトパターンを、単に適当な位置でいくつ
かに分割して複数チップ化したとしても、それら複数の
チップをLOC・COL混在構造のLSIとし全体とし
て所望の機能を持つように、1パッケージ内に収納し相
互接続することは困難である。このことから、LOC・
COL混在構造LSIは、チップ毎に回路設計、レイア
ウト設計を行ったチップを同一基板上に実装するとい
う、マルチチップ・モジュール構造を採らざるを得ず、
各チップの設計に多大の工数を要することになる。
【0013】しかもその場合、パッケージ内における各
チップの配置が、平面的な二次元配置のみならず上下の
重なりを伴なった立体的配置となっていることから、そ
れぞれのチップ内における素子や配線あるいはボンディ
ングパッドなどの配置を、そのような立体的位置関係の
なかでチップどうし間あるいはチップと内部リード間の
接続が可能であるようにしなければならず、チップ毎の
設計が非常に複雑になる。
【0014】又、各チップ内でのレイアウト設計に加え
て、パッケージ内でそれぞれのチップをどのように配置
し、チップ相互間およびチップと内部リード間の接続を
どのように行うのかという、いわば「パッケージ内での
チップのレイアウト設計」が必要となる。更に、パッケ
ージ側でも、内部リードの設計を、単にLOC構造だけ
又はCOL構造だけというような、統一的な設計思想、
基準、ルールによることはできず、当然、設計が複雑に
なる。
【0015】従って、本発明は、LOC構造のチップだ
けで構成される樹脂封止型LSIであって、反りが小さ
く延いてはコプラナリティの良好な樹脂封止型LSI
を、回路設計やレイアウト設計の複雑化、設計工数の増
大を伴うことなしに提供することを目的とするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体チップと、そのチップ上に張り出した内部リード
と、前記内部リードと前記チップの接続用電極とを接続
する導電性ワイヤと、それらチップ、内部リード及びワ
イヤを封止する封止外装用の樹脂層とを少なくとも含む
LOC構造の半導体装置において、前記樹脂層内に、複
数のチップを備えることを特徴とする半導体装置であ
る。
【0017】前記複数のチップは、所定の機能を持つ回
路が、本来、1チップ構成でLOC構造の半導体装置と
して設計されるその1チップを複数に分割したものであ
り、この半導体装置が前記1チップ構成の半導体装置と
同一の機能を持つように、それぞれのチップ間が導電性
材料により結線されている。
【0018】前記分割後の複数のチップ相互間の接続
は、ワイヤボンディングか又は、TABによるものであ
る。
【0019】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例に
よるLOC構造樹脂封止型LSIの、封止工程前の状態
を示す斜視図である。図1を参照して、2つのチップ1
A,1Bが内部リード3の下に、ポリイミドテープ4に
よってマウントされている。これらチップ1A,1Bの
レイアウトパターンはそれぞれ、本来1チップとして回
路設計、レイアウト設計される機能回路のパターンを2
つに分割したものであって、チップ1A,1Bはそれぞ
れ、LOC構造のチップである。各チップ1A,1Bの
ボンディングパッド(図示せず)と内部リード3とが、
ボンディングワイヤ5によって電気的に接続されてい
る。又、チップ1Aとチップ1Bとの間も、ボンディン
グワイヤ6により電気的に接続されている。すなわち本
実施例は、チップ1A,1Bそれぞれと内部リード3と
のワイヤボンディングおよび、2つのチップどうしのワ
イヤ6による接続で、LSI全体としての機能を発揮す
る。これら、テープ4、チップ1A,1B、内部リード
3、ワイヤ5,6はこの後、熱硬化性樹脂層(図示せ
ず)により封止される。
【0020】図2は、本実施例および従来の1チップ型
LOC構造LSIのそれぞれに矯正エージングを施した
ときの状態を、比較して示す図である。従来のLSI
(図2(b))は、チップ8のレイアウトが、本実施例
(図2(a))における2つのチップ1A,1Bそれぞ
れのレイアウトパターンを合成したものとほぼ同一であ
り、本実施例と同一の機能を示す。先ず、本実施例の場
合、チップが2個に分割されているので、チップ1A,
1B間の領域9の樹脂層7が矯正エージングにより変形
する。従って、各チップ1A,1Bの素子部10におけ
る反りの曲率が従来と同じであっても、LSI全体とし
ての反り量は従来より小さくなる。これに対し、図2
(b)に示す従来の1チップ型LOC構造LSIの場
合、1個のままの(大きい)チップ8が骨格となってい
るので、矯正エージングによっても外装樹脂層7は変形
せず、エージング前後でLSI本体の反り量に変化はな
い。
【0021】本実施例では、統一的な設計思想、基準、
ルールに従って1つのチップ8として回路設計、レイア
ウト設計したレイアウトパターンを、2つのチップ1
A,1Bで再構成して1つのパッケージ内に収納してい
る。この再構成に関して、近年のLSIの設計がCAD
により行われていることが、本発明の実施に非常に好適
な環境をもたらしている。すなわち、図3(a)に示す
ように、CADによる設計においては、チップ8は既に
設計済みのいくつかのブロックを組合せるようにして、
全体が構成される。例えばDRAMの場合、ブロックは
複数個のセル(記憶領域)11やインタフェース部12
からなり、それぞれのブロックの間は、チップ8全体の
配線数にすれば僅かな本数の配線13により連結されて
いる。従って、この図3(a)に示す1チップDRAM
のチップ8を分割するに当り、これらのブロック間を分
断するように分割すれば、図3(b)に示すように、分
割した後のチップ1A,1Bの間を連結するワイヤ14
の本数は、数十本もしくは数本のレベルにすることが可
能である。しかもその場合、分割後のチップ1A,1B
の相互接続は極論すれば、アルミニウム配線層など、分
割前のチップ8でチップ表面に密着層として形成された
り或いは絶縁層下に埋設されていた配線層による配線1
3を、単にボンディングワイヤ14に変更するだけあ
る。又、インタフェース部12と内部リードとの相互位
置関係にも、何ら変りがない。従って、チップ8のチッ
プ1A,1Bへの分割に当っては、もともとのチップ8
のブロック間を単純に分割し、チップ1A,1Bそれぞ
れの相互配線13の出入口に相当する部分に、相互接続
用ワイヤー14のためのボンディングパッドを設ける程
度の設計追加だけで済む。図11に示すLOC・COL
混在構造LSIとは違って、チップ1A又はチップ1B
のどちらかの回路設計、レイアウト設計を、全く異なる
設計思想、基準、ルールに従って始めから新たにやり直
す必要は、ない。
【0022】次に、図4(a)は本実施例で、矯正エー
ジングにより変形する樹脂層の変形領域9(図2(a)
参照)を拡大した図である。つまり、図1において、樹
脂封止が行われたものとして、2つのチップ1A,1B
の間の部分(樹脂層の変形領域)を、図1中に矢印で示
す左下から右上の方向にかけて見たときの図である。図
4(a)を参照して、変形はリードフレームの内部リー
ド3Aを中立軸として、その上部が伸長し、一方、下部
が圧縮されるかたちで起る。そのため、樹脂変形領域9
の断面を厚み方向(図4(a)の、紙面上下方向)軸に
沿ってみて行くと、樹脂層の変形は、内部リード3Aに
近い部分で小さく、内部リード3から離れた部分で大き
い。これに対し、チップ1A,1B間を接続するワイヤ
6は、図示するように、内部リード3Aとほぼ同一水平
面(図4(a)で、紙面に垂直な面)上にある。つま
り、ワイヤ6が通る部分の変形は、小さい。従って、矯
正エージングにより樹脂層の変形領域9が変形するので
あるが、ワイヤ6は延性の高いものでなくても、通常の
ワイヤボンディングに用いられるワイヤが使用可能であ
る。
【0023】これに対し、図11に示したLOC・CO
L混在構造のLSIに矯正エージングを施した場合、や
はり内部リード3のある層を中立軸にしてその上下で伸
長、伸縮するが、図4(b)に示すように、COL構造
のチップ18A(又は、18B)とLOC構造のチップ
17とを接続するワイヤ6は、内部リード3から(厚み
方向で)離れた部分、すなわち樹脂変形の大きな部分を
通る。従って、このようなLOC・COL混在構造LS
Iに矯正エージングを施すことは、ワイヤ破断の恐れが
あり危険である。
【0024】本実施例によれば、本来大きな1チップと
して設計される回路を小さなチップに分割することによ
り、ウェーハの面積を有効に使うことができる。例え
ば、大きな1チップを4チップに分割するものとし、ウ
ェーハ上に4個の塵埃が均等に分布して付着したものと
する。その場合、従来は大きな4チップがその塵埃のた
めに不良となっていた。しかし、本実施例では、塵埃で
不良になる部分は従来の1/4に過ぎない。3/4は良
品なので、不良になった1/4を他の良品と入替えて従
来の1チップ部分を良品とすることができる。つまり塵
埃の影響を少ない面積に留めることができ、結果として
ウェーハの有効面積を広くすることができる。
【0025】次に、本発明の第2の実施例について、説
明する。図5は、本発明の第2の実施例によるLOC構
造LSIの、チップ構成を示す斜視図である。図5を参
照して、本実施例では、分割後のチップ1A,1BをT
AB16で接続している点が、第1の実施例と異ってい
る。第1の実施例(図1参照)におけるようなワイヤ6
を用いたワイヤボンディングによる相互接続では、ワイ
ヤ6どうしの間隔を小さくできないため、接続本数が限
られてしまいチップ分割の自由度が制限されてしまう。
そこで、本実施例ではTAB16を用いてワイヤボンデ
ィングよりも高密度接続を可能とし、チップをどのブロ
ック間においてでも分割できるようにしている。
【0026】尚、これまでの実施例はいずれも、本来1
チップであるものを2つのチップに分割した例である
が、勿論、もっと多数に分割しても良い。分割数を多く
することで、分割前のチップが大きくなった場合でも、
反りを十分小さく抑制できる。又、分割の方向も、縦一
列または横一列といった一方向のみでなく、縦および横
の両方向に十文字に分割しても、良い。このようにする
ことによって、パッケージの縦方向、横方向の反りを同
時に抑制できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のLOC構
造LSIは、封止外装用の樹脂層内に複数のチップを備
えている。これにより、本発明によれば、矯正エージン
グの際に、各チップ間の樹脂層を変形させてLSI全体
としての反り量を小さくし、コプラナリティを向上させ
ることができる。
【0028】本発明における上記の複数のチップは、所
定の機能を持つ回路が、本来、1チップLSIとして設
計されるその1チップを複数に分割したものであり、本
発明によるLSIと上記の1チップLSIとが同一の機
能を持つように、それぞれのチップ間が導電性材料によ
り結線されている。従って、LOC・COL混在構造の
LSIとは異って、分割後のチップを、それぞれ異る設
計思想、基準、ルールに則って別々に設計する必要が、
ない。又、1つのパッケージ内で複数のチップをどのよ
うに配置するかという、パッケージ内レイアウト設計の
必要も、ない。すなわち、構造および設計が非常に簡単
である。
【0029】分割後の複数のチップ相互間の接続には、
特別な技術を用いなくても、ワイヤボンディングなど、
従来の接続技術を適用できる。チップ相互間の接続に高
密度配線が可能なTABを用いれば、本来の1チップを
どのような部分で分割するかの分割の自由度が高まるの
で、都合が良い。
【0030】しかも、大きな1チップを複数個の小さな
チップに分割しているので、ウェーハ有効面積を広くす
ることができ、その面でもコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるLOC構造樹脂封
止型LSIの、樹脂封止工程前の状態を示す斜視図であ
る。
【図2】第1の実施例によるチップ分割型LOC構造L
SI及び、従来の1チップ型LOC構造LSIのそれぞ
れに対する矯正エージングの影響を比較して示す図であ
る。
【図3】従来の1チップ型LOC構造LSIの平面図お
よび、第1の実施例によるチップ分割型LOC構造LS
Iの平面図である。
【図4】第1の実施例における樹脂層変形の状態と、図
11に示すLOC・COL混在構造LSIにおける樹脂
層変形の状態とを比較して示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるLOC構造LSI
の、斜視図である。
【図6】従来の1チップ型LOC構造LSIの、樹脂封
止工程前の状態を示す斜視図である。
【図7】樹脂封止型LSIにおけるコプラナリティを説
明するための図である。
【図8】ダイパッド構造樹脂封止型LSIと、LOC構
造樹脂封止型LSIにおける矯正エージングの反りの状
態を比較してを示す図である。
【図9】矯正エージングの方法を説明するための工程図
である。
【図10】パッケージの平面形状の大きさが反り量に及
ぼす影響を示す図である。
【図11】LOC・COL混在構造LSIの平面図であ
る。
【符号の説明】
1A,1B チップ 3 内部リード 4 ポリイミドテープ 5,6 ワイヤ 7 樹脂層 8 チップ 10 素子部 11 セル 12 インタフェース部 13 配線 14 ワイヤ 17 LOC構造チップ 18A,18B COL構造チップ 21 外部リード 22 平坦面 23 パッケージ 24 周辺部 25 素子部 26 LSI 28 成形金型 29 炉 30 金板 31 トレー 32 蓋

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップと、そのチップ上に張り出
    した内部リードと、前記内部リードと前記チップの接続
    用電極とを接続する導電性ワイヤと、それらチップ、内
    部リード及びワイヤを封止する封止外装用の樹脂層とを
    少なくとも含むLOC構造の半導体装置において、 前記樹脂層内に、複数のチップを備えることを特徴とす
    る半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 前記複数のチップは、所定の機能を持つ回路が、本来、
    1チップ構成でLOC構造の半導体装置として設計され
    るその1チップを複数に分割したものであり、この半導
    体装置が前記1チップ構成の半導体装置と同一の機能を
    持つように、それぞれのチップ間が導電性材料により結
    線されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置において、 前記分割後の複数のチップ相互間の接続が、ワイヤボン
    ディングによるものであることを特徴とする半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の半導体装置において、 前記分割後の複数のチップ相互間の接続が、TABによ
    るものであることを特徴とする半導体装置。
JP7057852A 1995-03-17 1995-03-17 半導体装置 Expired - Lifetime JP2636784B2 (ja)

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