JP2636174B2 - 放電反応利用化学蒸着法による粉末表面改質装置 - Google Patents

放電反応利用化学蒸着法による粉末表面改質装置

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JP2636174B2
JP2636174B2 JP19208594A JP19208594A JP2636174B2 JP 2636174 B2 JP2636174 B2 JP 2636174B2 JP 19208594 A JP19208594 A JP 19208594A JP 19208594 A JP19208594 A JP 19208594A JP 2636174 B2 JP2636174 B2 JP 2636174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電反応利用化学蒸着
法による粉末表面改質装置に係り、特に低エネルギープ
ラズマを利用する化学蒸着法を用いて、有利に粉末粒子
の表面を改質し得るようにした粉末表面改質装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、放電反応を利用した粉末表面
の処理装置としては、1)RFプラズマを回転炉に導入
し、該回転炉内に収容されている粉末を処理する装置
(Bulletin of Reserch Institute for Polymer and Te
xtiles, 144, 73, 1984 参照)や2)粉末流動層の回り
に誘導コイルを巻き、かかる粉末流動層中にRFプラズ
マを生じさせ、該流動層内で放電反応または熱反応を惹
起せしめることにより、ダイヤモンド粒子を製造するよ
うにした装置(特公昭62−57568号公報参照)、
更には3)粉末層の底部からマイクロ波や熱プラズマジ
ェットを上方へ吹き上げ、粉末を流動混合せしめなが
ら、粉末の処理を行なう装置(「化学工学シンポジウム
シリーズ」、化学工学協会、第20巻、第35〜40頁
参照)等が知られている。また、粉末の処理を目的とす
るものではないが、プラズマと粉末層とを結合した構成
の技術として、4)触媒の流動層に側方から水平に熱プ
ラズマを吹き込み、NOX を得る方法(Bul. Soc. Chi
m. France, 2, 147, 1986 )も知られている。
【0003】しかしながら、前記の1)や4)の如き、
回転炉にプラズマを吹き込む構造の装置や、流動層に水
平にプラズマを吹き込む手法を採用する装置では、固体
と気体との接触効率が悪く、また2)の如き、誘導コイ
ルによりプラズマを発生せしめる装置では、プラズマの
安定性が良くなく、その使用が困難である等の問題があ
る。そして、特に、前記誘導コイルを用いる装置を使用
する場合に、直流コロナ或いは交流コロナ等の低エネル
ギープラズマを発生させようとすると、粉末層が存在し
ているために、プラズマが発生しないという問題が生じ
るのである。また、3)の如き、下方からプラズマを吹
き上げる方法を用いた装置では、固体析出による目詰ま
り等が生じるので、ガス分散板が使用出来ず、その結
果、運転時或いは停止時に、粉末がプラズマトーチ内へ
流入する等の欠点を有しているのである。
【0004】一方、直流コロナや交流コロナ等の低エネ
ルギープラズマは、常温でも利用出来るという優れた特
性を有しているが、そのような低エネルギープラズマを
用いた化学蒸着法(CVD)としては、交流沿面コロナ
放電を利用した、シリコンの塩化物と或いはシリコンの
アルコキシドからシリカを得る微粉末気相合成法が知ら
れている(「粉体工学会誌」、第30巻、第2号、第9
4〜100頁参照)。しかしながら、かかるコロナ放電
を利用したCVDを粉末表面の改質に応用した例は、今
まで存在していなかった。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、優れた特性を有するにも拘らず、粉末の表面処
理に利用されることのなかった低エネルギープラズマを
利用することが可能であり、放電反応により生成する固
体分子やクラスター及び粒子を、合体成長して粗大粒子
となる前に速やかに粉末と接触させ得て、更には目詰ま
りの原因となるガス分散板を使用せずとも、放電反応器
部への粉末の流入が防止され得る構造とすると共に、充
分に粉末が循環混合され得て、優れた固体と気体の接触
性と粉末微粒子の飛散の低減とが有利に達成され得る、
放電反応利用化学蒸着法による粉末表面改質装置を提供
することにある。
【0006】
【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明にあっては、反応原料ガスの放電反応により得られ
る反応生成物を所定の粉末粒子表面に接触せしめて、か
かる粒子の改質を行なう装置にして、有底容器内に上下
方向に配置されて、上方から下方に向かって前記反応原
料ガスが流通せしめられ、所定の放電反応が惹起され
る、下向きのガス出口を下部に有する放電反応器部と、
該有底容器壁と該放電反応器部との間の空間が上下
方向に延びる隔壁にて区画されて、前記改質されるべき
粒子が流動せしめられる通路が該隔壁の両側に形成され
ると共に、それら隔壁の両側の通路が上端と下端の隔壁
の設けられていない部分において連通され、前記放電反
応器部のガス出口から排出される反応生成物を含むガス
が導かれて、該通路内において流動せしめられる粒子に
対して接触せしめられるようにした循環流動部と、前記
放電反応器部の下向きのガス出口における下端におい
て、下方に拡がるように設けられ、先端部が前記隔壁の
下端よりも前記有底容器内壁側に位置するように構成し
た拡開部とを備えていることを特徴とする放電反応利用
化学蒸着法による粉末表面改質装置を、その要旨とする
ものである。
【0007】 また、本発明に係る粉末表面改質装置に
おいて、有利には、前記有底容器は、その底部内面上の
前記放電反応器部のガス出口に対向する位置に、該ガス
出口から排出されるガス流を偏向せしめる偏向部材を有
している。
【0008】そして、本発明に係る粉末表面改質装置の
有利な態様によれば、前記有底容器は、下部において狭
幅であり、上部においては広幅となる形状とされ、前記
隔壁の一方の側の通路にて構成されるガス及び粒子の上
昇通路の上部の断面は下部の断面より広くされており、
更に別の望ましい態様によれば、前記有底容器に対し
て、振動装置が設けられる。
【0009】
【作用・効果】従って、本発明に従う粉末表面改質装置
においては、先ず、改質されるべき粉末が有底容器に設
けられている粉末供給口を通じて、有底容器内に供給さ
れる。また、金属アルコキシドや金属塩化物やその他の
化合物等の蒸気と、水素、酸素等の前記蒸気と反応する
ガスと、アルゴン、窒素等の搬送ガスとを含んでなる反
応原料ガスが、反応原料ガス供給口を通じて、放電反応
器部に連続的に供給される。そして、この放電反応器部
において、放電反応により、反応原料ガスから、金属酸
化物等の固体分子、クラスター及び粒子を含んだ反応生
成ガスが生成せしめられるのである。
【0010】次いで、かくの如く生成せしめられた反応
生成ガスは、放電反応器部の下端の開口部から有底容器
内へ流出せしめられ、直ちに、該有底容器内の底部で反
転して、循環流動部を構成している循環通路の一方の
側、即ち上昇通路に導かれる。そして、かかる反応生成
ガスにより、予め供給されている前記粉末が、上昇通路
を上方へと流動せしめられ、その際に該粉末と前記反応
生成ガスとが接触せしめらるのである。反応生成ガス
は、上昇通路を上り切ると、有底容器上部に設けられて
いるガス排出口を通じて装置外へと導かれて、排出され
る。一方、反応原料ガスによって、上昇通路を上昇せし
められて上部まで到達した粉末粒子は、上昇通路とは反
対側の通路、即ち下降通路を通って、有底容器下部へと
導かれ、新しく流入せしめられる反応生成ガスによっ
て、再び、上昇通路を循環流動させられるのである。
【0011】このように、粉末は、循環流動部の上昇通
路を上昇せしめられる際に、該反応生成ガスと充分に接
触させられることとなるので、かかる粉末粒子の表面に
は、分子膜や粒子膜が有利に形成され得て、粉末粒子の
表面が効果的に改質されることとなるのである。
【0012】また、かくの如くして、本発明に従う粉末
表面改質装置を用いて、粉末を処理(改質)する場合に
は、放電反応器部は、その流路方向における先端側が下
向きとなるように配置されているところから、運転時や
停止時に粉末が放電反応器部へ流入するようなことがな
く、目詰まりの原因となるガス分散板等による粉末層の
支持も不要となるのである。
【0013】さらに、放電反応器部で生成せしめられた
固体分子やクラスター及び粒子を含むガス、即ち反応生
成ガスは、有底容器内に流出せしめられると、直ぐに反
転して、粉末が供給されている循環流動部に導かれて、
速やかに粉末粒子の表面と接触させられるところから、
それら固体分子やクラスター及び粒子等が、それら自身
と合体成長して、粗大粒子となるようなこともないので
ある。
【0014】更にまた、有底容器内壁と放電反応器部と
の間の空間が、上下方向に延びる隔壁にて区画されてお
り、以て上昇通路と下降通路とからなる循環流動部が形
成されているところから、粉末の循環が有利に促進され
ることとなる。そして、有利には、放電反応器部下端の
有底容器への開口部が下方に拡がる拡開部を有するよう
にされることで、より確実に、反応生成ガスを上昇通路
に導くことが出来て、循環流動部を効果的に構成できる
こととなる。また、粉末が循環流動部を繰り返して循環
せしめられているところから、粉末粒子の表面処理は、
均一に行なわれることとなるのである。
【0015】加えて、本発明に従う粉末表面改質装置
は、その下部から、別途、流動化ガスを吹き込んで、粉
末を強制的に流動させなくても、反応生成ガスの作用の
みで、粉末を流動させることが可能となるところから、
その構造を簡単と為し得るのであり、また減圧の必要な
場合にも、余分なガスが供給されていないところから、
減圧が有利に実施されることとなるのである。
【0016】また、本発明に係る粉末表面改質装置の好
ましい態様によれば、有底容器の形状が、下部において
狭幅で、上部においては広幅の形状とされ、前記上昇通
路の上部の断面積が下部の断面積よりも大とされたもの
が用いられるのであるが、かかる装置にあっては、上記
の如き効果に加えて、流動性の悪い粉末や微粉末の処理
を行なう際でも、微粒子の付着凝集性により、粉末が流
動化せずに、粉末層が栓状になり、そのままガスによっ
て粉末層が持ち上げられることにより、ガス流れが阻害
される等の問題が生じないという優れた効果を発揮する
のである。そしてまた、かかる構造の粉末表面改質装置
の上昇通路においては、上部に行く程、そこを流れる反
応生成ガスの流速が遅くなるために、微粉末の気流によ
る同伴、即ち発塵が抑制されるという効果も有している
のである。
【0017】さらに、本発明に係る粉末表面改質装置に
は、有利には振動装置が付加されていてもよく、そのよ
うな装置にあっては、流動化困難である粉末の循環流動
化を効果的に促進することが可能となる。
【0018】更にまた、本発明に従う粉末表面改質装置
によれば、乾式法を用いて粉末表面の処理を行ない得る
ところから、従来の液相法を用いた装置とは異なり、溶
媒の使用やそれに伴う脱溶媒工程が不要となり、粉末表
面の処理における大幅なコストダウンが可能となるので
ある。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、幾つかの実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0020】先ず、図1には、本発明に従う粉末表面改
質装置の一つの具体例が、また図2には、そのX−X’
断面図が示されている。
【0021】すなわち、図1に示されている、本発明に
従う放電反応利用化学蒸着法による粉末表面改質装置の
一例においては、有底容器8の内部空間を略等分する形
態において、上下方向に延びる角筒状の放電反応器部9
が配設されており、また該放電反応器部9と前記有底容
器8の内壁との間の空間が上下方向に延びる隔壁7、7
にて区画されることにより、該隔壁を挟んで2つの通
路、即ち有底容器内壁側の外側の上昇通路22、22と
放電反応器部9側の内側の下降通路23、23とが形成
され、それによって、放電反応器部9の左右に、循環流
動部21、21が構成されているのである。
【0022】より詳細には、有底容器8は、直方体形状
の箱体であり、その上面中央には放電反応器部9に反応
原料ガスを導くための反応原料ガス導入口1を、また前
記上昇通路22、22に面している側面(図1では左右
の側面)の上部には粉末供給口18及びガス排出口10
を、更にその下部には粉末取出し口17を有しており、
そして該側面と垂直な、図1において紙面に平行な方向
の側面の下部には、丁度、放電反応器部9の開口部と略
同じ位置となるように、流動化補助ガス供給口11を有
している。
【0023】なお、有底容器8の底面内部側に、該底面
と一体的に設けられている三角断面形状の突起20は、
放電反応器部9から有底容器8へ流入せしめられる反応
生成ガスの流れ方向を調整する目的で、放電反応器部9
の下端の開口部に対向する位置に設けられているもので
あるが、その形状は、図1に示されたものに限定される
ものではなく、反応生成ガスの流れがスムーズとされる
ものであれば、如何なる形状のものでも採用され得る。
更に、この突起20は、必ずしも設けられる必要は無
く、場合によっては、無くしても構わない。また、図1
において、ガス排出口10、粉末取出し口17、粉末供
給口18は、それぞれ一つずつしか示されていないが、
それらは、図2に示される粉末取出し口17の如く、対
称な位置となるように、それぞれ2つずつ設けられてい
る。
【0024】また、放電反応器部9は、前記有底容器8
を略等分するような位置に、所定距離を隔てて設けられ
る2枚の平行板と該平行板に垂直に接する有底容器8の
内壁により区切られた空間と、該平行板の内側に上下方
向所定長さに亘って、一体的に設けられるステンレス鋼
等の板材からなる正電極2、2と、かかる正電極2、2
に挟まれる空間の略中央を上下方向に延びるように設け
られた複数本(ここでは13本:図2参照)のステンレ
ス鋼等の線材からなる負電極3とから形成されている。
なお、これら正電極2と負電極3とは、有底容器8の外
部に設けられる直流電源13に、それぞれ接続されるこ
とによって繋がれているのであり、それにより、かかる
正、負電極(2、3)間には所定の電圧が印加されるよ
うになっている。また、該放電反応器部9の下端部は、
図1に示されている如く、その有底容器8への開口部が
下方に末広がり状に拡がるように、拡開部19とされて
いる。
【0025】さらに、前記有底容器8内壁と前記放電反
応器部9との間の空間が、上下方向に延びる隔壁7にて
区画されることにより、該隔壁7の両側に、上昇通路2
2及び下降通路23が形成されているのである。そし
て、それら上昇通路22及び下降通路23が、その上端
と下端において隔壁7の設けられていない部分におい
て、連通せしめられていることにより、循環流動部21
が構成されているのである。なお、隔壁7の下端は、図
1に明示されている如く、該隔壁7の両側に形成される
二つの通路のうち外側のものが有効な上昇通路22とな
るように、拡開部19の先端よりも放電反応器部9側に
位置せしめられている。
【0026】従って、このような構成とされた、本発明
に従う放電反応利用化学蒸着法による粉末表面処理装置
にあっては、先ず、チタンや珪素やその他金属の塩化物
或いはアルコキシドの蒸気と、それらと反応させられる
水素及び酸素と、アルゴン、窒素等の搬送ガスとから成
る反応原料ガスが、反応原料ガス供給口1から放電反応
器部9に供給され、そこにおいて惹起される放電反応に
より、反応原料ガスから、酸化物固体分子とクラスター
と微粒子とを含有する反応生成ガスが生成せしめられ
る。
【0027】次いで、上記の如く、生成せしめられた反
応生成ガスは、放電反応器部9の下端における拡開部1
9から有底容器8内に流入せしめられ、直ぐに、該有底
容器8の底部において反転させられて、予め粉末が供給
されている循環流動部21の上昇通路22へ導かれる。
その際、拡開部19の先端部は、隔壁7の下端よりも所
定距離外方に突出するように構成されていることによ
り、有底容器8の底部において反転せしめられた反応生
成ガスが、循環流動部21に流入する際に方向付けられ
ているために、より確実に上昇通路22へと導かれるの
である。
【0028】また、循環流動部21の下部に導かれた反
応生成ガスは、粉末粒子5を流動させながら、上昇通路
22を通って、その上部まで到達する。そして、その際
に、粉末粒子5は反応生成ガスに接触させられることと
なり、以てその表面に分子膜や粒子膜が形成されるとこ
ろから、その表面が改質され得るのである。
【0029】かくして、上昇通路22の上部に到達した
反応生成ガスは、ガス排出口10を通じて、有底容器8
の外へと排出される。一方、粉体粒子5は、上昇通路2
2とは反対側に形成されている下降通路23を通って、
その下部に導かれる。そして更に、放電反応器部9の下
端に形成されている拡開部19の循環流動部21側の面
に沿って下降することにより、上昇通路22の下部に運
ばれて、そこに新しく供給される反応生成ガスと接触、
反応しながら、該反応生成ガスの作用で、再び上昇せし
められるのである。このように、粉末粒子5は、循環流
動部21の上昇通路22と下降通路23とを、繰り返
し、循環流動せしめられるのであり、これによって、上
昇通路22を上昇させられる際には、常に新しく供給さ
れる反応生成ガスに接触せしめられるところから、表面
の処理(改質)が良好に行なわれるのであり、また、反
応生成ガスによる処理が繰り返し行なわれるところか
ら、粉末粒子5の表面の均一な処理が効果的に行なわれ
ることとなるのである。
【0030】なお、かかる循環流動を行なう際に、粉末
粒子5の流動性が悪いために、反応生成ガスのみでは充
分な循環流動性が得られない場合には、流動化補助ガス
供給口11より流動化補助ガスを供給してもよく、そう
することによって、粉末粒子5の充分な循環流動性が得
られる。また、それに加えて、振動装置12により、機
械的な振動を加えて、難流動性の粉末を処理する場合に
は、粉末の充分な循環流動性が得られることとなる。
【0031】ところで、この実施例においては、低エネ
ルギープラズマとして、直流コロナが用いられている
が、これに限定されるものでは決してなく、交流コロナ
が用いられても、何等差し支えないのである。
【0032】また、図3には、本発明に従う放電反応利
用化学蒸着法による粉末表面処理装置の異なる具体例が
示されており、図4には、そのY−Y’断面図が示され
ている。なお、図1に示される粉末表面改質装置を構成
する部材と同一又は相当する部材には、図1と同一の符
号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0033】先ず、図3に示される粉末表面改質装置に
おいては、その有底容器15の形状が、下部で狭く、上
部で広い逆台形状とされており、また、循環流動部21
の上昇通路22の上部横断面が下部横断面より大きくな
るような形態で、隔壁16が配置されている。そのた
め、かかる粉末表面改質装置によれば、粉末表面を処理
する際に、流動性の悪い粉末の流動性が改善されたり、
粉末微粒子の飛散が防止されたりする等の優れた効果が
発揮され得るのである。
【0034】ところで、図中左側の粉末取出し口17
は、有底容器15の傾斜側壁の中間部位に取り付けられ
ており、これによって、装置が作動状態にあっても、表
面処理の行なわれた粉末を取り出すことが出来るように
なっているのである。なお、装置が停止状態の時は、粉
末が有底容器15の下部に集まるので、該有底容器15
の下部に設けられた右側の粉末取出し口17より、表面
処理の済んだ粉末を取り出すことが出来るようになって
いる。また、ここでは、有底容器15の底部の内面に、
図1に示されるような突起20が設けられていないが、
必要に応じて設けることも可能である。
【0035】従って、このような本発明に従う放電反応
利用化学蒸着法による粉末表面処理装置によれば、流動
性の悪い粉末や微粉末の表面改質を有利に行うことが出
来るのである。即ち、通常、流動性の悪い粉末や微粉末
を処理する際には、それら粉末粒子又は微粉末の有して
いる付着凝集性により、粉末粒子又は粉末微粒子が凝集
して、流動化しないところから、粉末層が栓状となるた
めに、それら栓状の粉末層が反応生成ガスによって持ち
上げられたり、反応生成ガスの流れが阻害されたりする
等の問題が生じるのであるが、本実施例の如く、上昇通
路22の上部横断面が下部横断面より大きなものとされ
ている場合には、流動性の悪い粉末でも循環流動が可能
となり、前記の如き問題が有利に解消され得るのであ
る。また、かかる形状の上昇通路22にあっては、上部
に行く程、流通せしめられる反応生成ガスの速度が緩や
かとなるところから、かかる反応生成ガスによって運ば
れる微粉末の気流による飛散、即ち発塵が効果的に抑制
され得る利点も得ることが出来るのである。
【0036】ここで、図3に示される粉末表面改質装置
を用いて、実際に粉末を処理した一例を簡単に説明する
と、先ず、四塩化チタン蒸気と水素及び酸素と窒素(搬
送ガス)とから成る反応原料ガスを、反応原料ガス供給
口1から放電反応器部9に供給し、次いでその放電反応
器部9において、直流コロナ放電により加水分解反応を
惹起させることにより、該反応原料ガス中に含まれる四
塩化チタンから二酸化チタンを生ぜしめた。なお、この
放電反応例において、負電極としては0.5mm径のス
テンレス鋼(SUS316)線を、正電極としてはステ
ンレス鋼(SUS316)板を用い、それら正、負電極
に対する印加電圧は6kVとした。そして、かかる二酸
化チタンにより、市販のシリカ粉末超微粒子(日本アエ
ロジル社製:アエロジル300)を循環流動部21にお
いて循環させながら、その表面の処理を行なったとこ
ろ、この表面処理して得られたシリカ粉末超微粒子にあ
っては、その二酸化チタン付着量が僅か0.08重量%
のものでも、その表面改質効果に起因して、液中分散性
が著しく向上せしめられ得ることを確認した。
【0037】具体的には、ケロシン中に、前記表面処理
済のシリカ粉末超微粒子及び未処理のシリカ粉末超微粒
子のそれぞれを0.01g/cm3 の割合で分散させた場
合、粒子表面が未処理のものは、分散させた直後に沈降
を開始したのに対して、粒子表面の改質を行なったもの
は、比較的安定して分散状態を保っていた。また、分散
させてから3時間経過後の、それぞれの沈澱体積は、表
面処理を行なったものは、未処理のものの約2.5倍で
あり、シリカ粉末の表面が有利に改質されていることが
理解された。
【0038】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述したが、本発明が、そのような実施例の記載によっ
て、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまで
もないところである。また、本発明には、上記の実施例
の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当
業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加
え得るものであることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う放電反応利用化学蒸着法による粉
末表面処理装置の一具体例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1におけるX−X’断面説明図である。
【図3】本発明に従う放電反応利用化学蒸着法による粉
末表面処理装置の異なる一具体例を示す縦断面説明図で
ある。
【図4】図3におけるY−Y’断面説明図である。
【符号の説明】
1 反応原料ガス供給口 2 正電極 3 負電極 5 粉末粒子 7、16 隔壁 8、15 有底容
器 9 放電反応器部 10 ガス排出口 11 流動化補助ガス供給口 12 振動装置 13 直流電源 17 粉末取出し
口 18 粉末供給口 19 拡開部 20 突起 21 循環流動部 22 上昇通路 23 下降通路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応原料ガスの放電反応により得られる
    反応生成物を所定の粉末粒子表面に接触せしめて、かか
    る粒子の改質を行なう装置にして、 有底容器内に上下方向に配置されて、上方から下方に向
    かって前記反応原料ガスが流通せしめられ、所定の放電
    反応が惹起される、下向きのガス出口を下部に有する放
    電反応器部と、 該有底容器壁と該放電反応器部との間の空間が上下
    方向に延びる隔壁にて区画されて、前記改質されるべき
    粒子が流動せしめられる通路が該隔壁の両側に形成され
    ると共に、それら隔壁の両側の通路が上端と下端の隔壁
    の設けられていない部分において連通され、前記放電反
    応器部のガス出口から排出される反応生成物を含むガス
    が導かれて、該通路内において流動せしめられる粒子に
    対して接触せしめられるようにした循環流動部と、前記放電反応器部の下向きのガス出口における下端にお
    いて、下方に拡がるように設けられ、先端部が前記隔壁
    の下端よりも前記有底容器内壁側に位置するように構成
    した拡開部と、 を備えていることを特徴とする放電反応利用化学蒸着法
    による粉末表面改質装置。
  2. 【請求項2】 前記有底容器が、その底部内面上の前記
    放電反応器部のガス出口に対向する位置に、該ガス出口
    から排出されるガス流を偏向せしめる偏向部材を有して
    いる請求項1に記載の放電反応利用化学蒸着法による粉
    末表面改質装置。
  3. 【請求項3】 前記有底容器が、下部において狭幅であ
    り、上部においては広幅となる形状とされ、前記隔壁の
    一方の側の通路にて構成されるガス及び粒子の上昇通路
    の上部の断面が、下部の断面より広くされていることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電反応利用
    化学蒸着法による粉末表面改質装置。
  4. 【請求項4】 前記有底容器に対して、振動装置を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記
    載の放電反応利用化学蒸着法による粉末表面改質装置。
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