JP2636140B2 - アトピー性皮膚炎治療用温泉水組成物 - Google Patents
アトピー性皮膚炎治療用温泉水組成物Info
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Description
療に有効な温泉水組成物に関する。
ピー性皮膚炎は、アトピー素因の個体に発生しやすい慢
性掻痒性発疹であり、2歳〜青年期にかけて発病し、激
しい痒みをともなう皮疹を主な症状とする。はっきりし
た病因は不明であるが、アレルギー性、遺伝性、精神作
用の因子が関与しているといわれており、とりわけ食物
アレルギー、家塵、ダニなどに対する即時型反応および
遅延型反応などが注目されてきた。症状は、上記のよう
に激しい痒みをともない、膝や肘などの屈曲部に主とし
て病巣が発現し、苔癬化、表皮剥離、痂皮形成を特徴と
する。軽快、治癒、再燃を反復し、慢性化しやすいこと
も特徴である。その診断は、家族歴、血清IgE高値
(高IgE血症)、末梢血好酸球増多、および特異Ig
E抗体の出現による。
く、皮膚を清潔にしてステロイド剤(副腎皮質ホルモン
剤)を塗布したり、抗ヒスタミン剤、化学伝達物質遊離
抑制剤を内服したりといった化学療法、卵、牛乳、大豆
などを除去する食事療法、民間療法として古来より皮膚
病に効果ありとされてきた重炭酸土類泉および硫黄泉等
の温泉入浴療法、その他、ニンニク浴療法、ドクダミ浴
療法、漢方薬による治療、変わったところではクエン酸
の飲用などが知られている。しかしながら、これら治療
法のいずれもアトピー性皮膚炎患者にとって朗報をもた
らすような決定的な治療法とはいいがたい。すなわち、
ステロイド剤等の化学療法では、症状を緩和するものの
完治することもなく、一層問題となるのはその副作用で
あり、表皮の肥厚および褐変をきたす。食事療法もすべ
てのアトピー性皮膚炎患者に有効というわけではなく、
温泉入浴療法は最低3カ月から3年もの長期間を要する
難点がある。漢方薬も速効性のあるものは少なく、その
理論的な根拠も希薄である。クエン酸の飲用も効果に対
する論拠が定かではない。
皮膚炎は必須ミネラルのアンバランス、酸アルカリのア
ンバランスおよび神経のストレスによって発症するもの
であると考える。すなわち、アトピー性皮膚炎は人体の
酸性体質が原因であり、食物による栄養が完全代謝され
ず、これが毒素となって皮膚の脂腺汗腺より排泄される
ために発症するのである。そこで、ミネラル摂取のバラ
ンス理論および酸アルカリのバランス理論に基づき、特
定組成からなるミネラル塩を皮膚病に有効とされた温泉
水に添加することによって、従来の温泉入浴療法では長
期間要していたのを短期間でかつ確実に治癒せしめ得る
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、塩化ナトリウム30〜75重量%および
海水シルビン25〜70重量%からなる混合物100重
量部に対してクエン酸塩5〜60重量部を混合してなる
ミネラル組成物を、重炭酸土類泉および硫黄泉よりなる
群から選ばれた温泉水に添加してなるアトピー性皮膚炎
の治療に有効な温泉水組成物に関する。本発明の温泉水
組成物を用いた入浴療法は、上記ミネラル組成物を日常
の食事で摂取する食事療法と並行して行うことにより、
従来より治療が困難であったアトピー性皮膚炎を副作用
なく完全にしかも短期間で治癒することが可能である。
5重量%および海水シルビン25〜70重量%からなる
混合物100重量部に対してクエン酸塩5〜60重量部
を混合してなるミネラル組成物を、従来より皮膚病に有
効とされてきた重炭酸土類泉または硫黄泉から選ばれる
温泉水に添加する。該ミネラル組成物は、特願平4−2
67216号に塩味料として記載されているものであ
る。このミネラル組成物は、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウム等の種々のミネラル成分をバラ
ンスよく含んでおり、ミネラル摂取のバランス理論およ
び酸アルカリのバランス摂取理論に基づき、人体に必須
の各種ミネラルをバランスよく摂取し、また人体の酸性
アルカリ性をバランスよく保つうえで効果的である。従
って、特願平4−267216号では、従来の食塩(塩
化ナトリウム)の過剰摂取による弊害(高血圧等の循環
器障害を含む)を除くための食塩に代わる健康調味料と
して該ミネラル組成物を利用している。
るには、上記入浴と並行して該ミネラル組成物を食用で
摂取することが必須である。かかるミネラル組成物の摂
取による効果は以下のとおりである。該ミネラル組成物
は、ナトリウム源として塩化ナトリウムを、カリウム源
として海水シルビン中の塩化カリウムおよびクエン酸三
カリウムを含有しているが、該ミネラル組成物中のナト
リウム/カリウム比は1またはそれ以下である。すでに
WHO栄養班により、Na/K比が1の食事によってナ
トリウムの過剰摂取に起因する諸疾患が予防されるこ
と、およびNa/K比が1以下の食事によってナトリウ
ムの過剰摂取に起因する諸疾患が治療されることが実証
されている。従って、Na/K比が1またはそれ以下で
ある該ミネラル組成物を摂取することにより、ナトリウ
ムの過剰摂取に伴う種々の疾患を予防ないし治療するこ
とが可能となる。すなわち、従来の食塩(塩化ナトリウ
ム)摂取ではナトリウムのみの摂取に偏り、カリウムを
摂取できないためにナトリウム/カリウムをバランスよ
く摂取することができなかったのであるが、該ミネラル
組成物はナトリウムのみならずカリウムをも同程度に含
有しているため、両ミネラルをバランスよく摂取するこ
とができるのである。
カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸マグネシウ
ム等のクエン酸塩が含まれている。人体にとってクエン
酸の摂取は酸アルカリのバランスを保ち、体液、血液の
pHを7.4の微アルカリ性に保持し、健康を維持する
ことが知られており、これはクエン酸サイクル理論とし
て公知である。この理論によれば、人体の代謝サイクル
であるクエン酸サイクル(TCAサイクルともいう)中
の代謝産物であるクエン酸を摂取することにより、人体
の消化、吸収、代謝の3大機能が向上するといわれてい
る。また、アトピー性皮膚炎の原因の一つとされるアレ
ルギー体質については、酸アルカリのアンバランスによ
る酸性体質、必須ミネラルのアンバランスおよびクエン
酸不足による代謝不全が原因であり、該ミネラル組成物
の摂取によりかかるアレルギー体質も改善されるのであ
る。かかるミネラル組成物の1日の摂取量は、約13g
程度が適量である。
物を食用で摂取するのみならず、該ミネラル組成物を温
泉水中に配合することによって、入浴した際に該ミネラ
ル組成物を皮膚を介して吸収させることに顕著な特徴が
あり、食用と経皮との両方で該ミネラル組成物を摂取す
ることによってアトピー性皮膚炎をより速やかに完治さ
せるのである。また、該ミネラル組成物中に含まれる各
塩類およびクエン酸は殺菌、消炎作用もある。上記温泉
水としては、重炭酸泉や硫黄泉等の従来より皮膚病に効
能があるとされてきた温泉水を使用しているので、該温
泉水だけでも皮膚疾患に対して相応の効果が期待できる
のであるが、本発明のように該温泉水にさらに上記ミネ
ラル組成物を配合することにより、該温泉水による効能
に加えて該ミネラル組成物の皮膚からの吸収および殺菌
・消炎作用による効果、さらには該ミネラル組成物の食
用摂取による効果をも含めた相乗効果により、アトピー
性皮膚炎は完全に治癒されるのである。
の「海水シルビン」とは、海水から得られたミネラル含有
組成物をいい、具体的には、塩化カリウム約74〜約7
7重量%、塩化カルシウム約0.2〜約0.3重量%、塩
化マグネシウム約0.7〜約1.1重量%、および硫酸カ
ルシウム約0.8〜約1.0重量%からなり、この他、水
分と微量ミネラル塩を含む海水由来の天然塩味料食品の
一般名称である。ミネラル組成物中のクエン酸塩として
は、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエ
ン酸マグネシウム等を用いることができる。本発明の温
泉水組成物を調製するには、重炭酸土類泉または硫黄泉
から選ばれる温泉水100重量部に対して上記ミネラル
組成物5〜8重量部を添加すればよい。該組成物の添加
量を5〜8重量部としたのは、これを10倍の水道水に
添加した場合、その溶解率は約0.5〜0.8重量%弱と
なり、粘度を感じないからである。本発明の温泉水組成
物に使用する温泉水としては、重炭酸土類泉および硫黄
泉を例示したが、従来より皮膚病に効能があるとされて
いる温泉水であれば特に限定することなく使用すること
ができる。
ス液を添加するのが好ましい。桧の香りはヒトの精神を
落ち着かせ、精神的ストレスの解消効果、精神の安定効
果がある。従って、精神的ストレスが発症の一因とされ
ているアトピー性皮膚炎に対して、かかる精神的ストレ
ス解消効果を有する桧エキスを使用すればアトピー性皮
膚炎の治療効果が一層効果的となる。桧エキス液として
は、市販のものを利用することができ、その例として
は、たとえば油脂製品株式会社の製造に係る桧水液など
が挙げられる。
際しては、本発明の温泉水組成物を約10倍量の水道水
に溶解した後、風呂釜で適温(たとえば、40〜42℃
程度)に温め、この風呂に1日に朝夕2回入浴すればよ
い。この1日目の入浴ですでに下記効果が得られる。 (1)患部の痒みが和らぐ。 (2)患部のカサブタがとれ、出血が止まる。 上記入浴は、6日間留湯として行い、減泉となった分だ
け上記割合にて本発明の温泉水組成物および水道水を添
加すればよい。留湯とする理由は、経済上の問題もある
が、この風呂水は腐臭を生じることがなく、また劣化し
ないからである。この入浴を1週間続けると症状はかな
り和らぎ、2週間続けると患部に徐々に新しい皮膚が形
成されてくるのが認められ、4週間(1カ月)で健康な
皮膚となる。
合、上がり湯は不要である。海水を用いて入浴する場合
は、食塩成分が約2%であるために水洗いが必要であ
る。また、海水の場合はナトリウムが大部分でありミネ
ラルのバランスがとれていないため、一般の食塩浴や海
水浴では本発明の温泉水組成物のような効果は期待でき
ない。なお、入浴に際して、入浴後にタオル等で水分を
拭って乾かした後に患部に馬油を薄めに塗布すると一層
効果的である。馬油は人体の油脂と殆ど同じ成分であ
り、古来より火傷の妙薬として珍重されてきたものであ
り、現代においても肌化粧品として皮膚の防菌作用、保
護作用、新生作用があるとして多用されている。
めれば以下のようになる。 (1)アトピー性皮膚炎を比較的短期間に治療すること
ができる。 (2)皮膚より各種必須ミネラルおよびクエン酸を吸収
せしめることにより、血液、体液をpH7.4の微アル
カリ性に保持し、人体の代謝機能を活性化するため、ア
レルギーによる抗体反応を解消するのみならず、栄養素
の代謝燃焼の残滓である焦性ブドウ酸等を速やかに炭酸
ガスおよび水に分解し、よって毒素の発生が防除され、
アトピー性皮膚炎の発症を予防できる。 (3)皮膚の痒みを止める。 (4)患部の出血を止める。 (5)皮膚を滑らかにする。 (6)美膚効果がある。 (7)シミ、ソバカスの発生を防除する。 (8)皮膚表皮に対する滅菌効果があり、化膿を防止す
る。 (9)人体の保温効果がある。 (10)桧の香りにより精神的ストレスを解消し、精神
の安定効果がある。
く説明するが、本発明はこれらに限られるものではな
い。実施例1 食塩(450g)、海水シルビン(300g;塩化カリウ
ム約74〜77重量%、塩化カルシウム約0.2〜0.3
重量%、塩化マグネシウム約0.7〜1.1重量%および
硫酸カルシウム約0.8〜1.0重量%)およびクエン酸
三カリウム(250g)を混合してミネラル組成物(10
00g)を得た。重炭酸土類泉水(20L)に上記ミネ
ラル組成物(1000g)を加え、よく撹拌して本発明
の温泉水組成物を得た。得られた温泉水組成物(20
L)を水道水(200L)に溶解し、これを加温(40
〜42℃)して20名のアトピー性皮膚炎患者に朝夕1
回ずつ14日間入浴してもらったところ、全員から皮膚
の痒みが止まり、出血が止まり、皮膚が滑らかになり、
肌が美しくなり、保温効果があったとの講評が得られ
た。
(1000g)を加え、よく撹拌して本発明の温泉水組
成物を得た。得られた温泉水組成物(20L)を水道水
(200L)に溶解し、これを加温(40〜42℃)し
て20名のアトピー性皮膚炎患者に朝夕1回ずつ14日
間入浴してもらったところ、全員から皮膚の痒みが止ま
り、出血が止まり、皮膚が滑らかになり、肌が美しくな
り、保温効果があったとの講評が得られた。
成物(1000g)を加え、さらに桧エキス液(油脂製
品(株)製;20g)を加え、よく撹拌して本発明の温
泉水組成物を得た。得られた温泉水組成物(20L)を
水道水(200L)に溶解し、これを加温(40〜42
℃)して20名のアトピー性皮膚炎患者に朝夕1回ずつ
14日間入浴してもらったところ、全員から皮膚の痒み
が止まり、出血が止まり、皮膚が滑らかになり、肌が美
しくなり、保温効果があり、さらに精神的ストレスが解
消したとの講評が得られた。
(1000g)を加え、さらに桧エキス液(油脂製品
(株)製;20g)を加え、よく撹拌して本発明の温泉
水組成物を得た。得られた温泉水組成物(20L)を水
道水(200L)に溶解し、これを加温(40〜42
℃)して20名のアトピー性皮膚炎患者に朝夕1回ずつ
14日間入浴してもらったところ、全員から皮膚の痒み
が止まり、出血が止まり、皮膚が滑らかになり、肌が美
しくなり、保温効果があり、さらに精神的ストレスが解
消したとの講評が得られた。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ナトリウム30〜75重量%および
海水シルビン25〜70重量%からなる混合物100重
量部に対してクエン酸塩5〜60重量部を混合してなる
ミネラル組成物を、重炭酸土類泉および硫黄泉よりなる
群から選ばれた温泉水に添加してなるアトピー性皮膚炎
の治療に有効な温泉水組成物。 - 【請求項2】 該ミネラル組成物を、温泉水100重量
部に対して5〜8重量部添加する請求項1に記載の組成
物。 - 【請求項3】 温泉水100重量部に対してさらに桧エ
キス液0.1〜0.2重量部を添加する請求項1または2
に記載の組成物。
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JP5161269A JP2636140B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | アトピー性皮膚炎治療用温泉水組成物 |
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KR100518698B1 (ko) * | 1997-11-07 | 2005-10-05 | 가부시끼가이샤 메디온 리서치 라보라토리즈 | 이산화탄소 함유 점성 화장용 조성물 |
KR19990078667A (ko) * | 1999-07-23 | 1999-11-05 | 하종심 | 가려움증 개선용 크림 및 그 제조방법 |
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-
1993
- 1993-06-30 JP JP5161269A patent/JP2636140B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102454330B1 (ko) | 2020-08-14 | 2022-10-14 | 주식회사 설랩 | 온천수를 포함하는 피부 또는 피부 질환 예방 또는 개선용 조성물 |
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JPH0716280A (ja) | 1995-01-20 |
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