JP2633947B2 - 位置検知装置 - Google Patents

位置検知装置

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JP2633947B2
JP2633947B2 JP4001789A JP4001789A JP2633947B2 JP 2633947 B2 JP2633947 B2 JP 2633947B2 JP 4001789 A JP4001789 A JP 4001789A JP 4001789 A JP4001789 A JP 4001789A JP 2633947 B2 JP2633947 B2 JP 2633947B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は自動車の舵角検知等に適した位置検知装置
に係り、詳しくは、アナログセンサとデジタルセンサを
組み合せて構成の簡素化とともに検出精度の向上を図る
位置検知装置に関する。
(従来の技術) 前輪から独立して後輪を転舵する操舵装置および操向
車輪と操向ハンドルとの間が機械的に分断される操舵装
置等では、後輪および操向車輪の舵角を検出して帰還制
御が行なわれる。このような操舵装置は、一般に、操向
ハンドルにハンドル操作を検出する操舵検知器を、ま
た、転舵機構に後輪(操向車輪)を駆動する電動機と操
向車輪の舵角を検出する舵角検知器とを設け、舵角検知
器および操舵検知器の出力信号に基づき電動機を通電し
て後輪(操向車輪)を転舵する。そして、この種の操舵
装置では、一般に、舵角検知器を差動トランスあるいは
ポテンシォメータから構成し、操向車輪と電動機との間
に介在する動作ロッド等の直線変位を検出している。
しかしながら、上述のような舵角検知器は、温度等の
環境条件や電源電圧変動等により特性が変化しやすく、
比較的検出精度が低いという問題点があった。
そこで、近年、このような操舵装置にあっては、実開
昭60−43473号公報に記載されているように、ロータリ
ー式のエンコーダが舵角検知器として組み込まれた電動
機を転舵機構に設け、エンコーダの出力により操向車輪
の舵角を検出するものが提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述のような車両の操舵装置にあって
は、エンコーダが出力する操舵にともなうパルス信号を
計数して中立位置からの舵角を検出するため、その計数
値すなわち舵角をイグニッションキースイッチのOFF操
作時に記憶保持動作が不要な記憶装置に記憶させなけれ
ばならず、EPROM等の不揮発性メモリが不可欠で製造コ
ストが大きくなり、また、その制御も方法的に複雑化す
るという問題点があった。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、不
揮発性メモリを用いること無く舵角等の部材の相対位置
を高い精度で検出できる位置検知装置を提供することを
目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1図に示すように、相対移動する2つ
の部材の相対位置を所定位置を基準として検出し、該相
対位置を表す検知信号を出力する位置検知装置におい
て、前記2つの部材の相対位置に応じた電位のアナログ
信号を出力するアナログセンサと、前記2つの部材の相
対移動に応じ単位移動距離に対して所定数のパルス信号
を出力する第1のデジタルセンサと、前記2つの部材の
相対移動に応じ少なくとも前記所定位置でパルス信号を
出力する第2のデジタルセンサと、前記アナログセンサ
の出力信号が所定範囲内にあって、かつ、前記第2のデ
ジタルセンサがパルス信号を出力する時に基準信号を出
力する所定位置判別手段と、該所定位置判別手段が前記
基準信号を出力した時を基準として前記第1のデジタル
センサが出力するパルス信号の数を計数して前記所定位
置からのパルス信号数を表す信号を出力するパルス信号
計数手段とを備え、前記所定位置判別手段が前記基準信
号を出力する前においては前記アナログセンサが出力す
る信号に基づく所定位置からの位置検知信号を出力する
とともに前記所定位置判別手段が前記基準信号を出力し
た後においては前記パルス信号計数手段の出力信号に基
づく所定位置からの位置検知信号を出力する選択手段と
により位置の検知を行なうことが要旨である。
(作用) この発明にかかる位置検知装置によれば、アナログセ
ンサおよび第2のデジタルセンサの出力信号から所定位
置を検索し、この所定位置が検知されるまではアナログ
センサの出力信号に基づき所定位置を基準とする位置を
表す検知信号を出力するが、所定位置が検知された後は
第1のデジタルセンサが出力するパルス信号を計数して
所定位置を基準とする位置を表す検知信号を出力する。
したがって、電源を切離する場合にデジタルセンサが出
力するパルス信号の計数値を記憶保持する必要は無く、
構成の簡素化と制御方法の簡素化が図れ、また、デジタ
ル信号に基き位置を検知でき検知精度の向上が図れる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図から第9図はこの発明の一実施例にかかる位置
検知装置を前後輪操舵車両の後輪操舵制御装置に施用し
たものを示し、第2図が車両の後輪操舵制御装置の概略
図、第3図(a)(b)が前輪操舵機構を示す断面図、
第4図(a)(b)が後輪操舵機構を示す断面図、第5
図および第6図がブロック図、第7図がフローチャー
ト、第8図および第9図がタイミングチャートである。
第2図において、11は操向ハンドルであり、操向ハン
ドル11はステアリングシャフト12等を介してフロントギ
アハウジング13F内に収容されたラックアンドピニオン
式のステアリングギア機構に連結されている。後の第3
図(a)に示すように、ステアリングシャフト12はコラ
ム18内に回転自在に挿通され、このコラム18にアナログ
式の第1の前輪舵角センサ14とデジタル式の第2の前輪
舵角センサ15とが設けられている。ステアリングギア機
構は、ステアリングシャフト12と一体に回転するピニオ
ンが車幅方向に延在するラックに噛合し、このラックの
両端がそれぞれタイロッド16FL,16FR等のステアリング
リンケージを介して左右の前輪17FL,17FRに連結されて
該前輪17FL,17FRに操向ハンドル11のハンドル操作を伝
達する。これら前輪17FL,17FRおよび後述する後輪17RL,
17RRにはそれぞれ車速センサ19FL,19FR,19RL,19RR(以
下、添字の無い番号で代表する)が設けられ、これら車
速センサ19が後述するコントローラ20に結線されてい
る。なお、第2図中、21はパワーユニットである。
第1の前輪舵角センサ14は、第3図(a)に示すよう
に、略筒状の可動鉄芯22と差動トランス23とを備えてい
る。差動トランス23は、コラム18に略円筒状の2コの部
材27a,27bを接合して成るブラケット27を介してホルダ2
4が取り付けられ、このホルダ24内に励磁用の一次コイ
ル、検知用の2つの二次コイルおよび補償用の三次コイ
ル(以下、各コイルを符号25で総称する)が収容されて
いる。可動鉄芯22は、内周がステアリングシャフト12に
嵌着されたカラー26の外周に軸方向移動可能に螺合し、
また、外周がホルダ24の内周に軸方向移動可能かつ回転
を禁止されてスプライン嵌合し、ステアリングシャフト
12の回転にともない軸方向に変位する。この第1の前輪
舵角センサ14は、差動トランス23の各コイル25がコント
ローラ20に結線され、操向ハンドル11の操舵角度を表す
可動鉄芯22の位置に応じた電位の検知信号を出力する。
すなわち、差動トランス23は、一次コイルに交流信号が
印加されて一次コイルが励磁され、各二次コイルがそれ
ぞれ可動鉄芯22の位置に対応して検知信号をコントロー
ラ20に差動的に出力する。
第2の前輪舵角センサ15は、可動鉄芯22の図中右方で
カラー26に嵌着された保持部材28と、この保持部材28の
外周部に付設された回転磁性体29と、ブラケット27の部
材27aに固設された本体30とを備えている。回転磁性体2
9は、第3図(b)に詳示するように、多数の磁石(例
えば60極)が回転方向に等間隔で配列された多数磁極部
29aと、少なくとも1つの磁極(例えば2極)が回転方
向に配列された少数磁極部29cとを有し、これら磁極部2
9a,29bが軸方向にスペーサ部29cを介し同軸的に接合さ
れている。少数磁極部29bは1つの磁極が操向ハンドル1
1の中立位置(直進位置)に対応して配置されている。
本体30は3コの磁気感応素子30a1,30a2,30bを有し、こ
れら磁気感応素子30a1,30a2,30bがコントローラ20に結
線されている。なお、磁気感応素子はコイルにかぎらず
ホール素子あるいはMR素子等から構成することも可能で
ある。この本体30は、2コの磁気感応素子30a1,30a2が
回転方向に所定間隔離間して多数磁極部29aに対向して
配置された多数磁極部29aとともに第1のエンコーダ31
を構成し、また、磁気感応素子30bが少数磁極部29bに対
向して配置されて該少数磁極部29bとともに第2のエン
コーダ32を構成している。第1のエンコーダ31は、回転
磁性体29の回転にともない磁気感応素子30a1,30a2がそ
れぞれ多数磁極部29aによる磁界変化を検出して所定の
位相差のパルス信号af,bf(第8,9図参照)をコントロー
ラ20に出力し、同様に、第2のエンコーダ32は、磁気感
応素子30bが少数磁極部29bによる磁界変化を検出してパ
ルス信号Sfをコントローラ20に出力する。後述するよう
に、パルス信号af,bfは舵角算出および方向判別の基礎
とされ、また、パルス信号Sfは中立位置判別の基礎とさ
れる。
再び第2図において、13Rは車体後部に設けられたギ
アハウジングであり、このギアハウジング13R内には後
輪操舵機構33が収容されている。後輪操舵機構33は、第
4図(a)(b)に示すように、ハウジング13Rに車幅
方向摺動可能に支持され両端が左右の後輪17RL,17RRに
タイロッド16RL,16RR等のステアリングリンケージを介
し連結されたロッド34と、ハウジング13R内にロッド34
と同軸状に構成されたモータ35と、ロッド34の軸方向変
位を検出する第1の後輪舵角センサ36と、モータ35の出
力軸38の回転角度を検出する第2の後輪舵角センサ37
と、を有する。
モータ35は、ハウジング13Rの内壁に界磁石39が固着
され、この界磁石39とロッド34との間にロータ40がロッ
ド34と同軸的に回転自在に配置されている。ロータ40は
ロッド34が挿通した円筒状の出力軸38の外周にスキュー
溝が形成された積層鉄芯41および多重巻きされた電機子
巻線42を同軸かつ一体的に固定して構成されている。出
力軸38は、図中右端の外周部がベアリング43を介してギ
アハウジング13R内周壁に支持され、図中左端の外周部
が後述するボールスクリュ機構44のボールナット45と結
合されている。電機子巻線42は出力軸38の図中右方の外
周に固設された整流子46およびホルダ47内に摺動可能に
支持されて整流子46に弾接するブラシ48を介してコント
ローラ20に結線されている。
ボールスクリュ機構44は、ハウジング13Rの内周壁に
モータ35の出力軸38と結合した略円筒状のボールナット
45がボールベアリング49によって支持されている。この
ボールナット45には内周壁にボール溝が形成され、ま
た、ロッド34にはその移動距離に対応した範囲にボール
溝が形成され、ボールナット45はそのボール溝とロッド
34のボール溝との間に循環する多数のボールを転動可能
に介在させてロッド34に螺合している。このボールスク
リュ機構44は、ボールナット45がモータ35の出力軸38に
より駆動されて一体に回転し、このボールナット45の回
転運動とロッド34の軸方向直線運動とを相互に変換して
可逆的に伝達する。なお、ロッド34は、ハウジング13R
に回転運動のみを許容されて支持され、回転運動が禁止
されている。
第1の後輪舵角センサ36は、前述の第1の前輪舵角セ
ンサ14と同様に、ロッド34と一体に変位する可動鉄芯50
と、可動鉄芯50の位置に応じた電位の検知信号を出力す
る差動トランス51とを有している。第4図(b)にも詳
示するように、可動鉄芯50は、ロッド34の端部に直角に
固設されたステー52に取付ロッド53によって支持され、
ロッド34と平行かつ一体に変位する。差動トランス51
は、ハウジング13Rに一体に並設された中空のホルダ54
内に一次コイルおよび2つの二次コイル等の略円筒状に
巻線されたコイル55が配設され、これらコイル55内に可
動鉄芯50が遊挿されている。この差動トランス51も、コ
イル55がコントローラ20に結線され、可動鉄芯50の位置
に対応した電位の検知信号を差動的にコントローラ20に
出力する。
第2の後輪舵角センサ37は、前述の第2の前輪舵角セ
ンサ15と同様に、ボールスクリュ機構44のボールナット
45の外周部にロックナット56により固定された保持部材
57と、保持部材57の外周部に固設されてボールナット45
と一体に回転する略筒状の回転磁性体58と、ハウジング
13Rに取り付けられてコントローラ20に結線された本体5
9と、を備えている。回転磁性体58は、多数の磁極(例
えば60極)が回転方向に等間隔で配列された多数磁極部
58aと、少なくとも1つの磁極(例えば2極)が回転方
向に配置された少数磁極部58bとを有し、これら磁極部5
8a,58bが軸方向にスペーサ部58cを介し同軸的に接合さ
れている。少数磁極部58bは1つの磁極が後輪17RL,17RR
の中立位置に対応して配置されている。本体59は3つの
磁気感応素子59a1,59a2,59bを有し、これら磁気感応素
子59a1,59a2,59bがコントローラ20に結線されている。
磁気感応素子は前述のようにホール素子あるいはMR素子
等から構成することも可能である。この本体59は、2つ
の磁気感応素子59a1,59a2が回転方向に所定間隔離間し
て多数磁極部58aに対向して配置されて第1のエンコー
ダ60を構成し、同様に、磁気感応素子59bが少数磁極部5
8bに対向して配置されて第2のエンコーダ61を構成して
いる。第1のエンコーダ60は回転磁石の回転にともない
磁気感応素子59a1,59a2がそれぞれ多数磁極部58aによる
磁界変化を検出して略90[deg]の位相差を有するパル
ス信号ar,br(第8,9図参照)をコントローラ20に出力
し、同様に、第2のエンコーダ61は磁気感応素子59bが
少数磁極部58bによる磁界変化を検出してパルス信号sr
をコントローラ20に出力する。後述するが、第8図およ
び第9図に示すように、上述の各エンコーダ60,61が出
力するパルス信号ar,brはコントローラ20に構成される
Dフリップフロップに導かれ、Dフリップフロップは信
号arが信号brより先行する場合に高電位、また信号brが
信号arより先行する場合に低電位の信号drを出力し、こ
れら信号a,bの位相差に応じて回転磁性体58の回転方向
が判別される。
コントローラ20は、第5図に示すように制御回路62お
よび駆動回路63を有し、制御回路62に前述の各センサ1
4,15,19,36,37とともに、駆動回路63内の後述する電流
センサ64が接続され、また、駆動回路63には前述のモー
タ35が接続されている。
制御回路62は、定電圧回路65、マイクロコンピュータ
回路66および入力インターフェース回路67,68,69,70,71
を備えている。定電圧回路65は、図外のバッテリにフュ
ーズ等を介し接続され、各回路に一定電圧の電力を供給
する。入力インターフェース回路67,68,69,70,71は、そ
れぞれが対応する前述の各センサ14,15,36,37,19に接続
され、また、データバスを介してマイクロコンピュータ
回路66に接続されている。第1の前輪舵角センサ14が接
続した入力インターフェース回路67は、発振回路、増幅
回路、整流回路およびA/Dコンバータ等から成り、その
一次コイルに交流信号を出力するとともに二次コイルに
誘起される信号を整形し、舵角値を表すデジタル信号に
変換してマイクロコンピュータ回路66に出力する。第2
の前輪舵角センサ15が接続した入力インターフェース回
路68は、第6図に詳示するように、Dフリップフロップ
を有する方向判定回路72F、カウント73Fおよびアンドゲ
ート74H等から構成されている。方向判定回路72Fは、第
8,9図に示すように、Dフリップフロップの入力端子に
信号af,bfが入力して信号af,bfの位相で操向ハンドル11
の操舵方向を判別し、信号afが信号bfより先行する時
(以下、右方向操舵時と仮定する)に高電位、信号bfが
信号afより先行する時(左方向操舵時と仮定する)に低
電位の信号dfを出力する。カウンタ73Fは、前述の信号d
fおよび信号af,bfの少なくとも一方が入力端子に入力
し、また、リセット端子がアンドゲートの出力端に接続
され、信号dfな高電位時に信号af,bfのパルス数を加算
して計数し、信号dfの低電位時に信号af,bfのパルス数
を減算して計数し、また、アンドゲート74Fからリセッ
ト端子に高電位信号(中立位置の検知信号Rf)が入力す
ると計数値をリセットする。アンドゲート74Fは、入力
端子に前述の信号Sfとともにマイクロコンピュータ回路
62から判定用の信号Cfが入力し、これら信号Sf,Cfがと
もに高電位の時に高電位の検知信号Rfをカウンタ73Fと
マイクロコンピュータ回路66とに出力する。後述するよ
うに、上述のアンドゲート74Fに入力する判定用の信号C
fは第1の前輪舵角センサ15の出力信号が所定値域内に
ある時換言すれば操向ハンドル11の操舵角が中立位置を
基準として所定範囲内にある時に高電位を有し、また、
アンドゲート74Fの出力信号Rfは中立位置にある時に高
電位を有する。そして、カウンタ73Fはリセット端子に
アンドゲート74Fから信号Rfが入力する毎にリセットす
る。
第1の後輪舵角センサ36が接続した入力インターフェ
ース回路69は、前述の第1の前輪舵角センサ14の入力イ
ンターフェース回路67と同様に、発振回路、増幅回路、
整流回路およびA/Dコンバータ等を有する。この入力イ
ンターフェース回路69も、第1の後輪舵角センサ36の一
次コイルに交流信号を出力して励起し、また、二次コイ
ルに誘起される信号を整形かつデジタル信号に交換して
マイクロコンピュータ回路66に出力する。第2の後輪舵
角センサ37が接続した入力インターフェース回路70も、
第6図に示すように、Dフリップフロップを有する方向
判定回路72R、カウンタ73Rおよびアンドゲート74R等か
ら構成されている。この入力インターフェース回路70
も、前述の入力インターフェース回路68と同様に、後輪
17RL,17RRが中立位置にある時にアンドゲート74Rが出力
する高電位の検知信号Rrによってカウンタ73Rがリセッ
トされ、カウンタ73Rが信号drの高電位時に信号ar,brの
一方のパルス数を加算、信号drの低電位時に減算してパ
ルス数を計数し、このカウンタ73Rが舵角値を表すデジ
タル信号をマイクロコンピュータ回路66に出力する。
車速センサ19が結線された入力インターフェース回路
71は、波形整形回路およびカウンタ等から成り、各車速
センサ19の出力信号を基に車速を表す信号をマイクロコ
ンピュータ回路66に出力する。また、電流センサ64が接
続する入力インターフェース回路75は、増幅回路および
A/Dコンバータ等から成り、電流センサ64の出力信号を
デジタル信号に交換してマイクロコンピュータ回路66に
出力する。
マイクロコンピュータ回路66は、CPU、ROM、RAMおよ
びクロック等を備え、ROMに記憶されたプログラムに従
い各インターフェース回路67,68,69,70,71,75を経て各
センサから入力する信号を処理してモータ35へ通電する
電流のデューティファクタを決定し、このデューティフ
ァクタを表すパルス幅変調信号(PWM信号)g,h,i,jを駆
動回路63に出力する。
駆動回路63は、昇圧回路76、ゲートドライブ回路77、
電流センサ64、リレー回路78およびスイッチ回路79等を
備え、ゲートドライブ回路77がバッテリに接続され、ま
た、スイッチ回路79がリレー回路78を介しバッテリに接
続されている。スイッチ回路79は、4つの電界効果型ト
ランジスタ(FET)Q1,Q2,Q3,Q4をブッリジ状に結線して
成り、これらFETQ1,Q2,Q3,Q4のゲートがゲートドライブ
回路77に接続されている。FETQ1,Q2は、ドレインがバッ
テリに接線されてソースがFETQ3,Q4のドレインに接続さ
れ、また、FETQ3,Q4はソースが電流センサ64を介し接地
(バッテリの一端子)され、FETQ1,Q3のソース・ドレイ
ン接続部とFETQ2,Q4のソース・ドレイン接続部との間に
モータ35が接続されている。昇圧回路76はバッテリの電
圧を昇圧してゲートドライブ回路77に出力し、ゲートド
ライブ回路77はマイクロコンピュータ回路66から入力す
るPWM信号g,h,i,jに基づいてスイッチ回路79の各FET Q
1,Q2,Q3,Q4のゲートに駆動信号を出力する。電流センサ
64はモータ35に通電された電流を検出してこの電流の検
知信号を前述のインターフェース回路75に出力する。な
お、スイッチ回路79は、FETQ1のゲートにPWM信号gに対
応したデューティファクタの駆動信号が入力し、同様
に、FETQ2のゲートにPWM信号h、FETQ3のゲートにPWM信
号i、FETQ4のゲートにPWM信号jのデューティファクタ
の駆動信号がそれぞれ入力する。
次に、この実施例の作用を第7図を参照して説明す
る。
この前後輪操舵装置の操舵制御装置は、マイクロコン
ピュータ回路66において第7図のフローチャートに示す
一連の処理を実行してモータ35を制御する。
まず、イグニッションキーが操作されてキースイッチ
がON位置に投入されると、マイクロコンピュータ回路66
等に電力が供給され、マイクロコンピュータ回路66が作
動する。そして、ステップP1では、マイクロコンピュー
タ回路66の初期化(イニシャライズ)が行なわれ、内部
のレジスタ等の記憶データの消去およびアドレス指定等
を行う。続いて、ステップP2においては、他に定義され
ているサブルーチンに従い割込処理を行なう。そして、
次のステップP3では、フラグF4を0に設定する。
次に、ステップP4においては、第1の前輪舵角センサ
14の出力信号から前輪舵角θF1を読み込み、ステップP5
において前輪舵角θF1が中立位置を基準として所定の範
囲εF内にあるか否かを判断する。そして、このステッ
プP5では、前輪舵角θF1が所定範囲εF内にあると判断
されると、ステップP6において前述の判定信号Cfをアン
ドゲート74Fに出力する。同様に、ステップP7において
は第1の後輪舵角センサ36の出力信号から後輪舵角θR1
を読み込み、ステップP8において後輪舵角θR1が中立位
置を基準として所定範囲εR内にあるか否かを判断し、
このステップP8で後輪舵角θR1が所定範囲εR内にある
と判断すればステップP9において判定信号Crをアンドゲ
ート74Rに出力する。
続いて、ステップP10では、フラグF4の値を判別し、
フラグF4が0であればステップP11およびステップP12の
処理を行い、フラグF4が1であればステップP13からス
テップP19までの処理を行う。ステップP11では制御の基
準となる前輪舵角θFとして第1の前輪舵角センサ14の
出力信号から読み込まれた前輪舵角θF1を選択し、同様
に、ステップP12では基準となる後輪舵角θRとして第
1の後輪舵角センサ36の出力信号から読み込まれた後輪
舵角θR1を選択する。
また、ステップP13においては、第2の前輪舵角セン
サ15の出力信号から前輪舵角θF2を読み込み、ステップ
P14で前述の第1の前輪舵角センサ14の出力信号から読
み込まれた前輪舵角θF1と第2の前輪舵角センサ15の出
力信号から読み込まれた前輪舵角θF2との偏差の絶対値
(|θF1−θF2|)が所定値δF以下か否かを判断す
る。このステップP14では、上述の偏差(θF1−θF2)
の絶対値が所定値δFを超えていると判断されるとステ
ップP15で他に定義されているフエルセイフ用のサブル
ーチンに従い安全確保のための処理を行い、偏差(θF1
−θF2)の絶対値が所定値δF以下であればステップP1
6の処理を行う。上述のステップP13,P14と同様に、ステ
ップP16においては、第2の後輪舵角センサ37の出力信
号から後輪舵角θR2を読み込み、ステップP17におい
て、各後輪舵角θR1,θR2の偏差(θR1−θR2)の絶対
値が所定値δR以下か否かを判断する。そして、ステッ
プP17においては、偏差(θR1−θR2)の絶対値が所定
値δRを超えていると判断されればステップP15の安全
確保のための処理を行い、偏差(θR1−θR2)の絶対値
が所定値δR以下と判断されればステップP18,P19の処
理を行う。
ステップP18においては、上述の第2の前輪舵角セン
サ15の出力信号から読み込まれた前輪舵角θF2を電動機
制御の基礎となる前輪舵角θFとして選択し、同様に、
ステップP19においては、第2の後輪舵角センサ37の出
力信号から読み込まれた後輪舵角θR2を電動機制御の基
礎となる後輪舵角θRとして選択する。そして、以下の
ステップにおいて、ステップP11,P12またはステップP1
8,P19で選択された前輪舵角θFと後輪舵角θRとに基
づき電動機制御を行う。
続くステップP20においては、車速センサ19の出力信
号から車速Vを読み込む。そして、ステップP21におい
て、車速−舵角比データテーブルから車速Vをアドレス
として舵角比kをマップ検索する。この車速−舵角比デ
ータテーブルは、本出願人が先に提出した特願昭62−18
9705号明細書等に記載されているように、舵角比kが高
車速域において正(同位相)、低車速域において負(逆
位相)に規定される。次に、ステップP22では、前述の
前輪舵角θFに舵角比kを乗じて後輪目標舵角θRTを算
出し、ステップP23において、後輪目標舵角θRTから前
述の後輪舵角θRを減じて偏差ΔθRを算出する。次の
ステップP24において、偏差−転舵力テーブルから偏差
ΔθRをアドレスとして後輪の転舵力Dをマップ検索す
る。この操舵力Dはモータ35に通電される電流のデュー
ティファクタを表し、ステップP24では転舵力Dは偏差
ΔθRが大きい時に大きくなるように偏差ΔθRに対し
て所定の特性に規定される。そして、続くステップP25
において、出力制御すなわちモータ35の通電制御を行
う。このステップP25では、前述のPWM信号g,h,i,jの1
つのデューティファクタを上述の操舵力Dに設定しモー
タ35を駆動し、また、モータ35を制動する等の処理を行
う。
次に、ステップP26においては、フラグF4の値を判別
し、フラグF4が1であると判断されればステップP4から
の一連の処理を繰り返して行い、また、フラグF4が0で
あると判断されればステップP27の処理を行う。ステッ
プP27においては、前述のアンドゲート74F,74Rのいずれ
もが高電位信号を出力したか否か、換言すれば、前輪お
よび後輪の双方の中立位置が検知されたか否かを判断す
る。そして、このステップP27では、2つのアンドゲー
ト74F,74Rがともに高電位信号を出力したと判別される
とステップP28でフラグF4に1を設定し、また、2つの
アンドゲート74F,74Rのいずれか一方あるいはいずれも
が高電位信号を出力していないと判別されるとステップ
P4からの一連の処理を繰り返し実行する。すなわち、フ
ラグF4はアナログセンサによる信号を舵角信号とする時
とデジタルセンサによる信号を舵角信号とする時との切
換のために用いられ、前後とも同時に切り換える制御と
している。
上述のように、この後輪操舵制御装置にあっては、前
輪の舵角をアナログ式の第1の前輪舵角センサ14とデジ
タル式の第2の前輪舵角センサ15とによって検出し、第
1の前輪舵角センサ14により検出される前輪舵角θF1が
中立位置を基準として所定の値域内にあって第2の前輪
舵角センサ15が信号を出力する時を前輪17FL,17FRが中
立位置にあると判断する。そして、中立位置が判別され
るまでは第1の前輪舵角センサ14により検出される前輪
舵角θF1を選択して該前輪舵角θF1に基づき制御を行
い、中立位置が判別された後は第2の前輪舵角センサ15
により検出される前輪舵角θF2を選択して該前輪舵角θ
F2に基づき制御を行う。すなわち、イグニッションがオ
ン操作され、中立が判断されるまでアナログセンサにて
舵角を判断し、中立が判断されるとデジタルセンサの舵
角を用いる。したがって、前輪17FL,17FRの舵角を高精
度で検知できて制御の信頼性が向上し、また、イグニッ
ションキースイッチのオフ時等に舵角を記憶する必要も
無く、製造コストの低減とともに制御方法の簡素化が図
れる。また同様に、後輪の舵角もアナログ式の第1の後
輪舵角センサ36とデジタル式の第2の後輪舵角センサ37
とによって検出し、こられ後輪舵角センサ36,37に出力
信号から後輪の中立位置を判別し、中立位置が判別され
るまでは第1の後輪舵角センサ36の出力信号から、ま
た、中立位置が判別された後は第2の後輪舵角センサ37
の出力信号から読み出された後輪出角を基に制御を行
う。このため、後輪舵角を高精度で検出できて制御の信
頼性を向上でき、また、記憶保持動作が不要な記憶装置
を用いる必要もなく、製造コストの低減とともに制御方
法の簡略化が図れる。
なお、上述の実施例では、車両の後輪操舵制御装置に
適用したものを示すが、この位置検知装置は工作機械の
テーブル位置の検出等の他の用途にも用いることができ
ることは言うまでも無い。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明にかかる位置検知装置
によれば、位置に応じた電位のアナログ信号を出力する
アナログセンサ、移動に応じ単位移動距離に対して所定
数のパルス信号を出力する第1のデジタルセンサおよび
少なくとも所定位置でパルス信号を出力する第2のデジ
タルセンサを設け、アナログセンサが所定位置を中心と
する所定範囲内の位置を表す電位を有し、かつ第2のデ
ジタルセンサがパルス信号を出力する時を所定位置の判
別の基準とし、この所定位置が判別されるまではアナロ
グセンサによって、また、所定位置が判別された後は第
1のデジタルセンサによって位置を検出する。このた
め、記憶保持動作が不要な記憶装置を付設する必要が無
く、制御方法の簡素化とともに製造コストの低願が図
れ、また、位置をデジタルセンサによって高精度に検出
でき、制御の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる位置検知装置の構成図であ
る。第2図から第9図はこの発明の一実施例にかかる位
置検知装置を車両の後輪操舵制御装置に適用して示し、
第2図が車両の後輪操舵制御装置の概略図、第3図
(a)が前輪舵角を検出する前輪舵角センサとして設け
られた位置検知装置の断面図、第3図(b)が第3図
(a)の一部拡大図、第4図(a)が後輪舵角を検出す
る後輪舵角センサとして設けられた位置検知装置の断面
図、第4図(b)が第4図(a)の一部拡大図、第5図
が制御系のブロック図、第6図が第5図の一部を詳細に
示すブロック図、第7図がフローチャート、第8図およ
び第9図がタイミングチャートである。 11……操向ハンドル 12……ステアリングシャフト 13F,13R……ギアハウジング 14……第1の前輪舵角センサ 15……第2の前輪舵角センサ 17FL,17FR,17RL,17RR……車輪 18……コラム 20……コントローラ 31……第1のエンコーダ 32……第2のエンコーダ 34……ロッド 36……第1の後輪舵角センサ 37……第2の後輪舵角センサ 45……ボールナット 60……第1のエンコーダ 61……第2のエンコーダ 62……制御回路 66……マイクロコンピュータ回路 72F,72R……方向判定回路 73F,73R……カウンタ 74F,74R……アンドゲート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対移動する2つの部材の相対位置を所定
    位置を基準として検出し、該相対位置を表す検知信号を
    出力する位置検知装置において、 前記2つの部材の相対位置に応じた電位のアナログ信号
    を出力するアナログセンサと、 前記2つの部材の相対移動に応じ単位移動距離に対して
    所定数のパルス信号を出力する第1のデジタルセンサ
    と、 前記2つの部材の相対移動に応じ少なくとも前記所定位
    置でパルス信号を出力する第2のデジタルセンサと、 前記アナログセンサの出力信号が所定範囲内にあって、
    かつ、前記第2のデジタルセンサがパルス信号を出力す
    る時に基準信号を出力する所定位置判別手段と、 該所定位置判別手段が前記基準信号を出力した時を基準
    として前記第1のデジタルセンサが出力するパルス信号
    の数を計数して前記所定位置からのパルス信号数を表す
    信号を出力するパルス信号計数手段とを備え、 前記所定位置判別手段が前記基準信号を出力する前にお
    いては前記アナログセンサが出力する信号に基づく所定
    位置からの位置検知信号を出力するとともに前記所定位
    置判別手段が前記基準信号を出力した後においては前記
    パルス信号計数手段の出力信号に基づく所定位置からの
    位置検知信号を出力する選択手段とにより位置の検知を
    行なうことを特徴とする位置検知装置。
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