JP2633495B2 - 循環機能昂進剤 - Google Patents

循環機能昂進剤

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JP2633495B2 JP3067495A JP3067495A JP2633495B2 JP 2633495 B2 JP2633495 B2 JP 2633495B2 JP 3067495 A JP3067495 A JP 3067495A JP 3067495 A JP3067495 A JP 3067495A JP 2633495 B2 JP2633495 B2 JP 2633495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はω鎖がハロゲン原子で置
換された13,14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタ
グランジンE類(カルボン酸型)またはその生理学的に
許容し得る塩を有効成分とする循環機能昂進剤に関す
る。
【0002】
【従来技術および課題】プロスタグランジンE(以下P
GEという)には種々の薬理作用、例えば、血管拡張作
用、血圧降下作用、起炎作用、子宮筋刺激作用、腸管筋
刺激作用、抗潰瘍作用等が認められている。
【0003】一方、15−ケト−プロスタグランジンE
(以下15−ケト−PGEという)は、生体内中、PG
Eが酵素による代謝反応によって産生される物質として
知られており、この15−ケト−PGEあるいは13,
14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジンE
(以下13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGEとい
う。また両者を包含して単に15−ケト−PGEとい
う)は、もはや生理学的、薬理学的に不活性な物質と考
えられていた(Acta Physiologica Scandinavica、6
6巻、第509頁、1966年)。
【0004】本発明者は、15−ケト−PGEの誘導体
(以下、15−ケト−PGE類という)に関して、その
薬理学的検討を行った結果、PGE1、PGE2およびそ
の代謝産物である13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGE1、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2
が血圧降下作用を示すのに対して、これらとは反対に、
ω鎖がハロゲン原子で置換された13,14−ジヒドロ
−15−ケト−PGE類(カルボン酸型)は血圧上昇作
用を示すことを見い出した。また、これらω鎖がハロゲ
ン原子で置換された13,14−ジヒドロ−15−ケト
−PGE類(カルボン酸型)は、血流量増加作用を始め
として、望ましい薬理作用を有し、その上、低毒性であ
ることから、広範な循環機能昂進剤として、有用な薬剤
として期待される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はω鎖がハロゲン
原子で置換された13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGE類(カルボン酸型)またはその生理学的に許容し
得る塩を有効成分とする循環機能昂進剤に関する。
【0006】本明細書において循環機能昂進剤とは、心
拍数増加作用、血圧上昇作用、血流量増加作用等の機能
昂進作用の少なくとも一つの作用を有するもの、好まし
くはそれらの2以上をあわせもつものを云い、特にそれ
らの作用の全てを合わせ持つものは循環機能昂進剤とし
て特に有用であり、低血圧治療、循環不全症、心疾患等
循環機能昂進を必要とする患者の機能回復や維持に有効
な薬剤を云う。
【0007】本明細書において15−ケト−PGE類は
以下の命名の仕方によって表記する。即ち、15−ケト
−PGEは下記基本骨格:
【化2】 を有するが、この基本骨格のα鎖、ω鎖および5員環を
構成する炭素の番号はこれをそのまま用いる。即ち、基
本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1とし5員
環に向って順に2〜7までをα鎖上の炭素に、8〜12
までを5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上に付し
ているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2位から順
次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカルボキ
シル基(1位)に代る置換基がついたものとして命名す
る。炭素数がω鎖上で減少する場合、20位から炭素の
番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場合、21番目以後
の炭素原子は置換基として命名する。
【0008】また、立体配置に関しては、特にことわり
のない限り、上記基本骨格を有する立体配置に従うもの
とする。さらにPGE類は、5、6および7位の炭素の
結合の仕方によりPGE1類とPGE2類に分類される。
【0009】PGE1類とは5、6および7位の炭素が
単結合で結合している一群の化合物を云い、PGE2
とは、5位と6位の炭素が二重結合で結合している一群
の化合物を云う。従って、
【化3】 で示される結合を有する化合物は6−ケト−PGE1
と称し、
【化4】 で示される結合様式を有する化合物は5,6−デヒドロ
−PGE2類と称する。本発明において13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−PGE類の循環機能昂進作用は、特
に一般式:
【化5】 [式中、Yは飽和または不飽和の、炭素数が2〜6の炭
化水素鎖;Zはハロゲン原子によって置換されている炭
素数1〜10の飽和または不飽和の炭化水素鎖をそれぞ
れ表わす]で表わされる13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−PGE類において顕著である。
【0010】本発明において、特に好ましいZは、
【化6】 [R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子およびハロ
ゲン原子であり、そのうち少なくとも一つはハロゲン原
子;Z’は炭素数2〜6の飽和または不飽和の炭化水素
鎖を示す]で表される基である。
【0011】Yが飽和または不飽和の、炭素数が2〜6
の炭化水素鎖としては、アルキル鎖、アルケニル鎖、ア
ルキニル鎖等の直鎖炭化水素鎖があげられ、特に好まし
くは炭素数6の炭化水素鎖である。
【0012】Yが不飽和炭化水素鎖の例は前記PGE2
類、5,6−デヒドロ−PGE2類の他、例えば2−3位
の炭素結合が不飽和であるPG類が例示される。Yで示
される炭化水素鎖を構成する炭素の一部はカルボニル基
を形成していてもよく、その典型的な例は6位の炭素が
カルボニル基を形成する6−ケト−PGE1類である。
【0013】Yで示される炭化水素鎖は他の原子または
基によって置換されていてもよい。その様な原子または
基の例はフッ素、塩素などのハロゲン原子;メチル、エ
チルなどのアルキル基;水酸基等であり、その典型的な
例は3位の炭素にアルキル基を有するPG類である。
【0014】Zはハロゲン原子によって置換されている
炭素数1〜10の飽和または不飽和の炭化水素鎖を示
し、該炭化水素鎖はそれ自体環を形成していてもよい。
炭化水素鎖の炭素数は3〜7が特に好ましい。炭素数5
の直鎖ものはω鎖の炭素数が8である一般的なPG類に
該当するものである。従って、前述のごとく、Zで示さ
れる炭化水素鎖の炭素数が6以上のものはω鎖の20位
の炭素の置換基として表現する。(即ち、Zの炭化水素
の炭素数が6のものは20−メチル−PG類と云う。)
【0015】不飽和結合は、Zのいかなる位置にあって
もよいが、不飽和結合を有さないものの方が好ましい。
Zが環を形成する炭化水素鎖の例は、ω鎖の16位また
は17位の炭素自体を環構成炭素とするシクロペンチル
基やシクロヘキシル基等がある。
【0016】Zで示される炭化水素鎖は原子または基に
よって置換されていてもよい。これらの原子または基は
ハロゲン原子、特にフッ素;アルキル基、例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、イソプロペニル;アルコキ
シ基;例えばメトキシ、エトキシ;水酸基;フェニル
基;フェノキシ基等である。置換する原子または基の位
置は限定的ではないがω鎖の炭素番号で表わして16
位、17位、19位および/または20位が典型的であ
る。置換基、例えばメチル、エチルなどのアルキル基、
水酸基、置換基を有することもあるフェニル基、ベンジ
ル基、フエノキシ基あるいは、16位の炭素を構成員子
とするシクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロア
ルキル基;17位または19位にメチルなどのアルキル
基;20位にメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、
イソプロペニルなどのアルキル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシなどのアルコキシ基等を有する化合物が
好ましい。
【0017】11位の炭素に関する水酸基の立体配置は
α,βまたはそれらの混合物であってもよい。この11
位の水酸基と15−位のカルボニル間で生ずる互変異性
体であるヘミアセタール体と11位が水酸基である化合
物との平衡混合物を生ずる場合があるが、本発明13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGE類はこれらの互変
異性体も包含する。特に互変異性体の具体的な例として
例えば以下の平衡混合物がある。
【化7】 16位に電子吸引性基を、例えばフッ素を有するものに
おいて形成され易い。
【0018】異性体の平衡混合物、例えばラセミ体、互
変異性体のヒドロキシ化合物とヘミアセタールの平衡混
合物もそれぞれ単独の場合と同様の効果を示す。本発明
PGE類のα鎖末端のカルボキシル基は遊離または生理
学的に許容し得る塩である。
【0019】本発明13,14−ジヒドロ−15−ケト
−PGE類は種々の異性体、例えば、互変異性体、光学
異性体、幾何異性体等を包含する。本発明において循環
機能昂進作用のうち心拍数増加に特に有効な化合物は3
位、16位および/または19位に1個または2個のア
ルキル基、特にメチル基、ハロゲン原子、特にフッ素原
子を有する化合物、ω鎖の主鎖炭素数が8〜10の化合
物、2−3位の炭素結合が二重結合である化合物等であ
る。
【0020】心拍数増加に特に有効なω鎖がハロゲン原
子で置換された13,14−ジヒドロ−15−ケト−P
GE類(カルボン酸型)の例は13,14−ジヒドロ−
15−ケト−16R,S−フロロ−PGE2、13,14
−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フロロ−20−
メチル−PGE2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
16,16−ジフルオロ−PGE2、13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE1等が
例示される。
【0021】血圧上昇に有効な本発明13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−PGE類は、2−3位の炭素間結合
が二重結合である化合物、16位および/または19位
の炭素に1個または2個のハロゲン原子、特にフッ素原
子、メチル基が結合している化合物、ω鎖の主鎖炭素数
が8〜12の化合物において好ましい結果が得られる。
血圧上昇に特に有効な本発明13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−PGE類は、13,14−ジヒドロ−15−
ケト−16R,S−フロロ−PGE2、13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−16R,S−フロロ−20−メチル
−PGE2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−PGE2、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE1等が例示さ
れる。
【0022】心拍数増加および血圧上昇に関し、総合的
に好ましい作用を有する本発明13,14−ジヒドロ−
15−ケト−PGE類は、16位の炭素に1個または2
個のハロゲン原子、特にフッ素原子が置換している化合
物またはその3位、16位および/または19位の炭素
にアルキル基、特にメチル基を有する化合物である。具
体的な化合物の例は、13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16R,S−フロロ−PGE2、13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE2、1
3,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオ
ロ−PGE1が例示される。
【0023】本発明循環機能昂進剤は総合的にバランス
のとれた化合物が必ずしも全ての症例に適している訳で
はない。一般に患者の症状に対応して適性な化合物の選
定が好ましく、例えば、血圧低下の激しい出血多量や術
後の患者には、血圧上昇作用の高い化合物を選定するの
が好ましい。
【0024】本発明に用いられる13,14−ジヒドロ
−15−ケト体の具体的製造法としては、合成チャート
(I)に示すごとく、市販のコーリーラクトン(1)にコリ
ンズ酸化して得たアルデヒド体(2)にジメチル(2−オ
キソヘブチル)ホスホネートアニオンを反応させて、α,
β−不飽和ケトン(3)を得、これを還元してケトン(4)
を得、該ケトンのカルボニル基をジオールと反応させて
ケタール(5)として保護し、次いで脱p−フェニルベン
ゾイル化によってアルコール(6)を得、この新たに生じ
た水酸基をジヒドロピランで保護し、テトラピラニルエ
ーテル(7)とする。これによって、ω鎖が13,14−
ジヒドロ−15−ケト−アルキル基であるプロスタグラ
ンジンE類の前駆体を得る。また、ω鎖が15−ケト−
アルキル基であるプロスタグランジンE類の前駆体は上
記α,β−不飽和ケトン(3)を還元することなく、反応
を進めることにより、合成できる。
【0025】上記テトラピラニルエーテル(7)を原料と
して、
【化8】 である−PGE1類(15)はテトラピラニルエーテル
(7)をジイソブチルアルミニウムヒドリドなどを用いて
還元しラクトール(8)を得、これに(4−カルボキシブ
チル)トリフェニルホスホニウムブロミドから得たイリ
ドを反応させ、次いでエステル化した後、5−、6−位
の二重結合と9位の水酸基とをNBS又はヨウ素を用い
て脱ハロゲン化して、6−ケト体(13)を得、ジョーン
ズ酸化後、保護基を外すことによって得ることができ
る。
【0026】更に
【化9】 であるPGE2類(19)は、合成チャートIIに示すごと
く上記テトラピラニルエーテル(7)を還元してラクト
ール(8)を得、これに(4−カルボキシブチル)トリフェ
ニルホスホニウムブロミドから得たイリドを反応させて
カルボン酸(16)を得、次いでエステル化(17)した
後、ジョーンズ酸化(18)し、次いで保護基を外すこと
により得ることができる。
【0027】上記テトラピラニルエーテル(7)を原料と
して、
【化10】 であるPGE1類を得るには、
【化11】 であるPGE2類と同様にし、得られた化合物(18)の
5位−6位の二重結合を接触還元し、次いで、保護基を
外すことにより得ることができる。5−、6−および7
−位の炭化水素鎖が、
【化12】 である5,6−デヒドロ−PGE2類の合成は、下に示
すようなモノアルキル銅錯体あるいはジアルキル銅錯体
【化13】 を4R−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロ
ペンテン−1−オンに1,4−付加して生じる銅エノレ
ートを6−カルボアルコキシ−1−ヨード−2−ヘキシ
ンあるいはこれの誘導体で捕捉することにより合成し得
る。11−β体について合成チャートIIIのごとくして合
成できる。
【0028】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0029】
【化18】
【化19】
【0030】
【化20】
【化21】
【化22】
【0031】本発明ω鎖がハロゲン原子で置換された1
3,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE類(カルボン
酸型)は動物およびヒト用の薬剤として使用してもよ
く、通常、全身的あるいは局所的に経口、静脈内注射
(点滴を含む)、皮下注射、座剤などの方法で使用され
る。投与量は動物、ヒト、年令、体重、症状、治療効
果、投与方法、処理時間等により異なるが、好ましくは
0.001〜500mg/kgである。
【0032】本発明による経口投与のための固体組成物
としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このよう
な固体組成物においては1つまたはそれ以上の活性物質
が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、
マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリド
ン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。
組成物は常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、
例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維
素グルコン酸カルシウムのような崩壊剤、α−、β−ま
たはγ−シクロデキストリン、ジメチル−α−、ジメチ
ル−β−、トリメチル−β−またはヒドロキシプロピル
−β−シクロデキストリン等のエーテル化シクロデキス
トリン、グルコシル−、マルトシル−シクロデキストリ
ン等の分枝シクロデキストリン、ホルミル化シクロデキ
ストリン、硫黄含有シクロデキストリン、ミソプロトー
ルのような安定剤を含有していてもよい。上記シクロデ
キストリン類を用いた場合、シクロデキストリン類と包
接化合物を形成して安定性が増大する場合がある。ま
た、リン脂質を用い、リポソーム化することにより、安
定性が増加する場合がある。錠剤または丸剤は必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃
溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい
し、また、2以上の層で被覆してもよい。更にゼラチン
のような吸収され得る物質のカプセル剤としてもよい。
【0033】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、
甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよ
い。
【0034】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。 本
発明による非経口投与のための注射剤としては無菌の水
性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。
水性の溶液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸
留水、生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。
【0035】非水性の溶液剤、懸濁剤用媒体としては、
例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなア
ルコール類、ポリソルベート等がある。このような組成
物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤のような
補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア
保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌ま
たは放射線滅菌によって無菌化される。これらはまたは
無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌
の注射用溶媒に溶解して使用することができる。
【0036】実施例1(静脈内投与による血圧、心拍
数、上昇作用) 動物はウィスター系雄性ラット8週令を用いた。ラット
はウレタンの1.25g/kg腹腔内投与により麻酔した。
血圧は、大腿動脈内へポリエチレンチューブを挿入し、
圧トランスデューサーに接続して測定した。心拍数は四
肢第2誘導心電図R波よりタコメーターで測定した。被
験薬はエタノールに溶解し、用時リンゲル液で希釈して
ラットへ1mg/kg当り静脈内投与した。エタノールの最
高濃度は2%とした。対照は被験薬を含まないエタノー
ル含有リンゲル液とし、各実験でその影響を必ず確認し
た。血圧と心拍数は被験薬投与による変化率(%)を求
め、3〜4例の平均値の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 1 13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE1 2 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−PGE1 3 13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2 4 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フ
ロロ−PGE2 5 PGE1 6 PGE2 7 PGE2メチルエステル 8 対照
【0038】以上の結果より、ω鎖がハロゲン原子で置
換された13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE類
(カルボン酸型)は、PGE2,PGE2メチルエステル
をはじめとするPG類およびω鎖にハロゲン原子を有さ
ない13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2をはじ
めとするカルボン酸型に認められる血圧降下作用を示さ
ず、反対に昇圧作用を発現する。また陽性変時作用(強
心作用)も併せて発現する。
【0039】
【発明の効果】本発明ω鎖がハロゲン原子で置換された
13,14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジ
ンE類(カルボン酸型)またはその生理学的に許容し得
る塩は、本態性低血圧、症候性低血圧、起立性低血圧の
治療および各種疾患若しくは状態に伴う急性低血圧、ま
たは、ショック時の昇圧剤、循環不全症治療剤、強心剤
として有用である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 [式中、Yは飽和または不飽和の、炭素数が2〜6の炭
    化水素鎖; Zはハロゲン原子によって置換されている炭素数1〜1
    0の飽和または不飽和炭化水素鎖]で表される13,1
    4−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジンE類ま
    たは生理学的に許容される塩を有効成分とする、心拍数
    増加、血圧上昇および血流量増加からなる群から選ばれ
    る1以上の作用を有する、循環機能昂進剤。
  2. 【請求項2】 Zがフルオロアルキル基である第1項記
    載の循環機能昂進剤。
  3. 【請求項3】 13,14−ジヒドロ−15−ケト−プ
    ロスタグランジンE類が13,14−ジヒドロ−15−
    ケト−16−モノまたはジフルオロ−プロスタグランジ
    ンE類である第1項記載の循環機能昂進剤。
  4. 【請求項4】 血圧上昇を目的とする第1項記載の循環
    機能昂進剤。
  5. 【請求項5】 心拍数増加を目的とする第1項記載の循
    環機能昂進剤。
  6. 【請求項6】 血流量増加を目的とする第1項記載の循
    環機能昂進剤。
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