JP2628348B2 - 電子ビーム装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】 〔概要〕 半導体装置の内部の動作状態を観測することができる
電子ビーム装置に係り、特に短WD(ワーキングディスタ
ンス)を目的として、対物レンズ内または対物レンズよ
り、電子ビーム源寄りにエネルギー分析器を設けたイン
レンズ分析器の改良に関し、 平面グリッドを有するインレンズ分析器の形式で、エ
ネルギー分析特性の二次電子放出角と放出位置に対する
依存性を最小にすることができ、その結果、高精度測定
ができる限り大きな領域で行なえる電子ビーム装置を実
現することを目的とし、 電子ビームを試料面に入射する対物レンズの内部に、
いずれも平面メッシュ状の二次電子引出グリッドを、二
次電子を減速してそのエネルギーを分析する分析グリッ
ドとを具えてなる電子ビーム装置において、 前記試料面と分析グリッド間に分布する対物レンズ磁
界を、前記二次電子に対しては実質的に2つのレンズと
して機能するようにし、さらに第1のレンズは第2のレ
ンズの手前に二次電子試料像を結像し、第2のレンズの
焦点は、前記二次電子試料像に一致するように配置した
構成とする。
電子ビーム装置に係り、特に短WD(ワーキングディスタ
ンス)を目的として、対物レンズ内または対物レンズよ
り、電子ビーム源寄りにエネルギー分析器を設けたイン
レンズ分析器の改良に関し、 平面グリッドを有するインレンズ分析器の形式で、エ
ネルギー分析特性の二次電子放出角と放出位置に対する
依存性を最小にすることができ、その結果、高精度測定
ができる限り大きな領域で行なえる電子ビーム装置を実
現することを目的とし、 電子ビームを試料面に入射する対物レンズの内部に、
いずれも平面メッシュ状の二次電子引出グリッドを、二
次電子を減速してそのエネルギーを分析する分析グリッ
ドとを具えてなる電子ビーム装置において、 前記試料面と分析グリッド間に分布する対物レンズ磁
界を、前記二次電子に対しては実質的に2つのレンズと
して機能するようにし、さらに第1のレンズは第2のレ
ンズの手前に二次電子試料像を結像し、第2のレンズの
焦点は、前記二次電子試料像に一致するように配置した
構成とする。
本発明は半導体装置の内部の動作状態を観測すること
ができる電子ビーム装置に係り、特に短WD(ワーキング
ディスタンス)を目的として、対物レンズ内または対物
レンズより、電子ビーム源寄りにエネルギー分析器を設
けたインレンズ分析器の改良に関するものである。
ができる電子ビーム装置に係り、特に短WD(ワーキング
ディスタンス)を目的として、対物レンズ内または対物
レンズより、電子ビーム源寄りにエネルギー分析器を設
けたインレンズ分析器の改良に関するものである。
LSI等の半導体装置においては、一般に入出力端子が
接続されている部分を除き、その内部における電子回路
の動作状態を外部から調べることは不可能である。
接続されている部分を除き、その内部における電子回路
の動作状態を外部から調べることは不可能である。
しかしながら、半導体装置の動作を解析したり、また
は障害の調査を行う等の場合においては、内部回路の動
作状態を知る必要がある。この要求に対して、半導体装
置に電子ビームを照射したとき放出される二次電子が、
照射箇所の電位に相当するエネルギー(速度)を有する
ことを利用して、走査型電子顕微鏡(SEM)の電子ビー
ム鏡筒と同様の機構によって半導体装置面の各部を走査
し、発生する二次電子のエネルギーを分析することによ
り、その半導体装置における各部の電位分布を測定する
電子ビーム装置が開発されている。
は障害の調査を行う等の場合においては、内部回路の動
作状態を知る必要がある。この要求に対して、半導体装
置に電子ビームを照射したとき放出される二次電子が、
照射箇所の電位に相当するエネルギー(速度)を有する
ことを利用して、走査型電子顕微鏡(SEM)の電子ビー
ム鏡筒と同様の機構によって半導体装置面の各部を走査
し、発生する二次電子のエネルギーを分析することによ
り、その半導体装置における各部の電位分布を測定する
電子ビーム装置が開発されている。
このような電子ビーム装置における二次電子のエネル
ギー分析器は、一般に試料に近接して設けることが望ま
しいが、この場合、電子ビーム鏡筒は、所望の空間分解
能(0.数μm)を得るためには、対物レンズのWDを短く
する必要があるので、エネルギー分析器を対物レンズ内
または対物レンズより上方(電子ビーム源寄り)に設け
るインレンズ分析器の形式がとられる。
ギー分析器は、一般に試料に近接して設けることが望ま
しいが、この場合、電子ビーム鏡筒は、所望の空間分解
能(0.数μm)を得るためには、対物レンズのWDを短く
する必要があるので、エネルギー分析器を対物レンズ内
または対物レンズより上方(電子ビーム源寄り)に設け
るインレンズ分析器の形式がとられる。
このような電子ビーム装置における二次電子のエネル
ギーの分析は、二次電子を減速する電圧の与えられた減
速グリッドを設け、このグリッドを通過する二次電子を
検出することによって行われる(減速電界型分析器)。
インレンズ分析器の場合、エネルギー分析を行う減速
(分析)グリッドの形式として、半球状のグリッドを有
するものと、平面状のグリッドを有するものとがある。
半球状のグリッドを有するものは、エネルギー分析精度
は良いが、レンズ上方に大きなスペースを必要とし、そ
のため電子ビーム鏡筒の構成上の障害になるという問題
を有している。一方、平面状のグリッドを有するもの
は、小型化は容易である反面、二次電子が、分析グリッ
ドに斜めに入射するため、エネルギー分析精度が悪いと
いう問題がある。
ギーの分析は、二次電子を減速する電圧の与えられた減
速グリッドを設け、このグリッドを通過する二次電子を
検出することによって行われる(減速電界型分析器)。
インレンズ分析器の場合、エネルギー分析を行う減速
(分析)グリッドの形式として、半球状のグリッドを有
するものと、平面状のグリッドを有するものとがある。
半球状のグリッドを有するものは、エネルギー分析精度
は良いが、レンズ上方に大きなスペースを必要とし、そ
のため電子ビーム鏡筒の構成上の障害になるという問題
を有している。一方、平面状のグリッドを有するもの
は、小型化は容易である反面、二次電子が、分析グリッ
ドに斜めに入射するため、エネルギー分析精度が悪いと
いう問題がある。
そこで、エネルギー分析を行なう分析グリッドを平面
状とした場合にも、電圧測定精度の良い電子ビーム装置
が要望される。
状とした場合にも、電圧測定精度の良い電子ビーム装置
が要望される。
従来、このタイプのエネルギー分析器としては、試料
面から二次電子を引き出すための引出グリッドと、エネ
ルギー分析用の分析グリッドとの両方を平面状に構成
し、単に対物レンズの内部に設けたもの(特開昭58−19
7644)や、さらに対物レンズ磁界あるいはコリメートグ
リッドにより、二次電子をフォーカスさせるようにした
もの(特開昭59−90349)が公知である。
面から二次電子を引き出すための引出グリッドと、エネ
ルギー分析用の分析グリッドとの両方を平面状に構成
し、単に対物レンズの内部に設けたもの(特開昭58−19
7644)や、さらに対物レンズ磁界あるいはコリメートグ
リッドにより、二次電子をフォーカスさせるようにした
もの(特開昭59−90349)が公知である。
第4図は従来のエネルギー分析器の構成を示したもの
である。同図において図示されない上方の電子ビーム源
から射出されて、対物レンズ1で収束された電子ビーム
2が、試料LSI3の面に照射されるように構成されてい
る。対物レンズ1の試料面に近い部分に、試料LSI3から
放出される二次電子を加速して引き出すためのメッシュ
状の引出グリッド4が設けられている。引出グリッド4
には、適当な(数100V)の正電位が与えられている。引
き出された二次電子は、引出グリッド4の網目を通過し
て上方に向かい、対物レンズ上部に設けられた同様なメ
ッシュ状の分析(減速)グリッド5に達し、分析グリッ
ド5の電圧以上のエネルギーを有するものだけがこれを
通り抜けて、二次電子検出器6によって補足・検出され
るようになっている。7は、この場合の二次電子の軌道
を示している。
である。同図において図示されない上方の電子ビーム源
から射出されて、対物レンズ1で収束された電子ビーム
2が、試料LSI3の面に照射されるように構成されてい
る。対物レンズ1の試料面に近い部分に、試料LSI3から
放出される二次電子を加速して引き出すためのメッシュ
状の引出グリッド4が設けられている。引出グリッド4
には、適当な(数100V)の正電位が与えられている。引
き出された二次電子は、引出グリッド4の網目を通過し
て上方に向かい、対物レンズ上部に設けられた同様なメ
ッシュ状の分析(減速)グリッド5に達し、分析グリッ
ド5の電圧以上のエネルギーを有するものだけがこれを
通り抜けて、二次電子検出器6によって補足・検出され
るようになっている。7は、この場合の二次電子の軌道
を示している。
第4図に示されたエネルギー分析器は、引出グリッド
4および分析グリッド5として、平面状のものを用いて
いる。二次電子軌道7は、一般に第5図に示される形状
であって、対物レンズ1の磁界による収束作用(レンズ
作用)を受けて、光軸上の測定点から放出される二次電
子は、分析グリッド5への入射角は小さくなるが、光軸
外の測定点から放出される二次電子は、依然として全体
的に斜めに入射するため、測定点の位置により、エネル
ギーの測定に誤差を生じる。
4および分析グリッド5として、平面状のものを用いて
いる。二次電子軌道7は、一般に第5図に示される形状
であって、対物レンズ1の磁界による収束作用(レンズ
作用)を受けて、光軸上の測定点から放出される二次電
子は、分析グリッド5への入射角は小さくなるが、光軸
外の測定点から放出される二次電子は、依然として全体
的に斜めに入射するため、測定点の位置により、エネル
ギーの測定に誤差を生じる。
第5図は、従来のエネルギー分析器内における二次電
子軌道とエネルギー分析誤差を説明するものである。図
において、(a)は対物レンズ1の磁界分布を示し、試
料面から電子ビーム源方向にとった距離Z(mm)に対す
る対物レンズ軸上の磁束密度Bzは、図示のように単一の
ピークを有する。
子軌道とエネルギー分析誤差を説明するものである。図
において、(a)は対物レンズ1の磁界分布を示し、試
料面から電子ビーム源方向にとった距離Z(mm)に対す
る対物レンズ軸上の磁束密度Bzは、図示のように単一の
ピークを有する。
二次電子は、このようなレンズ磁界と、引出グリッド
4、分析グリッド5のそれぞれの電位に基づいて生じる
静電界の重畳された空間を走行することによって、
(b)に示すような二次電子軌道を描く。は軸上から
放出された二次電子に対するもの、は軸外から放出さ
れた二次電子に対するものである。また、共に5eVの二
次電子がα=0〜80゜の角度で放出される場合を例示し
ている。ここで軸上放出の場合は、分析グリッド5へ
の入射角は5゜程度に抑えることは可能であるが、そう
すると軸外放出の場合に、二次電子軌道が傾斜(〜15
゜)してしまう。その結果、軸外にある測定点に対して
は、二次電子の分析グリッド5に対する垂直速度成分が
小さくなってしまい、本来通過できる二次電子が通過で
きなくなり、エネルギー分析結果に誤差を生じることに
なる。すなわち、高精度電圧測定可能領域が極端に小さ
くなってしまうという問題点を生じていた。
4、分析グリッド5のそれぞれの電位に基づいて生じる
静電界の重畳された空間を走行することによって、
(b)に示すような二次電子軌道を描く。は軸上から
放出された二次電子に対するもの、は軸外から放出さ
れた二次電子に対するものである。また、共に5eVの二
次電子がα=0〜80゜の角度で放出される場合を例示し
ている。ここで軸上放出の場合は、分析グリッド5へ
の入射角は5゜程度に抑えることは可能であるが、そう
すると軸外放出の場合に、二次電子軌道が傾斜(〜15
゜)してしまう。その結果、軸外にある測定点に対して
は、二次電子の分析グリッド5に対する垂直速度成分が
小さくなってしまい、本来通過できる二次電子が通過で
きなくなり、エネルギー分析結果に誤差を生じることに
なる。すなわち、高精度電圧測定可能領域が極端に小さ
くなってしまうという問題点を生じていた。
第5図において、(c)はエネルギー分析特性の一例
を示したものであって、分析電圧VR(V)を変化させた
場合、理想的にはα=0゜(軸上)で示される二次電子
信号出力が得られるのに対し、この分析器では、測定点
が軸上にある場合と、軸外にある場合で、分析特性
に大きなずれを生じることになる。この場合、測定点に
よって生じる電圧測定誤差は、(c)における誤差電圧
VRで示され、約3Vに達することが示されている。
を示したものであって、分析電圧VR(V)を変化させた
場合、理想的にはα=0゜(軸上)で示される二次電子
信号出力が得られるのに対し、この分析器では、測定点
が軸上にある場合と、軸外にある場合で、分析特性
に大きなずれを生じることになる。この場合、測定点に
よって生じる電圧測定誤差は、(c)における誤差電圧
VRで示され、約3Vに達することが示されている。
本発明の技術的課題は、このような従来技術の問題点
を解決しようとするものであって、平面グリッドを有す
るインレンズ分析器の形式で、エネルギー分析特性の二
次電子放出角と放出位置に対する依存性を最小にするこ
とができ、その結果、高精度測定ができる限り大きな領
域で行なえる電子ビーム装置を実現することにある。
を解決しようとするものであって、平面グリッドを有す
るインレンズ分析器の形式で、エネルギー分析特性の二
次電子放出角と放出位置に対する依存性を最小にするこ
とができ、その結果、高精度測定ができる限り大きな領
域で行なえる電子ビーム装置を実現することにある。
第1図は本発明による電子ビーム装置の基本原理を説
明する図であり、本発明の技術的手段を、第2図に示す
実施例を併用して説明する。
明する図であり、本発明の技術的手段を、第2図に示す
実施例を併用して説明する。
電子ビームを試料LSI3等の面に入射する対物レンズ1
の内部に、引出グリッド4と分析グリッド5とを具えて
なる電子ビーム装置において、試料面8と分析グリッド
5間に存在する対物レンズ1の磁界分布を、二次電子に
対してL1とL2で示すような2つの磁界レンズとして機能
するように構成する。二次電子に対する第1のレンズL1
は、二次電子を収束して、試料面8の二次電子像SIを第
2のレンズL2の手前に結ぶようなレンズとして機能し、
第2のレンズL2は、その焦点が、前記試料面像SIと一致
するように設定され、二次電子をコリメートして出射す
るように構成される。
の内部に、引出グリッド4と分析グリッド5とを具えて
なる電子ビーム装置において、試料面8と分析グリッド
5間に存在する対物レンズ1の磁界分布を、二次電子に
対してL1とL2で示すような2つの磁界レンズとして機能
するように構成する。二次電子に対する第1のレンズL1
は、二次電子を収束して、試料面8の二次電子像SIを第
2のレンズL2の手前に結ぶようなレンズとして機能し、
第2のレンズL2は、その焦点が、前記試料面像SIと一致
するように設定され、二次電子をコリメートして出射す
るように構成される。
電子ビーム源からの電子ビームを、対物レンズ1を経
て、試料であるLSI3等の表面に入射すると、LSI3等の表
面における各種電子回路部分、例えば配線等からは、電
子ビームの照射に応じて二次電子が放出されるが、この
場合、放出される二次電子は、その部位の電位に相当す
るエネルギー(速度)をもっているので、この二次電子
のエネルギーを分析することによって、被試験LSI3等の
各部における電位を調べることができる。
て、試料であるLSI3等の表面に入射すると、LSI3等の表
面における各種電子回路部分、例えば配線等からは、電
子ビームの照射に応じて二次電子が放出されるが、この
場合、放出される二次電子は、その部位の電位に相当す
るエネルギー(速度)をもっているので、この二次電子
のエネルギーを分析することによって、被試験LSI3等の
各部における電位を調べることができる。
この際、対物レンズ1の内部に、平面状の二次電子引
出グリッド4と分析グリッド5とを設けるインレンズ分
析器形式の電子ビーム装置では、二次電子流7が、分析
グリッド5に斜めに入射するため、二次電子放出部位の
局所電界に基づく放出角αの変動の影響を受けて、分析
グリッド5に対する垂直速度成分が変化してエネルギー
分析誤差を生じる。
出グリッド4と分析グリッド5とを設けるインレンズ分
析器形式の電子ビーム装置では、二次電子流7が、分析
グリッド5に斜めに入射するため、二次電子放出部位の
局所電界に基づく放出角αの変動の影響を受けて、分析
グリッド5に対する垂直速度成分が変化してエネルギー
分析誤差を生じる。
また、上記誤差を小さく抑えようと二次電子流7を平
行化(コリメート)し、放出角依存性を小さくすると、
こんどは高精度測定可能領域が極端に小さくなってしま
う(放出位置依存性が大きくなる)。
行化(コリメート)し、放出角依存性を小さくすると、
こんどは高精度測定可能領域が極端に小さくなってしま
う(放出位置依存性が大きくなる)。
そこで、試料面8と分析グリッド5間に分布する対物
レンズ1の磁界を、第1図(b)に示すように、二次電
子に対しては、実質的に2つのレンズとして機能するよ
うに設定することにより、軸外放出の二次電子の分析グ
リッド5への入射角を常にほぼゼロとすることが可能と
なり、その結果、高精度測定可能領域を拡大することが
できるようになる。
レンズ1の磁界を、第1図(b)に示すように、二次電
子に対しては、実質的に2つのレンズとして機能するよ
うに設定することにより、軸外放出の二次電子の分析グ
リッド5への入射角を常にほぼゼロとすることが可能と
なり、その結果、高精度測定可能領域を拡大することが
できるようになる。
二次電子に対して実質的に2つのレンズとして機能す
る磁界分布は、通常対物レンズ1の磁気回路に1つ設け
られる磁気ギャップを2つとし、磁界分布の極大を2個
所形成することで、容易に実現することができる。ある
いは、中間にバッファグリッドを設け、二次電子の速度
(エネルギー)を制御することによっても容易に実現で
きる。
る磁界分布は、通常対物レンズ1の磁気回路に1つ設け
られる磁気ギャップを2つとし、磁界分布の極大を2個
所形成することで、容易に実現することができる。ある
いは、中間にバッファグリッドを設け、二次電子の速度
(エネルギー)を制御することによっても容易に実現で
きる。
第2図は本発明による電子ビーム装置の一実施例を示
す部分断面斜視図である。この例では、試料面と分析グ
リッド5間の対物レンズ1の磁気回路に、2つのギャッ
プG1、G2が設けられており、第1図(b)のように、磁
界分布には2つの極大ができる。この磁界分布において
は、1keV程度の電子ビーム源からの電子ビームに対して
は、単一のレンズとして機能し、引出グリッド4によ
り、数100eVに加速された二次電子に対しては、そのエ
ネルギーの違いのため2つのレンズとして機能する。
す部分断面斜視図である。この例では、試料面と分析グ
リッド5間の対物レンズ1の磁気回路に、2つのギャッ
プG1、G2が設けられており、第1図(b)のように、磁
界分布には2つの極大ができる。この磁界分布において
は、1keV程度の電子ビーム源からの電子ビームに対して
は、単一のレンズとして機能し、引出グリッド4によ
り、数100eVに加速された二次電子に対しては、そのエ
ネルギーの違いのため2つのレンズとして機能する。
この実施例装置によれば、第1図(a)のように、試
料面8の軸上から角度αで放出される電子は、第1のレ
ンズL1により、二次電子試料像点SIで一点に収束し、次
に第2のレンズL2により完全にコリメートされる(α2
=0)。これは第2のレンズL2の焦点が、二次電子試料
像SIに一致させてあるためである。
料面8の軸上から角度αで放出される電子は、第1のレ
ンズL1により、二次電子試料像点SIで一点に収束し、次
に第2のレンズL2により完全にコリメートされる(α2
=0)。これは第2のレンズL2の焦点が、二次電子試料
像SIに一致させてあるためである。
一方、軸上からγs離れた点より放出される電子は、
わずかに角度をもって、第2のレンズL2を出射してい
く。この角度θ2は、第1のレンズL1の倍率M1と距離
によって決まり、無視しうる程度まで小さくできる。し
たがって、第2のレンズL2の後方(上方)に分析グリッ
ド5を配置すれば、広い範囲の試料面の二次電子を精度
よく分析できる。
わずかに角度をもって、第2のレンズL2を出射してい
く。この角度θ2は、第1のレンズL1の倍率M1と距離
によって決まり、無視しうる程度まで小さくできる。し
たがって、第2のレンズL2の後方(上方)に分析グリッ
ド5を配置すれば、広い範囲の試料面の二次電子を精度
よく分析できる。
第3図は、本実施例装置について、数値計算により解
析した結果であり、磁界分析を(a)〜(c)まで変化
したときの二次電子の軌道を求めたものである。右側に
は、計算結果より推定したレンズ系を模式的に示す。
(a)と(c)は、第2のレンズL2が正しく設定されて
いないので、二次電子がコリメートできていない。これ
に対して、(b)は正しく設定された例であり、この場
合の誤差δVRは、0.2Vと従来の1/10以下に性能が向上し
ている。
析した結果であり、磁界分析を(a)〜(c)まで変化
したときの二次電子の軌道を求めたものである。右側に
は、計算結果より推定したレンズ系を模式的に示す。
(a)と(c)は、第2のレンズL2が正しく設定されて
いないので、二次電子がコリメートできていない。これ
に対して、(b)は正しく設定された例であり、この場
合の誤差δVRは、0.2Vと従来の1/10以下に性能が向上し
ている。
なお、ここで説明した例では、2つのピークをもつ磁
界分布とバッファグリッドとも併用した例であるが、ど
ちらか一方でも同様な効果は得られる。
界分布とバッファグリッドとも併用した例であるが、ど
ちらか一方でも同様な効果は得られる。
以上説明したように本発明によれば、平面からなる引
出グリッド4と分析グリッド5とを具えたエネルギー分
析器を有する電子ビーム装置において、対物レンズ1の
磁界分布を、二次電子に対しては実質的に2つのレンズ
として機能し、さらに第1のレンズL1は、第2のレンズ
L2の手前に、二次電子試料像SIを結像し、第2のレンズ
L2の焦点は、前記試料像SIに一致するように設定するこ
とによって、試料面から放出される二次電子のエネルギ
ー分析を行う際における、試料面からの二次電子放出角
および放出位置に対する依存性を小さくすることがで
き、その結果、試料面における高精度電圧測定領域を拡
大することができる。
出グリッド4と分析グリッド5とを具えたエネルギー分
析器を有する電子ビーム装置において、対物レンズ1の
磁界分布を、二次電子に対しては実質的に2つのレンズ
として機能し、さらに第1のレンズL1は、第2のレンズ
L2の手前に、二次電子試料像SIを結像し、第2のレンズ
L2の焦点は、前記試料像SIに一致するように設定するこ
とによって、試料面から放出される二次電子のエネルギ
ー分析を行う際における、試料面からの二次電子放出角
および放出位置に対する依存性を小さくすることがで
き、その結果、試料面における高精度電圧測定領域を拡
大することができる。
第1図は本発明による電子ビーム装置の基本原理を説明
する図、第2図は本発明による電子ビーム装置の実施例
を示す部分断面斜視図、第3図は本発明の実施例装置に
おける二次電子の軌道を求めた例、第4図は従来の電子
ビーム装置の断面図、第5図は従来の電子ビーム装置に
おける二次電子軌道とエネルギー分析誤差を示す図であ
る。 図において、1は対物レンズ、3は試料LSI、4は引出
グリッド、5は分析グリッド、6は二次電子検出器、7
は二次電子軌道、8は試料面、L1は第1のレンズ、L2は
第2のレンズをそれぞれ示す。
する図、第2図は本発明による電子ビーム装置の実施例
を示す部分断面斜視図、第3図は本発明の実施例装置に
おける二次電子の軌道を求めた例、第4図は従来の電子
ビーム装置の断面図、第5図は従来の電子ビーム装置に
おける二次電子軌道とエネルギー分析誤差を示す図であ
る。 図において、1は対物レンズ、3は試料LSI、4は引出
グリッド、5は分析グリッド、6は二次電子検出器、7
は二次電子軌道、8は試料面、L1は第1のレンズ、L2は
第2のレンズをそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大窪 和生 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 浜 壮一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−283539(JP,A) 特開 昭60−189855(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】電子ビームを試料面に入射する対物レンズ
の内部に、いずれも平面メッシュ状の二次電子引出グリ
ッドと、二次電子を減速してそのエネルギーを分析する
分析グリッドとを具えてなる電子ビーム装置において、 前記試料面(8)と分析グリッド(5)間に分布する対
物レンズ磁界を、前記二次電子に対しては実質的に2つ
のレンズ(L1)(L2)として機能するようにし、さらに
第1のレンズ(L1)は第2のレンズ(L2)の手前に二次
電子試料像(SI)を結像し、第2のレンズ(L2)の焦点
は、前記二次電子試料像(SI)に一致するように配置し
たことを特徴とする電子ビーム装置。 - 【請求項2】2つのレンズ(L1)(L2)として機能させ
る手段は、分析グリッドと引出しグリッド間にバッファ
グリッドを設けるようにしたものであることを特徴とす
る請求項1記載の電子ビーム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63173175A JP2628348B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子ビーム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63173175A JP2628348B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子ビーム装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0221552A JPH0221552A (ja) | 1990-01-24 |
JP2628348B2 true JP2628348B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=15955484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63173175A Expired - Fee Related JP2628348B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子ビーム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628348B2 (ja) |
-
1988
- 1988-07-11 JP JP63173175A patent/JP2628348B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0221552A (ja) | 1990-01-24 |
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