JP2625140B2 - クエン酸部分エステル系鉄抽出剤 - Google Patents

クエン酸部分エステル系鉄抽出剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水溶液から鉄を選択的液/液抽出するのに使
用するクエン酸部分エステル又はその混合物に関する。
[従来の技術] 工業用途に好適な亜鉛金属の回収は、従来ほとんど湿
式製練法により行なわれていた。回収工程は通常、亜鉛
および微量の他金属を含有する粗鉱を、焙焼により脱硫
することにより行なわれていた。焙焼後に残った金属酸
化物を、湿式製練ができるように希硫酸に溶解する。粗
鉱石中に存在する全ての価値ある金属(亜鉛の他に銅お
よびカドミウム)を最大限回収するには、鉄が共溶解す
る温浸条件が必要である。しかしながら、鉄イオンは亜
鉛の電解回収を妨害するので、亜鉛電解工程の前に、鉄
イオン硫酸亜鉛溶液から除去されなくてはならない。現
在使用されている工業的方法においては、鉄をこのよう
な電解溶液から沈澱している。これらの方法において
は、鉄はジャロサイト、針鉄鉱、又は赤鉄鉱として沈澱
する(「ウルマンズ・エンツァイクロペディー・デア・
テヒニッシェン・ヘミー[Ullmann′s Enzyklopadie de
r technischen Chemie]」第4版、第24巻、601頁以
下、およびビナケル−クフラー[Winnacker−Kuchler]
の「ヘミッシェ・テヒノロギー[Chemische Technologi
e]」第3版、第6巻(冶金学)、306頁以下を参照)。
これら鉄含有沈澱物は、濾過後、高含水量(約50%)の
フィルターケーキとして堆積し、その中に存在する重金
属不純物の量により、法的規約に従い特別の投棄所に投
棄されなくてはならない。経験によれば、湿式製練によ
り製造された亜鉛金属の1トン当たり、約1トンの鉄含
有スラッジを投棄しなければならない。
鉄が赤鉄鉱として沈澱する場合、得られた生成物は鉄
以外の重金属を含有しない。A.V.レーペナック[Roepen
ack]、「エルツメタル[Erzmetall]」第35巻、534頁
(1982年)によれば、この生成物は鋼および建材の製造
に使用することができる。「赤鉄鉱法」による鉄の沈澱
の不利益は、工程の高コストにある、沈澱は、15バール
の加圧下、180℃で純酸素を用いて行なわれる。
「赤鉄鉱法」のみが提供できる鉄残渣の再利用の可能
性は別として、生態学的理由より、重金属含有残渣が、
あったとしても極微量にしか投棄所に堆積されず、電解
質溶液の鉄含有画分が再加工されるような方法の研究が
行なわれている。ある場合には、上記沈澱方法に代え
て、鉄を亜鉛含有電解質溶液から除去し、回収すること
のできる液/液抽出法が選択される。しかしながら、電
解質水溶液から鉄を液/液抽出するのに適した方法の大
部分は、金属分離の不充分な選択性または低pH値におけ
る不充分な有機相鉄含有性の故に、実際には、即ち工業
的規模では実施できなかった。実際にはいわゆる「エス
ピンデサ[Espindesa]」法(A.J.モンヘミウス[Monhe
mius」、「トピックス・イン・ノン−フェラス・エクス
トラクティブ・メタラジー[Topics in Non−Ferrous E
xtractive Metallurgy]」(R.ブルキン[Burkin]編
集)、104頁以下;G.トーセン[Thorsen]、「ハンドブ
ック・オブ・ソルベント・エクストラクション[Handbo
ok of Solvent Extraction]、T.C.ロー[Lo]等、1983
年、709頁以下を参照)が主に使用されている。この方
法においては、塩酸による鉱石抽出から誘導される水溶
液は、まず第2アミンにより抽出され、金属亜鉛、銅、
カドミウムおよび鉄が塩化物錯体として分離される。水
による再抽出工程後、次の処理段階においてZn2+および
Fe3+がジ−(2−エチルヘキシル燐酸)(D−2−EHP
A)により抽出される。得られた溶液から、2回の連続
処理により、まず亜鉛、次に鉄が分離され、引き続き2
種の金属は別々に従来の抽出処理に付される。
エスペンデサ法の不利な点は、抽出および異なる抽出
剤による再抽出の両方が、複数工程からなり複雑である
ということである。従って、従来技術の上記不利益を全
く有さない、酸性水溶液からの新規鉄液/液抽出方法の
提供が、長い間求められてきた。
さらに、いわゆる「ベルサト酸[Versatic acid]」
を用いて亜鉛含有電解質水溶液から鉄を抽出する方法
が、A.J.ファン・デル・ツェオイ[van der Zeeuw」、
「ハイロドメタラジー[Hydrometallurgy]」第2巻、2
75頁(1976年)および西ドイツ特許24 04 185より知
られている。抽出工程の前に、ベルサト酸を含有する有
機相が焙焼鉱物により処理(「中性抽出」)され、相当
するベルサト酸の亜鉛塩が形成される。次の抽出工程に
おいて、中性抽出残留物の温浸により誘導される鉄富有
亜鉛水溶液が亜鉛含有有機相に接触され、ベルサト酸塩
中、Zn2+とF3+が交換される。ベルサト酸はpH値1.7でし
か水溶液からの鉄抽出を開始せず、pH値2.6で最大抽出
量となるので、厳しい制限が課せられる。このことは、
好ましくないかなりのpH値低下を必要とし、この抽出方
法の適用範囲が厳しく制限される。
[発明の目的] 本発明の目的は、鉄に加えて他の重金属を含有してい
る電解質溶液から、低pH値においてさえも、液/液抽出
により有機相に鉄を多く含ませて鉄を回収することので
きる化合物を提供することにある。本発明はまた、並存
する金属から鉄を確実に高度に選択して抽出することを
目的とする。本発明のもう一つの目的は、鉄を再使用す
るために有機抽出相からできるだけ簡単に回収すること
を可能とし、工程の全コストをできる限り下げることで
ある。
[発明の開示] 本発明は、 〔式中、R1、R2およびR3は水素、直鎖状もしくは分岐状
C4〜C20アルキル基または金属原子を表し、R1、R2およ
びR3の一つまたは二つは該アルキル基である。〕 で示されるクエン酸部分エステルまたはその混合物から
成る、水溶液からの鉄抽出剤。
本発明の目的のために、置換基R1、R2およびR3が水
素、直鎖状もしくは分岐状C4〜C20アルキル基または金
属原子を表し、置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つ
は上記アルキル基であるクエン酸部分エステル(I)ま
たはその混合物が使用される。鉄抽出剤の一つの好まし
い態様においては、置換基R1、R2およびR3の一つまたは
二つが分岐状C4〜C20アルキル基で、残りの置換基が水
素または金属原子であるクエン酸部分エステル(I)ま
たはその混合物である。置換基R1、R2およびR3として分
岐状アルキル基を有する部分エステル(I)は、通常、
明らかに優れた有機溶媒への溶解性を示し、それ故に好
ましくは用いられる。従って、クエン酸部分エステル
(I)中の好適なアルキル基は、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデ
シル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデ
シル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノ
ナデシルおよびエイコシルからなる群より選ばれる直鎖
状、および好ましくは分岐状アルキル基である。実際に
は、分岐状C6〜C13アルキル基、すなわち分岐状ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシルおよびトリデシル基が特に好適であり、置
換基R1、R2およびR3の一つまたは二つが上記分岐状C6
C13アルキル基であるクエン酸部分エステル(I)が、
水溶液からの鉄抽出に好ましく使用できる。
置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つが、2−エチ
ルヘキシル、イソデシル、イソドデシルおよびイソトリ
デシルからなる群より選ばれる分岐状アルキル基である
クエン酸部分エステル(I)またはその混合物を使用し
たときに特に良好な結果が得られ、上記のうち最も好適
なクエン酸部分エステルは、置換基R1、R2およびR3の一
つまたは二つが2−エチルヘキシルであり残りの置換基
が水素または金属原子であるものである。アルキル基が
2−エチルヘキシルのモノまたはジエステルであるクエ
ン酸部分エステル(I)またはその混合物は、抽出に用
いる有機溶媒への優れた溶解性を示すと共に、水溶液か
らの鉄抽出に際して高選択性を示す。さらに、それらは
前記pH範囲において鉄イオンを多く含有することができ
るので、他のクエン酸部分エステルまたはその混合物よ
りも特に好ましく用いられる。
水溶液から鉄を抽出するのに単独でまたは数種の混合
物として用いることのできる本明細書記載のクエン酸部
分エステルは、従来技術から既知の方法、例えばクエン
酸と、式: R4−OH (II) 〔式中、R4は直鎖状または分岐状C4〜C20アルキル基を
表す。〕 で示されるアルコールの一種またはそれ以上を、有機溶
媒の不存在または存在下、高温にて互いに反応させて調
製される。反応は好ましくは有機溶媒の存在下に行なわ
れるが、好ましい溶媒は、これも既知であるが、水と共
沸混合物を形成し、エステル化反応中に形成された反応
水を共沸混合物の沸点で反応混合物から除去し、その結
果エステル化反応の平衡を生成物側に移動させるような
溶媒である。この種の好適な有機溶媒は、例えば、芳香
族炭化水素であり、140℃以上の温度で沸騰するキシレ
ン類が好ましい。得られたクエン酸部分エステルおよび
その混合物は、やはり既知の方法により精製されて残留
溶媒が除去され、単独でまたは混合物として水溶液から
の鉄抽出に用いられる。
本発明によれば、置換基R1、R2およびR3の一つが金属
原子であるクエン酸部分エステル(I)またはその混合
物を、水溶液からの鉄抽出に使用するのが特に好まし
い。金属原子のうち、式(I)中の置換基として好まし
いのは、出発鉱中に回収可能量存在している酸可溶性非
鉄金属からなる群より選ばれるものである。すなわち、
本発明の好ましい態様は、置換基の一つが出発鉱石中に
回収可能量存在している酸可溶性非鉄金属の一つである
クエン酸部分エステル(I)またはその混合物である。
置換基の一つが亜鉛、カドミウムおよび銅からなる群よ
り選ばれた一つの金属原子であるクエン酸部分エステル
が好ましく使用される。このような金属イオンは、亜鉛
の回収に典型的に用いられる鉱物中に、発見場所により
異なるが、最初に述べたような方法により有効量が回収
されるような量存在する。置換基R1、R2およびR3の一つ
が亜鉛原子であるようなクエン酸部分エステルを用いる
のが有利である。このようなクエン酸部分エステルを用
いるのは、抽出工程において有機相に溶解しているクエ
ン酸部分エステルと、酸性水溶液中に存在している金属
イオンが交換されるので、特に有利である。置換基R1
R2およびR3の一つが水素であるクエン酸部分エステルが
用いられた場合(本発明において可能である)、有機相
中のクエン酸部分エステルの水素原子は水相の金属イオ
ンと交換される。従って、水相では、遊離H+イオン含量
が増加し、だんだん酸性となる。pH値を一定に保つため
に、金属塩、好ましくはZn2+塩として有機相に溶解して
いるクエン酸部分エステルを用いて金属−金属交換を行
うのが有利である。この場合、実際の抽出工程は、有機
相中のクエン酸部分エステルのZn2+イオンと、水相のFe
3+イオンとの交換である。従って、水相中にプロトンが
蓄積されることがなく、工程に有害なpH値の大きな変化
が生じない。その代わりに、水相ではZn2+が有利に増加
する。
有機相のクエン酸部分エステルのZn2+イオンによる
「負荷」、すなわち遊離クエン酸部分エステルの亜鉛塩
への転化が、既知の方法により、たとえば、有機抽出媒
体に溶解しているクエン酸部分エステルが、焙焼鉱石、
すなわち出発材料として使用された亜鉛含有鉱石の焙焼
により誘導された金属酸化物により処理されて成され
る。
本発明によれば、上記クエン酸部分エステル(I)ま
たはその混合物は、好ましい酸性pH域の水溶液からの鉄
抽出に用いることができる。本発明の上記クエン酸部分
エステルまたはその混合物の特に有利な点は、そのクエ
ン酸部分エステルまたは混合物がかなり低pH値において
も有利に鉄を抽出する、すなわち比較的強酸性の水溶液
からの鉄抽出に好適であることである。従って上記部分
エステルまたはその混合物は1.6またはそれ以下の低pH
値における鉄抽出に適している。クエン酸部分エステル
(I)またはその混合物を含有する有機抽出剤は、その
ような低pH値においてもかなり大量の鉄を負荷すること
ができる。例えば、抽出剤0.5モルを含有する溶液にお
いては、有機相の鉄負荷は9g/に達する。本発明の部
分エステルまたはその混合物は、従来技術から既知の他
の抽出剤よりも、選択性および鉄負荷性が明らかに優れ
ているので、特に好ましい。
本発明のクエン酸部分エステル(I)またはその混合
物を酸性水溶液からの鉄抽出に用いるもう一つの利点
は、単にpH値を下げるだけで、抽出工程において分離し
た有機鉄含有相から、鉄を除去することができることで
ある。従って、硫酸の添加により鉄を有機相から再抽出
することができる。鉄を、比較的純粋な形で容易に回収
し、再使用することができる。このことは、幾つかの個
々の段階において鉄の「ストリッピング」に用いる高価
な工程を回避できるという点で、従来技術よりも有利で
ある。鉄は、単に酸を添加するだけで、実質的に定量的
に再抽出される。
クエン酸部分エステル(I)またはその混合物を水溶
液からの鉄抽出に用いるもう一つの有利さは、通常、相
分離挙動または反応速度を改良するために用いるいわゆ
る「改質剤」が、もはや必要ないことである。本発明の
クエン酸部分エステルを典型的に用いられる有機溶媒に
添加した場合、濃度に依存する最適の相分離挙動が見ら
れる。抽出/再抽出工程の迅速な反応速度故に、極単時
間後に平衡状態が達成される。さらに二つの相には、乳
濁液を形成する傾向も、金属/抽出剤錯体を含有する第
3の相を形成する傾向もない。通常、改質剤(例えばノ
ニルフェノールまたはトリデカノール)の添加により軽
減されるこれらの問題は、クエン酸部分エステル(I)
またはその混合物を用いると起こらない。クエン酸部分
エステルを用いた場合、通常個々の相の相分離が良好で
あり、改質剤は必要ないが、理論的には従来技術から既
知の改質剤の使用も可能である。
本発明によれば、クエン酸部分エステル(I)または
その混合物は、有機溶媒または溶媒混合物を用いて酸性
水溶液から鉄を抽出するのに、特に好適に使用される。
そのような溶媒または溶媒混合物は、この目的に関する
従来技術より既知である。それらは通常、脂肪族及び/
又は芳香族炭化水素または炭化水素混合物である。安全
性の理由から、通常は、高沸点炭化水素、すなわち多少
とも大量の芳香族炭化水素を含有する引火点の高い炭化
水素またはそれらの混合物が用いられる。溶媒混合物と
して、例えば、エスカイド(Escaid:登録商標)、ゾル
ベッソ(Solvesso:登録商標)およびケルマック(Kerma
c:登録商標)として市販されている種類の灯油を使用し
てよい。しかしながら、抽出工程に他の炭化水素を使用
してもよい。例えば、トリクロロエチレンのような塩素
化炭化水素によっても良好な結果が得られる。本発明の
クエン酸部分エステル(I)またはその混合物は、上記
有機溶媒といかなる割合ででも混和し得る。しかしなが
ら、相分離挙動および粘度の面から、部分エステルまた
はその混合物を、有機溶媒中、0.01〜1.5モル/、好
ましくは0.4〜0.6モル/、更に好ましくは0.5モル/
の濃度で使用するのが特に好適である。
クエン酸部分エステル(I)またはその混合物のもう
一つの有利さは、強酸性pH範囲において加水分解せずに
充分に安定であることである。
[実施例] 本発明を以下の実施例により説明する。
実施例1 クエン酸部分エステル(I)(R1およびR3が2−エチル
ヘキシル、R2がH)の調製 クエン酸576.3g(3モル)および2−エチルヘキサノ
ール(II)(R4が2−エチルヘキシル)780.0g(6モ
ル)を、水分離器を備えたフラスコ中、キシレン400ml
と共に、125〜170℃で加熱した。エステル化反応中、水
110mlが分離された。反応終了後、ほとんどの溶媒を留
去した。この粗生成物に石油エーテル1.5を添加し、1
0%硫酸500mlで2回洗浄し、蒸留水500mlで1回洗浄し
た。圧力約2000Pa下(水流減圧)、80〜90℃で、有機相
から溶媒を除去した。淡黄色の粘稠性透明液状物質が得
られた。
収量:1185g(2.85モル、理論収量の95%に相当) 特性:精製反応生成物の特性データを下記第1表に示
す。
実施例2 実施例1と同様にして、実施例1の化合物に対応のク
エン酸(イソデシル)部分エステル(I)(R1およびR3
がイソデシル、R2がH)を調製した。製造された生成物
の特性値を下記第1表に示す。
実施例3 実際の条件下での抽出を評価するために、様々なpH値
において抽出等温線(マキャーベ−ジーレ[McCabe−Th
ile]図)を記録した。このために、実施例1および2
で調製したクエン酸部分エステル(I)を溶解(0.5モ
ル/)した溶媒(例えばエスカイトのような灯油)、
および標準的電解液(組成:Zn80g/、Fe21g/、Mn7.2
g/、Cu0.6g/、Cd0.2g/;遊離硫酸、約40g/)を
互いに接触させた。有機相対無機相の比(O/I比)は、1
0:1から1:10の間であった。相分離終了時に、有機相中
および水相中の金属含量を決定し、互いに対応させてグ
ラフに記入した。
第1図は、実施例1の生成物を用いて(濃度:エスカ
イト100中に0.5モル)、一定pH値1.6(pH値はNaOHを用
いて調節した。)、O/I比2.3、水相1リッターあたりFe
18.4gの出発濃度で得られた抽出等温線を示す。
第2図は、実施例2の生成物を用いて(濃度:エスカ
イト100中に0.5モル)、一定pH値1.6(pH値はNaOHを用
いて調節した。)、O/I比2.5、水相1リッターあたりFe
17.8gの出発濃度で得られた抽出等温線を示す。
結果 第1図および第2図によれば、O/I比2.3〜2.5におい
て、「標準的電解液」のFe濃度を三工程で約18g/から
約1〜2g/に下げることができた。有機相のFe濃度は8
g/であり、クエン酸部分エステル(I)を含有する有
機相の観察された最大含量の上限に近かった。
実施例4 実施例3と同様の抽出試験を、クエン酸部分エステル
(I)の異なる試薬濃度を用いてO/I比1:1において行っ
た。抽出工程中にpH値を一定に保持しなかった。実施例
1の化合物のエスカイト100中における使用濃度は、 (a)0.1モル/ (b)0.5モル/ (c)1.0モル/ (d)0.5モル/ であり、エスカイト100中で、実施例1の化合物を限定
の目的より一定pH値1.6で用いた。
第2表に要約してあるどの試験においても、有機相中
に亜鉛存在は見られ無かった(Znが0.1g/1より少な
い)。抽出工程前後の亜鉛濃度の変化は、実験のためで
ある。
実施例5 実施例3および実施例4の鉄抽出中において普通に起
こり、水酸化ナトリウムの添加により修正されるpH値移
動は、抽出剤、すなわちクエン酸部分エステルに、抽出
前にpH値約3.4において焙焼鉱石で処理することによりZ
n2+を含ませて、次の抽出工程において鉄がプロトンで
はなく亜鉛と交換されるようにすることにより、好まし
く避けられた。従ってpH値をさらに制御する必要はなか
った。すなわち、実際の抽出の前に、置換基R1、R2およ
びR3の一つが水素であるクエン酸部分エステルが、ある
置換基がZn2+の半等量を示すZn2+塩に転化した。
第3図は、抽出前に1当たり12.8gのZn(濃度:エ
スカイト100中において0.5モル/)を含ませた実施例
1の部分エステルの抽出等温線を示す。出発pH値は1.6
であり、抽出工程中にさらに修正することはなかった。
結果 第3図から理解できるように、O/I比が2.5の場合、標
準的電解液の鉄濃度を、三工程で17.8g/から約0.7g/
に下げることができた。有機エスカイト相は1当た
り8gの鉄を含有していた。抽出等温線と同時に記録した
Znの再抽出等温線(第4図)は、上記条件下において、
抽出剤中のZn2+がFe3+と完全に交換されることを示して
いる。実施例1の部分エステルのZn非含有鉄塩が、次の
再抽出工程で得られた。
実施例6 鉄含有有機相(実施例1の化合物;濃度:エスカイト
100中において0.5モル/;pH=1.6、Feを9.1g/含
有)を、上記のように水相から分離し、硫酸で処理して
鉄再抽出を行った。結果を下記第3表に示す。
実施例7 再抽出等温線の一つの実施例を第5図に示す。基本的
試験行使において、1当たり鉄10.3gを含む有機相
(実施例1の部分エステル;濃度:エスカイト100中に
おいて0.5モル、pH値1.6;O/I比5.8)から、硫酸2モル
を用いて三工程で鉄をほとんど完全に除去した。得られ
た硫酸水相中の鉄濃度は約60g/であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の生成物を用いた鉄の抽出等温線であ
り、第2図は実施例2の生成物を用いた鉄の抽出等温線
であり、第3図は亜鉛を含ませた実施例1の生成物の鉄
の抽出等温線であり、第4図は亜鉛の再抽出等温線であ
り、第5図は鉄の再抽出等温線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴェルナー・シュヴァープ ドイツ連邦共和国 4018 ランゲンフェ ルト、バッハシュトラアセ 76番

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔式中、R1、R2およびR3は水素、直鎖状もしくは分岐状
    C4〜C20アルキル基または金属原子を表し、R1、R2およ
    びR3の一つまたは二つは該アルキル基である。〕 で示されるクエン酸部分エステルまたはその混合物から
    成る、水溶液からの鉄抽出剤。
  2. 【請求項2】置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つが
    分岐状C4〜C20アルキル基であり、残りの置換基が水素
    または金属原子である特許請求の範囲第1項記載の鉄抽
    出剤。
  3. 【請求項3】置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つが
    分岐状C6〜C13アルキル基である特許請求の範囲第1項
    または第2記載の鉄抽出剤。
  4. 【請求項4】置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つ
    が、2−エチルヘキシル、イソデシル、イソドデシルお
    よびイソトリデシルからなる群より選ばれた分岐状アル
    キル基である特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記
    載の鉄抽出剤。
  5. 【請求項5】置換基R1、R2およびR3の一つまたは二つ
    が、2−エチルヘキシルである特許請求の範囲第4項記
    載の鉄抽出剤。
  6. 【請求項6】置換基R1、R2およびR3の一つが、出発鉱物
    中に回収可能量で存在している酸可溶性非鉄金属からな
    る群より選ばれた金属原子である特許請求の範囲第1項
    記載の鉄抽出剤。
  7. 【請求項7】置換基R1、R2およびR3の一つがZn、Cdおよ
    びCuからなる群より選ばれた金属原子である特許請求の
    範囲第1項または第6項記載の鉄抽出剤。
  8. 【請求項8】置換基R1、R2およびR3の一つがZn原子であ
    る特許請求の範囲第1項、第6項および第7項のいずれ
    かに記載の鉄抽出剤。
  9. 【請求項9】酸性水溶液からの鉄抽出に使用する特許請
    求の範囲第1〜8項のいずれかに記載の鉄抽出剤。
  10. 【請求項10】有機抽出溶媒または抽出溶媒混合物を用
    いた酸性電解質水溶液からの鉄抽出に使用する特許請求
    の範囲第1〜9項のいずれかに記載の鉄抽出剤。
  11. 【請求項11】有機溶媒中0.01〜1.5モル/、好まし
    くは0.4〜0.6モル/の濃度で使用する特許請求の範囲
    第1〜10項のいずれかに記載の鉄抽出剤。
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