JP2625009B2 - アンテナ・システム - Google Patents

アンテナ・システム

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JP2625009B2
JP2625009B2 JP63322780A JP32278088A JP2625009B2 JP 2625009 B2 JP2625009 B2 JP 2625009B2 JP 63322780 A JP63322780 A JP 63322780A JP 32278088 A JP32278088 A JP 32278088A JP 2625009 B2 JP2625009 B2 JP 2625009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は複数個の素子アンテナと各素子アンテナに
接続された移相器によってビームを走査して電波の到来
方向を検出するアンテナ・システムに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
第3図は例えば文献「アンテナ工学ハンドブック(オ
ーク社)PP185〜187」に示された従来のモノパルスアン
テナ(アンテナ・システム)の構成を示すブロック図で
ある。図において、A1,A2,…,ANは一方のグループに属
する素子アンテナ、B1,B2,…,BNは他方のグループに属
する素子アンテナ、Pa1,Pa2,…,PaNは素子アンテナA1,A
2,…,ANに接続されビームの相対的な位相を設定する移
相器(移相手段)、Pb1,Pb2,…,PbNは素子アンテナB1,B
2,…,BNに接続された移相器(移相手段)、Gaは移相器P
a1,Pa2,…,PaNら出力された信号を合成する合成器(合
成手段)、Gbは移相器Pb1,Pb2,…,PbNから出力された信
号を合成する合成器(合成手段)である。H1はハイブリ
ッド回路Hに備えられ、合成器Gaの出力信号と合成器Gb
の出力信号との和をとった和信号と、合成器Gaの出力信
号と合成器Gbの出力信号との差をとった差信号とを出力
する演算手段である。R1は受信機Rに備えられ、演算手
段H1から出力された和信号と差信号とによって到来電波
の方向を検出する検出手段である。
次に動作について説明する。説明を簡単にするため素
子アンテナA1,A2,…,AN,B1,B2,…,BN間隔dで直線的に
配列されているものとする。今、ビーム走査角をθ
する移相器Pa1,Pa2,…,PaNおよび移相器Pb1,Pb2,…,PbN
には第(1a)式および第(1d)式で示される移相量qan
(n=1〜N)および移相量qbn(n=1〜N)をそれ
ぞれ与える。
qan=−jkdn sinθ …(1a) qbn=jkdn sinθ …(1b) ここでdnはn番目素子と第3図に示す基準位置との距
離である。次に合成器Gaは移相器Pa1,Pa2,…,PaNの出力
信号を合成する。同様に合成器Gbは移相器Pb1,Pb2,…,P
bNの出力信号を合成する。合成器Gaの出力信号をSaと
し、合成器Gbの出力信号をSbとする。ハイブリッド回路
Hは、信号Sa,Sbを入力し演算手段H1によって和信号AS
および差信号Adを算出し、出力端子Σ,Δからそれぞれ
第(2a)式および第(2d)式で表される信号AS,Adを出
力する。
AS=Sa+Sb …(2a) Ad=Sa−Sb …(2b) ビーム走査角θを変えたときの信号AS,Adの電力値
の変化を第4図に示す。ここで、電波の到来方向をθ
とすると、θ=θで信号ASのレベルが最大になり、
信号Adのレベルが最小になる。従って、移相器Pa1,Pa2,
…,PaN,Pb1,Pb2,…,PbNの設定を第(1a)式および第(1
b)式のθの値に応じて変化させ、|AS|/|Ad|の値が最
大となるθの値を求めれば、検出手段R1により電波の
到来方向を検出することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のモノパルスアンテナは上述したように構成され
ており、ここで備えられる通常の移相器としてはデジタ
ル移相器が使用され、そのデジタル移相器がnビット移
相器の場合、最小移相量Pminは Pmin=360゜/2n …(3) となる。例えば5ビット移相器の場合、Pmin=11.25゜
となる。したがって移相器の設定位相が離散的に変化す
るため、ビーム走査角θの微小な変化に対しては、上
記設定移相が変化しない。即ち、θからθ+Δにビ
ーム走査角を変えても移相器の設定位相の変化量が小さ
く、±(Pmin/2)以下の場合には実際にビームが走査で
きないことになる。
そこで、上記のような問題点を解消するために例えば
特開昭55−49001号公報に示された従来のアンテナ・シ
ステムが知られている。この従来のアンテナ・システム
においては、位相の設定変更を必要とする移相器の個数
を選択する手段と、選択された移相器を第(3)式で示
した最小移相量Pminだけ変える移相量設定手段とを設け
て、ビーム走査方向の設定精度を上げる構成が示されて
いるが、この構成においては、ビームの走査きざみは小
さくなるが、移相器の移相変化量が最小移相量Pminと範
囲内では一定量であるため、ビーム走査範囲が限られ、
又設定変更する素子の個数が多くなると精度が劣化する
という問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、ビーム走査範囲をきめ細かくし、ビーム走
査方向の設定精度の向上を図り、これにより到来電波の
方向を精度良く検出できるアンテナ・システムを得るこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るアンテナ・システムは、素子アンテナ
C1,C2,…,CLa,D1,D2,…,DLbを複数個の素子アンテナA1
〜AN,B1〜BNの中から選択する素子選択手段(素子選択
回路1)と、上記選択された素子アンテナC1,C2,…,CL
a,D1,D2,…,DLbに接続された移相手段(移相器PC1,PC2,
…,PCLa,Pd1,Pd2,…PdLb)の設定位相を制御する選択素
子位相手段(選択素子位相制御回路2)とを備え、上記
素子選択手段は、次式、 (但し、上式において、Δθは、演算手段の出力信号
である和信号と差信号の差を最小にする観測角θの方向
をθ=θ+Δθとした場合の微小変位角である。ま
た、Eiaはグループ分けされたあるグループaのi番目
素子アンテナ固有の素子電界、Eibはグループ分けされ
た他のグループbのi番目素子アンテナ固有の素子電
界、φiaは上記あるグループaのi番目素子アンテナの
設定位相、φibは上記他のグループbのi番目素子アン
テナの設定位相、La,Lbは各グループa,b内で選択する素
子アンテナの個数、Kは波数、Eiはi番目素子アンテナ
固有の素子電界、Xiはある基準位置からi番目の素子ア
ンテナまでの変位、Nは選択する素子アンテナの個数を
示す。)によって素子を選択し、上記選択素子位相制御
手段は、上式によって設定位相を設定することを特徴と
するものである。
〔作用〕
素子選択手段(素子選択回路1)は、素子アンテナC
1,C2,…,CLa,D1,D2,…,DLbを複数個の素子アンテナA1〜
AN,B1〜BNの中から選択する。選択素子位相制御手段
(選択素子位相制御回路2)は、選択された素子アンテ
ナC1,C2,…,CLa,D1,D2,…,DLbに接続された移相手段
(移相器PC1,PC2,…,PCLa,Pd1,Pd2,…,PbLb)の設定位
相を制御する。上式により、素子選択手段及び選択素子
位相制御手段は、素子アンテナの個数及び移相設定量を
変えることが可能で、移相設定精度を向上できる。
〔発明の実施例〕
第1図はこの発明の一実施例に係るモノパルスアンテ
ナ(アンテナ・システム)の構成を示すブロック図であ
る。第1図において、第3図に示す構成要素を対応する
ものには同一の符号を付し、その説明を省略する。第1
図において、1はビーム走査角い応じて必要な数の例え
ば素子アンテナC1,C2,…,CLa,D1,D2,…,DLbを複数個の
素子アンテナA1〜AN,B1〜BNの中から選択する素子選択
手段としての素子選択回路、2は選択された素子アンテ
ナC1,C2,…,CLa,D1,D2,…,DLbに接続された移相器PC1,P
C2,…,PCLa,Pd1,Pd2,…,PdLbの設定位相を、ビーム走査
角、グループ内の素子アンテナの個数および素子アンテ
ナの電界強度に基づいて制御する選択素子位相制御手段
としての選択素子位相制御回路である。なお、上記グル
ープとは、合成器Gaに接続された移相器Pa1〜PaNおよび
素子アンテナA1〜ANの一方のグループと、合成器Gbに接
続された移相器Pb1〜PbNおよび素子アンテナB1〜BNの他
方のグループをいう。3は素子選択回路1および選択素
子位相制御回路2から成る精密ビーム制御回路である。
第1図の説明では、素子選択回路1によって、素子アン
テナA1〜ANの中から素子アンテナC1〜CLaが選択され、
素子アンテナB1〜BNの中から素子アンテナD1〜DLbが選
択されているものとする。
次にこの発明の動作を説明する。第1図において、素
子アンテナA1,…,ANと素子アンテナB1,…,BNとが対称な
構造になっているとき、ハイブリッド回路HのΔ端子の
出力信号Adは第(4)式で表される。
ここでXiはi番目素子アンテナの基準位置からの変
位、kは波数、φ1iは素子アンテナB1,…,BNの設定位
相、φ2iは素子アンテナA1,…,ANの設定位相、θは観測
角、Eiはi番目素子アンテナの固有の素子電界である。
上記第(4)式の演算は演算手段H1で行われる。
上記出力信号Adを最小にする観測角θの方向をθ=θ
+Δθとすると sinθ−sinθ=cosθΔθ …(5) の関係がある。ここでφ1i2i,Δθが小さいと仮定す
ると出力信号Adは近似的に次のように表される。
これにより、ビーム方向の変位Δθは次式で表され
る。
従ってθからΔθだけビームを変位するには を満足するように、素子アンテナA1,A2,…,ANの中からL
a個の素子アンテナC1,C2,…,CLaを素子選択回路1によ
って選択し、上記素子アンテナC1,C2…,CLaに接続され
た移相器PC1,PC2,…,PCLaの設定位相をφ1112,…,
φ1Laとし、素子アンテナB1,B2,…,BNの中からLb個の素
子アンテナD1,D2,…,DLbを選択する。選択素子位相制御
回路2は、上記素子アンテナD1,D2,…,DLbに接続された
移相器Pd1,Pd2,…,PdLbの設定位相をφ2122,…,φ
2Lbとすれば、ビーム方向は変位Δθsで走査される。
ここで、上記の選択素子アンテナC1,C2,…,CLa,D1,D2,
…,DLbはビーム走査範囲および走査きざみから予め決定
することも可能であるので、上記素子アンテナC1〜CLa,
D1〜DLbに接続された移相器PC1〜PCLa,Pd1〜PdLbの位相
設定の精度を他の移相器よりビームを正確に走査するこ
ともできる。したがって、受信機Rの検出手段R1は電波
の到来方向を精度良く検出することができる。
このように上記実施例によれば、選択された素子アン
テナの位相を第(1)式に示すような通常のビーム走査
位相とは別に設定することにより、ビームが強制的に切
り換わり、ビーム走査が正確に行うことができ、また、
第2図のフローチャートに示すように第(8)式によっ
て素子アンテナを選択し(ステップS1)、第(8)式に
よって素子アンテナの個数および移相設定量φ1ia
2ibを変えることにより(ステップS2)、従来例(特開
昭55−49001号公報)よりも移相設定精度が向上する。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、素子アンテナの個数及
び移相設定量を変えることが可能で、一部の素子アンテ
ナの位相を通常のビーム走査に対応した設定量とは別に
変えることができ、これによりビーム走査範囲がきめ細
かくなり、したがってビーム走査方向の設定精度が向上
し、到来電波の方向を精度良く検出できるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係るアンテナ・システム
の構成を示すブロック図、第2図はこの実施例の動作を
説明するためのフローチャート、第3図は従来のアンテ
ナ・システムの構成を示すブロック図、第4図は従来例
および実施例におけるハイブリッド回路の出力を示す図
である。 A1〜AN,B1〜BN……素子アンテナ、C1〜CLa,D1〜DLb……
選択された素子アンテナ、Pa1〜PaN,Pb1〜PbN……移相
器(移相手段)、PC1〜PCLa,Pd1〜PdLb……選択された
移相器、Ga,Gb……合成器(合成手段)、H1……演算手
段、R1……検出手段、1……素子選択回路(素子選択手
段)、2……選択素子位相制御回路(選択素子位相制御
手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−275207(JP,A) 特開 平2−141033(JP,A) 特公 昭55−37881(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の素子アンテナと、上記素子アンテ
    ナにそれぞれ接続されビームの相対的な位相を設定する
    複数個の移相手段と、上記素子アンテナを含み上記移相
    手段を偶数個にグループ分けし、このグループ分けされ
    た各移相手段から出力された信号を合成する偶数個の合
    成手段と、上記各合成手段の出力信号の和をとった和信
    号と出力信号の差をとった差信号とを出力する演算手段
    と、この演算手段から出力された和信号と差信号とによ
    って到来電波の方向を検出する検出手段とを備えたアン
    テナ・システムにおいて、素子アンテナを上記複数個の
    素子アンテナの中から選択する素子選択手段と、上記選
    択された素子アンテナに接続された移相手段の設定位相
    を制御する選択素子位相制御手段とを備え、 上記素子選択手段は、次式、 によって素子を選択し、上記選択素子位相制御手段は、
    上式によって設定位相を設定することを特徴とするアン
    テナ・システム。 (但し、上式において、Δθは、演算手段の出力信号
    である和信号と差信号の差を最小にする観測角θの方向
    をθ=θ+Δθとした場合の微小変位角である。ま
    た、Eiaはグループ分けされたあるグループaのi番目
    素子アンテナ固有の素子電界、Eibはグループ分けされ
    た他のグループbのi番目素子アンテナ固有の素子電
    界、φiaは上記あるグループaのi番目素子アンテナの
    設定位相、φibは上記他のグループbのi番目素子アン
    テナの設定位相、La,Lbは各グループa,b内で選択する素
    子アンテナの個数、Kは波数、Eiはi番目素子アンテナ
    固有の素子電界、Xiはある基準位置からi番目の素子ア
    ンテナまでの変位、Nは選択する素子アンテナの個数を
    示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5549001A (en) * 1978-10-05 1980-04-08 Nec Corp Electronic scanning antenna
JPH0682965B2 (ja) * 1986-07-14 1994-10-19 三菱電機株式会社 アンテナ装置
JPS63157507A (ja) * 1986-12-22 1988-06-30 Mitsubishi Electric Corp アンテナ装置

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