JP2624308B2 - 高度に抑制しうる発現制御配列 - Google Patents

高度に抑制しうる発現制御配列

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高効率で、かつ高度の抑制が可能な発現制
御配列類、これらの発現制御配列を含有する発現ベクタ
ー類、これらの発現ベクターにより形質転換された微生
物類、及び組換えDNA技術によるそれらの製造方法に関
する。また、本発明は、これらの高度に抑制可能な発現
制御配列、発現ベクター及び形質転換微生物による原核
及び真核性蛋白質類(Pro−and eukaryotic proteins)
の製造方法に関する。
宿主細胞中での蛋白質の産生レベルは、3種の主要な
印紙:細胞内の構造遺伝子のコピー数、該構造遺伝子コ
ピーが転写される効率及び生じたメッセンジャーRNA(m
RNA)が翻訳される効率により決定される。転写及び翻
訳効率は、所望の構造遺伝子またはコード配列の前方に
通常位置しているヌクレオチド配列類に順次依存する。
これらのヌクレオチド配列(発現制御配列)は、なかん
ずく転写開始のためにRNAポリメラーゼがプロモーター
配列に結合する位置〔The EMBO Journal5,2995−3000
(1986)参照〕及び翻訳開始のためにリボゾームが結合
し、mRNA(転写の生成物)と相互作用する位置を定め
る。
すべての発現制御配列が同じ効率を有しているのでは
ない。従って、高い発現率を得るためには所望の蛋白質
に対する特定のコード配列を、その隣接するヌクレオチ
ド配列から分離し、そして他の発現制御配列にそれを連
結することがしばしば有利となる。これを完了した後、
新たに結合されたDNA断片は、細胞内で構造遺伝子のコ
ピーを増大させるために、コピー数の多いプラスミドま
たはバクテリオファージの誘導体中に挿入され、これに
よって同時に所望の蛋白質の収率を改善することができ
る。
通常非毒性の遺伝子産生物の過剰な産生は、宿主細胞
に対してしばしば有害であり、固有の宿主−ベクター系
の安定性を低下させるので、クローン化遺伝子の転写及
び翻訳効率の改善に加えて、発現制御配列は、微生物の
育生期間中、発現の調節ができるように調節可能でなけ
ればならない。調節可能な発現制御配列として考慮され
るものは、該発現制御配列によって所望の蛋白質の多量
の発現を有利にするために、例えば宿主細胞を増殖して
いる間はスイッチを切ることができ、次いで所望の時点
で再びスイッチを入れることができる。
前述の条件を満足する種々の発現制御配列が、所望の
蛋白質をコードするDNA配列及び遺伝子の発現のために
用いられてきた。かかる発現制御配列は、例えばScienc
e 198,1056−1063(1977)(Itakuraらによる)、Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A.76,106−110(1979)(Goeddelら
による)、Nature 283,171−174(1980)(Emtageらに
よる)、Science 205,602−607(1979)(Martialらに
よる)、Gene 5,59−76(1979)(Bernardらによる)、
Gene 25,167−178(1983)(Ammannらによる)、Proc.N
atl.Acad.Sci.U.S.A.80,21−25(1983)(dc Boerらに
よる)及びヨーロッパ特許出願公開番号第41767号及び
第186069号により知られている。
本発明によると、高効率で、かつ高度に抑制し得る発
現制御配列が、低シグナル強度及び高イン・ビボ・プロ
モーター強度を有するプロモーター配列類と、高会合速
度(Kass)を有するオペレーター/リプレッサー系との
組合せにより得られることが見出された。これらの発現
制御配列は、公知の発現制御配列に対し、第1にはそれ
らが1000倍以上抑制可能であること及び誘発後は理想的
な生育温度において高いRNA合成速度(>10PbLa単位)
をもたらすことによって区別される。
従って、本発明は、約1・106−1.5・108M-1・sec-1
の低シグナル強度及び10−100PbLa単位の高イン・ビボ
・プロモーター強度を有するプロモーター配列類と、約
1・108−1・1011M-1・sec-1の高会合速度を有し、100
0より高い抑制率を生じるオペレーター/リプレッサー
系とを組合せてなることを特徴とす発現制御配列に関す
る。
プロモーターのシグナル強度は、プロモーターとRNA
ポリメラーゼとの間の会合速度(Kass)により特定され
る。本発明による発現制御配列におけるプロモーター配
列のシグナル強度としては、約1・106−1.5・108M-1
sec-1のKass値が考慮され、従ってより好ましいKass
は6・107M-1・sec-1である。Kass値は、実施例3に記
載するように測定される。
イン・ビボ・プロモーター強度は、個々のプロモータ
ー配列により仲介されるRNA合成速度によって定義さ
れ、PbLa単位をもって測定される。これに関しては、De
uschleらの文献〔The EMBO Journal 5,2987−2994(198
6)〕を参考にすることができる。本発明による発現配
列の高イン・ビボ・プロモーター強度としては、RNA合
成速度が10−100、好ましくは20PbLa単位より大きいも
のが考慮される。
オペレーター/リプレッサー系の会合速度(Kass
は、リプレッサーがオペレーターに結合する速度を示
す。本発明による発現制御配列のオペレーター/リプレ
ッサー系については、Kass値が約1・108−1・1011M-1
・sec-1が考慮され、従ってlac−オペレーター/リプレ
ッサー系〔Biochemistry 25,3845−3852(1986)〕に対
して記載されているKass値2・109M-1・sec-1が特に好
ましい。
本発明による発現制御配列のプロモーター配列として
は、例えばE.coli等のグラム陰性微生物由来、例えばB.
subtilis及びB.stearothermophilis等のグラム陽性微生
物由来ならびに対応するファージ由来の天然のプロモー
ター配列及び変異または合成により特異的に変更を受け
た機能的変異体ならびにこれらのプロモーター配列の組
み合わせが考慮される。本発明による発現制御配列の好
ましいプロモーター配列は、T−コリファージ類由来の
もので、T7A1プロモーター〔そのヌクレオチド配列は、
第8図に示され、これを以下A1プロモーター(PA1)と
して示す〕が特に好ましい。
オペレーター/リプレッサー系としては、化学誘発剤
により直接的に誘発可能であり、天然の状態または対応
する変化(例えば変異)の後に抑制率が1000より大であ
るすべての系が考慮され、これらの直接誘発可能な系
は、SOS機能(lexA/recA系)により、または温度により
誘発可能な系、例えばPLオペレーター/リプレッサー系
ではないものと理解される。化学的誘発により直接制御
可能な系は、例えばラクトース、ガラクトース、トリプ
トファン及びテトラサイクリン・オペロンの制御単位な
らびに他の消極的に制御可能なオペロン、すなわち、オ
ペレーター/リプレッサー反応を通して調節可能なオペ
ロンに属している。これに関しては、Miller及びReznik
offの文献(“The operon"、Cold Spring Harbor Labor
ator、1980)に加え、Hillenらの文献〔J.Mol.Biol.17
2,185−201(1984)〕を参考にすることができる。特に
好ましいオペレーター/リプレッサー系は、天然のlac
−オペレーター/リプレッサー系(Miller及びReznikof
fの前出文献)及び先に記載したオペレーター/リプレ
ッサー系の変異物で、変異または合成により特異的に変
形され、1000より大なる抑制因子を許容するものであ
る。“抑制率”なる用語は、誘発剤の存在及び非存在下
におけるイン・ビボ・プロモーター強度の商を示してい
る。
本発明による発現制御配列の製造は、それ自体公知で
あって文献に記載されている組換えDNA技術によって行
なうことができる。これに関しては、Maniatisらの文献
(“Molecular Cloning"Cold Spring Harbor Laborator
y、1982)を参考にすることができる。
低シグナル強度及び高イン・ビボ・プロモーター強度
を有するプロモーター配列は、1またはそれ以上のオペ
レーター/リプレッサー系と融合して本発明による発現
制御配列を与えることができる。単一のオペレーター/
リプレッサー系を使用する場合には、これを低シグナル
強度及び高イン・ビボ・プロモーター強度を有するプロ
モーター配列の内部または外部に配置することができ
る。従って、オペレーター/リプレッサー系は、プロモ
ーター配列中に組込まれ、種々の位置においてそれを部
分的に置換し、先行し、または継続することが可能であ
る。好ましくは、オペレーター/リプレッサー系は、プ
ロモーター配列中に組込まれ、かくして特に好ましい組
込み位置は、−12位と−29位(第8図中の名称)の間の
スペーサー領域となる。2種のオペレーター/リプレッ
サー系を使用する場合は、両者を低シグナル強度及び高
イン・ビボ・プロモーター強度を有するプロモーター配
列の内部若しくは外部に配置するか、または、一方を低
シグナル強度及び高イン・ビボ・プロモーター強度を有
するプロモーター配列の内部に配置し、他方を外部に配
置することができる。好ましくは、一方をスペーサー領
域に組込み、他方を5′−位の上流側に組込んで、オペ
レーター/リプレッサー系の2つのオペレーター配列の
間にリプレッサー結合により、最大の協同性を得るよう
にして、これにより約30,000に達する抑制因子を得るこ
とができる。
本発明の好ましい発現制御配列は、化学DNA合成によ
り得られ、それによりlac−オペレーター配列の機能的
部分は、T7A1プロモーター配列の機能的部分と連結され
た。かくして得られた好ましい発現制御配列AlOSAl、Al
OPSAlOP21、AlOPSAlOP29、AlpOPSAL及びOPAlOPSAlの構
築は、以下の実施例2に詳細に記載されている。これら
の発現制御配列のヌクレオチド配列は、第5図及び第9
図にそれぞれ示されており、また特徴的性質は、第8表
にまとめられている。
前記lac−オペレーター配列は、lac−リプレッサーに
より消極的に制御される。細胞内に充分な量のリプレッ
サー分子を得るためには、例えばlacIq遺伝子の組込み
〔Miller及びReznikoffの前出文献、CalosのNature 27
4,762−765(1978)〕等の公知の方法によりベクターま
たは細菌の染色体において相当する遺伝子を過剰に発現
させることができる。
本発明による発現制御配列は、グラム陰性及び/また
はグラム陽性菌中で複製可能な適当な発現ベクター中に
それ自体公知の方法で挿入することができる。適当なベ
クターは、染色体、表染色体及び合成DNA配列の分節、
例えば種々の公知のプラスミド及びファージDNA類から
構築することができる。これに関しては、前記Maniatis
らの文献を参照することができる。特に適当なベクター
は、pDS系のプラスミド類〔BujardらのMethod in Enzym
ology,Wu及びGrossmann編、Academic Press社、Vol.15
5,416−433(1978)〕である。
しかしながら本発明による発現制御配列は、グラム陰
性及びグラム陽性菌の染色体に挿入することもでき、か
くしてベクターによる作業の際に要した抗生物質等の選
択剤を廃止することができる。
本発明による発現制御配列を用いて発現し得る適切な
DNA配列としては、イン・ビボまたはイン・ビトロにお
いて原核または真核性蛋白質をコードするものが考慮さ
れうる。例えば、このようなDNA配列は、酵素、ホルモ
ン、免疫制御、抗ウイルスまたは抗腫瘍活性を有する蛋
白質、抗体、抗原及び他の有用な原核または真核性蛋白
質をコードし得る。
本発明による発現制御配列を用いて発現し得る蛋白質
としては、例えば、マラリア表面抗原、特に5.1表面抗
原、Plasmodium falciparumのCS蛋白質及びp190蛋白
質、リンホカイン類、インターフェロン類、インシュリ
ン及びインシュリン前駆体、HIV1及び2のエンベロープ
及び構造蛋白質、成長ホルモンならびに成長ホルモン分
泌因子が考慮されうる。
発現ベクターに挿入され、原核または真核性蛋白質を
コードするDNA配列を、本発明による発現制御配列を用
いて発現させる方法は、それ自体公知であり、前記Mani
atisらの文献に記載されている。それらは、次の工程か
らなる: (a)好適な細菌、有利にはE.coli、Salmonella typhi
muriumまたはB.subtilisの、所望の原核または真核性蛋
白質をコードするDNAが前記発現制御配列に有効に連結
されている発現ベクターによる形質転換; (b)かくしてえ得られ細菌の好適な生育条件下での培
養; (c)所望の蛋白質の単離、及び要すれば精製。
細菌、有利にはE.coli、Salmonella typhimuriumまた
はB.subtilisの染色体に挿入される本発明による発現制
御配列を用いた原核または真核性蛋白質をコードするDN
A配列の発現は、次の工程により行なえる: (a)所望の原核または真核性蛋白質のコード配列と有
効に結合される前記発現制御配列の、好適な細菌染色体
への挿入; (b)かくして得られた細菌の好適な生育条件下での培
養; 及び (c)所望の蛋白質の単離、及び要すれば精製。
適切な宿主生物の選択は、当業者に知られた種々の因
子により定められる。かくして、例えば選択したベクタ
ーとの適合性、発現生成物の毒性、発現の特性、生物学
的安全処置の必要性及び費用が役割を演じ、かつこれら
のすべての因子間での妥協点が見出されなければならな
い。
適切な宿主生物としては、グラム陰性及びグラム陽性
宿主生物、例えばE.coli、Salmonella typhimurium及び
B.subtilisの株類が考慮される。E.coli株M15は、本発
明において特に好ましい宿主生物である。しかしながら
前記E.coli株とは別に、他の一般に入手可能なE.coli株
類、例えばE.coli294(ATCC No.31446)、E.coli RRl
(ATCC No.31343)及びE.coli W3110(ATCC No.27325)
もまた使用することができる。
以下の実施例は、本発明のより良い理解に役立つ。こ
れらの実施例は、添付された図面及び表と関連させて読
むことにより、より良く理解されるであろう。以下の略
号及び記号がこれらの図面及び表中に示されている: B、C、E、H、Ha、K、P、Sa、X及びXbは、それ
ぞれ制限エンドヌクレアーゼBamHI、ClaI、EcoRI、Hind
III、HpaI、KpnI、PstI、SalI、XhoI及びXbaIの切断部
位を示している。
は、遺伝子bla、lacI及びneoのプロモーター類を示し; は、遺伝子bla、cat、neo、lacI及びlacZのリボゾーム
結合部位を示し; は、ターミネーターt0、T1及びTEを示し、矢印はターミ
ネーターの機能的配向を示し; は、発現制御配列AlOPSAl、lacOP29及びPN25を示し; は、発現制御配列OPAlOPSAl中のオペレーターOPを示
し; は、複製に必要な領域(repl.)を示し; は、ジヒドロ葉酸塩還元酵素(dhfr)クロラムフェニコ
ール・アセチルトランスフェラーゼ(cat)、lacリプレ
ッサー(lacI)、β−ラクタマーゼ(bla)、β−ガラ
クトシダーゼ(lacZ)及びネオマイシン・ホスホトラン
スフェラーゼ(neo)に対するコード領域を示す。
第1図 プラスミドpDS1,t01+の図式的表示及びヌクレオチド
配列。該プラスミドは、第1a図に図式的に示されてい
る。ヌクレオチド配列(第1b図)において、図式的表示
で与えられた制限エンドヌクレアーゼの認識部位には上
線が付され、一方、β−ラクタマーゼ(bla)及びジヒ
ドロ葉酸塩還元酵素(dhfr)のコード領域にはそれぞれ
下線が付されている。
第2図 プラスミドpDS3の図式的表示及びヌクレオチド配列。
該プラスミドは、第2a図に図式的に示されている。ヌク
レオチド配列(第2b図)において、図式的表示で与えら
れた制限エンドヌクレアーゼの認識部位には上線が付さ
れ、一方、β−ラクタマーゼ(bla)及びジヒドロ葉酸
塩還元酵素(dhfr)のコード領域にはそれぞれ下線が付
されている。
第3図 プラスミドpML3/lacOP29の図式的表示及びヌクレオチ
ド配列。該プラスミドは、第3a図に図式的に示されてい
る。知られている限りを与えられているヌクレオチド配
列(第3b図)において、図式的表示において与えられた
制限エンドヌクレアーゼの認識部位には上線が付され、
一方、β−ラクタマーゼ(bla)、lac−リプレッサー
(lacI)及びβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)のコード領
域にはそれぞれ下線が付されている。
第4図 プラスミドpDMI,1の図式的表示及びヌクレオチド配
列。該プラスミドは、第4a図に図式的に示されている。
ヌクレオチド配列(第4b図)において、図式的表示で与
えられた制限エンドヌクレアーゼの認識部位には上線が
付され、一方、ネオマイシン・ホスホトランスフェラー
ゼ(neo)及びlac−リプレッサー(lacI)のコード領域
にはそれぞれ下線が付されている。
第5図 発現制御配列lacOP29(a)、tacOP29(b)、N25OPS
N25OP29(c)、AlOPSAl(d)、AlOPSCONAl(e)、Al
pOPSAl(f)、OPUAl(g)、OPUAlCON(h)、AlOPSAl
OP21(i)及び AlOPSAlOP29(j)をそれぞれ有する
XhoI−EcoRI断片のヌクレオチド配列。これらの配列
において、PNA合成が始まるヌクレオチド(+)及び−1
0位と−35位との領域には下線が付され、一方、lac−オ
ペレーター配列には上線が付されている。
第6図 プロモーターPN25を有するEcoRI断片のヌクレオチド
配列。該配列において、RNA合成が始まるヌクレオチド
及び−10位と−35位との領域には下線が付されている。
第7図 発現制御配列N25*/0及びN25OPSN25をそれぞれ有するX
hoI−EcoRI断片のヌクレオチド配列。これらの配列にお
いて、RNA合成が始まる各ヌクレオチド及び−10位と−3
5位との領域には下線が付され、一方、lac−オペレータ
ー配列には上線が付されている。
第8図 プロモーターPA1を有するXhoI−EcoRI断片のヌクレオ
チド配列。該配列において、RNA合成が始まるヌクレオ
チド(+1位)及び−10位と−35位周辺の領域には下線
が付されている。
第9図 発現制御配列OPAlOPSAlを含むSalI−EcoRI断片のヌク
レオチド配列。該配列において、RNA合成が始まるヌク
レオチド及び−10位と−35位周辺の領域には下線が付さ
れ、一方、lac−オペレーター配列には上線が付されて
いる。
第10図 プラスミドpDS1/PN25,t01+の図式的表示。プロモー
ターPN25からの転写は時計回り方向である。
第11図 プラスミドpDS3/AlOPSAlの構築の図式的表示。該発現
制御配列A1OPSA1からの転写は、時計回り方向である。
第12図 プラスミドpDS3/OPAlOPSAlの構築の図式的表示。転写
が時計回り方向である発現制御配列OPAlOPSAlを有するS
alI−EcoRI断片のヌクレオチド配列は、第9図に与えら
れている。
第13図 プラスミドpML3/AlOPAlの構築の図式的表示。該構築
において、発現制御配列lacOP29を含むプラスミドpML3/
lacOP29のXhoI−EcoRI断片は、発現制御配列AlOPSAlを
含む相当するXhoI−EcoRI断片で置換されている。
第14図 プラスミドpML3/OPAlOPSAlの構築の図式的表示。該プ
ラスミドの構築には3種のDNA断片:発現制御配列OPAlO
PSAlを含むpDS3/OPAlOPSAl由来のSalI−EcoRI断片、lac
Z遺伝子の部分を含むpML3/lacOP29由来のEcoRI−ClaI断
片及びpML3/lacOP29由来の大きい方のClaI−XhoI断片を
使用した。この構築において、SalI及びXhoIに対する切
断部位を互いに連結し、これによって両切断部位を破壊
した。
第15図 活性RNAP濃度0.42nM及びプロモーター濃度0.02nMにお
けるRNAP及びプロモーターPN25の複合体(complex)形
成の時間依存的進行。
第16図 反応時間の関数としての式−ln〔(A0−X)/A0〕の
活性RNAP濃度0.42nM及びプロモーターPN25濃度0.02nMに
おけるグラフ的表示。
第17図 プロモーター濃度0.02nMならびに活性RNAP濃度0.32nM
(実験2)及び0.15nM(実験3)のそれぞれにおけるRN
APとプロモーターPN25との複合体形成の時間依存的進行
のグラフ的表示。
第18図 反応時間の関数としての式−ln〔(A0−X)/A0〕の
プロモーター濃度0.02nMならびに活性RNAP濃度0.32nM
(実験2)及び0.15nM(実験3)のそれぞれにおけるグ
ラフ的表示。
第19図 プロモーターPN25を内部標準としたプロモーターPA1
に対する複合体形成速度の決定:−ln〔(B0−Y)/
B0〕が−ln〔(A0−X)/A0〕に対してプロットされて
いる。
第20図 プロモーターPA1を内部標準とした発現制御配列AlOPS
Alに対する複合体形成速度の決定:−ln〔(B0−Y)/
B0〕が−ln〔(A0−X)/A0〕に対してプロットされて
いる。
第21図 β−ガラクトシダーゼ単位のPbLa単位への変換因子の
決定:発現制御配列tacOP29、N25OP29、OPUAl及びOPUAl
CONの制御下におけるβ−ガラクトシダーゼ単位が対応
するPbLa単位に対してプロットされている。
実施例1 使用プラスミドの記載 A.基本的事項 プラスミドpDS1,t01+(第1図)、pDS3(第2図)、p
ML3/lacOP29(第3図)及びpDMI,1(第4図)を発現制
御配列の製造及びそれらの性質の特徴付けに用いた。こ
れらのプラスミドにより形質転換されたE.coli細胞は、
ゲッチンゲンのDeutschen Sammlung von Mikroorganism
en(DSM)にブダペスト条約に基づき、1984年12月11日
付〔E.coliM15(pDS1,t01+),DSM No.3135〕、1985年10
月3日付〔E.coli M15(pDS5/RBSII,3A+5A;pDMI,1),D
SM No.3517〕及び1987年8月5日付〔E.coli M15(pDS
3),DSM No.4198;E.coli M15(pML3/;lacOP29),DSM N
o.4199〕で寄託されている。
B.プラスミドpDS1,t01+ 制限エンドヌクレアーゼXbaI及びEcoRIの切断部位、
ならびに複製領域及び細胞にアンピシリン耐性を付与す
るβ−ラクタマーゼ遺伝子の間にあるpDS1,t01+(第1
図)の部分は、プラスミドpBR322〔Bolivarらの、Gene
2,95−113(1977);Sutcliffeの、Cold Spring Harbor
Symp.Quant.Biol.43,77−90(1979)〕から誘導され
る。該プラスミドの残りの部分は、制限エンドヌクレア
ーゼXhoI、EcoRI及びBamHIの切断部位、それに続くマウ
ス細胞株AT−3000のジヒドロ葉酸塩還元酵素の遺伝子
〔ChangらのNature 275,617−624(1978);Mastersらの
Gene 21,59−63(1983)〕、E.coliファージ・ラムダの
ターミネーターt0〔SchwarzらのNature 272,410−414
(1978)〕及びクロラムフェニコール・アセチルトラン
スフェラーゼのプロモーターを欠損した遺伝子(Marcol
iらのFEBS Letters,110,11−14(1980)〕を有してい
る。
C.プラスミドpDS3 プラスミドpDS3(第2図)は、プラスミドpDS1,t01+
とは、一方では種々の制限エンドヌクレアーゼの切断部
位のほかにE.coli rrnBオペロンのターミネーターT1〔B
rosiusらのJ.Mol.Biol.148,107−127(1981)〕を有す
る領域において、他方ではクロラムフェニコール・アセ
チルトランスフェラーゼの遺伝子内に制限エンドヌクレ
アーゼEcoRIの切断部位が存在しない点において異なっ
ている。
D.プラスミドpML3/lacOP29 制限エンドヌクレアーゼSalI及びEcoRIの切断部位、
ならびに複製領域及びβ−ラクタマーゼ遺伝子の間にあ
るpML3/lacOP29(第3図)の部分は、プラスミドpBR322
(Bolivarらの前出文献、Sutcliffeの前出文献)から誘
導される。該プラスミドの残りの部分は、lac−リプレ
ッサーをコードする完全なlacI遺伝子〔Faraboughの、N
ature 274,765−769(1978)〕に加え、E.coliファージ
T7のターミネーターTE(Dunn及びStudierの、J.Mol.Bio
l.166,477−535(1983)〕、発現制御配列lacOP29(実
施例2参照)及びβ−ガラクトシダーゼのプロモーター
を欠損した遺伝子(Kalninsらの、EMBO J.2,593−597
(1983)〕を有している。
E.プラスミドpDMI,1 プラスミドpDMI,1(第4図)は、E.coli細胞類にカナ
マイシン耐性を付与するトランスポゾンTn5由来のネオ
マイシン・フォスフォトランスフェラーゼの遺伝子〔Be
ckらの、Gene 19,327−336(1982)〕及びlac−リプレ
ッサーをコードし、プロモーターの変異Iq(CalosのNat
ure 274,762−765(1978)〕を有するlacI遺伝子(Fara
bough,前出文献)を有している。更に、プラスミドpDM
I,1は、複製及びドーター(daughter)細胞への安定な
伝達に要するすべての情報を含むプラスミドpACYC184
〔Chang及びCohenの、J.Bacteriol.134,1141−1156(19
78)〕の領域を含んでいる。プラスミドpDMI,1は、前述
したプラスミド類及びそれらの誘導体と交換可能であ
る。
実施例2 発現制御配列の製造及びクローニング A.基本的事項 発現制御配列の製造後、それらを、性質の特徴付けの
ために適当なプラスミド類中に組込んだ。
B.発現制御配列の製造 1.発現制御配列lacOP29、tacOP29、AlOPSCONAl、OPUA
l、OPUAlCON、N25OPSN25OP29、PA1、AlOPSAl、AlpOPSA
l、AlOPSAlOP21及びAlOPSAlOP29 これらの発現制御配列の製造のために、最初単鎖DNA
断片を化学的に合成した〔Bannwarth及びIaizaの、DNA
5,413−419(1986)〕。次いで、これらの断片を、文献
(Maniatisらの前出文献)記載の方法に従ってハイブリ
ッド化し、連結した。かくして得られた2重鎖XhoI−Ec
oRI断片の配列は、対応する発現制御配列を有してお
り、それぞれ第5図及び第8図に示されている。
2.発現制御配列PN25、N25*/0及びN25OP29 発現制御配列PN25、N25*/0及びN25OP29(第6図及び
第7図)は、上記の項に記載したのと同様にして製造す
ることができる。
3.発現制御配列OPAlOPSAl 発現制御配列OPAlOPSAlの配列は、第9図に示されて
いる。その製造は、D項に記載されている。
C.プロモーターPN25のプラスミドpDS1,t01+への組込み プロモーターPN25をプラスミドpDS1,t01+(第1図)
中に、文献(Maniatisらの前出文献)記載の方法に従っ
てEcoRI断片の部分(第6図参照)として組込み、かく
してプラスミドpDS1/PN25,t01+(第10図)を得た。こ
のプラスミドは、プロモーターPN25を大量に製造するた
めの原料として使用した。
D.発現制御配列のプラスミドpDS3への組込み 発現制御配列lacOP29、tacOP29、OPUAl、OPUAlCON、P
N25、N25*/O、N25OP29、N25OPSN25OP29、PA1、AlOPSA
1、AlOPSAlOP21、AlOPSAlOP29、AlOPSCONAl及びAlpOPSA
Lを、プラスミドpDS3(第2図)中に文献(Maniatisら
の前出文献)によって公知の方法により組込んだ。この
ようなクローニングのひとつを、第11図に、発現制御配
列AlOPSAlを例として図式的に示してある。
発現制御配列OPAlOPSAlを、lac−オペレーターの回文
的な配列を含む化学合成DNA断片を、プラスミドpDS3/Al
OPSAl(第11図)のHpaI切断部位に組込むことにより製
造した(第12図)。
対応する発現制御配列を有するpDS3の誘導体類を、プ
ロモーターとRNAPとの会合速度の決定のみならず、個々
の発現制御配列のプロモーター強度の決定にも使用し
た。
E.発現制御配列のプラスミドpML3/lacOP29への組込み プラスミドpML3/lacOP29(第3図)は、制限エンドヌ
クレアーゼXhoI及びEcoRIの切断部位の間に発現制御配
列lacOP29を有している。これらのプラスミドを、文献
(Maniatisらの前出文献)記載の方法に従い、lacOP29
をそれぞれ、発現制御配列tacOP29、N25OP29、N25OPSN2
5OP29、AlOPSAl、AlOPSAlOP21、AlOPSAlOP29、AlOPSCON
Al、AlpOPSA1、OPUAl及びOPUAlCONのひとつにより置き
替えることにより製造した(第13図)。
発現制御配列OPAlOPSAlを含むプラスミドpML3/OPAlOP
SAlは、第14図に図式的に示したようにして製造した。
対応する発現制御配列を含有する、得られたpML3誘導
体類は、抑制された条件下におけるイン・ビボ・プロモ
ーター強度の測定に使用した。
実施例3 シグナル強度の測定 A.基本的事項 プロモーター及びプロモーター/オペレーター要素の
各々のシグナル強度を測定するために、まず、E.coliRN
Aポリメラーゼ(RNAP)とプロモーターPN25との間の会
合速度(Kass)を完全に測定した。次いで、残るシグナ
ルのKass値を、プロモーターPN25を内部標準として用い
て相対的な測定により測定した。
B.RNAPとプロモーターPN25におけるKassの測定 RNAPとプロモーターPN25におけるKassを、RNAP濃度と
反応時間との関数としてRNAP/プロモーター複合体(com
plex)形成を定量的に測定することに基づく、フィルタ
ー結合実験により測定した。RNAPのみならず、プロモー
ターも生物学的物質であるので、このような実験の評価
には、両反応物について活性分子濃度が既知であること
が想定される。従って、例えばRNAPについては、蛋白質
濃度ではなく、活性ポリメラーゼ分子濃度が考慮されな
ければならない。同様のことは、プロモーターPN25なら
びに非特異的結合及び会合反応の終止における競合物と
して用いられる単鎖fd−DNAについても適合する。従っ
て、Kassの測定についての実際の実験を記述する前に、
以下の複合体形成速度の論理的誘導に関する記述に従っ
てすべての反応物の生成及び分析を詳細に説明する。
1.Kassの論理的誘導 一般的な反応式、 式中、Rは、RNAPの遊離濃度を示し、 Pは、プロモーターの遊離濃度を示し、 RPは、RNAP/プロモーター複合体の濃度を示し、 Kassは、会合速度を示し、かつ Kassは、解離定数を示す。
次式は、単位時間あたりの反応の進行に適用できる。
dP/dt=−Kass×R×P+Kdiss×RP RNAP/プロモーター複合体の半減期が長い、すなわ
ち、解離定数Kdissが小さいときは、Kdiss×RPの項を無
視することができ、そして dP/dt=−Kass×R×P (1) が単位時間あたりのプロモーター濃度の変化に適用でき
る。
R及びPは、時間と共に変化する。しかしながらRNAP
が大過剰において存在する場合は、反応の時間中その濃
度は、一定(すなわちR=一定の場合、dR/dt=0)で
あるとみなすことができ、 Kass×R=m (2) が適用される。
従って、単位時間あたりのプロモーター濃度の変化に
対して((1)及び(2)式を参照): dP/dt=−m×P 又は変換して: −dP/P=m×dt が適用される。この式を積分することにより: −lnP=m×t (3) が得られる。
式(3)は、速度定数m〔1/sec〕を有する一次反応
式、すなわち、形式的には“RNAP/プロモーター複合体
中の遊離のプロモーターの分解”に対応する。この場合
Pは、時下tの時点における遊離のプロモーターの量で
ある(t=Osecに対してP=1)。この量は実験的に測
定することができる(6項参照)、A0(プロモーターの
総量)及び×(反応時間tの時点におけるRNAP/プロモ
ーター複合体の量)の知見から、いわゆる“擬一次”定
数mが3式を用いて計算することができ: P=(A0−X)/A0 また m=−ln〔(A0−X)/A0〕/t (4) が得られる。プロモーター/オペレーター複合体の形成
が、二次の2分子反応であるため、定数mは、RNAPの濃
度に依存する。これが知られている場合には、会合速度
Kassは、式 m=Kass×R (2) 及び m=−ln〔(A0−X)/A0〕/t (4) を考慮して次のように計算される: Kass×R=−ln〔(A0−X)/A0〕/t または変換して: Kass=−ln〔(A0−X)/A0〕/(t×R) (5) Kassの誘導において、逆反応、すなわちRNAP/プロモー
ター複合体の分解は無視することができる(Kdiss×RP
=0)と思われていた。このような分解は、一次反応で
あり、従って反応物の濃度に左右される。一方、会合
は、濃度依存性である。従って、Kassの測定にあたって
は、複合体の分解が無視できる期間に会合工程が起こる
ように、反応物濃度を高く選択しなければならない。こ
のことは、RNAP/プロモーター複合体類の安定性につい
ての知見を想定している。
更に、反応経過中において、遊離のRNAPの濃度は、一
定であるとみなし得ると想定した。この目的のため、RN
APは、プロモーターに対し大過剰に存在しなければなら
ず、この場合、RNAPが非特異的なDNA配列に対しても結
合し得ることを考慮しなければならない。このような非
特異的結合部位の数は、単離された小さいDNA断片上の
プロモーターを調べることによって小さく保つことがで
きる。プロモーターあたり、約10RNAP分子の過剰量によ
って、反応経過中、遊離RNAPの濃度は、一定であるとみ
なすことができる。
2.プロモーターPN25を含むプローブの製造 プラスミドpDS1/PN25,t01+(第10図)は、254bp Eco
RI断片(第6図)上のプロモーターPN25を含んでいる。
このプラスミドは、前記EcoRI断片をXhoI切断部位に隣
接している、プラスミドpDS1,t01+(第1図)のEcoRI切
断部位に組込むことによって構築した。プロモーター断
片を精製するために、まずプラスミドpDS1/PN25,t01+
を精製し(Maniatisらの前出文献)、次いでこのプラス
ミド0.5mgを制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより切断し
た。フェノール抽出及びエタノール沈澱(Maniatisらの
前出文献)の後、切断DNAをTE緩衝液(10mM トリスHC
l、1mM EDTA、pH7.6)に溶解し、試料緩衝液を加えた
後、6.%ポリアクリルアミド・ゲル中で電気泳動にかけ
た(Maniatisらの前出文献)。引き続き、プロモーター
PN25を有する断片をメスによりゲルから切り出し、DEAE
ペーパー(DE81,Whatman,英国)上で電気泳動にかけ
た。エタノール及びTE緩衝液による3重の洗浄の後、ペ
ーパーを空気中で乾燥し、その後DNAを10mMのトリスHC
l、1mMのEDTA及び1.5MのNClを含むpH7.6の緩衝液で溶離
した。得られたDNA溶液をTE緩衝液により1:3に希釈した
後、DNAをエタノールで沈澱させ、沈澱物を80%エタノ
ールで洗浄し、次いでDNAをTE緩衝液に溶解した。
このDNA溶液の濃度を、まずMahlerら〔J.Mol.Biol.9,
801−811(1964)〕により記載されているように分光学
的に測定した。次いで、DNA保存溶液の一部をTE緩衝液
で1:30に希釈し、引き続きこの希釈溶液の吸光について
TE緩衝液をブランクとして測定した。以下の値が得られ
た。
ΔE260=0.108 ΔE260/ΔE280=1.86 ΔE280=0.058 ΔE260=50μg DNA/mlである変換因子及び希釈因子を
考慮して、保存溶液について162μg/mlのDNA濃度が得ら
れる。この値は、プロモーター断片の長さ(254bp)を
考慮すると0.96pモルDNA断片/μlの濃度に対応する。
260及び280nmにおける吸光度の関係は、DNA溶液の純度
に関する主張を認める。DNA溶液の高い純度は、ΔE260
/ΔE280について得られた1.86の値から結論し得る。
DNA溶液の濃度は、また、この溶液を既知濃度(ΔE
測定)のプラスミドpDS1,t01+のRNAを含まない溶液と比
較することによって測定した。この目的のため、プロモ
ーター断片を含むDNA溶液の0.09pモルに配分したものに
それぞれ0.2、0.1、0.05及び0.025pモルの切断pDS1,t01
+プラスミドDNAを混合し、6%PAAゲル中にて特徴付け
を行なった(Maniatisらの前出文献)。得られたフェロ
グラムを密度分析的に評価し、かくしてプロモーター断
片について0.8pモル/μlの濃度を切断pDS1,t01+プラ
スミドDNAとの比較において得た。
プロモーター断片の純度を測定するために、まず0.36
pモルのこの断片をPAAゲル中で特徴付けた。エチジウム
・ブロマイドにより染色した後、不純物は検出されなか
った。更に、その断片を32Pにより放射活性的に標識化
し(下記参照)、また電気泳動的にも特徴付けた。オー
トラジオグラフィーにより、プロモーター断片のみが検
出できた。
要約すると、プロモーターPN25を有する単離したEcoR
I断片が、実質的量のRNAまたはDNAによって汚染されて
おらず、0.88±0.08pモル/μlの濃度において存在し
ていることが立証された。活性ポリメラーゼの濃度を測
定する実験(下記参照)においては、プロモーター・プ
ローブとして、プロモーターPN25を有する単離されたEc
oRI断片由来及び32Pにより放射活性的に標識化した対応
する断片由来の混合物を用いた。この放射活性的に標識
化されたDNAは、次のように製造した:ますDNAをCIP
(仔牛胸腺アルカリホスファターゼ)により脱ホスホリ
ル化し(Maniatisらの前出文献)、次いでT4−ポリヌク
レオチド・キナーゼを用いて32P(γ−32PATP、Amersha
m、3000Ci/mモル)を導入することによって標識化した
(Maniatisらの前出文献)。次いで、放射活性的に標識
化したプロモーターPN25を有するEcoRI断片をセファデ
ックス(Sephadex)G75(Pharmacia、スエーデン)上の
クロマトグラフィーにより精製した。このプローブの比
活性を測定するために、一方で放射活性を測定し、また
他方でDNA濃度を前処理され、単離されたEcoRI断片に対
して電気泳動的に測定した(上記参照)。次いで、所定
の濃度及び比活性のプロモーターPN25を有するプローブ
が、未処理及び放射活性に標識化したEcoRI断片を混合
することにより得られた。
3.単鎖 M13mp8−DNAの製造及び特徴付け 単鎖 M13mp8−DNAをRNAPのDNAに対する非特異的結合
において競合物としてのみならず、会合反応の停止にも
用いた。このDNAの製造及び特徴付けを以下に記載す
る。E.coli JM101細胞(Maniatisらの前出文献;GIBCO−
BRL,バーゼル)を0.01pモルのM13mp8− RFI−DNA(Phar
macia、スエーデン)によりMorrison〔Method of Enzmo
logy 68,326−331(1979)〕に記載された方法に従って
形質転換した。次いで、これらの細胞を、イソプロピル
チオガラクトシド(IPTG)及びX−ゲル(5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)
を含む指示プレート上に塗布した。ここで、J.H.Miller
の文献“Experiments in Molecular Genetics"、Cold S
pring Harbor Laboratory(1972)並びにMessing及びVi
eiraの論文Gene19,269−276(1982)を参考にすること
ができる。形質転換されたE.coli JM101細胞を含む濃厚
なプラークを、これらの指示プレートの上部カンテン層
からパスツール・ピペットにより取り、10mlのLB培地中
に移し、そして振盪培養器(37℃、220rpm)中で8時間
培養した。引き続き、細胞を遠心分離し、M13mp8ファー
ジを含む上澄みをE.coli JM101細胞の再感染に用いた。
この目的のため、まず500mlのM9最少培地(J.H.Miller
の前出文献)中のE.coli JM101細胞をOD600=2まで育
生し(37℃、220rpm)、その後、M13mp8ファージを含む
1mlの上澄(上記参照)をそれらの細胞に加えた。37℃
にて更に12時間培養した後、細胞を遠心分離した。該フ
ァージを3%ポリエチレングリコール(PEG 6000)及び
0.5M NaClにより上澄から沈澱させ、次いで遠心分離し
た。沈澱物を20mlのTE緩衝液中に再懸濁し、65℃にてフ
ェノール(200mMトリスHCl、pH8中に平衡化されてい
る)及びフェノール/クロロホルム(1:1)により各々
の場合に2回抽出を行なった。
引き続き、かくして遊離された単鎖M13mp8−DNAをエ
タノールにより沈澱させ、そして1mlのTE緩衝液中に溶
解させた。このDNA溶液の濃度を分光学的に測定し(Mah
lerらの前出文献)、かくして変換因子1OD260=36μg
の単鎖DNA/mを基礎とした。
4.RNAP溶液中の活性ポリメラーゼ濃度の測定 RNAP溶液中の活性E.coliRNAポリメラーゼの濃度を測
定するために、RNAPを過剰のプロモーター断片の存在下
で培養した後、形成されたRNAP/プロモーター複合体の
量をフィルター結合実験により測定した。この量から、
結合したE.coliRNAポリメラーゼの濃度を、用いたプロ
モーター断片の量を考慮して計算した。このようにして
測定された結合可能なRNAPの濃度は、遊離の活性なRNAP
の濃度と等価であった。
このような濃度測定の一例を以下に記述する。0.12p
モルのプロモーター断片(第B、2項参照;比活性;4×
104cpmpモル)を37℃にて2分間、50μlの結合緩衝液
(20mM トリスHCl、ph8.0、10mM MgCl2、0.1mM EDTA、
1mM DTT、5%グリセーロル、120mM KCl)中で培養し
た。E.coliRNAP(Pharmacia、スエーデン)を0℃にて1
20mM KClを含むBB中に希釈した。それぞれの場合におい
て、100μlの該希釈物を37℃にて2分間培養し、次い
でプロモーター断片を含む溶液中にピペットにより入れ
た。これらのバッチを37℃に5分間保ち、その後37℃に
て2分間前培養した0.8μgの単鎖M13mp8−DNA(第B、
3項参照)を含むBB 300μlを加えた。37℃にて更に5
分間培養した後、これらのバッチを37℃にてニトロセル
ロース上で濾過した。このような濾過処理の一例を以下
に記述する。まずニトロセルロース・フィルター(ニト
ロセルロース・フィルターBA、0.45μm;Sartorius、ゲ
ッチンゲン)を小さい正方形片(4×4mm)に切断し、
そして40mM KClを含むBB中に浸した。次いで、このよう
な断片の一つを、ガラス・フリット上に置かれ、同様に
浸漬したグラスファイバーフィルター(GF/A、Whatma
n)上に移した。更に37℃の水溶中に立てられたガラス
・フリットを水流ポンプに連結した。それらの反応バッ
チ(上記参照)を濾過速度1ml/分にて濾過した。その
後、フィルターを40mM KClを含むBB1ml(37℃に予熱)
にて注いだ。フィルターに結合したDNAの遊離のため
に、該ニトロセルロース・フィルターをピペット・チッ
プ(エッペンドルフ)によりエッペンドルフ試験管中に
詰め込み、そして、20μlの溶離緩衝液(EB)(10mMト
リスHCl、1mM EDTA、0.1%SDS、pH8)を加えた後、ピペ
ット・チップにより圧搾した。溶離バッチを氷上に30分
間置き、次いで55分間遠心分離した(エッペンドルフ・
ベンチ・遠心分離機、12000rpm)。その後、溶離溶液を
分取し、別のエッペンドルフ試験管に移し入れた。該フ
ィルターに50μlのTE緩衝液を加え、該バッチを3分間
振盪した(エッペンドルフ振盪機)。次いで、洗浄溶液
を分取し、該溶離溶液に合した。3回の溶離及び洗浄工
程の総計の後、約95%の結合DNAが溶離された(フィル
ターに結合した残留活性の計算による照査)。存在し得
る破砕されたフィルター断片をすべて遠心分離により除
いた後(上記参照)、溶離液の放射活性を測定した(21
0μl)。
RNAP溶液中の活性ポリメラーゼ濃度の計算を以下に記
述する。プロモーター断片に比較して過剰の活性ポリメ
ラーゼにより、それらの数値はプラトーを作り、ここで
プラトー値が0.12pモルのプロモーター断片の量に対応
する(実験において使用したものと同じ断片濃度)。プ
ロモーター断片に対するポリメラーゼの不足分において
得られた数値から、任意のRNAP希釈物に対しても活性ポ
リメラーゼの濃度を、希釈因子を考慮したうえで不足RN
APの数値/過剰RNAPの数値の比によって測定することが
できる。
5.RNAP/プロモーター複合体の半減期の測定 Kassの誘導体においては、実験過程中におけるRNAP/
プロモーター複合体の分解は無視できるものと仮定した
(第B、1項参照)。この仮定をRNAP/プロモーター複
合体の半減期を測定することによる実験にて検討した。
かかる測定の一例を以下に記述する。まず、0.06pモル
のプロモーター断片(第B、2項参照;比活性2.4×106
cpm/pモル)を、1.2Pモルの活性ポリメラーゼと共に120
mM KClを含むBB中で37℃にて5分間培養することによ
り、RNAP/PN25複合体を形成させた。5μgの単鎖M13mp
8−DNA(第B、3項参照)を加えた後、37℃に保ったバ
ッチから種々の時点(0−180分)で試料を取り出し、3
7℃にてニトロセルロース・フィルター上で濾過した
(第B、4項参照)。フィルターに結合した放射活性を
第B、4項と同様にして測定し、得られた値を反応時間
に対してプロットした。このグラフの評価は、これらの
実験条件下において、RNAPとプロモーターPN25との複合
体が約3時間の半減期を有することを示した。
6.RNAPとプロモーターPN25とについてのKassの測定 RNAPとプロモーターPN25とについてのKassの測定のた
めの動力学的計測を、“擬一次”条件下、すなわち大過
剰のRNAPにより行なった。この目的のために、実験条件
及び反応時間を逆反応、すなわち形成されたRNAP/プロ
モーター複合体の分解が無視できるように選択した(約
180分間の複合体の半減期に対し、実験時間は最大7分
間;第B、5項参照)。これらの結合実験は、すべて単
一の図式に従って行ない、かくしてこれら実験の3種の
独立した系において反応体積のみならず反応物の濃度も
変えた。かくしてPN25プロモーター断片を緩衝溶液中で
前培養し、その後、同様にして緩衝溶液中で前培養し、
その活性ポリメラーゼ濃度を、第B、4項に記載したよ
うに並行して行われた実験により測定されたRNAP溶液を
添加し、該反応をこれらのバッチを混合して開始した。
選択された反応時間(1−120秒間)後、単鎖M13mp8−D
NA(第B、3項参照)を添加することにより、反応を停
止させた。その後、形成されたRNAP/プロモーター複合
体をフィルター結合実験(第B、4項参照)を介して定
量的に記録した。会合速度Kassの測定のための3種の実
験を以下に記述する。
実験1 120mM KClを含有するBB中の50μlのPN25プロモータ
ー断片(0.045nM、比活性3×106cpm/pM)を、37℃で2
分間培養した。RNAPを、0℃で、120mM KClを含有するB
B中において段階的に希釈した〔それぞれ(1:10から1:2
0)〕。その後、100μlの1:5000希釈液を、37℃で2分
間、前培養した。(活性ポリメラーゼの濃度が0.42nMに
なった;B、4項参照)。該PN25プロモーター断片溶液と
該RNAP溶液を合し、それらのバッチを混合することによ
って会合反応を開始させた。37℃で10秒間培養した後、
37℃で2分間培養した0.8μgの単鎖M13mp8−DNAを含有
する300μlのBB溶液を添加した。37℃で5分間培養し
た後、前記したと同様に該バッチを37℃でニトロセルロ
ース上で濾過し、40mM KClを含有する200μlのBBでフ
ィルターを洗浄し、次いで、フィルターに結合した放射
活性を測定した。
更に、同一の条件下に11回の実験を行ない、それぞれ
単鎖M13mp8−DNAを添加することにより、1、2、3、
4、5、6、7、8、15、20、60及び120秒後に会合反
応を停止させた。12の全ての部分的な実験で得られた数
値を、第15図中における反応時間に対応させてプロット
した。第15図中、点数は、フィルターに結合した最大放
射活性を示す。この値を測定するために50μlのPN25
ロモーター断片を、120mM KCl及び1pモルの活性ポリメ
ラーゼを含有する100μlのBBと共に、37℃で3分間培
養した。その後、反応を停止させ、前記の様にしてバッ
チを得た。結合可能な最大放射活性(A0)は、使用した
プロモーター断片(又は100%RNAP/PN25複合体)の量に
対応する。時間tにおける点A0と結合放射活性(X)と
の差は、遊離のプロモーター断片に対する相対的測定値
となる。数式(A0−X)A0は、かくして時間tに於ける
点の遊離のプロモーター断片の量を与える。数式−1n
〔A0−X)A0を、全ての部分的実験に対して計算し、反
応時間tに対応させてプロットした(第16図参照)。回
帰直線の勾配mは、第1項からの式(3)及び式(4)
の速度定数に対応し、m=0.12/秒であると計算され
た。0.42nMの活性ポリメラーゼの濃度(第B、4項にお
いて測定)に関して、Kass=m/R(第1項における式
(2))の関係によって2.8×108M-1・sec-1のKassを得
た。
実験2及び実験3 実験1と同様な方法によって、実験2及び実験3を行
ない、かくして、各反応溶液に基づく反応物は、以下の
濃度によって示された。
実験2 プロモーター断片PN25 :0.02nM 活性RNAP :0.32nM 反応時間 :2、4、8、10、15、20 及び60秒 実験3 プロモーター断片PN25 :0.02nM 活性RNAP :0.15nM 反応時間 :2、4、8、10、15、20 及び60秒 実験1に述べたと同様にして数値を評価し(第17図及
び第18図参照)、以下の値を測定した。
実験2 m=0.104/sec:Kass=3.2×108M-1・sec-1 実験3 m=0.04/sec:Kass=2.7×108M-1・sec-1 3回の全ての実験を平均して、RNAP及びプロモーター
PN25に対する会合速度Kassとして以下の値を得た。
Kass=2.9×108M-1・sec-1 測定の誤差が、プロモーター断片及び選択RNAPの濃度
測定のみならずフィルター結合実験において約10%であ
るため、この値は、約15%の誤差を受けることになる。
C.内部標準としてプロモーターPN25及びPA1を各々用い
る比較測定を介してのRNAP及び各種の発現制御配列に対
する会合速度の測定 1.理論 内部標準としてプロモーターPN25及びPA1を各々用い
た比較測定によって、RNAP及び発現制御配列tacOP29、N
25*/O、N25OP29、N25OpS N25Op29、Al、AlOPSAL、AlOPS
CONAl、AlpOPSAL及びOPAlOPSAlに対する複合体形成速度
を測定した。かくして、以下の考え方を基本にした。
異なるプロモーター類の混合物において、RNAPが過剰
に存在すると、プロモーター類は、RNAPとの複合体形成
速度に応じて競合する。
RNAPとプロモーター間の2次の二分子反応の単位時間
当りのプロモーター濃度における変化に対しては、形成
した複合体類の高い半減期の場合、式(1)(第B項参
照)dp/dt=Kass×R×Pが適用される。
異なるプロモーター類を有する反応混合物において、
いかなる時点においても遊離のRNAPの濃度は、全てのプ
ロモーターに対して同一である。従って会合速度Kass
a及びKassbを有する2種類のプロモーターa及びbに
対して以下の関係が適用される。
−dPa/Pa×1/Kassa=R×dt −dPb/Pb×1/Kassb=R×dt R×dtは、両方のプロモーターに対して同一であるた
め、 −dPa/Pa×1/Kassa=−dPb/Pb×1/Kassb 又は変換された −dPa/Pa=−Kassa/Kassb×dPb/Pb が適用される。
積分後、 −ln〔(A0−X)/A0〕=−Kassa/Kassb×ln
〔(B0−Y)B0〕 又は、 Kassb=Kassa×−ln〔(B0−Y)B0〕/−ln〔(A0
−X)A0〕 (6) 式中、A0及びB0は、過剰のRNAPにおいて結合する、プ
ロモーターa及びbのそれぞれの総量を示し、また、X
及びYは、過剰のRNAPにおいて形成する、RNAP及びプロ
モーターaならびにRNAP及びプロモーターbのそれぞれ
からの複合体の量を示す、が得られる。
2.内部標準としてのプロモーターPN25との会合速度の測
定 対応する発現制御配列(実施例2参照)を有する放射
活性標識DNA断片(第B、2項参照)を、結合緩衝液
(第B、6項参照)中、異なった量のRNAPと共に30μl
の並行バッチ中、37℃で2分間培養した。
次いで、1μgの単鎖M13mp8−DNA(第B、3項参
照)を含む、20μlの結合緩衝液(37℃)を添加して、
更に37℃で2分間後、これらのバッチをニトロセルロー
スフィルター上で濾過する(第B、4項参照)前に、会
合反応を停止させた。
フィルターに維持された複合体を、溶出し(第B、4
項参照)、フェノールで抽出後、DNAを30μlの試料緩
衝液において取り出す前に、エタノールで沈澱させた。
次いで、存在するDNAの3分の1を、Maniatis(前出文
献)の方法に従って8.3Mの尿素を有する36%のポリアク
リルアミドゲル中で電気泳動し、オートラジオグラフィ
ーで視覚化した。
プロモーターに対するRNAPのそれぞれの比率に関して
は、最初にそれぞれのプロモーターに対して結合プロモ
ーターの量を測定した(PN25に対してXが、プロモータ
ーに対してYが測定される)。この目的のために、それ
ぞれの場合において、特定のRNAPを用いた実験に対応す
るオートラジオグラムにおける個々のトレースを、密度
計測的に測定した(密度計Elscript 400、Hirschmann、
Unterhachingen、BRD)。プロモーターに対するRNAPの
比率が1に等しく又はそれよりも大であるトレースか
ら、結合しうるプロモーターの総量に対する平均値が得
られた(PN25に対するA0、プロモーターに対するB0が測
定される)。
会合速度の測定に関しては、−ln〔(A0−X)/A0
及び−ln〔(B0−Y)/B0〕に対する値が計算され、各
RNAP/プロモーター比と各々対応させて図式的にプロッ
トされた。得られた線mの勾配は、式(6)から −ln〔B0−Y)/B0〕/−ln〔(A0−X)/A0〕 に相当する。この値及びプロモーターPN25の会合速度に
より、測定したプロモーターに対する会合速度が式
(6)によって得られる。
プロモーターAlに対する会合速度の測定については、
以下実施例によって記載されている。7つの並行バッチ
において、異なった量のRNAP(0.004〜0.012pモル)と
共にプロモーターPN25(〜10,000cpm)を有する約0.02p
モルの断片及びプロモーターPA1(〜10,000cpm)を有す
る約0.02pモルの断片を各々のケースにおいて培養し
た。RNAP/プロモーター比、得られた密度計測値及びそ
れらから計算された値を、それぞれの実験について第1
表に示した。
第1表に示した値は、図示的に第19図に示されてい
る。値m=0.5は、直線の勾配として得られた。これら
により、以下の式は、式(6)によって得られる(前記
参照): KassA1=KassN25xm(KassN25=2.9×108M-1xsec
-1) KassA1=2.9×0.5×108M-1xsec-1 KassA1=1.5×108M-1xsec-1 以下の会合速度は、残りの発現制御配列に対して得ら
れた。
tacOP29:Kass=0.85×108M-1xsec-1 N25*/O:Kass=2.9×108M-1xsec-1 N25OP29:Kass=2.9×108M-1xsec-1 N25OPSN25OP29:Kass=2.9×108M-1xsec-1 これらの値は、約15%の誤差を受けうる。
3.内部標準としてのプロモーターPA1を用いた会合速度
を測定 第C、2項と同様にして、内部標準としてのプロモー
ターPA1を用いて発現制御配列AlOPSAl、AlOPSCONAl、Al
pOPAl及びOPAlOPSAlの会合速度を測定した。要素AlOPSA
lに対する会合速度の測定については、以下実施例によ
って記載されている。異なる量のRNAPを用いて行なった
4回の並行実験に対してRNAP/プロモーター比、得られ
た密度計測値及びそれらから計算された値を第2表に示
した。
第2表に示した値を、図式的に第20図に示した。値m
=0.4は、直線の勾配として得られた。これらと式
(6)によって以下の式が得られる: KassAlOPSAl=KassA1xm(KassA1=1.5×108M-1xs
ec-1) KassAlOPSAl=1.5×0.4×108M-1xsec-1) KassAlOPSAl=0.6×108M-1xsec-1 以下の会合速度は、残りの発現制御配列に対して得ら
れた。
AlOPSCONAl:Kass=1.7×108M-1xsec-1 AlpOPSAl:Kass=0.6×108M-1xsec-1 OPAlOPSAl:Kass=0.6×108M-1xsec-1 これらの値は、約15%の誤差を受けうる。
実施例4 発現制御配列のイン・ビボ・プロモーター強度(誘発さ
れた)の測定 A.基本的事項 Deuschle等(前出文献)によって述べられた方法に従
って、発現制御配列のイン・ビボ・プロモーター強度
を、内部標準としてのβ−ラクタマーゼ遺伝子(PbLa
に対するプロモーターと比較して測定した。この目的の
ために、対応する発現制御配列を有するpDS3誘導体類
を、プラスミドpDMI,1を含んだE.coli M15細胞中に形質
転換させた。特定の時間中、IPTG(インデューサー)の
存在下に合成し、放射活性的に標識化されたDNAを、次
にこれらの形質転換体の培養物から単離し、次いで以下
の過剰に存在する単鎖DNAプローブに対し、異なったバ
ッチ中に於てハイブリッド形成を行なった:1)M13mp9dh
fr−DNA、2)M13mp9bla−DNA及び3)対照区としてM13
mp9−DNA.RNase処理し、ハイブリッド形成しなかったRN
Aを分解させた後、バッチをニトロセルロース上で濾過
した。RNA/DNAハイブリッドがニトロセルロース上に残
存するため、フィルターに結合した放射活性は、使用し
たDNAプローブに対して相補的な個々のバッチ中に存在
するRNAの量についての測定値となる。対照区(単鎖M13
mp9−DNA)中に結合した放射活性を差し引いた後、単鎖
M13mp9bla−DNA(このDNAは、PbLaの制御下に合成し
た)によって結合した放射活性に対する、単鎖M13mp9dh
fr−DNA(対応するRNAは、測定されるべき発現制御配列
の制御下に合成した)によって結合した放射活性の比を
決定した。必要な修正後、この比は、PbLa単位中の測定
された発現制御配列のプロモーター強度を与える。
B.単鎖M13mp9、M13mp9dhfr及びM13mp9blaファージDNA類
の調製 ファージM13mp9dhfrの調製のために、公知の方法(Ma
niatisらの前出文献)に従って、dhfr遺伝子を含んでい
るプラスミドpDS1,t01+のBamHI−HindIII断片を、ファ
ージM13mp9(pharmaciaスエーデン;BamHI及びHindIIIで
開裂されたもの)のDNAに組込んだ。同様な方法によっ
てファージM13mp9blaを調製し、かくして、プラスミドp
DS1,t01+からのEcoRI−PstI断片を、bla遺伝子の部分を
用いてファージM13mp9(EcoRI及びPstIで開裂されたも
の)のDNAに組込んだ。その後、単鎖M13mp8−DNAの調製
のための実施例3B、3に述べたと同様の方法によって単
鎖M13mp9−DNA、M13mp9dhfr−DNA及びM13mp9bla−DNAを
調製した。
C.イン・ビボ・プロモーター強度(誘発された)の測定 Deuschleら(前出文献)によって述べられた方法に従
って、プロモーター強度の測定を以下の通り行なった。
1.イン・ビボ・標識化3H−RNAの調製 プラスミドpDMI,1を含むE.coli M15細胞及び種々の発
現制御配列の一つを有するpDS3誘導体(実施例2参照)
を、20%グリセリン中、−20℃で貯蔵した。100μg/ml
のアンピシリン及び25μg/mlのカナマイシンを含む10ml
のLB培地に、前記保存培地を接種し、振盪培養機(180r
pm)中、37℃で一夜生育させた。0.1mlのこの一夜培養
物を、5%のカゼイン水解物、0.1%のバクトトリプト
ン、0.05%の酵母抽出物、0.05%のNaCl、0.5%のグリ
セロール、1mMのIPTG、100μg/mlのアンピシリン及び25
μg/mlのカナマイシンを含み、予め37℃に温められた25
mlのM9最少栄養培地(J.H.Miller、前出文献)中に希釈
した。OD600=0.6の光学密度になるまで、これらの細胞
を、振盪培養機中(250rpm)、37℃で生育させた。0.5m
Ciの5,6−3H−ウリジン(40−60mCi/ミリモル1mCi/ml水
溶液;Amersham、Braunschweig、FRG)を、10mlのこの培
養物に添加した。45秒後、液体窒素によって該培養物を
急速に0℃に冷却し、これらの細胞を遠心分離し、次い
でTES緩衝液(20mMのトリス−NCl、pH8.0、10mMのEDT
A、100mMのNaCl、1%のSDS)中に再懸濁させた。95℃
で3分間培養した後、Glisinらによって述べられた方法
〔Biochemistry13,2633−2637(1974)〕に従って、得
られた破壊細胞の混合物を遠心分離した(CsCl勾配遠心
分離、1500,000×g、16時間、20℃)。上澄み液を除去
した後、加熱したメスで遠心分離試験管を底から0.8cm
上の所で切断した。該試験管の底部中のRNAを、0.2%の
SDSを含む2×80μlのTE緩衝液で溶解し、次いで3Mの
酢酸ナトリウムの存在下、エタノールで沈澱させた。こ
の沈澱物を、80%のエタノールで洗浄し、真空乾燥し、
次いでハイブリッド形成緩衝液中に溶解させた(以下を
参照)。一般的に、10mlの培養物から1−3×105cpm/
μgRNAの比活性を有する200−300μgのRNAが得られ
た。
2.過剰量の単鎖DNAに対するRNAのハイブリッド形成 全てのハイブリッド形成を、20μlのハイブリッド形
成緩衝液(50%のホルムアミド、300mMのNaCl、20mMの
トリス−HCl、pH8.0、0.5mM EDTA)中、42℃で2時間行
なった。代表的な実験においては、10μlのイン・ビボ
3H−RNA(〜5×105cpm)を、10μlの単鎖M13mp9−D
NA(0.2pモル、対照区)、M13mp9dhfr−DNA(0.2pモ
ル)及びM13mp9bla−DNA(0.2pモル)のそれぞれに混合
し、65℃で3分間培養し、次いで42℃で2時間保った。
3.ハイブリッド化したRNAの定量化 ハイブリッド形成バッチを、2×SSC緩衝液で10倍に
希釈し、ニトロセルロースフィルター(0.45μm BA85フ
ィルター、ミニホールド系、Scheicher及びSchiill、FR
G)を通して濾過した。単鎖M13mp9−DNAに使用したフィ
ルターの容量は、約6pモル/cm2であった。このフィル
ターを、2mlの2×SSC緩衝液で洗浄し、減圧下、80℃で
30分間焼き、次いで、50μg/mlのRNaseAを含む100mlの
2×SSC緩衝液中、42℃で1時間培養した。その後、該
フィルターを、42℃において、10分間で各々のケースに
つき、100mlの2×SSC緩衝液で3回洗浄した。該フィル
ターを乾燥後、これに保持された放射活性を、液体シン
チレーション(“万能液体シンチレーター”、NEN)中
で数えた。bla−特異的RNAに対するdhfr−特異的RNAの
比を、種々のRNA内のウリジンの数に注意しながら計算
した。dhfr及びblaに特異的単鎖DNA挿入物は、それぞれ
169及び148のウリジン(148/169=0.87)をコードする
ため、PbLa単位中の所望の発現制御配列のイン・ビボ強
度Sは、式: S=0.87×(cpmdhfr−cpmcontroL)/ (cpmbLa−cpmcontroL) によって得られる。
D.発現制御配列のイン・ビボ・プロモーター強度 種々の発現制御配列のそれぞれに対するイン・ビボ・
プロモーター強度の測定を、第C項に述べたと同様に少
なくとも3回行ない、かくして合成した放射活性標識化
RNAを、それぞれの場合において2回測定した。発現制
御配列AlOPSAlに対しては、例えば合成RNAの測定におけ
る以下の値が得られた。
これらとともに、イン・ビボ・プロモーター強度に対
して、以下の値が得られた。
S1=0.87×(33581−38)/(839−38) =36.4PbLa単位 S2=0.87×(36099−22)/(831−22) =38.8PbLa単位 37.6PbLa単位のイン・ビボ・プロモーター強度は、平
均値として計算された。
3回の測定の総和について平均をとると、発現制御配
列AlOPSAlに対して、38.1±3.4PbLa単位のプロモーター
強度が計算された。試験した全ての発現制御配列に対し
て先に述べた様に測定されたプロモーター強度は、第3
表に示されている。
実施例5 個々の発現制御配列の抑制率の測定 A.基本的事項 個々の発現制御配列に対する抑制因子、即ち、誘発及
び抑制条件下に於けるイン・ビボ・プロモーター強度の
比は、以下の通り測定した。
a)100より小さい抑制率を有する発現制御配列 発現制御配列tacOP29、N25*/O、N25OP29、OPUAl及びO
PUAlCONは、イン・ビボにおいて、抑制条件下(過剰の
リプレッサー、インダクターなし)下、直接測定するに
充分な量のRNAを生じさせた。次にイン・ビボ・プロモ
ーター強度(誘発された)として実施例4において測定
した値を用いて、各抑制率を計算した。
b)100より大きい抑制率を有する発現制御配列 発現制御配列lacOP29、N25OPSA25OP29、AlOPSAl、AlO
PSAlOP21、AlOPSAlOP29、AlOPSCONAl、AlpOPSAl及びOPA
lOPSAlに対するイン・ビボ・プロモーター強度を、抑制
条件下、間接的に測定した。この目的のために、個々の
因子に対しては、抑制条件下、適当な系において生じた
β−ガラクトシダーゼの量を、酵素的試験によって最初
に測定した。次いでかくして得られた値を、修正因子に
よってPbLa単位に変換した。次いで抑制率を、実施例4
において測定した値に基づいて計算した。
B.抑制条件下における発現制御配列のイン・ビボ・プロ
モーター強度(PbLa単位)の直接的測定 抑制条件下におけるイン・ビボ・プロモーター強度
を、IPTGの添加を行なわなかったことを除き、実施例4
に述べたと同様にして測定した。得られた値は、第4表
にまめとられている。
C.抑制条件下における発現制御配列のイン・ビボ・プロ
モーター強度の間接的測定 1.β−ガラクトシダーゼ単位の測定 文献(Maniatisらの前出文献)に記載された公知の方
法に従って、発現制御配列lacOP29、tacOP29、N25OP2
9、N25OPSN25OP29、AlOPSAl、AlOPSAlOP21、AlOPSAlOP2
9、AlOPSCONAl、AlpOPSAl、OPAlOPSAl、OPUAl及びOPUAl
CONを、有するpML3誘導体類を、先ずE.coli M15細胞に
形質転換させた。次いで対応するプラスミドを有する得
られた形質転換されたE.coli M15細胞を対数期まで生育
させ、J.H.Miller(“Experi−ments in molecular gen
etics"、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、1972)の
方法に従って、β−ガラクトシダーゼの量を測定した。
この測定の一つを、発現制御配列N25OP29に対する1つ
の例として以下に示す。
10mlの補足された最少栄養培地(J.H.Miller、前出文
献)に、プラスミドpML3/N25OP29を含む形質転換された
E.coli M15細胞の一夜培養物0.05mlを接種し、振盪培養
機(200rpm)中、37℃で培養した。0.55のOD600(600nm
の波長における光学密度)に到達した後、培養物を氷上
に20分間置いた。その後、光学密度を再び測定した。OD
600=0.607の値が得られた。次いで0.1mlの培養物を、
Z緩衝液(J.H.Miller、前出文献)で希釈し、1mlの最
終容量にした。この試料を、対照区(1mlのZ緩衝液)
と共に以下の様に処理した。
60μlのクロロホルム及び30μlの0.1%SDS(細胞破
裂)の添加; 渦動による10分間の試料の混合; 28℃、5分間の試料の培養; 200μlのONPG(J.H.Miller、前出文献)の添加; 渦動による試料の混合; 黄着色が見える迄、28℃に於ける試料の培養; 250μlの2M Na2CO3の添加(ONPGとNa2CO3との添加の
間の時間は、15分); 渦動による試料の混合; 細胞断片の遠心分離(Eppendorfベンチ遠心分離、130
00rpm、5分間);及び 対照区に対する420nmにおける吸光の測定。
ΔE420=0.737の値を得た。先に述べたJ.H.Millerの文
献に記載された式に従って、 β−ガラクトシダーゼ単位= 1000×ΔE420/OD600×V×t 式中、ΔE420は、対照区に対する反応バッチのE420
定値(0.737)であり、OD600は、使用した培養物試料の
細胞密度(0.607)であり、tは、反応時間(1.5分間)
であって、Vは、使用した培養物の容量(0.1ml)であ
る。
8094のβ−ガラクトシダーゼ単位が計算された。8回
の実験を平均して、8160±450のβ−ガラクトシダーゼ
単位を得た。
測定した全ての発現制御配列に対して得られた値を第
5表にまとめ、かくして、各発現制御配列に対して少な
くとも4回の測定を行った。
第5表 発現制御配列 β−ガラクトシダーゼ単位 lacOP29 30 ± 5 tacOP29 1510 ± 170 N25OP29 8160 ± 450 N25OPSN25OP29 99 ± 6 AlOPSAl 110 ± 2 AlOPSCONAl 220 ± 12 A1POPSAl 58 ± 3 OPAlOPSAl 56 ± 1 OPUAl 13700 ± 3000 OPUAlCON 8500 ± 2000 AlOPSAlOP29 23 ± 3AlOPSAlOP21 15 ± 3 2.PbLa単位へのβ−ガラクトシダーゼの変換に対する因
子の測定 発現制御配列tacOP29、N25OP29、OPUAl及びOPUAlCON
に対する、抑制条件下におけるイン・ビボプロモーター
強度を直接的(PbLa単位、第4表)ばかりでなく間接的
(β−ガラクトシダーゼ単位、第5表)にも測定するこ
とができた。得られた値を、それぞれに対応させて第21
図中にプロットした。回帰直線の勾配は、PbLa単位への
β−ガラクトシダーゼの変換に対する測定値である。50
00のβ−ガラクトシダーゼ単位/PbLa単位の値が測定さ
れた。
3.PbLa単位中におけるβ−ガラクトシダーゼの変換 変換ファクター5000のβ−ガラクトシダーゼ単位/P
bLaの単位によって、PbLa単位(第6表)を、測定した
β−ガラクトシダーゼ単位(第5表)から対応する発現
制御配列に対して計算した。
D.抑制率の計算 第3表、第4表及び第6表に掲載された値を使用し
て、個々の発現制御配列に対する抑制率(誘発されたP
bLa単位/抑制されたPbLa単位)を計算した(第7
表)。
E.個々の発現制御配列の特性のまとめ 個々の発現制御配列に対して得られた、イン・ビボ・
会合速度に対する値、イン・ビボ・プロモーター強度に
対する値及び抑制率に対する値を、以下の第8表にまと
めた。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、プラスミドpDS1,t01+の図式的表示、第1b図
は、プラスミドpDS1,t01+のヌクレオチド配列、第2a図
は、プラスミドpDS3の図式的表示、第2b図は、プラスミ
ドpDS3のヌクレオチド配列、第3a図は、プラスミドpML3
/lacOP29の図式的表示、第3b図は、プラスミドpML3/lac
OP29のヌクレオチド配列、第4a図、プラスミドpDMI,1の
図式的表示、第4b図は、プラスミドpDMI,1のヌクレオチ
ド配列、第5図は、発現制御配列のヌクレオチド配列、
第6図は、プロモーターPN25のEcoRI断片のヌクレオチ
ド配列、第7図は、発現制御配列N25*/O及びN25OPSN25
を含むXhoI−EcoRI断片のヌクレオチド配列、第8図
は、プロモーターPA1を有するXhoI−EcoRI断片のヌクレ
オチド配列、第9図は、発現制御配列OPAlOPSAlを含むS
alI−EcoRI断片のヌクレオチド配列、第10図は、プラス
ミドpDS1/PN25,t01+の図式的表示、第11図は、プラス
ミドpDS3/AlOPSAlの構築の図式的表示、第12図は、プラ
スミドpSD3/OPAlOPSAlの構築の図式的表示、第13図は、
プラスミドpML3/AlOPAlの構築の図式的表示、第14図
は、プラスミドpML3/OPAlOPSAlの構築の図式的表示、第
15図は、RNAPとプロモーターPN25の複合体形成反応のグ
ラフ、第16図は、反応時間の関数としての−ln〔(A0
X)/A0〕のグラフ、第17図は、RNAPとプロモーターP
N25の複合体形成反応のグラフ、第18図は、反応時間の
関数としての−ln〔(A0−X)/A0〕のグラフ、第19図
は、複合体形成速度の決定のための−ln〔(A0−X)/
A0〕と−ln〔(B0−Y)/B0〕の関係をプロットしたグ
ラフ、第20図は、複合体形成速度の決定のための−ln
〔(A0−X)/A0〕と−ln〔(B0−Y)/B0〕との関係
をプロットしたグラフ、及び第21図は、β−ガラクトシ
ダーゼ単位のPbLa単位への変換因子を決定するためのグ
ラフを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:42) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12P 21/02 C12R 1:125) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:42)

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】約1・106−1.5・108M-1・sec-1の低シグ
    ナル強度及び10−100PbLa単位の高イン・ビボ・プロモ
    ーター強度を有するプロモーター配列類と約1・108
    1・1011M-1・sec-1の高会合速度を有し、1000より高い
    抑制率を生じるオペレーター/リプレッサー系との組合
    わせからなることを特徴とす発現制御配列。
  2. 【請求項2】低シグナル強度及び高イン・ビボ・プロモ
    ーター強度を有するプロモーター配列が、約6・107M-1
    ・sec-1のシグナル強度及び20PbLa単位以上のイン・ビ
    ボ・プロモーター強度を有することを特徴とする請求項
    1に記載の発現制御配列。
  3. 【請求項3】高会合速度を有するオペレーター/リプレ
    ッサー系が2・109M-1・sec-1の高会合速度を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の発現制御配列。
  4. 【請求項4】プロモーター配列とグラム陰性菌からのオ
    ペレーター/リプレッサーとの組合わせによって得られ
    る請求項1−3のいずれかに記載の発現制御配列。
  5. 【請求項5】T−コリファージからのプロモーター配列
    と1ac−オペレーター/リプレッサー系との組合わせに
    よって得られる請求項4に記載の発現制御配列。
  6. 【請求項6】T7A1プロモーターと1ac−オペレーター/
    リプレッサー系との組合わせによって得られる請求項5
    に記載の発現制御配列。
  7. 【請求項7】ヌクレオチド配列 の機能部分を有する請求項6に記載の発現制御配列。
  8. 【請求項8】ヌクレオチド配列 の機能部分を有する請求項6に記載の発現制御配列。
  9. 【請求項9】ヌクレオチド配列 の機能部分を有する請求項6に記載の発現制御配列。
  10. 【請求項10】ヌクレオチド配列 の機能部分を有する請求項6に記載の発現制御配列。
  11. 【請求項11】ヌクレオチド配列 の機能部分を有する請求項6に記載の発現制御配列。
  12. 【請求項12】請求項1−11のいずれかに記載の発現制
    御配列を含む発現ベクター。
  13. 【請求項13】グラム陰性菌及び/又はグラム陽性細菌
    中において複製しうる請求項12に記載の発現ベクター。
  14. 【請求項14】E.coli中において複製しうる請求項13に
    記載の発現ベクター。
  15. 【請求項15】B.subtilis中において複製しうる請求項
    13に記載の発現ベクター。
  16. 【請求項16】Salmonella typhimurium中において複製
    しうる請求項13に記載の発現ベクター。
  17. 【請求項17】請求項12−16に記載の発現ベクターを含
    む細菌。
  18. 【請求項18】E.coli細胞である請求項17に記載の細
    菌。
  19. 【請求項19】E.coli M15細胞である請求項18に記載の
    細菌。
  20. 【請求項20】B.subtilis細胞である請求項17に記載の
    細菌。
  21. 【請求項21】Salmonella typhimurium細胞である請求
    項17に記載の細菌。
  22. 【請求項22】染色体中に請求項1−11のいずれかに記
    載の発現制御配列を含む細菌。
  23. 【請求項23】E.coli細胞である請求項22に記載の細
    菌。
  24. 【請求項24】B.subtilis細胞である請求項22に記載の
    細菌。
  25. 【請求項25】Salmonella typhimurium細胞である請求
    項22に記載の細菌。
  26. 【請求項26】原核性蛋白質又は真核性蛋白質をコード
    するDNA配列が請求項1−11のいずれかに記載の発現制
    御配列に有効に結合されている発現ベクターにより、細
    菌を形質転換させ、次いで適当な条件下に培養し、該蛋
    白質を単離し、所望により精製することを特徴とする原
    核性蛋白質又は真核性蛋白質の製造方法。
  27. 【請求項27】細菌がE.coli、Salmonella typhimurium
    又はB.subtilis細胞である請求項26に記載の製造方法。
  28. 【請求項28】原核性蛋白質又は真核性蛋白質をコード
    し、請求項1−11のいずれかに記載された発現制御配列
    に有効に結合しているDNA配列を細菌の染色体に導入
    し、次いでこの細菌を適当な条件下に培養し、該蛋白質
    を単離し、所望により精製することを特徴とする原核性
    蛋白質又は真核性蛋白質の製造方法。
  29. 【請求項29】細菌がE.coli、Salmonella typhimurium
    又はB.subtilis細胞である請求項28に記載の製造方法。
  30. 【請求項30】請求項1−13のいずれかに記載の発現制
    御配列を使用することを特徴とする原核性蛋白質又は真
    核性蛋白質の発現法。
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