JP2624302B2 - A1−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金 - Google Patents
A1−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、Al−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金に関
し、特に、ダイキャスト、Al鋳物など鋳造用材料として
用いられるAl−Si系合金の共晶,亜共晶の鋳造組織を改
質する目的で使うときに有利なMg−Sr合金についての提
案である。
し、特に、ダイキャスト、Al鋳物など鋳造用材料として
用いられるAl−Si系合金の共晶,亜共晶の鋳造組織を改
質する目的で使うときに有利なMg−Sr合金についての提
案である。
従来、鋳造用Al−Si系合金(以下、Al−Si系鋳物合金
という)の鋳物は、金属NaまたはNaFを含むフラックス
を添加する溶湯処理を施すことにより、結晶の微細化を
導いて、機械的性質を改善していた。
という)の鋳物は、金属NaまたはNaFを含むフラックス
を添加する溶湯処理を施すことにより、結晶の微細化を
導いて、機械的性質を改善していた。
しかし、Na添加による上記の改質法は、添加後の改質
効果持続時間が短かく、またこのNaなどの添加による改
質処理を複数回繰返して行う必要があるため作業性が悪
く、かつ得られたAl−Si系合金鋳物は均一な品質のもの
が得られ難いという欠点があった。
効果持続時間が短かく、またこのNaなどの添加による改
質処理を複数回繰返して行う必要があるため作業性が悪
く、かつ得られたAl−Si系合金鋳物は均一な品質のもの
が得られ難いという欠点があった。
こうした欠点を克服するものとして、従来、Al−Si系
鋳物合金の改質にあたり、Srに着目した幾つかの技術:
すなわち、Al−Si−Sr母合金やAl−10%Sr母合金を用い
ることの有効性が、特開昭52−63808号公報などで提案
されている。
鋳物合金の改質にあたり、Srに着目した幾つかの技術:
すなわち、Al−Si−Sr母合金やAl−10%Sr母合金を用い
ることの有効性が、特開昭52−63808号公報などで提案
されている。
ところが、従来の上記Al−Si−Sr母合金(mp.:約1000
℃)は、融点が高く、Al−Si系合金に添加する際、溶解
に時間がかかることから、Sr歩留りが悪いという欠点が
あった。
℃)は、融点が高く、Al−Si系合金に添加する際、溶解
に時間がかかることから、Sr歩留りが悪いという欠点が
あった。
一方、Al−10%Sr母合金は、上記Al−Si−Sr母合金に
較べると融点が低く、相対的には溶解時間の大幅な短縮
が得られる。しかしながら、この母合金が有する融点は
約800℃であり、溶融Al−Si系合金の作業温度(一般に
は720〜750℃)と比較するとまだ高いために、Al−10%
Sr合金100g当り約2〜4分の溶解時間が必要であった。
較べると融点が低く、相対的には溶解時間の大幅な短縮
が得られる。しかしながら、この母合金が有する融点は
約800℃であり、溶融Al−Si系合金の作業温度(一般に
は720〜750℃)と比較するとまだ高いために、Al−10%
Sr合金100g当り約2〜4分の溶解時間が必要であった。
もっとも、Al−Si母合金中のSr含有量を90%程度また
は5%以下にすれば、もっと速やかに溶解するが、例え
ばSr含有量90%のものだとSrの揮散が激しく、Sr歩留り
が低下するし、一方、Sr含有量5%以下のものだとAl−
Si母合金の添加量が多くなるという問題点があった。
は5%以下にすれば、もっと速やかに溶解するが、例え
ばSr含有量90%のものだとSrの揮散が激しく、Sr歩留り
が低下するし、一方、Sr含有量5%以下のものだとAl−
Si母合金の添加量が多くなるという問題点があった。
本発明の目的は、上述の従来技術が抱える溶解性と歩
留りとが悪いという課題を克服し、一方ではさらに、通
常Al−Si系合金に機械的性質改善のために添加するMgの
ロス分を補う役目を担わせることにある。
留りとが悪いという課題を克服し、一方ではさらに、通
常Al−Si系合金に機械的性質改善のために添加するMgの
ロス分を補う役目を担わせることにある。
すなわち、鋳造用Al−Si系合金に対しては、従来、0.
3〜1%程度のMgなどの金属を添加することにより、機
械的性質の改善を図っていた。しかし、Al−Si合金溶湯
中のMgは、溶湯処理や成形処理の際に揮散しやすく目標
添加成分より若干低下するのが普通である。
3〜1%程度のMgなどの金属を添加することにより、機
械的性質の改善を図っていた。しかし、Al−Si合金溶湯
中のMgは、溶湯処理や成形処理の際に揮散しやすく目標
添加成分より若干低下するのが普通である。
この発明にかかるMg−Sr合金は、まさにかかるMgが不
足する場合のMg成分調整剤としての働きをも有するもの
である。
足する場合のMg成分調整剤としての働きをも有するもの
である。
そこで本発明は、従来のAl−Sr合金に代えて、不足Mg
の補給ができると共に溶解時間の短縮に著しい効果を発
揮する範囲のSr含有量を調整した合金を提案すること
で、所期の目的を実現せんとしたものである。
の補給ができると共に溶解時間の短縮に著しい効果を発
揮する範囲のSr含有量を調整した合金を提案すること
で、所期の目的を実現せんとしたものである。
上述の目的を実現するために鋭意研究した結果、本発
明者は、Sr5〜50wt%を含み、残部が実質的にMgよりな
るMg−Sr合金に想到し、この合金によれば上記課題が克
服出来ることを見い出したのである。
明者は、Sr5〜50wt%を含み、残部が実質的にMgよりな
るMg−Sr合金に想到し、この合金によれば上記課題が克
服出来ることを見い出したのである。
この発明のMg−Sr合金を製造する方法には、Mg溶湯中
に、塩化ストロンチウム、弗化ストロンチウムなどのSr
化合物を添加し、これを反応させることによるか、また
は金属SrをMg溶湯中に溶解せしめることにより、Sr5〜5
0wt%含有しかつ残部がMgおよび不可避的不純物よりな
るSr−Mg合金とするのが最も有効な方法といえるが、も
ちろん他の方法によって製造することも可能である。
に、塩化ストロンチウム、弗化ストロンチウムなどのSr
化合物を添加し、これを反応させることによるか、また
は金属SrをMg溶湯中に溶解せしめることにより、Sr5〜5
0wt%含有しかつ残部がMgおよび不可避的不純物よりな
るSr−Mg合金とするのが最も有効な方法といえるが、も
ちろん他の方法によって製造することも可能である。
この発明において、Sr含有量を5〜50wt%と限定した
理由は次の通りである。すなわち、金属Mgの融点は650
℃である。さて、含有させるSrの含有量が多くなるに従
い、一般には合金の融点は低下すると言われている。と
ころが、Srが50%を超えると融点は再び高くなり、例え
ばSr含有量が64%では、Mg2Srの金属間化合物が生成し
て、融点が680℃と高くなる。このことから、Sr含有量
は5〜50wt%の範囲内であれば、融点を590〜600℃と低
くでき、Al−Si溶湯中へ速やかに溶解し、Sr歩留りも向
上する。
理由は次の通りである。すなわち、金属Mgの融点は650
℃である。さて、含有させるSrの含有量が多くなるに従
い、一般には合金の融点は低下すると言われている。と
ころが、Srが50%を超えると融点は再び高くなり、例え
ばSr含有量が64%では、Mg2Srの金属間化合物が生成し
て、融点が680℃と高くなる。このことから、Sr含有量
は5〜50wt%の範囲内であれば、融点を590〜600℃と低
くでき、Al−Si溶湯中へ速やかに溶解し、Sr歩留りも向
上する。
これに対し、Sr含有量が5%以下では、Al−Si溶湯へ
のMg−Sr合金の添加量が多くなりすぎて製造コストを高
騰させることとなる。また、Sr含有量が50%を超えると
Mg成分調整剤としての働きが不足し、また、揮散などに
より添加する際のSr歩留りが低下することや、この発明
のMg−Sr合金を製造するときに溶湯の粘性が高くなり、
スラグを噛み込んだMg−Sr合金を生成しやすく、Al−Si
溶湯中への不純物の混合量が増加するために好ましくな
い。
のMg−Sr合金の添加量が多くなりすぎて製造コストを高
騰させることとなる。また、Sr含有量が50%を超えると
Mg成分調整剤としての働きが不足し、また、揮散などに
より添加する際のSr歩留りが低下することや、この発明
のMg−Sr合金を製造するときに溶湯の粘性が高くなり、
スラグを噛み込んだMg−Sr合金を生成しやすく、Al−Si
溶湯中への不純物の混合量が増加するために好ましくな
い。
なお、本発明のMg−Sr合金は、Mg成分調整のため、さ
らに、いわゆる希釈剤としてAlを含有させたMg−Sr−Al
合金としてもよい。
らに、いわゆる希釈剤としてAlを含有させたMg−Sr−Al
合金としてもよい。
上述したMg−Sr合金のAl−Si溶湯への添加に際して
は、予備処理炉の他、手元炉や取炉などにも添加するこ
とができる。
は、予備処理炉の他、手元炉や取炉などにも添加するこ
とができる。
JIS規格のAC4CH合金溶湯4kgを、#10黒鉛るつぼ中に
投入し、720〜750℃の温度に加熱して溶解し、ついで、
このるつぼ中の合金溶湯をヘキサクロルエタンによる脱
ガスおよびフラックスによる浄化処理を施し、その後、
この処理後のAC4CHSi溶湯中にこの発明にかかるMg−Sr
合金を、Sr純分で0.015%になるように添加し、15分間
保持撹拌後、720℃でJIS4号試験片採取用金型(金型温
度170±10℃)に製造した。
投入し、720〜750℃の温度に加熱して溶解し、ついで、
このるつぼ中の合金溶湯をヘキサクロルエタンによる脱
ガスおよびフラックスによる浄化処理を施し、その後、
この処理後のAC4CHSi溶湯中にこの発明にかかるMg−Sr
合金を、Sr純分で0.015%になるように添加し、15分間
保持撹拌後、720℃でJIS4号試験片採取用金型(金型温
度170±10℃)に製造した。
なお、比較のため、従来から使用されているSr−Si−
Al母合金,Sr−Al母合金についても同一の条件により試
験片を作製した。
Al母合金,Sr−Al母合金についても同一の条件により試
験片を作製した。
第1表に、上記各方法により製造したJIS4号試験片に
ついての溶解性,Sr歩留りおよび機械的性質を示した。
ついての溶解性,Sr歩留りおよび機械的性質を示した。
第1表に示すところから判るように、本発明のMg−Sr
合金は、Al−Sr,Al−Si−Sr合金よりも格段と溶解時間
が短縮されて作業性を向上することができ、Sr歩留りも
良好である。また、機械的性質もなんら遜色を与えると
ころがない。
合金は、Al−Sr,Al−Si−Sr合金よりも格段と溶解時間
が短縮されて作業性を向上することができ、Sr歩留りも
良好である。また、機械的性質もなんら遜色を与えると
ころがない。
以上説明したように、この発明にかかるMg−Sr合金を
Al−Si系合金に添加した場合、速やかに溶解するのでSr
歩留りが良く、また、Mgの揮散などによるロスが生じた
場合でも、不足のMgを容易に補うことができる。
Al−Si系合金に添加した場合、速やかに溶解するのでSr
歩留りが良く、また、Mgの揮散などによるロスが生じた
場合でも、不足のMgを容易に補うことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】Sr5〜50wt%、残部Mgおよび不可避的不純
物よりなるAl−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16670088A JP2624302B2 (ja) | 1988-07-06 | 1988-07-06 | A1−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16670088A JP2624302B2 (ja) | 1988-07-06 | 1988-07-06 | A1−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0219440A JPH0219440A (ja) | 1990-01-23 |
JP2624302B2 true JP2624302B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=15836129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16670088A Expired - Lifetime JP2624302B2 (ja) | 1988-07-06 | 1988-07-06 | A1−Si系鋳物合金改質用Mg−Sr合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2624302B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7366386B2 (ja) | 2018-08-02 | 2023-10-23 | 株式会社コスメック | ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム |
-
1988
- 1988-07-06 JP JP16670088A patent/JP2624302B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0219440A (ja) | 1990-01-23 |
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