JP2621384B2 - 時定数制御型細胞電気刺激装置 - Google Patents

時定数制御型細胞電気刺激装置

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JP2621384B2 JP63184057A JP18405788A JP2621384B2 JP 2621384 B2 JP2621384 B2 JP 2621384B2 JP 63184057 A JP63184057 A JP 63184057A JP 18405788 A JP18405788 A JP 18405788A JP 2621384 B2 JP2621384 B2 JP 2621384B2
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    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は遺伝子又は蛋白などの物質を細胞とともに混
合した細胞懸濁液に電気パルスを印加することによって
遺伝子や蛋白などを細胞内に取り込ませる遺伝子導入装
置や、細胞に電気刺激を与えて細胞どおしを電気的に融
合させる細胞融合装置などの細胞電気刺激装置に関する
ものである。
遺伝子導入装置は細胞に与える電気刺激として直流電
圧パルスのみを与えるのに対して、細胞融合装置では交
流電圧を与えて誘電電気泳動により細胞どおしを接触さ
せた後、直流電圧パルスを与えて融合させる。細胞融合
装置では交流電源がさらに必要であるが、両者はその他
の構成においては共通であるので、以下の説明では主と
して遺伝子導入装置について説明するが、本発明は細胞
融合装置にも適用されるものである。
(従来の技術) 遺伝子導入装置の一例として、第4図に示されるよう
に直流電圧をコンデンサ(容量C(F))に充電した
後、細胞懸濁液(抵抗R(Q))を負荷として時定数τ
=CR(秒)で放電させる装置が提案されている(「Plan
t Cell Physiol.」27(4):619−626(1986)参照)。
2はチャンバであり、対向電極4,6を備え、対向電極
4,6間に細胞懸濁液を収容して細胞に電界を印加する。
8は直流電源、9は抵抗である。チャンバ2と電源8に
対して容量の異なるコンデンサ10−1〜10−nが並列に
設けられている。コンデンサ10−1〜10−nの容量はそ
れぞれC1〜Cn(F)である。12−1〜12−nはコンデン
サ10−1〜10−nのいずれかを選択するスイッチ、14は
選択されたコンデンサを電源8に接続するためのスイッ
チである。15は充電されたコンデンサをチャンバ2に接
続するためのスイッチである。
遺伝子導入効率は細胞に印加されるコンデンサ放電波
形の初期電界強度E(V/cm)及び時定数τ=CR(秒)に
よって変化する。第4図の装置では時定数τを可変にす
るために、容量の異なるコンデンサ10−1〜10−nをス
イッチ12−1〜12−nで切り替えている。すなわち、ス
イッチ12−1〜12−nによってコンデンサ10−1〜10−
nを選択し、まずスイッチ14をオン、スイッチ15をオフ
にしてその選択されたコンデンサを充電し、その後スイ
ッチ14をオフ、スイッチ15をオンにして充電電荷をチャ
ンバ2に放電させる。
(発明が解決しようとする課題) 第4図の装置ではコンデンサ10−1〜10−nの容量の
値C1〜Cnは離散値であるために、時定数τも離散値とな
り、時定数に関する細かな最適化ができない。もし、時
定数の最適化を十分に行なおうとすれば、コンデンサ10
−1〜10−nの数を無限に増加させる必要があり、装置
の規模から考えて実現しがたい。
また、細胞懸濁液の抵抗値は塩濃度、遺伝子濃度、細
胞密度などによって変化するので、時定数の制御は容易
ではない。
本発明はコンデンサを介して直流電圧パルスを印加す
る場合の時定数を連続的に可変にすることのできる電気
刺激装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 第1図に本発明を示す。
2はチャンバ、8は直流電圧電源、10−1〜10−nは
電源8により充電され、チャンバ2に放電する並列接続
され互いに容量の異なるコンデンサである。20はチャン
バ2に交流電流を流してチャンバ2の抵抗値を測定する
抵抗測定回路、22は抵抗測定回路の測定値rとチャンバ
定数kとから細胞懸濁液の比抵抗ρを算出する比抵抗算
出手段、24はチャンバ2の電極間間隔d、時定数τ、コ
ンデンサ10−1〜10−nの容量値C1〜Cn及び算出された
比抵抗ρから最適コンデンサ10−iを選定し、細胞懸濁
液量voを算出する条件設定手段、26は抵抗測定回路20の
測定値R、チャンバ2の電極間間隔d及び算出された比
抵抗ρから細胞懸濁液量vを検出する細胞懸濁液量検出
手段、28は条件設定手段24で算出された細胞懸濁液量vo
を表示する表示手段である。
(作用) 遺伝子導入を行なう場合を例にして説明する。
チャンバ2を電極間隔dと電極面積Aで決まるチャン
バ定数k(cm-1)=d/Aは予めわかっており、比抵抗算
出手段22に設定しておく、条件設定手段24にはチャンバ
2の電極間隔d、所望のパルス時定数τ(ms)、コンデ
ンサ10−1〜10−nの容量C1〜Cnを設定しておく。
まず、細胞と遺伝子を懸濁させた細胞懸濁液の所定量
のチャンバ2に入れて、チャンバ2の電極を全て細胞懸
濁液で満たす。抵抗測定回路20からチャンバ2へ交流電
流が流され、その電流値と交流電流の電圧とからチャン
バ2の抵抗r(KΩ)が測定される。比抵抗算出手段22
は測定された抵抗rとチャンバ定数kとから比抵抗ρ
(KΩ・cm)をρ=r/kによって算出する。
条件設定手段24はコンデンサ10−1〜10−nの各容量
C1〜Cnに対して、時定数を設定された時定数τとするの
に必要な細胞懸濁液の量vを算出する。それらの算出さ
れたvのうちチャンバ2の容量よりも小さく、かつ、チ
ャンバ2の容量に最も近い値をvoとして選定し、そのvo
を算出するのに使用された容量Ciのコンデンサ10−iを
最適値として選定する。選定されたvoは表示手段28に表
示される。
コンデンサ10−iが接続され、また、チャンバ2には
自動又は手動により細胞懸濁液が量voだけ注入される。
チャンバ2に細胞懸濁液が注入されると、抵抗測定回
路20によって交流電流が流されてその時のチャンバ2の
抵抗Rが測定される。懸濁液量検出手段26にもチャンバ
2の電極間間隔dを設定しておく。懸濁液量検出手段26
は電極間間隔d、比抵抗ρ及び測定された抵抗値Rとか
らチャンバ2に注入された細胞懸濁液量vを v=ρ・d2/R によって検出する。この検出されたvと算出値voとの比
較によりチャンバ2に所定量の細胞懸濁液が注入された
か否かを判断することができる。
所定量voの細胞懸濁液が注入されると、選定されたコ
ンデンサ10−iに電源8から充電され、その充電電荷が
チャンバ2に放電されることにより所望の時定数τをも
つパルス電界を細胞に印加することができる。
時定数τを条件設定手段に設定すればその時定数τに
応じてコンデンサ10−iが選定され、チャンバ2に注入
される細胞懸濁液量voが算出されるので、時定数τを連
続的に変化させて設定することができる。
(実施例) 第2図は一実施例を表わす。
チャンバ2は平行平板の対向電極4,6を備えており、
電極4,6は垂直方向に立っている。電極4,6間に細胞懸濁
液を注入することができ、注入量は任意の量とすること
ができる。電極6は接地され、電極4は切替えスイッチ
15aに接続されている。切替えスイッチ15aの一方の接点
にはコンデンサを選択するスイッチ12−1〜12−nが接
続されている。スイッチ12−1〜12−nにはそれぞれコ
ンデンサ10−1〜10−nの一方の電極が接続され、コン
デンサ10−1〜10−nの他方の電極は接地されている。
コンデンサの容量はC1〜Cnである。
コンデンサ10−1〜10−nを充電するために、スイッ
チ12−1〜12−nとコンデンサ10−1〜10−nの回路に
はスイッチ14と抵抗9を介して直流電圧電源8の+電極
が接続され、電源8の−電極は接地されている。
切替えスイッチ15aの他方の接点には抵抗測定回路20
が接続されている。抵抗測定回路20では切替えスイッチ
15aの接点に抵抗32を介して交流電源34が接続されてい
る。抵抗32の両端には電位差を測定するために差動増幅
器36が接続され、差動増幅器36の出力は整流回路38で整
流され、A/D変換器40でデジタル信号に変換されてマイ
クロコンピュータ30に取り込まれる。
コンデンサ10−1〜10−nを選択するスイッチ12−1
〜12−n、スイッチ14及び切替えスイッチ15aはマイク
ロコンピュータ30によりオン・オフ又は切替えが制御さ
れる。
42は本装置の動作を操作するとともに、チャンバ定数
k、電極間間隔d、時定数τ、コンデンサの容量C1〜Cn
を設定するために使用されるキーボードであり、28は表
示手段としてのCRTである。
第1図における比抵抗算出手段22、条件設定手段24及
び細胞懸濁液量検出手段26はマイクロコンピュータ30に
よって実現される。
次に、本実施例の動作を第3図のフローチャートを参
照して説明する。
まず、操作者はチャンバ2に細胞権濁液の所定量を注
入する。細胞懸濁液を注入したことが入力されると(ス
テップS1)、スイッチ14,15が第2図の状態から、切替
えスイッチ15aが抵抗測定回路20側に切り替えられる。
これにより、交流電源34から抵抗32を経てチャンバ2に
交流電流が流れ、このとき抵抗32で発生する電圧が差動
増幅器36により検出され、整流回路38で整流され、A/D
変換器40でデジタル信号に変換されてマイクロコンピュ
ータ30に取り込まれ、チャンバ2の抵抗r(KΩ)が算
出される(ステップS2)。そして、チャンバ定数kが取
り込まれ、比抵抗ρが ρ=r/k として算出される(ステップS3,S4)。
次に、設定された電極間間隔d(cm)、時定数τ(m
s)及びコンデンサ10−1〜10−nの容量C1〜Cnが取り
込まれ(ステップS5)、その時定数τになるように、コ
ンデンサ10−1〜10−nの容量C1〜Cnに対する細胞懸濁
液量v(ml)が算出される。この計算は次の式によって
行なわれる。
v=ρd2Ci/τ 算出された細胞懸濁液量vのうちチャンバ2の容量よ
りも小さく、かつチャンバ2の容量に最も近いものが最
適な細胞懸濁液量voとなり、そのときの容量Ciとともに
選定され、コンデンサ選択用スイッチ12−1〜12−nの
うちその容量Ciをもつコンデンサ10−iのスイッチ12−
iがオンとされ(ステップS6)、細胞懸濁液量voはCRT2
8に表示される(ステップS7)。
比抵抗ρを測定するために注入した細胞懸濁液を取り
出した後、操作者は表示された細胞懸濁液量voになるよ
うにチャンバ2に細胞懸濁液を注入する。このとき細胞
懸濁液はチャンバ2内で均一な高さとなるように注入す
る。
細胞懸濁液が注入されたことが入力されると、マイク
ロコンピュータ30はその時の抵抗測定回路20の出力から
チャンバ2の抵抗値Rが算出し、次式 v=ρd2/R によって実際に注入された細胞懸濁液量vとその時の時
定数τを算出し、CRT28に表示する(ステップS8)。マ
イクロコンピュータ30は注入された細胞懸濁液量vと時
定数τから算出された細胞懸濁液量voとを比較し、vが
voと一致すると判断される範囲内に入ったことを確認す
ると(ステップS9)、スイッチ14をオンにして選定され
たコンデンサ10−iを電源8により所定の初期電圧まで
充電させる(ステップS10)。所定の初期電圧はマイク
ロコンピュータ30に予め入力されているものとする。
その後、マイクロコンピュータ30はスイッチ14をオフ
にし、スイッチ15aをコンデンサ側に切り替えてチャン
バ2にコンデンサ10−iの電荷を放電させる(ステップ
S11)。これにより、チャンバ2の細胞懸濁液に所定の
初期電圧で、設定された時定数τのパルス電界を与え
る。
実施例は本発明を遺伝子導入装置に適用した例を示し
ているが、例えば第2図の装置にさらに交流電源装置を
設け、チャンバ2に交流電界と直流電界を切り替えて印
加するようにすれば、細胞融合装置として使用すること
ができるようになる。
(発明の効果) 本発明では複数のコンデンサのうちの最適なものに対
し、チャンバに注入する細胞懸濁液量を算出し、実際に
注入される細胞懸濁液量が算出された量になるように、
抵抗測定回路による抵抗値測定から監視し、その後にコ
ンデンサを経てチャンバの細胞懸濁液に直流電圧パルス
を印加するようにしたので、所望の時定数の直流電圧パ
ルスを印加することができ、実験の再現性がよくなる。
チャンバに注入する細胞懸濁液量は連続的に変えるこ
とができ、チャンバの容量以内であれば自由に変化させ
ることができるので、時定数を連続的に変化させること
ができ、きめの細かい実験を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を示すブロック図、第2図は一実施例を
示す回路図、第3図は一実施例の動作を示すフローチャ
ート図、第4図は従来の遺伝子導入装置を示す回路図で
ある。 2……チャンバ、4,6……電極、8……直流電圧電源、1
0−1〜10−n……コンデンサ、20……抵抗測定回路、2
2……比抵抗算出手段、24……条件設定手段、26……細
胞懸濁液量検出手段、28……表示手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向電極間に細胞懸濁液を収容して電界を
    印加するチャンバと、直流電圧電源と、前記電源により
    充電され、前記チャンバに放電する並列接続された互い
    に容量の異なる複数個のコンデンサと、前記チャンバに
    交流電流を流して前記チャンバの抵抗値を測定する抵抗
    測定回路と、この抵抗測定回路の測定値とチャンバ定数
    とから細胞懸濁液の比抵抗を算出する比抵抗算出手段
    と、前記チャンバの電極間間隔、時定数、前記コンデン
    サの容量値及び算出された比抵抗から最適コンデンサを
    選定し、細胞懸濁液量を算出する条件設定手段と、前記
    抵抗測定回路の測定値、前記チャンバの電極間間隔及び
    算出された比抵抗から細胞懸濁液量を検出する細胞懸濁
    液量検出手段と、前記条件設定手段で算出された細胞懸
    濁液量を表示する表示手段とを備えた時定数制御型細胞
    電気刺激装置。
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