JP2613310B2 - 着香料を添着したアセテート繊維棒状体切断片の製造方法 - Google Patents

着香料を添着したアセテート繊維棒状体切断片の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シカレットフィルターとして利用可能であ
り、或いは喫煙と喫煙の間に吸引することにより口中を
爽やかな清涼感を与え、次の喫煙をよりおいしく感じさ
せ得る、着香料を添着したアセテート繊維棒状体切断片
の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来より、煙草のきざみにメントール等の着香料をス
プレーしたメントール入り煙草がクールな喫煙感覚を与
えるものとして広く用いられている。こうした煙草のき
ざみにメントール等の着香料を添加したものは、燃焼時
に着香料が分解されたり、また喫煙の進行に従ってメン
トール等の香気が減少する等の問題が残り、フィルター
部に着香料を加香する方法が種々提案されている。
シガレットフィルターとしては、捲縮アセテート繊維
トウに可塑剤としてトリアセチンを添加した棒状体が広
く用いられており、この可塑剤中にメントール等の着香
料を混合することにより、容易に着香棒状片が得られる
ことが、例えば特開昭59−159768号公報や特開昭61−22
4978号公報により知られている。
これを更に改良したものとして特公昭43−28077号公
報に示すしょ糖高級脂肪酸エステルを含有する加香タバ
コけむりフィルターがある。
しかるに、これらは可塑剤として使用するトリアセチ
ン中へのメントール等の着香料の溶解に限度があり、多
量のメントール等の着香料をフィルター中に含有せしめ
ることは困難である。例えば、20℃のトリアセチン中に
は約15%程度のメントールしか溶解できず、繊維重量に
対するトリアセチン量を6%とすると、約0.9%のメン
トールしかフィルター中に含有せしめることができな
い。
これに対し、特公昭43−28078号公報にはメントール
入りシガレットフィルターの製法では、l−メントール
を混合溶解した接着剤溶液を繊維束に噴霧したり、浸漬
したりした後に、乾燥・成型する方法が開示されてお
り、また特公昭43−28079号公報には20〜120℃の温度の
l−メントール蒸気中にフィルタープラグを静置し、該
プラグ中にl−メントールを吸着せしめる着香シガレッ
トフィルターの製造法が開示されている。
これらの方法は、多量の着香料の添加を可能にする点
では有用であるが、既存設備の大幅な改造が必要であ
り、加えて着香料の添加量をコントロールすることが難
かしい。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、設備の大幅な改造を必要とせずメン
トール等の着香料を多量にかつ容易に、しかも精度良く
繊維棒状体に添着し得る着香料を添着したアセテート繊
維棒状体切断片の製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段及び作用) この目的を達成するため本発明は、連続せる捲縮アセ
テート繊維トウを均一に開繊し、可塑剤を添加した後、
円柱状に収束し、その外周に略一周巻紙を巻廻しながら
その両端重ね合わせ部を接合して得られる連続せる円柱
状の棒状体を予め設定された長さに切断し、アセテート
繊維棒状体切断片を製造する方法に於いて、前記棒状体
を形成する前の工程で、常温で固体の着香料をその融点
以上に加熱して溶融状態としたものを、開繊された前記
アセテート繊維トウの表面に可塑剤とは独立して添着さ
せることを特徴とする着香料を添着したアセテート繊維
棒状体切断片の製造方法を要旨とする。
本発明の方法を実現するためには、既存のシガレット
フィルターの製造装置に簡易な装置を付設し、もしくは
若干の改造を施すだけで足りる。
以下、図面に示す本発明の着香繊維棒状体切断片の製
造フローの概念図に基づいて、本発明を作用と共に更に
詳しく説明する。
図中、符号22で示す加熱ノズル、23で示す熱装置、24
で示す加熱ギヤポンプ及び25で示すヒーティングホース
が、本発明を実施するため従来の通常のシガレットフィ
ルター製造装置に付加された部分である。
まず、ベール1より捲縮アセテート繊維トウ2が連続
的に取り出され、第1バンディングジェット3で空気開
繊された後、ガイド6を経由して第2バンディングジェ
ット4によりさらに空気開繊され、次いでプリテンショ
ンロール7、フィードロール8、レシオロール9を介し
て機械的に引張り、開繊され、更に第3バンディングジ
ェット5を通して空気開繊された後、可塑剤添加装置26
に入る。
可塑剤添加装置26では、一対の可塑剤タンク27、28か
ら可塑剤が取り出され、ギアポンプ29、30により上下ブ
ラシロール33、34に供給され、細かな液滴状で開繊され
たアセテート繊維トウ2に添加される。31、32は上下ブ
ラシロール33、34に可塑剤を供給する各ホースを示す。
開繊され可塑剤が供給されたアセテート繊維トウ2は、
デリベリーロール10により引き取られ、エアジェット11
を介して円柱状に収束するためのトング12に導かれる。
このデリベリーロール10とエアジェット11の間に加熱ノ
ズル22が設置され、該加熱ノズル22に着香料加熱容器23
内で溶融された着香料が加熱ギアポンプ24を介して定量
供給され、溶融着香料が開繊されて可塑剤が添加された
繊維トウ2に供給、添着される。25は、加熱ギアポンプ
24から加熱ノズル22に溶融着香料を送るためのヒーティ
ングホースである。
エアジェット11からトング12に送り込まれ、円柱状に
収束され、着香料が添着されたアセテート繊維トウ2の
外周には、巻紙ボビン15から送り出された巻紙16が巻き
廻され、その両端重ね合わせ部がホットメルトガン20よ
り供給されるホットメルト糊で接合され、クーリングチ
ャンバー13で冷却されて接合を完全なものとした後、連
続する棒状体35となり、カッター18により予め設定され
た長さに切断されて繊維棒状体切断片からなる着香棒状
片36が得られる。21は、円柱状の繊維集合体と巻紙16と
を固定するレール糊を供給するためのノズルを示し、14
は棒状成型体を駆動させるためのガニチャーベルト、17
は該ガニチャーベルト14を駆動させるためのドラムプー
リー、19は得られた着香棒状体36を搬送するためのキャ
ッチャーベルトコンベアを示す。
本発明で使用する着香料には、常温で固体をなしたl
−メントールやバニリンのような加熱溶融可能なるもの
が使用される。加熱容器23に投入された着香料は融点以
上の温度に加熱されることにより溶融状態となり、加熱
ギアポンプ24で、アセテート繊維トウ2に対し、一定の
割合の溶融着香料が定量供給される。ヒーティングホー
ス25を経由して加熱ノズル22に送られた溶融着香料は、
1個または複数個のノズル孔もしくはスリット孔より押
し出され、アセテート繊維トウ2の表面に添着される。
ここでエアジェット11は、アセテート繊維トウ2のトー
タルデニールが十分に大きいとき、或いは巻上速度が低
い場合には、特に使用する必要がない。
このように、デリベリーロール10の下流側で溶融着香
料を添着する以外にも、可塑剤添加装置26が第1図に示
すような上下2本のブラシロール34、33を有するもので
あれば、その内の一方の系統を溶融着香料の添着に利用
することができる。この場合は、溶融着香料を添加する
系統を加熱が可能な構造に改造する必要があり、同時に
その可塑剤添加装置26の内面壁温度も加熱制御して、着
香料の添着装置に改造する必要がある。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1 捲縮アセテート繊維トウとして、単糸繊度3デニー
ル、単糸断面形状Y型、総繊度36000デニールのトウを
用い西独ハウニー社製プラグ巻上機KDF−III/AF−IIIを
用い、600m/分の巻上速度で周囲24.6mm、長さ120mmの本
発明による着香棒状片を巻上げた。着香料としてはl−
メントールを使用し、その加熱溶融、送液装置として
は、VALCO CINCINNATI社製ギアポンプ組込型ホットメル
トアプリケーターを使用し、加熱ノズルとしては4個の
ノズル孔を有する。同じくVALCO CINCINNATI社製9010型
ガンを使用し、第1図に示すような配置とした。着香料
加熱容器の設定温度は70℃とし、ヒーティングホース、
加熱ノズルの設定温度はそれぞれ60℃とし、l−メント
ール量が対トウ重量組成で6%、38mg/本、可塑剤量が
同じく対トウ重量組成で6%、38mg/本、通気抵抗350mm
H2Oの着香棒状片を得た。
実施例2 捲縮アセテート繊維トウとして、単糸繊度8デニー
ル、単糸断面形状Y型、総繊度29000デニールのトウを
用い、加熱ノズルとしては1個のノズル孔を有するVALC
O CINCINNATI社製9015型ガンを使用する他は実施例1と
同じ装置を使用し、円周24.7mm、長さ120mm、l−メン
トール量が対トウ重量組成で12%、70mg/本、可塑剤量
が同じく対トウ重量組成で6%、35mg/本、通気抵抗117
mmH2O、総重量0.585g/本の着香棒状片を得た。
(発明の効果) 以上の説明からも明らかなように、本発明による着香
料を添着したアセテート繊維棒状体切断片の製造方法に
よれば、捲縮アセテート繊維トウを円柱状に収束する前
の工程で加熱溶融状態にある液状の着香料を開繊された
アセテート繊維の表面に可塑剤とは独立して添着するよ
うにしているため、その添着量が高精度に制御されると
共に、粉体等からなる着香料と異なり繊維表面によく添
着され脱落することがなく、特にその添着量は通気抵抗
を低下させることなく従来の液状可塑剤に混入される着
香料に較べると大幅増加させることが可能となる。
そして、上記実施例1で得た着香棒状体を20mmの長さ
に切断し、これを市販タバコ“エプソン”(商品名)よ
りフィルター部を切り取ったたばこ部とセロハンテープ
で接続し、喫煙試験をしたところ爽快な喫煙感が得ら
れ、しかもその喫煙感は喫煙の間中持続した。
また、上記実施例2で得た着香棒状体を80mmの長さに
切断し、そのままの状態で吸引したところ爽やかな清涼
感が得られ、かつ十分な時間香りが持続することを確認
できた。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の着香繊維棒状体の製造フローを示す概略図
である。 図の主要部分の説明 2……捲縮アセテート繊維トウ 4,5……バンディングジェット 11……エアジェット 12……トング 13……クーリングチャンバー 16……巻紙 18……カッター 19……キャッチャーベルトコンベア 20……ホットメルトガン 21……レール糊用ノズル 23……着香料加熱容器 24……加熱ギアポンプ 25……ヒーテングホース 26……可塑剤供給装置 27,28……可塑剤タンク 29,30……ギアポンプ 31,32……ホース 33,34……ブラシロール 35……連続棒状体 36……着香棒状片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続せる捲縮アセテート繊維トウを均一に
    開繊し、可塑剤を添加した後、円柱状に収束し、その外
    周に略一周巻紙を巻廻しながらその両端重ね合わせ部を
    接合して得られる連続せる円柱状の棒状体を予め設定さ
    れた長さに切断し、アセテート繊維棒状体切断片を製造
    する方法に於いて、前記棒状体を形成する前の工程で、
    常温で固体の着香料をその融点以上に加熱して溶融状態
    としたものを、開繊された前記アセテート繊維トウの表
    面に可塑剤とは独立して添着させることを特徴とする着
    香料を添着したアセテート繊維棒状体切断片の製造方
    法。
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