JP2612612B2 - 油中可燃性ガス検出装置 - Google Patents

油中可燃性ガス検出装置

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JP2612612B2
JP2612612B2 JP1048049A JP4804989A JP2612612B2 JP 2612612 B2 JP2612612 B2 JP 2612612B2 JP 1048049 A JP1048049 A JP 1048049A JP 4804989 A JP4804989 A JP 4804989A JP 2612612 B2 JP2612612 B2 JP 2612612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は油入機器、例えば油入変圧器の絶縁油中に溶
解している可燃性ガスを分離し、分離された可燃性ガス
の量を測定して油入変圧器の異常を早期に検出する装置
に関する。
〔従来の技術〕
油入電気機器、例えば油入変圧器などの内部に熱的も
しくは電気的な異常がおきると、その周辺の絶縁油や絶
縁物が分解し、ガスを発生する。これらのガスは絶縁油
中に溶解し、油中のガス濃度が増大するので油中に溶存
しているガス(以下、油中ガスと称する)を抽出して分
析し、その分析結果から変圧器内部の異常状態を診断す
る方法が既によく知られており、異常状態を早期に発見
できるので国内外で広く用いられている。
一般に行なわれている油中ガスの分析方法は、対象と
する変圧器から絶縁油を採取したのち水銀を使ったトリ
チエリ真空やテプラポンプによる真空を利用して油中ガ
スを抽出し、抽出ガスをガスクロマトグラフにより分析
するものである。しかし、この方法は手軽に実施できる
反面、手動または半自動で行なわれるため、分析開始か
ら終了までの全過程を通して人手を必要とし、しかも操
作が複雑であって精度の高い分析をするためには熟練し
た技術者が必要である。そしてかなりの労力、時間、経
費を必要とする。このため、これらの操作を自動化した
現地据え付け型の自動ガス分析装置も開発されている
(特公昭52-209号公報、雑誌「富士時報」第45巻第11
号、「石油学会誌」第24巻第2号参照)が、装置が高価
であり、保守の面でも労力が大きい欠点がある。
一方、最近では、操作が複雑なガス抽出装置に代わる
ものとして液体は通過させないで気体のみを通過させる
ガス透過材を利用する方法が考案されている。この方法
は変圧器の一部、たとえば排油口などに高分子膜を取り
付けて油とガス検知室とを分離し、膜を透過したガスを
検知室内に設けた電解質電極あるいは接触燃焼式や半導
体式のガス検知素子で検知し、変圧器内部の異常を発見
しようとするものである。この方法は装置が単純で安価
である反面、ガスの透過速度が比較的遅いため検知室内
のガス濃度がなかなか平衡に達しないので異常の発見が
遅れる欠点がある。さらに検知室内の酸素が膜を通して
変圧器内部の絶縁油中に溶け込み、変圧器に悪影響を与
える欠点もあった。
以上の問題を解決するために、本発明者らの発明にな
る油中可燃性ガス検出装置を特許出願中である(特願昭
63-28525号および特願昭63-29297号参照)。第4図はこ
の油中可燃性ガス検出装置の構成とともに油とガスの経
路を説明するための系統図を示したものであり、以下に
装置の各構成部材とその作用を図を参照しつつ変圧器内
の絶縁油中に溶解しているガスを抽出器で抽出した抽出
ガス中の可燃性ガス量の測定過程を説明する。
後に詳細を説明するガス抽出器1に接続されている配
管から図示されていない変圧器内の絶縁油がこのガス抽
出器1内に一定量採取され、ここで絶縁油中に溶解して
いるガスが抽出される。このガス抽出器から上方に延び
る配管にはガス溜め室が接続され、さらにここから電磁
弁10,ガス検知室3および電磁弁8を介して系外の自由
端に接続される経路、系外の自由端から電磁弁6,エアポ
ンプ4,流量調節バルブ5および電磁弁9を介してガス抽
出器1とガス溜め室2とを結ぶ配管の中間に接続される
経路、この二つの経路を電磁弁7を介して結ぶ経路、お
よび、ガス溜め室2と電磁弁10とを結ぶ配管の中間から
電磁弁11を介して図示していない空気導入口やガス溜め
室2内を真空にする真空ポンプに接続される経路とから
構成されている。ガス検知室3内には抽出ガス中の可燃
性ガス量を測定するために接触燃焼式のガス検知素子が
設置されており、この接触燃焼式ガス検知素子は可燃性
ガス警報器として種々市販されているもので適当な温度
に加熱された触媒に可燃性ガスを含んだ空気が接触する
と触媒表面で燃焼し、触媒内の金属導体が加熱されて電
気抵抗が変化するのでこの変化を測定すれば抽出ガス中
の可燃性ガス量が測定できる。ガス溜め室2内に集めら
れている抽出ガス中の可燃性ガス量の測定は以下の手順
で行なわれる。測定を開始する前に図示していないガス
検知素子の出力を安定させるために電磁弁6を介して系
外から導入した空気をエアポンプ4で流量調節バルブ5,
電磁弁7を通してガス検知室3におくり、さらにガス検
知室3内の空気は電磁弁8を通って系外に流出する。ガ
ス検知素子の出力が安定したのち電磁弁9および10を開
けると同時に電磁弁7を閉めると、今まで電磁弁7を通
ってガス検知室に流れていた空気は電磁弁9を通ってガ
ス溜め室2に流入し、ガス溜め室2内の抽出ガスは電磁
弁10を通ってガス検知室3に流入する。ガス検知室3に
流入した抽出ガス中の可燃性ガスはガス検知素子上で燃
焼するのでガス検出素子の金属導体の電気抵抗が変化
し、これによって可燃性ガス量が測定される。ガス検知
室3内で燃焼した残りのガスおよび未燃焼のガスは電磁
弁8を通って系外に排出される。
ところで、上述の油中可燃性ガス検出装置を構成する
ガス抽出器1は、ベローズの一方端が一方の面に固着さ
れたピストンをシリンダ内に収納し、ベローズの他方端
をシリンダ底面に固着してなるもので、ベローズを備え
たピストンの進退動作を繰り返すことにより、前回のガ
ス検出時に抽出器内に残留していた古い絶縁油を排除し
つつベローズとシリンダとの間の空間に機器内の新しい
絶縁油を採取することが可能になるとともに、この採取
された新しい絶縁油に溶解しているガスを、前記ピスト
ンを再び進退動作させて前記ベローズとシリンダとの間
に採取された油をピストンを前後に貫通する細孔を通し
てピストン背後の減圧された空間に激しく噴出させるこ
とにより抽出することができるから、絶縁油中の溶解ガ
スは外気と接触することなく抽出される。また、真空ポ
ンプは、ピストン背後に抽出されたガスがピストンの進
退動作によりガス溜め室に送り込まれるのに先立ち、あ
らかじめ前回のガス検出時にガス溜め室内に残留してい
たガスを完全に除去するから、ガス溜め室内には全く新
しいガスのみが貯留されることになる。また、このガス
溜め室内に導入されガス検知室内に送入されてこの室内
に設置されたガス検知素子の校正に用いられる標準混合
ガスも、校正終了後は完全に除去され、この校正ガスも
溶解ガスの検出精度には影響を与えない。さらに、この
装置構成では、抽出ガスがガス検知室に送り込まれるの
に先立ち、エアポンプにより外部の新しい空気がガス検
知室に送り込まれ、かつこの空気はガス検知室から装置
の系外へ排出されるから、ガス検知室内はエアポンプの
運転中常に新しい空気で洗われ、このためガス検知素子
は前回の抽出ガスや校正ガスの影響のない、新しくかつ
安定した状態で検知動作に入ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述の油中可燃性ガス検出装置による
本願発明者らのその後の研究によれば、上述のように測
定精度に配慮した装置構成にもかかわらず、測定値に誤
差が生じ、この誤差は真の値よりも高い方に生じるとと
もに測定値自体にばらつきが生じることが判明した。
この発明の目的は、測定値のばらつきが小さくなり、
これにより誤差レベルの評価が容易となる油中可燃性ガ
ス検出装置の構成、あるいは、測定値自体の誤差が小さ
くなる油中可燃性ガス検出装置の構成を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
前記の課題を解決するため、本発明においては、油中
可燃性ガス検出装置を、ベローズを備えたピストンの進
退動作により油入電気機器内の絶縁油を採取し、かつ該
絶縁油中の溶解ガスを抽出するガス抽出器、該ガス抽出
器に配管され抽出ガスを貯留するガス溜め室、前記ガス
抽出器から抽出ガスが前記ガス溜め室に送り込まれるの
に先立ち前記ガス溜め室を真空にする真空ポンプ、該ガ
ス溜め室内に貯留されている抽出ガスを循環させつつ攪
拌する攪拌ポンプ、ガスの検出に先立ち直接ガス検知室
に系外の空気を送り込むとともにガスの検出時には該ガ
ス溜め室内の抽出ガスをガス検知室に送り込む空気を送
出するエアポンプ、可燃性ガスを検知する検知素子を設
置してある前記ガス検知室、および前記の各構成要素間
を接続するガス流路の切り替えを行うガス流路切換部を
備え、ガスの検出に先立ち、前記ガス流路切換部が第1
の切換状態となり、前記攪拌ポンプを稼働させることに
より前記ガス溜め室内の抽出ガスをガス溜め室と攪拌ポ
ンプとの間で循環させる第1のガス流路と、前記エアポ
ンプを稼働させることにより系外の空気を上流側より系
外,エアポンプ,ガス検知室,系外の順で通流させる第
2のガス流路とを、互いに分離された2つのガス流路と
して形成し、ガスの検出時には、前記ガス流路切換部が
第2の切換状態となり、前記エアポンプを稼働させるこ
とにより系外の空気を、前記ガス溜め室内の抽出ガスを
前記ガス検知室の方へ送り出すようにして、上流側より
系外,エアポンプ,攪拌ポンプ,ガス溜め室,ガス検知
室,系外の順で通流させる第3のガス流路を形成し、ガ
スの検出に先立ち系外の空気を前記ガス検知室を介して
系外へ送り出すとともにガスの検出時には前記攪拌ポン
プにより攪拌された抽出ガスをガス溜め室からガス検知
室を介して系外へ空気で送り出しつつ抽出ガス中の可燃
性ガス量を測定するものとする。
〔作用〕
この発明は、ガス抽出器により油中に溶存しているガ
スを採取する際に、油の微粒や蒸気が混入して採取さ
れ、これが可燃性ガス量測定時の誤差を与える原因とな
ることに着目したものである。すなわち、すでに述べた
ように、ベローズを備えたピストンをシリング内で進退
させ、ピストンを前後に貫通する細孔を通してピストン
背後の減圧された空間に油を激しく噴出させると、この
減圧された空間内には油中溶存ガスのほかに油の微粒や
蒸気が共存し、これを配管を介してガス溜め室内へ導い
たとき、ガス溜め室内には、油の液状のものはほとんど
ないが、溶存ガスと油の微粒によるミストと油の蒸気と
が共存し、しかもこれら溶存ガスとミストと蒸気との空
間分布が室内で均一にならず、しかも、この空間分布は
時間とともに変化する。このため、ガス溜め室内のいわ
ゆる抽出ガスをガス検知室内へ送り出すときに、送り出
しの初期と後期とでは送り出されたガスの組成が異なっ
たものとなり、測定値にばらつきが生じる。また、ガス
検知室内へ送り込まれる抽出ガス中には、溶存ガスのほ
か油のミストや蒸気が含まれているから、可燃性ガスの
みの真の値を測定することはできない。
そこで、本発明のように、油中可燃性ガス検出装置内
に、ガス溜め室に貯溜された抽出ガスを循環させつつ攪
拌する攪拌ポンプを設け、可燃性ガス量測定時にこの攪
拌ポンプを稼働させて抽出ガスを循環させつつ攪拌さ
せ、このようにしてガス溜め室内の組成が均一となった
状態の抽出ガスをガス溜め室からガス検知室に送り込む
ようにすれば、測定値のばらつきは顕著に小さくなる。
また、攪拌ポンプによる抽出ガスの循環,攪拌時に油の
微粒や蒸気はこの循環系に付着,除去され、運転時間と
ともに抽出ガス中の溶存ガスの純度が向上し、測定値の
誤差も減少してほぼ一定のレベルに落着く。従って、こ
の装置構成により測定を繰り返し、誤差のレベルを評価
しておくことにより、得られた測定値から真の値を比較
的精度よく求めることが可能になる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
第1図は本発明の実施例による油中可燃性ガス検出装
置の構成とともに油とガスの経路を説明するための系統
図を示したものであり、以下に装置の各構成部材と作用
を図を参照しつつ説明する。
ガス抽出器1に接続されている配管から図示されてい
ない変圧器内の絶縁油が、ガス抽出器1内に設けられて
いるベローズピストンの進退動作により一定量抽出器内
に採取され、ここで絶縁油の採取動作と同様にベローズ
ピストンの進退動作によって絶縁油中に溶解しているガ
スが抽出される。このガス抽出器1から上方に延びる配
管にはガス溜め室2が接続され、さらにここから三方電
磁弁10、ガス検知室3、および電磁弁8を介して系外の
自由端に接続される経路、系外の自由端から電磁弁6、
エアポンプ4、流量調節バルブ5、三方電磁弁9、およ
び攪拌ポンプ12を介してガス抽出器1とガス溜め室2と
を結ぶ配管の中間に接続される経路、ガス溜め室2と三
方電磁弁10を結ぶ配管の途中と、攪拌ポンプ12と三方電
磁弁9とを結ぶ配管の途中とを電磁弁7を介して結ぶ経
路、三方電磁弁10と三方電磁弁9とを結ぶように接続さ
れる経路、およびガス溜め室2と三方電磁弁10とを結ぶ
配管の中間から電磁弁11を介して図示していない空気導
入口やガス溜め室2内を真空ポンプに接続される経路か
ら構成されている。ガス検知室3内には抽出ガス中の可
燃性ガス量を測定するために接触燃焼式のガス検知素子
が設置されており、この接触燃焼式ガス検知素子は可燃
性ガス警報器として種々市販されているもので適当な温
度に加熱された触媒に可燃性ガスを含んだ空気が接触す
ると接触表面で燃焼し、触媒内の金属導体が加熱されて
電気抵抗が変化するのでこの変化を測定すれば抽出ガス
中の可燃性ガス量が測定できる。
ガス溜め室2内に集められている抽出ガス中の可燃性
ガス量の測定は、以下の手順で行なわれる。測定を開始
する前にガス検知室3内に設けられているガス検知素子
の出力を安定させるために電磁弁6を介して導入した空
気をエアポンプ4で流量調節バルブ5、三方電磁弁9、
三方電磁弁10を通してガス検知室3に送り、さらにガス
検知室3内の空気は電磁弁8を通って系外に流出する。
また、ガス溜め室2内の抽出ガスは電磁弁7を開けて攪
拌ポンプ12を稼働することにより、ガス溜め室2→電磁
弁7→攪拌ポンプ12→ガス溜め室2の間を循環し、抽出
ガス中に含まれている油中溶存ガス、油の微粒,蒸気な
どが混合される。したがって、最初この系内で不均一状
態で存在していた抽出ガスは、循環・混合されることに
より均一な組成となる。その後、攪拌ポンプ12を停止し
て電磁弁7を閉じ、さらに三方電磁弁9および三方電磁
弁10の流路を切替えると、今まで三方電磁弁9と三方電
磁弁10とを通ってガス検知室3に流れていた空気は、三
方電磁弁9および攪拌ポンプ12を通ってガス溜め室2に
流入し、ガス溜め室2内の抽出ガスは三方電磁弁10を通
ってガス検知室3に流入する。ガス検知室3内に流入し
た抽出ガスは、ガス検知素子に接触して燃焼し、抽出ガ
ス中の可燃性ガス量に比例してガス検知素子内の金属導
体の電気抵抗が変化する。この抵抗変化をとらえること
によって絶縁油中の可燃性ガス量が測定される。ガス検
知室3内で燃焼した残りのガスおよび未燃焼のガスは、
電磁弁8を通って系外に排出される。
実際にこの装置を用いてガス溜め室2内の抽出ガスの
組成を測定した結果を下表に示す。
この結果、本発明の装置では攪拌ポンプ12で抽出ガス
を循環・混合することによりガス溜め室2内の抽出ガス
が均一な組成になっていることが分かる。
第2図に本発明の参考例を示す。本参考例が前記の実
施例と異なるところは、前記の実施例における攪拌ポン
プ12(第1図)の代わりに、ガス検知室3の前段に油ミ
スト,油蒸気を除去するための吸着カラムとして活性炭
カラム13を設けた点である。実際にこの装置を用いて油
ミスト、あるいは油蒸気等が除去できるかどうかを、活
性炭のほか、異なる吸着剤を用いた吸着カラムにより検
討した結果を第3図に示す。この結果、吸着カラムを取
り付けていない場合は、真の値より約130ppm高くでるの
に対し、活性炭カラムを付けた場合には油ミスト,油蒸
気等の影響を除去できることが分かった。また、活性炭
カラム以外の第3図に示したカラムでは油ミストあるい
は油蒸気等の影響を低減できるが、完全に除去すること
はできない。さらに吸着カラムとしてモレキュラーシー
ブのようなものも考えられるが、これらは抽出ガス中の
炭化水素ガスも吸着除去してしまうので、これらのカラ
ムを取り付けた場合には測定値が真の値より低くなって
しまう。したがってモレキュラーシーブのように炭化水
素ガスを吸着除去するカラムは使用できない。次に油ミ
スト、あるいは油蒸気等を完全に除去する活性炭カラム
の長さを検討した。その結果、5cmのカラムでは特に問
題はなかったが、10cmのカラムでは可燃性ガスの検出ピ
ークが二つに分離して測定ができないことが分かった。
したがって油中可燃性ガス検出装置の活性炭カラムの長
さは5cm以下でなければならない。
〔発明の効果〕
以上実施例で述べたように、本発明によれば油中ガス
の抽出をベローズピストン方式とし、ピストンの進退動
作を繰り返すことによって前回のガス検出時にガス抽出
器内に残留していた古い絶縁油を排除しつつ新しい絶縁
油を採取することが可能になるとともに、新しい絶縁油
に溶解しているガスを前記ピストンを再び進退動作させ
ることにより抽出できるので絶縁油中の溶解ガスは外気
と接触することなく抽出され、高分子膜を用いてガスを
抽出するときのように絶縁油中に外気の酸素が溶け込ま
なくなり、機器への悪影響をさけることができる。ま
た、ガス検出の目的は油入電気機器、特に電力系統の運
用に影響の大きい電力用変圧器の内部異常の有無の検出
にあり、異常の原因は異常発生の疑問が生じてからその
究明に着手すればよいことから、原因究明に必要なガス
の種類の判別が可能で高価なガスクロマトグラフでな
く、はるかに安価なガス検知素子を用いたので、機器に
悪影響を与えることのない、安価にして実用的な、かつ
保守の労力が少ないガス検出装置とすることができる。
しかも、本発明によるガス検出装置は真空ポンプを備
え、ガス検出に先立ち装置の系内に残留する前回のガス
検出時の抽出ガスが真空ポンプにより完全に排除され、
新たに抽出されたガスのみが検出の対象となる。そこ
で、この抽出ガスを循環させつつ攪拌する攪拌ポンプを
構成要素として油中可燃性ガス検出装置を構成した場合
には、ガス溜め室内の抽出ガスは測定に先立ち攪拌ポン
プにより循環・混合され、均一な組成にしたのちガス検
知室に送られるので検出結果のばらつきが少なくなり検
出結果に対する信頼性が著しく向上する。従ってまた、
検出結果における誤差のレベル評価が容易となり、真値
の推定が比較的精度よく可能となる。また、ガスを検出
するガス検知素子が配置されたガス検知室は、ガスの検
出に先立ちエアポンプにより新しい空気が送りこまれ、
しかもこの新しい空気はこれを系外へ流出させながら洗
われるから、前回の抽出ガスや校正ガスの影響のない,
新しくかつ安定した状態で検知動作に入ることができる
ので検出結果の信頼性が究極まで高められる。なお、本
発明の装置構成すなわちガス溜め室内に抽出されたガス
をガス検知室から系外に流出させながら検出する装置構
成による可燃性ガス量の測定結果によれば、ガス量を示
すオシログラム波形のゼロ線が真直ぐにきれいに得ら
れ、ガス量が正確に得られやすいメリットも副次的効果
として生ずる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例によるガス検出装置の構成
と、油とガスとの経路とを示す系統図、第2図はこの発
明の参考例によるガス検出装置の構成と、油とガスとの
経路とを示す系統図、第3図は活性炭カラムにより油ミ
ストや油蒸気等の測定に影響する物質を除去できること
を示す線図、第4図は従来のガス検出装置の構成と、油
とガスとの経路とを示す系統図である。 1……ガス抽出器、2……ガス溜め室、3……ガス検知
室、4……エアポンプ、12……攪拌ポンプ、13……活性
炭カラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿島 隆志 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 深山 三夫 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−114933(JP,A) 特開 昭54−114290(JP,A) 特開 昭61−294362(JP,A) 特開 平1−202675(JP,A) 特開 平1−203982(JP,A) 実開 昭63−25349(JP,U) 特公 昭58−46045(JP,B2) 特公 昭52−209(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベローズを備えたピストンの進退動作によ
    り油入電気機器内の絶縁油を採取し、かつ該絶縁油中の
    溶解ガスを抽出するガス抽出器、該ガス抽出器に配管さ
    れ抽出ガスを貯留するガス溜め室、前記ガス抽出器から
    抽出ガスが前記ガス溜め室に送り込まれるのに先立ち前
    記ガス溜め室を真空にする真空ポンプ、該ガス溜め室内
    に貯留されている抽出ガスを循環させつつ攪拌する攪拌
    ポンプ、ガスの検出に先立ち直接ガス検知室に系外の空
    気を送り込むとともにガスの検出時には該ガス溜め室内
    の抽出ガスをガス検知室に送り込む空気を送出するエア
    ポンプ、可燃性ガスを検知する検知素子を設置してある
    前記ガス検知室、および前記の各構成要素間を接続する
    ガス流路の切り替えを行うガス流路切換部を備え、ガス
    の検出に先立ち、前記ガス流路切換部が第1の切換状態
    となり、前記攪拌ポンプを稼働させることにより前記ガ
    ス溜め室内の抽出ガスをガス溜め室と攪拌ポンプとの間
    で循環させる第1のガス流路と、前記エアポンプを稼働
    させることにより系外の空気を上流側より系外,エアポ
    ンプ,ガス検知室,系外の順で通流させる第2のガス流
    路とを、互いに分離された2つのガス流路として形成
    し、ガスの検出時には、前記ガス流路切換部が第2の切
    換状態となり、前記エアポンプを稼働させることにより
    系外の空気を、前記ガス溜め室内の抽出ガスを前記ガス
    検知室の方へ送り出すようにして、上流側より系外,エ
    アポンプ,攪拌ポンプ,ガス溜め室,ガス検知室,系外
    の順で通流させる第3のガス流路を形成し、ガスの検出
    に先立ち系外の空気を前記ガス検知室を介して系外へ送
    り出すとともにガスの検出時には前記攪拌ポンプにより
    攪拌された抽出ガスをガス溜め室からガス検知室を介し
    て系外へ空気で送り出しつつ抽出ガス中の可燃性ガス量
    を測定することを特徴とする油中可燃性ガス検出装置。
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