JP2612035B2 - 静電磁性キャリヤ−粒子 - Google Patents

静電磁性キャリヤ−粒子

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JP2612035B2
JP2612035B2 JP63146709A JP14670988A JP2612035B2 JP 2612035 B2 JP2612035 B2 JP 2612035B2 JP 63146709 A JP63146709 A JP 63146709A JP 14670988 A JP14670988 A JP 14670988A JP 2612035 B2 JP2612035 B2 JP 2612035B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、1〜5重量%のランタンを含有する硬質フ
ェライト磁性キャリヤー粒子よりなる静電現像剤に関す
るものである。これらのフェライトは、ランタンを含ま
ない類似のフェライトと同様な望ましい磁性を有する
が、導電性がよりく、その結果現像効率がまる。
従来の技術 電子写真法では、静電荷像が誘電体表面上、一般には
光導電性記録部材の表面上に、形成される。この像の現
像は一般に、これを、トーナーとして知られている着色
樹脂粒子とキャリヤーとして知られている磁気的に引き
付けられる粒子との混合物よりなる二成分現像剤と接触
させることによって行なわれる。キャリヤー粒子は、非
磁性トーナー粒子が衝突することができるそしてそれに
よって静電像とは反対の摩擦電荷を得る部位として働
く。静電像および現像剤混合物間の接触の間に、トーナ
ー粒子はキャリヤー粒子から奪い取られる。トーナー粒
子はこれ以前はキャリヤー粒子に(摩擦電気力により)
電荷像と関連した比較的強力な静電力によって付着して
いた。このようにして、トーナー粒子は静電像上に付着
して、像が目に見えるようになる。
上記の種類の現像剤組成物を、磁気コアを中に有する
非磁性材料の円筒形スリーブよりなる磁気アプリケータ
ーによって、静電像へ付着させることはこの技術分野で
は知られている。コアは普通、コア表面の周りに磁場が
交互にNおよびSとなるように配した多数の平行な磁性
ストリップよりなる。これらの磁場はスリーブを通って
放射状に出て、そして現像剤組成物をスリーブの外表面
に引き付けてブラシがけした状態にする働きをする。円
筒形スリーブおよび磁気コアのいずれかまたは両方は互
いに対して回転して、現像剤が供給溜めから、現像すべ
き静電像と接触する位置に進むようにする。現像後、ト
ーナーがなくなったキャリヤー粒子をトーナーの補充の
ために溜めに戻す。
従来は、軟質の磁性材料でできたキャリヤー粒子を用
いて、トーナー粒子を静電像へ運びそして渡すようにし
てきた。米国特許第4,546,060号および第4,473,029号は
各々、キャリヤー粒子として硬質の磁性材料を使用する
ことおよびそのような硬質の磁性キャリヤー粒子を用い
る静電像の現像用装置を教示している。これらの特許
は、キャリヤー粒子が、磁気的に飽和したとき少なくと
も300エルステッドの保磁力を、そして加えた磁場が100
0エルステッドのとき少なくとも20EMU/gの誘導磁気モー
メントを示す硬質の磁性材料よりなることを要性として
いる。磁性材料に関する場合、“硬質”および“軟質”
という語は、1972年アディソン−ウエズレイ出版社から
出版されたB.D.CullityのIntroduction To Magnetic Ma
terials.第18頁に示されているような一般に解されてい
る意味を有する。これらの硬質の磁性キャリヤー材料で
は、軟質の磁性キャリヤー材料を使用する以上に、現像
速度を像の劣化を受けることなく著しくめるという大
きな進歩が見られる。軟質の磁性キャリヤー粒子を使う
場合に用いられる最速度の四倍もの速度が示された。
上記の特性を有する全ての硬質磁性材料に対して一般
的なことであるが、上記の二つの米国特許では、バリウ
ムおよび/またはストロンチウムの化合物、たとえばBa
Fe12O19、SrFe12O19および式MO・6Fe2O3(式中、Mは米
国特許第3,716,630号に記載のようにバリウム、ストロ
ンチウムまたは鉛である)を有する硬質磁性フェライト
が好ましい。これらの硬質フェライトキャリヤー材料
は、静電写真装置内で行なえる現像の速度を相当速める
が、この点においてなお一層改良を行なうことが望まし
い。
米国特許第3,193,502号には、ランタン含有フェライ
トを“テープレコーダー等用のテープにおける永久磁
石”に使用することが記載されている。
発明が解決しようとする課題 荷電したトーナー粒子を反対に荷電したキャリヤー粒
子から光導電体へ移すにつれて、トーナー粒子上の電荷
によって中性化されないキャリヤー粒子上の電荷が増
す。その結果、キャリヤー粒子上に残っているトーナー
粒子が光導電体へ移動することがより難しくなり、現像
効率が低くなることになる。キャリヤー粒子を、それら
の他の望ましい磁性を損うことなく、さらに導電性にす
ることができれば、キャリヤー粒子上の中性化されない
電荷をなくすことができる。キャリヤー粒子上に残って
いるトーナー粒子はその後、より移動し易くなり、現像
効率は増加するであろう。
課題を解決するための手段 本発明は、静電像の現像に使用するための、特許請求
したようなキャリヤー粒子を提供するものである。その
ようなキャリヤー粒子は、磁気的に飽和したとき少なく
とも300エルステッドの保磁力をそして加えた磁場が100
0エルステッドのとき少なくとも20EMU/gの誘導磁気モー
メントを示し、そして1〜5重量%のランタンを含有す
る、六方晶構造の硬質磁性フェライト材料よりなる。本
発明のキャリヤー粒子は、ランタンを含まないフェライ
ト材料の望ましい磁性を有するが、より導電性である。
本発明は、上記のような荷電したトーナー粒子および
反対に荷電したキャリヤー粒子を含む、コピー像の質を
低下させずに極めて速のコピーを行なうのに適した静
電現像剤に関するものである。二成分現像剤を用いて静
電像を表面上に現像する方法にも関する。
作 用 米国特許第4,546,060号および第4,473,029号に関連し
て上で指摘したように、キャリヤー粒子として“硬質”
の磁性材料を使用すると、“軟質”の磁性材料でできた
キャリヤー粒子と比較して、現像速度が著しく増加す
る。これらの特許に記載されている好ましいフェライト
材料には、式MO・6Fe2O3(式中、Mはバリウム、ストロ
ンチウムまたは鉛である)を有するバリウム、ストロン
チウムおよび鉛フェライトが含まれる。これらの材料は
六方晶構造を有する。(これらの二つの特許の記載をこ
こに引用する。)現像を行ない得る速度は、今まで用い
られてきた方法よりもずっと速いが、これらろ、現像法
を実施するために必要な磁性を有する上記のフェライト
材料の抵抗率によって制限される。たとえば、式SrO 6F
e2O3を有するストロンチウムフェライトの抵抗率は約10
9オーム・cmである。
従来技術では現像速度について一般にふれているが、
それ以上に意味深い言葉は“現像効率”に関するもので
ある。磁気ブラシ現像システムでは、現像効率は、現像
前および後の現像される現像域における受光体間の電位
差を、現像前の受光体とブラシ間の電位差で割って、10
0倍したものとして定義される。従って、たとえば、受
光体フイルム電圧が−250ボルトであり、磁気ブラシが
−50ボルトであれば、現像前の電位差は−200ボルトで
ある。もし、現像中に正に荷電したトーナー粒子の付着
によって現像域において、フイルム電圧が100ボルト減
少して−150ボルトになるとすると、現像効率は(−100
ボルト)÷(−200ボルト)×100ボルトであり、50%と
なる。現像剤材料の効率がまるにつれて、静電写真法
で用いられる種々のパラメーターをそれと共に変えうる
ことは容易にわかる。たとえば、効率がまるにつれ
て、以前よりより低い効率で行なっていたのと同量の像
領域内のトーナーを付着させるために、現像前の電圧差
を減少させることができる。同じことは、受光体フイル
ム上に潜静電像を伝達するのに用いる照射エネルギーレ
ベルに対しても言える。効率が上がるにつれて、同じ条
件下でより短い時間により多くのトーナーが付着しうる
ので、本方法の現像工程の速度は効率が上がるにつれて
速めることができる。従って、よりい現像効率によっ
て、静電法で用いられる種々のパラメーターは再び最適
化され、その結果エネルギーおよび時間の両方が節約さ
れることになる。
従来技術のフェライトキャリヤーを用いる場合の現像
効率は、フェライト材料自体の抵抗率によって限定され
る。たとえば、これらの材料は約109オーム・cmの抵抗
率を有するので、最大効率は約50%である。しかしなが
ら、オリジナルの像の品質のコピーを得るためには、
度の磁性を維持する必要がある;すなわち、磁気的に
飽和したとき、保磁力が少なくとも300エルステッドで
あり、加えた磁場が1000エルステッドのとき、誘導磁気
モーメントが少なくとも20EMU/gであり、同時に粒子の
導電度が増加することが必要である。
本発明は、有効量のランタンを六方晶構造を有する硬
質磁性フェライト材料の結晶格子へ組込んで、磁性を維
持しながら材料の抵抗率を減少させるものである。こう
することによって、硬質の六方晶フェライト材料の抵抗
率は、材料のい磁性に影響を及ぼすことなく、約10゜
〜約102オーム・cm減じることができる。これらのフェ
ライト材料の抵抗率を減少させるどのような理論または
メカニズムにも束縛されるものではないが、ランタンは
1〜5重量%の量で導入すると、フェライト構造中のバ
リウム、ストロンチウムまたは鉛に取って代わると考え
られる。ランタンは+3の酸化状態で存在し、これらの
他の物質(Ba.SrおよびPb)は+2の酸佳状態で存在す
るので、ランタンの置換によって鉄は+3から+2の酸
化状態に変わり、これによってフェライト結晶内の電荷
を中性に維持する。従って、フェライト結晶中に置換さ
れるランタンの量を調製することにより、+2状態の鉄
の量をコントロールすることができ、その結果材料の抵
抗率が調整されることになる。フェライトの結晶格子中
に置換されるランタンの量は、もっぱら単相の六方晶構
造が得られるような量に限定するのが好ましい、ランタ
ンの量は多少、フェライト粒子の製造に際して用いられ
た焼結条件によって変わるが、ランタンの量はフェライ
ト材料の1〜5重量%で変化させてよく、この量で現像
剤が磁気ブラシ現像器から放り出される(スロー−オ
フ)のを防ぐのに必要ない磁性はなお保持しているこ
とがわかった。ランタンの量がこの量を越えると、斜方
晶構造を有するLaFeO3であると考えられる第二の相が形
成される。ランタンの量が引続いて増加すると抵抗率が
かなり減少するが、斜方晶構造の形成はフェライトの磁
性を著しく低下させ、その結果像の質に関する問題を引
き起す。さらに、磁力の減少は磁気ブラシからの現像剤
のスロー−オフを増加させる原因となる。
広くはフェライトのそして特に硬質の六方晶フェライ
ト(Ba,SrまたはPb)の製造については、文献に十分に
説明されている。フェライト粒子の製造に適したどのよ
うな方法を用いてもよい。たとえば米国特許第3,716,63
0号、第4,623,603号および第4,042,518号:ヨーロッパ
特許出願第0086455号;ロンドンのレオナード・ヒルブ
ックス出版、K.Mastersの“Spray Drying"、第502〜509
頁およびアムステルダム、ニューヨーク、オクスフォー
ドのノース・オランダ出版社、E.P.Wohnfarthの“Ferro
magnetic Materials"、第3巻、第315頁および次頁に記
載のもの。本発明の1〜5重量%のランタンを含有する
フェライトは、酸化ランタンを配合物へ添加することに
よる上記の同様な方法で製造される。たとえば、製造す
べきフェライトが1〜5重量%のランタンを含有するス
トロンチウムフェライトであるならば、8〜12部の炭酸
ストロチウム、1〜5部の酸化ランタンおよび85〜90部
の酸化鉄を分散剤ポリマーであるアラビアゴムおよび溶
剤としての水と混合する。溶剤は噴霧乾燥によって除
き、生じたビーズを1200℃で焼成してフェライトLaxSr
1-xFe12O19(式中、xは0.1〜0.4の値である)を形成す
る。このフェライトをボールミルして粒度を一般にキャ
リヤー粒子に必要とされる大きさ、すなわち100μm未
満、好ましくは5〜65μmに減じ、次にこれに、粒子を
磁気的に飽和するのに十分な強さの磁場を加えることに
よって永久磁石化する。
本発明は二つの種類のキャリヤー粒子よりなる。これ
らのキャリヤーの第一のものは、必要な保磁力と誘導磁
気モーメントを示す、結合剤を含有しない磁性粒状物質
よりなる。この種類のものが好ましい。
第二のものは不均質なものであり、結合剤および、必
要な保磁力と誘導磁気モーメントを示す磁性物質の複合
材料よりなる。磁性物質は結合剤中に離散したより小さ
い粒子として分散している;しかしながら、これらの結
合剤タイプのポリマーの抵抗率は、上記の利点が観察さ
れるためには、結合剤を含まない粒子と同程度でなけれ
ばならない。導電性カーボンブラックを結合剤に添加し
て、フェライト粒子間に確実に電気的な接触があるよう
にするのが望ましい。
磁気材料の個々の小片は好ましくは比較的均一な大き
さで、製造する複合キャリヤー粒子よりも直径が十分に
小さいものにすべきである。一般的に、磁気材料の平均
直径は、キャリヤー粒子の平均直径の20%未満にすべき
である。キャリヤーに対する磁気成分の平均直径の比が
かなり小さいものを使用することができるのは都合がよ
いことである。すぐれた結果は、平均直径が5ミクロメ
ーターから0.05ミクロメーター程度の磁気粉末で得られ
る。これより細かい粉末でも、細別度によって磁性が不
所望に変化したりせず、かつ選択した結合剤の量および
特性が満足な強度そしてそれに他の望ましい機械的およ
び電気的特性をキャリヤー粒子にもたらす場合、使用す
ることができる。
磁性材料の濃度は広く変化させうる。粒子の抵抗率が
上記のフェライト粒子が示しているものでありさえすれ
ば、複合キャリヤーの20重量%〜90重量%の割合の微細
磁性材料を用いることができる。
1000エルステッドの磁場における複合キャリヤーの誘
導モーメントは、粒子中の磁性材料の濃度で決まる。従
って、磁性材料の誘導モーメントは、磁性材料が結合剤
中で薄まることによるような誘導モーメントへの影響を
補うために、20EMU/gよりずっと大きなものでなければ
ならないことがわかるであろう。たとえば、複合粒子中
の磁性材料の濃度が50重量%の場合、磁性材料の1000エ
ルステッド誘導磁気モーメントは、複合粒子について20
EMU/gの最低レベルを得るために、少なくとも40EMU/gで
なければならないことがわかるであろう。
微細磁性材料と共に使用する結合剤物質は、必要な機
械的および電気的性質が得られるように選択する。結合
物質は(1)磁性材料によく付着し、(2)強くて滑ら
かな表面の粒子の形成を容易にし、そして(3)好まし
くは、トーナーとキャリヤーを混合するとき、これらの
間の極性および静電電荷の大きさが確実に適したものと
なるようにするために共に使用するトーナー粒子と摩擦
電気特性の点で十分な差を有するものでなけれならな
い。
基材は有機質または無機質のもの、たとえばガラス、
金属、珪素樹脂等よりなる基材でよい。適した機械的性
質を持つ天然または合成分子樹脂またはそのような樹
脂の混合物のような、有機物質を使用するのが好まし
い。
適したモノマー(この目的のための樹脂の製造に使用
することができるモノマー)には、たとえば、ビニルモ
ノマーたとえばアルキルアクリレートおよびメタクリレ
ート、スチレンおよび置換スチレン、塩基性モノマーた
とえばビニルピリジン等がある。これらのおよび他のビ
ニルモノマー、たとえば酸性モノマーたとえばアクリル
酸またはメタクリル酸、で製造したコポリマーを使用し
てもよい。そのようなコポリマーは少量の多官能価モノ
マー、たとえばジビニルベンゼン、ジメタクリル酸グリ
コール、くえん酸トリアリル等を含有していると都合が
よい。縮合ポリマー、たとえばポリエステル、ポリアミ
ドまたはポリカーボネートも用いうる。
本発明の複合キャリヤー粒子の製造には、熱可塑性材
料を軟化したりあるいは熱硬化性材料を硬化するための
加熱;液体ビヒクルを除去するための蒸発乾燥;キャリ
ヤー粒子の造形のための成形、注型、押出等におけるお
よび切断または剪断における加熱、または加熱および加
圧;キャリヤー物質を適当な粒度に減じるためのたとえ
ばボールミル中での粉砕;および粒子の分級のための節
分け操作、が含まれる。
ある製造法では、粉末磁性材料を結合剤樹脂の溶液中
に分散する。次に溶剤を蒸発させ、得られた個体の塊を
粉砕し選別することによって細別して適した大きさのキ
ャリヤー粒子を得る。
別の方法では、乳化または懸濁重合を用いて、すぐれ
た滑らかさおよび有用な寿命を有する均一なキャリヤー
粒子を得ている。
磁性材料の保磁力とは、外からの磁場に置いて、およ
び材料を磁気的に飽和した、すなわち材料を永久磁石化
した後、誘導磁気モーメントを残留値からゼロに減じる
のに必要な最小の外部からの磁力のことである。本発明
のキャリヤー粒子の保磁力を測定するのに、様々な装置
および方法を用いることができる。本発明では、ニュー
ジャージー州、プリンストンのプリンストン・アプライ
ド・リサーチ社のプリンストン・アプライド・リサーチ
・モデル155振動試料磁力計を、粉末試料の保持力の測
定に使用する。粉末は非磁性ポリマー粉末と混合した
(磁性粉末90重量%:ポリマー10重量%)。混合物を毛
管に入れ、ポリマーの融点よりく加熱し、次いで室温
に冷却する。満たした毛管を次に磁力計の試料ホルダー
に置き、外部からの磁場の磁気ヒステリシス曲線(エル
ステッド)対誘導磁気(EMU/g)をプロットした。この
測定の間、試料は8000エルステッドの外部からの磁場に
さらした。
キャリヤー粒子は、現像剤中のトーナー粒子を正しく
荷電させるために被覆してもよい。これは、適当なフェ
ライトと少量の粉末樹脂、たとえば0.05〜3.0重量%の
樹脂、との乾燥混合物を作り、そしてこの混合物を加熱
して樹脂を溶融することによって行なうことができる。
そのような低濃度の樹脂によって、フェライト粒子上に
樹脂の薄いあるいは不連続の層が形成される。
フェライト中のランタンの存在はキャリヤー粒子の導
電性の改良を意図するものであるので、キャリヤー粒子
上の樹脂の量は、多数の粒子が導電性を持続するのに十
分に薄くなければならない。樹脂層は不連続であるのが
好ましい;各粒子上の露出したフェライトの個所での接
触は導電性の接触となる。
種々の樹脂材料を、“硬質”磁性キャリヤー粒子上の
被覆物として用いることができる。たとえば、McCabeの
1974年3月5日発行の米国特許第3,795,617号、Kasper
の1974年3月5日発行の同第3,795,618号およびG.Kaspe
rの同第4,076,857号に記載されているものである。樹脂
の選択は使用しようとするトーナーとの摩擦電気的関係
によって決まる。正に荷電するのが望ましいトーナーと
共に使う場合、キャリヤーを被覆するのに好ましい樹脂
は、フルオロカーボンポリマー、たとえばポリ(テトラ
フルオロエチレン)、ポリ(弗化ビニリデン)および弗
化ビニリデン−テトラフルオロエチレンコポリマー等で
ある。
現像剤は、これらの粒子をトーナー粒子と適当な濃度
で混合することによって製造する。本発明の現像剤で
は、濃度のトーナーを用いることができる。従って、
本発明の現像剤は、現像剤の全重量に基づいて、70〜99
重量%のキャリヤーおよび30〜1重量%のトーナーを含
有するのが好ましい;キャリヤー75〜99重量%およびト
ーナー25〜1重量%の濃度であるのが最も好ましい。
本発明のトーナー成分は任意に着色された粉末樹脂で
ある。これは普通、樹脂を着色剤、たとえば染料または
顔料、および他の好ましい添加剤と共に配合うることに
よって製造される。もし現像された像が不透明度の低い
ものであるのが望ましいならば、着色剤を加える必要は
ない。しかしながら、普通、着色剤を含有させる。原則
として、カラーインデックス、第Iおよび第II巻、第2
版、に記載のどの物質でもよい。カーボンブラックが特
に有用である。着色剤の量は広い範囲、たとえばポリマ
ーの3〜20重量%、で変えることができる。着色剤を組
合せて使用してもよい。
着色剤および他の添加物を樹脂中に分散させるために
混合物を加熱および粉砕する。これを冷却し、圧しつぶ
して塊にしそして微粉砕する。得られたトーナー粒子は
直径0.5〜25ミクロメーターであり、平均の大きさは1
〜16ミクロメーターである。キャリヤー対トーナーの平
均粒度比は15:1〜1:1の範囲内である。しかしながら、
キャリヤー対トーナーの平均粒度比が50:1であっても有
用である。
トーナー樹脂は、たとえば1978年2月28日発行のKasp
er等の米国特許第4,076,857号に記載のような、天然お
よび合成樹脂そして変性天然樹脂を含めた広い範囲の材
料から選択しうる。特に有用なものは、1976年2月17日
発行のJadwin等の米国特許第3,938,992号および1976年
3月2日発行のSadamatsu等の米国特許第3,941,898号に
記載の架橋ポリマーである。スチレンまたは低級アルキ
ルスチレンとアクリルモノマー、たとえばアルキルアク
リレートまたはメタクリレートとの架橋または非架橋コ
ポリマーが特に有用である。ポリエステルのような縮合
ポリマーも有用である。
トーナーの形は、粉砕したトーナーの場合のように不
規則なものでもあるいは球状のものでもよい。球状の粒
子は、トーナー樹脂溶液を溶剤中で噴霧乾燥することに
よって得られる。あるいは、球状の粒子は、Ugelstadの
1979年9月5日公開のヨーロッパ特許第3905号に記載の
ポリマービーズ膨潤法によっても製造することができ
る。
トーナーはまた少量の成分、たとえば帯電コントロー
ル剤および粘着防止剤、を含有してもよい。特に有用な
帯電コントロール剤は、米国特許第3,893,935号および
英国特許第1,501,065号に記載されているものである。R
esearch Disclosure、No.21030、第210巻、1981年10月
(英国、PO9 1EF ハンプシャー州、ハバント、ホーム
ウェル、インダストリアル・オポチュニティ社発行)に
記載の第四アンモニウム塩帯電剤も有用である。
本発明の方法では、静電像を、回転磁気コア、非磁性
外殻よりなる磁気ブラシおよび上記の二成分乾燥現像剤
と接触させる。このように現像される静電像は、受光体
の像に相当する光減衰によるあるいは誘電記録部材上に
相当する電荷パターンをつけることによるいくつかの方
法で形成することができる。速電子写真複写装置の場
合のように、受光体を用いるとき、静電像を変えるため
にハーフトーンスクリーニングを用いることができる。
本発明の方法に従ってスクリーニングと現像を組合せる
ことによって、度のDmaxおよびすぐれた色調範囲を示
す品質の像が得られる。組み込まれたハーフトーンス
クリーンを有する受光体を用いるこれらを含めた代表的
なスクリーニング法は、1984年5月31日発行の米国特許
第4,385,823号に記載されている。
米国特許第4,473,029号に記載のような装置で用いる
と、本発明の磁性キャリヤー粒子を含有する現像剤は、
磁気ブラシと光導電性フイルムの電圧差を同じにして操
作した場合、ランタンを含まない同様なフェライト材料
と比較して現像効率の著しい増加を示す。たとえば、ラ
ンタンが存在する以外は全ての点で類似のストロンチウ
ムフェライトキャリヤー粒子を、3.3重量%のランタン
を含有するキャリヤー粒子と比較すると、他の全ての現
像条件は同じままで、現像効率は50%からほぼ100%近
くにまで改良される。従って、本発明のキャリヤー粒子
を用いることによって、電圧差、潜静現像の形成に用い
る照射エネルギーおよび現像速度は全て、最適条件およ
び結果を得るために変えうる。
発明の効果 本発明のランタン含有フェライトをキャリヤー中に使
用することによって、望ましい磁気特性を損うことな
く、より導電性のキャリヤーが形成される。本発明のフ
ェライトでできたキャリヤーおよび現像剤の導電性がよ
りくなることによって、現像効率はまる。
実 施 例 以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
実施例 1 米国特許第4,473,029号に記載のような電子写真装置
をこの実施例で用いる。この装置には二つの静電プロー
ブがあり、一つは磁気ブラシ現像ステーションの前にそ
してもう一つはステーションの後にあって、現像の前と
後の光導電性フイルム上の電圧を測定する。キャリヤー
粒子はランタン−ストロンチウムフェライトであり、ラ
ンタンの量は2.7重量%である。用いるトーナーは、米
国特許第4,394,430号の実施例1に記載されているもの
であり、キャリヤーとトーナーを合わせた重量に基づい
て、13%の濃度で存在させ、そして25μc/gの値に荷電
させる。光導電性フイルムは−340ボルトに荷電し、磁
気ブラシは−150ボルトに保つ。現像後、現像された領
域の光導電性フイルム上の電荷は−150ボルトであり、
従って の現像効率を示す。
実施例 2 これは比較実施例であり、本発明を説明するものでは
ない。SrFe12O19をキャリヤー材料として用いる他は、
実施例1を繰返す。実施例1と同じDmaxを得るために、
光導電性表面を475ボルトに荷電する。トーナー濃度お
よび電荷を含めた他の全ての条件を同じにする。現像後
の光導電性フイルム表面の電圧は275ボルトである。現
像効率は である。
実施例 3〜7 ランタンを次表に示す量で含有するストロンチウムフ
ェライトキャリヤー粒子を上記の方法に従って製造す
る。米国特許第4,473,029号に記載のような現像ステー
ション、および紙が受光体と同じ相対位置となるよう
に磁気ブラシ上に配置したブフナー漏斗を用いた装置を
使って、ブラシの回転中投げ出される(スロー・オフ)
現像剤を測定する。いずれの場合も、実施例1に示す同
じトーナーを同じ濃度で使用する。真空に引きかつ現像
剤を紙上に集めながら、ブラシを各キャリヤーに対し
て2分間回転させる。データから、各々の場合のトーナ
ーの電荷は実質的に同じであるが、本発明の範囲を越え
るとスロー−オフが相当くなることがわかる。
ランタンで置換されたバリウムフェライトおよびマグ
ネトプランバイトと一般に呼ばれる鉛含有フェライト
は、電子写真キャリヤー材料として使うと、同様の効果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−500834(JP,A) 特開 昭59−172660(JP,A) 特開 昭59−139056(JP,A) 特開 昭58−202456(JP,A) 特公 昭56−52305(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1〜5重量%のランタンを含有する、単相
    六方晶構造の硬質フエライト磁性材料よりなるキヤリヤ
    ー粒子を含む静電現像剤。
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