JP2611349B2 - 前後輪駆動車両用差動制御クラッチの制御方法 - Google Patents

前後輪駆動車両用差動制御クラッチの制御方法

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JP2611349B2
JP2611349B2 JP17115788A JP17115788A JP2611349B2 JP 2611349 B2 JP2611349 B2 JP 2611349B2 JP 17115788 A JP17115788 A JP 17115788A JP 17115788 A JP17115788 A JP 17115788A JP 2611349 B2 JP2611349 B2 JP 2611349B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、前輪および後輪の差動回転速度を調節する
差動制御クラッチを備えた形式の前後輪駆動車両におい
て、差動制御クラッチの差動制限力を制御する方法およ
び装置に関するものである。
従来の技術 4輪駆動車などの前後輪駆動車両においては、前輪駆
動部材および後輪駆動部材の一方を他方に選択的に連結
して2輪駆動状態と4輪駆動状態とを切り換えるための
切換クラッチを備えている所謂パートタイム型のもの
や、前輪駆動部材と後輪駆動部材とへ駆動トルクを分配
するセンタディファレンシャル装置の差動作用を制限す
るための差動制限クラッチを備えている所謂フルタイム
型のものなどがある。上記のような切換クラッチおよび
差動制限クラッチは、その差動制限力を制御することに
より前輪と後輪との差動回転速度を調節するものである
から、差動制御クラッチと称される。
上記のような差動制御クラッチは、予め用意された関
係から、車両の駆動力、前後輪差動回転速度、舵角、ス
ロットル弁開度、車速などの車両の走行状態パラメータ
に基づいてその差動制限力が制御される。上記関係は、
たとえば、特開昭63−57332号公報に記載されているよ
うに、階段状に変化させられたものが用いられる。
発明が解決しようとする課題 ところで、上記のような差動制御クラッチの制御装置
においては、差動制御クラッチの差動制限力を制御する
ために用いられる関係が階段状に変化させられているた
め、上記走行状態パラメータが脈動的に変化しても、差
動制御クラッチを作動させるための油圧サーボ機構、た
とえば油圧アクチュエータのピストンやそれに制御油圧
を供給する制御弁などの微動作動が解消されて、それら
の耐久性が高められる利点があるが、差動制御クラッチ
の差動制限力の制御が粗くなり、制御制度が低下するこ
とが避けられない。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、差動制御クラッチの差動
制限力を制御するために用いられる関係が階段状に変化
させられていても、差動制御クラッチの差動制限力の制
御精度が可及的に得られる制御装置を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するため、本発明の要旨とするところ
は、前輪および後輪の差動回転速度を調節する差動制御
クラッチを備えた形式の前後輪駆動車両において、走行
状態パラメータの一方向の変化に伴って前記差動制限力
が増加させられる変化特性であって、前記差動制御クラ
ッチの差動制限力の変化を抑制する抑制領域と該差動制
限力を急激に変化させる変化領域とを交互に有する階段
状変化特性を備えた関係から、車両の走行状態パラメー
タに基づいて前記差動制限力を決定し、前記差動制御ク
ラッチがその差動制限力を得られるように制御する制御
方法であって、前記走行状態パラメータの変化速度が大
きい状態では前記関係の階段状変化特性を粗くし、その
走行状態パラメータの変化速度が小さい状態では階段状
変化特性を細かくすることにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、走行状態パラメータの変化速度が
大きい状態程前記関係の階段状変化特性が粗くされ、且
つ走行状態パラメータの変化速度が小さい状態ほど階段
状変化特性が細かくされるので、差動制御クラッチの差
動制限力制御の精度を可及的に高めることができる。す
なわち、走行状態パラメータの変化速度が大きい状態ほ
ど差動制御クラッチの差動制限力を頻繁に変化させるの
で、このような状態では差動制限力の制御に用いられる
関係の階段状変化特性が粗くされて差動制御クラッチを
作動させるための油圧サーボ機構の耐久性が高められる
一方、走行状態パラメータの変化速度が小さい状態では
差動制限力が頻繁に変化させられないので、階段状変化
特性が細かくされても問題はなく、これにより差動制限
力の制御精度が高められるのである。
ここで、前記車両の走行状態パラメータとしては、車
両の駆動力、前後輪の差動回転速度、舵角、スロットル
弁開度、車速などが好適に用いられる。この場合には、
前記差動制御クラッチの差動制限力を制御するための関
係は、それら車両の駆動力、前後輪の差動回転速度、舵
角、スロットル弁開度、車速などの少なくとも一つの関
数となる。
また、前記関係の階段状変化特性は、通常、その差動
制限力の変化を抑制する抑制領域に対応する水平幅と、
差動制限力を急激に変化させる変化領域に対応する立上
り幅とが、前記走行状態パラメータの変化速度が大きい
状態ほどそれぞれ大きくされ、その変化速度が小さい状
態ほどそれぞれ小さくされることにより、階段状の変化
特性が粗く、或いは細かくされる。この場合、好適に
は、階段状の変化特性のステップ変化率(=立上り幅/
水平幅)が一定に保持されつつ、階段状の変化特性が粗
く、或いは細かくされる。
実施例 以下、本発明の一適用例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は、横置エンジン4輪駆動車両の動力伝達系お
よび差動制御クラッチ82の制御装置などを示す図であ
る。図において、エンジン10の出力は、クラッチ12を介
して自動変速機14へ供給される。このクラッチ12は、ト
ルクコンバータ、フルードカップリング、磁粉式電磁ク
ラッチ、油圧式多板クラッチなどから構成される。上記
自動変速機14は、たとえば遊星歯車式変速機により構成
され、前進4段後進1段の変速ギヤ段を備えている。自
動変速機14には油圧制御回路16が設けられており、自動
変速機14内に設けられた複数の摩擦係合装置が油圧制御
回路16により選択的に作動させられることによりギヤ段
が自動的に切り換えられるようになっている。
上記自動変速機14から出力された駆動トルクはセンタ
ディファレンシャル装置20により2分され、一方の駆動
トルクは前輪用ディファレンシャル装置22を介して前輪
24へ伝達されるとともに、他方の駆動トルクは後輪用デ
ィファレンシャル装置26を介して後輪28へ伝達される。
センタディファレンシャル装置20は、自動変速機14の
出力ギヤ18と噛み合う入力ギヤ30を一体的に備えて一軸
まわりに回転可能に設けられたディファレンシャルケー
ス32と、このディファレンシャルケース32において上記
一軸に直交する方向に取り付けられたピニオン軸34によ
ってそれぞれ回転可能に支持された一対の差動小歯車36
および38と、それら差動小歯車36および38とそれぞれ噛
み合わされた前輪用差動大歯車40および後輪用差動大歯
車42とを備え、自動変速機14の出力ギヤ18を介して入力
された駆動トルクを前輪用差動大歯車40および後輪用差
動大歯車42へ分配する。
前輪用ディファレンシャル装置22は、中空の前輪駆動
軸44を介して前輪用差動大歯車40に連結され且つ前記一
軸まわりに回転可能に設けられたディファレンシャルケ
ース46と、このディファレンシャルケース46において上
記一軸に直交する方向に取り付けられたピニオン軸48に
よってそれぞれ回転可能に支持された一対の差動小歯車
50および52と、それら差動小歯車50および52とそれぞれ
噛み合わされた一対の差動大歯車54および56とを備え、
前輪駆動軸44を介して伝達された駆動トルクを一対の差
動大歯車54および56を介して左右の前輪24へ分配する。
センタディファレンシャル装置20の後輪用差動大歯車
42を介して伝達された駆動トルクは、後輪用差動大歯車
42に固定された傘歯車58、これに噛み合う傘歯車60、両
端にユニバーサルジョイントを備えた後輪駆動用のプロ
ペラシャフト62を介して、傘歯車64へ伝達される。上記
傘歯車58、傘歯車60、プロペラシャフト62、および傘歯
車64は、後輪28を駆動するための駆動トルクをセンタデ
ィファレンシャル装置20から後輪用ディファレンシャル
装置26へ伝達するためのトランスファ装置66を構成する
ものであり、上記傘歯車64はトランスファ装置66の出力
歯車として機能している。
後輪用ディファレンシャル装置26は、上記傘歯車64と
噛み合うリングギヤ68を備えたディファレンシャルケー
ス70と、このディファレンシャルケース70に取り付けら
れたピニオン軸72によってそれぞれ回転可能に支持され
た一対の差動小歯車74および76と、それら差動小歯車74
および76とそれぞれ噛み合わされた一対の差動大歯車78
および80とを備え、前記トランスファ装置66を介して伝
達された駆動トルクを一対の差動大歯車78および80を介
して左右の後輪28へ分配する。
前記センタディファレンシャル装置20の入力部材とし
て機能するディファレンシャルケース32と、センタディ
ファレンシャル装置20の出力部材として機能する前輪駆
動軸44との間には、差動制御クラッチ82が設けられてい
る。この差動制御クラッチ82は、たとえば湿式多板油圧
クラッチにより構成されており、差動制御クラッチ82の
差動制限力が零である場合にはセンタディファレンシャ
ル装置20による前後輪の差動作用、すなわちトルク分配
作用が許可されるが、この差動制限力の増大にともなっ
てセンタディファレンシャル装置20のトルク分配作用が
制限され、差動制御クラッチ82が完全に係合されるとセ
ンタディファレンシャル装置20のディファレンシャルケ
ース32と差動大歯車40とが一体的に連結されてトルク分
配作用が阻止される。
クラッチ油圧制御回路84は、電子制御装置86からの指
令信号に応答して、差動制御クラッチ82を駆動するため
の油圧アクチュエータ90に作動油を供給したり或いは油
圧アクチュエータ90から作動油を排出したりして、作動
制御クラッチ82の作動制限力を調節する。第2図に詳し
く示すように、上記油圧アクチュエータ90は、シリンダ
ボア91に摺動可能に嵌合されることにより油圧室93を形
成するピストン95と、ピストン95を付勢するリターンス
プリング97とを備え、油圧室93内の作動油圧の増大に伴
ってピストン95が差動制御クラッチ82の摩擦板を押圧す
るように構成されている。また、クラッチ油圧制御回路
84には、車両の油圧ポンプ92から圧送された作動油をク
ラッチ油圧に調圧する調圧弁94と、この調圧弁94により
調圧されたクラッチ油圧を油圧アクチュエータ90に供給
したり或いは油圧アクチュエータ90から作動油をドレン
96へ排出したりして差動制御クラッチ82の差動制限力を
連続的に変化させるクラッチ制御弁98とを備えている。
このクラッチ制御弁98は、たとえば、リニヤソレノイド
を備えて連続的に流量を変化させ得るリニヤ制御弁(流
量制御サーボ弁)や、オンオフ制御により流量を調節す
るオンオフ開閉弁により構成される。リニヤ制御弁の場
合にはアナログ信号により駆動され、オンオフ開閉弁の
場合にはオンオフ信号によってデューティ制御される。
なお、上記油圧ポンプ92は、エンジン10によって回転駆
動され、自動変速機14の油圧制御回路16の油圧源として
も機能している。
電子制御装置86には、たとえば、車両の制動状態を制
動油圧や操作ペダル操作量に基づいて検出する制動セン
サ100、図示しないステアリングホイールの操舵角度を
検出する舵角検出センサ102、車体の前後方向および左
右方向の加速度を検出する加速度センサ104、アクセル
操作ペダルの操作量に対応したスロットル弁開度を検出
するスロットルセンサ106、自動変速機14の実際のギヤ
段を検出するギヤ段センサ108、車両速度を検出する車
速センサ110、一対の前輪24の回転速度をそれぞれ検出
する前輪回転速度センサ112、114、後輪28の回転速度を
検出する後輪回転速度センサ116、エンジン10の回転速
度を検出するエンジン回転速度センサ117からの信号が
それぞれ供給されるようになっている。
電子制御装置86は、CPU、RAM、ROMから成る所謂マイ
クロコンピュータにより構成されており、RAMの記憶機
能を利用しつつ、予めROMに記憶されたプログラムに従
って入力信号を処理し、油圧制御回路16およびクラッチ
油圧制御回路84や、ブレーキ操作ペダル120により油圧
が発生させられるマスタシリンダ122とホイールシリン
ダ124との間に設けられたアンチスキッド油圧制御回路1
26へ制御信号を出力する。すなわち、電子制御装置86
は、たとえば、予め記憶された変速線図から実際のアク
セルペダル操作量、車速、シフトレバーの操作位置など
に基づいて自動変速機14のギヤ段を決定し、このギヤ段
へ自動的に切り換えるための制御信号を油圧制御回路16
へ出力する。また、電子制御装置86は、たとえば、図示
しないプログラムに従って左右の前輪24および後輪28の
車輪回転速度を検出するとともに、それら回転速度から
近似車体速度を算出する一方、近似車体速度と車輪回転
速度とからスリップ率を算出し、このスリップ率と車輪
加減速度とから各ホイールシリンダ124へ供給すべき制
動油圧を決定し、この制動油圧を得るための制動信号を
アンチスキッド油圧制御回路126へ出力する。さらに、
電子制御装置86は、たとえば、図示しないプログラムに
従って通常の差動制限力の制御を常時実行し、予め定め
られた変化特性を表す関係から、車両の走行状態パラメ
ータに基づいて差動制御クラッチ82の差動制限力FCを制
御するための制御信号をクラッチ油圧制御回路84へ出力
する。
以下、上記差動制御クラッチ82の差動制限力FCの制御
作動の要部を、第3図のフローチャートを用いて説明す
る。
先ずステップSA1において車両の駆動力Tが求められ
る。すなわち、エンジン回転速度センサ117からの信号
に基づいて実際のエンジン回転速度NEが読み込まれ、ス
ロットルセンサ106からの信号に基づいて実際のスロッ
トル弁開度θが読み込まれ、ギヤ段センサ108からの信
号に基づいて実際の自動変速機14の変速比iが読み込ま
れた後、実際の駆動力Tが、たとえば、次式(1)およ
び(2)から、エンジン回転速度NEとスロットル弁開度
θと自動変速機14の変速比iとに基づいて算出される。
なお、(2)式のエンジン10の出力トルクTEは、トルク
センサにより検出されてもよい。
T=f(TE,i) ・・・(1) TE=f(NE,θ) ・・・(2) ステップSA2においては、次式(3)から、上記のよ
うにして求められた、今回の駆動力T2と所定時間Δt前
の駆動力T1とに基づいて駆動力の変化速度ΔT/Δtが算
出される。
ΔT/Δt=(T2−T1)/Δt ・・・(3) ステップSA3においては、ステップSA2にて求められた
駆動力の変化速度ΔT/Δtが予め定められた判断基準値
a1以上であるか否かが判断される。駆動力の変化速度Δ
T/Δtが予め定められた判断基準値a1以上であると判断
された場合には、駆動力の変化速度ΔT/Δtの比較的急
な領域であるから、ステップSA4において、階段状の変
化特性が最も粗い第4図のA1マップが選択されるととも
に、そのA1マップから、ステップSA1にて求められた駆
動力Tに基づいて差動制限力FCが決定される。電子制御
装置86のROM内には複数種類のマップが予め記憶されて
いるのである。
しかし、上記ステップSA3において駆動力の変化速度
ΔT/Δtが予め定められた判断基準値a1よりも小さいと
判断された場合には、ステップSA5において、駆動力の
変化速度ΔT/Δtが予め定められた判断基準値a2以上で
あるか否かが判断される。駆動力の変化速度ΔT/Δtが
予め定められた判断基準値a2(但し、a2<a1)以上であ
れば、駆動力の変化速度ΔT/Δtの中程度の領域である
から、ステップSA6において、階段状の変化特性が中程
度に粗い第5図のB1マップが選択されるとともに、その
マップB1から、ステップSA1にて求められた駆動力Tに
基づいて差動制限力FCが決定される。しかし、上記ステ
ップSA5において駆動力の変化速度ΔT/Δtが予め定め
られた判断基準値a2よりも小さいと判断された場合に
は、駆動力の変化速度ΔT/Δtの比較的緩やかな領域で
あるから、ステップSA7において、階段状の変化特性が
最も細かい第6図のC1マップが選択されるとともに、そ
のC1マップから、ステップSA1にて求められた駆動力T
に基づいて差動制限力FCが決定される。
このようにして差動制限力FCが決定されると、ステッ
プSA8においては、その差動制限力FCが得られるよう
に、制御弁98へ制御信号が出力される。そして、上記の
ステップが繰り返し実行されることにより、差動制御ク
ラッチ82の差動制限力FCが駆動力Tに応じて制御される
のである。
本実施例においては、上述のように、差動制限力FC
制御に際して、駆動力の変化速度ΔT/Δtが高くなるほ
ど階段状の変化特性が粗く、駆動力の変化速度ΔT/Δt
が低くなるほど階段状の変化特性が細かくなる関係を表
すマップが選択されるので、差動制御クラッチ82の差動
制限力制御の精度が可及的に高めることができる。すな
わち、一般的に、駆動力Tの変化速度が大きい状態ほど
駆動力Tの脈動が発生し易く、差動制限力FCを頻繁に変
化させるので、このような状態では階段状の変化特性が
粗い関係が用いられることにより差動制御クラッチ82を
作動させるための油圧サーボ機構、たとえば油圧アクチ
ュエータ90のピストン95や制御弁98の耐久性が高められ
る一方、駆動力Tの変化速度が小さい状態では差動制限
力が頻繁に変化させられないので、階段状変化特性が細
かくされても問題はなく、このような細かな階段状変化
特性が用いられることにより差動制限力の制御精度が大
幅に高められるのである。
次に、本発明の他の適用例を第7図のフローチャート
を用いて説明する。
先ずステップSB1において、前輪回転速度センサ112お
よび114からの信号に基づいて前輪24の実際の回転速度
が読み込まれ、後輪回転速度センサ116からの信号に基
づいて後輪28の実際の回転速度が読み込まれた後、それ
ら前輪回転速度および後輪回転速度の差を求めることに
より前後輪差動回転速度|ΔNFR|が算出される。続くス
テップSB2においては、次式(4)に従って、上記のよ
うにして求められた、今回の前後輪差動回転速度ΔNFR2
と所定時間Δt前に求められた前後輪差動回転速度ΔN
FR1とから、前後輪差動回転速度の変化速度ΔNFR/Δt
が算出される。
ΔNFR/Δt=(ΔNFR2−ΔNFR1)/Δt ・・・(4) ステップSB3においては、ステップSB2にて求められた
前後輪差動回転速度の変化速度ΔNFR/Δtが予め定めら
れた判断基準値b1以上であるか否かが判断される。前後
輪差動回転速度の変化速度ΔNFR/Δtが予め定められた
判断基準値b1以上であると判断された場合には、前後輪
差動回転速度の変化速度ΔNFR/Δtの比較的急な領域で
あるから、ステップSB4において、階段状の変化特性が
最も粗い第8図のA2マップが選択されるとともに、その
A2マップから、ステップSB1にて求められた前後輪差動
回転速度|ΔNFR|に基づいて差動制限力FCが決定され
る。電子制御装置86のROM内には複数種類のマップが予
め記憶されているのである。
しかし、上記ステップSB3において前後輪差動回転速
度の変化速度ΔNFR/Δtが予め定められた判断基準値b1
よりも小さいと判断された場合には、ステップSB5にお
いて、駆動力の変化速度ΔT/Δtが予め定められた判断
基準値b2以上であるか否かが判断される。前後輪差動回
転速度の変化速度ΔNFR/Δtが予め定められた判断基準
値b2(但し、b2<b1)以上であれば、前後輪差動回転速
度の変化速度ΔNFR/Δtの中程度の領域であるから、ス
テップSB6において、階段状の変化特性が中程度に粗い
第9図のB2マップが選択されるとともに、そのB2マップ
から、ステップSB1にて求められた前後輪差動回転速度
|ΔNFR|に基づいて差動制限力FCが決定される。しか
し、上記ステップSB5において前後輪差動回転速度の変
化速度ΔNFR/Δtが予め定められた判断基準値b2よりも
小さいと判断された場合には、前後輪差動回転速度の変
化速度ΔNFR/Δtの緩やかな領域であるから、ステップ
SB7において、階段状の変化特性が最も細かい第10図のC
2マップが選択されるとともに、そのC2マップから、ス
テップSB1にて求められた前後輪差動回転速度|ΔNFR|
に基づいて差動制限力FCが決定される。
このようにして差動制限力FCが決定されると、ステッ
プSB8においては、その差動制限力FCが得られるよう
に、制御弁98へ制御信号が出力される。そして、上記の
ステップが繰り返し実行されることにより、差動制御ク
ラッチ82の差動制限力FCが前後輪差動回転速度|ΔNFR|
に応じて制御されるのである。
本実施例においても、前述の実施例のように、差動制
限力FCの制御に際して、前後輪差動回転速度の変化速度
ΔNFR/Δtが高くなるほど階段状の変化特性が粗く、そ
の変化速度ΔNFR/Δtが低くなるほど階段状の変化特性
が細かくなる関係を表すマップが選択されるので、差動
制御クラッチ82の差動制限力制御の精度を可及的に高め
ることができる。
さらに、本発明の他の適用例を第11図のフローチャー
トに基づいて説明する。
先ずステップSC1において、舵角検出センサ102からの
信号に基づいて図示しないステアリングホイール或いは
前輪24の舵角θ(絶対値)が読み込まれることにより
舵角θが算出される。続くステップSC2においては、
次式(5)に従って、上記のようにして求められた、今
回の舵角θS2と所定時間Δt前に求められた舵角θS1
から、舵角の変化速度ΔθS/Δtが算出される。
ΔθS/Δt=(θS2−θS1)/Δt ・・・(5) ステップSC3においては、ステップSC2にて求められた
舵角の変化速度ΔθS/Δtが予め定められた判断基準値
c1以上であるか否かが判断される。舵角の変化速度Δθ
S/Δtが予め定められた判断基準値c1以上であると判断
された場合には、舵角の変化速度ΔθS/Δtの比較的急
な領域であるから、ステップSC4において、階段状の変
化特性が最も粗い第12図のA3マップが選択されるととも
に、そのA3マップから、ステップSC1にて求められた舵
角θに基づいて差動制限力FCが決定される。電子制御
装置86のROM内には複数種類のマップが予め記憶されて
いるのである。
しかし、上記ステップSC3において舵角の変化速度Δ
θS/Δtが予め定められた判断基準値c1よりも小さいと
判断された場合には、ステップSC5において、舵角の変
化速度ΔθS/Δtが予め定められた判断基準値c2以上で
あるか否かが判断される。舵角の変化速度ΔθS/Δtが
予め定められた判断基準値c2(但し、c2<c1)以上であ
れば、舵角の変化速度ΔθS/Δtの中程度の領域である
から、ステップSC6において、階段状の変化特性が中程
度に粗い第13図のB3マップが選択されるとともに、その
B3マップから、ステップSC1にて求められた舵角θ
基づいて差動制限力FCが決定される。しかし、上記ステ
ップSC5において舵角の変化速度ΔθS/Δtが予め定め
られた判断基準値c2よりも小さいと判断された場合に
は、舵角の変化速度ΔθS/Δtの緩やかな領域であるか
ら、ステップSC7において、階段状の変化特性が最も細
かい第14図のC3マップが選択されるとともに、そのC3
ップから、ステップSC1にて求められた舵角θに基づ
いて差動制限力FCが決定される。
このようにして差動制限力FCが決定されると、ステッ
プSC8においては、その差動制限力FCが得られるよう
に、制御弁98へ制御信号が出力される。そして、上記の
ステップが繰り返し実行されることにより、差動制御ク
ラッチ82の差動制限力FCが舵角θに応じて制御される
のである。
本実施例においても、前述の実施例のように、差動制
限力FCの制御に際して、舵角の変化速度ΔθS/Δtが高
くなるほど階段状の変化特性が粗く、その変化速度Δθ
S/Δtが低くなるほど階段状の変化特性が細かくなる関
係を表すマップが選択されるので、差動制御クラッチ82
の差動制限力制御の精度を可及的に高めることができ
る。
上記の実施例では、差動制限力FCの制御に際して、車
両の走行状態パラメータの変化速度に対応したマップが
選択される方式であったが、たとえば、第15図および第
16図に示す予め記憶された関係から実際の駆動力の変化
速度ΔT/Δtに基づいて、差動制限力FCの変化を保持す
る水平幅ΔHTと、差動制限力FCを急激に変化させる立上
り幅ΔVTとを決定し、それら水平幅ΔHTおよび立上り幅
ΔFCTを交互に備えた階段状の変化特性を有する関係
を、たとえば第17図に示すように、予め決定してもよ
い。同様に、第18図および第19図に示す予め記憶された
関係から実際の前後輪差動回転速度の変化速度ΔNFR
tに基づいて、差動制限力FCの変化を保持する水平幅Δ
HNと、差動制限力FCを急激に変化させる立上り幅ΔVN
を決定し、それら水平幅ΔHTおよび立上り幅ΔFCTを交
互に備えた階段状の変化特性を有する関係を、たとえば
第20図に示すように、予め決定してもよいのである。上
記実施例では、差動制限力FCの変化を保持する水平幅Δ
HTおよびΔHNが差動制限力FCの変化を抑制する抑制領域
に、差動制限力FCを急激に変化させる立上り幅ΔVTおよ
びΔVNが差動制限力FCを急激に変化させる変化領域に対
応する。
以上、本発明の一適用例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例における抑制領域では、差動
制限力FCが一定値に維持されていたが、緩やかに変化す
る状態に抑制されてもよいのである。
また、前述の実施例では、所謂フルタイム型の4輪駆
動車について説明されていたが、4輪駆動状態と2輪駆
動状態とを切り換える切換クラッチを備えた所謂パート
タイム型の4輪駆動車においてその切換クラッチを制御
する場合にも本発明が適用される。
また、前述の実施例では、車両の走行状態パラメータ
の変化速度に関連して階段状変化特性が粗くまたは細か
く変更されていたが、階段状変化特性の一部の領域につ
いてのみそのような変更が加えられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲で種々変更が加
えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一適用例の構成を説明する図であ
る。第2図は、第1図のクラッチ油圧制御回路を説明す
る図である。第3図は、第1図の適用例の作動を説明す
るフローチャートである。第4図、第5図、および第6
図は、第3図の作動により駆動力の変化速度に関連して
それぞれ得られる関係を示す図である。第7図は本発明
の他の適用例の作動を示す第3図に相当する図であり、
第8図、第9図、および第10図は、第7図の適用例によ
り前後輪差動回転速度の変化速度に関連してそれぞれ得
られる関係を示す図である。第11図は本発明の他の適用
例の作動を示す第3図に相当する図であり、第12図、第
13図、および第14図は、第11図の適用例により舵角変化
速度に関連してそれぞれ得られる関係を示す図である。
第15図および第16図は、本発明の他の適用例において水
平幅および立上り幅を求めるための関係をそれぞれ示す
ものであり、第17図は、それら第15図および第16図によ
り求められた水平幅および立上り幅に基づいて予め求め
られた関係を示す図である。第18図、第19図、および第
20図は、本発明の他の適用例における第15図、第16図、
および第17図にそれぞれ相当する図である。 24:前輪 28:後輪 82:差動制御クラッチ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪および後輪の差動回転速度を調節する
    差動制御クラッチを備えた形式の前後輪駆動車両におい
    て、走行状態パラメータの一方向の変化に伴って前記差
    動制限力が増加させられる変化特性であって、前記差動
    制御クラッチの差動制限力の変化を抑制する抑制領域と
    該差動制限力を急激に変化させる変化領域とを交互に有
    する階段状変化特性を備えた関係から、車両の走行状態
    パラメータに基づいて差動制限力を決定し、前記差動制
    御クラッチが該差動制限力を得られるように制御する制
    御方法であって、 前記走行状態パラメータの変化速度が大きい状態では前
    記関係の階段状変化特性を粗くし、該走行状態パラメー
    タの変化速度が小さい状態では該階段状変化特性を細か
    くすることを特徴とする前後輪駆動車両用差動制御クラ
    ッチの制御方法。
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