JP2607903B2 - 自己免疫疾患治療剤 - Google Patents

自己免疫疾患治療剤

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JP2607903B2
JP2607903B2 JP204788A JP204788A JP2607903B2 JP 2607903 B2 JP2607903 B2 JP 2607903B2 JP 204788 A JP204788 A JP 204788A JP 204788 A JP204788 A JP 204788A JP 2607903 B2 JP2607903 B2 JP 2607903B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自己免疫疾患治療剤に関し、更に詳しくはシ
アロシルセラミド化合物及び/又はシアロシルグリセロ
リピッド類を有効成分として含有する自己免疫疾患治療
剤に関する。
〔従来の技術〕
哺乳動物細胞の糖脂質(グリコリピド)はスフィンゴ
シンという長鎖アミノアルコールに脂肪酸がアミド結合
したセラミドという脂質構造にグルコース、ガラクトー
ス、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクト
サミン、フコース、シアル酸などの糖が種々の組み合わ
せでグリコシド結合したもので、いわゆるスフィンゴ糖
脂質といわれる範囲に属する。このうち、シアル酸を有
するものを特にガングリオシドという。
これらの化合物は一般にその大部分が細胞膜2分子層
の外画分子層に局在し、最近の研究によれば細胞におけ
る認識や情報の受容と応答レセプター機能、分化、細胞
の増殖、悪性変化、行動などにおいて、重要な役割を果
しているものは考えられている。
しかし、細胞膜成分としてのガングリオシド系糖脂質
の機能は十分に解明されておらず、ガングリオシドを生
物体から単離精製することも困難である。
既に本発明者らはGM3(GM:ガングリオシドモノシア
ロ)及びGM4の精密合成に成功している。さらにこれと
構造のよく似た非天然型の化合物を合成することに成功
し、既に特許出願している〔特願昭62−85354号(特開
昭63−45293号)、特願昭62−214776号(特開昭64−614
93号)〕。
さらに本発明者らは、シアロシルグリセロリピッド類
の合成にも成功し、先に特許出願を行った〔特願昭61−
189340号(特開昭63−44590号)、特願昭61−214787号
(特開昭63−68526号)〕。又、シアロシルグリセロリ
ピッド類の1種が神経系疾患の治療に用い得ることを見
出し、特許出願した〔特願昭61−214787号(特開昭63−
68526号)〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、GM3、GM4及びシアロシルグリセロリピ
ッド類の薬理効果について種々検討した。その結果、後
述する式(I)及び(II)で示されるシアロシルセラミ
ド化合物及びシアロシルグリセロリピッド類が自己免疫
疾患治療剤として作用し得ることを見出して本発明を完
成した。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、下記式(I)及び(II)で示される化合物
の少なくとも1つを有効成分として含有する自己免疫疾
患治療剤に関する。
(式(I)及び(II)中、R2はCOOM(Mはアルカリ金属
を示す)を示し、R3 (ただし、mは0〜30の整数であり、nは1〜30の整数
である)を示す。) 本発明の治療剤で有効成分として含有される式(I)
及び(II)で示されるシアロシルセラミド化合物(式
中、R3である化合物)は、特願昭62−85354号(特開昭63−452
93号)及び特願昭62−214776号(特開昭64−61493号)
に記載の方法により製造される。
以下、特願昭62−214776号(特開昭64−61493号)に
記載の方法を例に、スキーム1に基いて化合物(I)及
び(II)のうちR3であるシアロシルセラミド化合物(1)及び(2)の製
造法を説明する。
クーン(Kuhn)らの方法〔Chem.Ber.,99、611〜617
(1966)参照〕によりN−アセチルノイラミン酸メチル
エステルパーアセテートから化合物(6)を調製する。
一方、特願昭60−190745号(特開昭62−48094号)に
記載の方法によってセラミド部分である化合物(5)を
合成する。
M.S.(モレキュラーシーブ)4A又はAW300に化合物
(5)、シルバートリフレート等のグリコシデーション
触媒、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、ニトロメタン、テトラヒドロフランとクロロホル
ムの混合溶液等の溶媒を加え、室温で約1〜6時間撹拌
後、例えば氷−メタノール等の冷却下で化合物(6)を
含むジクロロエタン、テトラヒドロフランとクロロホル
ム混合溶液、ニトロメタン、クロロホルム又はテトラヒ
ドロフランなどの溶液を加え、約0.5〜2時間後、室温
で約10〜20時間撹拌する。反応液を濾過し、濾液にクロ
ロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
留去する。残渣をシリカゲルカラム等の公知の手段によ
り精製し、化合物(4)と(3)を得る。
次いで化合物(4)及び/又は化合物(3)をテトラ
ヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等の溶媒に溶解
し、次いで化合物(4)及び/又は(3)と水酸化アル
カリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等と反
応させる。水酸化アルカリは、例えば水溶液として溶媒
に溶解した化合物(4)及び/又は(3)に添加し、反
応させることが好ましく、水酸化アルカリ水溶液の濃度
は0.5N〜2N、好ましくは約1Nであることが好ましい。水
酸化アルカリを添加後例えば0〜50℃、好ましくは20〜
30℃で約24〜150時間反応させる。反応は反応液を撹拌
しつつ行うことが好ましい。反応終了後反応液を酢酸等
の酸性物質あるいはIRC−50等で中和し、濾過後、減圧
留去する。残渣をセファデックスLH−20等の公知の手段
により精製し、化合物(2)及び/又は化合物(1)を
得る。
一方本発明の治療剤で有効成分として含有される
(I)及び(II)で示されるシアロシルグリセロリピッ
ド類(式中、R3基である化合物)は、特願昭61−189340号(特開昭63−
44590号)及び特願昭62−283491号(特開平1−125394
号)に記載の方法により製造することができる。
以下にm=14、n=14の場合を例に、スキーム2に基
いて製造法について説明する。
(7)の化合物(Bnはベンジル基を示す)を1−ブロ
モテトラデカンと反応させ(8)を得る。次に(8)を
脱ベンジル化して(9)を得る〔Agric,Biol.Chem.,46
(1)、255(1982);Biochemistry.、394(1963)参
照〕。
尚、1−ブロモテトラデカンの代りに炭素数の異なる
1−ブロモアルカンを用いることにより、(8)に相当
する任意のn及びmの化合物を合成することができる。
一方、クーン(Kuhn)らの方法〔Chem.Ber.,99、611
(1966)参照〕により、前述と同様にシアル酸(N−ア
セチルノイラミン酸)から(6)を得る(Acはアセチル
基を示す。)。
ここで得られた化合物(6)と前述の方法で得られた
化合物(9)とを反応させて化合物(10)(α体)と化
合物(11)(β体)を得、これらから化合物(10)を分
離し、脱アセチル化及び加水分解して化合物(12)を得
る。同様に化合物(10)を脱アセチル化及び加水分解し
て化合物(12)を得る。
加水分解は、テトラヒドロフラン(THF)又はメタノ
ール、エタノール等のアルコール中で行うことができ
る。好ましくは、THF、メタノール、エタノール中で行
うことが好ましい。
化合物(I)及び(II)は、自己免疫疾患例えばリウ
マチ、リウマチ様関節炎、多発性硬化症等の治療に有効
である。
化合物(I)及び/又は(II)は、任意の佐薬又は添
加剤とともに製剤化される。
投与は、経口、非経口のいずれでもよい。
投与量は、症状、投与対象の年令、性別等により異な
るが、成人では通常1日当り0.1〜100mgであり、1回か
ら5回に分けて投与するのが好ましい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
参考例1 1gのモレキュラーシーブ4Aに化合物(5)100mg(0.1
3ミリモル)、シルバートリフレート400mg(1.5ミリモ
ル)、ジクロロエタン3mlを加えて室温で3時間撹拌
後、氷−メタノール冷却下で、化合物(6)50mg(0.1
ミリモル)のジクロロエタン1ml溶液を加え、1時間
後、室温で15時間撹拌した。得られた反応液を濾過し、
濾液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム(C−30
0、25g、トルエン:酢酸エチル=1:2、クロロホルム:
メタノール=10:1)で精製し、化合物(4)17mg(14
%)及び化合物(3)7mg(6%)を得た。
参考例2 1gのM.S.(モレキュラーシーブ)AW300に化合物
(5)100mg(0.13ミリモル)、シルバートリフレート4
00mg(1.5ミリモル)、ニトロメタン3mlを加えて室温で
3時間撹拌後、氷−メタノール冷却下で、化合物(6)
100mg(0.2ミリモル)のニトロメタン1ml溶液を加え、
1時間後、室温で15時間撹拌した。得られた反応液を濾
過し、濾液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム
(C−300、25g、トルエン:酢酸エチル=1:2、クロロ
ホルム:メタノール=(10:1)で精製し、化合物(4)
55mg(23%)及び化合物(3)60mg(25%)を得た。
参考例3 1gのM.S.(モレキュラーシーブ)AW300に化合物
(5)100mg(0.13ミリモル)、シルバートリフレート4
00mg(1.5ミリモル)、テトラヒドロフラン3mgを加えて
室温で3時間撹拌後、氷−メタノール冷却下で化合物
(6)100mg(0.2ミリモル)のテトラヒドロフラン1ml
溶液を加え、1時間後、室温で15時間撹拌した。得られ
た反応液を濾過し、濾液にクロロホルムを加え、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残渣をシリカ
ゲルカラム(C−300、25g、トルエン:酢酸エチル=1:
2、クロロホルム:メタノール=(10:1)で精製し、化
合物(4)70mg(29%)、化合物(3)72mg(30%)を
得た。
〔化合物(4)の物性〕 Rf=0.30(トルエン:酢酸エチル=1:2) ▲〔α〕20 D▼−1.33(C=0.75、クロロホルム) 元素分析 計算値 C,69.16、H,9.32、N,2.12(+C6C5C
H3) 実測値 C,68.69、H,9.73、N,2.251 H−NMR(CDCl3)δH3.772(s,3H,OMe)、2.107、2.02
4、1.961、1.881、1.885(5×Ac)、0.879(t,6H,CH2 C
H3 ) 〔化合物(3)の物性〕 Rf=0.29(トルエン:酢酸エチル=1:2) ▲〔α〕20 D▼−2.40(C=0.25、クロロホルム) 元素分析 計算値 C,69.16、H,9.32、N,2.12(+C6C5C
H3) 実測値 C,69.22、H,9.87、N,2.181 H−NMR(CDCl3)δ3.559(s,3H,OMe)、2.068、2.03
3、2.027、2.023、1.880(5×Ac)、0.879(t,6H,CH2 C
H3 ) 参考例4 化合物(4)328.6mg(0.268mmole)をTHF10mlに溶解
し1N−NaOH 1.93ml(1.93mmole)を加え室温で54.5時
間、撹拌した。反応液を酢酸でpH8.0とし、これを逆相
クロマトグラフィー(ODS60Å)300mlで精製し、化合物
(2)212.9mg(82.6%)を得た。
〔化合物(2)の物性〕 TLC(CHCl3:MeOH:H2O=10:7:1)Rf0.261 H−NMR(500MHz)CD3OD、TMS 0.888 (6H, t, J=7.0Hz, −CH3 ×2) 2.046 (3H, s, −NHCOCH3) 2.439 (1H, dd, J=13.0, 4.6Hz, H3eq) 4.115 (1H, t, J=7.5Hz, 3′−H) 5.501 (1H, dd, J=15.4, 7.7Hz, 4′−H) 5.699 (1H, dt, J=15.4, 6.8Hz, 5′−H) 参考例5 化合物(3)678.9mg(0.553mmole)をTHF19mlに溶解
し、1N−NaOH 3.98ml(3.98mmole)を加え室温で101時
間撹拌した。反応液を酢酸でpH8.0とし、これを逆相ク
ロマトグラフィー(ODS60Å)600mlで精製し、化合物
(1)459.0mg(86.2%)を得た。
〔化合物(1)の物性〕 TLC(CHCl3:MeOH:H2O=10:7:1)Rf0.391 H−NMR(500MHz)CD3OH、TMS 0.889 (6H, t, J=7.0Hz, −CH3 ×2) 2.042 (3H, s, −NHCOCH3) 2.783 (1H, dd, J=12.5, 3.6Hz, H3eq) 4.106 (1H, t, J=7.5Hz, 3′−H) 5.447 (1H, dd, J=15.4, 7.3Hz, 4′−H) 5.675 (1H, dt, J=15.4, 6.8Hz, 5′−H) 実施例1 ホスホリパーゼーA2及びC活性に対するシア
ロシルセラミドの抑制効果 〔ホスホリパーゼ−A2活性〕 基質である2−〔14C〕−アラキドニル−ホスホチジ
ルコリン(1μCi/ml)10μlに、反応液200μl、酵素
液〔ハチ毒より精製した市販酵素標品(Sigma社)、5.6
×106units含有〕及び検体〔調製法は後述する〕11μl
を加えて37℃で30〜60分間反応させた。〔尚、上記反応
液は、0.05M−グリシン/NaOH(pH9.0)6.2ml、1M−CaCl
2 37μl及び20%デオキシコール酸27μlを混合して調
製した。〕次いで反応生成物に100mM EDTA25μl、ドル
ス試薬〔イソプロパノール/ヘプタン/0.5M H2SO4=40/
10/1〕1ml、水500μl、ヘプタン600μlを加え、500×
gで5分間遠心した。遠心後上清650μlを採取し、該
上清にヘプタン1ml、ケイ酸パウダー100mgを添加し、再
度500×gで5分間遠心した。上清1.4mlを採取し、該上
清にトルエンシンチレーター5mlを添加して、シンチレ
ーションカウンターで測定した。結果を第1図に示し、
図中Aは化合物(1)、Bは化合物(2)の測定結果で
ある。
〔ホスホリパーゼーC活性〕
基質である〔3H〕−ホスホチジルイノシトール(1μ
Ci/ml)10μlに、反応液150μl、酵素液〔小牛胸腺細
胞質ゾル〕及び検体〔調製法は後述する〕100μlを加
えて37℃で30〜60分間反応させた。〔尚、上記反応液
は、0.1Mトリス2.5ml、0.1Mマレイン酸2.5ml、0.1N NaO
H1.2ml、1M CaCl2 37μl及びコール酸ナトリウム塩27
μlを混合することにより調製した〕次いで反応生成物
にクロロホルム/メタノール/濃塩酸(100/100/0.6)1
ml及び5mM EGTA*含有1N−塩酸0.3mlを添加して、得られ
た混合物を2000rpmで5分間遠心した。上清を80℃で15
分間乾燥させ、トリトン−トルエンシンチレーター3.5m
lを添加してシンチレーションカウンターで測定した。
結果を第2図に示し、図中Aは化合物(1)、Bは化合
物(2)の測定結果である。
*EGTA:エチレングリコールビス(β−アミノエチル−
エーテル)−N,N,N′,N′−四酢酸 〔検体の調製〕 検体は、化合物(1)又は(2)の一定量を正確に秤
取してエタノールに溶解して25mM溶液とし、次いでこれ
をさらに希釈して各化合物について5種類の検体を調製
した〔1000μM、100μM、10μM、1μM及び0.1μ
M〕。
第1図から、化合物(1)及び(2)は、ホスホリパ
ーゼA2活性抑制効果を有することがわかる。
〔発明の効果〕
ホスホリパーゼA2活性とある種の免疫応答との間には
特定の関係があることが知られている。従って、化合物
(1)及び/又は(2)を有効成分として含有する本発
明の薬剤は、自己免疫疾患を治療するために使用するこ
とができる。
参考例6 (イ)1,2−ジ−O−ヘキシル−3−O−ベンジル−Sn
−グリセロール(14)の合成 (7)(3−O−ベンジル−Sn−グリセロール)11.3g
(62.1mmol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)150ml
に溶かし氷−メタノール浴中で60%NaH7.5g(187.5mmo
l)を加え室温で20分間(10〜30分)撹拌した。この溶
液に1−ブロモヘキサン51.2g又は1−クロルヘキサン
(310.1mmol)を加え室温で6時間撹拌した。反応液を
セライトろ過し残渣をエーテル洗浄しろ液、洗液を合わ
せて減圧乾固した。残渣を再びエーテルに溶解し0.1N H
Cl溶液及び2.5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去を行い得られた
残渣をカラムクロマト精製(メルク社kieselgel 60、ヘ
キサン:酢酸エチル50:1)に付し、(14) 26.3g(TLC
より1−ブロモヘキサンを含む)を得た。
この物はそのまま脱ベンジル化に用いた。
(ロ)1,2−ジ−O−ヘキシル−Sn−グリセロール(1
5)の合成 (14)26.3g(TLCより1−ブロモヘキサンを含むことが
知られている)を酢酸エチル、メタノール、又はエタノ
ール400mlに溶解し10%パラジウム活性炭2.6gを加え、
水素気流下、室温で4日間(1〜5日間)撹拌した。反
応液よりパラジウム活性炭をろ去し、ろ液を溶媒留去後
残渣をカラムクロマト精製(メルク社 kieselgel 60、
CHCl3:メタノール系)に付し(15) 12.86g(49.38mmo
l)を得た。
収率 (7)→ (14)→ (15)で計算 79.5% (15)の物性値 ▲〔α〕30℃ D▼−17.1(C=1.1 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、テトラメチルシラン (TMS) δH 0.886 (3H, t, J=7.0Hz −CH3 ) 0.889 (3H, t, J=7.0Hz −CH3 ) 1.271〜1.370(12H, m, −CH2 ×6) 1.530〜1.604(4H, m, OCH2CH2 ×2) (ハ)(16)、(17)の合成 180℃加熱下減圧乾燥した粉末モレキュラシーブス4A
8.0g、シアン化第二水銀2.87g(11.4mmol)、臭化水銀
(II)4.11g(11.4mmol)又はトリフルオロメタンスル
ホン酸銀を無水CHCl3、THF又はジクロルメタン100mlに
懸濁し次いで(15) 5.27g(20.2mmol)を加えアルゴン
気流下室温で2時間撹拌した。反応液を氷冷し(6)
8.0g(15.6mmol)のCHCl3溶液30mlを加え室温で3日間
(1〜〜3日間)撹拌した。反応液をろ過し、残渣をCH
Cl3にて洗浄しろ液洗液を合わせて溶媒留去した。得ら
れた残渣をカラムクロマト精製(ワコーゲルC−300、
ジエチルエーテル:エタノール系及びトルエン:酢酸エ
チル系)に付しα体(16)2.6g β体1.51g、α体+β体
2.0g計6.11gを得た。
収率 45.7% (16)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,7,8,9
−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−α−D−
グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュピラノシル)オネ
ート〕−1,2−ジ−O−ヘキシル−Sn−グリセロール)
の物性値 Rf 0.48 (メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノー
ル=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−12.1(C=1.0 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.886 (6H t −CH3 ×2) 1.330 (12H m −CH2 −×6) 1.880 (3H s CH3 CONH) 1.975 (1H t J=12.5Hz H−3ax) 2.025 (3H s CH3 COO) 2.038 (3H s CH3 COO) 2.131 (3H s CH3 COO) 2.136 (3H s CH3 COO) 2.602 (1H dd J=4.4,12.8Hz H−3eq) 3.791 (3H s COOCH3 ) 4.298 (1H dd J=2.6,12.5Hz H−9) 4.853 (1H ddd H−4) 5.100 (1H d −CONH) 5.321 (1H dd J=1.5,8.4Hz H−7) 5.371 (1H ddd H−8) (17)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,7,8,9
−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−β−D−
グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュピラノシル)オネ
ート〕−1,2−ジ−O−ヘキシル−Sn−グリセロール)
の物性値 Rf 0.54 (メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノー
ル=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−17.2(C=0.96 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δ H 0.889 (3H t −CH3 ) 0.902 (3H t −CH3 ) 1.310 (12H m −CH2 −×6) 1.882 (3H s CH3 CONH) 1.900 (1H t J=12.8Hz H−3ax) 2.013 (3H s CH3 COO) 2.023 (3H s CH3 COO) 2.064 (3H s CH3 COO) 2.140 (3H s CH3 COO) 2.454 (1H dd J=4.8,12.8Hz H−3eq) 3.794 (3H s COOCH3 ) 4.722 (1H dd J=2.6,12.5Hz H−9) 5.122 (1H d −CONH) 5.220〜5.290 (2H H−4,H−8) 5.378 (1H dd J=1.5,4.4Hz H−7) (ニ)(18) (3−O−〔ナトリウム(5−アセタミ
ド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラク
ト−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−
O−ヘキシル−Sn−グリセロール)の合成 (16) 1.69g(2.30mmol)をテトラヒドロフラン(TH
F)、メタノール又はエタノール3mlに溶解し、次いで1N
−NaOH11mlを加え室温で7時間(5〜10時間)撹拌し
た。反応液を陽イオン交換樹脂(アンバーライト IRC
−50)にて中和(pH7)し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留
水で洗浄し、ろ液、洗液を合わせてカラムクロマト精製
(山村化学研究所ODS60Å 60/200メッシュ(mesh)、展
開溶媒H2O、メタノール)に付しメタノール画分を集め
溶媒留去後凍乾し白色粉末(18) 986.8mg(1.72mmol)
を得た。
収率 74.8% (18)の物性値 Rf 0.47 (メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH
=5/3/0.5) ▲〔α〕30℃ D▼−1.96(C=1.0 THF) 500MHz 1H NMR D2O TSP δ H 0.880 (6H t J=6.6Hz CH3 ×2) 1.340 (12H s CH2 ×6) 1.580 (4H m OCH2CH2 ×2) 1.691 (1H t J=12.5 H−3ax) 2.403 (3H s CH3 CONH) 2.730 (1H dd J=4.8,12.5Hz H−3eq) (ホ)(19)(3−O−〔ナトリウム(5−アセタミド
−3,5−ジデオキシ−β−D−グリセロ−D−ガラクト
−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−O
−ヘキシル−Sn−グリセロール)の合成 (17) 1.15g(1.56mmol)をテトラヒドロフラン(TH
F)、メタノール又はエタノール3mlに溶解し、次いで1N
−NaOH10mlを加え室温で7時間撹拌した。反応液を陽イ
オン交換樹脂(アンバーライトIRC−50)にて中和(pH
7)し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留水で洗浄し、ろ液、
洗液を合わせてカラムクロマト精製(山村化学研究所
ODS 60Å 60/200mesh、展開溶媒:H2O、メタノール)に
付しメタノール画分を集め溶媒留去後凍乾し白色粉末
(19) 748.0mg(1.30mmol)を得た。
収率 83.3% (19)の物性値 Rf 0.54(メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH=
5/3/0.5) ▲〔α〕30℃ D▼−32.4(C=0.97 THF) 500MHz 1H NMR D2O TSP δH 0.880 (6H t CH3 ×2) 1.330 (12H s CH2 ×6) 1.600 (4H m OCH2CH2 ×2) 1.626 (1H t J=12.8Hz H−3ax) 2.057 (3H s CH3 CONH) 2.408 (1H dd J=4.8,12.8Hz H−3eq) 参考例7 (イ)(20)(1,2−ジ−O−デシル−3−O−ベンジ
ル−Sn−グリセロール)の合成 (7)(3−O−ベンジル−Sn−グリセロール)13.6
g(74.7mmol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)20ml
に溶かし氷−メタノール浴中で60%NaH8.96g(224.1mmo
l)を加え室温で20分間撹拌した。この溶液に1−ブロ
モデカン66.4g又は1−クロルデカン(300.22mmol)を
加え室温で6時間撹拌した。反応液をセライトろ過し残
渣をエーテル洗浄し、ろ液、洗液を合わせて減圧乾固し
た。残渣を再びエーテルに溶解し0.1N HCl溶液及び2.5
%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後溶媒留去を行い得られた残渣をカラムクロ
マト精製(メルク社 kieselgel 60、ヘキサン:酢エス
50:1)に付し(20) 33.5g(TLCより1−ブロモデカン
を含む)を得た。
この物はそのまま脱ベンジル化に用いた。
(ロ)(21)1,2−ジ−O−デシル−Sn−グリセロー
ル)の合成 (20) 33.5(TLCより1−ブロモデカンを含む)を酢
酸エチル、メタノール又はエタノール450mlに溶解し10
%パラジウム活性炭3.5gを加え、水素気流下、室温で4
日間(1〜5日間)撹拌した。反応液よりパラジウム活
性炭をろ去し、ろ液を溶媒留去後残渣をカラムクロマト
精製(メルク社 kieselgel 60 CHCl3)に付し得られた
物を石油エーテルより再結晶を行い(21)26.2g(70.31
mmol)を得た。
収率 1910で計算 94.1% (21)の物性値 ▲〔α〕30℃ D▼−11.7(C=1.1 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3) TMS δH 0.880 (3H t J=7.0Hz −CH3 ) 0.884 (3H t J=7.0Hz −CH3 ) 1.200〜1.400(28H m −CH2 ×14) 1.500〜1.600(4H m −OCH2CH2 ×2) (ハ)(22)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,
7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−α−
D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシ
ル)オネート〕−1,2−ジ−O−デシル−Sn−グリセロ
ール)、(23)の合成 180℃加熱下減圧乾燥した粉末モレキュラシーブス4A
4.0g、シアン化第二水銀1.65g(6.5mmol)、臭化水銀
(II)2.35g(6.5mmol)又はトリフルオロメタンスルホ
ン酸銀を無水CHCl3、THF又はジクロルメタン80mlに懸濁
し次いで(21) 4.0g(10.7mmol)を加えアルゴン気流
下室温で2時間撹拌した。
反応液を氷冷し(6) 4.0g(7.8mmol)のCHCl3溶液2
0mlを加え室温で3日間(1〜3日間)撹拌した。反応
液をろ過し、残渣をCHCl3洗浄しろ液、洗液を合わせて
溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマト精製(ワ
コーゲルC−300、ジエチルエーテル:エタノール系及
びトルエン:酢酸エチル系)に対しα体(22) 388.7m
g、β体469.5mg、α体+β体2.23g 計3.09gを得た。
収率 46.8% (22)の物性値 Rf 0.54(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−9.9 (C=1、 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.878 (6H t J=7.0Hz −CH3 ×2) 1.310 (28H m −CH2 ×2) 1.881 (3H s −CH3 CONH) 1.975 (1H t J=12.5Hz H−3ax) 2.025 (3H s CH3 COO) 2.038 (3H s CH3 COO) 2.131 (3H s CH3 COO) 2.137 (3H s CH3 COO) 2.602 (1H dd J=4.8,12.8Hz H−3eq) 3.791 (3H s COOCH3 ) 4.299 (1H dd J=2.6,12.5Hz H−9) 4.856 (1H ddd H−4) 5.102 (1H d −CONH) 5.321 (1H dd H−7) 5.371 (1H ddd H−8) (23)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,7,8,9
−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−β−D−
グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュピラノシル)オネ
ート〕−1,2−ジ−O−デシル−Sn−グリセロール)の
物性値 Rf 0.68(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−13.3 (C=1、 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.881 (6H t −CH3 ×2) 1.285 (28H m −CH2 ×14) 1.882 (3H s CH3 CONH) 2.012 (3H s CH3 COO) 2.023 (3H s CH3 COO) 2.063 (3H s CH3 COO) 2.141 (3H s CH3 COO) 2.454 (1H dd J=4.9,13.2Hz H−3eq) 3.794 (3H s COOCH3) 4.723 (1H dd J=2.4,12.2Hz H−9) 5.138 (1H d CONH) 5.200〜5.290 (2H H−4,H−8) 5.376 (1H H−7) (ニ)(24)(3−O−〔ナトリウム(5−アセタミド
−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト
−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−O
−デシル−Sn−グリセロール)の合成 (22) 343.3mg(0.41mmol)をTHF、メタノール又はエ
タノール1mlに溶解し次いで1N−NaOH 3mlを加え室温で
5時間(5〜10時間)撹拌した。反応液を陽イオン交換
樹脂(アンバーライトIRC50)にて中和(pH7)し、樹脂
をろ過後樹脂を蒸留水で洗浄し、ろ液、洗液を合わせて
カラムクロマト精製(山村化学研究所 ODS60Å 60/200
メッシュ、展開溶媒:H2O、メタノール)に付しメタノ
ール画分を集め溶媒留去後凍乾し白色粉末(24)218.9m
g(0.32mmol)を得た。
収率 78.0% (24)の物性値 Rf 0.54(メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH=5
/3/0.5) ▲〔α〕30℃ D▼−2.25 (C=0.93 THF) 500MHz 1H NMR D2O、TSP δH 0.885 (6H m −CH3 ×2) 1.310 (28H s −CH2 ×14) 1.583 (4H broadS −OCH2CH2 ×2) 1.700 (1H t J=12.5Hz H−3ax) 2.049 (3H s CH3CONH) 2.733 (1H broad d J=8.4Hz H−3eq) (ホ)(25)(3−O−〔ナトリウム(5−アセタミド
−3,5−ジデオキシ−β−D−グリセロ−D−ガラクト
−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−O
−デシル−Sn−グリセロール)の合成 (23) 397.0mg(0.47mmol)をTHF、メタノール又はエ
タノール 1mlに溶解し次いで1N−NaOH3.5mlを加え室温
で5時間(5〜10時間)撹拌した。反応液をアンバーラ
イトIRC50にて中和(pH7)し、樹脂をろ過後樹脂を蒸留
水で洗浄し、ろ液、洗液を合わせてカラムクロマト精製
(山村化学研究所 ODS60Å 60/200mesh、展開溶媒:H
2O、メタノール)に付しメタノール画分を集め溶媒留去
後凍乾し白色粉末155.0mg(0.23mmol)を得た。
収率 48.9% (25)の物性値 Rf 0.68(メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH=5
/3/0.5) ▲〔α〕30℃ D▼−47.7 (C=1 THF) 500MHz 1H NMR D2O、TSP δH 0.897 (6H m CH3 ×2) 1.323 (28H s −CH2 ×14) 1.602 (4H broadS −OCH2CH2 ×2) 2.074 (3H s CH3CONH) 2.430 (1H m H−3eq) 参考例8 (イ)(26)の合成 1,2−ジ−O−オクタデシル−3−O−ベンジル−Sn
−グリセロール(26)の合成 (7) (3−O−ベンジル−Sn−グリセロール)4.0g
(22.0mmol)を無水DMF 10mlに溶かし60%NaH2.7g(66.
0mmol)を加え室温で10分間撹拌した。この溶液に1−
ブロモオクタデカン25g又は1−クロルオクタデカン(7
5.0mmol)を加え室温で6時間撹拌した。反応液をセラ
イトろ過し残渣をエーテル洗浄し、ろ液、洗液を合わせ
て減圧乾固した。残渣を再びエーテルに溶解し0.1N HCl
溶液及び2.5%炭酸水素カリウム溶液で洗浄し無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒留去を行い油状物16.0gを
得た。この油状物をカラムクロマト精製(ワコーゲルC
−300 550g トルエン:エーテル系)に付し(26)9.25g
(13.46mmol)を得た 収率 61.3% (ロ)(27)(1,2−ジ−O−オクタデシル−Sn−グリ
セロール)の合成 (26) 8.8g(13.0mmol)を酢酸エチル、メタノール又
はエタノール150mlに溶解し10%パラジウム活性炭800mg
を加え水素気流下室温で40時間(1〜5日間)撹拌し
た。
反応液よりパラジウム活性炭をろ去し、ろ液を溶媒留
去して(27)6.21g(10.4mmol)を得た。
収率 79.8% (27)の物性値 ▲〔α〕30℃ D▼−7.5 (C=1 CHCl3) 500MHz 1H NMR CHCl3、TMS δH 0.880 (6H t J=7.0Hz −CH3 ×2) 1.150〜1.380(60H m −CH2 ×30) 1.540〜1.590(4H m −OCH2CH2 ×2)
(ハ)(28)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,
7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−α−
D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシ
ル)オネート〕−1,2−ジ−O−オクタデシル−Sn−グ
リセロール)、(29)の合成 180℃加熱下減圧乾燥した粉末モレキュラシーブス4A
5.0gを無水THF、クロロホルム又はジクロルメタン50ml
に懸濁し(27)2.82g(4.72mmol)を加え室温で30分間
撹拌した。反応液を氷−メタノール浴で冷却し遮光、ア
ルゴンガス気流下でAgOTf 3.65g(14.23mmol)又は(シ
アン化第2水銀+臭化水銀)を加え15分間撹拌後更に
(6) 4.83g(9.49mmol)のTHF溶液20mlを加え室温で
3時間撹拌した。反応液をろ過し、残渣をCHCl3洗浄し
ろ液、洗浄を合わせて溶媒留去した。得られた残渣をCH
Cl3に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和食
塩水で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥溶媒留去し
た。得られた残渣をカラムクロマト精製(ワコーゲルC
−300、ジエチルエーテル、トルエン:CH3COOC2H5系)
に付しα体(28)640mg、β体(29)221mg、α体+β体
515mgを得た。
収率 (27)より計算27.3% (28)の物性値 Rf 0.70(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−8.4 (C=1、 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.879 (6H t −CH3 ×2) 1.315 (60H m −CH2 ×30) 1.880 (3H s −CH3 CONH) 1.975 (1H t J=12.5 H−3ax) 2.025 (3H s CH3 COO) 2.038 (3H s CH3 COO) 2.132 (3H s CH3 COO) 2.136 (3H s CH3 COO) 2.603 (1H dd J=4.4,12.8Hz H−3eq) 3.789 (3H s COOCH3) 4.308 (1H dd J=2.9,12.5Hz H−9) 4.856 (1H ddd H−4) 5.254 (1H d −CONH) 5.328 (1H dd H−7) 5.371 (1H ddd H−8) (29)(3−O−〔メチル(5−アセタミド−4,7,8,9
−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−β−D−
グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシル)オ
ネート〕−1,2−ジ−O−オクタデシル−Sn−グリセロ
ール)の物性値 Rf 0.80(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=50/1) ▲〔α〕30℃ D▼−10.8 (C=1、 CHCl3) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.880 (6H t −CH3 ×2) 1.250 (60H m −CH2 ×30) 1.881 (3H s CH3 CONH) 1.900 (1H t J=11.7Hz H−3ax) 2.011 (3H s CH3 COO) 2.022 (3H s CH3 COO) 2.063 (3H s CH3 COO) 2.140 (3H s CH3 COO) 2.454 (1H dd J=4.8,12.8 H−3eq) 3.793 (3H s COOCH3) 4.726 (1H dd J=2.6,12.5Hz H−9) 5.138 (1H d CONH) 5.200〜5.300 (2H H−4,H−8) 5.376 (1H H−7) (ニ)(30)(3−O−〔ナトリウム(5−アセタミド
−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト
−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−O
−オクタデシル−Sn−グリセロール)の合成 (28) 520.0mg(0.49mmol)をTHF、メタノール又はエ
タノール3mlに溶解し次いで1N−NaOH6mlを加え室温で5
時間(5〜10時間)撹拌した。反応液をアンバーライト
IRC−50にて中和(pH7)し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留
水で洗浄し、ろ液、洗液を合わせてカラムクロマト精製
(山村化学研究所 ODS 60Å 60/200メッシュ、展開溶
媒:H2O、メタノール)に付しメタノール画分を集め溶
媒留去後凍乾し白色粉末(30)362mg(0.40mmol)を得
た。
収率 81.6% (30)の物性値 Rf 0.60(メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH=5
/3/0.5) ▲〔α〕30℃ D▼−1.98 (C=0.96 THF) 500MHz 1H NMR DMSO〜d6 D2O TMS δH 0.852 (6H t J=7.0Hz −CH3 −×2) 1.100〜1.350 (60H m −CH2 −×30) 1.400〜1.500 (4H m −OCH2CH2 ×2) 1.896 (3H s CH3 CONH−) (ホ)(31)(3−O−〔ナトリウム(5−アセタミド
−3,5−ジデオキシ−β−D−グリセロ−D−ガラクト
−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−ジ−O
−オクタデシル−Sn−グリセロール)の合成 (29) 140.0mg(0.13mmol)をTHF、メタノール又はエ
タノール2mlに溶解し次いで1N−NaOH4mlを加え室温で6
時間(5〜10時間)撹拌した。反応液をアンバーライト
IRC−50にて中和(pH7)し樹脂をろ過後樹脂を蒸留水で
洗浄し、ろ液、洗液を合わせてカラムクロマト精製(山
村化学研究所 ODS 60Å60/200メッシュ、展開溶媒:H
2O、メタノール)に付しメタノール画分を集め溶媒留去
後凍乾し白色粉末(31)50mg(0.05mmol)を得た。
収率 38.5% (31)の物性値 Rf 0.70(メルクHPTLC CHCl3/メタノール/CH3COOH=5
/3/0.5) 500MHz 1H NMR DMSO〜d6+D2O TMS δH 0.853 (6H t J=7.3Hz CH3 ×2) 1.100〜1.360 (60H m −CH2 ×30) 1.400〜1.500 (4H m −OCH2CH2 ×2) 1.882 (3H s CH3CONH−) 2.122 (1H m H−3eq) 参考例9 (32)の合成 (7) 5.8g(32.0mmol)を無水ジメチルホルムアミ
ド(DMF)20mlに溶かし60%NaH3.1g(96.0mmol)を加え
室温で10分間撹拌した。この溶液に1−ブロモドコサン
50.0g(128.4mmol)を加え室温で6時間撹拌した。反応
液をセライトろ過し残渣をエーテル洗浄し、ろ液、洗液
を合わせて減圧乾固した。残渣を再びエーテルに溶解し
0.1N HCl溶液及び2.5%炭酸水素カリウム溶液で洗浄し
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去を行い油状物
28.3gを得た。この油状物をカラムクロマト精製(ワコ
ーゲルC−300 800g ヘキサン:酢酸エチル=50:1)に
付し(32)(1−ブロモドコサンを含む)を17.3g得
た。
(32)の合成 (32) 17.3g(1−ブロモドコサンを含む)ををエーテ
ル、酢酸エチル、メタノール1:1:1の混合溶媒200mlに溶
解し10%パラジウム活性炭1.7gを加え水素気流下室温で
2日間撹拌した。反応液をろ過し残渣をクロロホルムで
洗浄しろ液、洗液を合わせて溶媒留去した。得られた残
渣をカラムクロマト精製(メルク社Kieselgel 60、ヘキ
サン:酢酸エチル=5:1〜3:1)に付した後溶媒留去後エ
ーテル、ヘキサンより再結晶を行い(33)14.5g(20.4m
mol)を得た。
(7)→(33) 全収率 63.4% (33)の物性値 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.880 (6H t J=7.0Hz −CH3 ×2) 1.150〜1.450(76H m −CH2 ×38) 1.500〜1.650(4H m −OCH2CH2 ×2) (34)、(35)の合成 180℃加熱下減圧乾燥した粉末モレキュラシーブス4A
7.1g、シアン化第二水銀2.06g(8.1mmol)、臭化水銀
(II)2.94g(8.1mmol)を無水CHCl3 60mlに懸濁し次い
で(33)5.31g(7.5mmol)を加えアルゴンガス気流下室
温で2時間撹拌した。反応液を氷冷し(6) 2.55g(5.
0mmol)のCHCl3溶液10mlを加え室温で24時間撹拌した。
反応液をろ過し残渣をCHCl3にて洗浄しろ液、洗液を合
わせて溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマト精
製(ワコーゲルC−300、ジエチルエーテル:エタノー
ル系及びトルエン:酢酸エチル系)に付しα体(34)1.
95g、β体(35)1.38g、α体+β体 1.0g 計4.33gを
得た。
収率 73.2% (34)の物性値 Rf 0.68(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=24/1) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.880 (6H t J=7.0Hz CH3 ×2) 1.253 (76H m −CH2 ×38) 1.882 (3H s CH3 CONH−) 1.976 (1H t J=12.5Hz H−3ax) 2.025 (3H s CH3 COO−) 2.039 (3H s CH3 COO−) 2.132 (3H s CH3 COO−) 2.137 (3H s CH3 COO−) 2.601 (1H dd J=4.8,12.8Hz H−3eq) 3.791 (3H s COOCH 3) 4.298 (1H dd J=2.9,12.5Hz H−9) 4.852 (1H ddd H−4) 5.120 (1H d −CONH) 5.322 (1H dd H−7) 5.371 (1H ddd H−8) (35)の物性値 Rf 0.73(メルクHPTLC ジエチルエーテル/エタノール
=24/1) 500MHz 1H NMR CDCl3、TMS δH 0.880 (6H t −CH3 ×2) 1.253 (76H m −CH2 ×38) 1.882 (3H s CH3 CONH) 1.898 (1H t J=11.7Hz H−3ax) 2.013 (3H s CH3COO) 2.024 (3H s CH3COO) 2.064 (3H s CH3COO) 2.143 (3H s CH3COO) 2.455 (1H dd J=4.8,12.8Hz H−3eq) 3.794 (3H s COOCH3 ) 4.468 (1H dd J=2.6,12.5Hz H−9) 5.379 (1H dd H−7) (36)の合成 (34) 1.59g(1.35mmol)をテトラヒドロフラン(TH
F)約30mlに溶解し、次いで1N−NaOH11mlを加え室温で
7時間撹拌した。反応液をアンバーライトIRC−50にて
中和(pH7)し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留水で洗浄
し、ろ液、洗液を合わせてカラムクロマト精製(山村化
学研究所 ODS60Å 60/200メッシュ、展開溶媒:H2O、メ
タノール)に付しMeOH画分を集め溶媒留去後凍乾し白色
粉末(36)1.19gを得た。
収率 86.7% (36)の物性値 500MHz 1H NMR CDCl3+CD3OD (1:1)TMS δH 0.889 (6H t J=7.3Hz −CH3 ×2) 1.150〜1.400 (76H m −CH2 ×38) 1.500〜1.700 (4H m −OCH2CH2 ×2) 2.030 (3H s CH3 CONH−) (37)の合成 (35) 1.04g(0.88mmol)をTHF約20mlに溶解し、次い
で1N−NaOH5.3mlを加え室温で7時間撹拌した。反応液
をアンバーライト IRC−50にて中和(pH7)し樹脂をろ
過後、樹脂を蒸留水で洗浄し、ろ液、洗液を合わせてカ
ラムクロマト精製(山村化学研究所 ODS60Å 60/200メ
ッシュ、展開溶媒:H2O、メタノール)に付しメタノー
ル画分を集め溶媒留去後凍乾し白色粉末748mgを得た。
収率 83.6% (37)の物性値 500MHz 1H NMR CDCl3+CD3OD (1:1)、TMS δH 0.888 (6H t J=7.0Hz −CH3 ×2) 1.100〜1.450 (76H m −CH2 ×38) 1.500〜1.700 (4H m −OCH2CH2 ×2) 2.046 (3H s CH3 CONH−) 参考例10 (39)、(40)の合成 180℃加熱下減圧乾燥した粉末モレキュラシーブス4A
5.0g、臭化水銀(II)2.09g(5.8mmol)、シアン化第二
水銀1.46g(5.8mmol)又はトリフルオロメタンスルホン
酸銀を無水CHCl3、THF又はジクロルメタン50mlに懸濁し
次いでバチルアルコール(S体)0.92g(2.7mmol)を加
えアルゴン気流下室温で2時間撹拌した。
反応液を氷冷し(38)2.03g(4.0mmol)の無水CHCl3
溶液15mlを加え室温で3日間(1〜3日間)撹拌した。
反応液をろ過し残渣をCHCl3にて洗浄しろ液、洗液を合
わせて溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマト精
製(ワコーゲルC−300、ジエチルエーテル(Et2O):
エタノール(EtOH)系、トルエン(Toluene):メタノ
ール(MeOH)系)に付し(38)α体、β体、+デヒドロ
体1.2gを得た。
(38)に無水酢酸30ml、無水ピリジン40mlを加え室温
下18hr撹拌した。反応液を減圧乾固し再び酢酸エチルに
溶解し飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄した
後無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒留去を行い残渣1.
6gを得た。
得られた残渣をカラムクロマト精製(メルク社Kiesel
gel 60、ジエチルエーテル:メタノール=60:1)し、次
いで(ローバーカラムTYPE Cトルエン:メタノール=1
5:1)を行いα体(39)193.4mg、β体(40)171.3mg、
α体+β体 513.1mg 計 877.8mgを得た。
収率 バチルアルコールより計算 37.8% α体の物性値:1 H−NMR (500 MHz CDCl3 TMS)δ: 0.884(t,−CH3)、1.888(s,−NHCOCH 3)、1.949(t,H
3ax)、2.586(q,H3eq)、3.817(s,−COOCH 3)、1.870
(m,4−H)、 β体の物性値:1 H−NMR (500 MHz CDCl3 TMS)δ: 0.878(t,−CH3)、1.885(s,−NHCOCH3)、1.898(t,H
3ax)、2.465(q,H3eq)、3.800(s,−COOCH 3)、5.219
(m,4−H)。
(41)の合成 (39) 163.4mg(0.19mmol)に1N−NaOH1.14mlを加え室
温で8時間(5〜10時間)撹拌した。反応液を陽イオン
交換樹脂(アンバーライト IRC−50)にて中和(pH7)
し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留水で洗浄しろ液洗液を合
わせてカラムクロマト精製(山村化学研究所 ODS 60Å
60/200メッシュ(mesh)、展開溶媒 H2O、MeOH)に付
しMeOH画分を集め溶媒留去後凍乾し白色粉末(41) 11
2.3mgを得た。
収率 89.9%1 H−NMR (500 MHz C5D5N TMS)δ: 0.883(s,−CH3)、2.066(s,−NHCOCH 3)、2.349(t,H
3ax)、3.737(q,H3eq)、 (42)の合成 (40) 147.6mg(0.17mmol)に1N−NaOH1.02mlを加え室
温で8時間(5〜10時間)撹拌した。反応液を陽イオン
交換樹脂(アンバーライト IRC−50)にて中和(pH7)
し、樹脂をろ過後、樹脂を蒸留水で洗浄しろ液、洗液を
合わせてカラムクロマト精製(山村化学研究所 ODS60Å
60/200メッシュ、展開溶媒 H2O、メタノール)に付し
メタノール画分を集め溶媒留去後凍乾し白色粉末(42)
90mgを得た。
収率 79.5%1 H−NMR (500 MHz C5D5N TMS)δ: 0.892(t,−CH3)、2.010(s,−NHCOCH3)、2.400(t,H
3ax)、3.079(q,H3eq)、 参考例11 (イ)化合物(10)(3−O−〔メチル(5−アセタミ
ド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ
−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラ
ノシル)オネート〕−1,2−ジ−O−テトラデシル−Sn
−グリセロール)の合成 1,2−ジ−O−テトラデシル−Sn−グリセロール
(9)106.8g(0.22mol)を無水テトラヒドロフラン2.5
lに溶解、次いでモレキュラーシーブス4Aパウダー155g
を加えて1時間、室温下撹拌した。アルミホイルにて遮
光下、トリフルオロメタンスルホン酸銀95g(0.372mo
l)を−5℃冷却下に加え30分後、メチル2−クロロ−
4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−β−D−N−アセチ
ルノイラミネート(6)(0.18mol)の無水テトラヒド
ロフラン1溶解液を加えた。20分後、無水塩化第1ス
ズ35.2g(0.186mol)の無水テトラヒドロフラン200ml溶
解液を1時間を要して滴下した。−5℃の元に3時間撹
拌、次いで室温下8時間撹拌した。反応終了後、反応液
を濾過し、残渣はエーテル洗浄、得られた溶液は1迄
濃縮された後エーテル4lを加えた。炭酸ナトリウム飽和
溶液で中和し、生成した析出物は濾過、残渣はエーテル
洗浄、得られた溶液は、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒を留去し粗生成物240gを得た。
得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマト精製
(ワコーゲルC−200 1.8kg、展開溶媒トルエン:酢エ
ス=2:1)により1次精製物115gを得た。更に得られた
生成物を再度シリカゲルカラムクロマト精製(シリカゲ
ル6kg(C−300)、展開溶媒、トルエン:酢酸エチル=
1:1、3気圧)に付し上記化合物(10)の純品66g(収率
37%)を得た。又化合物(11)の純品18g(収率10%)
を得た。
化合物(10)の物性値 元素分析 C51H91NO15 計算値 C: 63.92 H: 9.47 N: 1.46 実測値 C: 63.83 H: 9.50 N: 1.43 1.972 (1H, t, J=12.6Hz, H3ax) 1.879 (3H, s, CH3CONH−) 2.601 (3H, dd, J=4.6,12.6Hz, H3eq) (ロ)化合物(11)(3−O−〔メチル(5−アセタミ
ド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ
−β−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラ
ノシル)オネート〕−1,2−ジ−O−テトラデシル−Sn
−グリセロール)の物性値 元素分析 C51H91NO15 計算値 C: 63.92 H: 9.47 N: 1.46 実測値 C: 63.75 H: 9.61 N: 1.45 1.697 (1H, t, J=12.9Hz, H3ax) 1.879 (3H, s, CH3CONH−) 2.451 (1H, dd, J=4.9,12.9Hz, H3eq) (ハ)化合物(12)(3−O−〔ナトリウム(5−アセ
タミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガ
ラクト−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−
ジ−O−テトラデシル−Sn−グリセロール)の合成 化合物(10) 236mgをメタノール1mlに溶解後、1N−
水酸化ナトリウム水溶液1.5mlを加えて6時間、室温に
て撹拌した。反応後、アンバーライトIRC、50mlにてpH
=7とし、YMC−GEL,ODS(60Å、60/200mesh)、山村化
学研究所)40mlを充填したカラムに吸着させた。水500m
lにて酢酸ソーダを溶出後、メタノール500mlにて溶出し
た分画部よりメタノールを留去、残渣に水を加えて凍結
乾燥し、次いで真空乾燥して化合物(12)である無色粉
末192.4mg(収率97.9%)を得た。
化合物(12)の物性値 分解点 216−218℃ 元素分析値 C42H80NO11Na・2H2O 計算値 C: 60.48 H:10.15 N: 1.71 実測値 C: 60.33 H: 9.75 N: 1.70 TLC Rf=0.40 (TLC プレートRP−18F254s: 展開溶媒、メタノール) 1.868 (3H, s, CH3CONH−) 2.620 (1H, dd, J=11.0,4.6Hz, H3eq) (ニ)化合物(13)(3−O−〔ナトリウム(5−アセ
タミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガ
ラクト−2−ノニュロピラノシル)オネート〕−1,2−
ジ−O−テトラデシル−Sn−グリセロール)の合成 化合物(11) 236mgをメタノール1mlに溶解後、1N−
水酸化ナトリウム水溶液1.5mlを加えて6時間、室温に
て撹拌した。反応後、アンバーライトIRC、50mlにてpH
=7とし、YMC−GEL,ODS(60Å、60/200mesh)、山村化
学研究所)40mlを充填したカラムに吸着させた。水500m
lにて酢酸ソーダを溶出後、メタノール500mlにて溶出し
た分画部よりメタノールを留去、残渣に水を加えて凍結
乾燥し、次いで真空乾燥して化合物(13)である無色粉
末192.4mg(収率97.9%)を得た。
化合物(13)の物性値 分解点 225−229℃ 元素分析値 C42H80NO11Na・4H2O 計算値 C: 57.97 H:10.20 N: 1.60 実測値 C: 58.00 H: 9.90 N: 1.56 1.865 (3H, s, CH3CONH−) 2.065 (1H, dd, J=12.5,5.1Hz, H3eq) 実施例2 ホスホリパーゼA2及びC活性に対するシアロ
シルグリコリピッドの抑制効果 化合物(12)、(13)、(18)、(19)、(24)、
(25)、(30)、(31)、(41)、(42)から1000μ
M、100μM、10μM、1μM及び0.1μMの検体を実施
例と同様に調製し、さらに該検体を用いて実施例1と同
様の方法により、シンシレーションカウンターによる測
定を行い、各化合物のホスホリパーゼA2及びC活性を求
めた。その結果を第3図〜第12図に示す。第3図〜第6
図及び第11図はホスホリパーゼA2活性に関する結果を示
し、第7図〜第10図及び第12図はホスホリパーゼC活性
に関する結果を示す。
第3図〜第6図及び第11図の結果から、化合物(1
2)、(13)、(18)、(19)、(24)、(25)、(3
0)、(31)、(41)及び(42)は、ホスホリパーゼA2
活性抑制効果を有することがわかる。
ホスホリパーゼA2活性とある種の免疫応答との間には
特定の関係があることが知られている。
従って、ホスホリパーゼA2活性抑制効果を有する上記
化合物を有効成分として含有する本発明の薬剤は、自己
免疫疾患を治療するために使用することができる。
実施例3 本実施例では、抗炎症剤及び免疫抑制(調節)剤の薬
効評価系として繁用されているラットのアジュバント関
節炎モデルに対する化合物(12)の作用を検討した。
実験動物としては、スプラーグドーリー(Sprague−D
awley)系雄性ラット(6週令、約180gを用いた。
アジュバント処理としては、牛酪菌(Myobacterium b
utyricum, DIFCO) 1mg/0.05ml流動パラフィンをエーテ
ル軽麻酔下にてラット左後肢内に皮内注射した。
薬効は、一定量を腹腔内注射(ip)により、投与して
観察した。
参考のため、和光純薬工業(株)製のプレドニソロン
(Prednisolone(登録商標);以下PSLという)につい
ても経口投与(PO)により同様に試験した。
群構成及び投与スケジュール アジュバント処理後20日目に2次炎症の顕著な動物を
選び、1群n=3匹(〜5匹)として群分けをし、20日
目から26日目の1週間連続投与した(下記参照)。
測定項目 上記スケジュールに従い以下の5項目を測定し薬効を
評価した。
(3)関節炎スコア:右後肢、両前肢、耳朶及び尾の5
ヶ所について、各部位での炎症強度を観察し、最高4
点、計20点満点とし評価した。
(4)体重推移:日数0又は日数20(投与開始日)の体
重を100%としたときの体重推移。
(5)主要臓器重量:投与終了翌日の主要臓器(胸腺、
脾、腎、副腎)の湿重量。
参考例 PSL(prednisolane)、和光純薬工業KK. アジュバント処置後20日目において顕著な2次炎症
(炎症スコア10以上)が観察された動物13匹を下記の如
く群分けした。
第13図に、薬剤投与前(日数20)の腫脹に対する投与
後4日目(日数24)及び7日目(日数27)の腫脹の変化
を示す。図中、conは対照又、例えば化合物(12)−10
(ip)は化合物(12)を10mg/kg量、腹腔内注射(ip)
したことを示す。POは、経口投与を示す。
薬剤投与前(日数20)の腫脹に対する、投与後4日目
(日数24)及び7日目(日数27)の腫脹の変化を第13図
に示した。
投与開始4日目で、化合物(12) 10mg/kg投与群で約
12%、50mg/kg投与群で約20%腫脹を抑制したが、7日
目においては両群とも約12%の抑制に留まった。一方、
PSL投与群は4日目、7日目ともに約22%抑制した。
第14図にアジュバント非処置足の2次炎症を示す。
化合物(12) 10mg/kg投与群は投与後4日目で約4
%、7日目で約18%、50mg/kg投与群では4日目及び7
日目で約20%腫脹を抑制した。PSL投与群は7日目にお
いて約20%抑制した。
第15、16図に2次炎症の炎症スコアを示す。
第17図にアジュバント処置前の体重に対する各時点で
の体重の推移を示す。Norは正常、Conは対照、PSL−5mg
/kg(PO)は、PSLを体重1kgあたり経口で5mg投与したこ
とを示す。
例えば化合物(12)−10mg/kg(ip)は、化合物(1
2)を腹腔内注射(ip)により体重1kgあたり10mg投与し
たことを示す。
第18図は、アジュバント処置後27日目の体重の同処置
後20日目の体重に対する%を示す。
薬剤投与後4日目において、PSL及び化合物(12) 50
mg/kg投与群に、わずかな体重の減少がみられたが、投
与前後における体重増加率は各群とも大差がなかった
(第18図)。またアジュバント処置による体重増加抑制
傾向を改善する作用もみられなかった。
投与終了翌日に動物を解剖しアジュバント関節炎によ
り重量の変動する胸腺、脾臓、腎臓及び副腎についてそ
の湿重量を測定し第19〜22図に示した。図の上段に各臓
器の実重量、下段に体重100gにあたり重量を示した。
一般に、アジュバント関節炎により胸腺は萎縮し、脾
臓、腎臓及び副腎は肥大するが、化合物(12)及びPSL
投与によりこれらの変化を改善する傾向はみられなかっ
た。
逆に、化合物(12) 50mg/kg投与群及びPSL投与群は
胸腺が顕著に萎縮した。
〔発明の効果〕
アジュバント処置により生じた2次炎症に対し、化合
物(12)の一週間連続投与(ip)により炎症(腫脹)を
抑制する効果があった。
同効果は投与量にほぼ比例し、50mg/kg投与では代表
的なステロイド系抗炎症剤であるPSLとほぼ同等の効果
を示した。
以上の結果から、化合物(12)はPSLとほぼ同等の抗
炎症作用を有することがわかり、免疫調節剤として使用
できることがわかる。
製剤例1(水溶性注射液) 化合物(1)を2.5gと塩化ナトリウム45.0gをとり、
注射用蒸留水にて5,000mlとする。また0.01NHCl液にてp
Hを7.5に調製する。この液を、メンブランフィルターで
ろ過し、ガラス製アンプルに1ml分注する。この際、窒
素ガスを封入しながら熔閉し、常法に従い滅菌した。本
注射液は、1ml中化合物(1)0.5mgを含有する。
製剤例2〜4(水溶液注射液) 化合物(1)の代りに化合物(2)、(41)及び(4
2)を用いた他は製剤例1と同様にして、1ml中に化合物
(2)、(41)及び(42)0.5mgをそれぞれ含有する3
種類の注射液を得た。
製剤例5(用時溶解粉末注射剤) 化合物(1)0.5gと塩化ナトリウム18.0gをとり、注
射用蒸留水にて1,000mlとし、0.01NHCl液でpHを7.5に調
製する。この液をメンブランフィルターにてろ過し、バ
イアルビンに1mlずつ分注し、凍結乾燥装置を用いて、
常法に従い凍結乾燥品を得た。このものに、窒素ガスを
封入後、ゴム栓を施こし、用時溶解して使用する粉末注
射剤を得た。本品は、1バイアル中0.5mgの化合物
(1)を含有し、使用時には、2mlの注射用蒸留水にて
溶解し使用する。
製剤例6〜8(用時溶解粉末注射液) 化合物(1)の代りに化合物(2)、(41)及び(4
2)を用いた他は製剤例5と同様にして、1バイアル中
0.5mgの化合物(2)、(41)及び(42)をそれぞれ含
有する3種類の粉末注射剤を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、検体中の化合物(1)及び(2)の濃度とホ
スホリパーゼA2活性との関係を示す図である。 第2図は、検体中の化合物(1)及び(2)の濃度とホ
スホリパーゼ活性との関係を示す図である。 第3図は、検体中の化合物(18)、(19)、(24)、及
び(25)の濃度とホスホリパーゼA2活性との関係を示
す。 第4図は、検体中の化合物(12)、(13)、(9)(原
料)及びシアル酸の濃度とホスホリパーゼA2活性との関
係を示す。 第5図は、検体中の化合物(30)、(31)及び(27)
(原料)の濃度とホスホリパーゼA2活性との関係を示
す。 第6図は、検体中の化合物(12)、(18)、(24)及び
(30)並びにシアル酸の濃度とホスホリパーゼA2活性と
の関係を示す。 第7図は、検体中の化合物(18)、(19)、(24)及び
(25)並びにシアル酸の濃度とホスホリパーゼC活性と
の関係を示す。 第8図は、検体中の化合物(12)、(13)及び(9)
(原料)の濃度とホスホリパーゼC活性との関係を示
す。 第9図は、検体中の化合物(30)、(31)及び(27)
(原料)の濃度とホスホリパーゼC活性との関係を示
す。 第10図は、化合物(13)、(19)、(25)及び(31)並
びにシアル酸の検体中における濃度とホスホリパーゼC
活性との関係を示す。 第11図は、検体中のバチルアルコール並びに化合物(2
7)、(30)、(31)、(41)及び(42)の濃度とホス
ホリパーゼA2活性との関係を示す。 第12図は、検体中のバチルアルコール並びに化合物(3
0)、(31)、(41)及び(42)の濃度とホスホリパー
ゼC活性との関係を示す。 第13図は、アジュバント処置足の1次及び2次炎症を示
す。 第14図は、アジュバント非処置足の2次炎症を示す。 第15、16図は、2次炎症の炎症スコアを示す。 第17、18図は、アジュバント処置後の体重推移を示す。 第19〜22図のA及びB図は、投与終了翌日における主要
臓器重量を示す。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)及び(II)で示される化合物
    の少なくとも1つを有効成分として含有する自己免疫疾
    患治療剤。 (式(I)及び(II)中、R2はCOOM(Mはアルカリ金属
    である)を示し、R3 (ただし、mは0〜30の整数であり、nは1〜30の整数
    である)を示す。)
  2. 【請求項2】R3であり、m及びnがそれぞれ6、10、14又は18である請
    求項(1)に記載の自己免疫疾患治療剤。
  3. 【請求項3】R3であり、mが0であり、かつnが18である請求項(1)
    に記載の自己免疫疾患治療剤。
  4. 【請求項4】一般式(I)及び/又は(II)で示される
    化合物の有効量と製剤学的に受入れられる担体とを含む
    請求項(1)、(2)又は(3)に記載の自己免疫疾患
    治療剤。
  5. 【請求項5】担体が安定剤、保存剤、緩衝剤又は等張化
    剤である請求項(4)に記載の自己免疫疾患治療剤。
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