JP2607658B2 - 頭部穴あけ機用ドリルヘッド組立体 - Google Patents

頭部穴あけ機用ドリルヘッド組立体

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JP2607658B2 JP63509344A JP50934488A JP2607658B2 JP 2607658 B2 JP2607658 B2 JP 2607658B2 JP 63509344 A JP63509344 A JP 63509344A JP 50934488 A JP50934488 A JP 50934488A JP 2607658 B2 JP2607658 B2 JP 2607658B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、頭蓋骨に穴を開けるために用いられる種類
の頭部穴あけ機に関し、特に、そのような頭部穴あけ機
の切削面の形状に関する。
発明の背景 頭部穴あけ機は、頭部手術の際に頭蓋骨に穴をあける
のに用いられる特殊な用途のドリルである。そのような
穴は、脳のまわりの領域から液体を出したり、器具の挿
入及び取り出しのために脳へ通じる小さな通路を作った
り、あるいは頭蓋骨の大部分を除去する際に連続して使
用される頭部用のこぎりの位置を定めたりするのに必要
とされる。
開けられる穴の最終的な用途は別問題として、頭部穴
あけ機が頭蓋骨を貫通した直後であって、それが脳のま
わりの微細な外膜組織あるいは脳それ自体にぶつかって
それらを傷付ける前に、頭部穴あけ機の穴あけ動作を停
止させることが重要なことである。そのために、従来の
頭部穴あけ機は特別な“安全構造”を用いていた。この
安全構造は、穴あけ機の先端が硬い骨にぶつかっている
間に限って穴あけ機の前方への進行を許容し、そして穴
あけ機の先端が硬い骨を貫通した直後であってその骨の
下の柔い組織にぶつかる前に、その穴あけ機の前方の進
行を停止させるように設計されている。更に詳しくは、
従来、頭部穴あけ機は、互いに同心状に配置された一対
のドリルを備えたドリルヘッド組立体を有していた。こ
の場合内ドリルは、穴あけ機が頭蓋骨に突きささる時段
付穴(Bore−counferbore opening)が形成されるよう
に、外ドリルよりも前方へ突き出す状態となっていた。
それら二つのドリルは特別なクラッチ機構を介して次の
ような状態で後部支持・駆動組立体に連結されていた。
すなわち両ドリルは、先行する内ドリルが抵抗面(すな
わち、骨)にぶつかっている間に限って動作し、一方、
内ドリルが抵抗面にぶつからなくなると(すなわち、そ
れが骨を貫通するとすぐに)、外ドリルが未だ抵抗面に
ぶつかっていても(すなわち、それが未だ骨を削ってい
ても)、動作しなくなるようになっていた。先行する内
ドリル及び接続する外ドリルは段付穴を切り込むように
なっているので、一旦内ドリル及び外ドリルが動作しな
い状態になると、段付穴開口の交差位置に形成される骨
の肩部によって穴あけ機が脳に向って更に前進すること
が自動的に防げられる。その結果、その穴あけ機を使っ
ている外科医は、残りの骨が徐々に薄くなってゆく時で
も穴あけ機に加える力の大きさについてまったく神経を
集中しなくても良く、また通常、穴あけ機が頭の中へ入
り込み過ぎて微細な外膜組織あるいは脳それ自体を傷付
けることを心配する必要もない。そのような頭部穴あけ
機には、再使用できるものと使い捨てのものの両方があ
る。
1986年7月15日“頭部穴あけ機(Crarial Perforato
r)”に関して発行されたJohn W.Bakerの合衆国特許第
4,600,006には、上述した“安全構造”を組み込んだ改
良された形状の頭部穴あけ機が示されている。また、
“安全構造”を組み込んだこれ以外の頭部穴あけ機が上
記の特許明細書中に示されており、またその特許につい
ての審査において引用された。また、上記の“安全構
造”を組み込んだ更に別の頭部穴あけ機が、1987年3月
26日にJohn W.Bakerによって“頭部穴あけ機”に関して
出願され、現在係属中の合衆国特許出願第031,552(代
理人番号ACRA−3)に示されている。
残念ながら、今日までに開発されている全ての“安全
構造”付頭部穴あけ機は、悪い結果を招くおそれがある
欠陥を持っていると信じられている。この欠陥は、今日
までに開発されている全ての“安全構造”付頭部穴あけ
機が次のような、すなわち内ドリルが外ドリルよりも先
行していて、それら内ドリル及び外ドリルによって段付
穴が切り込まれるように構成されているようなドリルヘ
ッド組立体を備えているという事実に関係している。外
ドリルが骨組織に噛み合うということは、穴あけ機の
“安全構造”を達成する上でその穴あけ機がより深く進
入してしまうことを阻止するのに必要なことである(す
なわち、そのような外ドリルが骨組織に噛み合うという
事実により、(a)内ドリル及び外ドリルと後部支持・
駆動組立体との噛合が外れて駆動が解除され、そして
(b)頭蓋骨内の段付穴開口に形成される骨の肩部によ
って外ドリル、従って頭部穴あけ機全体が支持されるこ
とになるのである)。ところが、非常に薄い骨組織を削
る時に、外ドリルがその骨組織に噛み合う以前に、内ド
リルがその骨組織を貫通して微細な外膜組織あるいは脳
までにも入り込んでしまうことがしばしばある。こうな
ると、外膜組織あるいは脳が傷付くのを防止する上で、
穴あけ機の“安全構造”が作動を始めるのが遅過ぎるこ
とになる。このような事態は、頭部の骨が非常に薄い場
合である小児に対する穴あけ、及び成人における薄い後
側部領域の頭蓋骨への穴あけにおいて非常にしばしば発
生する。今までのところ、外科医の技術及び経験的な知
識が、そのような場合において外膜あるいは脳へ穴あけ
機が入り込むのを防止するための唯一の手段となってい
た。
本発明の目的 従って本発明の第一の目的は、“安全構造”付頭部穴
あけ機のための改良されたドリルヘッド組立体であっ
て、非常に薄い骨組織に穴を開けることに関しての上述
した問題点を解消するドリルヘッド組立体を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、内ドリルが骨を削り始めるとほ
とんど同時に、外ドリルが硬い骨に接触するようになっ
ている“安全構造”付頭部穴あけ機のための改良された
ドリルヘッド組立体を提供することである。
本発明の他の目的は、内ドリル及び外ドリルの駆動が
いったん解除された時、穴あけ機が脳へ向って更に進行
するのを阻止するための骨の肩部をより一層強くする
“安全構造”付頭部穴あけ機のための改良されたドリル
ヘッド組立体を提供することである。
本発明の他の目的は、合衆国特許第4,600,006(Bake
r)及び合衆国特許出願第031,552(Baker)に開示され
ている種類の頭部穴あけ機、その他の“安全構造”付頭
部穴あけ機に使用することのできる改良されたドリルヘ
ッド組立体を提供することである。
発明の概要 上記の及びそれ以外の目的は、次の改良されたドリル
ヘッド組立体によって達成される。すなわち、そのドリ
ルヘッド組立体は、互いに同心状に配置された内ドリル
及び外ドリルを有しており、外ドリルの先端が内ドリル
の外周端とほぼ同じ所に配置されており、そして穴あけ
機が頭蓋骨の中に入り込む時、内ドリル及び外ドリルが
段付穴を削り込むようになっている。
改良されたドリルヘッド組立体が適宜のクラッチ機構
を介して後部支持・駆動体に次のように、すなわち内ド
リルが抵抗面(すなわち、骨)にぶつかっている間に限
って両方のドリルが動作可能であって、一方、内ドリル
と抵抗面とがぶつからなくなるとすぐに(すなわち、内
ドリルが骨を貫通するとすぐに)、外ドリルが未だ抵抗
面にぶつかっていたとしても(すなわち、外ドリルが未
だ骨を削っているとしても)、両方のドリルが動作不能
となるように取付けられている時、上述した構成によっ
て、内ドリルの外周端が骨に噛み合うのとほぼ同時に外
ドリルの先端がその骨に噛み合い、そして骨の肩部は常
に外ドリルの下に位置していて、内ドリルと外ドリルが
動作不能となった時にはただちに穴あけ機の脳への進行
を阻止する。
図面の簡単な説明 上記の及びそれ以外の本発明の目的及び特徴は、添付
図面と共に考慮される以下の発明の詳細な説明によって
より完全に明らかに開示され表現される。図面におい
て、同じ符号は同じ部材を示している。更に、 第1図は従来の頭部穴あけ機の側面図、 第2図は本発明の一実施例に係るドリルヘッド組立体
の側面図であって、ドリルヘッド組立体が第1図に示し
た従来装置において示されている位置から60°だけ回転
している状態の図、 第3図は第2図に示したドリルヘッド組立体の側面図
であって、ドリルヘッド組立体が第2図に示した位置か
ら60°だけ回転しており、更にいくつかの内部部材が破
線で示されている図、 第4図は第2図に示したドリルヘッド組立体の端面
図、 第5図は第2図に示したドリルヘッド組立体の分解斜
視図、 第6図は上記のドリルヘッド組立体の外ドリルの背面
図であって、第4図の6−6線によって示される方向か
ら見た図、 第7図は上記のドリルヘッド組立体の内ドリルの背面
図であって、第4図の7−7線によって示される方向か
ら見た図、 第8図は第2図に示したドリルヘッド組立体の一部を
拡大して示す側面図、 第9図は本発明の第2実施例に係るドリルヘッド組立
体の一部を拡大して示す側面図、 第10図は本発明の第3実施例に係るドリルヘッド組立
体の一部を拡大して示す側面図である。
図面の詳細な説明 第1図は、合衆国特許第4,600,006(Baker)に開示さ
れている形式の従来の頭部穴あけ機を示している。一般
にこの頭部穴あけ機は、前部ドリルヘッド組立体2及び
後部支持・駆動組立体4を有している。前部ドリルヘッ
ド組立体2は、一般に、内ドリル6及び外ドリル8を有
している。前部ドリルヘッド組立体2及び後部支持・駆
動組立体4の構成及び作用の詳細は、ここに引用されて
いる合衆国特許第4,600,006(Baker)に述べられてい
る。重要なことは、第1図に示した従来の頭部ドリルヘ
ッド組立体2においては、外ドリル8の先端が内ドリル
6の外周端の後方に間隔をおいて位置しており、そして
内ドリル及び外ドリルが骨の中に段付穴をあけるように
配置されていることである。
本発明に従って改良されたドリルヘッド組立体100が
第2図に示されている。このドリルヘッド組立体は、第
1図に示した前部ドリルヘッド組立体2と交換される。
前部ドリルヘッド組立体100は、内ドリル102及び外ド
リル104を有している。
内ドリル102は第2図〜第5図、第7図及び第8図に
示されている。ドリル102は概ね円筒状になっていて、
更に円筒状中間部106を有している(第5図)。ドリル1
02の前端は、互いに交差する複数の傾斜面に切り分けら
れており、これらの傾斜面によって、全体を108で示し
てある3個の多面状のフルートすなわち刃が形成されて
いる。特に、3個のフルート108は、三つ組の第1傾斜
面110と、三つ組の第2傾斜面112と、三つ組の第3傾斜
面114と、三つ組の端面116とを有している。端面116の
各々は、表面110,112及び114のうちの一つと交差してい
る。
フルート108は、それぞれ互いに120°だけ離れて配置
されている。従って、一つのフルートについての各表面
110,112及び114は、他の二つのフルートについての対応
する表面から120°だけ離れて配置されている。傾斜面1
10,112及び114が上記の相対位置をとっているため、各
フルート108は前端切欠117を有しており(第2図及び第
3図)、そして内ドリルの先端は角錐状の先端突起118
となっている。この前端突起118はフルート108の前端面
116の外方へ伸びている。面114を構成している平面は角
錐状突起118の先端から外れている。そして端面116は、
半径方向に17°の角度で伸びており(第8図)、そして
周方向(すなわち非半径方向)に6 1/2°の角度で傾け
られている。面116の前側先端は前部切削刃を構成して
おり、面114の外側端は側部切削刃を構成している。
円筒状中間部106の後端は端面すなわち端壁124となっ
ている(第4図及び第7図)。三つ組の突出部すなわち
鍵状突起すなわち指状突起126が端面124の後方へ伸びて
いる。後方へ突出する突出部126は、円筒状中間部106と
一体に作られており、更に互いに120°の間隔で配置さ
れている。各突出部126には、合衆国特許第4,600,006
(Baker)に示されているように、第1側面128、端面13
0、第2側面132及び第3側面134が形成されている。第
1側面128は、ドリル102の中心軸線と平行に且つ端面12
4と垂直に伸びている。端面130は、端面124に対して実
質的に平行に伸びている。第2側面132は、端面124及び
端面130に対して実質的に垂直に伸びている。第3側面1
34は、端面124に対して傾斜をもって(すなわち垂直で
はなく)伸びている。第3側面134は、合衆国特許出願N
O.031,552(Baker)に開示されているように、螺旋状に
ねじることもできる。小溝136が各傾斜面134と端面124
との交差位置に設けられている。
内ドリル102は軸方向穴137及びねじ付広口穴(Counte
rbore)138を備えている。軸方向穴137は、円筒状中間
部106の後端面124から始まって、中間部106の中間で終
わっている。ねじ付広口穴138は円筒状中間部106の後端
面124から始まって、中間部106の肩部139で終わってい
る。軸方向穴137及びねじ付広口穴138は、合衆国特許第
4,600,006に示されている方法で、第1図の後部支持・
駆動組立体4の一部を受け取るようになっている。これ
により、前部ドリルヘッド組立体100を後部支持・駆動
組立体4に取り付けることができる。軸方向穴137及び
ねじ付広口穴138は、他の周知の形式の後部支持・駆動
組立体の同様の部分を受け取ることもできる。これによ
り、前部ドリルヘッド組立体100が取り付けられ、更に
後部支持・駆動組立体と共に使用される。
外ドリル104は第2図〜第6図及び第8図に示してい
る。外ドリル104は概ね円筒状をなしており、その先端
に一連のフルートすなわち刃が形成されるように所定の
方法で切削されている。特に、外ドリル104はほぼ円筒
状の後部142を有している。この後部142は、ほぼ円錐の
一部を切り取った形状をしている部分円錐部146によっ
て、概ね円筒状の前部144につながっている(第2図及
び第5図)。後部142は後端面148で終わっている。外ド
リル104は、軸方向穴152(第6図)と、前方面154を備
えていて内部へ伸びている突出部すなわち引掛部147
(第3図)と、外ドリルの軸線と同心の円の円弧である
湾曲内面150とを有している。外ドリル104は、また、突
出部147の間に形成される三つ組の長穴156を有してい
る。長穴156は互いに120°の角度だけ離れている。各長
穴156は肩部158を形成している。各突出部147は側壁面1
59A及び159Bを有している。突出部147は、面159Cが側壁
面159Bと前方面154との間に伸びるように、斜めに切ら
れている。面159Cは平面であり、側壁面159Bに対して45
°の角度で、そして前方面154に対して45°の角度で伸
びている。このようにした理由は、合衆国特許第4,600,
006(Baker)の中で明らかにされている。
第2図、第4図及び第5図において、外ドリルにおけ
る円筒状の前部144は、互いに交差する複数の傾斜面に
切り分けられており、これら複数の傾斜面によって、全
体を160で示してある3個のフルートすなわち刃が形成
されている。特に、その3個のフルートは三つ組の第1
傾斜面162と、三つ組の第2傾斜面164と、三つ組の第3
傾斜面166とを有している。
フルート160はそれぞれ互いに120°の角度をおいて離
れて配置されており、その先端が前端面168及び169とな
っている(第2図、第5図及び第8図参照)。前端面16
9は半径方向に17°の角度で伸びており(第8図)、前
端面168は半径方向に30°の角度で伸びている(第8
図)。前端面160は半径方向に15/1000インチ程度伸びる
ことが好ましい。但し、実際には、より短かく(例えば
5/1000インチ)あるいは、より長く(30/1000インチ)
することもできる。面168及び169は、円周方向(すなわ
ち非半径方向)に3°の角度で傾いている部分円錐部
(Rrustoconical section)によって形成されている。
面168及び169の先端は前部切削刃である。一方、面166
の外側端は側部切削刃を構成している。
内ドリル102及び外ドリル104は、互いの内外に同心状
に組み付けられ、これにより完全なドリルヘッド組立体
100が形成される。特に、内ドリル102と外ドリル104は
第5図に示すように、すなわち内ドリルのフルート108
が外ドリルのフルート160に一致し、更に内ドリルの突
出部126が外ドリルの長穴156と一致するように配置され
る。その後、それら二つのドリル部材は次のように、す
なわち内ドリルが外ドリルの中へ挿入されて両者が摺動
可能な状態で密着し、内ドリルの端壁124が突出部147の
前方面154に当たるように組み付けられる。内ドリル及
び外ドリルの各部は次のようにその寸法及び形状が決め
られている。すなわち、内ドリルの端面124が外ドリル
の面154にぶつかり、突出部126が長穴156の中に入った
状態でドリルヘッド組立体が組み立てられた時、外ドリ
ルの前端切削面168及び169が半径方向に見て内ドリルの
前端面116に一致すると共にその前端面の後方延長部を
形成し、外ドリルの前部切削面1698の先端部が内ドリル
の先端面116の外周部に接続し(第8図)、外ドリルの
第1傾斜面162が内ドリルの第1傾斜面110の後方延長部
を形成し、外ドリルの第2傾斜面164が内ドリルの第2
傾斜面112の後方延長部を形成し、そして外ドリルの第
3傾斜面166が内ドリルの第3傾斜面114の後方延長部を
形成する(第2図及び第4図)。また、内ドリルの突出
部126の寸法は、内ドリルの端壁124が外ドリルの面154
に当たった時、突出部の第1側面128が突出部147の側面
159Aの近くであってその側面に平行に位置する状態で、
且つ突出部の傾斜側面134が突出部147の傾斜面159Cの近
くであってその側面に平行に位置する状態で、突出部12
6が外ドリルの長穴156を通って伸びるように決められて
いる。更に、内ドリルの突出部126の寸法は、内ドリル
の端壁124が外ドリル104の面154に当たった時、それら
突出部が外ドリルの後面148を越えて伸びるように(第
1図及び第3図)、決められている。これにより、上記
合衆国特許第4,600,006(Baker)に示された方法によっ
て、突出部126を第1図の後部支持・駆動組立体4に連
結することができる。前部ドリルヘッド組立体100を適
宜に設計された他の後部支持・駆動組立体と共に使用す
るために、突出部126をそのような他の後部支持・駆動
組立体によって受け取ることもできる。
以上のことから上記の組み立て作業は、上記の二つの
ドリルを噛み合わせる前に内ドリル102及び外ドリル104
が互いに正確に整合している場合(すなわち、内ドリル
のフルート108が外ドリルのフルート160に整合し、内ド
リルの鍵状突出部126が外ドリルの長穴156に整合するよ
うな場合)にのみ、行なうことができる。内ドリルの突
出部126及び外ドリル104の寸法及び形状のために、上記
二つのドリル部材が組み付けられる時、仮に突出部126
が外ドリルの長穴156に正確に整合していないと、内ド
リルの鍵状突出部126の端面130が突出部147の前方面154
にぶつかり、これにより内ドリルと外ドリルが第3図の
位置へ組み付けられるのが阻止される。
手術中、頭部穴あけ機が頭蓋骨に穴を開けるために用
いられる時、前部ドリルヘッド組立体100が適宜の後部
支持・駆動組立体(例えば、第1図に示す後部支持・駆
動組立体4)に取り付けられ、そして頭部穴あけ機を反
時計方向に駆動するために駆動ユニット(図示せず)が
用いられる。頭部穴あけ機は、頭蓋穴を開けようとして
いる頭蓋骨に角錐状前方突起118が正確に接触するよう
に、降ろされる。鋭利な角錐状突起118によって頭部穴
あけ機の中心を維持しながら、その穴あけ機が頭蓋骨に
押し付けられる。内ドリルが回転する時、角錐状突起11
8及びフルート108が頭蓋骨の中に入り込む。その時、回
転している突出部の面134が外ドリルの面159Cに噛み合
い、それにより外ドリルが内ドリルと一体になって回転
する。第8図に示すように前部ドリルヘッド組立体100
は特徴のある新しい構造になっているので、内ドリルヘ
ッドのフルート108の外周端が頭蓋骨に噛み合う時、そ
れと同時に外ドリル102の先端が頭蓋骨に噛み合う。従
って、内ドリル100が頭蓋骨に噛み合うとすぐに、外ド
リル102が確実に頭蓋骨に噛み合う。穴あけ機が頭蓋骨
の中に切り込んでゆく時、内ドリルのフルート108が穴
を開け、そして外ドリルのフルート160が広口穴を切り
出す。これにより、段付穴が頭蓋骨の中に形成される。
外ドリルの前端面168及び169は、円周方向に関して、内
ドリルの前端面116よりも浅い角度に切られているの
で、外ドリルは内ドリルに比べてより大きな切削抵抗を
受けることになる。この特徴は、合衆国特許第4,600,00
6(Baker)に述べられているように、頭部穴あけ機の
“安全構造”を適正に作動させる上で重要なことであ
る。
内ドリルが目標の骨を通過し、それ故もはや抵抗とな
る面がなくなって自由に前方へ移行できるようになる
と、内ドリルの突出面134に対抗して発生する外ドリル
の傾斜面159Cの作用により、突出部126と後部支持・駆
動組立体との間の噛み合いが外れるのに十分なだけ、内
ドリルが外ドリル及び後部支持・駆動組立体に対して前
方へ移動する。これについては合衆国特許第4,600,006
(Baker)に述べられている。内ドリルが後部支持・駆
動組立体4に連結しなくなると、頭蓋骨との間の残留摩
擦によって両ドリル102及び104の回転が止まる。頭部穴
あけ機によって作られた段付穴は骨の中に部分円錐状
(Frustoconical)の肩部を形成しており、この肩部
が、今は停止している外ドリルの前面168が前へ動くの
を阻止するので、頭部穴あけ機の前方への進行がこの位
置において阻止される。その後、頭部穴あけ機を単に後
方へ引き抜くだけで、その穴あけ機を頭蓋穴から取り出
すことができる。
内ドリル及び外ドリルは、外ドリルの前方切削面169
が内ドリルの先端面116の外周部に接触あるいは極めて
接近するように、形成されているので(第8図参照)、
外ドリルが骨に噛み合う前に内ドリルがその骨を完全に
通過してしまうというおそれなしに、薄い骨に穴あけす
ることができる。また、内ドリル及び外ドリルは段付穴
を切り込むことになるので、常に十分な骨の肩部が与え
られ、一旦内ドリル及び外ドリルと後部支持・駆動組立
体との噛合いが外れた時には、その肩部によって穴あけ
機の進行が確実に阻止される。こうして、比較的薄い頭
蓋骨に対してさえも、頭部穴あけ機の“安全構造”の働
きが保証される。
前部ドリルヘッド組立体100は、本発明の範囲から外
れることなしに改変をすることができるのは明らかであ
る。
例えば、他の頭部ドリルヘッド組立体100Aが第9図に
示されている。ドリルヘッド組立体100Aは、外ドリルの
面169Aが内ドリルの面116Aの外周部からわずかに(Xで
示されている間隔だけ)引込んでいることを除いて、先
のドリルヘッド組立体100と同じである。実際のとこ
ろ、頭蓋骨の厚さは約40/1000インチまで薄くなること
もあるので、前部ドリルヘッド組立体100Aに既述の作用
を行なわせるためには、上記の間隔Xを40/1000インチ
以下程度にするのが良い。好ましくは、間隔Xを35/100
0インチとするのが良い。この点に関して、第1図に示
した従来の頭部穴あけ機では、外ドリルの先端面が内ド
リルの外周面の後方約100/1000インチの所まで移動させ
られているのが特徴となっていることが理解される。
第10図に更に他の前部ドリルヘッド組立体100Bが示さ
れている。ドリルヘッド組立体100Bは、面168の各々が
段部168B′、168″、168等から成る段状面168Bに置き
換えられていることを除いて、先の前部ドリルヘッド組
立体100と同じである。段状面168Bは、面168Bを一連の
段部として構成することによって骨の肩部をより厚く且
つより強くすることを除いて、既述の面168と同様の働
きをする。
第8図では外ドリルの面169が内ドリルの面116と同様
に17°の角度で半径方向に傾くものとして示されている
が、面169を異なる角度、例えば5°の角度で半径方向
に傾けることもできる。更に、第8図では外ドリルの面
168が半径方向に30°の角度で傾くものとして示されて
いるが、面168を異なる角度、例えば45°の角度で半径
方向に傾けることもできる。
当業者によれば、更に別のこの種の改変が明らかであ
る。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドリルヘッド組立体と駆動手段とを有する
    穴あけ機であって、 (1)上記のドリルヘッド組立体は内ドリルと外ドリル
    とを有しており、 (a)その内ドリルは、その各々が前記切削刃を形成し
    ている複数の内部切削フルートを有しており、 (b)その外ドリルは、その各々が前部切削刃を形成し
    ている複数の外部切削フルートを有しており、 上記外部切削フルートの前部切削刃の先端部は、上記内
    部切削フルートの前部切削刃の外周部と隣接しており、 (2)上記駆動手段は、内ドリルが抵抗面とぶつかる時
    に上記ドリルヘッド組立体を動作状態とし、そして内ド
    リルが抵抗面にぶつからなくなった時には、外ドリルが
    未だその抵抗面にぶつかっていても、上記ドリルヘッド
    組立体を非動作状態にする ことを特徴とする穴あけ機。
  2. 【請求項2】内ドリル及び外ドリルが各々三個のフルー
    トを有していることを特徴とする請求項1記載の穴あけ
    機。
  3. 【請求項3】上記外部切削フルートの前部切削刃及び上
    記内部切削フルートの前部切削刃が、上記駆動手段の回
    転軸線に対して等しい角度で伸びていることを特徴とす
    る請求項1記載の穴あけ機。
  4. 【請求項4】上記外部切削フルートの前部切削刃及び上
    記内部切削フルートの前部切削刃が、上記駆動手段の回
    転軸線に対して17°の角度で伸びていることを特徴とす
    る請求項3記載の穴あけ機。
  5. 【請求項5】上記内部切削フルートの前部切削刃が、上
    記駆動手段の回転軸線に関して上記外部切削フルートの
    前部切削刃とは異なった角度で伸びていることを特徴と
    する請求項1記載の穴あけ機。
  6. 【請求項6】上記外部切削フルートの前部切削刃は、上
    記内部切削フルートの前部切削刃と隣接している第1切
    削刃及びその外部切削フルートの第1切削刃に連続して
    いる第2切削刃を有しており、更にそれら外部切削フル
    ートの第1切削刃及び第2切削刃が、上記駆動手段の回
    転軸線に関して異なった角度で配置されることを特徴と
    する請求項1記載の穴あけ機。
  7. 【請求項7】上記第2切削刃が段付形状を有することを
    特徴とする請求項6記載の穴あけ機。
  8. 【請求項8】ドリルヘッド組立体と駆動手段とを有する
    穴あけ機であって、 (1)上記のドリルヘッド組立体は内ドリルと外ドリル
    とを有しており、 (a)その内ドリルは、その各々が前部切削刃を形成し
    ている複数の内部切削フルートを有しており、 (b)その外ドリルは、その各々が前部切削刃を形成し
    ている複数の外部切削フルートを有しており、 上記外部切削フルートの前部切削刃の先端部は、上記内
    部切削フルートの前部切削刃の外周部に近接しており、 (2)上記駆動手段は、内ドリルが抵抗面とぶつかる時
    に上記ドリルヘッド組立体を動作状態とし、そして内ド
    リルが抵抗面にぶつからなくなった時には、外ドリルが
    未だその抵抗面にぶつかっていても、上記ドリルヘッド
    組立体を非動作状態にする ことを特徴とする穴あけ機。
  9. 【請求項9】上記外部切削フルートの前部切削刃は、上
    記内部切削フルートの前部切削刃に近接している第1切
    削刃及びその外部切削フルートの第1切削刃に連続して
    いる第2切削刃を有しており、更にそれら外部切削フル
    ートの第1切削刃及び第2切削刃が、上記駆動手段の回
    転軸線に関して異なった角度で配置されることを特徴と
    する請求項8記載の穴あけ機。
  10. 【請求項10】上記外部切削フルートの第1切削刃の先
    端部が、上記内部切削フルートの前部切削刃の外周部に
    近接してはいるが、わずか後方に間隔をおいて位置する
    ことを特徴とする請求項9記載の穴あけ機。
  11. 【請求項11】上記外部切削フルートの第1切削刃の先
    端部が、上記内部切削フルートの前部切削刃の外周部の
    後方に40/1000インチ以下の間隔をおいて位置すること
    を特徴とする請求項10記載の穴あけ機。
  12. 【請求項12】上記第2切削刃が段付形状を有すること
    を特徴とする請求項9記載の穴あけ機。
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