JP2605313Y2 - 脊椎後方矯正部材の固定具 - Google Patents

脊椎後方矯正部材の固定具

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JP2605313Y2
JP2605313Y2 JP1993074709U JP7470993U JP2605313Y2 JP 2605313 Y2 JP2605313 Y2 JP 2605313Y2 JP 1993074709 U JP1993074709 U JP 1993074709U JP 7470993 U JP7470993 U JP 7470993U JP 2605313 Y2 JP2605313 Y2 JP 2605313Y2
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聡 小島
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Description

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は、脊椎の歪みを矯正する
脊椎後方矯正部材の固定具に関する。
【０００２】
【従来の技術】脊椎すべり症や脊椎彎曲症等の疾患に対
する治療方法の１つとして、各椎体の棘突起の両側箇所
間を細長状の矯正部材で上下に連結し、上下の椎体間に
生じた歪みを前記矯正部材の剛性で矯正する方法があ
る。前記矯正部材の前記椎体への取り付けは、患者の背
中側を切開して前記椎体を露出させ、前記矯正部材の長
手方向に間隔を置いた箇所を、例えばねじにより各椎体
の棘突起の両側箇所、即ち椎間関節箇所にそれぞれ取着
することで行われ、矯正部材の取着後には切開箇所が縫
合される。
【０００３】ところが、上下の椎体を前記矯正部材で単
に連結するだけでは、ねじれ方向の椎体の歪みを矯正す
ることができないため、各椎体の棘突起の両側に位置す
る２つの矯正部材に互いに近付く方向への力を加えて、
前記ねじれ方向の歪みを矯正することが考えられる。そ
して、前記両矯正部材に互いに近付く方向への力を加え
るには、例えば前記各矯正部材に亘ってスクリューシャ
フトを配設し、該スクリューシャフトの両端にフックを
挿通してそれら各フックを前記各矯正部材に外側から係
合させ、スクリューシャフトの両端に螺合したボルト等
の回転操作により前記各フックをスクリューシャフトの
中央側に移動させることが考えられる。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方式では、前記ボルトの端面が患者の切開箇所に
臨まないため、ボルトの締め付けを行うには、体内の狭
いスペースの中でスパナを小刻みに旋回操作しなければ
ならず、手術が面倒となる。本考案は、前記事情に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、患者の体
内の狭いスペースの中でも簡単に操作でき、両矯正部材
に互いに近付く方向への力を加える手術の簡易化を図る
ことができる脊椎後方矯正部材の固定具を提供すること
にある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、上下に配列された複数の椎体の棘突起の両
側箇所にそれぞれ取着されて前記椎体の配列方向に延在
する一対の細長状の矯正部材間に架設される固定具であ
って、前記一対の矯正部材の間隔に対応した長さで形成
された連結部材と、前記連結部材の両端に結合され前記
各矯正部材に係止される一対の係止部材と、前記係止部
材を前記連結部材に結合させる結合手段とを備え、前記
結合手段は、前記連結部材の両端に該連結部材の長手方
向に所定の長さ延出形成された長孔と、前記係止部材に
形成されたねじ孔と、前記長孔を挿通して前記ねじ孔に
螺合されるねじと、該ねじの頭部下面に係合可能で前記
長孔に沿って延出形成され前記連結部材の端部に近付く
につれて椎体から離れるように傾斜した係合面とで構成
されていることを特徴とする。
【０００６】また、本考案は、前記連結部材の両端に
は、前記ねじの頭部に対応した大きさの凹部が該連結部
材の長手方向に所定の長さ延出形成され、前記凹部の底
面に前記長孔及び係合面が形成されているものとした。
さらに、本考案は、前記係止部材より前記連結部材の中
央寄りの連結部材箇所に結合され前記各係止部材と協働
して前記各矯正部材を挟持する一対の第２係止部材と、
前記第２係止部材を前記連結部材に結合させる第２結合
手段とを備え、該第２結合手段は、前記連結部材箇所に
該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成された第２
の長孔と、前記第２係止部材に形成された第２のねじ孔
と、前記第２の長孔を挿通して前記第２のねじ孔に螺合
される第２のねじと、該第２のねじの頭部下面に係合可
能で前記第２の長孔に沿って延出形成され前記連結部材
の端部に近付くにつれて椎体に近付くように傾斜した第
２の係合面とで構成されているものとした。また、本考
案は、前記第２係止部材が結合された連結部材箇所に
は、前記第２のねじの頭部に対応した大きさの第２の凹
部が該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成され、
前記第２の凹部の底面に前記第２の長孔及び第２の係合
面が形成されているものとした。
【０００７】さらに、本考案は、上下に配列された複数
の椎体の棘突起の両側箇所にそれぞれ取着されて前記椎
体の配列方向に延在する一対の細長状の矯正部材間に架
設される固定具であって、前記一対の矯正部材の間隔に
対応した長さで形成された連結部材と、前記連結部材の
両端に結合され前記各矯正部材に係合される一対の係合
部材と、前記係合部材を前記連結部材に結合させる結合
手段とを備え、前記結合手段は、前記連結部材の両端に
該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成された長孔
と、前記係合部材に形成され前記長孔を挿通される雄ね
じ部と、前記長孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺合され
る雌ねじ部材と、該雌ねじ部材の端面に係合可能で前記
長孔に沿って延出形成され前記連結部材の端部に近付く
につれて椎体から離れるように傾斜した係合面とで構成
されていることを特徴とする。
【０００８】また、本考案は、上下に配列された複数の
椎体の棘突起の両側箇所にそれぞれ取着されて前記椎体
の配列方向に延在する一対の細長状の矯正部材間に架設
される固定具であって、前記一対の矯正部材の間隔に対
応した長さで形成された連結部材と、前記連結部材の両
端に結合され前記各矯正部材に係合される一対の係合部
材と、前記係合部材を前記連結部材に結合させる結合手
段とを備え、前記結合手段は、前記連結部材の両端に該
連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成された長孔
と、前記係合部材に形成され前記長孔を挿通される雄ね
じ部と、前記長孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺合され
る雌ねじ部材と、前記係合部材及び前記連結部材の互い
に対向する箇所にそれぞれ形成され前記連結部材の端部
に近付くにつれて椎体に近付くように傾斜した係合面と
で構成されていることを特徴とする。
【０００９】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本考案の第１実施例による脊椎後方矯正部
材の固定具の使用状態を示す説明図、図２は図１の固定
具の構成を示す図で、図２（ａ）は平面図、図２（ｂ）
は正面図、図２（ｃ）は側面図である。図１中１は上下
に複数配列された椎体、３は椎体１の歪みを矯正する矯
正部材、５は固定具で、前記矯正部材３は棘突起１１の
両側で上下複数の椎体１間に亘って配設されている。各
椎体１の椎間関節１３箇所にはねじ（図示せず）が埋め
込まれており、前記矯正部材３は前記ねじの二股状の頭
部に係合され、該頭部にキャップ３１で固定されてい
る。尚、椎体１の椎間関節１３箇所に埋め込まれたねじ
と矯正部材３との結合構造は、他にも種々の従来公知の
構造を用いることができる。そして、前記固定具５は、
上下に間隔を置いた複数の前記矯正部材３間箇所に架設
され、該固定具５が架設される箇所の椎体１は、その棘
突起１１が切除される。
【００１０】前記固定具５は、図２（ａ），（ｂ），
（ｃ）に示すように、前記一対の矯正部材３の間隔に対
応した長さで形成された連結部材５１と、該連結部材５
１の両端に結合された一対のフック５３（係止部材に相
当）と、前記フック５３を前記連結部材５１に結合する
結合手段とを備え、前記結合手段は、前記連結部材５１
の両端に形成された長孔５１０１と、前記フック５３に
形成されたねじ孔５３０１と、ねじ５５と、係合面５１
０３とで構成されている。
【００１１】前記連結部材５１は、軸部５１０５と、該
軸部５１０５の両端に扁平に形成されたフック支持部５
１０７とで構成されている。前記フック支持部５１０７
の下面５１０９には、前記軸部５１０５の長手方向に沿
って係合凹部５１１１が形成され、該係合凹部５１１１
は、平坦面５１１３とその両側の係合溝５１１５で構成
されている。また、前記フック支持部５１０７の上面５
１１７には、前記軸部５１０５の長手方向に沿って凹部
５１１９が形成され、前記係合面５１０３は、前記凹部
５１１９の底面で構成され、図１に示すように前記固定
具５を前記各矯正部材３に取着した状態で、前記連結部
材５１の端部に近付くにつれて椎体１から離れるように
傾斜して形成されている。さらに、前記長孔５１０１
は、前記係合面５１０３の幅方向中央で前記軸部５１０
５の長手方向に沿って延出形成されている。
【００１２】前記各フック５３は、前記矯正部材３に係
合可能な円弧状の係合面５３０３を備え、該フック５３
の前記フック支持部５１０７への取り付けは、フック５
３の上端部の平坦面５３０５及び突起５３０７を前記係
合凹部５１１１の平坦面５１１３と係合溝５１１５にそ
れぞれ係合させ、前記長孔５１０１と前記平坦面５３０
５に形成された前記ねじ孔５３０１とに前記ねじ５５を
挿通し、このねじ５５を締め付けることで行われる。
尚、ねじ５５の締め付け時、ねじ５５を回転させても、
フック５３の両端部の平坦面５３０５及び突起５３０７
が前記連結部材５１の係合凹部５１１１の平坦面５１１
３と係合溝５１１５に係合されているのでフック５３は
回転せず、ねじ５５によるフック５３の締め付けが円滑
になされる。
【００１３】前記ねじ５５は、前記ねじ孔５３０１に螺
合される雄ねじ部５５０１と頭部５５０３で構成され、
該頭部５５０３は前記凹部５１１９の係合面５１０３の
幅より若干小さく、且つ、前記長孔５１０１の幅より大
きい径で形成され、前記頭部５５０３の下面５５０５は
湾曲面で形成され、前記頭部５５０３が前記軸部５１０
５寄りの凹部５１１９部分に位置した状態では、該頭部
５５０３の大半が前記凹部５１１９内に収容される。
【００１４】次に、第１実施例の固定具５の作用につい
て説明する。前記固定具５の前記矯正部材３への取り付
けは、まず、前記両フック支持部５１０７の前記ねじ５
５を緩めて、前記両フック５３の間隔を前記両矯正部材
３の間隔よりも広げ、その状態で固定具５を、患者（図
示せず）の背中側の切開箇所から体内に挿入し、前記各
矯正部材３に前記各フック５３の係合面５３０３を臨ま
せる。このとき、前記ねじ５５の頭部５５０３は前記患
者の切開箇所に臨み、該頭部５５０３の下面５５０５
は、前記凹部５１１９の係合面５１０３から浮いた状態
となる。
【００１５】この状態で、前記切開箇所から体内に六角
レンチ（図示せず）の先端を挿入して前記ねじ５５の頭
部５５０３の係合溝に係合させ、前記六角レンチを体外
で回転操作し、前記ねじ５５を締め付ける。すると、該
ねじ５５の頭部５５０３の下面５５０５が前記係合面５
１０３に当接し、さらにその状態からねじ５５を締め付
けると、前記係合面５１０３の傾斜により前記ねじ５５
の頭部５５０３が前記凹部５１１９内で前記軸部５１０
５側にスライドし、これに伴い、前記フック５３も前記
軸部５１０５側にスライドされ、前記係合面５３０３が
前記矯正部材３に外側から係合される。
【００１６】そして、前記係合面５３０３が前記矯正部
材３に係止された状態から前記ねじ５５をさらに締め付
けると、前記のように傾斜した係合面５１０３と前記ね
じ５５の下面５５０５との係合により、前記フック５３
が前記軸部５１０５側にスライドされ、これに伴い前記
両矯正部材３に、互いに接近する方向への力が作用す
る。従って、上下に間隔を置いた複数の矯正部材３箇所
に、該箇所に架設された複数の固定具５からの前記力が
作用することで、前記上下の椎体１のねじれ方向の歪み
が矯正される。
【００１７】上述したように、本実施例によれば、棘突
起１１の両側で上下複数の椎体間に亘って配設された一
対の矯正部材間に掛け渡される固定具５を、連結部材５
１と、連結部材５１の両端にスライド可能に支持された
一対のフック５３と、各フック５３を連結部材５１に取
り付けるねじ５５で構成し、前記連結部材５１を、軸部
５１０５と、該軸部５１０５の両端に扁平に形成された
フック支持部５１０７とで構成し、フック支持部５１０
７の上面５１１７に形成した凹部５１１９の底面を、連
結部材５１の端部に近付くにつれて椎体１から離れるよ
うに傾斜した係合面５１０３で形成し、該係合面５１０
３に形成した長孔５１０１に前記ねじ５５を挿通して前
記フック５３に螺合した。
【００１８】このため、前記ねじ５５の締め付けにより
前記各フック５３が前記軸部５１０５側にスライドさ
れ、このスライドにより、各フック５３の係合面５３０
３が係止される各矯正部材３に対して、互いに近付く方
向への力が作用され、この力の作用により、矯正部材３
単体では矯正できない椎体１のねじれ方向の歪みを簡単
にしかも確実に矯正できる。そして、本実施例によれ
ば、固定具５を前記矯正部材３に取り付ける際に、前記
ねじ５５の頭部５５０３が前記患者の切開箇所に臨むた
め、患者の体内で前記ねじ５５の回りの部分に殆ど隙間
がなくても、例えば六角レンチ等のねじ締め付け用の道
具を支障なく操作することができ、従って、前記各フッ
ク５３を互いに近付く方向にスライドさせるための操作
を簡単に行うことができ、ひいては、前記各矯正部材３
に互いに近付く方向への力を作用させる手術を簡単に行
うことができる。
【００１９】次に、本考案の第２実施例を図３（ａ）乃
至（ｃ）を参照して説明する。図３（ａ）乃至（ｃ）は
第２実施例による固定具の平面図、正面図、及び側面図
をそれぞれ示し、これらの図において、第１実施例と同
様に構成された部分には、図１（ａ）乃至（ｃ）で付し
たものと同一の引用符号を付し、その説明を省略する。
【００２０】第２実施例の固定具５Ａでは、前記各フッ
ク支持部５１０７の上面５１１７で前記凹部５１１９よ
り前記軸部５１０１寄りの箇所に、該軸部５１０５の長
手方向に沿って凹部５１２１がそれぞれ形成されてい
る。前記凹部５１２１の底面は、前記凹部５１１９の係
合面５１０３とは反対に、前記連結部材５１の端部に近
付くにつれて椎体１に近付くように傾斜した係合面５１
２３で形成され、該係合面５１２３には前記長手方向に
沿って長孔５１２５が延出形成されている。
【００２１】また、前記フック５３と同様な２つのフッ
ク５３Ａに加えて、さらに２つのフック５３Ｂが用いら
れている。前記フック５３Ａは前記第１実施例と同様
に、前記フック支持部５１０７の係合凹部５１１１にフ
ック５３Ａの上端部の平坦面５３０５及び突起５３０７
を係合させて、前記長孔５１０１に挿通したねじ５５に
より、前記軸部５１０５の長手方向にスライド可能にそ
れぞれ支持されている。前記フック５３Ｂ（第２係止部
材に相当）も前記第１実施例と同様に、前記フック支持
部５１０７の係合凹部５１１１にフック５３Ｂの上端部
の平坦面５３０５及び突起５３０７を係合させて、前記
長孔５１０１に挿通したねじ５５により、前記軸部５１
０５の長手方向にスライド可能にそれぞれ支持され、こ
のフック５３Ｂの係合面５３０３は前記フック５３Ａの
係合面５３０３に対向して配設されている。
【００２２】このような固定具５Ａでは、前記各ねじ５
５を緩めて前記各フック支持部５１０７の２つのフック
５３Ａ，５３Ｂ間に前記矯正部材３を位置させておき、
その状態から、前記フック５３Ａに螺合されたねじ５５
を先に締め付けることで、前記各矯正部材３に互いに近
付く方向への力が与えられる。その後、前記フック５３
Ｂに螺合されたねじ５５を締め付けることで、前記フッ
ク５３Ａとフック５３Ｂの双方の係合面５３０３間で前
記矯正部材３が挟持され、これにより、上下の椎体１の
ねじれ方向の歪みが矯正される。従って、第２実施例の
固定具５Ａでは、第１実施例の固定具５と同様の効果を
得ることができる他、フック５３Ａ，５３Ｂを前記矯正
部材３に強固に係合させ、矯正部材３からの固定具５Ａ
の脱落をより確実に防止できる利点がある。
【００２３】続いて、本考案の第３実施例を図４（ａ）
乃至（ｃ）を参照して説明する。図４（ａ）乃至（ｃ）
は第３実施例による固定具の平面図、正面図、及び側面
図をそれぞれ示す。第３実施例の固定具７は、一対の矯
正部材３の間隔に対応した長さで形成された連結部材７
１と、該連結部材７１の両端に結合された一対のフック
７３（係合部材に相当）とを備え、前記連結部材７１
は、軸部７１０１と、該軸部７１０１の両端に形成され
たフック支持部７１０３とで構成されている。
【００２４】前記フック支持部７１０３の下面は、前記
連結部材７１の端部に近付くにつれて椎体１に近付くよ
うに傾斜した係合面７１０５で形成されている。また、
前記フック支持部７１０３の上面７１０７には、前記軸
部７１０１の長手方向に沿って凹部７１０９が形成さ
れ、該凹部７１０９の底面は、前記連結部材７１の端部
に近付くにつれて椎体１から離れるように傾斜した係合
面７１１１で形成されている。さらに、前記係合面７１
１１の幅方向中央には、前記軸部７１０１の長手方向に
沿って長孔７１１３が延出形成されている。
【００２５】前記各フック７３は、前記矯正部材３に係
合可能な円弧状の係合面部７３０１と雄ねじ部７３０３
を備え、該雄ねじ部７３０３寄りの前記係合面部７３０
１部分は、前記連結部材７１の端部に近付くにつれて椎
体１に近付くように傾斜した係合面７３０５で形成さ
れ、前記フック７３の前記フック支持部７１０３への取
り付けは、前記雄ねじ部７３０３を前記長孔７１１３に
挿通し、前記係合面７１１１上でナット７５（雌ねじ部
材に相当）を締め付けることで行われ、ナット７５の下
面は傾斜面７５０１で形成されている。
【００２６】前記固定具７の前記矯正部材３への取り付
けは、まず、前記ナット７５を緩めて各フック７３をそ
れぞれスライドさせて、フック７３の係合面部７３０１
とフック支持部７１０３の係合面７１０５との間に矯正
部材３を位置させ、その状態から前記ナット７５を締め
付ける。このナット７５の締め付けにより、前記フック
７３の係合面７３０５が前記フック支持部７１０３の係
合面７１０５に当接される。或は、前記矯正部材３が前
記フック支持部７１０３の係合面７１０５に当接され
る。前記係合面７３０５と前記矯正部材３のいずれを先
に当接させるか、或は、双方を同時に当接させるかは任
意である。
【００２７】さらなるナット７５の締め付けにより、ナ
ット７５の傾斜面７５０１と前記フック支持部７１０３
の係合面７１１１との係合で、前記フック７３が前記長
孔７１１３に沿って前記軸部７１０１側に摺動され、該
各フック７３から前記各矯正部材３に互いに近付く方向
への力が与えられる。このとき、前記フック７３の係合
面７３０５を先に前記フック支持部７１０３の係合面７
１０５に当接するように構成した場合には、これら係合
面７３０５と係合面７１０５の係合によっても、前記フ
ック７３から前記各矯正部材３に互いに近付く方向への
力が与えられる。従って、第３実施例の固定具７でも、
第１実施例の固定具５と同様の効果を得ることができる
他、第２実施例と同様に、フック７３を前記矯正部材３
に強固に係合させ、矯正部材３からの固定具７の脱落を
より確実に防止できる利点がある。
【００２８】尚、フック７３の雄ねじ部７３０３の一部
を断面矩形状の部分に形成したり、或は、雄ねじ部７３
０３の周方向に１８０°間隔を置いた２箇所に平面部を
形成し、これら断面矩形状の部分や平面部を前記長孔７
１１３の両側縁に係合させることで、前記ナット７５の
締め付け時における前記フック７３の回転を規制し、フ
ック７３の締め付け作業をより容易に行うことが可能と
なる。さらに、第３実施例では、前記ナット７５の傾斜
面７５０１と前記フック支持部７１０３の係合面７１１
１との係合により、また、前記フック７３の係合面７３
０５と前記フック支持部７１０３の係合面７１０５との
係合により、前記フック７３から前記各矯正部材３に互
いに近付く方向への力を与えるようにしたが、前記係合
面７３０５と係合面７１０５の係合のみにより、前記フ
ック７３から前記各矯正部材３に互いに近付く方向への
力を与えることも可能である。
【００２９】尚、実施例では、前記フック５３，５３
Ａ，５３Ｂ，７３の係合面５３０３や係合面部７３０１
がそれぞれ円弧状に形成されている構成としたが、フッ
クの構成は矯正部材の形状に応じて種々考えられ、本実
施例で示したものに限定されない。
【００３０】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、上
下に配列された複数の椎体の棘突起の両側箇所にそれぞ
れ取着されて前記椎体の配列方向に延在する一対の細長
状の矯正部材間に架設される固定具であって、前記一対
の矯正部材の間隔に対応した長さで形成された連結部材
と、前記連結部材の両端に結合され前記各矯正部材に係
止される一対の係止部材と、前記係止部材を前記連結部
材に結合させる結合手段とを備え、前記結合手段は、前
記連結部材の両端に該連結部材の長手方向に所定の長さ
延出形成された長孔と、前記係止部材に形成されたねじ
孔と、前記長孔を挿通して前記ねじ孔に螺合されるねじ
と、該ねじの頭部下面に係合可能で前記長孔に沿って延
出形成され前記連結部材の端部に近付くにつれて椎体か
ら離れるように傾斜した係合面とで構成した。
【００３１】また、本考案によれば、上下に配列された
複数の椎体の棘突起の両側箇所にそれぞれ取着されて前
記椎体の配列方向に延在する一対の細長状の矯正部材間
に架設される固定具であって、前記一対の矯正部材の間
隔に対応した長さで形成された連結部材と、前記連結部
材の両端に結合され前記各矯正部材に係合される一対の
係合部材と、前記係合部材を前記連結部材に結合させる
結合手段とを備え、前記結合手段は、前記連結部材の両
端に該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成された
長孔と、前記係合部材に形成され前記長孔を挿通される
雄ねじ部と、前記長孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺合
される雌ねじ部材と、該雌ねじ部材の端面に係合可能で
前記長孔に沿って延出形成され前記連結部材の端部に近
付くにつれて椎体から離れるように傾斜した係合面とで
構成した。
【００３２】さらに、本考案によれば、上下に配列され
た複数の椎体の棘突起の両側箇所にそれぞれ取着されて
前記椎体の配列方向に延在する一対の細長状の矯正部材
間に架設される固定具であって、前記一対の矯正部材の
間隔に対応した長さで形成された連結部材と、前記連結
部材の両端に結合され前記各矯正部材に係合される一対
の係合部材と、前記係合部材を前記連結部材に結合させ
る結合手段とを備え、前記結合手段は、前記連結部材の
両端に該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成され
た長孔と、前記係合部材に形成され前記長孔を挿通され
る雄ねじ部と、前記長孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺
合される雌ねじ部材と、前記係合部材及び前記連結部材
の互いに対向する箇所にそれぞれ形成され前記連結部材
の端部に近付くにつれて椎体に近付くように傾斜した係
合面とで構成した。
【００３３】このため、前記ねじの頭部上面や前記雌ね
じ部材の端面を患者の切開箇所側に臨ませることがで
き、従って、前記両矯正部材に互いに近付く方向への力
が加わるように前記係止部材や係合部材を前記連結部材
の長手方向にスライドさせるため、前記ねじや雌ねじ部
材を締め付ける際に、患者の体内の狭いスペースの中で
も、それらねじや雌ねじ部材を締め付ける道具を支障な
く簡単に操作することができ、両矯正部材に互いに近付
く方向への力を加える手術の簡易化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案の第１実施例による脊椎後方矯正部材の
固定具の使用状態を示す説明図である。
【図２】図１に示す本考案の第１実施例による固定具の
構成を示す図で、図２（ａ）は平面図、図２（ｂ）は正
面図、図２（ｃ）は側面図である。
【図３】本考案の第２実施例による固定具の構成を示す
図で、図３（ａ）は平面図、図３（ｂ）は正面図、図３
（ｃ）は側面図である。
【図４】本考案の第３実施例による固定具の構成を示す
図で、図４（ａ）は平面図、図４（ｂ）は正面図、図４
（ｃ）は側面図である。
【符号の説明】
１ 椎体 ３ 矯正部材 ５，５Ａ，７ 固定具 ５１，７１ 連結部材 ５１０１，７１１３ 長孔 ５１０３，７１０５，７１１１，７３０５ 係合面 ５１１９ 凹部 ５３，５３Ａ フック（係止部材） ５３Ｂ フック（第２係止部材） ５３０１ ねじ孔 ５５ ねじ ７３ フック（係合部材） ７３０３ 雄ねじ部 ７５ ナット（雌ねじ部材）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−344995（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−208150（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−29523（ＪＰ，Ｕ) 特表 平５−505749（ＪＰ，Ａ) 特表 平４−502568（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 17/56 - 17/92

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上下に配列された複数の椎体の棘突起の
    両側箇所にそれぞれ取着されて前記椎体の配列方向に延
    在する一対の細長状の矯正部材間に架設される固定具で
    あって、 前記一対の矯正部材の間隔に対応した長さで形成された
    連結部材と、 前記連結部材の両端に結合され前記各矯正部材に係止さ
    れる一対の係止部材と、 前記係止部材を前記連結部材に結合させる結合手段とを
    備え、 前記結合手段は、前記連結部材の両端に該連結部材の長
    手方向に所定の長さ延出形成された長孔と、前記係止部
    材に形成されたねじ孔と、前記長孔を挿通して前記ねじ
    孔に螺合されるねじと、該ねじの頭部下面に係合可能で
    前記長孔に沿って延出形成され前記連結部材の端部に近
    付くにつれて椎体から離れるように傾斜した係合面とで
    構成されている、 ことを特徴とする脊椎後方矯正部材の固定具。
  2. 【請求項２】 前記連結部材の両端には、前記ねじの頭
    部に対応した大きさの凹部が該連結部材の長手方向に所
    定の長さ延出形成され、前記凹部の底面に前記長孔及び
    係合面が形成されている請求項１記載の脊椎後方矯正部
    材の固定具。
  3. 【請求項３】 前記係止部材より前記連結部材の中央寄
    りの連結部材箇所に結合され前記各係止部材と協働して
    前記各矯正部材を挟持する一対の第２係止部材と、前記
    第２係止部材を前記連結部材に結合させる第２結合手段
    とを備え、該第２結合手段は、前記連結部材箇所に該連
    結部材の長手方向に所定の長さ延出形成された第２の長
    孔と、前記第２係止部材に形成された第２のねじ孔と、
    前記第２の長孔を挿通して前記第２のねじ孔に螺合され
    る第２のねじと、該第２のねじの頭部下面に係合可能で
    前記第２の長孔に沿って延出形成され前記連結部材の端
    部に近付くにつれて椎体に近付くように傾斜した第２の
    係合面とで構成されている請求項１又は２記載の脊椎後
    方矯正部材の固定具。
  4. 【請求項４】 前記第２係止部材が結合された連結部材
    箇所には、前記第２のねじの頭部に対応した大きさの第
    ２の凹部が該連結部材の長手方向に所定の長さ延出形成
    され、前記第２の凹部の底面に前記第２の長孔及び第２
    の係合面が形成されている請求項３記載の脊椎後方矯正
    部材の固定具。
  5. 【請求項５】 上下に配列された複数の椎体の棘突起の
    両側箇所にそれぞれ取着されて前記椎体の配列方向に延
    在する一対の細長状の矯正部材間に架設される固定具で
    あって、 前記一対の矯正部材の間隔に対応した長さで形成された
    連結部材と、 前記連結部材の両端に結合され前記各矯正部材に係合さ
    れる一対の係合部材と、 前記係合部材を前記連結部材に結合させる結合手段とを
    備え、 前記結合手段は、前記連結部材の両端に該連結部材の長
    手方向に所定の長さ延出形成された長孔と、前記係合部
    材に形成され前記長孔を挿通される雄ねじ部と、前記長
    孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺合される雌ねじ部材
    と、該雌ねじ部材の端面に係合可能で前記長孔に沿って
    延出形成され前記連結部材の端部に近付くにつれて椎体
    から離れるように傾斜した係合面とで構成されている、 ことを特徴とする脊椎後方矯正部材の固定具。
  6. 【請求項６】 上下に配列された複数の椎体の棘突起の
    両側箇所にそれぞれ取着されて前記椎体の配列方向に延
    在する一対の細長状の矯正部材間に架設される固定具で
    あって、 前記一対の矯正部材の間隔に対応した長さで形成された
    連結部材と、 前記連結部材の両端に結合され前記各矯正部材に係合さ
    れる一対の係合部材と、 前記係合部材を前記連結部材に結合させる結合手段とを
    備え、 前記結合手段は、前記連結部材の両端に該連結部材の長
    手方向に所定の長さ延出形成された長孔と、前記係合部
    材に形成され前記長孔を挿通される雄ねじ部と、前記長
    孔を挿通した前記雄ねじ部分に螺合される雌ねじ部材
    と、前記係合部材及び前記連結部材の互いに対向する箇
    所にそれぞれ形成され前記連結部材の端部に近付くにつ
    れて椎体に近付くように傾斜した係合面とで構成されて
    いる、 ことを特徴とする脊椎後方矯正部材の固定具。
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