JP2604159B2 - 三次元的容積変化ロータリ機構 - Google Patents

三次元的容積変化ロータリ機構

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JP2604159B2 JP62155416A JP15541687A JP2604159B2 JP 2604159 B2 JP2604159 B2 JP 2604159B2 JP 62155416 A JP62155416 A JP 62155416A JP 15541687 A JP15541687 A JP 15541687A JP 2604159 B2 JP2604159 B2 JP 2604159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロータリ機構に関し、特に、三次元的容積
変化をなすロータリ機構に関する。
(従来の技術) 従来種々のロータリ機構が知られているが、その代表
例はバンケル型ロータリエンジンである。バンケル型の
ロータリエンジンのロータリ機構は、2節ペリトロコイ
ド曲線を内周面とするまゆ形をしたロータケーシング内
を、前記ペリトロコイド曲線の内包絡線を外形とする略
三角形のロータが偏心回転をし、そのときに生ずる作動
室の容積の変化を利用するものである。この作動室は、
ハウジングとロータとによって形成される面状空隙(面
積)に厚さを与えて形成されるものである。実用化され
ているほとんど全てのロータリ機構は同様な原理に基づ
いたものである。
(発明により解決すべき問題点) 即ち、従来のロータリ機構の容積変化は二次元平面内
の変化に基づきその側面は容積変化に関与せず空間体積
を確保しかつ空間のシール部を成すにすぎないのでその
意味で容積変化は本質的には二次元的である。従って、
二次元的な容積変化を利用する機関には本質的制約があ
る。
本発明は、一般的にロータリ機構のもつ種々のすぐれ
た特性を生かしながら、機構を2次元的制約から解放
し、さらに三次元的な容積変化を可能とする新規なロー
タリ機構を提供することを目的とする。
(発明による問題点の解決手段) 本発明は、三次元的に容積変化を行うロータリ機構、
特に球形才差ロータリ機構を提供する。
即ち、本願の第1発明は、部分球面を底面とし略放射
状に延びるアペックスを含む略錐状面を有するロータ
と、該ロータの才差運動によりそのアペックスの軌跡が
成す面から構成される曲面を有する部材とを備え、該曲
面部材と該ロータの間の相対才差運動により(ケーシン
グ内の)球状空間内において規定されて容積変化する空
間を作動空間とすることを特徴とする三次元的容積変化
ロータリ機構である。
本願の第2発明は、さらに上記第1発明の基本構成に
加え、次の特徴を備える。即ち、さらに、定置の回転軸
線(Z)に対する該ロータの前記相対才差を規定する相
対才差運動規定手段を有し、前記相対才差運動規定手段
は、一対の内歯歯車及び外歯歯車から成る遊星歯車列を
含み、ロータと前記曲面部材は角速度比ω:ω′=1:
(1−1/n) (但し、ωはロータの自転軸の公転速度、ω′はロータ
の自転軸の回りの回転速度、nは2以上の自然数)の関
係を有し、前記球状空間を画成するケーシングの球面に
少なくとも一対の入口及び出口を有することを特徴とす
る。
以下本発明の原理について詳述する。
本発明のロータは典型的には球面の一部を底面とし球
の中心を頂点とする略錐状体から成る。(なお錐状面は
一般に正(凸)であるが負(凹)の面でもよい)典型的
にはこのロータがケーシングの球状空間内を独楽の如く
定常的に才差運動する。その際、ロータの錐状部の一つ
の点は球面内において波状に運動するが、錐状部に放射
状に延びるアペックスを形成することによりアペックス
の軌跡の成す曲面をロータ錐状部に対応するケーシング
部材の曲面とすることができる。このケーシング部材曲
面とロータ錐状部の表面(特に隣接アペックス間の錐状
面)との間に作動空間が形成され、ロータの才差運動
(ロータ自体の軸の周りに自転しつつロータ軸自体が該
自転軸と斜交する主軸の周りを公転する)により有効な
三次元的容積変化を生ずる。
このロータの回転は才差伝動機構を介して主軸(伝動
軸)の回転に伝達される。主軸は出力軸又は入力軸を成
す。主軸とロータ自転軸は一定の角θを成し、ロータが
自転すると共に主軸の回りをロータの自転軸自体が公転
する、即ち、才差運動をする。この際、ロータのアペッ
クス上の一点Aの軌跡は、一つの球面上に生じる。ロー
タの自転軸の公転速度とロータの自転速度の間に所定の
関係があるとき上記アペックス上の一点Aの軌跡は球面
極座標系で定義される球面トロコイド曲線をなす。
なお、球面上の運動を論ずる場合、球面極座標系を用
いるのが好都合であり、平面上の二次元座標系における
トロコイド曲線に対応して球面極座標系における球面ト
ロコイド曲線となる。さらに、球面上の運動はベクトル
を用いることによりより簡潔に表わされる。
(実施の態様及び作用) 以下、本発明の好適な実施態様に基づいてさらに詳説
する。
なお実用上は好ましくは、ロータの錐部頂部(球の中
心)には、小球体から成るロータ支承機構を配し、その
場合ロータの錐部頂部形状はこの小球体(又は球核)に
よって切断された三次元的球状になる。
ロータとロータアペックスの軌跡曲面を成す部材の間
の相対才差運動は、既述の通り典型的には略錐状ロータ
の才差運動として成立つが、その逆も成立ち、場合によ
っては後述のようにロータ及びケーシング両者の斜交軸
の廻りの単純な回転運動の組合せによっても成立つ。
以下説明及び構成の便宜上ロータが才差運動をし、ロ
ータアペックスの軌跡曲面を成す部材はケーシングの一
部として固定される場合を基本として説明する。
第1図において、Z軸を伝動軸、Z′軸を自転軸とす
ると、点Pは、ロータの自転軸の球面との交点で、点
P′は球面の反対側との交点(中心Oに対する対称点)
である。自転軸が伝動軸のまわりを回転する角速度をω
とし、自転軸の運動自体に対するロータの相対的な自転
の角速度をω′とすると、ω対ω′の比が1:[1−(1/
n)](nは2以上の自然数)のときは、曲線は閉じ
て、Aの軌跡は球面ペリトロコイド曲線を描く。このと
き、ロータのアペックス上の点が描く軌跡は球面ペリト
ロコイド曲線である。
球面トロコイド曲線を球面の上に描くことは可能であ
るが平面に図示することは困難である。強いて平面に図
示するには地図で用いる正距離図法(Equi−distant pr
ojection)を用いるのが一つの方法である。極Qは主軸
Zが球面上にあらわれた点である。第2図において同心
円は緯線に相当し等間隔に中心から180゜までとってあ
る。180゜は反対側の極Q′を意味する。90゜は赤道に
相当する。半径方向の直線は経線に相当し、等角度で左
まわりに1周を0゜〜360゜に分割してある。
このようにとると、第2図の中心Qを通る直線は球面
における大円を表わし、この直線の線分(大円弧)は、
それを見込む中心角に相当する。理論的には弧度法を用
いて単位球を考えると簡単になる。
第2図の閉曲線Tはn=3の球面ペリトロコイド曲線
を球面上に描き、その球面上に描かれた曲線から緯度と
経度を読取り正距離極投影によりプロットしたものであ
る。中心の極Q近くの実線の円Cは自転軸と球の表面と
の交点Pの軌跡である。第1図において、上記の点Pか
らロータのアペックスAまでの距離をみこむ∠POAを創
成角Rとする(Oは球の中心)。第2図は創成角R=90
゜、自転軸と主軸のなす角θ=18゜の場合であるが、一
般にR>2θでありθは60゜まで可能である。
今、自転軸と主軸とのなす傾斜角、すなわち偏心角
(ないし揺動角)θ、創成角Rとなるロータが1:[1−
(1/n)]の比の角速度で才差運動をすると、ロータの
アペックスの先端Aは球面ペリトロコイド曲線を形成す
る。この球面における曲線の数学的表現は球面極座標に
よって球面三角形の公式によって行う(第3図参照)。
中央の円Cは自転軸の球面上にあらわれた点Pの軌跡で
あるから、偏心角θの半径の円である。t秒後のP点の
座標は(θ,ωt)である。n=3の場合のA点の座標
(X,Φ}はパラメータφ(t)(QPとQAのなす角)を用
いて (1)Φ=ωt+φ (2)cos x=cos θ・cos R−sin θ・sin R ・cos 2/3ωt (3)sin x/sin 2/3ωt=sin R/sin Φ ここで角θ,ωt、−2/3ωtはオイラーの角である
(θ,R>0,ω,ω′の向きはオイラーに従う、即ち反時
計廻りを+とし、φも同様とする。「力学」ベアー及び
ジョンストン参照)。この式によってロータリ機関に関
しての問題、すなわちアペックスの角速度、角加速度及
び揺動角、さらにはハウジングの体積や作動空間の体積
(行程容積)等を解くことが出来る。スピン角2/3ωt
の2/3を(n−1)/nで置換えることにより一般式が成
立つ。
球面座標系の第2,3図及び式(1)〜(3)により定
義される球面ペリトロコイド曲線は、二次元平面上の公
知のポリトロコイド曲線の場合に対し、一定の対応関係
があることが判る。即ち二次元トロコイド曲線での創成
半径R、偏心距離rは球面トロコイド曲線では夫々創成
角R、球面上の基礎円Cの主軸との偏心角(交叉角)θ
として現われる。即ち二次元トロコイド曲線における直
線の線分が、球面座標系での大円弧の角度成分に対応し
ている。
本発明において、ロータのアペックスの外縁端Aの軌
跡は球面ペリトロコイド曲線を成すが、アペックス上の
任意の点A′(第7図)の軌跡も同様な曲線を形成する
ので、アペックスがたどる曲面の形は「球面ペリトロコ
イド錐」と定義される。すなわち前記アペックスの外縁
端Aの軌跡たる球面ペリトロコイド曲線と球の中心(ロ
ータの錐状部頂点又は仮想頂点)を結ぶことにより、そ
の外縁が球面上にある一つの波状にうねった曲面が形成
される(ただしアペックスが点Aから球中心へ向う直線
の場合)のだがこの波状曲面がロータアペックスの才差
運動に対応するケーシング曲面(ケーシングプレート曲
面)である。典型的には、複数のアペックス(又はその
延長線)は錐の頂部にて互いに交叉する。
ロータの略錐状部の曲面の外縁は最適には、上記球面
ペリトロコイド曲線群の内包絡線から成る。この内包絡
線上の一点と錐状部頂点(球中心)を結ぶ半径の(ロー
タの才差運動の際の)軌跡は、即ちこの半径線分と前記
ケーシングプレート曲面内周面との間の相対間隔を成し
従ってロータの才差運動に従い周期的に変動する。その
結果三次元的な容積変化が周期的に生じ、これを作動空
間として利用できる。
第4図は、球面極座標系において定義されるペリトロ
コイド曲線の正距離図法(第2図参照)による二次元平
面上への投影図において、ロータを図示しその回転の様
子を(I)(IV)に図示したものである。正距離極投影
図によれば、あたかも二次元的容積変化ロータリ機関を
極座標で表わすのと同様な表現が成立つ。なお、正距離
図法ではロータの輪郭がその回転につれて変形しつつ回
転する。
なお、既述の通りロータの略錐状部の曲面は上記のア
ペックス部の半径を含む内包絡線とすることが最適であ
るが、アペックス部を除く部分は上記内包絡面よりもロ
ータ部内方へ少し後退した曲面とすることも可能であ
る。なお、理論曲面からの、摺動を許容するためのロー
タ摺動面の後退は摺動面を有するロータリ機関において
一般に必要とされており、本発明にも適用される。
ロータのアペックス部の半径方向形状(ロータ自転軸
を含む断面形状)は、典型的には直線を成すが、要はロ
ータ自転軸(典型的には球の中心)とアペックスの外縁
端(球面上に現われる外端)とを結ぶ直線をもって構成
することである。構成はやや複雑になるがこの半径(ア
ペックスの形状)は曲線とすることもできる。但しその
場合には、ケーシングプレートもアペックスの形状の運
動に対応する曲面構成をとる。
本発明の三次元的容積変化(ないし球形才差)ロータ
リ機構は、ロータと対応部材の相対才差運動に伴う作動
空間(室)の容積変化を利用するものであり、膨張或い
は圧縮機関として有用であり例えば出力機関(例えば、
内燃機関、蒸気機関、ニューマチック又は液圧モータ
等)として、あるいは動力を与え作動機関(例えば、加
圧又は吸引用ポンプ、圧縮機等)、流体−流体間のエネ
ルギ交換装置としても利用できる。その際所定の位置に
流体の入口及び出口を配設する。入口、出口の設計は正
距離投影法によって視角的にも容易に可能である(第4
図(I)ポンプの例、(II)四サイクルエンジンの例参
照)。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例) 本発明の球形才差ロータリ機構のポンプとしての実施
例を図面に基づいて説明する。
第5図において、伝動軸Zと自転軸Z′のなす角を
θ、創成角をRとする。
今、説明の便宜の為、単位球を用いると、単位球の大
円弧 において、 である。今、ロータがω:ω′=1:[1−(1/n)]の
比の角速度ω′で自転軸Z′を中心にして回転し、か
つ、自転軸Z′が伝動軸Zのまわりを角速度ωで公転す
ると、ロータのアペックスの先端Aは偏心角θ、創成角
Rの球面ペリトロコイド曲線を球面上に描き、大円弧 が球面ペリトロコイドSTを形成する(第6図,n=3)。
球面ペリトロコイド曲線STの中で回転できる物体の形
状は、ペリトロコイドの内包絡線IE以内に制限される。
伝動機構における歯車、すなわち外歯歯車と内歯歯車の
歯数比を2:3にすると、ペリトロコイドは二葉(まゆ
形)になり、ロータ2は三節(球面三角形)になる。第
6図において、ロータは偏心角度θ、創成角度Rで規定
されるペリトロコイド曲線の内包絡線IEである。第6図
における略三角形のロータ2は才差ロータの変換図(底
面の投影図)である。第6図の内包絡線IEの線分ABは第
5図の球面上の球面曲線 に相当する。第5図で今、球の大きさを縮めて行くとす
ると、θ,Rは角度であるから、球の大きさに関係なく不
変である。∠POAn(Anは 上の点)で表わされる の形も球の大きさに拘らず不変である。ロータ側面の形
状はペリトロコイド曲線(ケーシングプレート)がロー
タの回転にともなってロータの(仮想)球面上につくる
曲線群の内包絡線によって形成される。すなわち、ロー
タの側面はOを頂とし、球面曲線 とOを結ぶ錐状側面である(球錐を成す)。他の二側面
も同様にして作ることができる。
既述の通り、ロータの才差運動に伴いロータのアペッ
クス外縁端Aは球面ペリトロコイド曲線STを描く(球状
錐面)。第6図に示された曲線1(ST)は、正距離図法
で表示されたペリトロコイド曲線である。
ロータの側面とともに作動室を区画するケーシングプ
レート3(第7図参照)は第5図の線分OA(即ちロータ
アペックス25)の軌跡の成す面を成す。従ってロータの
アペックス25(線分OA)はこのケーシングプレート面32
に接しながら回転する。即ち、内包絡線曲面からなるロ
ータ側面に対向するケーシングプレート面32の形状は、
この実施例では球面ペリトロコイド曲線31と中心Oを結
ぶ曲面(球面ペリトロコイド錐面)であり、より一般的
には、ロータアペックス25のロータ自転軸を含む断面の
形状に依存してアペックス上の任意の点A′に対して規
定される球面ペリトロコイド曲線の集合の成す曲面であ
る。
以上に述べた原理に従い、ロータの略錐状面とこれに
対応するケーシングプレート面の形状が定められる。
ケーシングプレート面の傾き、すなわち伝動軸からの
角度の最大値はθ+R、最小値はR−θである(第6
図)。
好ましくはアペックス摺動部のシールを(特に温度変
化にも拘らず)確実にするため、また摺動摩耗を防止す
るためロータのアペックス(線分AO)に気密を保つため
のシール23を形成する。このシールは上下動可能(ロー
タ内へ後退可能)としたシールスプリングで常にケーシ
ングプレート面を圧するようにすることも好ましい。そ
の場合、ロータアペックスは常にケーシングプレート面
に確実に接触しながら回転し、気密が良好に保たれる。
ロータ球面とケーシングの球状内面とのシールも同様に
可能である。第24図にシールの例を示す。なお流体の性
質、ロータ及びケーシング材質、使用目的に応じて特別
のシール部材はなくてもよい。
第9図において、ケーシング1は中空球形とし、その
中に球形ロータ2及びケーシングプレート3を収容す
る。ケーシングプレート3は所定角度で所定位置にケー
シング1に固定される。ケーシング上部には伝動軸4を
回転可能に支承する支承軸33を貫通させるための孔22を
設け、この孔22に支承軸33を固定する。
支承軸33の外歯歯車14とロータの内歯歯車15の歯数の
比を適当な値にとることよって所定の比の回転速度をも
った才差運動を得ることができる。本実施例ではn=3
の球面ペリトロコイドを用い、外歯歯車14と内歯歯車15
の歯数の比が2:3のかさ歯車を用いる。
球形のケーシング内を内接しながら回転し、かつ、支
承軸33のまわりを回転する球形才差ロータ2の中心部の
支承については、第8図に示すように、小球体(球核)
を用いることができる。小球体9によってロータ錐部の
仮想上の頂部と中心(この中心はロータ自転軸と伝動軸
の交点)とを一致させる。その結果、球形才差ロータ2
は常にθの傾きをもって支承軸33のまわりを才差運動す
る。支承小球体9はケーシングプレート3に固定するこ
とも、また逆にロータ2に固定することも、或いは両者
間に回転自在に介在(ボールベアリングの如く)させる
こともできる。
ロータの回転と伝動軸4との間の伝動機構は傾心ジャ
ーナル35即ち、才差運動回転を通常の軸回転(固定位置
における軸回転)に変換伝達する機構によって行う。こ
れは伝動軸4とロータ自転軸Z′とが交わっていること
による。一例として第7図において、ロータ自転軸と、
これに対し傾心角θをなす伝動軸4との間に回転運動を
伝達する傾心(偏心)クランクないし偏心リング(ベア
リング)を配する。具体例として第12図に示す如く、伝
動軸4のロータ2内に突出する端部に偏心リング35aを
設けその偏心位置35bを中心とするボールジョイントを
備えたロッド35c(ロータ中心0からロータ軸に沿って
延在)を介してロータ中心部と接続する機構を用いるこ
とができる(第12図参照)。このように上方へ出力する
場合、伝動軸4は支承軸33の内部を貫通して回転可能に
同心状に支承され、ロータ2は球核9を介して才差運動
可能にケーシング内に支承される。
ロータ伝動機構の他の変形としては、第8図に示す球
核9の表面に球面スプライン(9aロータ軸に平行に形
成)を設けると共に伝動軸4を球核9まで延長接続する
ものもある。この場合球核9はケーシングプレート3に
対して回転可能に配される。
さらに球核9をロータと一体構成し、球核9の内部に
回転方向に係合すると共に傾心角θだけ揺動可能に係合
する形式の傾心ジャーナル(ないしは傾心カップリン
グ)を設けることもできる。この傾心ジャーナルは上方
へも出力できるが、或いは第11図の如く下方へも出力す
ることができる。第11図のロータ伝動機構は、支承球体
9の内部にバーフィールド形軸継手を使用した例であ
る。この形式の継手は、2軸の交わる角が自由に変化し
ても、回転を伝えるもので、等速伝達を行うことがで
き、また回転力の変動もない。原動軸36をロータ2の自
転軸と一致させ、ロータ2に固定する。ロータの才差運
動に伴うロータの回転は、ボール37を介して、従動軸38
に伝えられる。
第13図に傾心ジャーナルの別の例を示す。ロータの球
状中空部内に、傾心軸Z′を中心とし出力軸Zを偏心
(かつ傾心)して有し外周を球面としてロータ中空部に
摺接して支承される偏心ディスク35aがロータ2に対し
回転可能かつ傾心可能に配されている。同様な機能はこ
ろ軸受ユニットで傾心可能なものを用いることによって
も達成できる。
第6図V,V′及びVI,VI′の位置に対応したケーシング
の、ケーシングプレート3の上部の球面上に入口20,2
0′及び出口21,21′を設ける。これらのポートの配置及
び形状は第4図に示す如く視覚的にも設計可能である。
又、ケーシング1には、冷却孔34を複数個設けること
も可能である。
伝動軸とロータ自転軸とのなす角θ及び創成角Rの値
によって、ロータ側面(球状錐面)の形状及びケーシン
グプレート面の形状は決まり、θとRを色々と組み合わ
せることも可能である。即ち、θの大きさは作動室内容
積とトルクに関係し、歯車をロータ内に配する場合に限
っても例えば、Rの値を90゜にとったときθの値は18゜
までとりうるがθに限って見た場合上限ははるかに大き
い。
(本実施例の作用) 従来のロータリ機関における作動室においては、ペリ
トロコイド曲線面を形成するロータハウジングとその内
包絡線曲面を形成するロータの両曲面はペリトロコイド
を含む平面に垂直に幅を形成して作動室を形成してい
る。本実施例においては、球面ペリトロコイド曲面を形
成するケーシングプレート3は伝動軸4に対して回転対
称的に配される。またロータのアペックス25の軌跡がケ
ーシングプレート3と同一の面を成す。従って、ロータ
の錐状面24とケーシングプレート3との関係は、従来の
二次的ロータリ機関のロータとロータハウジングの関係
に対比される。従って、本実施例の作動室の容積は、ロ
ータの才差運動に伴なって、第4図の(I)から(IV)
に示すような変化を行う。
今伝動軸4に回転力を与えると、傾心ジャーナルを介
してロータに形成した内歯歯車15とケーシングに固定さ
れた外歯歯車14によってロータ2を公転させる。ロータ
2は支承小球体9を介して中心位置を保ちつつ自転しか
つ自転軸の傾きを保ちながら、支承軸33のまわりを回転
する。ロータの回転は第4図(I)から(IV)の容積変
化を起こし、流体は入口20,20′から吸入され、出口21,
21′から排出される。(出入口について第4図(I)参
照) 作動室の圧縮(又は排出)行程は一つの作動室につい
て第4図のI〜IVに図示の通りであり、各作動室につい
て同様の行程が成り立つ。またIV〜Iへと逆にたどれば
膨張行程が成り立つ。圧縮又は膨張機関(ポンプ等)と
して上記行程を用いることができる。
また内燃機関として用いる場合は、圧縮、膨張、排気
(第2圧縮工程)、吸気(第2膨張工程)の一連をもっ
て一つのサイクルが成り立つ。排気、吸気両工程と、圧
縮、膨張工程とは、対応するポート(弁として機能)の
開・閉によって繰返えされる。ポート及び点火装置の配
置、構造はバンケル型ロータリエンジンにおいて周知の
ものを応用することも可能でありここでは詳説を省く。
以上ロータ錐状面とアペックス軌跡に対応するケーシ
ング曲面(ケーシングプレート面)の一対から成る基本
系について説明したが、本発明はこの基本系に限定され
ず種々の変形、展開が可能である。以下変形例について
説明する。
まず、ケーシングプレートの形状は上述のペリトロコ
イド曲線と異なるがケーシングプレートを傾心角θで回
転運動させ、対応して第1実施例におけるロータを定位
置(軸位置固定)で回転させることも可能である。この
場合にもロータと対応ケーシング面との間に相対才差運
動が生ずる。
次に、球状才差ロータの両側に錐状面を形成でき、こ
れに対してアペックス軌跡に対応するケーシング曲面も
球状空間の内部に2面形成できる。この一例を第10図に
示し、アペックス16,17と、対応ケーシング曲面を備え
たケーシングプレート18,19から成る。この場合ロータ
とケーシング曲面の相対才差運動はケーシングプレート
18,19を固定して行うことが一般的である。この場合に
も、逆に球形ロータ2′を定位置回転しケーシングプレ
ート18,19を傾心角θをもって回転運動させることも可
能である。さらに、第10図において上部と下部のアペッ
クス角度位置は、上死点の一致をさけ、円滑な運転を行
うためにずらすことも可能である。またアペックスは必
ずしもロータ球の中心を頂部として直線的に形成しなく
てもよくアペックスの内縁端はロータ自転軸(ロータが
回転しない場合、ロータの軸、特に、球の中心)に向っ
て延びていることをもって足りる。
さらに変形例として、第7図ないし第8図のロータ
を、上下にケーシングプレート3をはさんでプレートの
両面を利用し2ケ組合せることが可能である。空間的ス
ペースの節約になるばかりでなく、上下ロータを連接手
段(小球体等)を介して接続することも出来る。但しこ
の場合対称形である必要はないが対称形にするにはRの
角度は90゜より小にとることが必要になる。上下一対の
ロータ構成は、ロータ機構の回転バランス上極めて好ま
しい。
また別の変形例としては、相互の錐側面を対向させて
二ケのロータを互いに二つ組分せたものも可能である。
即ち、第1の実施例におけるケーシングプレートをもロ
ータとして形成し、(プレートロータと称する)それを
第1のロータと傾きを持たせて組合せ両ロータが互いに
回転することにより形成できる。Z′軸を回転させるか
わりにプレートロータを回転させて同じ目的をはたすわ
けである。
ロータの回転の外部(主軸)への伝達手段としては、
既述のロータ伝動機構があるが、このような機能素子を
総称して傾心ジャーナルと呼ぶこととする。即ち、主軸
に対し傾きをもった軸を主軸に対し回転的に連結した機
構を言う。
さらに、球面をなすケーシング内周面とロータの間の
シールは、例えば球面に沿って波状に曲ったピストンリ
ングを用いて容易に出来る。(第24図参照) 本発明のロータリ機構において、出口21′を排気ポー
ト、入口20を吸気ポートとして利用し、出口21′、入口
20付近の適当な位置に点火プラグを配置すれば、ロータ
リエンジンとして利用できる。この吸排気ポートは、ロ
ータの回転に対応して自動的に開閉される。また補助的
に同期開閉弁を設けることもできる。第4図において、
正距離極投影図の上半部又は下半部のみに一対の出入口
を設けることにより4サイクルエンジンが成り立つ。第
4図(II)に入口20、出口21′を下半部にのみ設けた場
合について点火栓をSPの符号で示す。
第15図は、n=3の場合について、ケーシング全容積
に対する行程容積の比(%)の傾心角θとの関係を創成
角70〜90゜について示すグラフである。
第16〜20図は(才差)伝動機構及び相対才差運動の各
種実施例を示し、Zは定位置軸をZ′は才差運動軸を夫
々示す。尚、第16〜20図で「ロータ」の語はアペックス
を有する部材を称する。
第16図は、内歯歯車15をロータ2に設け、外歯歯車14
を定置ケーシング1に設けた例を示す。ディスク型傾心
ジャーナル35が定位置で回転するシャフト4とロータ2
の間に配される。シャフト4はケーシング1にベアリン
グ39を介して支承される。
第17図は、相対才差運動の関係が第16図と逆のものを
示す。内歯歯車15をロータ2′に設け、外歯歯車14をケ
ーシングプレート3′と一体に形成され公転(遊星回
転)可能なケーシング1′に設ける。小球体9′はロー
タ2′と一体に形成する。傾心ジャーナル35′のアーム
35aが外歯歯車14の中心と係合し、定置物体(図示せ
ず)により定位置回転軸Zの廻りに回転可能にベアリン
グを介して支承される。回転トルクはロータ2′から小
球体9′を介して伝達できる。
第18図は、内歯歯車15をケーシング1に設け、外歯歯
車14をロータ2に設けたものである。傾心ジャーナル3
5′のアーム35aを定位置回転シャフト4の先端に設け、
アーム35aは外歯ギア14の中心(Z′)に係合する。
第18図において、ロータ2とケーシング1の間の相対
回転は、逆の関係にすることが可能であることが明らか
である。即ち、Z′軸が定位置回転しZ軸を才差運動さ
せることができる。(その場合Z′軸を定位置回転する
よう図示外の定置物体に支承しケーシング1を公転可能
に保持する。) 第19図は、外歯歯車14を固定(又は定位置回転可能
な)ロータ2′に設け、内歯歯車15をケーシング1′に
設けたものである。ケーシング1′はその軸2′をもて
定置軸Zの廻りの才差運動する。回転トルクはシャフト
4を介して伝達できる。ケーシングプレート3の内端3a
と小球体9′の間にシールを設けることができる。
第20図は、ケーシングプレート3′を小球体9″と一
体形成し、小球体9″に内歯歯車15を設け、これと噛合
する外歯歯車14をケーシング1″と一体化したロータ
2″の内面に設けたものである。球状ケーシング1′
は、ケーシングプレート3′の外縁3a′と摺接する。傾
心ジャーナル35″が、定置物体にベアリング39を介して
支承されたシャフト4′の先端に設けられる。この例
は、ロータとケーシングプレート3′の関係に関する限
り、第17図の例と同じ相対才差運動の関係にある。ケー
シングプレート3′の外縁3′aと球状ケーシング1″
の内面の間にシールを施すことができる。
前述の通り、nは2,3,4或はさらに大きな数を任意に
選択できる。上述の実施例ではn=3である。以下にn
=2又は4の場合について述べる。
第21図はn=2の場合の正距離極投影図である。T′
はθ=18゜,R=90゜の場合について一節球面ペリトロコ
イド曲線を示し、42は対応するロータを示す。第22図は
ケーシングプレート43の斜視図である。この例では傾心
角θは20゜まで可能であり、ケーシング内容積に対する
行程容積の比は45%にも達する。2つの部材間の相対才
差運動の関係は、n=3の場合を同様に適用できる。R
<90゜のとき、ロータは視覚的にも錐状の形を示す(第
23図)。第24図は、シール手段を付した例を示し、アペ
ックスシール23及び球面(側面)シール46,或いは、さ
らに必要であれば内歯歯車15の周りに延びるリングシー
ル47を設けたものである。シールは色々な配列が可能で
あり、例えばリングシール47とそれから球面上を半径方
向外方へアペックスの外端まで延びる半径方向の球面シ
ール45の組合せも可能である。
第25、26図は、n=4の場合を示す。第25図は、ケー
シングプレート43′が3葉(又は3節)球面ペリトロコ
イドを成すもので、θを大きくとった場合を示す。第26
図は4個のアペックス44をもつ対応ロータ42′を示す。
ロータとケーシング(ないしケーシングプレート)間の
相対才差運動関係はn=3の場合を同様に適用できる。
波状に曲って延びるシールリング47′をロータ42′の球
面上に、半径方向外方へ拡張するよう付勢状態にて溝
(図示せず)内に嵌合できる。さらに半径方向へ延びる
シール45′をシールリング47′からアペックス外端まで
配設する。第27図は3葉球面ペリトロコイドT″(R=
90゜,θ=18゜)と対応するロータ42′を正距離極投影
図により示す。n=5以上とすることも、図示を省略す
るが、可能である。
上述の記載において符号“2"“2′”等「ロータ」の
語はピストンとも称されるが、必ずしも回転部材を意味
しない。ロータ2と曲面3(典型的にはケーシングプレ
ート)との間の相対才差運動の存在が基本である。
上述の記載から明らかな通り、本発明は、球面ペリト
ロコイドを規定する式に基づいて球面ペリトロコイドを
理論的に計算によって創成することを特徴とする、球形
ロータリ機構の設計方法をも提供する。3次元(ないし
球状)才差運動は、物体、線又は点の才差運動の軌跡を
正距離投影法により2次元平面グラフに、目視でわかる
ように視覚的に表現することができる。
バンケルエンジンと比較してみると、摺動行程距離又
は速さはアペックスシールで最大になるのにこの発明で
ははるかに減少されている。さらに、ロータとケーシン
グの球面の間はさらに高度なシーリング特性と耐摩耗性
と小さい摩擦のピストンリング形式の球面シールを用い
ることによって簡単にされる。
小球体を設けることにより、以下の利点が得られる。
即ち、これによりロータの中心の支承が安定する。但し
行程容積は半径の3乗に比例するので大きく影響をうけ
ない。また、ケーシングプレートの両側に対向して配さ
れた第1と第2のロータの間の結合が可能になる。この
場合小球体はケーシングプレートに対して摺動可能に配
される。この実施例は、結合しないとき必要な、第二ロ
ータの遊星歯車列を省略出来る。空間の節約も顕著であ
り円滑な回転も両ロータの良好なバランスによる回転に
よって期待される。同時に両ロータの上死点が一致する
のをさけるために才差運動の位相差を設けることにより
回転の円滑さがさらに改良される。四サイクルエンジで
は第一のロータの膨張行程と第二のロータの圧縮行程を
組合せることも可能である。
この開示では行程体積VsはVs=Vmax−Vminと定義され
る。ここではVmaxとVminはそれぞれ作動室の最大容積と
最小容積である。2軸の間の傾心角θと創成角Rによっ
てケーシングプレートとロータの形がきまる。
θの大きさとRの大きさは又行程容積とトルクを決定
する。ロータに歯車が固定される場合にはRを90゜にと
ったときθは約18゜までとりうる。他の具体例ではもっ
と大きなθまで可能である。傾心角θは主にトルクに影
響を及ぼし創成角Rはケーシング中の作動空間容積に影
響する。
既に論じたようにこの発明とバンケル型機関の間には
著しい対比関係が認められる。概念的には二次元のトロ
コイド曲線のバンケルの創成半径Rは三次元の球面座標
系の創成角Rに、バンケルの遠心距離eは傾心角θすな
わち球面上の弧線分 に対応している。すなわち二次元座標におけるトロコイ
ド曲線の線分要素は球面極座標の弧に対する角成分に対
応する。バンケル型機関の作動室は二次元的な面積に厚
さを与えることによって作られるが球形機関では球面上
の面積に半径を与えてつくられる。それはオイラー角に
よるベクトルを用いてさらに簡単に表現出来る。オイラ
ー角は才差角θ、章動角φ、自転角Ψによって出来てい
るがそれらはここではそれぞ球面トロコイド曲線の傾心
角θ、公転角ωt、回転角−2/3ωtに当っている。便
宜上もし単位球と弧度法を用いるならばそれらは対応す
る大円弧成分に等しくなる。
ベクトルを用いると才差ロータの創成点Aは次のよう
に表わされる。バンケル型と同じで動径ベクトル は偏心ベクトル と創成ベクトル の和である(第14図参照)。数学的な表現は次のように
なっている。
球の中心は(x,y,z)座標の原点にとられている。こ
の場合には (∈ cosωt,∈ sinωt,cosθ・cosR)であり合成ベク
トル ρS(ωt/3),−sin θρ cos2/3ωt}である。ここ
にρ=sinR,∈=sinθ cosRである。
C(1/3ωt)=cosθ cosωt cos2/3ωt +sinωt sin2/3ωt S(1/3ωt)=cosθ sinωt cos2/3ωt −cosωt sin2/3ωt θ,Rとωtは既述のものである(向きも同様にと
る)。なお、2/3ωtの2/3を(n−1)/nに置換えるこ
とにより、一般式になる。これらのC,S関数はオイラー
の変換公式である。EはAからZ′軸に垂直に降ろした
点であり、球面上にはない。この方法で既述のパラメー
タを用いて求められたと全く同じ機械的諸問題がとかれ
る。
(効果) この発明は一般に流体−機械力間、流体−流体間等の
エネルギ変換装置として有用である。作動空間は膨張又
は圧縮室又はそれらの組合せとして用いられる。ポート
の配列を調節することによって、エンジンとしても、と
くに内燃機関としても用いることが出来る。多様な設計
の可能性がnの値や傾心角θ、創成角Rやポートの配置
を選ぶことによって出来る。したがってこの発明はここ
に開示された基本的な概念と具体例に基づいて、広汎な
産業上の適用分野を与えるであろう。
即ち、本発明は、球形才差運動ロータを用いることに
より効果的に有効な三次元的容積変化を行う膨張・圧縮
機構を実現したものであり、ポンプ、エンジン、送風
機、圧縮機、等のロータリエネルギー変換システムとし
て有用であり、実用的効果が極めて高い。空間的スペー
スの小型化、形状の簡素化、耐圧性等数多くの利点も得
られる。ケーシング球面に対してはピストンリング形式
のシールを応用でき、また、バンケル型ロータリエンジ
ンに比してシール面(線)の長さが短かく、摺動摩擦抵
抗及び摩耗が軽減される、即ち一つの作業空間に対し2
つのアペックスシールと1本の球面シールによりシール
可能である。これに比しバンケル型では、2つのアペッ
クスシールと両側2ケのシールが必要であり両側のシー
ルは作業空間全面に亘って必要である。
一定のエンジンスペースに対する作動空間の容積効率
も高くとれる。即ち、ケーシング全容積に対する1つの
作動室の(有効)最大容積(即ち行程容積)の比はR=
90゜、θ=18゜で約26%であるが、通常のバンケル型の
ロータリエンジンの場合ケーシング内全容積に対し創成
比(トロコイド比)K=7で作動室有効最大容積(行程
容積)の比は約22%である。この最大容積(率)はトル
クに比例するので、本発明は1作動室当りのスペース的
出力効率もよく、3ケの作動室を考慮するとさらに高い
出力効率が達成される。また、その結果圧縮比(ないし
膨張比)を大きくとることも可能である。R,θの値を変
化させることにより、さらに大きな行程容積比がえられ
る(第15図)。なお、バンケル式機関では、トロコイド
比(K)に関係した圧縮率という点で制限があり、圧縮
率を大きくしようとするとケーシング全容積に占める行
程容積の比を小さくしなければならない矛盾がある。本
発明では、このような制限はない。
ロータの運動が全て回転運動であるのでレシプロエン
ジンと対比すれば当然滑らかな回転が期待でき、バンケ
ル型の偏心ロータ運動と比べても才差運動の方がその安
定性が高い。
吸入、圧縮、膨張、排出各行程を容易に設定できるの
で内燃機関としても応用範囲が広い。
なお、本願第2発明によれば、所定の才差運動規定手
段により、ロータの才差運動下における回転が円滑に行
なわれ、対応するケーシング球面の入口、出口(ポー
ト)配置と相俟って実用性の高い三次元的容積変化ロー
タリ機構を提供する。またこれにより、ロータの才差運
動回転を伝動軸に変換伝達する簡単な変換伝達機構をさ
らに付設するための前提条件を提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を説明するための基本線図、第2図
は、本発明で使用される球面の正距離極投影図を一実施
例と共に示すもの、第3図は、正距離投影法に基づく球
面の平面変換を説明するための図、第4図は、本発明の
一実施例における作動室の容積変化を示す(同投影法に
よる)線図、第5図、第6図は、本発明の一実施例を説
明するための図、第7図、第8図は、本発明の一実施例
の部分立面図、第9図は、本発明の一実施例の組立て状
態図、第10図は、本発明の他の実施例の部分立面図、第
11図は伝動機構の他の実施例を示す部分断面立面図、第
12、13図はロータ伝動機構の一例の部分概略図、を夫々
示す。第14図は、球面のベクトル表示を示す図である。
第15図は、θ,Rと行程容積の関係を示すグラフである
(n=3)。第16〜20図は、異った実施例を示す断面図
である(n=3)。 第21〜24,25〜27図はさらに他の実施例を示す(n=2,
4)、その内第21,27図は正距離極投影図(n=2,4)で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分球面を底面とし略放射状に延びるアペ
    ックスを含む略錐状面を有するロータと、該ロータの才
    差運動によりそのアペックスの軌跡が成す面から構成さ
    れる曲面を有する部材とを備え、該曲面部材と該ロータ
    の間の相対才差運動により球状空間内において規定され
    て容積変化する空間を作動空間とすることを特徴とする
    三次元的容積変化ロータリ機構。
  2. 【請求項2】部分球面を底面とし略放射状に延びるアペ
    ックスを含む略錐状面を有するロータと、該ロータの才
    差運動によりそのアペックスの軌跡が成す面から構成さ
    れる曲面を有する部材とを備え、該曲面部材と該ロータ
    の間の相対才差運動により球状空間内において規定され
    て容積変化する空間を作動空間とし、 定置の回転軸線(Z)に対する該ロータの前記相対才差
    を規定する相対才差運動規定手段を有し、 前記相対才差運動規定手段は、一対の内歯歯車及び外歯
    歯車から成る遊星歯車列を含み、ロータと前記曲面部材
    は角速度比 ω:ω′=1:(1−1/n) (但し、ωはロータの自転軸の公転速度、ω′はロータ
    の自転軸の回りの回転速度、nは2以上の自然数) の関係を有し、 前記球状空間を画成するケーシングの球面に少なくとも
    一対の入口及び出口を有することを特徴とする三次元的
    容積変化ロータリ機構。
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