JP2604152B2 - 接木苗育成方法 - Google Patents
接木苗育成方法Info
- Publication number
- JP2604152B2 JP2604152B2 JP62082217A JP8221787A JP2604152B2 JP 2604152 B2 JP2604152 B2 JP 2604152B2 JP 62082217 A JP62082217 A JP 62082217A JP 8221787 A JP8221787 A JP 8221787A JP 2604152 B2 JP2604152 B2 JP 2604152B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rootstock
- scion
- grafted
- stock
- seedlings
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
本発明は、接木苗を機械的に安価に大量生産すること
ができる接木苗育成方法に関する。
ができる接木苗育成方法に関する。
園芸植物において、土壌病害虫の加害を防ぎ、低温に
おける伸長を助け、養分の吸収を盛んにする等の各種の
効果をあげるには接木がもっとも簡単かつ有効な手段で
ある。どんなに品種改良が進んでも、野生種の持つ病害
抵抗性、低温伸長性等を持ち、しかも栽培種の優良な形
質を保持させることは究めて困難であり、長年月の研究
育成を要する。せっかく育成した耐病性品種も病菌レー
スの変化によって耐病性を失う例は多い。 在来の技術は圃場で育成した苗を用いて、挿し接ぎ、
呼び接ぎ、芽接ぎ等の方法で手作業による熟練によって
行なわれており、専門接木業者もある果樹以外は栽培家
の多労な自家育苗技術によってようやく栽培に必要な接
木苗をまかなってきた。
おける伸長を助け、養分の吸収を盛んにする等の各種の
効果をあげるには接木がもっとも簡単かつ有効な手段で
ある。どんなに品種改良が進んでも、野生種の持つ病害
抵抗性、低温伸長性等を持ち、しかも栽培種の優良な形
質を保持させることは究めて困難であり、長年月の研究
育成を要する。せっかく育成した耐病性品種も病菌レー
スの変化によって耐病性を失う例は多い。 在来の技術は圃場で育成した苗を用いて、挿し接ぎ、
呼び接ぎ、芽接ぎ等の方法で手作業による熟練によって
行なわれており、専門接木業者もある果樹以外は栽培家
の多労な自家育苗技術によってようやく栽培に必要な接
木苗をまかなってきた。
しかし、接木の台木と穂木をずらして播種、挿木して
同調させ、胚軸を充分太らせて切れ目または割れ目、穴
等を入れて接合固定し、遮光して温度湿度を保って融合
をはかり育苗する手作業技術は熟練と多労を要ししかも
時期が制限される。 その上、接木した野菜苗は鉢土量約１リットル、草丈
約20センチにもなって運搬輸送は困難であるから、育苗
専門業が成り立つ余地はない。苗木の根を菰で包み束ね
て輸送する果樹においても大苗の輸送は経費がかかる。 上記背景に鑑み、本発明は接木苗を機械的に安価に大
量生産することができる方法を提供することを目的とす
る。
同調させ、胚軸を充分太らせて切れ目または割れ目、穴
等を入れて接合固定し、遮光して温度湿度を保って融合
をはかり育苗する手作業技術は熟練と多労を要ししかも
時期が制限される。 その上、接木した野菜苗は鉢土量約１リットル、草丈
約20センチにもなって運搬輸送は困難であるから、育苗
専門業が成り立つ余地はない。苗木の根を菰で包み束ね
て輸送する果樹においても大苗の輸送は経費がかかる。 上記背景に鑑み、本発明は接木苗を機械的に安価に大
量生産することができる方法を提供することを目的とす
る。
上記目的達成のため、本発明による接木苗育成方法
は、台木と穂木の形成層を合わせて接合接木し、接合面
を横断するように截断した組織片を培養して、台木と穂
木から芽を発芽伸長させ、形成層の外周に２−シアノア
クリレートを主成分とする瞬間接着剤を塗布し、穂木と
台木を固定することを特徴とする。
は、台木と穂木の形成層を合わせて接合接木し、接合面
を横断するように截断した組織片を培養して、台木と穂
木から芽を発芽伸長させ、形成層の外周に２−シアノア
クリレートを主成分とする瞬間接着剤を塗布し、穂木と
台木を固定することを特徴とする。
第１図において、１は縦に半裁した台木で、２は同様
に縦に半裁した穂木である。次に第２図のようにこの台
木１と穂木２を切断した面を合わせ、テープ３で巻く
か、ピンチ４ではさむんで固定する。この場合、台木１
と穂木２とも根をつけないほうが作業はやりやすい。 台木１と穂木２を第２図のように合わせて固定してか
ら、これをわずかに養分を含んだ適湿のピートモス、バ
ーミキュライト、砂等の培養土に挿し、湿度を高くして
適温に保って５千〜２万ルクスの照明をあてれば数日で
台木１と穂木２は融合する。 台木１と穂木２は第１図のような縦に半裁した形のほ
かに、台木１に縦に切れ目を入れたり、縦溝を掘ってこ
の台木１の切れ目、縦溝に合う形に切り出し整形した穂
木２をこの切れ目、縦溝にはめこみ、前記と同様に固定
してもよい。 次に融合した台木１と穂木２を次亜塩素酸ソーダ液等
に浸して滅菌後乾燥し、クリーンベンチ上で第３図のよ
うに枝を払い左右の両側面の形成層を切り取ると、上下
に形成層が残った５の接合軸が出来る。接合軸５の接合
面を横断するようにななめにスライスすると台木１と穂
木２の融合した融合組織片６が多数切り出せる。 無菌処理をした透明なガラス又はポリカーボネイト容
器内７に、ムラシゲ、スクーグ（M,S）氏の処方等によ
り、蔗糖、窒素、燐酸、加里等の養分と微量要素等を含
んだ寒天、ゲルライト等の固形栄養培地８を設け、必要
あればオーキシン、サイトカイニンなどの植物ホルモン
を適量加える。 融合組織片６を台木の形成層９が出るように、固形栄
養培地８に第４図のように埋めこみ、透明容器７を太陽
光定温器内に入れ前記の温度で培養すれば、台木の形成
層９から台木の芽10が発芽して伸張する。 充分伸びて数節の枝が出来れば、次は台木の芽10をさ
かさまに穂木の形成層11が出るように固形栄養培地８に
埋め込むと、穂木の形成層11から穂木の芽12が発芽して
伸張する。 透明容器７から上下に台木の芽10と穂木の芽12の発芽
伸長した融合組織片６をとりだして、第５図のように、
カイネチン等の発根ホルモンを加えた培養土または固形
栄養培地13に台木の芽10を１〜２節残して先端を下に向
けて挿木して順化すると、台木の芽10の先端部から発根
して穂木の芽12は上方に向けて伸長する。 台木の芽10は１〜２節が培養土または固形栄養培地13
より上に出ているから、次第に節間が伸長して地際と接
木部の間は長くなり、本圃に定植した場合本圃土壌の病
害虫が穂木２に侵入することを防ぐように生長する。 より簡便に融合組織片６の台木の形成層９と穂木の形
成層11から同時に台木の芽10と穂木の芽12を発芽伸長さ
せるには、第６図のように、フラスコ14内にムラシゲ、
スクーグ（M,S）氏の処方等により、蔗糖、窒素、燐
酸、加里等の養分と微量要素等を含んだ液体培地15を入
れ、必要あればオーキシン、サイトカイニンなどの植物
ホルモンを適量加える。 太陽光定温器内で照明しながら適温度で震盪培養をす
ると、融合組織片６は液体培地15のなかで上下に転倒す
るので極性を失い、台木の芽10と穂木の芽12は同時に発
芽して第７図のように伸長する。挿木、順化は前記と同
様に行う。 大量生産には陽光ランプ式のジャーフアメンターを用
い、攪拌、通気して培養する。 本発明による接木苗育成方法は上記実施の形態に限定
されない。例えば、台木と穂木の形成層を合わせて接合
接木すればよく、その場合固定の仕方は任意である。例
えば、台木と穂木を通常のように横方向に截断し、その
切断面の形成層の外周に２−シアノアクリレートを主成
分とする瞬間接着剤を塗布し、穂木と台木を固定する場
合などが考えられる。なお、この場合、公知の硬化促進
剤を適用することができる。
に縦に半裁した穂木である。次に第２図のようにこの台
木１と穂木２を切断した面を合わせ、テープ３で巻く
か、ピンチ４ではさむんで固定する。この場合、台木１
と穂木２とも根をつけないほうが作業はやりやすい。 台木１と穂木２を第２図のように合わせて固定してか
ら、これをわずかに養分を含んだ適湿のピートモス、バ
ーミキュライト、砂等の培養土に挿し、湿度を高くして
適温に保って５千〜２万ルクスの照明をあてれば数日で
台木１と穂木２は融合する。 台木１と穂木２は第１図のような縦に半裁した形のほ
かに、台木１に縦に切れ目を入れたり、縦溝を掘ってこ
の台木１の切れ目、縦溝に合う形に切り出し整形した穂
木２をこの切れ目、縦溝にはめこみ、前記と同様に固定
してもよい。 次に融合した台木１と穂木２を次亜塩素酸ソーダ液等
に浸して滅菌後乾燥し、クリーンベンチ上で第３図のよ
うに枝を払い左右の両側面の形成層を切り取ると、上下
に形成層が残った５の接合軸が出来る。接合軸５の接合
面を横断するようにななめにスライスすると台木１と穂
木２の融合した融合組織片６が多数切り出せる。 無菌処理をした透明なガラス又はポリカーボネイト容
器内７に、ムラシゲ、スクーグ（M,S）氏の処方等によ
り、蔗糖、窒素、燐酸、加里等の養分と微量要素等を含
んだ寒天、ゲルライト等の固形栄養培地８を設け、必要
あればオーキシン、サイトカイニンなどの植物ホルモン
を適量加える。 融合組織片６を台木の形成層９が出るように、固形栄
養培地８に第４図のように埋めこみ、透明容器７を太陽
光定温器内に入れ前記の温度で培養すれば、台木の形成
層９から台木の芽10が発芽して伸張する。 充分伸びて数節の枝が出来れば、次は台木の芽10をさ
かさまに穂木の形成層11が出るように固形栄養培地８に
埋め込むと、穂木の形成層11から穂木の芽12が発芽して
伸張する。 透明容器７から上下に台木の芽10と穂木の芽12の発芽
伸長した融合組織片６をとりだして、第５図のように、
カイネチン等の発根ホルモンを加えた培養土または固形
栄養培地13に台木の芽10を１〜２節残して先端を下に向
けて挿木して順化すると、台木の芽10の先端部から発根
して穂木の芽12は上方に向けて伸長する。 台木の芽10は１〜２節が培養土または固形栄養培地13
より上に出ているから、次第に節間が伸長して地際と接
木部の間は長くなり、本圃に定植した場合本圃土壌の病
害虫が穂木２に侵入することを防ぐように生長する。 より簡便に融合組織片６の台木の形成層９と穂木の形
成層11から同時に台木の芽10と穂木の芽12を発芽伸長さ
せるには、第６図のように、フラスコ14内にムラシゲ、
スクーグ（M,S）氏の処方等により、蔗糖、窒素、燐
酸、加里等の養分と微量要素等を含んだ液体培地15を入
れ、必要あればオーキシン、サイトカイニンなどの植物
ホルモンを適量加える。 太陽光定温器内で照明しながら適温度で震盪培養をす
ると、融合組織片６は液体培地15のなかで上下に転倒す
るので極性を失い、台木の芽10と穂木の芽12は同時に発
芽して第７図のように伸長する。挿木、順化は前記と同
様に行う。 大量生産には陽光ランプ式のジャーフアメンターを用
い、攪拌、通気して培養する。 本発明による接木苗育成方法は上記実施の形態に限定
されない。例えば、台木と穂木の形成層を合わせて接合
接木すればよく、その場合固定の仕方は任意である。例
えば、台木と穂木を通常のように横方向に截断し、その
切断面の形成層の外周に２−シアノアクリレートを主成
分とする瞬間接着剤を塗布し、穂木と台木を固定する場
合などが考えられる。なお、この場合、公知の硬化促進
剤を適用することができる。
本発明は上記のような構成を有するので、接木苗を機
械的に安価に大量生産できる。しかも、苗が小さい状態
で接木されるから輸送がたやすくなって、専門業者によ
る生産が可能となる。
械的に安価に大量生産できる。しかも、苗が小さい状態
で接木されるから輸送がたやすくなって、専門業者によ
る生産が可能となる。
第１図は斜視図、第２図は斜視図、第３図は斜視図、第
４図は斜視図、第５図は断面斜視図、第６図は断面図、
第７図は斜視図である。 １……台木、２……穂木、３……テープ、４……ピン
チ、５……接合軸、６……融合組織片、７……透明容
器、８……固形栄養培地、９……台木の形成層、10……
台木の芽、11……穂木の形成層、12……穂木の芽、13…
…培養土または固形栄養培地、14……フラスコ、15……
液体培地。
４図は斜視図、第５図は断面斜視図、第６図は断面図、
第７図は斜視図である。 １……台木、２……穂木、３……テープ、４……ピン
チ、５……接合軸、６……融合組織片、７……透明容
器、８……固形栄養培地、９……台木の形成層、10……
台木の芽、11……穂木の形成層、12……穂木の芽、13…
…培養土または固形栄養培地、14……フラスコ、15……
液体培地。
Claims (1)
- 【請求項１】台木と穂木の形成層を合わせて接合接木
し、接合面を横断するように截断した組織片を培養し
て、台木と穂木から芽を発芽伸長させてなることを特徴
とする接木苗育成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62082217A JP2604152B2 (ja) | 1987-04-04 | 1987-04-04 | 接木苗育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62082217A JP2604152B2 (ja) | 1987-04-04 | 1987-04-04 | 接木苗育成方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8224613A Division JPH0919221A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 接木苗育成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63248322A JPS63248322A (ja) | 1988-10-14 |
| JP2604152B2 true JP2604152B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=13768249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62082217A Expired - Lifetime JP2604152B2 (ja) | 1987-04-04 | 1987-04-04 | 接木苗育成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2604152B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0919221A (ja) * | 1996-08-08 | 1997-01-21 | Wakamatsu Daisaku | 接木苗育成方法 |
-
1987
- 1987-04-04 JP JP62082217A patent/JP2604152B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63248322A (ja) | 1988-10-14 |
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