JP2604016B2 - 光吸収波長同調装置 - Google Patents

光吸収波長同調装置

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JP2604016B2 JP23892788A JP23892788A JP2604016B2 JP 2604016 B2 JP2604016 B2 JP 2604016B2 JP 23892788 A JP23892788 A JP 23892788A JP 23892788 A JP23892788 A JP 23892788A JP 2604016 B2 JP2604016 B2 JP 2604016B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は原子レーザ法を利用した同位体分離装置に
係り、特に、レーザ光の波長を分離対象同位体原子の光
共鳴吸収波長に常時同調安定化させる光吸収波長同調装
置に関する。
(従来の技術) 原子レーザ法による同位体分離では、ガドリニウム
(Gd)やウラン(U)等の重金属同位体元素を分離対象
とし、この分離対象同位体原子に複数波長のレーザ光を
照射して2段階または3段階の多段階励起させて分離対
象同位体原子を選択的に電離させ、イオン化させる。分
離対象同位体原子を効率よく多段階励起させるために
は、レーザ光の波長を、分離対象同位体原子の各エネル
ギ準位(例えば基底レベル、選択励起レベル、中間励起
レベル)で光共鳴励起がそれぞれ生じる各光共鳴励起波
長に常時正確にチューニングする必要がある。
このため、レーザ光の波長を分離対象同位体原子の光
共鳴励起波長に、光吸収波長同調装置によりできるだけ
一致させている。従来の光吸収波長同調装置は同位体分
離装置の光反応部に蛍光検出器やイオン検出器をそれぞ
れ設置し、レーザ光波長を該当する光共鳴励起波長の近
傍で変化させ分離対象同位体原子の各励起レベルからの
蛍光量や光電離イオン量が最大となる波長にチューニン
グして固定している。
(発明が解決しようとする課題) 従来の光吸収波長同調装置は、励起された分離対象同
位体原子からの蛍光量や光電離イオン量が最大となるよ
うにレーザ光波長を光共鳴励起波長にチューニングして
いるが、レーザ装置から発振されるレーザ光の波長・モ
ード・出力等の特性や金属蒸気流(分離対象同位体原
子)の速度や方向、蒸気量等の変動により、チューニン
グが外れたり、蛍光量や光電離イオン量が変動する。
しかしながら、従来の光吸収波長同調装置は、蛍光測
定系やイオン測定系を構成する蛍光検出器やイオン検出
器が1台ずつ設けられているため、蛍光量や光電離イオ
ン量が変動しても、レーザ特性が変化したのか、あるい
は蒸気特性が変化したのかを判定するのが困難であっ
た。
このため、蛍光量や光電離イオン量が変動した場合、
レーザ特性や蒸気特性のいずれが変化したのかを正確に
測定し、レーザ光波長を分離対象原子の光共鳴吸収波長
に常時同調させ、安定化させることが困難であった。
この発明は上述した事情を考慮してなされたもので、
レーザ光波長を分離対象同位体原子の光共鳴吸収波長に
常時同調させ、安定化させ得るようにした光吸収波長同
調装置を提供するにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明に係る光吸収波長同調装置は、金属蒸気発生
装置で生じた金属蒸気流が案内される光反応部に、レー
ザ装置から発振された複数波長のレーザ光を照射し、前
記金属蒸気流から分離対象同位体原子を選択的に多段階
励起電離させるものにおいて、上記分離対象同位体原子
の励起レベルから出る蛍光量や光電離イオン量をモニタ
するため、前記光反応部のレーザ光進行方向の異なる位
置にそれぞれ配置された蛍光検出器およびイオン検出器
と、上記各検出器にて検出された検出信号を入力して比
較演算する比較演算装置と、前記光反応部に案内される
金属蒸気量をモニタする蒸気量測定器と、上記光反応部
に入射されるレーザ光の出力をモニタするレーザ出力計
と、前記比較演算結果および金属蒸気量、レーザ出力値
をそれぞれ入力してレーザ光や金属蒸気の諸特性変化を
判定する制御判定装置とを有し、上記制御判定装置から
の判定結果をレーザ装置および金属蒸気発生装置にフィ
ードバックさせてレーザ装置および金属蒸気発生装置を
調節制御するものである。
(作用) この光吸収波長同調装置は、光反応部のレーザ光進行
方向の異なる複数位置に励起レベルからの蛍光量や光電
離イオン量をモニタする蛍光検出器およびイオン検出器
をそれぞれ配置する一方、光反応部に案内される金属蒸
気発生装置からの金属蒸気量をモニタする蒸気量測定器
と、光反応部に入射されるレーザ光のレーザ出力をモニ
タするレーザ出力計とをそれぞれ設置する。そして、複
数個の蛍光検出器やイオン検出器からの検出信号を比較
演算装置に入力させて比較演算し、その演算結果を制御
判定装置に入力させる。この制御判定装置には蒸気量測
定器やレーザ出力計から金属蒸気量やレーザ出力値の信
号が入力され、前記比較演算結果と蒸気量およびレーザ
出力値とからレーザ光や金属蒸気の諸特性変化を判定
し、レーザ装置や金属蒸気発生装置にフィードバック信
号を送る。レーザ装置や金属蒸気発生装置はフィードバ
ック信号を入力して調節制御され、レーザ装置からのレ
ーザ光の波長が分離対象同位体原子の光共鳴吸収波長と
なるように常時同調させ、安定化させている。
(実施例) 以下、この発明に係る光吸収波長同調装置の一実施例
について添付図面を参照して説明する。
第2図はこの発明の光吸収波長同調装置を備えた原子
レーザ法による同位体分離装置10を示すものである。こ
の同位体分離装置10は密閉された真空容器11内の底部に
試料としての同位体金属材料12を加熱溶融させる金属蒸
気発生装置13が設置される。金属蒸気発生装置13は同位
体金属材料12を収容した蒸発用るつぼ14を備え、この蒸
発用るつぼ14の金属材料12に電子銃15から発射された電
子ビーム16が、図示しない偏向磁場により曲げられて照
射される。同位体金属材料12は電子ビーム16の照射によ
り加熱溶融され、蒸発した金属蒸気流17を発生させる。
この金属蒸気流17はコリメータ18により絞られて真空
容器11内の光反応部20に案内される。光反応部20には金
属蒸気流17のうち対象同位体原子を分離回収する製品回
収電極21が設けられ、この製品回収電極21にて回収され
る。回収されない同位体原子は素通りしてその上方の廃
品回収板22により回収される。
一方、製品回収電極21は複数枚のプレート状陽電極2
3,23…と陰電極24,24…とが、金属蒸気流の流れ方向に
並行に、かつ所要間隔をおいて交互に対向配設される。
光反応部20は各陽電極23と陰電極24との間に形成され、
この光反応部20には金属蒸気流17の流れに直角方向にレ
ーザ装置25から複数波長のレーザ光26が照射されるよう
になっている。このレーザ光26は、第3図および第4図
に示すように選択励起用レーザ光26a、中間励起用レー
ザ光26bおよび電離用レーザ光26c,26dを適宜合成したも
ので、光反応部20で上記レーザ光26を照射することによ
り金属蒸気流から分離対象同位体原子が2段階または3
段階に多段階励起により電離される。
しかして、金属蒸気流発生装置13にて加熱溶融され、
蒸発化した金属蒸気流17は光反応部20にて特定波長の選
択励起用レーザ光26aの照射を受け、金属蒸気流17に含
まれる分離対象同位体原子は基底レベルA0から選択励起
レベルA1に選択的に励起される。この選択励起レベルA1
に励起された分離対象同位体原子は続いて中間励起レー
ザ光26bの照射を受けて中間励起レベルA2に励起され
る。
次に、中間レベルA2に選択的に励起された分離対象同
位体原子に電離用レーザ光26cを照射して光共鳴励起反
応を生じさせ、第3図に示すようにイオン化ポテンシャ
ルEよりエネルギレベルが高い自動電離レベルFに共鳴
的に励起させ、電離対象同位体原子をイオン化させる
か、あるいは、選択励起レベルA1に励起された分離対象
同位体原子に電離用レーザ光26dを照射して自動電離レ
ベルFに共鳴的に励起させ、イオン化してもよい。第3
図は自動電離方法によるイオン化の場合であるが、連続
体分離方法により電離させてもよい。
また、中間励起レベルA2に選択的に励起された分離対
象同位体原子に第4図に示すように、電離用レーザ光26
c′を照射して光共鳴吸収反応を生じさせ、イオン化ポ
テンシャルEより下の共鳴レベルである特定の高リドベ
リレベルGに励起させるか、選択励起レベルA1に励起さ
れた分離対象同位体原子に電離用レーザ光26d′を照射
して光共鳴励起反応を生じさせて特定の高リドベリレベ
ルGに励起させる。
高リドベリレベルGに励起された分離対象同位体原子
に、パルス電場あるいは直流電場を印加させたり、赤外
線を照射することにより、分離対象同位体原子は強い電
離作用を受けてイオン化される。第4図はリドベリレベ
ル電離方法によるイオン化の場合を示している。
このように、光反応部20に複数波長のレーザ光26を照
射することにより、金属蒸気流17に含まれる分離対象同
位体原子(分子を含む。)を選択的に2段階または3段
階の多段階励起を行なって、分離対象同位体原子を電離
させ、イオン化させることができる。
ところで、分離対象同位体原子を効率よく電離させ、
イオン化させるためには、レーザ装置25からの複数のレ
ーザ光波長を分離対象同位体原子の光共鳴波長にチュー
ニングしなければならず、このチューニングが第1図に
示す光吸収波長同調装置30により行なわれる。
光吸収波長同調装置30は、レーザ光の波長を分離対象
同位体原子(または分子)の光共鳴吸収波長に常時同調
させ、安定化させる装置であり、光反応部20にレーザ光
の進行方向に異なる複数位置、例えば3箇所に、励起レ
ベルからの蛍光量や光電離イオン量をモニタする蛍光検
出器31a〜31cやイオン検出器32a,32cがそれぞれ配置さ
れる。各蛍光検出器31a〜31cから検出された蛍光量の検
出信号は比較演算装置33に入力され、この比較演算装置
33で各蛍光検出器31a〜31cからの蛍光量が比較演算され
る。またイオン検出器32a〜32cで検出された光電離イオ
ン量も同様にして比較演算装置34に入力されて比較演算
される。各比較演算装置33,34からの比較演算結果は制
御判定装置35に入力される。
一方、光反応部20に案内される金属蒸気量は、光反応
部20の例えば上方に設置された蒸気量測定器36にてモニ
タされ、上記光反応部20のレーザ光入射側にレーザ出力
計37が設置される。このレーザ出力計37には光反応部20
に入射されるレーザ光26の一部がハーフミラー38を介し
て入力され、このレーザ出力計37でレーザ装置35からの
レーザ出力をモニタしている。前記蒸気量測定器36やレ
ーザ出力計37にてモニタされた金属蒸気量やレーザ出力
値は制御判定装置35に入力される。
制御判定装置35は比較演算装置33,34から入力される
比較演算結果と金属蒸気量やレーザ出力値を演算し、レ
ーザ光や金属蒸気の諸特性の変化を判定し、その判定結
果をフィードバック信号としてレーザ装置25や金属蒸気
発生装置13に送り、このレーザ装置25や金属蒸気発生装
置13の作動を調節制御し、レーザ光波長を光共鳴励起波
長に常時チューニングしている。
レーザ装置25はレーザ光の波長やモード・出力等の特
性により、また、金属蒸気の速度や方向、蒸気量等の変
動により、チューニングが外れたり、蛍光量やイオン量
が変動する。
第1図においては、光反応部20および蛍光検出器31a
〜31c、イオン検出器32a〜32cの配置関係を平面図で示
しているが、光反応部20の下方に金属蒸気発生装置13が
設けられている。第5図は光反応部20と金属蒸気発生装
置13の配置関係を概略的に示す原理図である。
第5図に示すように、金属蒸気発生装置13から放射状
に蒸発した金属蒸気流17が光反応部20に流入し、この光
反応部20でレーザ光26の照射を受け励起電離光反応が生
じるようになっている。
第5図において、金属蒸気発生装置13の蒸発部直上に
位置する光反応部20の点をB、レーザ光入射側の点を
C、レーザ光出射側の点をAとし、各点A,B,Cの側方に
蛍光検出器31a〜31c、イオン検出器32a〜32cがそれぞれ
対応して設置されているものとする。
一般的には、光共鳴励起レーザ光の周波数をνとする
と、次式が成立する。
但し、ν0:原子の光共鳴励起周波数、 v:金属蒸気原子の平均速度、 θ:金属蒸気原子の飛行方向とレーザ光との間の角度、 c:光の速度、 である。
この(1)式から、光共鳴励起レーザ光を周波数νが
変化しても、金属蒸気原子の速度vや角度θが変化して
もチューニングが外れることになる。
次に、分離対象同位体原子を説明の簡単化のために2
段階励起により電離させる場合を例にとって説明する。
分離対象同位体原子の励起レベルからの蛍光量をF、
光電離イオン量をI、光反応部の蒸気原子密度をN、選
択励起および電離用レーザ光の強度をL1,L2、各レーザ
光の周波数をν1とそれぞれすると、次式が成立す
る。
F∝N・f1(L1) ……(2) I∝N・f1(L1)・f2(L2) ……(3) ここで、f1(L1)、f2(L2)は、L1
およびL2の各関数で、各レーザ光の周波数ν1
が分離対象同位体原子の各共鳴吸収周波数に一致した
とき、最大となる。
上記(2)式から蛍光量FはN,L1のいずれかが
変化すると変化し、またイオン量IはN,L11,L2
のいずれかの変化により変化する。
第5図のB点においては、 であるので、(1)式よりν=ν0であり、第1,2段励
起用入射レーザ光の周波数νL1,νL2をそれぞれの共鳴
吸収励起周波数ν10,ν20に同調させておけば、この点
では蛍光量Fおよびイオン量Iが最大となる。
また、第5図のA点では、0<θ<π/2であるため、
(1)式よりcosθ>0となり、共鳴吸収レーザ光の周
波数ν<ν0である。第1段励起の共鳴吸収周波数ν1A
は同調させたレーザ光の周波数ν10より低い周波数側に
ずれているため蛍光量Fおよびイオン量Iは同調時より
低下している。またC点では、π/2<θ<πであるた
め、cosθ<0であり、(1)式よりν>ν0である。
第1段励起の共鳴吸収周波数ν1Cは同調させたレーザ光
の周波数ν10より高い周波数側にずれているため蛍光量
Fおよびイオン量Iは同調時より低下している。この例
が第6図のケース1の例である。
第1段励起用のレーザ光の周波数νL1が元の同調させ
たレーザ光の周波数ν10より低い周波数側にずれ、A点
における第1段励起の共鳴吸収周波数ν1Aに近くなった
場合には、A点での蛍光量FAおよびイオン量IAは増加
し、B,C点での蛍光量FB,FCおよびイオン量IB,ICは低下
する。この例が第6図のケース2の例である。
この場合、従来の光吸収波長同調装置のように、蛍光
測定系やイオン測定系が1つずつ存在するものでは、蛍
光量Fやイオン量Iの変化から、レーザ特性L11,L2,
νが変化したのか、金属蒸気の特性N,v,θが変化した
のか判定が困難であった。
これに対し、第1図に示す光吸収波長同調装置30で
は、蛍光検出器(蛍光測定系)31a〜31cおよびイオン検
出器(イオン測定系)32a〜32cをそれぞれ複数個、例え
ば3個ずつ設けたので、励起レベルから放出される蛍光
量や光電離イオン、金属蒸気原子の蒸気量やレーザ出力
の変動をモニタし、それらの信号変化から金属蒸気やレ
ーザの諸特性の変化を自動的に判定することができ、判
定結果をレーザ装置25や金属蒸気発生装置13に常時フィ
ードバックさせて、レーザ光の波長を光共鳴吸収波長へ
常時同調・安定化させることができる。
例えば、第6図のケース2に示すように、光反応部20
に配置された蛍光検出器31a〜31cやイオン検出器32a〜3
2cのうち、レーザ光進行方向前方(上流側)の各検出器
31c,32cの蛍光量やイオン量が同時に減少し、後方の各
検出器31a,32aの蛍光量やイオン量が同時に増加して
も、蒸気量やレーザ出力に変化がない場合には、選択励
起用レーザ光26aの周波数が短周波数側にシフトしたた
めと判定する。この場合、選択励起用レーザ光26aの周
波数νL1が同調させたレーザ光の周波数ν10より低い周
波数側にシフトし、A点における光共鳴吸収周波数ν1A
に近付いたため、A位置での蛍光量FAおよびイオン量IA
が増加する。また、C点では、選択励起用レーザ光周波
数νL1が光共鳴吸収周波数ν1Cからさらに離れるため、
C点における蛍光量FC、イオン量ICが共に減少したもの
と、(1)〜(3)式より考えられる。上記の判定結果
はレーザ装置25にフィードバックしてレーザ光進行方向
前後方両側の各検出器31a,31c;32a,32cの信号量がバラ
ンスするように調整する。
また、レーザ光進行方向前方(C点)のイオン検出器
32cのイオン量ICのみが減少して、後方(A点)のイオ
ン検出器32aのイオン量IAが増加し、蛍光量FA,FCや蒸気
量N、レーザ出力L1,L2に変化がない場合には、選択励
起用レーザの周波数νL1=ν10(ν10は同調させた周波
数)には変化がないが、電離用のレーザ光の周波数νL2
が同調させたレーザ光の周波数ν20より低い周波数側に
シフトし、A点における光共鳴周波数ν2Aに近付き、C
点における光共鳴周波数ν2Cからはさらに離れたため、
A点でのイオン量IAが増加し、C点でのイオン量ν2C
減少したものと、(1),(2),(3)式より考えら
れる。したがって、この場合には、電離用レーザ光の周
波数νL2が短周波数側にシフトしたためと判定する。そ
して、その判定結果をレーザ装置25にフィードバックし
て前後のイオン検出器32a,32cの信号量(イオン量)IA,
ICが等しくなるまで電離用レーザ光の周波数νL2を増加
させる。
さらに、中央や前後両側の各検出器31b,32b;31c,32c;
31a,32aの蛍光量やイオン量が同時に減少した場合にお
いて、例えば蒸気量は変化せず、レーザ出力が減少した
ときには、レーザ出力を増加させて復帰させる。また、
この場合において、蒸気量が減少し、レーザ出力が一定
のときには、金属蒸気発生装置13に判定結果をフィード
バックさせて金属蒸気発生量を増加させ、蒸気量を復帰
させる。
〔発明の効果〕
以上に述べたようにこの発明に係る光吸収波長同調装
置においては、光反応部のレーザ光進行方向の異なる複
数位置に蛍光検出器およびイオン検出器をそれぞれ配置
して励起レベルから放出される蛍光量やイオン量をそれ
ぞれ複数箇所で測定するとともに、光反応部に案内され
る金属蒸気量を蒸気量測定器で、また光反応部に入射さ
れるレーザ光の出力をレーザ出力系にてそれぞれモニタ
し、これらの信号を処理してレーザ光や金属蒸気の諸特
性を制御判定装置にて判定し、その判定信号をフィード
バックさせてレーザ装置や金属蒸気発生装置の作動を調
節制御したので、レーザ光の波長を分離対象同位体原子
の光共鳴吸収波長に常時同調させ、安定化させることが
でき、長時間安定した運転を保証することができる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る光吸収波長同調装置の一実施例
を示す図、第2図は上記光吸収波長同調装置を備えた同
位体分離装置を示す図、第3図は自動電離方法による多
段階励起の一例を示すエネルギ準位図、第4図はリドベ
リレベル電離方法による多段階励起の一例を示すエネル
ギ準位図、第5図は光反応部と金属蒸気発生装置の配置
関係を示す原理図、第6図は選択励起レーザ光の周波数
のずれと蛍光量との関係を示す模式図である。 10……同位体分離装置、11……真空容器、12……同位体
金属材料、13……金属蒸気発生装置、14……蒸発用るつ
ぼ、17……金属蒸気流、20……光反応部、21……製品回
収電極、22……廃品回収板、23……陽電極、24……陰電
極、25……レーザ装置、26……レーザ光、26a……選択
励起用レーザ光、26b……中間励起用レーザ光、26c,26
c′,26d,26d′……電離用レーザ光、30……光吸収波長
同調装置、31a〜31c……蛍光検出器、32a〜32c……イオ
ン検出器、33,34……比較演算装置、35……制御判定装
置、36……蒸気量測定装置、37……レーザ出力計。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属蒸気発生装置で生じた金属蒸気流が案
    内される光反応部に、レーザ装置から発振された複数波
    長のレーザ光を照射し、前記金属蒸気流から分離対象同
    位体原子を選択的に多段階励起電離させるものにおい
    て、上記分離対象同位体原子の励起レベルから出る蛍光
    量や光電離イオン量をモニタするため、前記光反応部の
    レーザ光進行方向の異なる位置にそれぞれ配置された蛍
    光検出器およびイオン検出器と、上記各検出器にて検出
    された検出信号を入力して比較演算する比較演算装置
    と、前記光反応部に案内される金属蒸気量をモニタする
    蒸気量測定器と、上記光反応部に入射されるレーザ光の
    出力をモニタするレーザ出力計と、前記比較演算結果お
    よび金属蒸気量、レーザ出力値をそれぞれ入力してレー
    ザ光や金属蒸気の諸特性変化を判定する制御判定装置と
    を有し、上記制御判定装置からの判定結果をレーザ装置
    および金属蒸気発生装置にフィードバックさせてレーザ
    装置および金属蒸気発生装置を調節制御したこことを特
    徴とする光吸収波長同調装置。
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