JP2603980B2 - 高断熱性鋳鉄 - Google Patents

高断熱性鋳鉄

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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は例えば各種成形機部品の如く高精密性と高断
熱性が要求される構成材として好適な高断熱性鋳鉄に関
する。
(従来の技術) 従来、よく知られているように、熱処理炉、溶解炉あ
るいは反応炉等の炉壁には断熱材として気孔率の高い各
種レンガや綿状のセラミックスファイバ等からなる断熱
材が用いられ、高温室内の熱の発散や伝達を防止し、エ
ネルギの消耗低減(保温)と低温部の熱からの保護(遮
熱)とが図られている。ところが、レンガやセラミック
スファイバ等の断熱材は、材料自体が低熱伝導性のもの
であるだけでなく、熱伝導率が非常に低い(6.2×10-5c
al/cm・s・℃)空気を多量に包含しているもので、機
械的強度、例えば耐衝撃性や剛性が低く、また複雑な形
状とすることが困難である。
このため上記の材料は一般に機械、器具部品としての
構造材には適用されず、これらの構造材にはオーステナ
イトステンレス鋼等が採用されている。オーステナイト
ステンレス鋼は熱伝導率が0.04〜0.05cal/cm・s・℃と
比較的低く、例えば風呂桶や魔法びん等の容器壁として
用いられている。
しかし、ステンレス鋼は鋳造性や加工性が一般鋳鉄に
比べて低く、金属業界で用いられている鋳造用金型、ダ
イキャストマシンや熱間加工機の部品、あるいは樹脂業
界等で用いられる射出成形器用ノズルチップやその他の
部品等の如く、近年極めて高度の精密性が要求されるよ
うになった各種の構成材としては適用が困難である。ま
た、オーステナイトステンレス鋼でも断熱性が不十分な
場合も多い。例えば内部が400〜500℃に加熱される金型
の場合、この金型から隣接する制御用機器にその高熱が
伝達されると、機器の操作上支障を生じる場合等があ
り、このような高精密成形装置等に対しては、オーステ
ナイトステンレス鋼以上の高断熱性を有する構造材が望
まれる。
(発明が解決しようとする課題) 近年、成形機等の各種分野で用いられる部品に対して
は、より一層の高精密性および高断熱性が要求されるよ
うになっており、従来用いられているオーステナイトス
テンレス鋼等では十分その要求が満されなくなってきて
いる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、熱
伝導率が0.02cal/cm・sec・℃以下という高断熱性を有
するとともに、一般鋳鉄並の機械的強度、加工性を有す
る高断熱性鋳鉄を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段と作用) 本発明の高断熱性鋳鉄は、重量比で炭素0.8〜1.5%、
シリコン3.5〜5.0%、マンガン0.4%以下、ニッケル18
〜36%、マグネシウム0.04〜0.1%を含み、残部が一般
鋳鉄に含まれる成分からなる組成を有することを特徴と
する。
以下に上記の成分組成の範囲限定理由について述べ
る。
ニッケル(Ni)は材料基地をオーステナイト組織にす
るために含有するものである。オーステナイト組織の鋳
鉄は、フェライトやパーライト、マンテンサイト等の他
の組織のものよりも低熱導性が低いからである。材料全
体をオーステナイト組織とするためには18%以上の含有
量が必要である。ただし、Niの含有量が36%を超えると
基地鉄が軟質となって加工性、強度が低下し、鋳造性も
悪くなる。このことから、Ni含有量は18〜36%、好まし
くは20〜25%である。なお、オーステナイト基地鉄は、
−100℃以下の低温で特に著しい断熱性を示す。
また、炭素(C)は熱伝導率を高める方向に作用する
ので熱伝導率低下のためにはC含有量を少なくすること
が望ましいが、C含有量が低過ぎると鋳造性および被削
性が悪くなる。良好な鋳造性および被削性を確保するた
めのC含有量は0.8%以上、好ましくは1.0%以上であ
る。但し、Cの含有量が2%を超えると黒鉛化が著し
く、固溶C量が低下して機械的性質が悪くなるため、C
含有量の上限は1.5%とすることが好ましい。
シリコン(Si)は熱伝導率を低下させる方向に作用す
る。したがって断熱性を上げるためには含有量が多い程
良く、3.5%以上が効果的であるが、5.5%以上になる
と、Niと金属間化合物を生成するため、それ以下、好ま
しくは5%以下とする。
マンガン(Mn)は熱伝導率を高める方向に作用する。
したがって、断熱性を上げるためには含有量が少ない程
良いが、天然には鉄鉱中に併存しており、精鉄後も残存
する。但し、その含有量が0.4%以下では、熱伝導率へ
の影響は少ないため、その範囲での含有は許容される。
マグネシウム(Mg)は組織中の黒鉛を球状化させる。
黒鉛球状化は熱伝導率の低下に重要な因子である。ま
た、鋳造性、被削性等の機械的性質を向上させる方向に
作用するため、0.04%以上含有することが望ましい。し
かし、その含有量が0.10%を超えると熱伝導率を高め
る。そこでMg含有量は0.04〜0.10%、好ましくは0.04〜
0.06%とする。
なお、残りの一般鋳鉄中にはイオウ(S)が約0.05
%、リン(P)が0.01%以下含まれるが、これらは熱伝
導率に大きい影響はなく、含有量が少なければ機械的性
質を向上することから、SおよびPそれぞれの含有量は
好ましくは0.03%および0.03%以下である。
発明者における種々の実験結果によれば、高Niオース
テナイト鋳鉄の熱伝導率は成分組成と以下の関係にある
ことが判った。
<実施例> 誘導電気炉で鋳鉄、軟鋼、NiFe−Si、加炭材(C)お
よび返材を溶融し、1600℃で出湯、Mg処理(黒鉛球化)
および接種(Fe−Si添加)の後、鋳型に注湯(1450℃〜
1320℃)し、種々の試料を得た。
得られた成分組成と熱伝導率との関係を下記の第1表
に示し、機械的特性を下記の第2表に示す。
本発明による成分範囲内での実施例(1〜9)の範囲
内であれば、第1表に示すように、熱伝導率が全て0.02
cal/cm・sec・day以下であり、高い断熱効果が発揮でき
る。また、これらの実施例のものは、第2表に示すよう
に、引張り強さが40kgf/mm2以上、耐力が38kgf/mm2
上、伸びは15%以上であり、機械的強度が優れているこ
とが判る。また、鋳造性および被削はともに良く、各種
構造材料として好適に実施できることが判る。このよう
に、実施例によるものは、断熱性が高く、かつ一般鋳鉄
(比較例10)並の機械的特性を有することが確認され
た。
これに対し、比較例1〜9で示したものは、第1表お
よび第2表に示したように、熱伝導率、機械的強度また
は性質のいずれかの点で劣っていることがわかる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、熱伝導率が0.02cal/
cm・sec・day℃以下の高断熱性を有し、しかも一般鋳鉄
並の機械的強度、加工性等を有するものが実現でき、構
造材料として必要な剛性や靭性を有し、かつ高い断熱性
を要求される機械部品や容器に適した鋳鉄が提供できる
ようになる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で炭素0.8〜1.5%、シリコン3.5〜
    5.0%、マンガン0.4%以下、ニッケル18〜36%、マグネ
    シウム0.04〜0.1%を含み、残部が一般鋳鉄に含まれる
    成分からなる組成を有することを特徴とする高断熱性鋳
    鉄。
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