JP2601080B2 - 陶器質焼結体 - Google Patents

陶器質焼結体

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JP2601080B2 JP29317091A JP29317091A JP2601080B2 JP 2601080 B2 JP2601080 B2 JP 2601080B2 JP 29317091 A JP29317091 A JP 29317091A JP 29317091 A JP29317091 A JP 29317091A JP 2601080 B2 JP2601080 B2 JP 2601080B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビル等の建造物の壁
面に、釘やねじ等で取り付けたり、接着剤で貼り付けた
りして使用するサイディングタイル、特に、比較的大型
のサイディングタイルや、その他、建築材、構造材、耐
熱材等として好適な陶器質焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器質焼結体は、一般に、長石、陶石
および珪石等を主原料とし、これに粘土を加えて任意の
形状に成形し、乾燥した後、焼成することによって製造
されている。
【0003】ところで、陶磁器質タイルはJIS A5
209−1987によれば、きじの質の吸水される状態
によって、陶器質、せっ器質、磁器質と区分される。せ
っ器質タイルや磁器質タイルは吸水率が小さく、きじは
緻密化しており、強度に優れているが、機械加工性や軽
量性に劣る。また、製造工程において大きな収縮を伴な
うため、寸法精度も悪い。これに対し陶器質タイルは、
軽量にはなっているが、逆に強度は低下し、機械加工性
や寸法精度は向上しているものの、なお、十分であると
はいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の陶
磁器質タイルの上述した問題点を解決し、寸法精度、機
械加工性、強度、低比重等の諸特性に優れた陶器質焼結
体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、20〜60重量%の石英と、30〜7
0重量%の、Ca、AlおよびSiの複酸化物、Ca、
MgおよびSiの複酸化物、ならびに、CaおよびSi
の複酸化物とを含む陶器質焼結体であって、その焼結体
は開気孔を有し、直径が0.01〜150μmの開気孔
のうち、直径2〜20μmの開気孔が75容積%以上を
占め、直径2μm未満の開気孔は20容積%以下であ
り、直径20μmを超える開気孔が10容積%以下であ
ることを特徴とする陶器質焼結体を提供する。
【0006】ここでいう陶器質焼結体とは、磁器質、せ
っ器質に区別されるが、具体的にはJIS A5209
−1987の陶器質タイルの規格により、規格中に規定
された吸水試験を行なったとき、吸水率が22.0%以
下であるものである。また、吸水率5.0%以下のもの
はせっ器質タイルに区分されるので、ここでは吸水率が
5.0%より多く22.0%以下のものを陶器質と称す
る。
【0007】開気孔は外部と通ずるきじ内部の気孔のこ
とで、開気孔の大きさとその容積の分布は水銀圧入法に
より測定される。水銀圧入法は次のように行なった。
【0008】まず、タイルきじ試料を1gほどのサンプ
ルに切り出し試料セルに入れ、セル内を10-3Torrに減
圧する。
【0009】次に水銀を注入する。この時きじ試料中の
開気孔のうち直径150μm以下の開気孔には水銀の表
面張力の抵抗により水銀が侵入しないで真空のままであ
る。この状態からセル内へ圧力を約0.1〜約1900
bar まで徐々に段階的に上げていく。圧力を上げる度に
その圧力に見合う大きさの開気孔内に水銀は圧入されて
いくのでその圧入量を測定する。
【0010】圧力が約0.1bar から約1.0bar まで
はおよそ0.03bar ずつ上げていき、各圧力下におけ
る水銀圧入量を測定する。圧力が約1.0bar から約1
900bar までは、水銀の圧入量が0.5mm3 増えるご
とに圧力上昇を止めその時の圧力値を測定し、圧力と水
銀圧入量の関係を求めていく。
【0011】圧力Pの時に水銀が入り得る気孔の大きさ
は、気孔を円筒状と仮定して、その直径Dは、 D=−4σcos θ/P で表わされる。ここでσは水銀の表面張力として480
dyn/cmを用いた。θは水銀の試料に対する接触角で、一
般に通用する値としてθ=141.3°とした。計算に
当たりσとPの単位系をそろえることはいうまでもな
い。1bar =106 dyn/cm2 として計算すると、直径D
はcm単位の数字で得られることになる。本発明における
気孔の直径とは、この円筒状気孔の直径のことである。
気孔の量(容積)は水銀の圧入量がそのまま当てはめら
れる。こうして開気孔の直径とその容積の分布データを
得る。
【0012】具体的には直径0.01μm〜15μmの
範囲はカルロエルバ社製ポロシメータ2000にて、ま
た、直径15μm〜150μmの範囲は柴田化学機械工
業社製ポロシメータP−700にて測定した。この方法
で測定した開気孔は直径0.01〜150μmの範囲で
その分布状態を知ることができるが、本発明品はそのう
ち、2〜20μmの気孔が全体の75容積%以上を占
め、0.01μm以上2μm未満の気孔は全体の20容
積%以下、20μmよの大きく150μm以下の気孔は
全体の10容積%以下になっている。
【0013】2〜20μmの気孔が全体の75容積%以
上であることは、機械加工性が良好な特性を示す要件で
ある。75容積%未満になると、加工時の抵抗が大き
く、また、工具の摩耗や損傷も大きくなる。
【0014】0.01μm以上2μm未満の気孔が全体
の20容積%より多くなると、機械加工性のうち切断加
工と研磨に対し、一層抵抗が大きく、工具の摩耗や損傷
もさらに大きくなる。
【0015】20μmより大きく150μm以下の気孔
が全体の10容積%より多くなると、強度が低下し、ま
た、機械加工の際、きじに亀裂や欠けが生じやすくな
る。特にドリルによる穴あけ加工の際、穴の周辺に割れ
や欠けが発生しやすい。また、加工面の平滑性が劣化す
る。
【0016】本発明の焼結体の有する気孔はほとんど粒
子間に存在する開気孔である。ただし、粒子間や粒子内
で外部と通じることのない独立した閉気孔がわずかに存
在することはあるが、それはいっこうにかまわない。
【0017】主要な結晶性成分は、X線回析法により確
認される。測定は理学電機社製のX線回析装置(X線発
生装置:RU−200B型、ゴニオメータ:2155D
型、計数記録装置:RAD−B型)を用い、X線源はC
uKα線とし出力40kv100mAで行なった。
【0018】まず、主要な結晶性成分は、タイルきじを
粉砕してX線回析を行ない、得られた回析パタンからJ
CPDS(Joint Committee on Powder Diffraction St
andards :粉末回折標準共同委員会)標準回析データと
比較して同定を行なう。
【0019】次に同定した結晶性成分の定量化は以下の
ようないわゆる内部標準法によって行なう。
【0020】まず、同定されたもののうち定量化したい
結晶の純粋な粉末試料と、標準試料としての純粋なアル
ミナ粉末[合成コランダム(α−Al2 3 )]を準備
する。この純粋な結晶粉末と純アルミナ粉末を1:1の
重量比に混合し、X線回析を行ない、両者のメインピー
クの強度比を調べ、標準データとする。
【0021】次いで、タイルきじ粉砕品と純アルミナ粉
末を1:1の重量比に混合し、X線回析を行ない、上記
と同じ両者のピークの強度比を調べ、標準データと比較
する。こうしてタイルきじ中における知りたい結晶性成
分の重量%が求められる。
【0022】本発明品は、焼結体のきじ中に主要な結晶
性成分として、石英が20〜60重量%、CaとAlと
Siの複酸化物、CaとMgとSiの複酸化物およびC
aとSiの複酸化物を合わせて30〜70重量%含んで
いる。これらの結晶性成分は、結晶内部に若干の不純物
を固溶していても、X線回析法の結果、同定されるので
かまわない。
【0023】本発明で規定した上述の結晶性成分以外に
は、一般に、ムライト(3Al2 3 ・2SiO2 )、
カルシア(CaO)、正長石(K2 O・Al2 3 ・6
SiO2 )、曹長石(Na2 O・Al2 3 ・6SiO
2 )などが含まれている。あるいはガラス質(非晶質)
も含まれている。しかし、主要な結晶性成分として検出
されてもされなくてもかまわない。
【0024】石英(SiO2 )は他の元素と化合した珪
酸塩の形をとっていないが、60重量%を越えると、機
械加工性が低く加工時にきじにクラックや欠けが入りや
すい。さらに他の有用な化合物、例えば本発明に必要な
CaとAlとSiの複酸化物やCaとMgとSiの複酸
化物やCaとSiの複酸化物などが少なくなりすぎて、
寸法精度が劣化したり、機械加工時に抵抗が大きくなる
ことがある。
【0025】また、石英は573℃付近でαからβ、β
からαへの転移が生じるので60重量%より多くの石英
を含んでいると焼結体製造時に亀裂が入ったり割れたり
していることがある。そのため大きな寸法、例えば30
cm×15cm角以上の大きさの板や、肉厚の異なる複雑形
状のタイル製品には不適である。石英が20重量%より
少ないということは、石英が製造工程において活性の高
い元素(例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ
類)と反応結合して他の化合物になったと考えられ、そ
の際きじが溶化して収縮および緻密化し、寸法精度、機
械加工性が劣化する。
【0026】CaとAlとSiの複酸化物は、ほぼCa
O・Al2 3 ・2SiO2 で表わされるアノルサイト
(灰長石)や、ほぼ2CaO・Al2 3 ・SiO2
表わされるゲーレナイトなどがある。また、CaとMg
とSiの複酸化物は、ほぼ2CaO・MgO・2SiO
2 で表わされるアケルマナイトなどがある。さらに、C
aとSiの複酸化物は、ほぼCaO・SiO2 で表わさ
れるワラストナイト(珪灰石)などがある。
【0027】これら3つの複酸化物を合わせた量が30
〜70重量%の範囲内にあることは寸法精度が高いため
の要件であり、さらに開気孔の分布か本発明の範囲内に
あることの相乗作用によって、機械加工性、強度、低比
重などの諸特性に優れた焼結体であるための要件でもあ
る。
【0028】これら3つの複酸化物を合わせた量が70
重量%を越えると、きじを構成する粒子間の結合力が弱
く、強度はきわめて低い。逆に30重量%より低いと、
結合強度は高いものの、比重が高く機械加工時の抵抗が
大きい。また、焼結体製造時に大きな収縮やひずみを伴
なうため寸法精度の高い製品が製造しにくい。そのため
大きな寸法、例えば30cm×15cm角以上の大きさの板
や肉厚の異なる複雑形状のタイル製品には不適である。
【0029】さて、上述の焼結体は、たとえば次のよう
な方法で製造できる。すなわち、20〜70重量%の高
シリカ沸石と、5〜40重量%の石灰質原料および/ま
たは5〜60重量%のセルベンと、10〜50重量%の
粘土とを含む混合物、または20〜70重量%の高シリ
カ沸石と、5〜40重量%の石灰質原料および/または
5〜60重量%のセルベンと、5〜20重量%の珪灰石
と、10〜50重量%の粘土とを含む混合物を作成す
る。高シリカ沸石、石灰質原料、珪灰石の使用は本発明
に規定するCaを含む複酸化物を含有させるために効果
がある。また、粘土は高シリカ沸石やセルベンは0.2
5〜5mmメッシュを通した細かさが好ましい。0.25
mmメッシュより大きな粒子の高シリカ沸石やセルベンを
用いることは、本発明に規定するように2μm未満の気
孔を20容積%以下に抑えるために効果がある。
【0030】次に、混合物は、所望の形状に成形され
る。この成形は、乾式プレス成形法、押出し成形法、鋳
込み成形法等、周知の成形法によることができるが、成
形を容易にするため、含水率が乾式プレス成形法におい
ては5〜15重量%、押出し成形法においては15〜2
2重量%、鋳込み成形法においては20〜30重量%の
範囲になるように加水するのが好ましい。
【0031】成形によって得られた成形体は、自然に、
または、強制的に乾燥する。強制的に乾燥するときは、
粘土の量等によって異なるものの、10℃/分程度以下
の速度で昇温し、500℃程度以下の温度で乾燥するの
が好ましい。
【0032】焼成は、1050〜1250℃の範囲で行
う。昇温速度は、成形体の厚みや形状等によって異なる
ものの、50℃/分程度以下とするのが好ましい。
【0033】焼結体の表面に釉薬を施すことはできる。
この場合は焼成前に釉薬をかけ、焼成によってガラス質
の被覆面を作る。あるいは焼成後の焼結体においては釉
薬をかけた後、再度熱処理をする。また、シリコーンや
パラフィン等の撥水処理剤の塗布、防水コーティングな
どの措置をとることもできる。
【0034】また、建築用等に供するものでは、表面の
意匠性を変えるために、表面に凹凸を与えたり、原料中
に着色用の顔料や粗粒子を添加してもよい。
【0035】以下において、細かさが0.5mmメッシュ
以下の、石英を主とする不純物を約45重量%含む斜ブ
チロル沸石と、石灰石を900℃で焼成した得た、細さ
が0.05mmメッシュ以下の生石灰と、細かさが0.5
mmメッシュ以下の、磁器タイルの素焼工程で発生した不
良素地を粉砕して得たセルベンと、アスペクト比が約2
0で、細かさが0.25mmメッシュ以下の珪灰石と、細
かさが0.01mmメッシュ以下の本山木節粘土と、細か
さが0.149mmメッシュ以下の大平長石とを使用する
実施例によってこの発明をさらに詳細に説明する。
【0036】
【実施例1】40重量%の斜プチロル沸石と、30重量
%の生石灰と、30重量%の本山木節粘土とからなる混
合物を含水率が約9重量%になるように加水した後、油
圧プレス機を使用して幅100mm、長さ200mm、厚み
も10mmの板を成形し、150℃で乾燥した。成形時の
圧力は150kgf/cm2 とした。
【0037】次いで、上記成形体をローラハースキルー
ンを使用して1100℃で1時間焼成し、焼結体を得
た。
【0038】上記焼結体について、前述した方法により
吸水率、開気孔の分布、主要な結晶性成分の量を調べ
た。すなわち、吸水率はJIS A5209−1987
に規定された吸水試験、開気孔の分布は水銀圧入法、主
要な結晶性成分はX線回析法を用いた。
【0039】さらに、上記焼結体について、機械加工性
を調べた。また、長さ方向における収縮率と、比重と、
曲げ強さを調べた。なお、機械加工性は、呼び径5mmの
鋼製ドリルによる穴あけ加工とダイヤモンドの丸刃によ
る切断加工とによって、割れや加工部周囲の欠けの発生
状況から調べた。
【0040】上記焼結体を調べた結果、吸水率は12%
であった。開気孔は直径0.01〜150μmの間の分
布が 直径2μm未満は全体の 10容積% 直径2〜20μmは全体の 85容積% 直径が20μmより大きいものは全体の 5容積% であった。主要な結晶性成分としては、石英、灰長石、
ゲーレナイト、カルシア(CaO)が同定された。定量
分析の結果、石英は35重量%であった。また、灰長石
とゲーレナイトの和は45重量%であった。この結果よ
り、この焼結体は本発明の範囲内であることがわかる。
【0041】機械加工性については、穴あけ加工、切断
加工、いずれもわずかな抵抗で加工が進み、割れや欠け
の発生は認められなかった。
【0042】収縮率は2.2%、比重は1.73、曲げ
強さは230kgf/cm2 であった。収縮率が小さいという
ことは、すなわち、反りやひずみも少なく、寸法精度が
良好といえる。そのためさらに大きな寸法、例えば30
×15cm角以上の板や肉厚の異なる複雑形状のタイル製
品の用途に適している。また、比重1.73と軽量であ
り、曲げ強さも優れている。
【0043】
【実施例2】60重量%の大平長石と、10重量%の生
石灰と、30重量%の本山木節粘土とからなる混合物を
使用したほかは実施例1と同様にして成形体を作り、焼
結体を得た。
【0044】この焼結体について実施例1と同様に試験
した結果、吸水率は3.5%であった。開気孔は直径
0.01〜150μmの間の分布が 直径2μm未満は全体の 47容積% 直径2〜20μmは全体の 40容積% 直径が20μmより大きいものは全体の 3容積% であった。主要な結晶性成分としては、石英、正長石、
曹長石、灰長石、ゲーレナイト、カルシアが同定され
た。定量分析の結果、石英は30重量%であった。ま
た、灰長石とゲーレナイトとの和は20重量%であっ
た。この結果から、この焼結体は本発明の範囲外であ
る。
【0045】機械加工性については、穴あけ加工、切断
加工、いずれも抵抗が大きかった。また、穴あけ用の鋼
製ドリルは摩耗が激しく切れ味がすぐに劣化した。収縮
率は6.2%、比重は1.94、曲げ強さは340kgf/
cm2で、強度は高いものの、収縮率、比重が大きく、寸
法精度や軽量性に劣っている。
【0046】
【実施例3】40重量%の斜プチロル沸石と、10重量
%の生石灰と、10重量%のセルベンと、10重量%の
珪灰石と、30重量%の本山木節粘土とからなる混合物
を使用したほかは実施例1と同様にして成形体を作り、
焼結体を得た。
【0047】この焼結体について実施例1と同様に試験
した結果、吸水率は14%であった。開気孔は直径0.
01〜150μmの間の分布が 直径2μm未満は全体の 5容積% 直径2〜20μmは全体の 88容積% 直径が20μmより大きいものは全体の 7容積% であった。主要な結晶性成分としては、石英、灰長石、
ゲーレナイト、珪灰石、カルシア、曹長石が同定され
た。定量分析の結果、石英は40重量%であった。ま
た、灰長石、ゲーレナイト、珪灰石の和は40重量%で
あった。この結果より、この焼結体は本発明の範囲内で
あることがわかる。
【0048】機械加工性は、実施例1と同様良好であっ
た。収縮率は1.5、比重は1.71、曲げ強さは25
0kgf/cm2 であった。これも実施例1と同様、高寸法精
度、軽量でかつ高強度という良好な特性を示している。
【0049】
【実施例4】10重量%の斜プチロル沸石と、30重量
%の生石灰と、30重量%のセルベンと、30重量%の
本山木節粘土とからなる混合物を使用したほかは実施例
1と同様にして成形体を作り、焼結体を得た。
【0050】この焼結体について実施例1と同様に試験
した結果、吸水率は20%であった。開気孔は直径0.
01〜150μmの間の分布が 直径2μm未満は全体の 15容積% 直径2〜20μmは全体の 60容積% 直径が20μmより大きいものは全体の 25容積% であった。主要な結晶性成分としては、石英、灰長石、
ゲーレナイト、カルシア、曹長石が同定された。定量分
析の結果、石英は30重量%であった。また、灰長石と
ゲーレナイトの和は40重量%であった。この結果か
ら、この焼結体は開気孔の分布が本発明の範囲をはずれ
ている。
【0051】機械加工性は悪く、切断加工や穴あけ加工
の際に欠けや割れが発生した。収縮率は0.2%、比重
は1.50、曲げ強さは80kgf/cm2 であった。曲げ強
さがきわめて低いことがわかる。
【0052】
【発明の効果】この発明は、20〜60重量%の石英
と、30〜70重量%の、Ca、AlおよびSiの複酸
化物、Ca、MgおよびSiの複酸化物、ならびに、C
aおよびSiの複酸化物とを含む陶器質焼結体であっ
て、その焼結体は開気孔を有し、直径が0.01〜15
0μmの開気孔のうち、直径2〜20μmの開気孔が7
5容積%以上を占め、直径2μm未満の開気孔は20容
積%以下であり、直径20μmを超える開気孔が10容
積%以下であることを特徴とする陶器質焼結体であるか
ら、実施例にも示したように、寸法精度、強度、機械加
工性、比重等の総合評価において優れた陶器質焼結体で
あることがわかる。亀裂や変形を生じにくいうえに、寸
法精度に優れることから、大きな寸法、例えば30cm×
15cm角以上の板や、肉厚の異なる複雑形状のタイル製
品の用途に適している。しかも比重が低いから軽量であ
る。
【0053】また、本発明品の気孔の分布は、機械加工
時の抵抗を弱め、工具やきじの損傷を抑える効果をも
つ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20〜60重量%の石英と、30〜70重
    量%の、Ca、AlおよびSiの複酸化物、Ca、Mg
    およびSiの複酸化物、ならびに、CaおよびSiの複
    酸化物とを含む陶器質焼結体であって、その焼結体は開
    気孔を有し、直径が0.01〜150μmの開気孔のう
    ち、直径2〜20μmの開気孔が75容積%以上を占
    め、直径2μm未満の開気孔は20容積%以下であり、
    直径20μmを超える開気孔が10容積%以下であるこ
    とを特徴とする陶器質焼結体。
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RU2750796C1 (ru) * 2021-02-02 2021-07-02 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Оренбургский государственный университет» Способ получения изделий строительной керамики

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