JP2600869B2 - 蓄冷式極低温冷凍機 - Google Patents

蓄冷式極低温冷凍機

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JP2600869B2 JP31581388A JP31581388A JP2600869B2 JP 2600869 B2 JP2600869 B2 JP 2600869B2 JP 31581388 A JP31581388 A JP 31581388A JP 31581388 A JP31581388 A JP 31581388A JP 2600869 B2 JP2600869 B2 JP 2600869B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は季土類金属を用いた合金または化合物を蓄
冷材とする蓄冷式極低温冷凍機に関するものである。
〔従来の技術〕
第7図は例えば、同一出願人による昭和63年11月9日
出願の明細書に示された従来の蓄冷式極低温冷凍機の一
種である三段膨脹式GM冷凍機を示す断面構成図である。
(1)は第3段蓄冷器で、蓄冷材として希土類を含む合
金または化合物、例えばGdRh等が用いられている。
(2)は第2段蓄冷器で、蓄冷材として鉛玉が用いら
れ、(3)は第1段蓄冷器で、蓄冷材として銅金網が用
いられている。(4)は第3段デイスプレーサ、(5)
は第2段デイスプレーサ、(6)は第1段デイスプレー
サである。(7)は第3段デイスプレーサ(4)の外周
からヘリウムガス(16)が漏れることを防ぐ第3段シー
ル、(8)は第2段デイスプレーサ(5)の外周からヘ
リウムガス(16)が漏れることを防ぐ第2段シール、
(9)は第1段デイスプレーサ(6)の外周からヘリウ
ムガス(16)が漏れることを防ぐ第3段シール、(10)
はホーニングパイプで作られ、3段になつているシリン
ダー、(11)はヘリウム圧縮機(13)で圧縮されたヘリ
ウムガス(16)を導入する吸気バルブで、(12)は同じ
くヘリウムガス(16)を排出する排気バルブ、(15)は
駆動モータ、(14)は駆動モーター(15)の回転を直線
運動に変換しこの動きに同期させて吸気バルブ(11)、
排出バルブ(12)を動作する駆動機構である。(17)は
ヘリウムガス(16)が膨張する第3段膨室、(18)は同
じく第2段膨張室、(19)も同じく第1段膨張室であ
る。(20)は第3段膨張室(17)で発生する冷凍により
超電導磁石(図示せず)を冷却する第3段サーマルステ
ージ、(21)は第2段サーマルステージ、(22)は第1
段サーマルステージである。また(23)は超電導磁石が
発生する磁束である。
次に動作について説明する。第8図は各膨張室(17)
〜(19)のP−V線図である。縦軸は各膨張室(17)〜
(19)の圧力、横軸は同じく容積である。まず第8図に
おけるの状態ではデイスプレーサー(4)〜(6)は
最下端にあり、吸気バルブ(11)が開き排気バルブ(1
2)が閉じているので各膨張室(17)〜(19)の圧力は
高圧PHになつている。次に→ではデイスプレーサー
(4)〜(6)が上に動き、それに伴い高圧のヘリウム
ガス(16)がそれぞれの蓄冷器(1)〜(3)を通じ
て、それぞれの膨張室に導入される。この間各バルブ
(11)、(12)は動かない。高圧のヘリウムガス(16)
はそれぞれの蓄冷器で冷却され、所定の温度まで冷却さ
れる。金属の比熱は10K以下になると一般に急激に小さ
くなる。しかし、ヘリウムの比熱は逆に大きくなるの
で、第3段蓄冷器(1)の効率が低下する。そこで4K台
の温度を得るためには、希土類金属を含む化合物または
合金例えば、GdRh等(以後希土類物質と定義する。)を
第3段蓄冷器(1)の蓄冷材に用いる必要が生じる。
第9図に蓄冷材の比熱を示す。希土類物質の比熱が大
きのはキユリー点がこの付近の温度にあるからで比熱が
大きい状態では強磁性体になつている。第8図のは膨
張室の容積が最大になつた状態であり、この時吸気バル
ブ(11)は閉じて排気バルブ(12)が開く。この時、高
圧のヘリウムガス(16)が低圧ガス部に膨張して冷凍が
発生しの状態になる。→ではデイスプレーサー
(4)〜(6)が下方に移動し低圧のヘリウムガス(1
6)を排出する。この時の低圧のヘリウムガス(16)は
各蓄冷器(1)〜(3)を冷却し、自身は昇温されヘリ
ウム圧縮機(13)に戻る。は膨張室の容積が最少にな
つた状態で、この時排気バルブ(12)は閉じ、吸気バル
ブ(11)が開き膨張室(17)〜(19)の圧力は低圧から
高圧になつての状態に戻る。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の蓄冷式極低温冷凍機は以上のように構成されて
いたので、超電導磁石を冷却する際に強磁性体である第
3段蓄冷器(1)の希土類物質が超電導磁石の発生する
磁場中を移動するので超電導磁石の発生する磁場を乱す
問題点があつた。
また、第10図に希土類物質であるGd0.5Er0.5RhのBHカ
ーブを示す。図より、その特性はヒステリシスを示す
が、この面積に比例した量の発熱があるので、磁場中で
蓄冷式極低温冷凍機を動作させると、発熱し、効率を低
下させるという問題点もあつた。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、磁場中で動作しても超電導磁石の発生する
磁場を乱さず、また、発熱による効率の低下もない蓄冷
式極低温冷凍機を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る蓄冷式極低温冷凍機は希土類金属を用
いた合金または化合物よりなる蓄冷材の周囲に、強磁性
体または超電導体からなる磁気シールド部材を設けたも
のである。
また、強磁性体よりなる磁気シールド部材に、磁気シ
ールド部材における温度勾配方向の熱伝導を防ぐ手段を
設けてもよい。
〔作用〕
この発明における蓄冷式極低温冷凍機は、外部からの
磁束が強磁性体からなる磁気シールド部材の中を通り、
シールド内へ侵入しないので、外部磁場に対する影響は
静的なもののみで、蓄冷材の移動による影響は受けない
ため、対策が簡単となる。
また、外部磁場が侵入しないので、蓄冷器は発熱せ
ず、効率の低下がない。
また磁気シールド部材が完全反磁性体である超電導体
であれば、シールド内に外部からの磁束は侵入できない
ので、上述と同様の作用がある。
また、磁気シールド部材は蓄冷器の周囲に設けられて
いるので両端部で温度の異なる二つの膨脹室に隣接する
ため、とくに強磁性体よりなる磁気シールド部材の場合
は温度勾配が生じる。そのため、強磁性体よりなる磁気
シールド部材に温度勾配方向の熱伝導を防ぐ手段を設け
れば冷凍効率が上昇する。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図(a)(b)は各々この発明の一実施例による蓄冷
式極低温冷凍機を示す断面構成図及び第1図(a)のB
−B線での断面図である。図において、(1)〜(23)
は従来装置と同一のものである。(24)は強磁性体から
なる円筒状の磁気シールド部材で、熱伝導率の低い材
料、例えばフエライト等よりなり、図に示すようにシリ
ンダー(10)の第3段部分より長くできている。
上記のように構成された蓄冷式極低温冷凍機において
は冷凍機の第3段蓄冷器(1)のまわりに強磁性体から
なる磁気シールド部材(24)が取り付けてあるので、磁
力線(23)は第1図(a)、(b)に示すように磁気シ
ールド部材の中を通り、シールド内に侵入することがで
きない。そこで強磁性を示す希土類物質からなる蓄冷材
を用いる第3段蓄冷器(1)が移動しても、外部磁界が
変動することはない。またシールド内に磁力線(23)が
侵入しないので磁界がなく、希土類物質が発熱すること
もないので冷凍効率が向上する。
なお、磁気シールド部材(24)は両端部で温度の異な
る二つの膨脹室(17)(18)に隣接し、温度勾配が生じ
るが、磁気シールド部材(24)は熱伝導率の低い材料が
でできているため、冷凍効率の低下を防ぐことができ
る。
第2図はこの発明の他の実施例による蓄冷式極低温冷
凍機を示す断面構成図であり、強磁性体よりなる磁気シ
ールド部材(24)にスリツト(25)を入れ、軸方向(温
度勾配方向)の熱伝導をさらに小さくしたものであり、
冷凍効率の低下をさらに防ぐものである。さらに第3図
はスリツト(25)の入つた磁気シールド部材(24)を二
重に設けたもので、各シールド部材(24)のスリツト
(25)が重ならないようにして設置されている。このよ
うにすることにより熱伝導は小さく抑えられ、かつシー
ルド効率は強くなる。また第4図に示すように複数個以
上の磁気シールド部材(24)を同軸上に設ければシール
ド効率が向上する。
また第5図(a)(b)に示すように、磁気シールド
部材(24)の材料として超電導体(例えばNbTi、Nb3S
b、Nb3Ge、Y系高温超電導材、Bi系高温超電導材)を超
電導状態で用いれば、完全反磁性を示すため、磁束が排
除されるので上記した実施例と同様の効果を示す。
また第6図に示すように、第3段サーマルステージ
(20)と第2サーマルステージ(21)を強磁性を示し比
較的熱伝導率の高い材料(例えばコバルト、ニツケル)
で作り、かつシリンダー(10)のまわりは強磁性体で熱
伝導率の低い材料(例えばフエライト)を用い、複数の
リング状の磁気シールド部材(24)をシリンダー(10)
に密着させて設ければ、コンパクトでかつ上述と同様の
効果が得られる。また上記実施例では3段膨脹式GM冷凍
機について述べたが、その他の希土類物質を蓄冷材に用
いる冷凍機(例えばスターリング冷凍機、ヴイマイヤー
冷凍機、ソルベー冷凍機等)に適用できることはいうま
でもない。
また上記実施例では超電導磁石の冷却に用いる冷凍機
について述べたが、SQUID等磁気的なノイズを嫌うセン
サー等の冷却にも使用できる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、希土類金属を用い
た合金または化合物よりなる蓄冷材の周囲に、強磁性体
または超電導体からなる磁気シールド部材を設けたの
で、外部磁界を乱すことがなく、また、効率の高い蓄冷
式極低温冷凍機が得られる効果がある。
さらに、上記強磁性体よりなる磁気シールド部材に、
磁気シールド部材における温度勾配方向の熱伝導を防ぐ
手段を設けることにより、冷凍効率の低下を防ぐ効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の一実施例による蓄冷式極低温
冷凍機を示す断面構成図、第1図(b)は第1図(a)
のB−B線での断面図、第2図,第3図,第4図,第5
図(a),及び第6図は各々この発明の他の実施例によ
る蓄冷式極低温冷凍機を示す断面構成図、第5図(b)
は第5図(a)のB−B線での断面図、第7図は従来の
蓄冷式極低温冷凍機を示す断面構成図、第8図は冷凍サ
イクルを示すP−V線図、第9図は蓄冷材の比熱の温度
特性を示す特性図、並びに第10図はGd0.5Er0.5RhのBH特
性を示す特性図である。 (1)……第3段蓄冷器、(17)……第3段膨脹室、
(24)……磁気シールド部材、(25)……スリツト なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守田 正夫 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−62760(JP,A) 特開 昭61−79952(JP,A) 実開 平1−97511(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類金属を用いた合金または化合物を蓄
    冷材とする蓄冷式極低温冷凍機において、上記蓄冷材の
    周囲に強磁体または超電導体からなる磁気シールド部材
    を設けたことを特徴とする蓄冷式極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の強磁性体よりなる磁気シー
    ルド部材は、上記磁気シールド部材における温度勾配方
    向の熱伝導を防ぐ手段を有することを特徴とする蓄冷式
    極低温冷凍機。
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JP2007333285A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Sumitomo Heavy Ind Ltd 蓄冷器式極低温装置

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