JP2599833Y2 - ファイリング表紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、折背部を介して一体と
なった表表紙部と裏表紙部とを有するファイリング表紙
に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記した種のファイリング表紙として
は、ファスナ−の綴背部両側の舌部を挿通させるための
スリット状切り込みを表表紙部や裏表紙部のあちこちに
設けたものがある。ここで一般的に用いられているファ
スナ−は、舌部を綴背部の両側に設けたファスナ−本体
と、このファスナ−本体の舌部をファイリング表紙の上
記スリット状切り込み及び綴じるシ−トの連綴穴に挿通
後、折曲固定する別体の押え部材よりなる金属製のもの
であるが、最近、別体の押え部材を用いることなく、単
に、綴背部のシ−ト対向面に粘着部を設けただけの金属
製のものも市販されるようになってきている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ファスナ−でシ−トを
綴じた後のファイリング表紙を、更に別のファイルなど
に綴じられるようになっていると都合が良い。しかもそ
の際、なるべく嵩張らないためには、上記した綴背部の
シ−ト対向面に粘着部を設けただけの金属製ファスナ
−、あるいは、それよりも肉厚の薄いファスナ−、従っ
て、軟質シ−トよりなるファスナ−であって所要箇所に
粘着部を設けたものを連綴固着可能とするものであると
更に都合が良い。また加えて、一旦、ファスナ−を粘着
部で連綴固着した後、再びそのファスナ−を剥離できる
ものであると、なお更に都合が良い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】スリット状切り込みであ
ったものに代え、シ−ト同様に連綴穴となったものを有
するものとする。それも、あちこちで対となったものが
存在しながらも使用にあたっては互いに独立であったも
のに代え、折背部近傍にあって、連綴穴の対同士が互い
に折背部を軸として線対称的に位置するものとする。加
えて、ファスナ−の粘着部と接し得る表側部分は、ファ
スナ−の固定及び固定したファスナ−の剥離を可能とす
る平滑面となったものとする。即ち、本考案は、折背部
を介して一体となった表表紙部と裏表紙部とを有するフ
ァイリング表紙であって、これら表表紙部及び裏表紙部
の折背部近傍に、それぞれ対となった連綴穴を、これら
連綴穴の対同士が互いに折背部を軸として線対称的に位
置するように設けてなり、ここで、対となった連綴穴
は、連綴固着用の粘着部を有する軟質シ−ト製のファス
ナ−の、綴背部両側の舌部を挿通し得るものであり、ま
た、ファスナ−の粘着部と接し得る表側部分は、ファス
ナ−の固定及び固定したファスナ−の剥離を可能とする
平滑面となっているファイリング表紙を要旨とする。

【０００５】

【実施例】添付図面に基づき一例の説明をする。図１に
おいて、参照符号Ｆ、Ｈ、Ｓは、それぞれ、ファスナ
−、ファイリング表紙、シ−トを示す。ファスナ−Ｆ
は、所定長さの綴背部１の両側に舌部２，３を有し、例
えば、綴背部１に粘着部を設けた前述金属製ファスナ−
であってよい。また、紙や軟質薄肉の合成樹脂、それに
アルミホイルといったような、より薄肉のものからな
り、舌部２，３にも片面全部、あるいは部分的に、粘着
部を有するものであってもよい。このファスナ−Ｆは、
図では「コ」字形に示してあるが、勿論、使用前は平坦
で粘着部には剥離シ−トを覆ったものであってよい。ま
た、シ−トＳとしては縦長左辺部に２穴パンチで穿孔さ
れた如き連綴穴４，５を一対有するものを図示してあ
る。

【０００６】ファイリング表紙Ｈは、表表紙部６と裏表
紙部７とが折背部８を介して一体になったもので、表表
紙部６には、やはり、２穴パンチで穿孔された如き一対
の連綴穴９，１０を折背部８の近傍に設けてある。ここ
で、連綴穴９，１０の折背部８からの各々の距離は等し
いものとしてある。また、図ではシ−トＳに隠れている
が、裏表紙部７にも一対の連綴穴が設けてある。この裏
表紙部７の連綴穴は、表表紙部６の連綴穴９，１０と、
折背部８を軸として線対称となる位置に設けられてい
る。

【０００７】従って、ファスナ−Ｆの舌部２，３を裏表
紙７の連綴穴からシ−トＳの連綴穴４，５へと通し、更
に表表紙６の連綴穴９，１０に通し、表側に出てきたも
のを折り曲げると、図２に示すようになる。連綴穴９，
１０は舌部２，３を通した後も、十分な隙間を有し、こ
の隙間を利用して、例えば、図３に示すように、別のフ
ァイルへの更なるファイリングが可能になっている。

【０００８】しかし、例えば、シ−トＳの差し替えなど
を希望する場合もある。このような場合のことも考慮
し、ファスナ−Ｆの連綴固着は可逆的であるのが望まれ
る。そこで、粘着しても剥離可能なように、ファイリン
グ表紙Ｈの粘着部と接し得る部分は、これを可能とする
平滑面になっている。例えば、ファイリング表紙Ｈが厚
紙などを基材とする場合、舌部２，３が互いに向き合っ
て近づくように固着する図示のファスナ−Ｆに対し、表
表紙部６の連綴穴９，１０間の部分及び図示しない裏表
紙部の連綴穴間の部分に平滑面を有する短冊状の、ポリ
エチレンやポリ塩化ビニル樹脂などのフィルムを貼着し
ておいたり、また、ファスナ−Ｆとして舌部２，３が互
いに離れ逆向きになるようなものを使用する場合も加味
して、図１や図２に参照符号１１で示す折り目までの部
分全体に平滑な樹脂コ−ティングとか厚目の印刷とかを
施しておいたり、あるいは、ファイリング表紙Ｈ全体を
平滑樹脂材で形成しておいたりする。尚、ここで、剥離
可能とするだけならば適宜樹脂材の使用などだけでも十
分であるが、例えば、梨地処理されたもののように表面
に凹凸を有するものであると、固定の確実性が損なわれ
るので好ましくない。

【０００９】以上、一例の説明をしたが、要旨を逸脱し
ない範囲で種々なせる。例えば、表表紙部６と裏表紙部
７とは必ずしも決定されたものでなくてもよい。実際、
上下逆にしての使用ができるものの場合、裏と表とは決
定されないことが多い。換言すると、ファスナ−の綴背
部１を粘着するのは表表紙部、裏表紙部いずれであって
もよい。また例えば、使用に当っては、ファスナ−Ｆの
舌部２，３を一方の表紙部の連綴穴からシ−トＳの連綴
穴４，５へと通した後、他方の表紙部の連綴穴に通す前
にシ−トＳ自体に粘着してしまうようにすることもでき
なくはない。更に例えば、折背部８としては背表紙部と
なるような幅を有するものとすることもできる。その
他、別目的のシ−ト綴じ用に適宜別部分に対となったス
リット状切り込みを設けておいたりしてもよい。

【００１０】

【考案の効果】本考案のファイリング表紙は、折背部を
介して一体となった表表紙部と裏表紙部とを有するファ
イリング表紙であって、これら表表紙部及び裏表紙部の
折背部近傍に、それぞれ対となった連綴穴を、これら連
綴穴の対同士が互いに折背部を軸として線対称的に位置
するように設けてなり、ここで、対となった連綴穴は、
連綴固着用の粘着部を有する軟質シ−ト製のファスナ−
の、綴背部両側の舌部を挿通し得るものであり、また、
ファスナ−の粘着部と接し得る表側部分は、ファスナ−
の固定及び固定したファスナ−の剥離を可能とする平滑
面となっているので、ファスナ−でシ−トを綴じた後、
ファイリング表紙ごと、更に別のファイルなどになるべ
く嵩張らないようにして綴じることができ、また、固着
力十分に連綴することも可能であり、しかも、ファスナ
−を粘着部で連綴固着した後、再びそのファスナ−を剥
離することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を説明するための斜視図。

【図２】図１のもののファスナ−綴じ後の一状態を示す
斜視図。

【図３】図２の状態にしたもの別ファイルへの更なる連
綴可能性を示す斜視図。

【符号の説明】

Ｆ ファスナ− Ｈ ファイリング表紙 Ｓ シ−ト １ 綴背部 ２ 舌部 ３ 舌部 ４ シ−トの連綴穴 ５ シ−トの連綴穴 ６ 表表紙部 ７ 裏表紙部 ８ 折背部 ９ 表表紙部の連綴穴 １０ 裏表紙部の連綴穴 １１ 折り目

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折背部を介して一体となった表表紙部と
   裏表紙部とを有するファイリング表紙であって、これら
   表表紙部及び裏表紙部の折背部近傍に、それぞれ対とな
   った連綴穴を、これら連綴穴の対同士が互いに折背部を
   軸として線対称的に位置するように設けてなり、ここ
   で、対となった連綴穴は、連綴固着用の粘着部を有する
   軟質シ−ト製のファスナ−の、綴背部両側の舌部を挿通
   し得るものであり、また、ファスナ−の粘着部と接し得
   る表側部分は、ファスナ−の固定及び固定したファスナ
   −の剥離を可能とする平滑面となっているファイリング
   表紙。