JP2598674B2 - 酵素含有水溶性マイクロカプセルの製造法 - Google Patents

酵素含有水溶性マイクロカプセルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、一般家庭用および業務用の液体状あるいは
ゲル状の含水洗剤(衣類の洗濯用、食器洗浄用、住居用
洗剤、シャンプー、身体洗浄用洗剤等)、液体含嗽剤、
ペースト状歯磨剤に配合するのに好適な酵素含有水溶性
マイクロカプセルの製造法に関する。
[従来の技術] 洗剤に酵素を配合することにより、洗浄効率の向上
等、洗浄に好ましい効果を与え得ることは当業者間の常
識であり、種々の酵素が使用されている。
例えば、人体汚垢に含まれるタンパク質を加水分解し
て洗浄効率を向上するプロテアーゼ、界面活性剤のみで
は除去し難い人体脂質中のトリグリセリドをジグリセリ
ドまたはモノグリセリドに変性して洗浄効率を向上させ
るリパーゼ、食器の汚れ等に含まれるデンプン質を加水
分解して汚れの除去を容易にするアミラーゼ、ドロ汚れ
の除去又は木綿布の洗浄仕上りの色を良くするセルラー
ゼ、溶菌作用による生菌数の減少および身体洗浄時に消
炎作用を示すリゾチーム等が配合されている。
これ等の酵素は、一般に乾燥状態では比較的安定であ
り、粉末洗剤に酵素が配合される場合は乾燥状態が維持
されるので、酵素の保存安定性は良好であるが、溶液状
態では、酵素の高次構造が変化し易いこと、水の共存下
では酵素が界面活性剤等の攻撃を受け変性し易いこと等
の理由から極めて不安定であり、容易に活性を失うこと
が知られている。
従って、業務用又は家庭用の液体状またはゲル状の含
水洗剤(以下、液体洗剤類という。)に酵素を配合する
場合に酵素の活性を長期間安定に維持することは、乾燥
状態、例えば粉末洗浄剤に酵素を配合する場合に較べれ
ば、はるかに技術的に困難であった。
液体洗剤類に配合した場合の酵素の不安定性を解決す
る為の対策として、従来より多くの提案がなされている
が、それらは酵素を直接液体洗剤類に溶解して種々の安
定化剤を共存させることで酵素の活性を維持しようとす
るものである。
すなわち、界面活性剤としてエチレンオキシド付加数
の大きいアルキルエトキシレートを用い、pHを8〜10.5
に調整し、カルシウム塩を添加する方法(特開昭58−80
397号)、亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤とプロプレ
ングリコール等を添加する方法(特開昭55−27378
号)、アルコキシル化されたアルキルアミンを添加する
方法(特開昭53−16012号)、ポリヒドロキシ化合物と
ホウ酸とを添加する方法(特開昭53−57209号)、遊離
カルシウムイオンとクエン酸等のポリ酸とを添加する方
法(特開昭52−128904号)、窒素化合物と低級カルボン
酸塩とを添加する方法(特開昭47−3733号)等が提案さ
れているが、これら多くの提案にもかかわらず、液体洗
剤類に配合された酵素の保存中の安定性は、実用上十分
とは言い難いというのが実状であった(C.A.Strace,J.A
mer.Oil Chem.Soc.,60,1025,1983)。
周囲の環境から芯物質を保護し、芯物質の外界への放
出時期、場所、速度を制御し得る技術としてマイクロカ
プセル化法がある(化学工学,46(10)547−551,1982
等)。
本出願人は前記マイクロカプセルの優れた機能に着眼
し、酵素をマイクロカプセル化することにより液体洗剤
類に配合した場合に実用に耐え得る性能を有する酵素製
剤を得るべく、検討を続けてきた。
液体洗剤類に配合した場合に実用に耐え得る性能を有
する酵素含有マイクロカプセルとは、該マイクロカプセ
ルの皮膜が、液体洗剤類に対して不溶であり、保存時に
は液体洗剤類に含まれる界面活性剤等の酵素活性を阻害
する成分から酵素を安定に保護し得るものであり、か
つ、使用時多量の水に接した時には、該皮膜が溶解又は
崩壊して、芯物質である酵素を速やかに水中に放出する
ことが出来るというような性能を合わせて満足するもの
でなけれなならない。
本出願人は、このような性能を満足する水溶性皮膜物
質として限定されたポリビニールアルコールまたはその
誘導体を提案している(特願昭61−263842号)。
このような液体洗剤類に配合するのに好適な酵素含有
水溶性マイクロカプセルを製造する上での技術上の困難
は、酵素を含んだ水溶性の芯物質を水溶性の皮膜物質、
特にポリビニールアルコールの如く水以外に溶解しない
水溶性皮膜物質で被覆せねばならない点にある。
従来より、水溶性物質を水溶性皮膜で被覆したマイク
ロカプセルを製造する方法としては、例えば特公昭50−
22506号に代表されるような噴霧乾燥による方法、特開
昭60−172343号に記載されているようなノズル法による
多重マイクロカプセルの製造方法、特開昭61−254244号
に記載されているようなコアセルベーション法などが知
られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、噴霧乾燥法では皮膜形成させる乾燥工
程で溶媒を蒸発除去させるために細孔を生じ、緻密な皮
膜を形成することが困難であり、この方法で得られたマ
イクロカプセルは、例えば、粉末洗剤に配合する場合の
如く、乾燥状態で保存する時には大きな障害とはならな
いが、液体洗剤に配合する場合のように液体中に保存す
る時には、細孔を通じて、液体及びその溶解成分が皮膜
内に侵入し、酵素の保護効果が不十分であるという欠点
があった。
また、コアセルベーション法によるマイクロカプセル
は芯物質と皮膜の分離が不十分なため、皮膜中に酵素な
ど芯物質成分や溶媒の水が混在して皮膜の緻密性が不十
分であること、この方法は多量の溶媒を必要とするため
回収、精製などの費用を必要とし、経済的に不利である
などの欠点を有していた。
一方、多重マイクロカプセルは、汚れの原因となる水
不溶性物質を保護層として使用するので、洗浄用途には
望ましくないこと、ノズル法により製造するために、粒
径が大きく、そのため液体洗剤類に配合したときの分散
性が悪いなどの欠点があった。
従って、本発明の目的は、液体洗剤類に配合するのに
好適な、水溶性酵素含有マイクロカプセルの製造法を提
供することにある。すなわち、酵素を含有する水溶性の
芯物質を、液体洗剤類に不溶であり、かつ使用時に容易
に水に溶解する水溶性皮膜形成物質、例えば限定された
ポリビニールアルコールからなる緻密皮膜で被覆した水
溶性酵素含有マイクロカプセルの製造法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね
た結果、衝撃的打撃手段および剪断的手段を用いる固体
粒子の表面改質方法(特開昭62−40636号)を応用する
ことにより上記目的が達成されることを見出し、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも1種類の酵素を含有す
る第1の固体粒子の表面に、予め水溶性皮膜形成物質を
含む第2の固体粒子を付着させておき、この第2の固体
粒子を第1の固体粒子の表面に固着させ、さらに第2の
固体粒子の全部または1部を軟化、溶融させて成膜化す
ることを特徴とする酵素含有水溶性マイクロカプセルの
製造法である。
[発明の構成] 酵素 本発明の製造方法でマイクロカプセル化の対象となる
酵素としてはプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セ
ルラーゼ、リゾチームなどの洗剤用酵素が例示される。
その起源は動物、植物、微生物のいずれの起源でもよい
が、好ましくは微生物起源の酵素、さらに好ましくは、
微生物起源の中性あるいはアルカリ領域で活性を有する
酵素が用いられる。
このような酵素の具体例としては、例えばBacillus L
icheniformis(バチラス リケニフォルミス)、Bacill
us Subtilis(枯草菌)、Bacillus firmus(バチラス
ファーマス)、BacillusSP.FERM.BP−93(特開昭58−13
4990号)、Bacillus alcalophilus(バチラス アルカ
ロフィラス)の様な菌株により生産されるプロテアー
ゼ; Bacillus subtilis(枯草菌)、Bacillus licheniformi
s(バチラス リケニホルミス)、Aspergillus oryzae
(アスパラギラス オリゼ)の様な菌株により生産され
るアミラーゼ; Mucor lipolyticus(ムコール リポリティカス)、Can
dida cylindracea(キャンディダ シリンドラス)、P
seudomonus nitroreducens fragi(シュードモナス ニ
トロリデューセンス)、Pseudomonus(シュードモナス
フラジ)、Chromobacterium viscosum(クロモバクテ
リウムビスコサム)、Rhizopus delemer(リゾプス デ
レマー)等の菌株により生産されるリパーゼおよび豚等
の動物膵臓より分離されるリパーゼ:Bacillus Pasteri
(バシラス パスツール)、Trichoderma viride(トリ
コデルマ ビリデ)、Aspergillus niger(アスペルギ
ラス ニガー)等の菌株により生産されるセルラーゼあ
るいはヘミセルラーゼ; 鶏卵白リゾチームおよびBacillus subtilis(枯草
菌)等の菌株により生産されるリゾチームが挙げられ
る。
第1の固体粒子 マイクロカプセルの芯物質を構成する第1の固体粒子
は少なくとも1種類の酵素を含有するものである。酵素
の含有量は、最終製品の力価をいくらに設定するかで決
まるが、通常第1の固体粒子に対して1重量%から40重
量%までの範囲で添加される。
さらに第1の固体粒子は少なくとも1種類の酵素安定
化剤および結合剤を含み、必要に応じて増白剤、増量剤
等を含んでもよい。
酵素安定化剤としては、アルカリ土類金属塩、例えば
酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウムな
ど、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸とその誘導体な
ど、およびコロイド生成保護剤、例えばアミノ酸、ポリ
ペプチドとその誘導体などが例示される。酵素安定化剤
の添加量は、酵素に対して10重量%以上500重量%以
下、好ましくは100重量%以上350重量%以下である。安
定化剤の量が過少な場合は安定化効果が不十分であり、
過多な場合は添加量の増加に見合うだけの安定化効果の
増加が得られない。
結合剤は、酵素や酵素安定化剤の支持体および固体粒
子の強度、形状保持などの目的で含まれる。例えば、天
然又は合成の水溶性高分子が用いられる。結合剤は、酵
素に対して50重量%以上300重量%以下が添加される。
結合剤の添加量が過少の場合には、強度が不十分とな
り、後述の如く衝撃的打撃手段および剪断的手段による
皮膜形成に耐えられない。
上記の組成からなる第1の固体粒子の形状は、球ある
いは楕円球が望ましく、凸部のみからなる不定形のもの
も使用可能であるが、板状、凹部のある不定形は完全な
皮膜形成が困難であるため適用できない。また後述する
衝撃的打撃手段および剪断的手段により破砕しない強度
が必要である。
第1の固体粒子の粒径は、平均粒径で10μm以上200
μm以下、好ましくは30μm以上100μm以下である。
第1の固体粒子の製造法は、上記の形状、強度、粒径
を満足する粒子が得られるものであれば、特に限定され
ないが、例えば噴霧冷却法などが挙げられる。
第1の固体粒子のもう1つの形態は、無機あるいは有
機化合物の多孔質球あるいは多孔質壁中空球に、酵素お
よび酵素安定化剤を吸着ないし担持させたものである。
無機あるいは有機化合物の多孔質球あるいは多孔質壁中
空球は、例えばシリカ、その他の無機無溶性塩のものが
市販されており、大阪工業技術試験所季報、30(2)、
98、1979に記載の方法により製造されたシリカ球形粒子
等が入手し得る(鈴木油脂株式会社,ゴッドボールな
ど)。
これら多孔質球あるいは多孔質壁中空球を酵素および
酵素安定化剤、必要があればさらに結合剤を加えた水溶
液に浸し、酵素等を吸着させるか、または減圧下で多孔
質球あるいは多孔質壁中空球の空気を前記の水溶液と置
換した後に、濾別し、さらに必要があれば乾燥すること
により、第1の固体粒子のもう1つの形態が得られる。
第2の固体粒子 皮膜を構成する第2の固体粒子は、例えば衣類の洗
剤、食器洗浄用洗剤、住居用洗剤、シャンプー、身体洗
浄用洗剤等の一般家庭用および業務用の液体状あるいは
ゲル状の含水洗剤、液体含嗽剤、ペースト状歯磨剤に対
しては不溶であり、使用時に多量の水に接すると溶解あ
るいは崩壊する性質を有する皮膜形成物質を含むもので
ある。このような水溶性皮膜形成物質としては、平均重
合度200〜3,500、ケン化率90%以上のポリビニールアル
コールが例示される。
第2の固体粒子としては、上記の水溶性皮膜形成物質
を含浸または担持または被覆した無機化合物微粒子(酸
化チタン、シリカなどが例示される)を用いることがで
きる。
第2の固体粒子の平均粒径は第1の固体粒子の平均粒
径の1/10以下であり、平均粒径比がこれより大きくなる
と第1の固体粒子の表面への第2の固体粒子の付着が不
十分となり、不完全な皮膜を生ずる原因となり易い。
また、第2の個体粒子の最大粒径は、第1の個体粒子
の最小粒径より小さくなければならない。そうでないと
第1の個体粒子を第2の個体粒子の皮膜で被覆する当初
の目的が達成されない。少なくとも両者の差は、第1の
固体粒子の最小粒径の60%以上であることが望ましい。
マイクロカプセルの製造法 本発明のマイクロカプセル製造法は、第1の固体粒子
の表面に第2の固体粒子を均一に付着させる工程と、第
1の固体粒子の表面に第2の固体粒子が均一に付着した
状態の混合物を衝撃的打撃処理装置に導き、衝撃的打撃
手段および剪断的手段により第2の固体粒子を第1の固
体粒子表面に強固に固着させ、更に第2の固体粒子を軟
化、溶融させて成膜化させる工程の2工程からなる。
第1の工程では、第1の固体粒子の表面の周囲に第2
の固体粒子を均一に付着させた所謂オーダード・ミクス
チュアを形成する。付着の操作は、従来公知のミキサー
あるいは攪拌機を用い混合攪拌することにより達成され
る。
第1の固体粒子と第2の固体粒子の配合比は、平均粒
径の比から計算される理論配合比に基づき、実験的に決
める。通常は、理論配合比より第2の固体粒子を数%〜
10%多めに添加する。
第1の固体粒子と第2の固体粒子との付着力は主とし
て静電力よるので、付着性は個々の粒子の組成や物性に
よって定まる誘電特性によって異なる。両者の付着性が
不十分でない場合には、表面誘電特性を変える目的で予
め第1の固体粒子および/または第1の固体粒子の表面
に第3の固体粒子を付着、衝撃的打撃手段および剪断的
手段による固着化、さらに必要ならば軟化、溶融して成
膜化する処置を行ない、両固体粒子の表面誘電特性の差
が大きくなるように変える。第3の固体物質は実験的に
適切なものを選ぶ必要がある。
付着の工程で得られたオーダード・ミクスチュアは、
配合比が適切ならば、第1の固体粒子の表面に第2の固
体粒子が単層状に整然と付着した混合物として得られ
る。
上記オーダード・ミクスチュアは、第2の工程で衝撃
的打撃手段および剪断的手段によりマイクロカプセル化
する。衝撃的打撃手段および剪断的手段によりマイクロ
カプセル化する装置としては、例えば、高速回転する回
転盤の外周に所定間隔をおいて放射状にハンマー型また
はプレート型の複数の衝撃ピンを周設し、衝撃ピンの最
外周軌道面に沿い一定の間隔を保って周設された衝突リ
ングを設けた衝撃室を備えた奈良機械製作所のハイブリ
ダイゼーションシステムNHS−0〜5型が好適に用いら
れる。
本発明では、第1の固定粒子に付着した第2の固体粒
子を一度固着した後、再度第2の固体粒子を軟化、溶融
し成膜化してもよいし、固着化と軟化、溶融による成膜
化を同時に行ってもよい。
固着化かつ成膜化に至る一連の処理における系内温度
は酵素が失活しないような温度に保つ必要があり、酵素
の熱安定性によるが、通常130℃以下、好ましくは100℃
以下に保つ。
系の温度が130℃を超える温度では、酵素が失活し、
酵素活性の回収率が悪化する原因となる。
衝撃ピンの周速は、60〜100m/s、好ましくは、70〜90
m/sとする。周速が60m/s未満では処理に時間がかかり過
ぎ、周速が100m/sを超えると酵素の失活が増え、酵素活
性の回収率が悪化する原因となる。
本発明の方法によれば、水不溶性の保護層を必要とす
ることなく、酵素を含有する水溶性の芯物質を直接に水
溶性皮膜で被覆した水溶性酵素含有マイクロカプセルが
得られ、また、溶媒を使用することなく皮膜形成が出来
るため、溶媒を蒸発除去する際に発生する細孔もなく、
かつ酵素等の芯物質中に含まれる水溶性成分の混入もな
い緻密な皮膜を有する水溶性酵素含有マイクロカプセル
が得られる。
本発明の方法により得られる、酵素、酵素安定剤を含
有する芯物質と、特定のポリビニルアルコールの如き液
体洗剤類に不溶でかつ多量の水と接すると溶解する水溶
性皮膜形成物質の皮膜からなる水溶性の酵素含有マイク
ロカプセルは、液体洗剤類に配合した場合も良好に酵素
活性を保持し、かつ使用時には速やかに溶解して酵素を
放出するような性能を有し、液体洗剤類に配合するのに
好適である。
[実施例] 以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明を説
明するが、本発明は下記の例により限定されるものでは
ない。
実施例1 アルカリプロテアーゼ AP−21:ポリエチレングリコ
ール(平均分子量7,800−9,000):酢酸カルシウム=2:
6:2(重量比)の水溶液を調整し、噴霧冷却法によりプ
ロテアーゼ活性400kpu/g、平均粒径55μmの芯物質とな
る固体粒子を作製した。この芯物質固体粒子と、ポリビ
ニルアルコール(平均重合度1,500、ケン化度98〜99モ
ル%)をコーティングした酸化チタン粉末(平均粒径3
μm)とをミキサーにかけ、オーダード・ミクスチュア
を得た。
このオーダード・ミクスチュアを奈良機械製作所製ハ
イブリダイゼーションシステム NHS−O型機(以下、
粉体衝撃装置という。)に導入し、周速90m/s、温度85
℃、処理時間5分の条件で、成膜化処理を行った後、排
出してプロテアーゼ含有マイクロカプセルを得た。
成膜化処理工程でのプロテアーゼ活性の回収率は96%
であった。上記マイクロカプセルは走査電子顕微鏡によ
る観察でポリビニルアルコールの皮膜形成が確認され
た。また、このものは、水分50%の市販液体洗剤中では
溶解せず良好に分散したが、水中では容易に溶解し酵素
を水中に放出した。
比較例1 実施例1で得たオーダード・ミクスチュアを粉体衝撃
装置に導入し、周速90m/s、温度135℃、処理時間5分の
条件で、成膜化処理し、酵素含有マイクロカプセルを得
た。
成膜化処理工程での酵素活性回収率は、75%であっ
た。
比較例2 実施例1で得たオーダード・ミクスチュアを粉体衝撃
装置に導入し、周速105m/s、温度85℃、処理時間5分の
処理条件で成膜化し、排出して酵素含有マイクロカプセ
ルを得た。上記マイクロカプセルは、走査電子顕微鏡に
よる観察では一部が粉砕されており、プロテアーゼ活性
回収率は80%であった。また、このものは上記市販液体
洗剤中では、一部が溶解してしまった。
比較例3 実施例1で得たオーダード・ミクスチュアを粉体衝撃
装置に導入し、周速40m/s、温度85℃、処理時間10分の
処理条件で成膜化を行い製品を得た。この製品は走査電
子顕微鏡による観察では、一部しか成膜化していなかっ
た。当然のことながら、このものは、上記市販液体洗剤
中で、そのほとんどが溶解してしまった。
実施例2 α−アミラーゼおよび塩化カルシウムの水溶液を調整
し、シリカの多孔質球(平均粒径100μm、表面細孔径4
0〜400オングストローム、吸油量250ml/100g)を上記水
溶液に混入し、攪拌後、減圧吸引して多孔質球中の空気
を除去した。多孔質球を濾別した後、減圧室温下で乾燥
し、α−アミラーゼを包含したシリカ多孔質球(アミラ
ーゼ力価:16,000nkatal/g)の芯物質を得た。上記芯物
質とポリビニールアルコール(平均重合度1,700、ケン
化度98〜99%)の微粉(平均粒径10μm)をミキサー中
で混合し、オーダード・ミクスチュアを得た。
上記オーダード・ミクスチュアを粉体衝撃装置に導入
し、周速95m/s、温度95℃、処理時間6分の条件で、成
膜化を行った後、排出してα−アミラーゼ含有マイクロ
カプセルを得た。成膜化処理工程での酵素活性の回収率
は94%であった。
上記マイクロカプセルは、走査電子顕微鏡による観察
でポリビニルアルコールの皮膜形成が確認された。ま
た、このものは上記市販液体洗剤中で溶解せず、良好に
分散するが、温水中では容易に溶解し酵素を放出した。
液体洗剤中の保存安定性試験 市販液体洗剤中に1重量%相当の実施例1または実施
例2で得られた酵素含有マイクロカプセルを入れて分散
させた後、40℃30日間保存した後、活性を測定し、活性
残存率を測定した。対照として実施例1または実施例2
で得られた、まだ皮膜形成していない芯物質を用い、同
様の操作を行った。
実施例1のプロテアーゼ含有マイクロカプセルの40℃
30日間の保存試験後の活性残存率は83%であったが、対
照の皮膜形成していない芯物質と活性残存率は32%であ
った。
実施例2のα−アミラーゼ含有マイクロカプセルの40
℃30日間の保存安定性試験後の活性残存率は85%であっ
たが、対照の皮膜形成していない芯物質の活性残存率は
26%であった。
[発明の効果] 本発明の水溶性酵素含有マイクロカプセルの製造法に
よれば、 (1)水不溶性の保護層を必要とすることなく、酵素を
含有する水溶性芯物質を直接に水溶性皮膜で被覆したマ
イクロカプセルを得ることが出来る。
(2)溶媒を使用することなく皮膜形成を行わせること
ができ、従って、溶媒を蒸発除去する際に発生する細孔
がなく、かつ酵素等の芯物質に含有させる水溶性成分の
混入がない緻密な皮膜を有するマイクロカプセルを得る
ことが出来る。
(3)粒径が100μm以下のマイクロカプセルを得るこ
とが出来、液体洗剤類に配合した場合に、分散性の良い
酵素含有マイクロカプセルを得ることが出来る。
(4)芯物質に酵素および酵素安定化剤を含有し、限定
されたポリビニルアルコールを皮膜形成物質として得ら
れる水溶性の酵素含有マイクロカプセルは、液体洗剤類
では溶解せず、保存中酵素の活性を安定に保持し、水に
溶解した場合には容易に溶解し酵素を放出する性能をも
つ液体洗剤類に配合するのに好適な酵素製剤を提供す
る。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種類の酵素を含有する第1の
    固体粒子の表面に、予め水溶性皮膜形成物質を含む第2
    の固体粒子を付着させておき、この第2の固体粒子を第
    1の固体粒子の表面に固着させ、さらに第2の固体粒子
    の全部または1部を軟化、溶融させて成膜化することを
    特徴とする酵素含有水溶性マイクロカプセルの製造法。
  2. 【請求項2】衝撃的打撃手段および剪断的手段を用いて
    第2の固体粒子を第1の固体粒子の表面に固着させ、さ
    らに第2の固体粒子の全部または1部を軟化、溶融させ
    て成膜化する特許請求の範囲第1項に記載の酵素含有水
    溶性マイクロカプセルの製造法。
  3. 【請求項3】第2の固体粒子を第1の固体粒子の表面に
    固着させ、さらに第2の固体粒子の全部又は1部を軟
    化、溶融させて成膜化させる工程の系の温度が130℃以
    下であり、かつ第2の固体粒子を軟化、溶融させるのに
    充分な温度である特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載の酵素含有マイクロカプセルの製造法。
  4. 【請求項4】水溶性皮膜形成物質が、液体状あるいはゲ
    ル状の含水洗剤、液体含嗽剤、ペースト状歯磨剤に対し
    ては不溶性であり、使用時に多量の水に接すると溶解あ
    るいは崩壊するものである特許請求の範囲第1項、第2
    項または第3項に記載の酵素含有水溶性マイクロカプセ
    ルの製造法。
  5. 【請求項5】液体状あるいはゲル状の含水洗剤、液体含
    嗽剤およびペースト状歯磨剤に対しては不溶であり、使
    用時に多量の水に接すると溶解あるいは崩壊する水溶性
    皮膜形成物質が、平均重合度200〜3,500、鹸化率90%以
    上のポリビニールアルコールである特許請求の範囲第4
    項に記載の酵素含有水溶性マイクロカプセルの製造法。
  6. 【請求項6】第1の固体粒子が、少なくとも1種類の酵
    素、少なくとも1種類の酵素安定化剤および少なくとも
    1種類の結合剤を含んでいる特許請求の範囲第1項乃至
    第5項のいずれかの項に記載の酵素含有マイクロカプセ
    ルの製造法。
  7. 【請求項7】第1の固体粒子が、少なくとも1種類の酵
    素および少なくとも1種類の酵素安定化剤を吸着、担持
    あるいは含浸させた無機あるいは有機化合物の多孔質球
    または多孔質壁中空球である特許請求の範囲第1項乃至
    第5項のいずれかの項に記載の酵素含有マイクロカプセ
    ルの製造法。
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