JP2597659Y2 - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

Info

Publication number
JP2597659Y2
JP2597659Y2 JP1992028196U JP2819692U JP2597659Y2 JP 2597659 Y2 JP2597659 Y2 JP 2597659Y2 JP 1992028196 U JP1992028196 U JP 1992028196U JP 2819692 U JP2819692 U JP 2819692U JP 2597659 Y2 JP2597659 Y2 JP 2597659Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
sliding ring
sliding
ring
mechanical seal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1992028196U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0581568U (ja
Inventor
健二 吉柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP1992028196U priority Critical patent/JP2597659Y2/ja
Publication of JPH0581568U publication Critical patent/JPH0581568U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2597659Y2 publication Critical patent/JP2597659Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Sealing (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、機器の回転軸周を密封
するメカニカルシールにおいて、摺動面のクラックの発
生あるいはこのクラック及び摺動面の摩耗量を検出する
手段を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】メカニカルシールは、回転軸を取り囲む
ハウジングの内周に気密的に設けられた静止側摺動環
と、この静止側摺動環に軸方向に対向して回転軸の外周
に気密的に設けられ静止側摺動環とは硬度の異なる回転
側摺動環とを摺動させることによって軸周を密封するも
のであるため、摺動面が経時的に摩耗することは避けら
れない。静止側摺動環と回転側摺動環のうちの軟質側の
摺動部にはノーズと呼ばれる環状の突起が形成されてお
り、この突起が所定の高さまで摩滅した時がメカニカル
シールの寿命となる。また、密封対象液等による冷却作
用と、摺動面からの摩擦熱による熱的不均衡によって軟
質の摺動環又は硬質の摺動環に発生するクラックによっ
ても、メカニカルシールはその密封性能を著しく失墜す
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、メカニ
カルシールの摺動面の摩耗の進行速度は、種々の要因に
影響されるため、摩耗の進行速度の予測、ひいては寿命
の予測は非常に困難であり、このため、本体機器の破損
や有害物質の漏洩が大きな問題となることのあるプラン
ト等では、メカニカルシールの定期的な点検が必要とな
り、ランニングコストが非常に高くなってしまう問題が
ある。また、クラックの発生も、大量の漏洩が発生して
からその原因を調べることによって、ようやく発覚して
いる現状にある。
【0004】本考案は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その技術的課題とするところは、メカニカ
ルシールの摺動面にクラックが発生した時にリアルタイ
ムでこれを検出することができ、あるいは更に前記摺動
面の摩耗進行状況を常時検出できるようになすことにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本考案によ
って有効に解決することができる。すなわち、本考案に
係るメカニカルシールは、軟質側の摺動環の環状突起の
円筒面又は硬質側の摺動環の非摺動の端面に被着され
周方向に延び所定の幅を持った円周方向有端の導体金属
薄膜と、この導体金属薄膜の両端間に所定の電圧を印加
する電気回路と、この電気回路に設けた出力表示部を含
むものである。
【0006】
【作用】上記構成において、軟質側の摺動環の環状突起
の円筒面すなわち内周面または外周面に被着された導体
金属薄膜は、その軸方向幅が、摺動面の摩耗の進行によ
り前記環状突起の高さが減少して行くのに伴って減少す
る。このため、前記導体金属薄膜に常時電流を流してお
けば、この薄膜の軸方向幅の減少に伴う抵抗値の上昇に
よって、電圧が上昇するので、この電圧値の変化から、
典型的には電圧計、あるいはオシロスコープ等の出力表
示部において、摺動面の摩耗の進行状況をリアルタイム
で検出することができる。
【0007】また、軟質側あるいは硬質側の摺動環に熱
歪によるクラックが発生した時は、これらの摺動環に被
着されている導体金属薄膜も一緒に破断状態になるの
で、この導体金属薄膜の両端間で電気回路がOFFにな
り、これに伴う電圧の急激な変化を前記出力表示部にお
いてモニターすることによって、クラックの発生をリア
ルタイムで検出することができる。
【0008】
【実施例】図1は本考案の第一の実施例を示すもので、
符号1は機器のハウジング、2はハウジング1の軸孔に
挿通されたシャフトであり、このハウジング1とシャフ
ト2との間に介在して軸封を行なうメカニカルシール
は、シャフト2の外周に遊嵌されるとともにハウジング
1の内径にOリング3を介して気密的に固定された静止
側摺動環4と、シャフト2の外周面にOリング5を介し
て気密的かつ軸方向移動自在に設けられた回転側摺動環
6とを有する。回転側摺動環6よりも軟質の摺動材料か
らなる静止側摺動環4の回転側摺動環6側の端部には、
先端を摺動面Sとする環状突起4aが形成されており、
シャフト2と一体に回転する回転側摺動環6は、シャフ
ト2に固定されたカラー7に支持されたバネ8に押し付
けられることによって、静止側摺動環4の環状突起4a
の先端と密接摺動し、その外周側に達する機内の流体L
を密封する。
【0009】静止側摺動環4の環状突起4aには、その
内周面に、Auからなる薄膜9が蒸着されている。Au薄膜
9の蒸着は、慣用的には真空スパッタリングによって行
われるが、これは特に限定しない。また、図2に示すよ
うに、薄膜9は環状に連続したものではなく、円周方向
一部aにおいて不連続の有端形状であり、軸方向に対し
て所定の幅W1 が設定されている。この薄膜9は、静止
側摺動環4がアルミナ等の絶縁体である場合は前記環状
突起4aの内周面に直接蒸着し、静止側摺動環4が導体
からなる場合は、樹脂等の絶縁体をコーティングした上
で薄膜9の蒸着を行う。また、ここでは薄膜9の材質を
Auとしたが、密封対象流体による耐蝕性等の問題がない
場合は、他の導体金属材料を適用しても良く、あるいは
前記環状突起4aの外周面に被着しても良い。薄膜9の
軸方向幅W1 は、環状突起4aの許容摩耗量を考慮して
設定される。
【0010】薄膜9の円周方向両端は、リード線によっ
て電気回路10及び出力表示部11に接続されている。
図3に示すように、薄膜9はその膜厚を非常に薄くする
ことによって適当な電気抵抗値を有し、かつ摺動面Sの
摩耗に伴う軸方向幅W1 の減少によってその抵抗値が変
化するものであるため、電気回路10における一種の可
変抵抗R1として機能する。電気回路10は、この可変
抵抗R1である薄膜9と並列に接続された抵抗R2と、
薄膜9及び抵抗R2に対して直列に接続された他の抵抗
R3、電源V及びスイッチSWとを含んでいる。また、
出力表示部11としては、典型的には薄膜9と抵抗R2
の両端の接続部である端子T1,T2間の電圧V1を検
出する電圧計あるいはオシロスコープ等が用いられる。
【0011】以上の構成において、メカニカルシールの
運転時は、電気回路10のスイッチSWを閉じて、薄膜
9に常に電流を流しておく。ここで、薄膜9(可変抵抗
R1)と抵抗R2は並列であることから、その合成抵抗
Rは次式で与えられる。 R=(R1・R2)/(R1+R2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また、電圧と抵抗は、次式の関係がある。 R:R+R3=V1:V ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また、出力表示部11によりモニターする電圧V1は、
次式で与えられる。 V1=R・V/(R+R3) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ このため、薄膜9に静止側摺動環4のクラックによる破
断が発生していない場合は、電圧V1は次式で与えられ
る。 V1=R1・R2/{R1・R2+(R1+R2)R3} ・・・・・・・・ ここで、R2,R3は一定であるから、V1はR1の関
数となる。R1の値は摺動面Sの摩耗の進行に伴う薄膜
9の軸方向幅W1 の減少によって上昇し、したがって、
出力表示部11でモニターされるV1が変化するもので
ある。
【0012】また、前記環状突起4aの摩耗が許容量
(薄膜9の幅W1 に相当する量)に達して薄膜9が例え
その円周方向一部でも消滅した場合や、図2(A)に示
すように静止側摺動環4に熱歪等によるクラックCの発
生によって薄膜9が破断された場合は、薄膜9の抵抗R
1が無限大となるため、式より、R=R2となり、電
圧V1は次式のように変化する。 V1=R2/(R2+R2・R3)=1/(1+R3) ・・・・・・・・・・ したがって、この電圧V1の変化を出力表示部11でモ
ニターすることによって、摺動面Sの摩耗及びクラック
Cの発生による寿命の到来をリアルタイムで検出可能と
なるので、これら寿命の到来が検出された時に即座に本
体機器の運転を停止することによって、本体機器の破損
や有害物質の漏洩等を最小限に抑えることが可能であ
る。
【0013】なお、抵抗R2,R3と電源Vは、薄膜9
の抵抗R1の値と、モニターする電圧V1の値により任
意に設定される。考案者らが行った実験では、アルミナ
摺動環の環状突起内周面にAuの薄膜をコーティングし、
このAu薄膜の抵抗R1の値は約1kΩであったため、R
2=2kΩ、R3=100kΩ、V=1.5Vにそれぞ
れ設定し、メカニカルシールを運転しながらV1を測定
したところ、運転初期におけるV1の値は、0.010
Vであった。また摺動面の負荷を過大に設定して摺動環
に故意にクラックを発生させたところ、V1の値が0.
015Vへ瞬間的に変化することが認められた。
【0014】なお、上述の実施例では、薄膜9を静止側
摺動環4の環状突起4aに被着したが、回転側摺動環6
が軟質側である場合は、薄膜9はこの回転側摺動環6に
形成される環状突起の円筒面(内周面または外周面)に
被着し、図示しないスリップリングとブラシ等の摺動接
点を介して電気回路10に接続することによって、同様
に実施可能である。また、薄膜9の両端9a,9b間の
部分でクラックCが発生した場合は、薄膜9の破断によ
るクラックCの検出ができないので、検出の信頼性を高
めるには、前記両端9a,9b間の距離δを極力小さく
することが望ましい。
【0015】図4は本考案の第二の実施例を示すもの
で、上記第一の実施例と異なるところは、Au薄膜91
を、静止側摺動環4よりも硬質である回転側摺動環6
に、静止側摺動環4の環状突起4aとの摺動面Sよりも
内径側の非摺動の端面に、径方向に対する所定の幅W2
をもって被着され、これによって、回転側摺動環6にお
けるクラックの発生を検出するようにした点にある。こ
の場合、回転側摺動環6はシャフト2と一体に回転する
ことから、薄膜91は、先に述べたような摺動接点を介
して上述の電気回路10に接続されるが、静止側摺動環
4が硬質側であってこの静止側摺動環4の非摺動面に薄
膜91を設ける場合は摺動接点は不要であり、図1と同
様に接続可能である。
【0016】
【考案の効果】以上、本考案によると、軟質側摺動環
るいは硬質側摺動環にクラックが発生した時の薄膜の破
断による出力変化から、クラックの発生を機器外部から
リアルタイムで検出可能となる。また、軟質側摺動環の
摺動面の摩耗の進行に伴って薄膜の抵抗値が変化するこ
とにより出力が変化し、前記摩耗が限界に達した時に薄
膜の破断により出力が変化する構成とすることによっ
て、摺動面の摩耗の進行状況をリアルタイムで検出可能
となる。このため有害物質の漏洩や機器の破損を防止す
ることができ、また、摺動面の性状を確認するための定
期的な点検作業が不要になるといった優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るメカニカルシールの第一の実施例
を示す概略構成説明図である。
【図2】上記実施例における薄膜9の被着状態の一例を
示すもので、(A)は要部正面図、(B)は要部断面図
である。
【図3】同じく電気回路図である。
【図4】本考案の第二の実施例として薄膜91の被着状
態の一例を示すもので、(A)は要部正面図、(B)は
要部断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 シャフト 4 静止側摺動環(軟質側摺動環) 4a 環状突起 6 回転側摺動環(硬質側摺動環) 9,91 薄膜 10 電気回路 11 出力表示部 R1 可変抵抗(薄膜9) R2 抵抗 R3 他の抵抗

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬度の異なる静止側摺動環と回転側摺動
    環のうち軟質側の摺動環に、先端が硬質側の摺動環との
    摺動面となる環状突起が形成されたメカニカルシールで
    あって、前記環状突起の円筒面又は前記硬質側の摺動環
    の非摺動の端面に被着され円周方向に延び所定の幅を持
    った円周方向有端の導体金属薄膜と、この導体金属薄膜
    の両端間に所定の電圧を印加する電気回路と、この電気
    回路に設けた出力表示部を含むことを特徴とするメカニ
    カルシール。
JP1992028196U 1992-04-03 1992-04-03 メカニカルシール Expired - Fee Related JP2597659Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992028196U JP2597659Y2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 メカニカルシール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992028196U JP2597659Y2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 メカニカルシール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0581568U JPH0581568U (ja) 1993-11-05
JP2597659Y2 true JP2597659Y2 (ja) 1999-07-12

Family

ID=12241924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992028196U Expired - Fee Related JP2597659Y2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 メカニカルシール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2597659Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021127019A1 (de) * 2021-10-19 2023-04-20 Eagleburgmann Germany Gmbh & Co. Kg Gleitring mit Verschleiß-Messeinrichtung sowie Gleitringdichtungsanordnung mit derartigem Gleitring

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0581568U (ja) 1993-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107965576B (zh) 密封件和密封系统
JP6661716B2 (ja) シールアセンブリおよびシールアセンブリから成るシールリング
JP2681725B2 (ja) メカニカルシールの挙動監視装置
US5101165A (en) Electrical capacitance clearanceometer
US7551268B2 (en) System for monitoring sealing wear
TWI581351B (zh) 在電漿處理設備中即時診斷部件狀態之方法及裝置
US6034531A (en) Monitoring of the wear of sliding electrical contacts and its application to the state-dependent and/or predictive maintenance of a device having sliding electrical contacts
US3897116A (en) Bearing wear detector
US20030202188A1 (en) System for monitoring sealing wear
US4632223A (en) Method and device for monitoring lubrication points in bearings
JP2597659Y2 (ja) メカニカルシール
US7280219B1 (en) System for monitoring sealing wear
JP7281368B2 (ja) 密封装置および密封構造
JPH02176270A (ja) メカニカルシール
CN108571590B (zh) 机械密封装置
WO2008029528A1 (fr) Dispositif de roulement et son procédé de fabrication
JPH0540662U (ja) 摩耗検出手段を備えたメカニカルシール
TWI666391B (zh) 氣體軸承心軸及感測氣體軸承心軸之負載的方法
CN113746275A (zh) 电机放电结构和轴电流导流效果检测方法
JPH0573366U (ja) スプリング折損検出手段を備えたメカニカルシール
CN108571589B (zh) 机械密封装置
JP2012145107A5 (ja)
JPS6154402A (ja) 合成樹脂機械部品の摩耗を検出する方法
JPH03163214A (ja) 軸受装置
JP2018155389A (ja) 密封装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990316

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees