JP2595024B2 - 膜形成方法及び膜形成装置 - Google Patents

膜形成方法及び膜形成装置

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JP2595024B2 JP6037888A JP6037888A JP2595024B2 JP 2595024 B2 JP2595024 B2 JP 2595024B2 JP 6037888 A JP6037888 A JP 6037888A JP 6037888 A JP6037888 A JP 6037888A JP 2595024 B2 JP2595024 B2 JP 2595024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、段差部側壁に効率良く再付着膜を形成する
膜形成方法及び膜形成装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、集束イオンビーム(FIB)によるスパツタリン
グによつて、段差部下段の構成物質を段差部側壁に再付
着させ膜形成を行なつた例として、アイ・トリプル・イ
ー・エレクトロン・デバイス・レターズ;VOL.EDL−7,N
o.5,MAY 1986,第285頁から287頁(IEEE ELECTRON DEVIC
E LETTERS VOL,EDL−7,No.5,MAY 1986,pp285−287)が
ある(論文1)。これは第2図に示すように、導電層2
と絶縁層3か交互に積層された試料の導電層間の接続を
(a)窓開け加工と(b)FIBの偏向領域を小さくした
スパツタリング加工による再付着膜形成により行なつた
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
側壁に形成される再付着膜は、低抵抗,高許容電流と
するため、厚い事が望まれる。しかし、下層導電層のス
パツタリングできる体積は有限である。従つて、スパツ
タしたものを効率良く再付着させる必要がある。従来技
術は、この点について考慮されていない。
本発明の課題は、段差部側壁に効率良く再付着膜を形
成することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、段差部下段の構成物質をFIBによりスパ
ツタリングする際、FIBビーム径dと1回のビーム照射
により形成される微小加工段差hとの関係をh≧dと
し、かつ、微小加工段差側壁にビームを順次照射するこ
とにより達成される。
〔作用〕
hdの条件で、かつ、微小段差部側壁に順次ビーム
を照射すると傾斜させた試料にビーム照射した場合と同
様の効果が期待できる。これにより、スパツタされた試
料物質の飛散方向は斜めにシフトし、スパツタされた試
料物質を効率良く再付着させる事ができる。また、斜め
入射の効果によりスパツタリング率が向上し、加工速度
も向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。第1図
は、従来技術として引用した導電層の接続加工を本発明
の方法を用い実施したものである。(a)は試料断面図
で、(b)はビーム照射軌跡を示した試料上面図であ
る。導電層及び絶縁層の材質はそれぞれ、アルミニウ
ム,酸化シリコンである。FIBとしては、30KV加速のAl
+ビームを0.1μmに絞つたものを用いた。ビームスキ
ヤンは、(b)に示すようにラスタースキヤンとし、y
軸を高速にx軸を低速にスキヤンした。x軸の走査線ピ
ツチは0.05μmとし、y軸掃引は折返し行なう手法をと
つた。ビーム電流10pAでy軸掃引速度を5μm/secとし
てhdの条件を満足した。なお、加工穴の開口は4μ
m×4μmである。
本実施例によれば、再付着膜を効率的に形成できる効
果がある。なお、一方向の壁に選択的に膜形成を行なえ
る利点も有する。全壁面に膜形成するにはビームスキヤ
ンを1フレーム毎に90゜回転させれば良い。
FIBのイオン種としてはスパツタ層と同一元素であるA
lを採用し、再付着膜への不純物混入を緩和した。
なお、上記実施例では導電膜の形成を行なつたが、絶
縁層をスパツタリングし、側壁に絶縁膜形成を行なう事
も原理的に可能であり、この際も、絶縁膜の高耐圧化の
観点から本発明の膜形成方法は有用である。
第3図は本発明の他の実施例を示したものである。
(a)は四角穴の四方の側壁に、(b)は円形穴に周囲
側壁に膜形成を行つたもので、ビーム照射軌跡5をら線
状にしている。この様に、ビーム照射軌跡5が膜形成を
行なう壁面の法線6と垂直に交鎖し、その交鎖点が法線
上を壁面から遠ざかる方向にビーム偏向を行なう事で穴
の側壁全面に効率良く均一な膜形成が可能となる。
上記実施例における膜形成方法は荷電粒子源,荷電粒
子ビームを収束するレンズおよび偏向器を備えたFIB光
学系と、ビーム偏向制御を行なうコンピユータよりなる
膜形成装置により実行される。
荷電粒子源は例えば液体金属イオン源等のイオン源に
より構成される。偏向器,レンズは例えば静電形偏向
器,レンズが使用できる。コンピユータは偏向器を制御
し穴開け工程と付着膜形成工程の間でビーム偏向の速度
及びピツチの変更を行ない上記実施例の方法を実行す
る。例えばビーム電流を10pAとし、y軸掃引速度を5μ
m/secとしてhdの条件を満足できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、断差部側壁への再付着膜形成を効率
良く、かつ、高速に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を用いて膜を形成している試
料の(a)断面図(b)上面図、第2図は従来技術を用
いて膜を形成している試料の断面図、第3図は本発明の
実施例を用いて膜を形成している試料の上面図である。 1……集束イオンビーム、2……導電層、3……絶縁
層、4……再付着膜、5……ビーム照射軌跡、6……法
線。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料上に形成された段差部の側壁に、段差
    部下段の構成物質を、集束イオンビーム(FIB)照射に
    よるスパツタリング現象を利用して再付着させ、膜形成
    を行なう際、FIBのビーム径dと1回のビーム照射によ
    り形成される微小加工段差hとの関係をh≧dとし、か
    つ、前記微小加工段差部側壁に順次ビーム照射を行なう
    事を特徴とする膜形成方法。
  2. 【請求項2】ビーム照射の軌跡が、膜形成を行なう壁面
    の法線とほぼ垂直に交鎖し、この交鎖点が法線上を壁面
    から遠ざかる方向に順次移動する様にビーム偏向を行な
    う事を特徴とする請求項1記載の膜形成方法。
  3. 【請求項3】膜形成を行なう段差部をFIB照射により形
    成する事を特徴とする請求項1記載の膜形成方法。
  4. 【請求項4】イオンビームを発生する荷電粒子源と、上
    記イオンビームを集束するためのレンズと、上記イオン
    ビームを偏向するための偏向器を有し、試料上に形成さ
    れた段差部の側壁に、段差部下段の構成物質を、集束イ
    オンビーム照射によるスパツタリング現象を利用して再
    付着させる膜形成装置において、集束イオンビームのビ
    ーム径dと1回のビーム照射により形成される微小加工
    段差hとの関係をh≧dに制御する手段と、前記微小加
    工段差部側壁に順次ビーム照射を行なうように上記偏向
    手段を制御することを特徴とする膜形成装置。
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