JP2594400B2 - 解凍装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、冷凍食材等の被解凍
物を解凍するのに用いられる解凍装置、特に工場等にお
ける大量解凍処理に適した大型の解凍装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び課題】例えば冷凍エビ等の冷凍食材を
工場で大量に解凍生産する場合、従来、被解凍物を多段
式棚に載せた状態で常温室または冷蔵庫内に放置し、自
然解凍させる方法が一般に採用されていた。

【０００３】しかし、かかる自然解凍方式では解凍に長
時間を要するため処理効率が低いという欠点があった。

【０００４】そこで、電子レンジの大型のもので庫内を
−１０℃程度に冷却させながら被解凍物の含水に電子を
放射して解凍を行う電子解凍法、ヒーター熱源を利用す
る遠赤外線ヒーター熱解凍法、温風式トンネル解凍法及
びバッチ式解凍法、静電気解凍法、さらには水温を利用
した散水式解凍法、水中攪拌解凍法等各種の解凍法が提
案され、そのための装置も開発されている。

【０００５】しかし、これらはいずれも電気熱や水を利
用するため装置が大型かつ複雑化せざるを得ず、コスト
高につくものであった。しかも、水利用に係るものは、
汚水の廃水処理の問題から廃水処理設備も必要となり、
益々大型複雑化を招きコスト高となるものであった。

【０００６】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、簡易な構成で効率良く解凍を行う
ことのできる解凍装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、図面の符号を参照して示すと、水平状
態に配置された上下１対の中空受枠（３）（４）に、被
解凍物（Ｄ）を接触状態に保持して解凍を行う上下のフ
ィン付放熱板（５）（６）がそれぞれ複数個に分割され
た状態でかつフィン部（5b）（6b）を外向きにして水平
状態で収容された解凍器（２）を具備するとともに、該
解凍器（２）の複数個が上下に間隔を隔てて平行状に配
置され、かつ外部昇降装置（50）により、各解凍器
（２）の一方の中空受枠（３）が他方の中空受枠（４）
に対して一括的に接近または離間可能となされ、さらに
離間した前記中空受枠（３）を離間状態に保持するロッ
ク機構（20）が設けられていることを特徴とする解凍装
置を要旨とする。

【０００８】

【作用】解凍を行うには、フォークリフト等の外部昇降
装置（50）により、各解凍器（２）の一方の中空受枠
（３）を他方の中空受枠（４）に対して一括的に離間さ
せた後、ロック機構（20）により中空受枠（３）を他方
の中空受枠（４）に対して離間状態にロックする。した
がって、ロック状態では外部昇降装置を外しても中空受
枠（３）が他方の中空受枠（４）に対して接近方向に移
動することはない。次に、中空受枠（４）のフィン付放
熱板（６）上に被解凍物（Ｄ）を載せる。そして離間さ
せた中空受枠（３）を再び昇降装置（50）により他方の
中空受枠（４）に対して接近させ、被解凍物（Ｄ）を上
下放熱板（５）（６）間に接触状態に保持する。この状
態で解凍を行うが、放熱板（５）（６）の放冷作用によ
り解凍が促進され、短時間で解凍が行われる。解凍終了
後は中空受枠（３）（４）を再度離間させて解凍物が取
り出される。

【０００９】また、放熱板（５）（６）は複数個に分割
された状態で中空受枠（３）（４）に収容されているか
ら、放熱板の損傷時や洗浄時等の放熱板の脱着作業や取
扱いが容易となるのみならず、被解凍物の厚さに局部的
なバラツキを生じていても、厚さの厚い部分の放熱板の
みが上方に突出して他の放熱板の浮き上がりが防止され
る。従って、１枚物の放熱板を用いる時のようなガタツ
キや浮き上がりが防止され、被解凍物（Ｄ）の表面に対
して放熱板（５）（６）の接触面積が最大限大きく確保
される。

【００１０】

【実施例】次に、この発明の実施例を図１〜図17を参照
しつつ説明する。

【００１１】図１〜図３において、（Ａ）は冷凍食材等
の被解凍物を収容する解凍ユニット、（Ｂ）は解凍促進
用のファンユニットである。

【００１２】解凍ユニット（Ａ）は図に示すように、前
後面即ちファンユニット（Ｂ）による送風方向の両面側
が開口した箱状のユニット本体（１）を備えるととも
に、このユニット本体（１）内に上下方向に距離を隔て
て平行状に配置収容された複数の解凍器（２）を備えて
いる。

【００１３】各解凍器（２）は、図４に詳しく示すよう
に水平状態で配置された上下１対の中空受枠（３）
（４）と、これら中空受枠に水平状態で収容された上下
のフィン付放熱板（５）（６）とによって構成されてい
る。該中空受枠（３）（４）は、高さの低い平面的な枠
体からなり、その前後枠部（3a）（4a）には長さ方向に
沿って多数の空気流通孔（3b）（4b）が設けられてい
る。また、各中空受枠（３）（４）には前後に沿う仕切
部材（3c）（4c）が設けられ、これにより中空受枠
（３）（４）が長さ方向（左右方向）に複数の放熱板収
容空間（７）に仕切られている。さらに各中空受枠
（３）（４）の前後下縁部には内方突状の係止縁部（3
d）（4d）が設けられている。そして、前記各放熱板収
容空間（７）の大きさに分割された複数個のフィン付放
熱板（５）（６）が、前後両下縁を中空受枠（３）
（４）の前記係止縁部（3d）（4d）に載置された状態で
各フィン収容空間（７）に収容されている。この実施例
では、フィン付放熱板（５）（６）として図６に示すよ
うに、基部（5a）（6a）に突出高さの高いフィン部（5
b）（6b）が形成され、さらにフィン部（5b）（6b）の
高さ方向の中間部が補強壁（5c）（6c）により連結され
たアルミニウム（その合金を含む）押出形材が用いられ
ている。かかるフィン付放熱板（５）（６）は、図５に
示すようにその対向する上下放熱板の基部（5a）（6a）
間に被解凍物（Ｄ）を接触状態に保持して放熱作用によ
る解凍促進を図るものであり、このために、上側のフィ
ン付放熱板（５）はフィン部（5b）が上を向く配置で、
下側の放熱板（６）はフィン部（6b）が下を向く配置
で、それぞれ中空受枠（３）（４）に収容されている。

【００１４】前記各解凍器（２）の上下中空受枠（３）
（４）は次のようにして解凍ユニット（Ａ）に取着され
ている。即ち、図７及び図８に詳しく示すように、解凍
ユニット（Ａ）の左右両側には、前後の支柱（８）
（９）に掛渡し状態に１対の断面Ｌ形アングルからなる
棚受金具（10）が上下方向に間隔を置いて溶接等により
固着されている。そして、各解凍器（２）の下部中空受
枠（４）がその左右下端縁を前記棚受金具（10）に係止
された状態で着脱自在に載置されている。さらに、解凍
ユニット（Ａ）の左右両側には前後支柱（８）（９）間
の位置において上下に長い２本のスライド棒（11）（1
1）が設けられており、これらスライド棒（11）（11）
に掛渡し状態に１対の断面逆Ｌ形アングルからなる棚受
金具（12）が前記Ｌ形棚受金具（10）と同一間隔で上下
に複数個溶接等により固着されている。そして、各上部
中空受枠（３）がその左右下端縁を前記逆Ｌ形棚受金具
（12）に係止された状態でスライド棒（11）（11）に着
脱自在に支持されている。而して前記スライド棒は、上
下にスライド可能となされており、これにより各上部中
空受枠（３）が上下に移動して固定状態の下部中空受枠
（４）に対して離間接近可能となされている。

【００１５】なお、上下中空受枠（３）（４）を載せる
棚受金具（10）（12）は、図17に示すように、これを前
後方向に傾斜させて取着することにより、中空受枠内の
放熱板を傾斜角θにて傾斜させ、フィン洗浄時の水切り
促進や解凍中に生じたドリップの排出容易化を図る構成
としても良い。

【００１６】前記スライド棒（11）の上下スライドは、
本解凍装置とは分離別体の外部昇降装置によって行われ
る。外部昇降装置の最も一般的な具体例としてフォーク
リフトを挙げ得ることができる。この実施例でも、油圧
式のフォークリフト（50）により解凍ユニットの底部側
からスライド棒を押し上げることが可能となされてい
る。即ち、前記各スライド棒（11）の下端は、図９〜図
11に示すように、ユニット本体（１）の最下部基枠（1
a）よりも下方に突出するとともに、左右各２本合計４
本のスライド棒（11）の下端部が、前後に伸びた左右連
結棒（13）と左右に伸びた前後連結棒（14）とで相互に
連結されている。そして、前後連結棒（14）の中間部下
方にフォークリフト（50）のフォーク（51）を差し込ん
でこれを押し上げることによりスライド棒（11）を上方
にスライドさせ、逆に前後連結棒（14）を支えつつフォ
ーク（51）を下げることにより、スライド棒（11）を下
方にスライドさせ、これによりスライド棒（11）に取着
されている上部中空受枠（３）を昇降可能となされてい
る。なお、図９に示す（19）は、ユニット本体（１）の
底面に取着されたフォーク差込用の位置決め片である。

【００１７】また、前記ユニット本体（１）の左右両側
下端には、スライド棒（11）の最大下降位置を規定し
て、上部中空受枠（３）と下部中空受枠（４）との最小
間隙を規定する下降ストッパが設けられている。即ち、
図９〜図11に示すように、ユニット本体（１）の左右基
枠（1a）の外面には、下端に断面内向きＬ形の折曲部
（16a ）を有する垂下状取付板（16）が固着され、さら
に折曲部（16a ）の上面に板状細片からなるスペーサ
（17）が載せられ、取付板（16）とスペーサ（17）とが
ねじ（18）により固着されている。そして、スライド棒
（11）が下降したときに、スライド棒下端の左右連結棒
（13）がスペーサ（17）に当接することにより、その下
降位置が規定され、さらには上下中空受枠（３）（４）
の間隙が規定されるものとなされている。なお、スライ
ド棒（11）の最大下降位置は上下中空受枠（３）（４）
間にセットされる被解凍物（Ｄ）の厚みに対応して決定
されるものであり、このために、スペーサ（17）はねじ
（18）を緩めて上下に移動できるようになっており、解
凍すべき被解凍物（Ｄ）の厚みに応じてスライド棒（1
1）の最大下降位置を調整可能となされている。

【００１８】一方、ユニット本体（１）の上部には、ス
ライド棒（11）をその最大上昇位置にて固定するロック
機構（20）が設けられている。具体的に説明すると、図
12〜図14に示すように、ユニット本体（１）の天面部に
は、前後に長い３本の横材（1b）〜（1d）が設けられる
とともに、左右の横材（1b）（1d）には、それぞれ軸支
点Ｐにおいて水平面内で回動可能に軸支された合計２本
のアームバー（21a ）（21b ）が取着されている。この
アームバー（21a ）（21b ）の長さ方向の内方端部には
長孔（22）が形成されるとともに、中央の横材（1c）の
長さ方向一端部にも長孔（23）が形成されている。そし
て、両アームバー（21a ）（21b ）の長孔（22）と横材
（1c）の長孔（23）とを重ね合わせるとともに、これら
を上下に貫通するピン（24）が設けられている。このピ
ン（24）は、横材（1c）の長孔（23）に沿って移動自在
であり、これにより、両アームバー（21a ）（21b ）は
ピン（24）の長孔移動範囲において軸支点Ｐを中心とし
て水平面内で回動可能となされている。

【００１９】前記アームバー（21a ）（21b ）の長さ方
向の外方端部は、ユニット本体（１）から側方に突出す
るとともに、この端部には内向きに開口する断面コ字状
の掛合片（25）が取着されている。この掛合片（25）
は、スライド棒（11）の最大上昇位置にて、前後スライ
ド棒の上端部に渡された連結片（26）に、その開口部
（25a ）を嵌め入れることにより、スライド棒（11）の
下降を阻止して最大上昇位置にロックする役割を果たす
ものである。このため、掛合片（25）は、一方のアーム
バー（21a ）については図13の反時計方向に、他方のア
ームバー（21b ）については時計方向に最大回動したと
きに、スライド棒（11）の連結片（26）に掛合し、逆に
アームバー（21a ）（21b ）を上記と逆方向に回動させ
たときに掛合が解除されるようにアームバーへの取着位
置が設定されている。かかる掛合状態においては、フォ
ークリフト（50）のフォーク（51）を除去してももはや
スライド棒（11）が下降することはなく、上下中空受枠
（３）（４）は最大離間し、この状態で下部中空受枠
（４）のフィン付放熱板（６）上への被解凍物（Ｄ）の
セッティングが行われる。

【００２０】なお、上記のようなアームバー（21a ）
（21b ）の回動操作は、アームバーの外側先端部下面に
垂下状に設けられた操作レバー（27）により行い得るも
のとなされている。また、両アームバー（21a ）（21b
）は共通のピン（24）に係合しており、一方のアーム
バーを回動させると他方のアームバーも追従動作するか
ら、アームバーの操作はいずれか一方に対して行えば足
りる。

【００２１】前記ファンユニット（Ｂ）は、図３、図15
及び図16に示すように、ユニット内に並設された複数の
ファン（30）を有している。このファンユニット（Ｂ）
は、各ファン（30）の作動により、解凍ユニット（Ａ）
内のフィン付放熱板（５）（６）に向けて強制送風する
ことにより、該放熱板による放冷作用を盛んにして解凍
を促進するものである。このファンユニット（Ｂ）のフ
ァン（30）による送風方向（図３に矢印で示す）に対し
て、複数個（図示実施例では２個）の解凍ユニット
（Ａ）（Ａ）が直列配置状態に連接され、１個のファン
ユニット（Ｂ）で複数個の解凍ユニット（Ａ）（Ａ）を
同時に作動させ効率的な解凍を行いうる構成となされて
いる。また、送風空気が上下放熱板（５）（６）で挟ま
れた被解凍物（Ｄ）へ直接接触すると風味の低下等を招
くことから、この実施例ではこれを防止すべくファンユ
ニット（Ｂ）の前面に被解凍物（Ｄ）の設置位置に対応
して邪魔板（31）が上下に間隔的に設けられている。

【００２２】なお、図１〜図３、図15〜図17に示す（4
0）は解凍ユニット（Ａ）及びファンユニット（Ｂ）の
下面に取着されたキャスターである。

【００２３】次に、図示実施例に係る解凍装置の動作を
説明する。

【００２４】スライド棒（11）が最大下降位置にあると
き、スライド棒下端の左右連結棒（13）は図10に一転鎖
線で示すように、スペーサ（17）に当接し、上部中空受
枠（３）は最大下降位置にあって、上下の中空受枠
（３）（４）は最接近状態にある。

【００２５】この状態において、ユニット本体（１）と
床面との間にフォークリフト（50）のフォーク（51）を
差し込むとともに、該フォークを昇動させて左右１対の
スライド棒（11）を連結する前後連結棒（14）を押し上
げる。これによりスライド棒（11）は上方に移動し、上
部中空受枠（３）が一括的に同時上昇して、下部中空受
枠（４）から離間する。

【００２６】フォークリフト（50）によりスライド棒
（11）を最大上昇位置まで移動させたのち、図12〜図14
のようにアームバー（21a ）（21b ）の操作ハンドルを
操作してアームバーをユニット本体への接近方向に回動
せしめ、その掛合片（25）の開口部（25a ）をスライド
棒（11）上端の連結片（26）に掛合させる。すると、ス
ライド棒（11）ひいては上部中空受枠（３）は最大上昇
位置にロックされ、上下中空受枠（３）（４）は最大離
間状態となる。

【００２７】ロック後、フォークリフト（50）は必要に
応じてこれを外し、他の解凍装置のスライド棒（11）の
上昇操作に供するため、移動させる。同時に、各解凍器
（２）の下部放熱板（６）の上面に被解凍物（Ｄ）をセ
ットする。

【００２８】被解凍物（Ｄ）のセット終了後、フォーク
リフト（50）のフォーク（51）を再度ユニット本体
（１）の下方に差込んでスライド棒下端の前後連結棒
（14）に当接させ、次いでアームバー（21a ）（21b ）
を逆方向に回動させて、掛合片（25）を連結片（26）か
ら外す。

【００２９】次に、スライド棒（11）及び上部中空受枠
（３）を支えながらフォーク（51）を下げ、スライド棒
（11）を下降させ各上部中空受枠（３）を一括的に同時
下降させる。

【００３０】上下中空受枠間（３）（４）の距離がほぼ
被解凍物（Ｄ）の厚みに達したときに、スライド棒（1
1）下端の連結片（26）はスペーサ（17）に当接し、ス
ライド棒（11）及び上部中空受枠（３）はその最大下降
位置にて停止する。この状態において、各解凍器（２）
の上部放熱板（５）の基部（5a）下面は被解凍物（Ｄ）
の上面に接触し、被解凍物（Ｄ）は上部放熱板（５）の
自重により上下放熱板（５）（６）間で挟圧状態に保持
される。この際、被解凍物（Ｄ）の厚さにばらつきがあ
っても、フィン付放熱板（５）（６）が複数個に分割さ
れた状態で中空受枠（３）（４）に収容されているか
ら、厚さの厚い部分に接触する放熱板のみが上方に持ち
上げられ、他の放熱板の浮き上がりが防止されることと
なり放熱板の全体が確実かつ均一に被解凍物（Ｄ）に圧
接し、均一な解凍が行われる。このため、厚さのばらつ
いた被解凍物に対しても均一な解凍を行うことができ
る。

【００３１】こうして各解凍器（２）の上下放熱板
（５）（６）間に被解凍物（Ｄ）が挟圧状態に保持され
た解凍ユニット（Ａ）（Ａ）を、図３のようにファンユ
ニット（Ｂ）の送風方向に直列状態に配置する。

【００３２】次に、ファンユニット（Ｂ）内のファン
（30）を作動させて解凍ユニット（Ａ）（Ａ）に向けて
強制送風し、フィン付放熱板（５）（６）による放冷作
用を促して解凍を促進する。この際、ファンユニット
（Ｂ）の被解凍物対応位置には邪魔板（31）が設けられ
ているから、この邪魔板（31）を避けて送風が行われる
こととなり、被解凍物（Ｄ）への送風空気の直接接触が
回避され、解凍物の風味の低下等が防止される。

【００３３】解凍が終了すると、ファン（30）を停止
し、上記と同様の手順によりフォークリフト（50）にて
上部中空受枠（３）を一括上昇させたのち解凍物を取出
し、以後同様の動作が繰り返される。

【００３４】なお、図示実施例では、上部中空受枠
（３）を一括的に昇降させる構成としたが、下部中空受
枠（４）を一括的に昇降させる構成を採用しても良い。

【００３５】

【発明の効果】この発明は上述の次第で、まず、上下の
フィン付放熱板の間に被解凍物を接触状態に保持して解
凍を行うから、該放熱板の放冷作用により解凍を促進で
き、従来の自然解凍に較べて短時間で効率良く解凍を行
うことができる。

【００３６】しかも、上下中空受枠に放熱板を収容した
解凍器を複数個設け、昇降装置により各解凍器の一方の
中空受枠を他方の中空受枠に対して一括的に離間又は接
近させるものであり、かつロック機構により上下中空受
枠を最大離間状態にロックできこととも相俟って、被解
凍物のセット及び取出しを極めて簡単に行うことができ
る。加えて、放熱板の作用により解凍を促進するもので
あって電気的な熱や水等を利用するものではないから、
構造的にも極めて簡単で低コストなものとなしえ、使用
上も製作上も有利な実用価値の高い解凍装置となし得
る。しかもまた、昇降装置としては外部昇降装置を用い
るものであるから、解凍装置内に昇降装置を設ける必要
がなく、益々構造簡易なものとなしうる。

【００３７】また、フィン付放熱板は中空受枠に収容さ
れており、しかも複数個に分割された状態で中空受枠に
収容されているから、放熱板の損傷時や洗浄時等の放熱
板の脱着作業や取扱いを容易となし得ると共に、側方か
らの外力に対して中空受枠が放熱板に対する保護部材と
しても機能し、放熱板の耐久性を向上することもでき
る。また、放熱板が複数個に分割されていることは、被
解凍物の厚さに局部的なバラツキが生じていても、厚さ
の厚い部分の放熱板のみが上方に突出して他の放熱板の
浮き上がりを防止できる効果をももたらす。従って、１
枚物の放熱板を用いる時のような全体のガタツキや浮き
上がりを防止できるから、被解凍物の表面に対して放熱
板の接触面積を最大限大きく確保でき、解凍ムラのない
均一かつ迅速な解凍が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】側板の一部を切り欠いた状態での解凍ユニット
の側面図である。

【図２】解凍ユニットの正面図である。

【図３】解凍ユニットとファンユニットとの連接前の状
態を示す斜視図である。

【図４】上下中空受枠を分解して示す斜視図である。

【図５】上下フィン付放熱板の間に被解凍物を保持した
状態の部分正面断面図である。

【図６】フィン付放熱板の正面図である。

【図７】上下中空受枠の取付構造を示す斜視図である。

【図８】同じく上下中空受枠の取付構造を示す正面図で
ある。

【図９】スライド棒の下降ストッパ機構を示すユニット
本体の部分斜視図である。

【図１０】図９のＸ−Ｘ線断面図である。

【図１１】外部昇降装置によりスライド棒を押し上げて
いる状態を示すユニット本体の下部側面図である。

【図１２】ロック機構を示すユニット本体の上部斜視図
である。

【図１３】同じくユニット本体の上面図である。

【図１４】図１２のXIV −XIV 線断面図である。

【図１５】ファンユニットの正面図である。

【図１６】側板の一部を切り欠いた状態でのファンユニ
ットの側面図である。

【図１７】中空受枠の取着態様の変形例を示すもので、
図１に対応する解凍ユニットの側面図である。

【符号の説明】

Ａ…解凍ユニット ２…解凍器 ３…上部中空受枠 ４…下部中空受枠 ５…上部フィン付放熱板 ６…下部フィン付放熱板 5b、6b…フィン部 20…ロック機構 21a 、21b …アームバー 25…掛合片 50…フォークリフト（外部昇降装置）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平状態に配置された上下１対の中空受
   枠（３）（４）に、被解凍物（Ｄ）を接触状態に保持し
   て解凍を行う上下のフィン付放熱板（５）（６）がそれ
   ぞれ複数個に分割された状態でかつフィン部（5b）（6
   b）を外向きにして水平状態で収容された解凍器（２）
   を具備するとともに、 該解凍器（２）の複数個が上下に間隔を隔てて平行状に
   配置され、 かつ外部昇降装置（50）により、各解凍器（２）の一方
   の中空受枠（３）が他方の中空受枠（４）に対して一括
   的に接近または離間可能となされ、さらに離間した前記
   中空受枠（３）を離間状態に保持するロック機構（20）
   が設けられていることを特徴とする解凍装置。