JP2590681Y2 - 自動ワインダの解舒補助装置 - Google Patents

自動ワインダの解舒補助装置

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JP2590681Y2
JP2590681Y2 JP1995013170U JP1317095U JP2590681Y2 JP 2590681 Y2 JP2590681 Y2 JP 2590681Y2 JP 1995013170 U JP1995013170 U JP 1995013170U JP 1317095 U JP1317095 U JP 1317095U JP 2590681 Y2 JP2590681 Y2 JP 2590681Y2
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勇 松井
喜康 真栄田
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Murata Machinery Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】例えばリング精紡機で生産さ
れた給糸ボビンの多数本を糸継ぎし、且つスラブ等の不
良部分を除きつつコーンやチーズ状の一つの巻取パッケ
ージに巻取る自動ワインダにおける解舒補助装置に関
し、特に巻取速度の高速化を可能にする解舒補助装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動ワインダは巻取ユニットの多数錘が
並列配置されたものであり、その一錘の機器配置を図1
1により説明する。
【0003】図11において、巻取ユニット1は、支承
管2とダクト3とによって位置固定され、ユニットの所
定位置に位置決め供給される給糸ボビン4から引出され
る糸Yはバルンブレーカ6、所定のテンションを付与す
るディスク又はゲート式のテンサ7、糸の不良部分を検
出するスラブキャッチャー8等を通過して、綾振ドラム
13によって回転する巻取パッケージ14に巻取られ
る。15は糸継装置であり、16はパッケージ側の上糸
を糸継装置15へ案内するサクションマウス、17は給
糸ボビン側の下糸を糸継装置15へ案内する中継パイプ
であり、各巻取ユニットが上記各部材を有しており、こ
のような巻取ユニット1が多数並設されて一台の自動ワ
インダが構成される。また、給糸ボビン4は個々に独立
したトレイ18に挿入された状態のまま供給コンベア1
1及び回転円板19を介して巻取ユニット1の巻取位置
Aへ供給される。そして、巻取完了後の空ボビン4′は
排出コンベア12へと排出され、代わりに新たな給糸ボ
ビン4が供給される。なお、巻取位置Aにある給糸ボビ
ン4の糸Yが吹き上げられ中継パイプ17に吸引される
ように、給糸ボビン4頭部の中空部に糸端Y1が挿入さ
れている。
【0004】上述した巻取ユニット1において、スラブ
キャッチャー8が糸の不良部分を検出すると付属のカッ
ターが作動して糸切断が行われ、スラブキャッチャー8
の糸走行信号OFFを起点として糸継ぎが行われる。こ
の糸継ぎ作動を図12により説明する。図12におい
て、サクションマウス16が方向に旋回し、その吸い
込み口16aが綾振りドラム13と巻取パッケージ14
の間に位置し、巻取パッケージ14の糸端を吸引する。
サクションマウス16が所定の位置になると、機枠5内
にある逆転ローラ又は駆動モータの逆転により綾振りド
ラム13即ち巻取パッケージ14が逆転して糸を解き、
糸端がサクションマウス16に吸い込まれるようにす
る。また、サクションマウス16の作動と略同時に、中
継パイプ17が方向に旋回し、テンサ7の下方に位置
する。この時、テンサ7が開き、テンサ7から解放され
た糸端が中継パイプ17に吸引される。なお、ボビンチ
ェンジには、給糸ボビンから吹き上げられた糸が中継パ
イプ17に吸引される。つぎに、巻取パッケージ側の糸
端と給糸ボビン側の糸端を吸引したサクションマウス1
6及び中継パイプ17が逆方向に旋回して図示の位置に
戻ると、糸継装置15に糸が入り、糸継ぎが行われる。
【0005】ところで、給糸ボビンが空になった時、ま
たは糸切れ時にも、スラブキャッチャー8の糸走行信号
OFFを起点として、上述した糸継ぎ動作が行われる。
しかし、給糸ボビンが空になった場合、下糸がないた
め、糸継ぎ動作が失敗する。そこで、下糸の有無を確認
するためのヤーンフィーラ9がテンサ7の下側に設けら
れ、ヤーンフィーラ9が下糸を検出しないと、糸継ぎ動
作と平行してボビンチェンジが行われる。このボビンチ
ェンジは、回転円板19(図11参照)の回転と図示さ
れないイジェクトレバーの旋回作動との共同により行わ
れ、空ボビン4′が排出され、新たな給糸ボビン4が供
給される。このような下糸検出用のヤーンフィーラ9は
機械的なもの又は光学センサを用いたものがある。
【0006】上述した巻取ユニット1においては、給糸
ボビンから解舒される糸からスラブ等の不良部分を除き
つつ、また給糸ボビン毎の糸継ぎを行いながらコーンや
チーズ状の一つの巻取パッケージを形成していくため、
その生産性は巻取速度に大きく依存することになる。と
ころが、従来の自動ワインダでは、実用的巻取速度は1
000m/min前後であった。その理由は以下の
(a)〜(c)の現象の複合による巻取速度の制限を受
けていたからである。(a)巻取速度の増加に伴って解
舒張力も大きくなる。特に、三分玉と呼ばれる残り解舒
量が1/3となった時点から急激に解舒張力が増大する
が、この増大の程度が大きくなると張力による糸切れの
原因となる。(b)巻取速度の増加に伴ってスラッフィ
ングが多くなる。このスラッフィングとは、給糸ボビン
4のチェス部4aから安定的に解舒されずに、輪抜けの
ように幾重かのコイルが互いに絡み合って一気に解舒さ
れる状態を言い、糸切れに至る原因となる。(c)巻取
速度の増加に伴って毛羽が増加する。
【0007】これらの、(a)〜(c)の現象は給糸ボ
ビンからの解舒の状態に依存していることは経験的に知
られていた。そのため、図11に示すように、給糸ボビ
ン4から解舒される糸のバルーンを四角錐の筒であるバ
ルーンブレーカ6で制限し、バルーンが広がりすぎない
ように適度なものに保っている。ところが、バルーンブ
レーカ6はガイドプレート10の下側から給糸ボビン4
の上側に位置するものであって機台5に固定されている
ため、給糸ボビン4の解舒が進むと共に、給糸ボビン4
のチェス部4aからバルーンブレーカ6下端までの距離
が徐々に長くなり、バルーンブレーカ6の働きが悪くな
る傾向にあった。そこで、バルーンブレーカ6を円筒に
して、給糸ボビンの解舒に追随させて徐々に下降させる
ものも提案されている。
【0008】
【考案を解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バルーンブレーカはその形状が適切ではなく、(a)〜
(c)の現象に総合的に対応できるものではなかった。
その結果、1000m/min前後の実用的巻取速度を
高めるには至らなかったという問題点を有していた。
【0009】本考案は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、実用的巻取速度を
高めることができる自動ワインダの解舒補助装置におけ
るバルーン規制部材の適切な形状を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本
案は、給糸ボビンの糸層外径より小さく芯管外径より大
きな内径規制部を有するバルーン規制部材と、該バルー
ン規制部材の内径規制部を給糸ボビンのチェス部との間
隔が略一定になるように前記チェス部の解舒に追随させ
る追随手段とを備えてなり、前記バルーン規制部材は、
前記チェス部の形状が崩れ始める時点を解舒に対する追
随の限度とし、その時点以降の解舒においてその限度位
置に止まったままになることを特徴とする自動ワインダ
の解舒補助装置である。
【0011】上記の構成によれば、解舒始めから所定量
の解舒(三分玉以降)まで、給糸ボビンの糸層外径より
小さく芯管外径より大きな内径規制部を解舒に追随させ
ると、チェス部からの解舒角度が適切に保たれ、スラッ
フィングや毛羽が少なくなる。三分玉以降の解舒におい
ては、チェス部の形状が徐々に崩れ始め、これ以上前記
内径規制部を解舒に追随させても、スラッフィングや毛
羽の抑制効果に差が生じなくなる。
【0012】
【考案の実施の形態】本考案の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は本考案の解舒補助装置を示す斜視
図である。
【0013】図1において、解舒補助装置30は、下側
バルーン規制部材としての筒体31と、上側バルーン規
制部材としての絞り付筒体32と、追随機構としてのセ
ンサ33、シリンダ38、コントローラ40とを主要部
材としてなっている。
【0014】下側バルーン規制部材としての筒体31は
上下が開口しており、筒体31の側面に昇降ブロック3
5が取り付けられた第1の腕31aを有している。昇降
ブロック35は固定ブロック36から垂下されたロッド
37に上下摺動自在に挿入されていると共に、固定ブロ
ック36に立設されたシリンダ38のピストンロッド3
8aに連結され、シリンダ38のロッド38aの伸縮に
応じて筒体31が昇降自在となっている。この筒体31
は給糸ボビン4のチェス部4aからの距離L1が略一定
になるように順次下降し、給糸ボビン4の芯管4bに被
さっていく。そして、チェス部4aから解舒される糸の
バルーン(筒体31に対する下側バルーン)の広がりを
適切に保つことにより解舒角度を大きくし、スラッフィ
ングと毛羽の発生を抑える役目を果たす。
【0015】このような筒体31の役目を充分果たすた
めには、筒体31の下端である内径規制部の寸法と給糸
ボビン4の径方向寸法の関係が重要である。チェス部4
aから解舒される糸のバルーンを制御する筒体31の下
端の内径Dは給糸ボビン4の糸層の外径より小さく、芯
管4bの外径より大きい必要がある。一般に、給糸ボビ
ン4の芯管4bと糸層は円錐形をしており、糸層はその
上側で最小外径D1を有し、芯管4bの外径は筒体31
の最下限位置(二点鎖線図示のもの)で頂部より大きい
直径d1を有する。そこで、筒体31の内径DはD1よ
り小さくd1より大きいことが求められる。好ましく
は、筒体31の内径Dは出来るかぎりd1に近いほうが
よい。後に説明するように、筒体31の順次下降による
効果は三分玉まであり、それ以上に下げても下げなくて
も効果の程度に差がなくなる。したがって、筒体31は
シリンダ38のピストンロッド38a長で決まる三分玉
付近の二点鎖線位置を最下限位置とし、直径d1+直径
で2〜3mmの隙間=筒体31の内径Dとすることが好
ましい。
【0016】上側バルーン規制部材としての絞り付筒体
32は下側バルーン規制部材としての筒体31の外周に
挿入されている。したがって、絞り付筒体32は筒体3
1の順次下降と共に下降する。しかし、絞り付筒体32
にはスリット32d付きの腕32cが取り付けられてお
り、腕32cの下側に磁石32bが張りつけられてい
る。スリット32dはストッパー軸34に案内されてお
り、ストッパー軸34下端のプレート34aに磁石32
b及び腕32cが当たると、絞り付筒体32の下降が停
止する。すなわち、遅くとも糸張力が顕著に増大し始め
る三分玉となった時点では、絞り付筒体32が下げ止ま
り、芯管4bの真上に絞り32aが位置するようになっ
ている。この絞り32aは糸道を規制し、筒体31より
ガイドプレート10に至るバルーン(上側バルーン)の
大きな変動を防止し、糸張力の変動巾を狭める役目を果
たす。
【0017】このような絞り32aの役目を充分果たす
ためには、糸道を規制する絞り32aの位置と形状が重
要である。絞り32aは芯管4bの頂部から4〜180
mm上に位置する必要がある。4mm未満であると、絞
り32aが芯管4bに近づきすぎ、糸道に無理が生じ
る。180mmを越えると、上側バルーンを規制するた
めには離れすぎるからである。また、絞り32aの内径
は芯管4bの頂部の外径以下であって、2mm以上とす
る必要がある。芯管4bの頂部の外径を越えると、糸道
の規制にならず、2mm未満であると、糸の吹き上げに
支障が生じるからである。好ましくは、内径4〜6mm
の絞りがよい。また、絞り付筒体32は筒体31から分
割され、筒体31が絞り付筒体32内に挿入されるよう
になっているので、実線位置の待機状態では筒体31と
絞り付筒体32との合計高さが低くなる。したがって、
給糸ボビン4の高さが高いロングボビンであっても、芯
管4b頂部からガイドプレート10までの間隔を短くす
ることができ、解舒補助装置30の使用により巻取ユニ
ット全体の背が高くなることを防止している。
【0018】つぎに、追随機構としてのセンサ33、シ
リンダ38、コントローラ40を説明する。筒体31の
第2の腕31bに取り付けられたセンサ33が給糸ボビ
ン4のチェス部4aを検出し、センサ33の入力を受け
るコントローラ40が切換弁39を作動させ、シリンダ
38のピストンロッド38aが徐々に伸長し、筒体31
とチェス部4aとの距離L1を略一定に保てるようにな
っている。センサ33には拡散反射式センサが用いられ
る。その代表的なものとして、LEDよりなる光源と、
フォトトランジスタまたはフォトダイオードよりなる検
出器を交差又は平行に配置し、光源からの光が被検知体
で拡散され反射したものを検出器で検知するものがあ
る。図示のように、チェス部4aの解舒が進むと、セン
サ33からチェス部4aまでの距離が大きくなり、やが
てセンサ33はOFF信号を発する。このOFF信号を
受けたコントローラ40が切換弁39を介してシリンダ
38のピストンロッド38aを伸長させる。すると、セ
ンサ33からチェス部4aまでの距離が短くなり、やが
てセンサ33はON信号を発する。このON信号を受け
たコントローラ40が切換弁39を介してシリンダ38
のピストンロッド38aを停止させる。この繰り返しに
より、筒体31は解舒と共に順次下降する。なお、チェ
ス部4aを監視するセンサ33は水平方向に限らず、チ
ェス部4aの真上から水平に至る任意の角度に取り付け
ることができる。
【0019】さらに、解舒補助装置30の動きに関連す
る機器を説明する。8はスラブキャッチャー、9はヤー
ンフィーラ、20はレバー、21はレバー20の旋回駆
動部である。スラブキャッチャー8には例えば静電容量
の変化を測定するものが用いられ、糸欠陥のみならず、
糸が走行しているかどうかを検出することができる。ス
ラブキャッチャー8が糸走行信号を発しないと、糸継ぎ
動作が行われる。この場合、テンサから開放される下糸
は中継パイプに保持されるが、中継パイプが下から上へ
と旋回する時に、給糸ボビンから解舒される糸にビリが
発生する恐れがある。そこで、ビリが発生しやすい糸の
解舒のために、図2に示されるビリ発生防止装置として
のレバー20が設けられている。このレバー20が二点
鎖線の退避位置から実線の作動位置(芯管4b側面に当
接している状態)となる。チェス部4aから解舒される
糸の一回転毎に下糸にはこのレバー20でテンションが
付加され、ビリが防止される。このビリ発生防止装置と
してのレバー20の作動のために、解舒補助装置30の
筒体31及び絞り付筒体32は実線の退避位置となる。
なお、レバー20の作動は独立した旋回駆動部を用いず
に糸継ぎ動作の一部として機械的動作によって行うこと
も可能である。また、スラブキャッチャー8が糸走行信
号を発することなく、ヤーンフィーラ9も糸を検出しな
い場合、給糸ボビン4が空ボビンになっており、ボビン
チェンジが行われる。この場合も、解舒補助装置30の
筒体31及び絞り付筒体32は実線の退避位置となり、
新しい給糸ボビン4が所定位置になると、レバー20が
二点鎖線の退避位置から実線の作動位置となってビリの
発生を防止しつつ糸継ぎが行われる。
【0020】つぎに、上述したこの解舒補助装置30に
よる糸解舒方法を図3により説明する。図3(a)〜
(d)は筒体31と絞り付筒体32がどのように解舒に
追随するかを示す図である。図3(a)において、実線
の筒体31と絞り付筒体32は退避位置にある。この退
避位置では、筒体31の下端の内径規制部が芯管4bよ
り上にあり、空ボビン排出に続く新しい給糸ボビンの供
給が行われる。そして、二点鎖線図示のように、筒体3
1の下端の内径規制部が芯管4bに被さる作動状態まで
下降する。図3(b)は五分玉の状態を示し、筒体31
と絞り付筒体32が共に下降し、絞り32aが所定位置
となっている。特に筒体31はチェス部4aの解舒に追
随するように順次下降し、チェス部4aから解舒される
糸の解舒角度θが大きく保たれ、給糸ボビン上に残る糸
と解舒される糸同士の擦れ合いが少なくなる結果、スラ
ッフィングと毛羽の発生が抑えられる。図3(c)は三
分玉の状態を示し、筒体31のみが下降し、絞り付筒体
32は停止したままであり、絞り32aが芯管4bの真
上の所定位置となっている。特に、三分玉以降では解舒
張力が急激に増大する傾向があるが、これはチェス部4
aの下方から解舒される糸に現れる二点鎖線の如き大き
なバルーンと、チェス部4aの上方から解舒される糸に
現れる小さなバルーンとが交互に発現することによる。
しかし、絞り32aが存在することにより、絞り32a
からガイドプレート10までの上側バルーンが小さいも
のに規制される。また、この三分玉以降ではチェス部4
aの形状が徐々に崩れ始める時点であり、これ以上筒体
31を下げても、スラッフィングと毛羽の抑制効果に差
が生じなくなる。そこで、図3(d)のように、三分玉
以降の解舒においては、筒体31は解舒に追随せず所定
位置に止まったままとなっている。すなわち、筒体31
下端の内径規制部は解舒始めから三分玉に至るまでは解
舒に追随して順次下降する必要があり、絞り付筒体32
の絞り32aは三分玉から解舒終わりに至るまでは芯管
4bの真上の所定位置に止まる必要がある。このよう
に、筒体31と絞り32aの必要性の差に着目し、下側
バルーン規制部材としての筒体31と上側バルーン規制
部材としての絞り32aに区分し、その作用時点を異な
らせたものである。
【0021】つぎに、上述した解舒補助装置の効果の具
体例を図4乃至図6により説明する。図4は解舒張力の
時間経過を示す図である。図4(a)は本考案の解舒補
助装置を用いた場合、図4(b)は従来の固定四角錐筒
を用いた場合を示す。また、綿100%でNe40の糸
が巻かれた給糸ボビンを1500m/minで解舒し
た。従来例の図4(b)では、三分玉付近から解舒張力
が大きく変動しながら増加している。平均的な解舒張力
20gに対して最終的には50gに増加し、変動幅も3
0gとなっている。本考案例では、解舒張力の増加は見
られるものの、緩やかに増加している。平均的な解舒張
力20gに対して最終的には35gに増加し、変動幅も
15gとなっており、従来例に比較して増加の程度も変
動幅も半減した。
【0022】図5は巻取速度とスラッフィング数の関係
を示す図である。綿100%でNe47の糸が巻かれた
給糸ボビンを用い、一本の給糸ボビンが解舒される間に
発生するスラッフィング数を12本の給糸ボビンについ
て観測し、その平均値を示したものである。従来例では
巻取速度が1000m/minを越えるとスラッフィン
グ数が増え始める。1500m/minでは20回近く
のスラッフィングが発生し、図4の解舒張力の増加・変
動との相互作用で糸切れが多発し、実用的な連続運転が
不可能である。本考案例では巻取速度の1300m/m
in付近からスラッフィング数が増え始め、1500m
/minでも数回である。したがって、スラッフィング
が殆どない1300m/minの連続運転では糸切れが
増加しない。
【0023】図6は巻取速度と毛羽の関係を示す図であ
る。図4と同様に、綿100%でNe40の糸が巻かれ
た給糸ボビンを用いた。毛羽の単位はmmであり、1c
mのサンプル糸に発現した毛羽の全長を示す。なお、巻
取前の給糸ボビンの毛羽は5.00を若干下回る程度で
ある。従来例では巻取速度が巻取速度の増加と共に毛羽
も増加している。本考案例では巻取速度が増加しても、
毛羽の増加の程度は極めて少なく、従来例に比較して大
幅に減少している。すなわち、従来の1000m/mi
nを大きく上回る1300m/minで巻き取ったとし
ても、毛羽の量が増加しない。
【0024】ところで、上述した解舒補助装置はセンサ
による昇降自在な筒体による解舒追随となっているが、
図2に示されるように糸継ぎ時には退避位置となる必要
があり、センサ33とは別の独立した動きが求められ
る。そこで、巻取効率を低下させない効率的な筒体の動
きを以下に説明する。図2において、スラブキャッチャ
ー8からの糸走行信号(巻取が正常に行われていること
を示す信号)がOFFになると、一連の糸継ぎ動作が開
始される。この糸走行信号のOFFを起点として、セン
サ33の出力とは無関係に、解舒補助装置30の筒体3
1及び絞り付筒体32が実線の退避位置に速やかに上昇
する。すなわち、一連の糸継ぎ動作と筒体31及び絞り
付筒体32の上昇は平行して行われる。そして、一連の
糸継ぎ動作(レバー20の作動を含む)が行われる。糸
継ぎが成功し、糸が巻かれ始めると、スラブキャッチャ
ー8からの糸走行信号がONに変わる。この糸走行信号
のONを起点として、筒体31及び絞り付筒体32は通
常の下降動作に移行し、センサ33の出力がOFFから
ONから切り換わると筒体31が停止する。このよう
に、スラブキャッチャー8からの糸走行信号のOFF又
はONを基準にして、解舒補助装置が作動すると、筒体
31の動きに無駄がなくなる。
【0025】糸継ぎ後の巻取速度は徐々に増速され、所
定の巻取速度に至る。この増速の程度は巻取ユニットの
コントローラ40により可変である。巻取速度の増速が
速い場合、筒体31の下降が遅れ、糸切れが発生する恐
れがある。そこで、筒体31の下降速度を巻取の増速程
度と関連させ(例えば、巻取速度の増速が速いと、筒体
31の下降速度も速くするように巻取ユニットのコント
ローラ40を予めプログラミングしておく)、糸切れの
発生が予測される危険巻取速度に至るまでに、筒体31
を所定の位置に下降させるようにすることが好ましい。
【0026】また、ビリが発生しにくい糸の場合には、
必ずしも、図2のビリ発生防止装置としてのレバー20
を作動させるわけではない。この時には、筒体31及び
絞り付筒体32はボビンチェンジ時のみ退避位置に上昇
すればよく、スラブキャッチャー8の糸走行信号OFF
によって開始される糸継ぎ動作の最初の段階で検出され
るヤーンフィラー9の下糸無しの信号を基準として筒体
31及び絞り付筒体32を退避位置に上昇させることが
できる。
【0027】図7は下側バルーン規制部材としての筒体
の他の好ましい実施例を示す。筒体31の内径規制部3
1dの下に傘状の拡大部41が付設されている。この拡
大部41は滑らかに内径規制部31dに連続する必要が
あり、コーナーの曲率半径Rが3mm以上に選定され
る。この拡大部41により、筒体31の内径規制部31
dでの糸の走行がスムーズになり、毛羽の発生が一層抑
制される。また、太い番手の糸の解舒においては、大き
な遠心力で二点鎖線のように下側バルーンが外方に脹ら
みすぎる傾向があり、その結果バルーンが不安定になり
やすい。しかし、この拡大部41により大きすぎる下側
バルーンが適度の脹らみに規制され、バルーンが安定化
する。
【0028】図8は下側バルーン規制部材としての筒体
の他の実施例を示す。筒体31に縦方向のスリット42
が設けられたものである。ボビンチェンジに関して、給
糸ボビン4を個々に独立したトレイ18に挿入したま
ま、巻取ユニットへの搬送、供給、巻取り、排出を行う
図11の自動ワインダーに限らず、各ユニットが複数本
のボビンを貯溜しておくマガジンを有する自動ワインダ
がある。このマガジンを有する自動ワインダでは上から
糸を引きつつ給糸ボビンが供給されるので、このスリッ
ト42から糸を通すことができる。このように、筒体は
必ずしも円周方向に連続した側壁を持つ必要はない。
【0029】図9は上側バルーン規制部材の他の実施例
を示す。図9(a)において、給糸ボビン4は通常の長
さであり、芯管4bからガイドプレート10までの距離
に余裕がある。下側バルーン規制部材としての筒体31
の退避位置の上側に、上側バルーン規制部材としての3
角プレート43が水平方向移動自在に設けられている。
糸通し前には3角プレート43が実線の退避位置にある
が、糸通し完了後には二点鎖線の作動位置に進出する。
図9(b)に示されるように、3角プレート43の内側
コーナー43aは芯管4bの外径以内にあって、糸道を
規制することができる。そして、図9(c)に示される
ように、筒体31のみが下降し、3角プレート43は作
動位置に止まったままである。この場合も、芯管4bの
頂部から3角プレート43までの高さHは180mm以
下とする必要がある。180mmを越えると、給糸ボビ
ン4以降の自由な部分が長くなりすぎ、上側バルーンの
規制が不十分になるからである。なお、上側バルーン規
制部材としての3角プレート43に代わり、U溝プレー
トや平行2枚板プレートなどを用いることができる。
【0030】図10は下側バルーン規制部材及び上側バ
ルーン規制部材の他の実施例を示す。図10(a)にお
いて、下側バルーン規制部材は多段の開閉筒体44a〜
44gを隙間εを有して積み重ねたものである。図10
(c)に示されるように、一つの開閉筒体は一対の半円
部材45、46を軸46に旋回自在に支持されたレバー
48,49に取り付けたものである。レバー48,49
が駆動部材50で閉じると、下側バルーンを規制する内
径規制部を形成する。図10(a)では、一番上のみの
開閉筒体44aが閉じた作動状態が示されている。チェ
ス部4aの解舒が進むと共に、開閉筒体44b→44g
が閉じていき、開閉筒体44a〜44gの内径規制部が
解舒に追随することになる。また、チェス部4aを検出
する図示されないセンサが開閉筒体44a〜44gが閉
じるにしたがって下降するようになっている。また、開
閉筒体44a〜44gの間の隙間εはゼロでもよいが、
給糸ボビンの解舒状態を確認するためには、ある程度の
隙間εを有するものが良い。また、上側バルーン規制部
材は開閉レバー51で構成されている。図10(b)に
示されるように、くの字型レバー51a,51bが駆動
部材52で閉じることにより、菱形の糸道規制空間53
が形成される。この空間53の寸法も芯管4bの頂部の
外径内に収まる空間にする。このように、下側バルーン
規制部材としての筒体は給糸ボビン4の軸方向に連続し
ている必要がなく、不連続なものであってもよい。例え
ば、単なる開閉リングを用いることも可能である。ま
た、開閉自在な構造の下側バルーン規制部材及び上側バ
ルーン規制部材であるので、ボビンチェンジと糸通しが
行いやすいという利点を有する。
【0031】
【考案の効果】本考案は、以上のように、給糸ボビンの
糸層外径より小さく芯管外径より大きな内径規制部を有
するバルーン規制部材と、該バルーン規制部材の内径規
制部が給糸ボビンのチェス部との間隔が略一定になるよ
うに前記チェス部の解舒に追随させる追随手段とを備え
てなり、前記バルーン規制部材は、前記チェス部の形状
が崩れ始める時点を解舒に対する追随の限度とし、その
時点以降の解舒においてその限度位置に止まったままに
なる構成である。
【0032】これにより、解舒始めから所定量の解舒
(三分玉以降)まで、給糸ボビンの糸層外径より小さく
芯管外径より大きな内径規制部を解舒に追随させると、
チェス部から解舒角度が適切に保たれ、スラッフィング
や毛羽が少なくなるので、糸切れや毛羽を増加させるこ
となく巻取速度を上げることができる。三分玉以降の解
舒においては、チェス部の形状が徐々に崩れ始め、これ
以上前記内径規制部を解舒に追随させても、スラッフィ
ングや毛羽の抑制効果に差が生じなくなる。そこで、前
記バルーン規制部材は、チェス部の形状が崩れ始める時
点を解舒に対する追随の限度とし、その時点以降の解舒
においてその限度位置に止まったままになることで、追
随手段の制御が簡単になるとともに、バルーン制御部材
の下降ストロークが短縮され、追随手段の小型化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の解舒補助装置の斜視図である。
【図2】本考案の解舒補助装置の作動状態を示す斜視図
である。
【図3】本考案の解舒補助装置による糸解舒方法を示す
図である。
【図4】解舒張力の変動図である。
【図5】巻取速度とスラッフィング数の関係を示すグラ
フ図である。
【図6】巻取速度と毛羽の関係を示すグラフ図である。
【図7】下側バルーン規制部材の他の実施例を示す断面
図である。
【図8】下側バルーン規制部材の他の実施例を示す断面
図である。
【図9】上側バルーン規制部材の他の実施例を示す断面
図である。
【図10】下側バルーン規制部材と上側バルーン規制部
材の他の実施例を示す図である。
【図11】巻取ユニットの機器配置図である。
【図12】巻取ユニットの要部の斜視図である。
【符号の説明】
30 解舒補助装置 31 筒体(下側バルーン規制部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 昭45−27323(JP,Y1) 特公 平1−1387(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 57/22

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給糸ボビンの糸層外径より小さく芯管外
    径より大きな内径規制部を有するバルーン規制部材と、
    該バルーン規制部材の内径規制部を給糸ボビンのチェス
    部との間隔が略一定になるように前記チェス部の解舒に
    追随させる追随手段とを備えてなり、前記バルーン規制
    部材は、前記チェス部の形状が崩れ始める時点を解舒に
    対する追随の限度とし、その時点以降の解舒においてそ
    の限度位置で止まったままになることを特徴とする自動
    ワインダの解舒補助装置。
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JPS641387A (en) * 1987-06-24 1989-01-05 Hitachi Ltd Television signal receiver

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