JP2589309B2 - アルミニウム系部材の表面改質方法 - Google Patents

アルミニウム系部材の表面改質方法

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【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、アルミニウム系部材(アルミニウムもし
くはアルミニウム合金よりなる部品(製品)および素材
等をいう。)の表面を改質するのに利用されるアルミニ
ウム系部材の表面改質方法に関するものである。 (従来の技術) アルミニウムおよびアルミニウム合金よりなるアルミ
ニウム系部材は、鉄系材料にくらべて比重が小さく、機
械加工性が良好であるという利点を有していることか
ら、例えば自動車用のエンジンピストンやアクスル関係
の部材として用いられているが、その反面、摺動部材と
して使用する場合や摺動部位を有する部品に用いられる
場合には、摺動部に耐摩耗性を付与する必要が生ずるこ
とが少なくない。 従来、摺動部に耐摩耗性を付与する場合、その方法の
一つに、特開昭59−219468号公報や特開昭59−221479号
公報に記載されているように、アルミニウム系基材の表
面上に例えばシリコンなどの添加金属もしくは合金の粉
末をおいた状態にしてレーザビームや電子ビームなどの
高エネルギー密度熱源で加熱することにより、添加金属
もしくは合金と基材表面とを溶融させ、基材表面にのみ
シリコンリッチな金属層を形成させる方法や、基材表面
を高エネルギー密度熱源で溶融しながらシリコンなどの
添加金属もしくは合金の粉末を供給して基材表面にのみ
シリコンリッチな合金層を形成させる方法があった。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来のアルミニウム系基材
の表面合金化改質方法にあっては、改質しようとするア
ルミニウム系基材の表面に強固な酸化膜が存在している
ため、添加金属もしくは合金の粉末とアルミニウム系基
材表面との間でのぬれ性が著しく悪く、添加金属もしく
は合金が基材中にうまく溶け込まず、良好な合金層が得
られないといった問題点があり、また、たとえ基材中へ
の部分的な溶け込みによる合金層が形成されたとしても
密着性および耐久性において性能の低い合金層しか得ら
れないといった問題点があった。 (発明の目的) この発明は、上述した従来の問題点に着目してなされ
たもので、アルミニウム系部材の改質表面に添加材が十
分に拡散されており、添加材とアルミニウム系部材マト
リックスとの密着性に優れた混合層ないしは合金層をア
ルミニウム系部材の改質表面に形成させることが可能で
あり、アルミニウム系部材の耐摩耗性などの表面性能を
大幅に向上させることが可能であるアルミニウム系部材
の表面改質方法を提供することを目的としているもので
ある。
【発明の構成】
(問題点を解決するための手段) この発明は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金
よりなるアルミニウム系部材(部品,製品および素材
等)の表面を第1熱源で加熱して浅い溶融部分を形成さ
せてアルミニウム系部材の表面の酸化膜を除去したのち
直ちに前記酸化膜が除去された浅い溶融部分に添加材を
供給して第2熱源で加熱することによってより深い溶融
部分を形成させて前記添加材を混合化ないしは合金化
し、凝固後に表面改質層を得るようにしたことを特徴と
しているものである。 この発明に係るアルミニウム系部材の表面改質方法
は、前記したように、まず、アルミニウム系部材の表面
を第1熱源で加熱して酸化膜のない浅い溶融部分を形成
するが、この場合の第1熱源としては、例えばアーク熱
源が用いられる。この場合、アーク熱源としては直流お
よび交流を用いることが可能であり、直流を用いるとき
にはアルミニウム系部材側をマイナスに接続し且つ非消
耗アーク電極(例えば、タングステン電極)側をプラス
に接続する極性を選択した方がアルミニウム系部材表面
に形成されている酸化膜の除去の点からは有利である。
他方、反対に非消耗電極側をマイナスに接続し且つアル
ミニウム系部材側をプラスに接続する極性とした場合に
は、溶け込み深さに対しては有利であるが、酸化膜の除
去が十分にできなくなるので、前記のようにアルミニウ
ム部材側をマイナスに接続し且つ非消耗電極側をプラス
に接続する極性を選択するのがよい。しかし、長時間の
アーク加熱を行うときには非消耗アーク電極の消耗が多
くなるので、交流を使用することが望ましい。 そして、この場合には例えば交流のTIGアークを第1
熱源として使用するのがより好適である。 次に、前記のように第1熱源によって浅い溶融部分を
形成させてアルミニウム系部材の表面の酸化膜を除去し
たのち直ちに前記酸化膜が除去された浅い溶融部分に添
加材を供給して第2熱源で加熱することによってより深
い溶融部分を形成させて前記添加材を混合化ないしは合
金化し、凝固後に表面改質層を得る。 この場合、前記酸化膜が除去された浅い溶融部分に供
給する添加材としては、金属単体,合金,金属間化合
物,その他各種のものが使用され、これら添加材の種類
等に応じて粉末状のものやワイヤ状のものとして供給す
ることができる。 また、前記添加材の供給と共に、より深い溶融部分を
形成するのに用いる第2熱源としては、レーザビーム,
電子ビーム,プラズマアーク等の高エネルギー密度熱源
がある。 この高エネルギー密度熱源により形成されたより深い
溶融部分が凝固したあとは、アルミニウム系部材の表面
に、前記添加材が混合化しおよび/または合金化した表
面改質層が形成され、アルミニウム系部材の表面特性を
改善することが可能となる。 (実施例1) この実施例では、アルミニウム系部材1として、鋳造
用アルミニウム合金(JIS AC8A)よりなる板材を用い
た。 そして、第1図に示すように、ダングステン製の非消
耗電極2を中心にそなえ、かつその囲りに外筒3を配設
して電極2と外筒3との間でアルゴン(Ar)シールドガ
ス4を供給するようにした第1熱源としての交流TIGア
ーク加熱用トーチ5を用い、このTIGアーク加熱用トー
チ5の電極2とアルミニウム系部材1との間に交流電源
6を接続し、交流電源6からの供給電流:80A,トーチ5
の移動速度:20cm/min,シールドガス4の流量:10/min
の条件でTIGアーク加熱することにより、アルミニウム
系部材1の表面に浅い溶融部分7を形成させて表面の酸
化膜を除去した。 この実施例では、電極として交流電源6を使用した
が、短時間であればアルミニウム系部材1側をマイナス
に接続し且つ電極2側をプラスに接続する直流電源を使
用してもよく、このような極性を選択した方がアルミニ
ウム系部材1の表面に形成されている酸化膜を除去する
点で有利である。しかし、長時間であれば電極2の消耗
を避けるために交流を使用することが望ましい。 次に、同じく第1図に示すように、粉末供給用コンジ
ットチューブ8のチューブ8aの部分からキャリヤガスと
してアルゴンガス9を流し込み、ホッパ8bの部分に装入
した添加材としてのCu粉末(粒径約100メッシュ)10を
コンジットチューブ8内に送り込み、前記酸化膜が除去
された浅い溶融部分7にCu粉末10を20g/minの流量で供
給し、同じく第1図に示すように内部にビーム11の集光
用レンズ12を備えると共に側壁部にアルゴンシールドガ
ス13の流入孔14aを備えた第2熱源としてのレーザ加熱
用トーチ14を用い、出力:4.5Kw,ビーム11の直径:4mm,ビ
ーム11の移動速度:20cm/min,シールドガス13の流量:15
/minの条件でCO2レーザ加熱を行って、より深い溶融
部分15を形成するとともに前記Cu粉末10を合金化し、凝
固後には第2図(a)に示すような表面改質層16を得
た。 なお、上記Cu粉末は、本実施例の場合約100メッシュ
のものを用いており、この粒径は細かいいものの方が好
ましいといえるが、実際には前記ビーム11のパワー密度
および移動速度、すなわち溶融している時間との兼ね合
いで決定される。 第2図(b)は第2図(a)のA部分(改質部分)の
金属組織を示し、第2図(c)は第2図(a)のB部分
(非改質部分)の金属組織を示しており、本発明に従う
表面改質方法によって良好な合金層が得られることが確
かめられた。 (実施例2) この実施例では、アルミニウム系部材21として、鋳造
用アルミニウム合金(JIS AC2A)よりなる板材を用い
た。 そして、第3図に示すように、タングステン製の非消
耗電極22を中心にそなえ、かつその囲りに外筒23を配設
して電極22と外筒23との間でアルゴン(Ar)シールドガ
ス24を供給するようにした第1熱源としての交流TIGア
ーク加熱用トーチ25を用い、このTIGアーク加熱用トー
チ25の電極22とアルミニウム系部材21との間に交流電源
26を接続し、交流電源26からの供給電流:100A,トーチ25
の移動速度:15cm/min,シールドガス24の流量:20/min
の条件でTIGアーク加熱することにより、アルミニウム
系部材21の表面に浅い溶融部分27を形成させて表面の酸
化膜を除去した。 次に、同じく第3図に示すように、ワイヤ供給用コン
ジットチューブ28内に送りローラ29によって添加材とし
ての直径1.6mmのNiワイヤ30を通過させ、前記酸化膜が
除去された浅い溶融部分27にNiワイヤ30を150mm/minの
送り速度で供給し、同じく第3図に示すように内部にビ
ーム31の集光用レンズ32を備えると共に側壁部にアルゴ
ンシールドガス33の流入孔34aを備えた第2熱源として
のレーザ加熱用トーチ34を用い、出力:4KW,ビーム31の
直径:3mm,ビーム31の移動速度:15cm/min,シールドガス3
3の流量:15/minの条件でCO2レーザ加熱を行って、よ
り深い溶融部分35を形成するとともに前記Niワイヤ30を
構成するNiを合金化し、凝固後には第4図(a)に示す
ような表面改質層36を得た。 第4図(b)は第4図(a)のC部分(改質部分)の
金属組織を示し、第4図(c)は第4図(a)のD部分
(改質部分と非改質部分の境界部分)の金属組織を示
し、第4図(d)は第4図(a)のE部分(非改質部
分)の金属組織を示しており、添加材としてワイヤーを
用いたときも良好な合金層が得られることが確かめられ
た。
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明に係るアルミニウ
ム系部材の表面改質方法によれば、アルミニウム系部材
の表面を第1熱源で加熱して浅い溶融部分を形成させて
アルミニウム系部材の表面の酸化膜を除去したのち直ち
に前記酸化膜が除去された浅い溶融部分に添加材を供給
して第2熱源で加熱することによってより深い溶融部分
を形成させて前記添加材を混合化ないしは合金化し、凝
固後に表面改質層を得るようにしたから、改質しようと
するアルミニウム系部材の表面に存在している強固な酸
化膜が第1熱源での加熱により除去されて酸化膜のない
浅い溶融部分が形成されることとなり、続いて直ちにこ
の酸化膜のない浅い溶融部分に供給した添加材が第2熱
源で加熱されてより深い溶融部分が形成されることによ
り混合化ないしは合金化することとなるので、凝固後に
はアルミニウム系部材の改質表面に添加材が十分に拡散
されており、添加材とアルミニウム系部材マトリッスス
との密着性に優れた混合層ないしは合金層をアルミニウ
ム系部材の改質表面に形成させることが可能であり、ア
ルミニウム系部材の耐摩耗性などの表面性能を大幅にか
つ十分な耐久性をもって向上させることが可能になると
いう非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例1におけるアルミニウム系部
材の表面改質方法を示す断面説明図、第2図(a)はこ
の発明の実施例1で得られたアルミニウム系部材の表面
改質部分の断面説明図、第2図(b)(c)は第2図
(a)のそれぞれA部分およびB部分における金属組織
を示す顕微鏡写真、第3図はこの発明の実施例2におけ
るアルミニウム系部材の表面改質方法を示す断面説明
図、第4図(a)はこの発明の実施例2で得られたアル
ミニウム系部材の表面改質部分の断面説明図、第4図
(b)(c)(d)は第4図(a)のそれぞれC部分,D
部分およびE部分における金属組織を示す顕微鏡写真で
ある。 1,21……アルミニウム系部材、5,25……第1熱源(TIG
アーク加熱用トーチ)、7,27……浅い溶融部分、8……
粉末供給用コンジットチューブ、10……添加材(粉
末)、14,34……第2熱源(レーザ加熱用トーチ)、15,
35……深い溶融部分、16,36……表面改質層、28……ワ
イヤ供給用コンジットチューブ、30……添加材(ワイ
ヤ)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム系部材の表面を第1熱源で加
    熱して浅い溶融部分を形成させてアルミニウム系部材の
    表面の酸化膜を除去したのち直ちに前記酸化膜が除去さ
    れた浅い溶融部分に添加材を供給して第2熱源で加熱す
    ることによってより深い溶融部分を形成させて前記添加
    材を混合化ないしは合金化し、凝固後に表面改質層を得
    ることを特徴とするアルミニウム系部材の表面改質方
    法。
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