JP2588815B2 - 免震性サドル付分水栓 - Google Patents

免震性サドル付分水栓

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JP2588815B2 JP4257294A JP25729492A JP2588815B2 JP 2588815 B2 JP2588815 B2 JP 2588815B2 JP 4257294 A JP4257294 A JP 4257294A JP 25729492 A JP25729492 A JP 25729492A JP 2588815 B2 JP2588815 B2 JP 2588815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地中に埋設した水道本管
から末端の家庭などの需要者へ分岐配水するサドル付分
水栓に係る。
【0002】
【従来の技術】図2は通常の水道本管から家庭内の蛇口
に至る配管の状態を略図で示したものである。図におい
て水道本管Pは既に地中に埋設されていて、ここへ新た
に水道の需要が生じると、管路を掘り起こし管を露出し
て外周頂面へ穿孔し、ここへ連通するサドル付分水栓1
を取り付ける。サドル付分水栓1から給水管は地中を延
びて量水器M(メータ)を通って家庭内の給水栓Kに達
する。
【0003】図3(A)(B)は従来から広く使用され
てきたサドル付分水栓1aの標準(日本水道協会規定)
を例示したものである。サドル付分水栓1aは止水機構
4aとサドル機構2aを組み合せて形成される。止水機
構4aは主として青銅製の分水栓41aよりなり、サド
ル機構はこの分水栓41aが捩じ込まれて固定している
ダクタイル鋳鉄製のサドル21a、このサドル21aと
ステンレス鋼製のボルト23a、同ナット24aによっ
て締結しているダクタイル鋳鉄製のバンド25aとから
成り立っている。
【0004】ここに例示したようにサドル付分水栓は大
部分が水道本管に取り付けて再び埋め戻され地中に埋没
してしまうのであるから、この分岐部分から漏水が起れ
ば、再び掘り起こして修理しなければならず、その作業
は煩瑣に堪えないので、取り付け後の地中における腐食
の進行に対しては特に厳重な予防措置が不可欠である。
すなわち材料的には分水栓は耐食性の高い青銅を採用
し、サドルとバンドはダクタイル鋳鉄製品の表面に、本
管と同様な防食塗料を塗装して本管に劣らない耐食性を
付加している。また、サドルとバンドを締結するボル
ト、ナットについても通常の鋼製では耐食性が不十分で
あるから、ステンレス鋼製のボルト、ナットを適用せざ
るを得ない。
【0005】一方、サドル機構は地中にあって本管の外
周面を上下から半円筒状に挟み込んでこれを強く締め付
け、サドル付分水栓が本管の穿孔した定位置からずれな
いように係着していることが要件である。たとえば地震
や地上を通過する車両の振動などによってその締結が弛
み、サドル付分水栓の位置がずれるようでは漏水の原因
を作っていることと同じであり、何よりも防止しなけれ
ばらない。水道本管としては現在、ダクタイル鋳鉄を主
体として、石綿セメント管、硬質塩化ビニル管、鋼管、
などの材質も一部使用されているが、規格としては、こ
れら管の材質ごとのサドル締め付けトルク(kgf−c
m)を設定して現地施工に当ってはこの規定によって締
め付けることを義務付けている。たとえば、ボルトの呼
び径M16(mm)の場合の締め付けトルクは、本管が
鋼管、鋳鉄ならば600kgf−cm、本管が硬質塩化
ビニール管の場合では400kgf−cmとそれぞれ規
定されていて、当然サドル機構もまたこの規定の締め付
けに十分耐える強度を具えていることが採用の条件とな
る。この締め付け時に最もトルクの集中するのは構造
上、図3の矢視したコーナー部であり、前記のトルクに
適合するためにダクタイル鋳鉄の強度などから計算して
この部分の肉厚を設定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】周知のように金属材料
にはそれぞれ個有の電極電位があり、また金属材料と環
境の組み合わせで特有な電位(自然電位)があって、貴
金属側から白金、金、ステンレス鋼、青銅、ニッケル、
鋼、鋳鉄と電位は小さくなっていき、亜鉛、マグネシュ
ウムの卑金属まで並んだ自然電位列がよく知られてい
る。いま、異なる金属同士が接触して地中などに存在す
るときには、その金属間の電位差により異種金属接触腐
食が生じ、電位の低い方の金属がアノードとなって比較
的速い腐食を進行させる現象はしばしばみられることで
ある。サドル分水栓についても最も卑なる金属であるダ
クタイル鋳鉄の腐食が一番憂慮されるから、その表面に
はエポキシ粉体塗装などの重塗装を施し、ステンレス鋼
のボルトナットとの接触を防止するために樹脂製の絶縁
体を間に挾むなどの防食処置をとっている。または同じ
発想で塗装に代って射出成形などでサドル外周面を転写
した形状の保護層を合成樹脂で成形し、上下のサドルや
締結ボルト、ナットの外周面に被せる実公平3−493
53号公報の従来技術もある。しかし、何れにしても
のために工程の加重、部品の増加などの負担が嵩む他、
輸送や取り付け作業などの取り扱いの間に衝撃によって
表面の塗装が剥げて、局部的な集中腐食の発生する懸念
もあり、到底万全を期したとは言い難い。サドル方式の
分水栓周辺における腐食問題を解決するための従来技術
としては、分岐栓取り付け孔の内側端の腐食に着目した
実開昭53−39319号公報もあるが、この部分の腐
食を防止するために、サドル分岐栓取り付け孔の内側端
に段部を形成し、導管とサドル本体の間に介入するドー
ナツ形パッキングの開口縁に鍔部を設けて、該鍔部を前
記段部に嵌合する構成として課題を解決したと謳ってい
る。しかし、この従来技術は漏水との接触による腐食を
採り上げただけに留まり、特有の異金属間の接触腐食に
対しては何の関心も寄せてはいない。
【0007】また、本管から分岐配水する作業は新規の
造成住宅地のように管布設の最初から同時に施工できる
場合もあるが、既に布設した旧管路から新たに分岐する
場合も少なくない。何れの場合についも言えるが、特に
後者の場合は作業が難渋する。すなわち狭い掘削溝の中
で掘り起こした本管へサドル付分水栓を取り付けるので
あるから、その作業は容易ではなく上下の半円筒形に分
れたサドルとバンドをラチェット付きのソケットレンチ
を使用して締め付けるのは、不安定な姿勢を伴う重労働
である。これは取り扱い難い掘削溝内の作業という条件
にも原因の一つがあるが、最も大きな要因としてはこの
作業の機械化が難しく手作業以外には頼れないにも拘わ
らず、取り扱うサドル付分水栓の重量が比較的大きいた
めに持ち運びに労力を費やし、施工の機会も相当頻発す
るため作業員に対する肉体的な負担が大きいことによる
と思われる。この場合、材料の軽量化を求めるためにサ
ドルの材質を合成樹脂に置換する着想に至ることは当業
者であればさして困難とも言えないし、管や管継手の材
質として硬質塩化ビニルを適用することも広く実施され
ていることは周知の通りである。たとえば実開昭54−
114114号公報では、硬質塩化ビニルT形継手を水
平方向に切断して継手上部と下部とに分割し、分割面に
突出部を設けてビス止めする構成よりなり、パッキング
を使用することなく、また、従来のボルトの代りにビス
で上下を締結することができると提案している。しか
し、サドルの材質を合成樹脂に置換するに当って最大の
難点となることは、周知の通りダクタイル鋳鉄と塩化ビ
ニルやポリプロピレンのごとき汎用プラスチックとでは
材料強度の点で大差があり、この大差を無視して置換す
れば、埋設された管路に衝撃や振動,震動などの外力が
負荷したとき、たちまち本来の機能を失って思わざる漏
水事故の原因となる虞れがきわめて高い。たとえば従来
技術のダクタイル鋳鉄であれば引張り強度は40Kgf
/mm以上,伸び12%以上具えた材質がFCD40
のJIS規格であり、これに比べてたとえば硬質塩化ビ
ニルであれば、引張り強度は高々7Kgf/mm程度
に留り、このままダクタイル鋳鉄に置換するとすれば、
単純計算では6倍の肉厚に増肉しなければ外力に対抗で
きないという課題が致命傷となる。このように6倍から
の大差を無視して材質置換することは、設計的に到底論
議の対象にすらなり得ないことは当然である。このこと
が公的な設備である都市水道の付帯設備として採用を阻
んでいる最大の障害であることは衆目の一致するところ
である。この懸念を払拭するためには過去に多数の試み
が繰り返されたが何れも失敗に終り今日まで未解決の課
題として残されていたのである。
【0008】さらに近年は地中に埋設した水道用やガス
用の管路が地震の直撃を受けたり、大重量の車両の通過
によって瞬間的に一過性の活荷重が負荷しても十分に耐
え得て、都市機能をいつでも維持できるような免震機能
の向上が強く叫ばれる時代である。これは管路を構成す
る管自体や継手自体が強度があっても強烈な水平、垂直
方向の揺動によって相互の接合が離脱する危険性が残る
ことが判ったことも要望が昂進する原因となっている
が、離脱の防止には可撓性と強度の双方を高いレベルで
両立させるというきわめて難解な技術的課題に直面す
る。以上に述べた課題を解決するためには二つの手法が
あり、その両者が相俟って初めて材質の置換が合理的に
完結すると解すべきである。すなわち、 (A)設計的な手法によって効率的な補強を施す。 (B)材質的な探索によって金属と置換可能な最強の材
料を適用する。本発明は前記の二条件に関して最適の構
成を得て、地中に埋設しても異金属間接触腐食をはじめ
一切の腐食に強くて耐用年数が長く、施工に当っては軽
量で手仕事が容易なサドル付分水栓の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサドル付分
水栓1は、金属製の止水機構4と、該止水機構を頂部に
係着し繊維強化ポリアミド樹脂の半円筒状のサドル2
1と、該サドルと両側面のフランジ22A、22Bで金
属製のボルト23、ナット24によって締結される繊維
強化ポリアミド樹脂の半円筒状のバンド25のサドル
機構2よりなり、サドル21およびバンド25の肉厚S
は5〜15mmの範囲にあり、該サドル21およびバン
ド25の外周側面へ、前記肉厚Sの大きい場合には補強
リブの高さHを小さく採り、肉厚の小さい場合には補強
リブの高さHを大きく採るが、その範囲は肉厚Sの1/
2〜3倍の範囲内にあり、フランジ22A,22Bの上
端部へ向けてなだらかな曲線で結ぶ強化リブ26を周設
し、高い強度と可撓性によ る免震性も具えたことによっ
て前記の課題を解決した。
【0010】
【作用】本発明に係るサドル付分水栓は前記の構成より
なるから、 (1)分水栓装着時に強制される規定の締め付けトルク
に耐える強度を具え、 (2)異種金属間の電位差に基づく電食や土壌中の腐食
性雰囲気に耐える耐食性を具え、 (3)分水栓装着工事における施工能力と能率を抜群に
向上する軽量化を実現し、 (4)地震や重車両通過に伴う瞬間的な活荷重に耐える
強度と可撓性も具えて管路からの離脱を防止する。とい
う分水栓装着部にだけ特に求められる作用効果を奏する
ことができる。前記の従来技術を始め全ての公知技術に
おいて、前記(1)〜(4)の全ての機能を満足するも
のは明らかに認められず、本発明は全ての従来技術とは
峻別すべき技術的特徴を具えている。具体的に各項目毎
に作用の特徴を見てみると、 分水栓を保持するサドルお
よびこのサドルと締結するバンドは合成樹脂で製造され
ているから、ステンレス鋼で製造したボルトナットや青
銅製の分水栓と接触しても両部材の間に電位差が生じる
ことはなく、両材料に比べて電位的に中性であるサドル
に対する電食作用は起こらない。したがって一度所定の
位置で本管に分水栓を取り付け管の外周に固定しておけ
ば、その後の地殻の変動や地面上の車両の通行によって
振動が伝播してきても、分水栓を拘束するサドルの本管
への締め付け力は変ることなく何時までも維持されるの
で、分水栓が当初の位置からずれることはない。また、
言うまでもなく材料が比重の遙かに小さい合成樹脂で製
造されているから製品の全重量はほぼ同じ形状であって
も相当軽減され、施工時に作業員に加わる負担は従来よ
りも大幅に軽くなる。
【0011】一方、本管への取り付け工事に当っては、
締め付けトルクに対抗できるように、従来のダクタイル
鋳鉄と特に選んだ繊維強化ポリアミド樹脂との材料強度
の差を計算して、サドル、バンドの外周面に強化リブを
周設し、特に締め付けトルクの集中するコーナー部分の
保全に万全を期した。すなわち、繊維強化ポリアミド樹
脂の引張り強度は29Kgf/mmを記録しているの
、この強度を基準に従来技術であるダクタイル鋳鉄と
の比較条件を算定した。 図4(A)(B)において、
W:サドルの巾,B:補強リブの巾,S:サドルの厚
み,H:補強リブの高さ,e:重心の位置,L:締結ボ
ルトの位置,d:締結ボルトの直径とし、締め付けトル
クによるサドルの変形を簡易的に片持ち梁と見立てて計
算すれば、断面積Aは数式(1)で示され、重心の距離
eは数式(2)で算出され、さらに断面二次モーメント
Iは数式(3)で表わされる。
【数1】
【数2】
【数3】 断面係数Z=I/eであり、サドル材料の引張り強度を
σとすれば、曲げモーメントM=σZで表わされ、締結
ボルトの軸力Q=M/Lで算出される。ここでサドル締
結時の締め付けトルクをTとすれば、結局 T=0.2Qd……(4) で計算することができる。果たして本発明に係るサドル
とバンドが標準施工時の締め付けトルク600Kgf−
cmをクリアできるか、従来技術であてるダクタイル鋳
鉄と遜色ないかどうかを確認する。 この場合は本発明の
材料として特定した繊維強化ポリアミド樹脂の引張り強
度σが29Kgf/mm であり、従来技術のダクタイ
ル鋳鉄の引張り強度σが4 0Kgf/mm であるか
ら、同等の強度を維持するために設計的な強化を施す必
要がある。 樹脂サドルの肉厚は5〜15mmが適当であ
り、従来の鋳鉄製のものが7mm以上,青銅製のもので
5mm以上の肉厚を具えていることを考慮して樹脂製の
場合も同等以上とした。肉厚が15mmを越えると成形
時にひけの発生などの製造上の問題があり、経済的にも
不利となるので適当ではない。該肉厚に対して締め付け
時における過大な締め付けトルクによる破損や変形が起
こらないようにリブを周設するが、前記の理由により肉
厚の大きい場合には補強リブの高さを抑え、肉厚の小さ
い場合には補強リブの高さを最大限まで高く採ることが
良質の製品を保証し、かつ、ボルト締結作業が円滑に実
施できる限界である。このことを前提として補強リブの
高さを肉厚の1/2〜3倍以内に限定し、前記の数式
(4)に基づいて締め付けトルクに対する抵抗力を計算
した。すなわち、サドルの肉厚を最大の15mmとした
ときはリブの高さはその1/2である7.5mmとし、
肉厚が小さくなるにつれてリブの高さの割合は大きくな
るが、サドルの肉厚が最小の5mmとなるとその3倍の
15mmとする。前提条件として前記の諸数式に対し
て、サドルの巾W:80mm,サドルの厚みS:12m
m,補強リブの巾B:15mm,締結ボルトの直径d:
16mm,締結ボルトの位置L:30mmとして計算の
結果、 サドル肉厚15mm+リブ高さ7.5mmのとき耐え
得る締め付けトルクは1112Kgf−cmであり、 サドル肉厚5mm+リブ高さ15mmのとき耐え得る
締め付けトルクは772Kgf−cmであり、同一肉厚
のダクタイル鋳鉄製サドルの819Kgf−cmにほぼ
拮抗し、何れも余裕を以て規定された締結トルク600
Kgf−cmを確実にクリアする。 このようにリブの
形状について肉厚に対する高さによって限定したのは、
リブの幅によって規定するよりも強度に対する効果が大
きいことによる。つぎに近年、特に重視される管路の接
合部からの離脱の防止について検討すれば、一旦、予想
を上回る大地震が都市部などを直撃したとき、地中に埋
設した管路の破壊によって被災者は長期に亘る悲惨な断
水状態に追い込まれる可能性が高 いが、過去の経験から
も断水の90%以上は管の接合部の離脱に起因し、可撓
性と強度の両立した継手部の破損はほとんど0に等しい
とされる。本発明で特定した繊維強化ポリアミド樹脂と
従来技術のダクタイル鋳鉄との弾性率を比較すると、下
表のように本発明の方が明らかに1桁小さく、ほぼ同一
の強度を維持しつつも10倍の可撓性を両立させた理想
的な免震構造を形成したことを示唆している。
【0012】
【実施例】図1(A)(B)(C)は 本発明の実施例
のうち、サドル機構2を示す平面図と正面図(縦断正面
図)である。図Aはサドル21の平面図、図Bはサドル
21とバンド25の正面図(右半分)と縦断正面図(左
半分)、図Cはバンド25の平面図である。サドルとバ
ンドは、ステンレス鋼製のボルト23およびナット24
を、それぞれの側面に設けられたフランジ22A、22
Bの取り付け孔28A、28Bへ挿通して締め付けら
れ、水道本管Pを上下から押圧してその位置を固定す
る。ここでは端部しか図示していないが、サドルの頂面
には分水栓41の端部を捩じ込む保持孔29があり、捩
じ込まれた分水栓の端部は穿孔した水道本管の取水孔と
連通する。
【0013】各図に示すようにサドル、バンドの外周面
には強化リブ26および27が設けられている。強化リ
ブは何れもボルト、ナットの取り付け孔28A、28B
を挟んで上下に周設し、サドルについてはナットをソケ
ットレンチで螺合するため、若干の逃げ(内側面の退入
部30)を凹設している。強化リブの目的は前述のよう
に締め付け作業のときにトルクが集中する半円筒とフラ
ンジとのコーナー部の強化であるから、図Bに明らかな
とおり強化リブの頂面はコーナーへかけてなだらかな曲
線を描いて結んでいる。強化リブの厚さについては、こ
の目的に合致するため、サドルやバンドを構成する合成
樹脂の材質個有の強度(引張り強さ)を基準とし、サド
ル付分水栓の取り付けられる相手の水道管の材質によっ
て規定されている締め付けトルクの2倍以上を設定して
算出するのが望ましい。
【0014】サドル、バンドの材質としては、普通名称
でナイロンと呼ばれるポリアミド樹脂繊維を混合して
強化した材質に限るものとする。強化用の繊維としては
特に限定するものではないが、化学的な安定性や経済性
からガラス繊維、または炭素繊維が好ましい実施例とな
る。とくにポリアミド樹脂のなかでも強力な種類を選択
するならば、キシリレン基含有ポリアミド樹脂が望まし
く、メタキシリレンジアミン単独、またはメタキシリレ
ンジアミン60重量%以上と、パラキシリレンジアミン
40重量%以下とのジアミン混合物と炭素数6から12
のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸、たとえばアジピン酸、
セバシン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸
との重縮合反応によって合成されるポリアミド樹脂が優
秀である。さらにこの中でもサドル、バンドを形成する
ための成形性や物性などのバランスを考慮に入れれば、
前記のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸としてアジピン酸が
最適であり、ポリ(メタ)キシリレンアジパミド、通
称、ポリアミドMXD6が推奨に価する。
【0015】実施例1として、75mm耐衝撃性硬質塩
化ビニル(HIVP)の水道本管へナイロン系樹脂のう
ちから前記のガラス繊維強化ポリアミドMXD6(商品
名レニー1022F:三菱エンジニアリングプラスチッ
クス(株)製造)を選んで成形したサドル、バンドによ
るサドル付分水栓を取り付けた。強化リブの高さは16
mm、幅は15mmとして取り付け孔を挟んで上下に2
条周設した。締め付けトルクは規定とおり400kg−
cmとし、取り付け後0.2kgf/cm×2分およ
び17.5kgf/cm×2分の水圧試験を実施した
が漏水などの異常は一切認められなかった。
【0016】実施例として50mm鋼管(SGP)の
水道本管へナイロン系樹脂製のうちから前記のガラス繊
維強化ポリアミドMXD6(商品名レニー1022F:
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製造)を選
んで成形したサドル、バンドによるサドル付分水栓を取
り付けた。強化リブの高さ20mm、幅15mmのもの
を2条、上下に周設した。管への締め付けトルクは60
0kgf−cmと規定の負荷を与えて装着した後、前記
実施例と同様の水圧試験を行なったが、全く異常なく、
信頼できる状態を実証した。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上に述べたとおり、異種金属
の接触に起因する電気的な腐食の懸念が解消され、地中
に埋設しても十分長い耐用期間を保証できる。その他金
属特有の応力腐食割れや疲労の現象から免れ漏水などの
トラブルが生じ難い。サドル、バンドは合成樹脂製であ
るから可撓性があり、地殻の変動や一次的な振動、たと
えば地震、地上の車両通過などに対しても金属よりも却
って適応性を具えているとも言える。強度的には使用す
る合成樹脂個有の材料強度から算出した適切な強化リブ
の周設によって十分信頼できる形態を選ぶことができ
る。さらにサドル付分水栓全体の重量は従来に比べて1
/2から1/3にまで軽量化し、現地施工が著しく容易
となって作業員に対する肉体的な負担が大幅に軽減され
た。結論すれば、水道・管路の分岐配管の死命を制する
分水栓装着部に求められる多岐に亘る条件をクリアした
唯一の技術的成果であり、他の従来技術と分水栓独自の
特定条件である耐締め付けトルク性、耐電食、軽量性、
接合部からの離脱防止の関わる2条件である強度と可撓
性の両立の全ての項目を満足する唯一の技術的特徴を具
有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)(C)によって本発明の実施例の
正面図、平面図を示す。
【図2】現在の給水システムを示す。
【図3】(A)(B)によって従来技術の縦断正面図と
側面図を示す。
【図4】締め付けトルク計算に使用するサドルの正面図
(A)と断面図(B)である。
【符号の説明】
1 サドル付分水栓 2 サドル機構 4 止水機構 21 サドル 22 フランジ 23 ボルト 24 ナット 25 バンド 26 強化リブ(サドル) 27 強化リブ(バンド) 28 取り付け孔 29 保持孔 30 退入部 41 分水栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 一郎 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 渡辺 宣義 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社 プラスチックス センター内 (72)発明者 山宮 和夫 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社 プラスチックス センター内 (56)参考文献 特開 昭61−97527(JP,A) 実開 昭49−111007(JP,U) 実開 昭53−39319(JP,U) 実開 昭54−114114(JP,U) 実公 平3−49353(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設する水道本管から分岐配
    水するサドル付分水栓1において、金属製の止水機構4
    と、該止水機構を頂部に係着し繊維強化ポリアミド樹脂
    の半円筒状のサドル21と、該サドルと両側面のフラ
    ンジ22A、22Bで金属製のボルト23、ナット24
    によって締結される繊維強化ポリアミド樹脂の半円筒
    状のバンド25のサドル機構2よりなり、サドル21お
    よびバンド25の肉厚Sは5〜15mmの範囲にあり、
    該サドル21およびバンド25の外周側面へ、前記肉厚
    Sの大きい場合には補強リブの高さHを小さく採り、肉
    厚の小さい場合には補強リブの高さHを大きく採るが、
    その範囲は肉厚Sの1/2〜3倍の範囲内にあり、フラ
    ンジ22A,22Bの上端部へ向けてなだらかな曲線で
    結ぶ強化リブ26を周設し、高い強度と可撓性による免
    震性も具えたことを特徴とする免震性サドル付分水栓。
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