JP2588769B2 - 制動油圧制御装置 - Google Patents

制動油圧制御装置

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JP2588769B2 JP63329708A JP32970888A JP2588769B2 JP 2588769 B2 JP2588769 B2 JP 2588769B2 JP 63329708 A JP63329708 A JP 63329708A JP 32970888 A JP32970888 A JP 32970888A JP 2588769 B2 JP2588769 B2 JP 2588769B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、制動油圧制御装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる制動油圧制御装置としては、たとえば実
開昭62−77068号公報で開示されているように、ブレー
キペダルの踏込み量に応じてマスタシリンダから出力さ
れる油圧を油圧式制動油圧制御装置により制御してブレ
ーキ装置に供給するようにしている。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記従来のような油圧式制動油圧制御装置
では、構成が複雑となり、しかも精密な制御をし得ると
は言い難い。
そこで、本出願人は油圧供給源からの油圧を電気的に
制御してブレーキ装置に与えるようにした制動油圧制御
装置を既に提案(特開昭63−1550号)している。かかる
制動油圧制御装置によれば、簡単な構成で制動油圧を精
密に制御することが可能であるが、油圧供給源からの油
圧が何らかの理由により低下したとき、ならびに電気系
の故障により電気式油圧調整手段が作動しなくなったと
きには、制動油圧を得ることができなくなる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
電気的制御により制動油圧を制御するようにして構成を
簡略化するとともにより精密な制動圧制御を可能とし、
しかも油圧供給源からの油圧低下ならびに電気系の故障
時にはブレーキペダルの踏込み操作により制動油圧を得
ることができるようにした制動油圧制御装置を提供する
ことを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明装置は、油圧供給源および油タンクとの連通、
遮断を電気的に切換制御可能な制御油圧発生室を備え、
制御油圧発生室の油圧に対応する制動油圧を作用させる
べくブレーキ装置に接続される電気式油圧調整手段と;
ブレーキペダルに連結されるピストンが該ブレーキペダ
ルと反対側の端面に反動室を臨ませてシリンダ体に摺動
自在に嵌合されて成る制動油圧発生手段と;反動室に通
じる油圧室を一端面に臨ませるとともに油圧源油圧室を
他端面に臨ませたスプール弁体が、反動室をブレーキ装
置に連通させ得る油圧源油圧室側の位置とブレーキ装置
および反動室間を遮断する前記油圧室側の位置との間で
移動可能にして本体に摺動可能に嵌合されて成る切換弁
手段と;励磁時に油圧源油圧室を油圧供給源に連通する
状態と消磁時に油圧源油圧室を油タンクに連通する状態
とを切換可能にして、前記油圧源油圧室と油圧供給源お
よび油タンクとの間に介装される電磁切換弁と;を備え
る。
(2) 作用 上記構成によれば、電気式油圧調整手段における制御
油圧発生室の油圧を電気的に制御することができ、その
制御油圧発生室の油圧に対応した制御油圧をブレーキ装
置に作用させることができる。しかも油圧供給源からの
油圧が異常に低下したとき、ならびに電気系に故障が生
じたときには、切換弁手段における油圧源油圧室の油圧
が低下するので、制御油圧発生手段におけるブレーキペ
ダルの踏込みに応じて反動室で発生する油圧を、切換弁
手段を介してブレーキ装置に作用させることができる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、車両の左前輪および右前輪に
それぞれ装着される左前輪用ブレーキ装置BFLおよび右
前輪用ブレーキ装置BFRと、油圧供給源Sおよび油タン
クTとの間に電気式油圧調整手段としてのモジュレータ
1FL,1FRがそれぞれ個別に介設されるとともに、左後輪
および右後輪にそれぞれ装着される左後輪用ブレーキ装
置BRLおよび右後輪用ブレーキ装置BRRと、油圧供給源S
および油タンクTとの間に両ブレーキ装置BRL,BRRに共
通の電気式油圧調整手段としてのモジュレータ1Rが介設
され、これらのモジュレータ1FL,1FR,1Rの作動により各
ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに制動油圧が供給され
る。
各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、シリンダ2と該
シリンダ2内に摺動可能に嵌合されるピストン3とをそ
れぞれ備え、シリンダ2およびピストン3間に画成され
た制動油圧室4に供給される制動油圧に応じたピストン
3の移動により制動力を発生する。
油圧供給源Sは、油タンクTから作動油を汲上げる油
圧ポンプPと、その油圧ポンプPに接続されるアキュム
レータA1と、油圧ポンプPの作動を制御するための圧力
スイッチPSとをそれぞれ備える。
各モジュレータ1FL,1FR,1Rは、共通のハウジング5の
相互に平行に並設されて成るものであり、それらのモジ
ュレータ1FL,1FR,1Rは基本的に同一の構成を有するもの
で、モジュレータ1FLの構造についてのみ以下に詳述
し、モジュレータ1FR,1Rに関しては詳細な説明を省略す
る。
ハウジング5には、油圧供給源Sに通じる単一の入力
ポート6と、油タンクTに通じる単一の解放ポート7
と、制動油圧室4に通じる3つの出力ポート8FL,8FR,8R
とが設けられ、出力ポート8FL,8FRは前輪側ブレーキ装
置BFL,BFRに個別に対応して配設され、残余の出力ポー
ト8Rは後輪側ブレーキ装置BRL,BRRに共通に対応すべく
配設される。
モジュレータ1FLは、ハウジング5に摺動自在に嵌合
されるスプール10と、該スプール10を軸方向に押圧すべ
くハウジング5に取付けられる電磁ソレノイドとしての
リニアソレノイド11とを備え、リニアソレノイド11はス
プール10の一端部に連動、連結され、該スプール10の他
端面に臨んで制御油圧発生室17が形成される。而してス
プール10は、油圧供給源Sに通じる入力ポート6と制御
油圧発生室17との連通状態、ならびに制御油圧発生室17
と解放ポート7との連通状態を、軸方向一端にかかるリ
ニアソレノイド11の推力と軸方向他端に作用する制御油
圧発生室17の油圧力との大小関係による軸方向位置変化
に応じて切換えるものである。
ハウジング5は、第1シリンダ孔12を有する第1シリ
ンダ体5aと、第2シリンダ孔13を有する第2シリンダ体
5bとが第1および第2シリンダ孔12,13を同軸上にして
一体に連設されて成るものであり、両シリンダ体5a,5b
の連設部には、第1および第2シリンダ孔12,13を隔て
る隔壁14が設けられる。第1シリンダ孔12にはスプール
10が摺動可能に嵌合される。リニアソレノイド11は、ハ
ウジング5の一方(第1図の右方)の外側面に取付けら
れるものであり、このリニアソレノイド11の駆動ロッド
15は第1シリンダ孔12の一端に通じてハウジング5に穿
設された挿入孔16から第1シリンダ孔12内に同軸に挿入
される。またスプール10の他端と隔壁14との間に制御油
圧発生室17が画成され、該制御油圧発生室17にはスプー
ル10を軸方向一端すなわちリニアソレノイド11側に付勢
する戻しばね18が収納される。したがってスプール10の
一端には駆動ロッド15か常時当接することになり、スプ
ール10とリニアソレノイド11とが連動、連結される。
第2シリンダ孔13にはフルーピストン20が摺動自在に
嵌合される。このフリーピストン20とハウジング5との
間には、出力ポート8FLに通じる出力室21と、隔壁14に
穿設された連通孔19を介して制御油圧発生室17に連通す
る背圧室22とが画成され、出力室21にはフリーピストン
20を隔壁14側に付勢する戻しばね23が収納される。而し
てリニアソレノイド11の作動に応じて制御油圧発生室17
に油圧が発生したときには、その油圧がフリーピストン
20の背部に作用し、それにより出力室21に発生した油圧
が出力ポート8FLからブレーキ装置BFLの制動油圧室14に
作用することになる。しかも隔壁14は、フリーピストン
20の背圧室22側への後退限位置を規制するストッパとし
ての機能をも果たすものである。
スプール10には、相互間に環状溝24を形成するランド
25,26が設けられており、ハウジング5にはスプール10
の軸方向位置にかかわらず環状溝24を制御油圧発生室17
に連通する連通路27が穿設される。また第1シリンダ孔
12の内面には、入力ポート6および環状溝24間を連通可
能な環状凹部28と、解放ポート7および環状溝24間を連
通可能な環状凹部29とが軸方向に間隔をあけて設けられ
ており、スプール10が隔壁14側に左動して環状凹部28を
環状溝24に連通させる油圧供給位置にあるときに環状凹
部29はランド25で閉塞され、その油圧供給位置からスプ
ール10が右動して環状凹部29が環状溝24に連通させた油
圧解放位置にあるときに環状凹部28はランド26で閉塞さ
れ、前記油圧供給位置および油圧解放位置の中間位置で
は両環状凹部28,29はランド25,26でそれぞれ閉塞され
る。
すなわちスプール10は、フリーピストン20の背部の背
圧室22に連通孔19、制御油圧発生室17および連通路27を
介して連通する環状溝24を環状凹部28に連通させて背圧
室22に油圧供給源Sからの油圧を供給する油圧供給位置
と、前記環状溝24を解放ポート7に連通させて背圧室22
を油タンクTに連通させる油圧解放位置との間で軸方向
に移動するものであり、スプール10の軸方向一方端に作
用するリニアソレノイド11の押圧力は油圧供給位置側に
向けて働き、制御油圧発生室17の油圧によりスプール10
の軸方向他方端にかかる油圧力は油圧解放位置側に向け
て作用する。
フリーピストン20は、その背部の背圧室22が解放され
たときには隔壁14に当接する後退限まで後退するもので
あり、フリーピストン20が後退限にあるときに出力室21
に連通する補助入力ポート31がハウジング5に穿設され
る。この補助入力ポート31は、油圧供給限Sの故障時に
ブレーキペダル32の踏込み操作に応じた制動油圧を前記
油圧室21に供給せしめるためのものであり、補助入力ポ
ート31には、補助油圧供給装置33の補助出力ポート61が
接続される。
補助油圧供給装置33は、ブレーキペダル32の踏込み量
に応じた制動油圧を発生可能な制動油圧発生手段34と、
油圧供給源Sの故障時に制動油圧発生手段34で発生した
制動油圧をモジュレータ1FLの出力室21に供給すべく切
換作動する切換弁手段35とを備える。
制動油圧発生手段34は、シリンダ体36に設けられた第
3シリンダ孔37にピストン38が摺動自在に嵌合されて成
るものであり、ピストン38には、ロードセル39を介して
ブレーキペダル32が連結される。而してブレーキペダル
32と反対側でシリンダ体36およびピストン38間には反動
室40が画成され、該反動室40には、反動室40の容積を増
大する方向にピストン38を付勢するばね41が収納され
る。またシリンダ体36には、反動室40の容積が最大すな
わちブレーキペダル32を踏込まずにピストン38が最大限
左動したときに反動室40に連通するポート42が設けられ
ており、該ポート42は油タンクTに連通される。
切換弁手段35は、本体43内にスプール弁体44が摺動自
在に嵌合されて成るものであり、前記本体43は制動油圧
発生手段34のシリンダ体36に一体にかつ同軸に連設され
る。しかも本体43には、第3シリンダ孔37に同軸上に第
4シリンダ孔45が穿設されており、スプール弁体44は第
4シリンダ孔45に摺動可能に嵌合される。またシリンダ
体36および本体43の連設部には第3および第4シリンダ
孔45を隔てる隔壁46が設けられており、この隔壁46には
第3および第4シリンダ孔37,45と同軸の連通孔47が穿
設される。
スプール弁体44と隔壁46との間には油圧室48が画成さ
れ、隔壁46と反対側で第4シリンダ孔45の端壁とスプー
ル弁体44との間には油圧源油圧室49が画成される。油圧
室48は連通孔47を介して反動室40に連通するものであ
り、この油圧室48内には、該油圧室48の容積を増大する
方向にスプール弁体44を付勢するばね50が収納される。
本体43には油圧源油圧室49に通じる油圧源用ポート51
が穿設されており、この油圧源用ポート51と、油圧供給
源Sおよび油タングTとの間には電磁切換弁Vが介装さ
れる。該電磁切換弁Vは、励磁時に油圧供給源Sを油圧
源用ポート51に連通する状態と、消磁時に油圧源用ポー
ト51を油タンクTに連通する状態とを切換可能であり、
前記リニアソレノイド11を含む電気系が正常状態である
ときには電磁切換弁Vは励磁状態にあり、前記電気系の
故障が生じたときには電磁切換弁Vは消磁状態となる。
したがって電磁切換弁Vが励磁状態にある状態で油圧
源油圧室49には油圧供給源Sからの作動油が供給さてお
り、スプール弁体44には油圧供給源Sからの油圧による
油圧力が左向きに作用し、ばね50のばね力および反動室
40で発生した油圧による油圧力が右向きに作用すること
になり、油圧供給源Sが正常に作動している状態ではス
プール弁体44は隔壁46に当接するまで左動しており、油
圧供給源Sが故障して油圧源油圧室49の油圧が低下する
とスプール弁体44は隔壁46から離反して右動する。
スプール弁体44の外面には、油圧室48寄りの環状溝52
と、油圧源油圧室49寄りの環状溝53とが相互間に間隔を
あけて設けられる。また第4シリンダ孔45の内面には、
油圧室48側から順に環状凹部54,55,56,57が相互間に間
隔をあけて設けられる。しかも環状凹部54はスプール弁
体44の左動位置でのみ環状溝52に連通すべく配設され、
環状凹部55はスプール弁体44の左動位置でのみ環状凹部
53に連通すべく配設され、環状凹部56はスプール弁体44
の軸方向位置にかかわらず環状溝53に常時連通すべく配
設され、環状凹部57はスプール弁体44の右動位置でのみ
環状溝53に連通すべく配設される。さらにスプール弁体
44には、油圧室48を介して反動室40に連通する油路58が
穿設されており、該油路58は環状溝52に開口されるとと
もに環状凹部57に常時連通すべくスプール弁体44の油圧
源油圧室49寄り外面に開口される。
切換弁手段35における本体43には、環状凹部54に通じ
るポート59と、環状凹部55に通じる解放ポート60と、環
状凹部56に通じる補助出力ポート61とが穿設される。し
かもポート59はアキュムレータA2に連通され、解放ポー
ト60は油タンクTに連通され、補助出力ポート61は補助
入力ポート31に連通される。
このような補助油圧供給装置33では、油圧供給源Sか
らの油圧が油圧源油圧室49に作用しているときにはスプ
ール弁体44が左動位置にあり、この状態では反動室40
が、油圧室48、油路58、環状溝52、環状凹部54およびポ
ート59を経てアキュムレータA2に連通されている。しか
もこの状態では、補助出力ポート61および解放ポート60
は、環状凹部56、環状溝53および環状凹部55を介して相
互に連通状態にある。また油圧源油圧室49の油圧が低下
するとスプール弁体44は右動位置となり、その状態では
反動室40が、油圧室48、油路58、環状凹部57、環状溝5
3、環状凹部56および補助出力ポート61を経て補助入力
ポート31に連通される。
第2図において、モジュレータ1FLのリニアソレノイ
ド11は、一対のコイル63a,63bを備えるものであり、そ
れらのコイル63a,63bへの入力電気量の総量に応じた推
力を発生するものである。すなわち第3図で示すよう
に、両コイル63a,63bの励磁電流量の総量I1〜I5あるい
は抵抗を一定としたときの電圧に応じた推力をリニアソ
レノイド11は発生するものであり、或るストローク範囲
では、総励磁電流量をIとするとともに定数をKとした
ときにリニアソレノイド11で発生する推力Fは、F=K
・Iで示される。また制御油圧発生室17の油圧をPwと
し、制御油圧発生室17に臨むスプール10の受圧面積をSc
としたときに、スプール10に作用する油圧力fは、f=
Sc・Pwで示される。したがってF=K・I>Sc・Pwであ
るときにはスプール10は左側の油圧供給位置へと移動
し、F=K・I<Sc・Pwであるときにはスプール10は右
側の油圧解放位置へと移動する。
このように推力Fと油圧力fとの大小関係に応じてス
プール10が軸方向に移動することにより、制御油圧発生
室17に油圧供給源Sから作動油が供給されたり、制御油
圧発生室17の油圧が解放されたりするので、油圧Pwは次
式で与えられることになる。
Pw=(K/Sc)・I …(1) すなわち油圧Pwは、リニアソレノイド11への供給電流
Iに比例することになり、制御油圧発生室17の油圧Pwを
リニアソレノイド11に供給する電流により任意に制御す
ることができ、その制御油圧発生室17の油圧Pwに応じた
制動油圧をブレーキ装置BFLの制動油圧室4に作用させ
ることができる。
ところで、リニアソレノイド11の両コイル63a,63bへ
の供給電流は制御回路64により制御されるものであり、
この制御回路64は、ロードセル39で得られる制動操作量
に応じた電流量の半分ずつを両コイル63a,63bにデュー
ティ化して印加する状態と、両コイル63a,63bのいずれ
か一方の故障時に制動操作量に応じた電流量の全量をデ
ューティ化して両コイル63a,63bの他方に印加する状態
とを切換可能に構成される。
すなわち制御回路64は、ロードセル39からの信号に応
じて両コイル63a,63bに与える電流量を設定するための
電流設定回路65と、両コイル63a,63bの故障診断のため
の発振信号を電流設定回路65に入力する発振回路66と、
電流設定回路65で設定された電流の半分に設定する1/2
電流設定回路67と、設定電流量をデューティ化するため
のデューティ化回路68と、前記電流設定回路65および1/
2電流設定回路67をデューティ化回路68に択一的に接続
するためのスイッチ69と、ベース端子がデューティ化回
路68に並列に接続されるとともにエミッタ端子が電源71
に並列に接続される一対のトランジスタ70a,70bと、ト
ランジスタ70a,70bのコレクタ端子およびコイル63a,63b
間にそれぞれ介設されるスイッチ72a,72bと、両コイル6
3a,63bの故障をそれぞれ診断するための故障診断回路73
a,73bと、スイッチ69のスイッチング態様を変化させる
べく両故障診断回路73a,73bに接続されるOR回路74とを
備える。
発振回路66は、第4図(a)で示すように時間T1たと
えば1秒の間隔で時間幅T2のパルスを出力するものであ
り、時間幅T2はリニアソレノイド11の作動に影響を及ぼ
さない短い時間たとえば1msec程度に設定される。また
電流設定回路65は、ロードセル39からの制動操作量を示
す信号に対応する設定電流に上記発振回路66からの発振
信号を重畳して出力するものであり、制動操作を行なっ
ていないときに電流設定回路65からの出力は第4図
(b)で示すようになる。さらに1/2電流設定回路67
は、電流設定回路65からの入力信号に基づいて設定電流
を1/2に設定し直すものであり、制動操作を行なってい
ないときに1/2電流設定回路67の出力は第4図(c)で
示すようになる。
スイッチ69は、電流設定回路65に接続される個別接点
69aと、1/2電流設定回路67に接続される個別接点69b
と、デューティ化回路68に接続される共通接点69cとを
有するものであり、OR回路74の出力によりスイッチング
態様を変化する。すなわちOR回路74は、コイル63a,63b
のいずれか一方が不調であるときにハイレベルの信号を
出力するものであるが、OR回路74の出力がローレベルで
あるときにスイッチ69は個別接点69bを共通接点69cに導
通させるスイッチング態様であり、OR回路74の出力がハ
イレベルになるとスイッチ69は個別接点69aを共通接点6
9cに導通するスイッチング態様に切換わる。
デューティ化回路68は、スイッチ69を介して入力され
る設定電流信号に対応したデューティ信号を出力するも
のであり、制動操作を行なっていない状態でOR回路74の
出力がローレベルである場合すなわち両コイル63a,63b
のいずれもが正常である場合に、デューティ化回路68の
出力は第4図(d)で示すようになる。このデューティ
化回路68の出力信号に応じてトランジスタ70a,70bが導
通、遮断し、両コイル63a,63bには第4図(e)で示す
ような電流がそれぞれ流れる。この電流は、リニアソレ
ノイド11を作動せしめる程のものではなく、故障診断用
として用いられるものである。
故障診断回路73a,73bは、スイッチ72aおよびコイル63
a間、ならびにスイッチ72bおよびコイル63b間にそれぞ
れ接続されるものであり、非制動操作時に第4図(e)
で示す電流が流れているときには正常と判断してローレ
ベルの信号を出力し、それ以外の電流が流れるときには
故障と診断してハイレベルの信号を出力する。すなわち
両コイル63a,63bが断線あるいは短絡したときや、トラ
ンジスタ70a,70bが導通したままになったり遮断したま
まになったりした故障時には、故障診断回路73a,73bに
入力される信号はローレベルのまま、あるいはハイレベ
ルのままとなり、それにより故障を診断することが可能
である。
スイッチ72a,72bは対応する故障診断回路73a,73bの出
力がハイレベルとなるのに応じて遮断するものである。
したがって故障診断回路73aが故障であると判断してハ
イレベルの信号を出力したときにスイッチ72aが遮断
し、また故障診断回路73bが故障であると判断してハイ
レベルの信号を出力したときにスイッチ72bが遮断す
る。
OR回路74の入力端子には両故障診断回路73a,73bの出
力が入力されており、したがってOR回路74は、両故障診
断回路73a,73bのいずれか一方の出力がハイレベルとな
ったとき、すなわち両コイル63a,63bのいずれか一方が
故障したときにハイレベルの信号を出力して、スイッチ
69をその個別接点69aが共通接点69cに導通するスイッチ
ング態様に変化せしめる。
次にこの実施例の作用について説明すると、先ず油圧
供給源Sが正常に作動するとともに電気系も正常状態に
あり、かつリニアソレノイド11も正常に作動している状
態で、ブレーキペダル32を踏込んで制動操作を行なった
場合を想定する。この際、補助油圧供給装置33では油圧
源油圧室49に油圧供給源Sからの油圧が作用しているの
で、切換弁手段35ではスプール弁体44が第1図で左方向
に移動しており、反動室40は連通孔47、油圧室48、油路
58、環状溝52、環状凹部54およびポート59を介してアキ
ュムレータA2に連通している。したがってアキュムレー
タA2からの反力を受けながらブレーキペダル32を踏込ん
で制動操作を行なうことになり、制動操作感を得ること
ができる。
しかもブレーキペダル32の踏込みに応じて反動室40の
油圧が増大し、その油圧増大に応じてロードセル39の出
力も増加する。すなわちロードセル39は制動操作量に対
応した信号を出力することになり、そのロードセル39か
らの信号に応じて制御回路64では両コイル63a,63bに制
動操作量に対応する設定電流の半分ずつの励磁電流が流
される。これによりリニアソレノイド11は制動操作量に
対応した推力を発揮することになり、モジュレータ1FL
の制御油圧発生室17には上記推力に対応する油圧すなわ
ち制動操作量に対応する油圧が発生し、制御油圧発生室
17の油圧がフリーピストン20の背部に作用することによ
りブレーキ装置BFLの制動油圧室4に制動操作量に対応
する制動油圧が発生することになる。
このようにして制動操作量に対応する制動油圧をブレ
ーキ装置BFLの制動油圧室4に作用させることができ
る。
ところで、制動操作中にモジュレータ1FLのスプール1
0は軸方向に高速移動するものであり、該スプール10が
第1図の右方向に高速移動したときに制御油圧発生室17
ではキャビテーションによりエアーが生じるおそれがあ
る。而してブレーキ装置BFLの制動油圧室4へのエアー
の混入は避けねばばらないが、制御油圧発生室17と制動
油圧室4との間にはフリーピストン20が介在されてお
り、該フリーピストン20の後退限が隔壁14で規制される
ので、キャビテーションにより制御油圧発生室17で発生
したエアーが制動油圧室4に侵入することを確実に防止
することができる。しかも制御油圧発生室17は、油圧供
給源Sおよび油タンクT間の循環経路中にあるので、制
御油圧発生室17で発生したエアーは油タンクTに排出さ
れることになる。
油圧供給源Sからの油圧が漏洩等により異常に低下す
ると、モジュレータ1FLの制御油圧発生室17での油圧発
生が困難となる。しかるに補助油圧供給装置33では、油
圧源油圧室49の油圧が低下するので切換弁手段35ではス
プール弁体44が第1図で右方向に移動し、反動室40が連
通孔47、油圧室48、油路58、環状凹部57、環状溝53、環
状凹部56および補助出力ポート61を介して補助入力ポー
ト31に連通することになる。しかも制御油圧発生室17の
油圧低下に応じてフリーピストン20が後退限まで後退す
るので補助入力ポート31は出力室21に連通している。し
たがってブレーキペダル32の踏込みに応じた制動油圧が
制動油圧室4に直接作用することになり、油圧供給源S
の故障にもかかわらず制御油圧を確実に得ることができ
る。
しかも上記油圧供給源Sからの油圧低下時に、補助油
圧供給装置33における切換弁手段35ではスプール弁体44
の右動によりアキュムレータA2に連なるポート59は反動
室40と遮断されており、したがってブレーキペダル32の
無効ストロークが生じるのを回避することができる。
リニアソレノイド11における一対のコイル63a,63bの
いずれか一方が不調になったとき、すなわち断線や短絡
が生じたとき、あるいはトランジスタ70a,70bが不調に
なったときを想定する。この場合には故障診断回路73a,
73bで故障を検知するのに応じて、両コイル63a,63bのう
ち不調になった方への電流印加が停止され、残りの正常
な方に制動操作量に対応した設定電流の全量が印加され
ることになる。これによりリニアソレノイド11は、制動
操作量に対応した推力を発揮することができ、両コイル
63a,63bのいずれか一方が不調となっても、制動操作量
に対応した制動油圧をブレーキ装置BFLの制動油圧室4
に作用させることができる。
さらにリニアソレノイド11を含む電気系に故障が生じ
たときを想定する。この場合には、リニアソレノイド11
の作動不良が生じるが、電磁切換弁Vが消磁状態となる
ので、切換弁手段35における油圧源油圧室49の油圧が低
下し、油圧供給源Sからの油圧が異常に低下したときと
同様に、切換弁手段35ではスプール弁体44が第1図で右
方向に移動し、反動室40が連通孔47、油圧室48、油路5
8、環状凹部57、環状溝53、環状凹部56および補助出力
ポート61を介して補助入力ポート31に連通することにな
る。したがってブレーキペダル32の踏込みに応じた制動
油圧が制動油圧室4に直接作用することになり、電気系
の故障にもかかわらず制動油圧を確実に得ることができ
る。
以上の実施例では、ロードセル39からの信号のみによ
り制動油圧を発生させるようにしたが、前記ロードセル
39で得られる制動操作量信号に、アンチロック制御信号
やトラクション制御信号を加えてリニアソレノイド11を
作動させることにより、制動油圧を制御することも可能
である。
C.発明の効果 以上のように本発明装置は、油圧供給源および油タン
クとの連通、遮断を電気的に切換制御可能な制御油圧発
生室を備え、制御油圧発生室の油圧に対応する制動油圧
を作用させるべくブレーキ装置に接続される電気式油圧
調整手段と;ブレーキペダルに連結されるピストンが該
ブレーキペダルと反対側の端面に反動室を臨ませてシリ
ンダ体に摺動自在に嵌合されて成る制動油圧発生手段
と;反動室に通じる油圧室を一端面に臨ませるとともに
油圧源油圧室を他端面に臨ませたスプール弁体が、反動
室をブレーキ装置に連通させ得る油圧源油圧室側の位置
とブレーキ装置および反動室間を遮断する前記油圧室側
の位置との間で移動可能にして本体に摺動可能に嵌合さ
れて成る切換弁手段と;励磁時に油圧源油圧室を油圧供
給源に連通する状態と消磁時に油圧源油圧室を油タンク
に連通する状態とを切換可能にして、前記油圧源油圧室
と油圧供給源および油タンクとの間に介装される電磁切
換弁と;を備えるので、電気式油圧調整手段の構成を簡
略化して制動油圧を電気的に制御することができ、しか
も油圧供給源からの油圧の異常低下や電気系の故障時
に、制動油圧発生手段の反動室で発生した油圧を切換弁
手段を介してブレーキ装置に供給することができ、確実
に制動油圧を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は油圧制
御回路図、第2図は電磁ソレノイドの制御回路図、第3
図は電磁ソレノイドの特性線図、第4図は非制動操作状
態で両コイル正常時の制御回路各部での信号を示すタイ
ミングチャートである。 1FL,1FR,1R……電気式油圧調整手段としてのモジュレー
タ、17……制御油圧発生室、32……ブレーキペダル、34
…制動御油圧発生手段、35……切換弁手段、38……ピス
トン、40……反動室、43……本体、44……スプール弁
体、48……ばね室、49……油圧源油圧室、 BFL,BFR,BRL,BRR……ブレーキ装置、S……油圧供給
源、T……油タンク、V……電磁切換弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧供給源および油タンクとの連通、遮断
    を電気的に切換制御可能な制御油圧発生室を備え、制御
    油圧発生室の油圧に対応する制動油圧を作用させるべく
    ブレーキ装置に接続される電気式油圧調整手段と;ブレ
    ーキペダルに連結されるピストンが該ブレーキペダルと
    反対側の端面に反動室を臨ませてシリンダ体に摺動自在
    に嵌合されて成る制動油圧発生手段と;反動室に通じる
    油圧室を一端面に臨ませるとともに油圧源油圧室を他端
    面に臨ませたスプール弁体が、反動室をブレーキ装置に
    連通させ得る油圧源油圧室側の位置とブレーキ装置およ
    び反動室間を遮断する前記油圧室側の位置との間で移動
    可能にして本体に摺動可能に嵌合されて成る切換弁手段
    と;励磁時に油圧源油圧室を油圧供給源に連通する状態
    と消磁時に油圧源油圧室を油タンクに連通する状態とを
    切換可能にして、前記油圧源油圧室と油圧供給源および
    油タンクとの間に介在される電磁切換弁と;を備えるこ
    とを特徴とする制動油圧制御装置。
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