JP2588136B2 - 自動ドア装置のハンガーローラー機構 - Google Patents

自動ドア装置のハンガーローラー機構

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JP2588136B2
JP2588136B2 JP6069002A JP6900294A JP2588136B2 JP 2588136 B2 JP2588136 B2 JP 2588136B2 JP 6069002 A JP6069002 A JP 6069002A JP 6900294 A JP6900294 A JP 6900294A JP 2588136 B2 JP2588136 B2 JP 2588136B2
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憲次 吉田
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SORITSUKU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動ドア装置におい
て、ドアをベースレールに走行自在に吊持するためのハ
ンガーローラー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図12、図13に示されているように、
アルミサッシメーカーが自動ドア用として規格化してい
る本体ベースaのベースレールbに対し、ドアcを走行
自在なるよう吊持する手段として、既にハンガーローラ
ー機構dなるものが知られている。
【0003】すなわち、上記従来のハンガーローラー機
構dは、図13に明示の如く、ハンガー金具e、中間板
f、ローラー金具g、二個一対のローラーh、hを主要
部材としており、上記ハンガー金具eは、垂直な背板部
1 と当該背板部e1 の下端から外側(ベースレールの
反対側)へ曲成されたドアcの固定用である水平板部e
2 とにより、ドア芯iに対してローラーjが偏芯するよ
うに形成されていることから、ローラーjが偏摩耗する
上、ドアc下部の振れ止め部品kも摩耗し易いものとな
っているが、この際、ドア芯iとローラー芯jを合致す
るようにすれば、ローラーhの耐久性が向上し、振れ止
め部品kの摩耗も少なくなって理想的である。
【0004】そこで、図14に示した如く、ハンガー金
具eのドア固定用水平板部e2 を、ベースレールbの下
部側まで曲成することで、ローラー芯jに対してドア芯
iを近付けることができ、さらに、ローラー芯jにドア
芯iを近付けようとすれば、上記ローラー金具gを無く
することで、その板厚分だけドア芯iとローラー芯jを
近付けることができることになる。
【0005】しかし、ローラー金具gを省略した場合
は、中間板fにローラーh、hを軸支して、ハンガー金
具eに組み込むことになるので、ローラーh、hが固定
化されてしまい、このため、両ローラーh、hがシーソ
ー状に調芯可動することができなくなり、ドアcの建て
付け調整によっては、一方のローラーhがベースレール
bから浮き上がり、両ローラーh、hに均等に荷重が加
わらず、他方のローラーhに大きな負担がかかることに
なる。
【0006】特に、開閉頻度の高い場所では、ドア閉じ
動作中から反転動作も多くなるので、当初から荷重がか
かっている他方のローラーは早期に摩耗することとな
り、一方の浮き上がっているローラーがベースレールに
乗るまでは、その目的を果たさないので、当該ローラー
の存在が無意味となり、信頼性が欠如することになる。
【0007】また、前記のようなローラーへの負担を避
けるためと、部品点数の低減化、低コスト化を図る上で
ドア両端のローラーを夫々一個とし、当該ローラーの径
を大きくすることも考えられているが、自動ドア装置で
は図12に示したように、駆動モーター・減速装置部l
との寸法上の点から、当該駆動モーター・減速装置部l
の下まで径の大きなローラーが走行できるような構造と
することはできないため、ドア端部からの吊り込み寸法
が制約を受けることになる。
【0008】さらに、自動ドア用の強化ガラスドアの場
合、一般に吊り込み寸法は、ドア両端から40mmと1
20mmの位置にタップ加工されるが、前記した理由
で、吊り込み寸法が機種によって相違したのでは、打合
わせするのが大変であり、間違ってドアが現場に納入さ
れれば、加工し直し作業が発生し、作業が大変になる
等、前記諸問題も考えると、どうしても現状のダブルロ
ーラー機構を基本にせざるを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術が有する問題点に鑑み、請求項1ではローラー金具
に調芯金具を組み込み、当該調芯金具によってローラー
金具をハンガー金具にシーソー状に揺動可能に組み込ん
で構成することにより、ドアの建て付け調整終了後のナ
ット締め付けが行なわれても、ローラー金具は容易にシ
ーソー状に揺動して調芯が可能となり、これによってダ
ブルローラーの機能を維持できるようにすると共に、ロ
ーラー芯とドア芯を合致させることができ、これにより
ローラー自体の耐久性を向上することができるようにす
るのが、その目的である。
【0010】さらに、請求項2にあっては、調芯金具に
よるローラー金具の高さ調整および固定を、より容易に
しようとしており、請求項3では従来品との互換性をも
考慮することで、既成製品に対する簡易な利用を可能に
しようとしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、請求項1では垂直な背板部の下端に、ド
ア固定用の水平板部がベースレールの下方側へ曲突され
ているハンガー金具と、長さ方向の両端部における片面
に夫々ローラーが横向軸によって回転自在に軸支されて
いるローラー金具と、上記ローラーの調芯金具とを備
え、上記ハンガー金具の背板部には、当該ローラーを上
下方向へ移動調整可能なるよう上記調芯金具が、そのボ
ルト・ナットにより固定される一対の調整兼固定用長孔
を、上部一端から下部他端へ併行に傾斜下降して貫設
し、前記ローラー金具には、両ローラーのほぼ中間部に
あって、調芯金具取付孔が貫設され、一方、前記調芯金
具には、上記ローラー金具の調芯金具取付孔より拡幅に
形成されている基板部の片面にあって、突設部が上記調
芯金具取付孔に揺動自在なるよう嵌合可能な大きさで、
かつ、上記ローラー金具の板厚よりも厚肉に突設されて
いると共に、その前面に一対の固定用である前記ボルト
が、上記調整兼固定用長孔と対応した配置で突設され、
当該調芯金具が、その突設部を前記ローラー金具の調芯
金具取付孔に嵌合し、前記ハンガー金具の調整兼固定用
長孔に上記固定用のボルトを嵌挿して、これを前記のナ
ットにより固定することで、ローラー金具がハンガー金
具に対して、シーソー状に揺動可能なるよう取付けられ
ていることを特徴とする自動ドア装置のハンガーローラ
ー機構を提供しようとしている。
【0012】さらに、請求項2では垂直な背板部の下端
に、ドア固定用の水平板部がベースレールの下方側へ曲
突されているハンガー金具と、長さ方向の両端部におけ
る片面に夫々ローラーが横向軸によって回転自在に軸支
されているローラー金具と、上記ローラーの調芯金具と
を備え、上記ハンガー金具の背板部には、当該ローラー
を上下方向へ移動調整可能なるよう上記調芯金具が、そ
のボルト・ナットにより固定される一対の調整兼固定用
長孔を、垂直かつ併行に形成し、前記ローラー金具に
は、両ローラーのほぼ中間部にあって、調芯金具取付孔
が貫設され、一方、前記調芯金具には、上記ローラー金
具の調芯金具取付孔より拡幅に形成されている基板部の
片面にあって、突設部が上記調芯金具取付孔に揺動自在
なるよう嵌合可能な大きさで、かつ、上記ローラー金具
の板厚よりも厚肉に突設されていると共に、その前面に
一対の固定用である前記ボルトが、上記調整兼固定用長
孔と対応した配置で突設され、当該調芯金具が、その突
設部を前記ローラー金具の調芯金具取付孔に嵌合し、前
記ハンガー金具の調整兼固定用長孔に上記固定用のボル
トを嵌挿して、これを前記のナットにより固定すること
で、ローラー金具がハンガー金具に対して、シーソー状
に揺動可能なるよう取付けられていることを特徴とする
自動ドア装置のハンガーローラー機構を提供しようとし
ている。
【0013】請求項3にあっては垂直な背板部の下端
に、ドア固定用の水平板部がベースレールの下方側へ曲
突されているハンガー金具と、長さ方向の両端部におけ
る片面に夫々ローラーが横向軸によって回転自在に軸支
されているローラー金具と、上記ローラーの調芯金具と
を備え、上記ハンガー金具の背板部には、当該ローラー
を上下方向へ移動調整可能なるよう上記調芯金具が、そ
のボルト・ナットにより固定される一対の調整兼固定用
長孔を、上部一端から下部他端へ併行に傾斜下降して貫
設し、前記ローラー金具には、両ローラーのほぼ中間部
にあって、調芯金具取付孔が、中心に貫通した円状孔
と、当該円状孔の左右両側に、同円状孔の径より狭幅に
連設されている両連孔とにより形成され、一方、前記調
芯金具は、前記ローラー金具の調芯金具取付孔より拡幅
に形成されている基板部と、その片面にあって当該調芯
金具取付孔の円状孔に回転可能なるよう嵌合自在な円形
突部と、その両側に、前記調芯金具取付孔の両連孔より
も狭幅にして、かつ、短く連設されている突部とによっ
て形成され、かつ、上記ローラー金具の板厚よりも厚肉
に突設されていると共に、当該突設部の前面に一対の固
定用である前記のボルトが、上記調整兼固定用長孔と対
応した配置にて突設され、当該調芯金具が、その突設部
を前記ローラー金具の調芯金具取付孔に嵌合し、前記ハ
ンガー金具の調整兼固定用長孔に上記固定用のボルトを
嵌挿して、これを前記のナットにより固定することで、
ローラー金具がハンガー金具に対して、シーソー状に揺
動可能なるよう取付けられていることを特徴とする自動
ドア装置のハンガーローラー機構を提供しようとしてい
る。
【0014】
【作用】調芯金具の突設部を、ローラー金具の内側か
ら、同金具の調芯金具取付孔に嵌合させ、基板部をロー
ラー金具内面に突き合わせて重積状態にすると、上記ロ
ーラー金具の板厚よりも厚肉となっている分だけ突設部
の前端部が上記調芯金具取付孔から突出する。
【0015】ここで、上記突設部の調芯金具取付孔から
突出した前端部にあって、その中央部における両端近く
を、ポンチ、またはプレス等によって押し潰すようにす
れば、当該部分が外側へ押し広げられて抜け止め状態と
なり、これにより調芯金具とローラー金具は、離脱なし
に組み込まれることとなって好都合である。
【0016】次に、上記突設部から突設の一対である固
定用ボルトを、ハンガー金具における一対の調整兼固定
用長孔に挿通し、ワッシャを介してナットを螺合し、調
芯金具とローラー金具とを、ハンガー金具に仮固定す
る。
【0017】次いで、ハンガー金具の水平板部にドアを
ボルト止めにより仮固定し、ローラーを本体ベースのベ
ースレールに係け乗せることで、ドアの吊り込みを行っ
たならば、ドアの建て付け調整を行ない、調整終了後に
ボルトを締め付けると共に、上記ナットを締め付けるこ
とで、ドアの吊り込みを完了させる。
【0018】ナットの締め付けによって、調芯金具の突
設部における前端面と、ハンガー金具の背板部における
内面とが圧着されることで、当該調芯金具とハンガー金
具は強固に固定されるが、上記突設部は、ローラー金具
の板厚よりも僅かに厚肉に形成されていることによっ
て、ローラー金具は、上記調芯金具とハンガー金具で挟
着されることはないので、当該ローラー金具は、シーソ
ー状に揺動可能な状態でハンガー金具に組み込まれる。
このことによって、二個のローラーにおける調芯作用が
可能となり、当該両ローラーは、常にベースレールに係
当され、浮き上がるようなことはないので、両ローラー
には、荷重が均等に加わることとなる。
【0019】さらに、ハンガー金具のドア取り付け用と
しての水平板部がベースレールの下部側へ曲成されてい
る上、従来の中間板を省いたことによって、ローラー芯
とドア芯を同一線上の位置に、または同一線上位置に近
ずけることが可能となり、従って、ローラーの偏摩耗お
よびドア振れ止め部品の摩耗等に上る耐久力の低下が軽
減される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、ドアを吊り込んだ状態のハンガー
ローラー機構を示した一部切欠の正面図、図2は図1の
A−A′線矢視断面図、図3はハンガーローラー機構の
分解斜視図、図4は、ローラー金具と調芯金具を組み込
んだ状態の一部切欠正面図、図5は図4におけるB−
B′線矢視断面図を夫々示している。
【0021】図1ないし図3に示したように、ハンガー
金具1、ローラー金具2、調芯金具3、二個一対のロー
ラー4、4、二個一対のボルト5、5とナット6、6と
を主要部材としている。
【0022】上記ハンガー金具1は、垂直な背板部1a
と、当該背板部1aの下端から直角に曲成した、ドア固
定用の水平板部1bとによって一体に形成されるもの
で、上記水平板部1bは図2に明示した如く、本体ベー
ス7の下部水平板部7aにおける端部上面に、長さ方向
へ突設されているベースレール7bの下部側へ向け曲突
され、長さ方向の両端部近くには、図3に明示の如くボ
ルト挿通用の長孔8、8が、長さ方向と直交状、すなわ
ち図2において、ドア9の板厚方向へ長く貫設されてい
る。
【0023】また上記ハンガー金具1の背板部1aは、
その上部左右両側から夫々外側へ突出板部1c、1cを
対称に突設することで、正面略T字形状に形成され、上
記背板部1aの略中間における上部には、上記ローラー
金具2を上下方向へ調整可能になるよう、上記調芯金具
3を固定するための二個一対とした調整兼固定用長孔1
0、10が、背板部1aの長さ方向へ一定の間隔をおい
て、上部一端から下部他端へ傾斜下降して併設してあ
り、上記両突出板部1c、1cには、図示しない駆動ベ
ルトと連結するための連結金具固定用ボルト11、11
が植立されている。
【0024】前記ローラー金具2は、上記したハンガー
金具1の長さ方向へ長く帯状に形成され、長さ方向の両
端部における片面には、前記二個一対のローラー4、4
を図示しない横向軸によって回転自在なるよう軸支され
ている共に、長さ方向の中間部には調芯金具取付孔12
が、図示例では横向きに長く貫設されている。
【0025】上記調芯金具取付孔12は、図1、図3、
図4に例示した如く中心部に貫通した円状孔12aと、
当該円状孔12aの左右両側に連設した同上円状孔12
aの直径Aよりも、上下方向の幅Bが小さい連孔12
b、12bとで形成されている。
【0026】前記調芯金具3は図3、図4に明示した如
く、正面横長矩形状とした基板部13の片面に、上記し
たローラー金具2の調芯金具取付孔12へシーソー状に
揺動可能なるよう嵌合される突設部14が一体に突設さ
れている。
【0027】上記突設部14は、上記した調芯金具取付
孔12における中心の円状孔12aに回転可能なるよう
嵌合自在な円形突部14aを中央部に有し、その左右両
側に、同円形突部14aの直径Cよりも、上下方向の幅
Dが小さく設定されている狭幅の突部14b、14bを
連設することで形成され、図5に示すとおり、当該突設
部14の厚さEは、上記ローラー金具2の板厚Fよりも
適当寸法Gだけ大きく設定してあり、上記両突部14
b、14bの前面中心からは、固定用ボルト5、5が直
交状に突設されている。
【0028】上記した調芯金具取付孔12として図1な
いし図4に示したものは、中心の円状孔12aの左右両
側における連孔12bを、同円状孔12aの直径Aと同
一の直径A1 を有する小円孔12c、12cにより形成
し、当該各円状孔12aと小円孔12cの各連設部にお
ける上下方向の幅B、Bを夫々円状孔12a、小円孔1
2cの直径A、A1 、A1 よりも小さく設定するように
している。
【0029】このように、調芯金具取付孔12を形成し
た場合、上記した突設部14は、中心にある円形突部1
4aの左右両側における突部14b、14bとして、直
径Hが、上記円状孔12a、小円孔12c、12cのそ
れよりも小さく設定した小円形突部14c、14cが連
設され、各大小円形突部14a、14c、14a、14
cの連設部における上下方向の幅Dを上記した調芯金具
取付孔12の連設部における幅Bよりも小さく設定して
形成し、図4に示した如く、上記した調芯金具取付孔1
2に突設部14を嵌合した状態で、これらの中心Oを支
点として突設部14がシーソー状に揺動可能としてあ
る。
【0030】すなわち、図4に示す如く、調芯金具3に
対してローラー金具2はシーソー状に所定角度αだけ揺
動して、ローラー4、4の調芯を可能としている。
【0031】また、上記した調芯金具取付孔12と、突
設部14は、図6に示したように、中心の円状孔12a
および円形突部14aの各左右両側に上記した小円孔1
2c、12cおよび小円形突部14c、14cを形成す
るのではなく、矩形状孔12d、12dおよび矩形状突
部14d、14dを夫々連設して形成することもでき、
この場合も、前記実施例の場合と同様の目的、作用、効
果を達成することができる。
【0032】さらに、上記ローラー金具2の調芯金具取
付孔12と、調芯金具3の突設部14は図7、図8に示
すように形成することも可能である。すなわち同上図の
如く調芯金具取付孔12を、正面略長方形状に、一端か
ら他端まで同一幅に形成する。一方、これに対して突設
部14は、上記調芯金具取付孔12の横方向に長く形成
し、かつ、その長さを、上記調芯金具取付孔12のそれ
よりも適当寸法だけ短く形成すると共に、長さ方向にお
ける中間部の幅長を、調芯金具取付孔12に丁度嵌合す
る寸法として、中間部から左右両側へ徐々に狭幅となる
ようにし、上記調芯金具取付孔12に対して、がた付き
をもって嵌合可能とするのであり、これにより狭幅の両
端部側が、中間部を支点としてシーソー状に揺動可能と
なっている。
【0033】この場合も、突設部14の中間部における
上下両端部をポンチ、またはプレス等によって押し潰し
て外側へ押し広げ、調芯金具3を抜け止め状態としてお
くのがよい。
【0034】また、上記調芯金具取付孔12と突設部1
4は、図7のように横長形状とすることなく、図8のよ
うに縦長形状とすることも可能である。
【0035】また、上記ハンガー金具1の調整兼固定用
長孔10、10は、既述のように傾斜状に形成するので
はなく、図9に示したように、上下方向へ垂直に併設す
ることも可能である。
【0036】従って、以上説示したハンガーローラー機
構を用いるときは、ローラー金具2の調芯金具取付孔1
2に、調芯金具3の突設部14を嵌合させ、調芯金具取
付孔12から突出した前端面の上部と下部を、図5に示
したようにポンチ、またはプレス等で押し潰して外側へ
押し広げることで、その拡開片15、15により抜け止
め状態となし、ローラー金具2と調芯金具3は不本意に
分離しない状態で組み込まれることとなる。上記突設部
14から突設の一対の固定用ボルト5、5を、ハンガー
金具1の調整兼固定用長孔10、10に挿通し、ナット
6、6を螺合することで組み込みを完了する。
【0037】ハンガー金具1にドア9をボルト16、1
6により仮付けし、図2のようにローラー4、4を、本
体ベース7のベースレール7bに乗せ、ドア9の建て付
け調整を行った後、ボルト16、16を締め付けると共
に、ナット6、6を締め付けることで、ドア9の吊り込
みを完了することになる。このようにナット6、6を締
め付けることで、図5に示したように、調芯金具3とハ
ンガー金具1とは圧着固定されるが、突設部14の厚さ
Eが、ローラー金具2の板厚Fよりも大きいことによ
り、当該ローラー金具2は固着されずにシーソー状に揺
動可能となって、調芯が可能となることから、両ローラ
ー4、4は適正にベースレール18に載装されて、浮き
上がってしまうようなことはない。
【0038】さらに、本発明のハンガーローラー機構に
おけるローラー金具2は、その調芯金具取付孔12を図
1、図3、図4に示したように形成することで、従来の
ハンガーローラー機構に組み込むことができる。すなわ
ち、図10、図11に示したように、従来の中間板17
から突設したボルト18にカラー19を外装し、当該カ
ラー19を前記したローラー金具2に穿設の調芯金具取
付孔12における中心の円状孔12aに嵌合させ、ワッ
シャ20、バネワッシャ21を介して上記ボルト18に
ナット22を螺着することで、ローラー金具2を中間板
17に対して、シーソー状態となるよう揺動可能な組み
込みができることとなる。
【0039】さらに、上記中間板17から突設のボルト
23、23を、ハンガー金具1の縦長孔24、24に挿
通して、図示しないナットを螺着すると共に、ハンガー
金具1と中間板17から夫々水平に突設した固定用板2
5、26を上下方向で重積させ、ボルト27をねじ孔2
5aに螺着することで組み込みを完了する。
【0040】ここで、上記カラー19の軸方向における
長さは、ローラー金具2の板厚よりも僅かに長く形成し
てあり、これによってドア建て付け調整終了後に、ナッ
ト22が締め付けられても、ローラー金具2がシーソー
状態にて揺動でき、調芯が可能となる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
てるものであるから、請求項1によるときは、ローラー
をベースレールに係装してドアを吊り込み、当該ドアの
建て付け調整終了後のナット締め付けが行なわれても、
ローラー金具は容易にシーソー状の調芯が可能となるの
で、ダブルローラーの一方がベースレールから浮き上が
ることなく、両ローラーに均等に荷重が加わることか
ら、ダブルローラー本来の機能が達成されると共に、当
該ローラー自体の耐久性も向上できることになる。
【0042】また、請求項2によれば、ローラー金具の
調整兼固定用長孔が垂直に併設されているので、ドアの
建て付け調整時におけるローラー金具の上下方向におけ
る移動調整を、円滑にしてさらに容易にすることがで
き、さらに、請求項3にあっては、メンテナンスにあっ
て、従来のハンガーローラー機構におけるローラーの交
換が必要となった場合には、ローラー金具を組み込むこ
とができることから互換性の点で優れ、シーソー状の調
芯も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンガーローラー機構の一実施例
を示す使用状態の一部切欠正面図である。
【図2】図1におけるA−A′線矢視縦断側面図であ
る。
【図3】同上実施例を示す分解斜視図である。
【図4】同上実施例のローラー金具と調芯金具との組み
込み状態を示した一部切欠の正面図である。
【図5】図4におけるB−B′線矢視縦断側面図であ
る。
【図6】本発明に係るハンガーローラー機構におけるの
ローラー金具の調芯金具取付孔と、調芯金具における突
設部の他実施例を示す組合せ状態の一部を切欠した正面
図である。
【図7】同上調芯金具取付孔と突設部の他実施例を示す
組み合わせ状態の一部を切欠した正面図である。
【図8】同上調芯金具取付孔と突設部のさらに他実施例
を示す組み合わせ状態の一部を切欠した正面図である。
【図9】ハンガー金具の他実施例を示す斜視図である。
【図10】ローラー金具を従来のハンガーローラー機構
に組み込む場合を示した分解斜視図である。
【図11】ローラー金具を従来のハンガーローラー機構
における中間板に組み込んだ状態を示す一部切欠の正面
図である。
【図12】自動ドア装置を示す一部切欠の正面図であ
る。
【図13】従来のハンガーローラー機構を示す使用状態
の一部を切欠した側面図である。
【図14】従来の他ハンガーローラー機構を示す使用状
態の一部を切欠した側面図である。
【符号の説明】
1 ハンガー金具 1a 背板部 1b 水平板部 2 ローラー金具 3 調芯金具 4 ローラー 5 ボルト 6 ナット 7b ベースレール 10 調整兼固定用長孔 12 調芯金具取付孔 12a 円状孔 12b 連孔 13 基板部 14 突設部 14a 円形突部 14b 突部 A 円状孔の直径 E 突設部の厚さ F ローラー金具の板厚

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直な背板部の下端に、ドア固定用の水
    平板部がベースレールの下方側へ曲突されているハンガ
    ー金具と、長さ方向の両端部における片面に夫々ローラ
    ーが横向軸によって回転自在に軸支されているローラー
    金具と、上記ローラーの調芯金具とを備え、上記ハンガ
    ー金具の背板部には、当該ローラーを上下方向へ移動調
    整可能なるよう上記調芯金具が、そのボルト・ナットに
    より固定される一対の調整兼固定用長孔を、上部一端か
    ら下部他端へ併行に傾斜下降して貫設し、前記ローラー
    金具には、両ローラーのほぼ中間部にあって、調芯金具
    取付孔が貫設され、一方、前記調芯金具には、上記ロー
    ラー金具の調芯金具取付孔より拡幅に形成されている基
    板部の片面にあって、突設部が上記調芯金具取付孔に揺
    動自在なるよう嵌合可能な大きさで、かつ、上記ローラ
    ー金具の板厚よりも厚肉に突設されていると共に、その
    前面に一対の固定用である前記ボルトが、上記調整兼固
    定用長孔と対応した配置で突設され、当該調芯金具が、
    その突設部を前記ローラー金具の調芯金具取付孔に嵌合
    し、前記ハンガー金具の調整兼固定用長孔に上記固定用
    のボルトを嵌挿して、これを前記のナットにより固定す
    ることで、ローラー金具がハンガー金具に対して、シー
    ソー状に揺動可能なるよう取付けられていることを特徴
    とする自動ドア装置のハンガーローラー機構。
  2. 【請求項2】 垂直な背板部の下端に、ドア固定用の水
    平板部がベースレールの下方側へ曲突されているハンガ
    ー金具と、長さ方向の両端部における片面に夫々ローラ
    ーが横向軸によって回転自在に軸支されているローラー
    金具と、上記ローラーの調芯金具とを備え、上記ハンガ
    ー金具の背板部には、当該ローラーを上下方向へ移動調
    整可能なるよう上記調芯金具が、そのボルト・ナットに
    より固定される一対の調整兼固定用長孔を、垂直かつ併
    行に形成し、前記ローラー金具には、両ローラーのほぼ
    中間部にあって、調芯金具取付孔が貫設され、一方、前
    記調芯金具には、上記ローラー金具の調芯金具取付孔よ
    り拡幅に形成されている基板部の片面にあって、突設部
    が上記調芯金具取付孔に揺動自在なるよう嵌合可能な大
    きさで、かつ、上記ローラー金具の板厚よりも厚肉に突
    設されていると共に、その前面に一対の固定用である前
    記ボルトが、上記調整兼固定用長孔と対応した配置で突
    設され、当該調芯金具が、その突設部を前記ローラー金
    具の調芯金具取付孔に嵌合し、前記ハンガー金具の調整
    兼固定用長孔に上記固定用のボルトを嵌挿して、これを
    前記のナットにより固定することで、ローラー金具がハ
    ンガー金具に対して、シーソー状に揺動可能なるよう取
    付けられていることを特徴とする自動ドア装置のハンガ
    ーローラー機構。
  3. 【請求項3】 垂直な背板部の下端に、ドア固定用の水
    平板部がベースレールの下方側へ曲突されているハンガ
    ー金具と、長さ方向の両端部における片面に夫々ローラ
    ーが横向軸によって回転自在に軸支されているローラー
    金具と、上記ローラーの調芯金具とを備え、上記ハンガ
    ー金具の背板部には、当該ローラーを上下方向へ移動調
    整可能なるよう上記調芯金具が、そのボルト・ナットに
    より固定される一対の調整兼固定用長孔を、上部一端か
    ら下部他端へ併行に傾斜下降して貫設し、前記ローラー
    金具には、両ローラーのほぼ中間部にあって、調芯金具
    取付孔が、中心に貫通した円状孔と、当該円状孔の左右
    両側に、同円状孔の径より狭幅に連設されている両連孔
    とにより形成され、一方、前記調芯金具は、前記ローラ
    ー金具の調芯金具取付孔より拡幅に形成されている基板
    部と、その片面にあって当該調芯金具取付孔の円状孔に
    回転可能なるよう嵌合自在な円形突部と、その両側に、
    前記調芯金具取付孔の両連孔よりも狭幅にして、かつ、
    短く連設されている突部とによって形成され、かつ、上
    記ローラー金具の板厚よりも厚肉に突設されていると共
    に、当該突設部の前面に一対の固定用である前記のボル
    トが、上記調整兼固定用長孔と対応した配置にて突設さ
    れ、当該調芯金具が、その突設部を前記ローラー金具の
    調芯金具取付孔に嵌合し、前記ハンガー金具の調整兼固
    定用長孔に上記固定用のボルトを嵌挿して、これを前記
    のナットにより固定することで、ローラー金具がハンガ
    ー金具に対して、シーソー状に揺動可能なるよう取付け
    られていることを特徴とする自動ドア装置のハンガーロ
    ーラー機構。
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