JP2585450Y2 - 伝熱実験装置 - Google Patents

伝熱実験装置

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JP2585450Y2
JP2585450Y2 JP1992047438U JP4743892U JP2585450Y2 JP 2585450 Y2 JP2585450 Y2 JP 2585450Y2 JP 1992047438 U JP1992047438 U JP 1992047438U JP 4743892 U JP4743892 U JP 4743892U JP 2585450 Y2 JP2585450 Y2 JP 2585450Y2
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博人 斉藤
栄一 新林
儀澄 泉
悦司 梶田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、熱交換器における伝熱
を実験する伝熱実験装置に係り、特に企業や学校におけ
る研修・教育用に利用できる。
【0002】
【背景技術】近年、石油精製、石油化学工業をはじめと
する化学プラントは、多種多様な装置を用いて複雑かつ
大規模となっている。このため、プラントを制御管理す
るオペレータの役割も大きくなっており、プラントを制
御管理するには実プラントでよく用いる伝熱理論や熱交
換器の挙動を十分に理解し習得する必要があった。そこ
で、このような伝熱理論や熱交換器の挙動を容易にかつ
短時間で理解習得することができる実験装置が求められ
ていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、熱交換
器の実験装置としては僅かに学校教材用のものが存在す
るのみであった。この教材用の実験装置は、実プラント
において多く用いられている多管式熱交換器に比べて単
純な構造の熱交換器を用いており、このため実プラント
における様々な挙動を再現することができず、その挙動
等を理解習得するにはあまり適していないという問題が
あった。
【0004】本考案の目的は、実プラントと同等の挙動
を再現できて伝熱理論および実プラントでの熱交換器の
挙動を容易にかつ短時間に習得できる伝熱実験装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の伝熱実験装置
は、熱交換器を実プラントに使用される熱交換器と同じ
設計基準で製作し、この熱交換器の伝熱管内または管外
の何れか一方に高温流体を供給する高温流体供給手段
と、熱交換器の伝熱管内または管外の何れか他方に低温
流体を供給する低温流体供給手段とを設けるとともに、
前記熱交換器の高温流体および低温流体の入口および出
口における流体温度を検出する温度検出手段を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0006】この際、伝熱実験装置には、伝熱条件の異
なる複数の熱交換器が設けられていることが好ましい。
伝熱条件が異なる熱交換器とは、固定管板式とU字管式
等の種類の異なる熱交換器や、伝熱管に汚れがある場合
と無い場合のように状態が異なる熱交換器等を言う。ま
た、この熱交換器は、熱交換器全体あるいは熱交換器の
伝熱管部分が取替可能とされ、例えば伝熱管に汚れがあ
るものと無いものとを交換して比較実験ができるように
されているものが好ましい。なお、複数種類の熱交換器
を用いる場合、各熱交換器の伝熱面積を同じにしたほう
が比較実験が容易に行えるため好ましい。
【0007】
【作用】このような本考案では、実プラントと同じ設計
基準で製作された熱交換器を用いているので実プラント
と同様の挙動を再現できて実プラントを制御・管理する
場合に必要な伝熱理論と実プラントでの熱交換器の挙動
との習得が容易にかつ短時間で行える。また、伝熱実験
装置は、熱交換器のほかに高温流体供給手段、低温流体
供給手段、温度検出手段等の伝熱実験に必要な機器を予
め備えているので、各機器の接続等の準備作業が不要と
なり、実験を簡単にかつ短時間で行える。さらに、伝熱
実験装置に伝熱条件の異なる複数の熱交換器を設けれ
ば、各熱交換器における熱交換率の相違などを比較実験
することができて伝熱理論等の習得をより容易に行え
る。この際、各熱交換器の伝熱面積を同じにすれば、実
験で得られたデータを直接比較できるので比較実験がよ
り簡単となる。また、熱交換器を取替可能に設ければ、
例えば伝熱管が汚れた状態と清浄な状態との熱交換率の
相違等の比較実験等も可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1,2には本実施例の伝熱実験装置1の正面
図および側面図が、図3にはその配管系統図がそれぞれ
示されている。
【0009】伝熱実験装置1は、実験に必要な各機器が
取付けられた架台2を備え、この架台2には装置1を移
動するためのキャスタ3が設けられ、また装置1を水平
状態で固定するためのレベル調整ボルト4が設けられて
いる。
【0010】伝熱実験装置1は、U字管式熱交換器10
と、固定管板式熱交換器20と、各交換器10,20に
温水を供給する高温流体供給手段30と、各交換器1
0,20に冷水を供給する低温流体供給手段50と、計
測操作パネル100と、図5に示すように実験データの
取り込みや各機器の制御、さらにはデータの解析等を行
う制御装置150とを備えている。
【0011】U字管式熱交換器10は、図4に詳細に示
すように、胴11およびボンネット12で囲まれた空間
内にU字形の多数の伝熱管13からなるチューブバンド
ル14を挿入し、このチューブバンドル14の開口端面
の管板15を胴11のフランジ11Aとボンネット16
とで挟持固定することで製作されている。伝熱管13
は、胴11側の流速の調整も行う邪魔板17で支持され
ているが、本実施例ではこの邪魔板17の間隔Lを実プ
ラントで使用されるTEMA(Tubular Exchanger Manu
facturers Association)規格に合わせて設計している。
【0012】熱交換器10の胴11には、冷水を胴11
内つまり伝熱管13の管外に取り入れ、排出するための
胴側入口ソケット18Aおよび出口ソケット18Bが設
けられ、ボンネット16には温水を各伝熱管13内に取
り入れ、排出するための蓋側入口ソケット19Aおよび
出口ソケット19Bが設けられている。この熱交換器1
0は、スタンドを介して架台2に固定されている。
【0013】一方、図3に簡略して示すが、固定管板式
熱交換器20もU字管式熱交換器10と同様にTEMA
規格に合わせて製作されている。すなわち、胴21およ
びボンネット22内に多数の直管状の伝熱管23からな
るチューブバンドル24を挿入し、チューブバンドル2
4の固定管板を胴21のフランジとボンネット26とで
挟持固定することで製作されている。そして、伝熱管2
3を支持する邪魔板の間隔を実プラントで使用されるT
EMA規格に合わせて設定している。
【0014】 固定管板式熱交換器20の胴21には、
U字管式熱交換器10と同様に胴側入口ソケット28A
および出口ソケット28Bが設けられ、ボンネット26
には蓋側入口ソケット29Aおよび出口ソケット29B
が設けられている。なお、各熱交換器10,20は、共
に伝熱面積が約0.6 2 で同じとされ、かつ胴11,2
1内に配置されるチューブバンドル14,24は取替可
能とされている。
【0015】高温流体供給手段30は、図3に示すよう
に、温水タンク31と、温水循環ポンプ32と、圧力制
定タンク33と、温水流量検出オリフィス34と、温水
系統配管35とを備えている。なお、図示しないが温水
タンク31、温水系統配管35、各熱交換器10,20
は断熱材によって被覆され、またタンク31や熱交換器
10,20と架台との間に断熱性のパッキンを介在させ
たり、断熱性のプラスチックボルトを用いて固定するこ
となどで配管35等から熱が逃げないようにされてい
る。
【0016】温水タンク31は、オーバフロー構造とさ
れて給水管5から給水バルブ36を介して供給される水
が一定容量以上となったときに溢れた水を排水管6を介
して排水することで一定容量に維持されるようになって
いる。また、タンク31には温水のレベルを検出するレ
ベル計37が設けられている。
【0017】温水タンク31には、図3および伝熱実験
装置1の信号系統図である図5に示すように、加熱用の
2つのヒータ38A,38Bが設けられるとともに、温
度制御用の温度検出器39Aと、最高温度制御用の温度
検出器39Bとが設けられている。ヒータ38A,38
Bは、計測操作パネル100のヒータスイッチ101
A,101Bによって作動される。ヒータ38Aは、温
水タンク31内の温水温度調整用であって、計測操作パ
ネル100の温度指示調節計102によって設定された
設定温度と、温度検出器39Aで検出される温水タンク
31内の実際の温水温度との差に応じてサイリスタ電力
調整器40Aを制御することでその加熱量が調整されて
いる。一方、ヒータ38Bは、計測操作パネル100の
ヒータ電力調整器103によってサイリスタ電力調整器
40Bを手動調整することでその加熱量が調整されてい
る。
【0018】温度検出器39Bは、計測操作パネル10
0の最高温度設定器104に接続され、この設定器10
4は温度検出器39Bで検出した温水温度が設定器10
4で設定した温度以上となった場合に電力調整器40
A,40Bの電源を切断し、温水が設定温度以上に加熱
されることを防止するように形成されている。また、図
3に示すように温水タンク31には、温水の温度を一様
にするための攪拌器41が設けられている。
【0019】温水系統配管35は、温水タンク31から
各熱交換器10,20を通してタンク31まで温水を循
環させるものであり、温水タンク31に接続されて途中
に温水循環ポンプ32と、ポンプ32による脈動を無く
すための圧力制定タンク33と、温水の流量を測定する
温水流量検出オリフィス34とが設けられた配管35A
を備えている。配管35Aには、ポンプ32で循環され
る温水の一部をタンク31に戻すための配管35Bが接
続され、この配管35Bのバルブ42Bを操作してタン
ク31に戻す温水流量を調整することで各交換器10,
20への温水流量を制御している。
【0020】温水流量検出オリフィス34の圧力検出ポ
ート34A,34Bには、計測操作パネル100の温水
流量マノメータ105と、差圧伝送器106,107と
が3方向切換用の電磁弁108によって切換え可能に接
続されている。これにより、オリフィス34の差圧をマ
ノメータ105によって検出できるとともに、電磁弁1
08を切り換えることで差圧伝送器106,107によ
って検出してディストリビュータ109,110を介し
て接続されている制御装置150に差圧データを送るこ
とができるようになっている。なお、差圧伝送器106
は0〜1kg/cm2の範囲で圧力を検出する高圧用に用いら
れ、差圧伝送器107は0〜600mmH2Oの範囲で圧力を検
出する低圧用に用いられる。従って、通常は最初に差圧
伝送器106を用い、検出された圧力が小さい場合には
電磁弁111によって経路を切り換えて差圧伝送器10
7を用いて検出する。また、電磁弁108,111間に
は差圧伝送器106,107との接続を断続する2方向
切換用の電磁弁112が設けられている。
【0021】温水系統配管35Aは、オリフィス34の
先でU字管式熱交換器10側の配管35Cと、固定管板
式熱交換器20側の配管35Dとに分岐され、配管35
C,35Dはバルブ42C,42Dを介して熱交換器1
0,20の蓋側入口ソケット19A,29Aにそれぞれ
接続されている。また、各熱交換器10,20の蓋側出
口ソケット19B,29Bには配管35E,35Fが接
続され、これらの配管35E,35Fはバルブ42E,
42Fを介して配管35Gに接続されている。
【0022】配管35Gは、温水タンク31まで延長さ
れ、温水をタンク31内に戻すバルブ42Gと、排水管
6を介して排水するバルブ42Hとが設けられている。
また、配管35Gには流量検定用のバルブ42Iも設け
られている。このバルブ42Iはオリフィス34の流量
を重量法を用いて検定するものであり、バルブ42Iを
開いて配管35Gを流れる温水の実流量を測定し、オリ
フィス34の差圧から検出した流量と比較してオリフィ
ス34の検定を行うものである。
【0023】低温流体供給手段50は、高温流体供給手
段30と略同様に構成され、図3に示すように、冷水タ
ンク51と、冷水循環ポンプ52と、圧力制定タンク5
3と、冷水流量検出オリフィス54と、冷水系統配管5
5とを備えている。
【0024】冷水タンク51は、温水タンク31と同様
にオーバフロー構造とされて給水管5から給水バルブ5
6を介して供給される水を一定容量に維持している。ま
た、タンク51には冷水レベルを検出するレベル計57
が設けられている。また、冷水タンク51には、自動給
水装置58が設けられている。低温流体供給手段50で
は、熱交換器10,20に供給した冷水は熱交換によっ
て温度が高くなるため、高温流体供給手段30のように
循環して再利用せずに排水管6を介して排水している。
このため、実験に伴い冷水タンク51内の水量が減少す
るため、許容レベル範囲の上限および下限に設けたレベ
ル計59によって水位が許容レベル以下になった場合に
は電磁バルブ60を開いて給水し、許容レベル以上とな
った場合には電磁バルブ60を閉じて給水を停止するよ
うにしている。このレベル計59、電磁弁60で自動給
水装置58が構成されている。
【0025】冷水系統配管55は、冷水タンク51から
各熱交換器10,20に冷水を供給、排水させるもので
あり、温水系統配管35Aと同様に、冷水タンク51に
接続されて途中に冷水循環ポンプ52と、脈動防止用の
圧力制定タンク53と、冷水流量を測定する冷水流量検
出オリフィス54とが設けられた配管55Aを備えてい
る。配管55Aには、ポンプ52で循環される冷水の一
部をタンク51に戻すための配管55Bが接続され、こ
の配管55Bのバルブ62Bを操作することで各交換器
10,20への冷水流量を制御している。
【0026】冷水流量検出オリフィス54の圧力測定用
ポート54A,54Bには、温水流量検出オリフィス3
4と同様に、計測操作パネル100の冷水流量マノメー
タ115と、差圧伝送器106,107とが3方向切換
用の電磁弁108によって切換え可能に接続されてい
る。これにより、オリフィス54の差圧をマノメータ1
15によって検出できるとともに、電磁弁108を切り
換えることで差圧伝送器106,107、ディストリビ
ュータ109,110を介して接続されている制御装置
150に差圧データを送ることができるようになってい
る。また、温水流量検出オリフィス34と同様に、電磁
弁108,111間には差圧伝送器106,107との
接続を断続する2方向切換用の電磁弁112が設けられ
ている。
【0027】冷水系統配管55Aは、オリフィス54の
先でU字管式熱交換器10側の配管55Cと、固定管板
式熱交換器20側の配管55Dとに分岐され、配管55
C,55Dはバルブ62C,62Dを介して熱交換器1
0,20の胴側入口ソケット18A,28Aにそれぞれ
接続されている。また、各熱交換器10,20の胴側出
口ソケット18B,28Bには配管55E,55Fが接
続され、これらの配管55E,55Fはバルブ62E,
62Fを介して配管55Gに接続されている。
【0028】配管55Gは、冷水タンク51部分まで延
長され、冷水をタンク51内に戻すためのバルブ62G
と、冷水を排水するためのバルブ62Hとが設けられて
いる。また、配管55Gには配管35Gと同様に流量検
定用のバルブ62Iも設けられ、オリフィス54の流量
検定を行えるようにされている。
【0029】U字管式熱交換器10の蓋側入口ソケット
19Aおよび出口ソケット19Bにそれぞれ接続された
温水系統配管35C,35Eと、固定管板式熱交換器2
0の蓋側入口ソケット29Aおよび出口ソケット29B
にそれぞれ接続された温水系統配管35D,35Fとに
は、それぞれ圧力測定用のポート43A,43Bと44
A,44Bとが設けられ、各ポート43A,43B,4
4A,44BにはU字管式熱交換器圧損測定用のマノメ
ータ116と、固定管板式熱交換器圧損測定用のマノメ
ータ117とがそれぞれ接続されているとともに、電磁
弁108によって切り換えられる差圧伝送器106,1
07が接続されている。
【0030】また、電磁弁108,111間には差圧伝
送器106,107との接続を断続する2方向切換用の
電磁弁112が設けられている。従って、各流量検出オ
リフィス34,54および各熱交換器10,20からの
圧力データは、マノメータ105,115〜117を用
いる場合には複数同時に検出することができるが、制御
装置150に取り込む場合には、その取り込みデータに
対応して各電磁弁112が制御されて各圧力データを順
次取り込むように構成されている。
【0031】また、各配管35,55には温度検出器1
20が設けられ、各熱交換器10,20の温水出口温
度、温水入口温度、冷水出口温度、冷水入口温度を検出
できるように構成されている。これらの各温度は温度検
出器120に接続された温度指示計121によって各熱
交換器10,20毎に計測操作パネル100にデジタル
表示されるとともに、制御装置150に温度データとし
て送られるようになっている。これらの温度検出器12
0、温度指示計121によって本実施例の温度検出手段
が構成されている。
【0032】また、計測操作パネル100には、上記各
スイッチ類やマノメータ以外に、各循環ポンプ32、5
2を作動させるポンプスイッチ122,123、主電源
スイッチ124、計器電源スイッチ125、自動測定と
手動測定との切換えを行う切換スイッチ126、自動測
定中であることを示す自動表示灯127、自動測定中に
各ヒータ101A,101Bや各ポンプ32,52が動
作していることを示す自動測定動作表示灯128、制御
装置150との接続コネクタ129が設けられている。
【0033】次に、このような伝熱実験装置1を用いた
伝熱実験の手順について説明する。まず、実験準備とし
て、全てのバルブ、コックが閉止されていることを確認
した後、給水バルブ36,56を開けて温水タンク31
および冷水タンク51にオーバフローするまで給水す
る。給水が完了したらバルブ36,56を閉める。
【0034】次に、実験を行う熱交換器10,20を選
択する。以下は、U字管式熱交換器10の実験を行う場
合について説明する。まず、温水系統配管35のバルブ
42B,42C,42E,42Gを開け、温水循環ポン
プスイッチ122を操作してポンプ32を作動させる。
また、冷水系統配管55のバルブ62B,62C,62
E,62Gを開け、冷水循環ポンプスイッチ123を操
作してポンプ52を作動させる。そして、各配管35,
55中の空気抜きを行うため、バルブ42B,42G,
62B,62Gをやや絞り、各配管35,55の送水圧
を上げ、空気抜きコックを開いて空気抜きを行う。ま
た、計測管路の空気抜きを行うため各マノメータ管路の
空気を抜き、マノメータ105,115〜117に水銀
が入っていない場合には空気を抜いた後に水銀を注入す
る。
【0035】次に、温度条件を設定する。まず、最高温
度設定器104によって温度制御装置が動作しない場合
や手動調整されるヒータ38Bによって異常加熱された
ときにヒータ38A,38Bの電源を遮断する温度を設
定する。この温度は通常は85度程度に設定すればよ
い。そして、試験温度を決め、温度指示調節計102で
設定値を入力し、ヒータスイッチ101A,101Bに
よって各ヒータ38A,38Bを作動させて水を加熱す
る。なお、ヒータ38Bは実験開始時等で温度を大きく
上げなければならない時など、ヒータ38Aだけでは容
量が足りない場合に用いる。
【0036】温水温度が設定試験温度に近づいたら、ヒ
ータ38Bを止めてヒータ38Aのみで加熱する。ヒー
タ38Aは温度検出器39Aおよび温度指示調節計10
2によって自動調節され、温水温度を設定温度に制御す
る。なお、温水タンク31内は攪拌器41によって攪拌
され、タンク31内は一様な温度に制御される。
【0037】温水タンク31内の温度が試験温度になっ
たら弁42B,42Cを操作して温水流量を調整し、弁
62B,62Cを操作して冷水流量を調整する。この各
流量は、流量検出オリフィス34,54の差圧を測定す
ることで検出することができる。
【0038】温水および冷水が所定の流量に調整された
ら、温度検出器120で熱交換器10の温水入口温度、
温水出口温度、冷水入口温度、冷水出口温度を検出し、
これらの温度を温度指示計121から読み取ったり、制
御装置150にデータを送ることで測定する。また、各
流量検出オリフィス34,54の差圧および熱交換器1
0の温水入口圧力と温水出口圧力との差を各マノメータ
105,115,116を用いて読み取ったり、差圧伝
送器106,107およびディストリビュータ109,
110を介して制御装置150にデータを送ることで測
定する。これらの測定した各データに基づいて温水およ
び冷水の各流量、熱交換量、レイノルズ数や対数平均温
度差、両流体の真の温度差、熱交換率、熱貫流率、熱貫
流率(総括伝熱係数)を計算して求める。
【0039】伝熱実験を終了する場合には、ヒータスイ
ッチ101A,101Bを切断し、バルブ42C,62
Eを全開にし、温水温度が40度以下程度まで下がった
らポンプ32,52を停止する。
【0040】一方、固定管板式熱交換器20の実験は、
熱交換器20側のバルブ42D,42F,62D,62
Fを開いて配管35D,35F,55D,55Fを通し
て熱交換器20に温水および冷水を供給する以外はU字
管式熱交換器10の実験と同じ手順で行えばよい。
【0041】また、各熱交換器10,20は、チューブ
バンドル14,24を交換可能とされているので、伝熱
管13,23に絶縁用ワニスを塗って模擬汚染処理を施
したチューブバンドル14,24に交換して汚染状態で
の伝熱実験を行って比較してもよいし、バッフルスペー
スの異なる熱交換器に切り換えて比較実験してもよい。
この際、絶縁用ワニスの厚さを変えることなどで模擬汚
染処理を施した何種類かのチューブバンドル14,24
を用意し、それらの総括伝熱係数等を実験によって求め
ておけば、総括伝熱係数等に対するチューブバンドル1
4,24の汚れ具合が分かる。このため、実プラント等
において内部を視認できないために汚れ具合の判らない
熱交換器があっても、その伝熱量等から総括伝熱係数等
を求めることで前記チューブバンドル14,24の汚れ
具合と比較して推定することができる。
【0042】このような本実施例によれば、熱交換器と
して実プラントで使用されるU字管式熱交換器10や固
定管板式熱交換器20等の多管式熱交換器を用い、さら
にこれらの熱交換器10,20をTEMA規格に合わせ
て製作しているので、実プラントと同じ設計基準の熱交
換器を用いて実験することができる。このため、実プラ
ントでの熱交換器の挙動を再現することができ、伝熱理
論や実プラントの挙動を容易にかつ短時間で習得するこ
とができる。
【0043】また、温水タンク31、温水系統配管3
5、各熱交換器10,20に断熱材を設けたので、配管
35等からの伝熱を防止でき、伝熱実験を高精度に行う
ことができる。特に、実験装置1では各熱交換器10,
20の設計基準は実プラントと同じであるが、その規模
は実プラントに比べて小さいため熱交換器10,20で
の伝熱量に対して配管35等から逃げる熱量の割合が大
きくなり、測定誤差が大きくなるが、本実施例では断熱
材で伝熱を防止しているので高精度の実験を行うことが
できる。
【0044】さらに、U字管式熱交換器10と固定管式
熱交換器20との種類の異なる2つの熱交換器を設けて
おり、これらは温水系統配管35のバルブ42C,42
D,42E,42Fや冷水系統配管55のバルブ62
C,62D,62E,62Fを適宜切り換えるだけで各
熱交換器10,20を選択して実験することができる。
このため、種類の異なる熱交換器10,20における伝
熱量や総括伝熱係数等を簡単に比較実験することができ
る。特に、前記実施例では、各熱交換器10,20の伝
熱面積を同一にしたので、実験によって求められた伝熱
量や総括伝熱係数等を比較のため換算する必要がなく、
直接比較できるので比較実験をより簡単に行うことがで
きる。
【0045】また、各熱交換器10,20は、チューブ
バンドル14,24を取替可能に形成されているので、
例えば模擬汚染状態とされたチューブバンドルと清浄な
チューブバンドルとを交換して実験して、各伝熱量等の
相違を比較実験することや実プラントでの熱交換器の汚
れ具合を推定することができる。さらに、バッフルスペ
ースの異なる熱交換器10,20に交換することでバッ
フルスペースの相違による伝熱量等の相違を比較実験す
ることもできる。従って、伝熱条件等の異なる各種熱交
換器を簡単に比較実験することができ、それらの特性や
挙動を容易にかつ短時間で習得することもできる。
【0046】さらに、マノメータ105,115〜11
7や温度指示計121を設けたので伝熱実験を手動で行
うこともでき、また制御装置150を設けたので実験を
自動的に行うこともできる。この手動実験および自動実
験は、切換スイッチ126によって簡単に切換えること
ができるので、実験者のレベルに合わせてあるいは実験
者の要望に応じて実験を行うことができる。
【0047】また、実験に必要な各機器は全て架台2上
に固定されてまとめられており、実験にあたって各機器
を接続するなどの組立作業が不要なため、実験を簡単に
行うことができる。また、架台2はキャスタ3で簡単に
移動できるので、適切な実験場で実験を行うこともでき
る。
【0048】さらに、温水および冷水の各流量は、流量
検出オリフィス34,54で簡単に検出することができ
るとともに、各オリフィス34,54を重量法によって
検定できるようにバルブ42I,62Iを設けたので常
に正確な流量を測定することができ、この点からも実験
を高精度に行うことができる。
【0049】なお、本考案は前述の実施例に限定される
ものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変
形、改良等は本考案に含まれるものである。例えば、前
記実施例では、2つの熱交換器10,20を設け、バル
ブ等を切り換えて各熱交換器10,20毎に実験を行っ
ていたが、各熱交換器10,20に接続された各バルブ
を開いて同時に実験してもよい。また、熱交換器を1つ
あるいは3つ以上設けて実験を行ってもよい。但し、前
記実施例のように2つの熱交換器10,20を設けたほ
うが1つしか設けない場合に比べて比較実験が容易であ
り、かつ3つ以上設けた場合に比べて実験装置1の配管
35,55等が複雑にならないという利点がある。
【0050】さらに、熱交換器10,20はチューブバ
ンドル14,24を取り替えるものに限らず、胴11,
21部分から全体を取り替えるものでもよい。また、熱
交換器10,20を取り替えないように形成してもよい
が、取り替えることができるほうが例えば汚染状態での
実験やバッフルスペースが異なる場合の実験等の様々な
条件で実験することができるという利点がある。
【0051】また、実験する熱交換器としては、前記実
施例のようなU字管式熱交換器10や固定管板式熱交換
器20に限らず、遊動頭式熱交換器やケトル式熱交換器
等の実プラントで使用される種々の熱交換器を用いるこ
とができる。さらに、高温流体供給手段30や低温流体
供給手段50は前記実施例のものに限らず、熱交換器に
高温流体および低温流体を供給できるものであればよ
い。この際、高温流体や低温流体は水に限らず、各種油
や気体等を用いてもよい。また、実験にあたっての各流
体の流量や圧力、温度等は前記実施例のマノメータ等と
は異なる手段で検出してもよく、これらは実施にあたっ
て適宜設定すればよい。
【0052】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の伝熱実験
装置によれば、実プラントと同等の挙動を再現できて伝
熱理論および実プラントでの熱交換器の挙動を容易にか
つ短時間に習得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の伝熱実験装置を示す正面図
である。
【図2】本実施例の伝熱実験装置を示す側面図である。
【図3】本実施例の伝熱実験装置の配管系統図である。
【図4】本実施例の伝熱実験装置に用いたU字管式熱交
換器を示す一部を切欠いた正面図である。
【図5】本実施例の伝熱実験装置の信号系統図である。
【符号の説明】
1 伝熱実験装置 2 架台 10 U字管式熱交換器 13 伝熱管 17 邪魔板 20 固定管式熱交換器 23 伝熱管 30 高温流体供給手段 31 温水タンク 34 温水流量検出オリフィス 35 温水系統配管 50 低温流体供給手段 51 冷水タンク 54 冷水流量検出オリフィス 55 冷水系統配管 100 計測操作パネル 120 温度検出器 121 温度指示計 150 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 新林 栄一 千葉県市原市姉崎海岸26番地 出光興産 株式会社内 (72)考案者 泉 儀澄 東京都大田区久が原二丁目11番5号 東 京メータ株式会社内 (72)考案者 梶田 悦司 東京都大田区久が原二丁目11番5号 東 京メータ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−169600(JP,A) 特開 昭64−74580(JP,A) 特公 昭48−25093(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 19/00 G09B 9/00

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実プラントに使用される熱交換器と同じ
    設計基準で製作された熱交換器と、この熱交換器の伝熱
    管内または管外の何れか一方に高温流体を供給する高温
    流体供給手段と、熱交換器の伝熱管内または管外の何れ
    か他方に低温流体を供給する低温流体供給手段と、前記
    熱交換器の高温流体および低温流体の入口および出口に
    おける流体温度を検出する温度検出手段と、を備えたこ
    とを特徴とする伝熱実験装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伝熱実験装置において、
    伝熱条件の異なる少なくとも2つ以上の熱交換器が設け
    られ、これらの熱交換器は取替可能とされていることを
    特徴とする伝熱実験装置。
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CN109765047B (zh) * 2019-01-31 2020-09-11 江苏中海华核环保有限公司 一种冷热源出口阻力调节阀用摇摆台
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