JP2585033Y2 - 筒内燃料直接噴射式内燃機関 - Google Patents
筒内燃料直接噴射式内燃機関Info
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- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Description
【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、燃焼室内へ燃料を直接噴射する方式の内燃
機関の排気浄化、出力向上関するものである。
機関の排気浄化、出力向上関するものである。
（従来技術） 燃料直接噴射式内燃機関では、特に中高負荷運転時の
燃焼過程においてすすが発生し、このすすが排気ガスと
共に外部に排出されて大気汚染の原因の一つとなってい
る。このようなすすの発生を抑制するために従来より燃
料に空気噴流を衝突させる、或いは燃焼後期に空気噴流
を燃焼室に噴射することにより、すすの発生を抑制する
ようにした燃料直接噴射式内燃機関（実開昭62−193123
号）が提案されている。これは、補助シリンダと補助ピ
ストンとで形成される空気室と、空気室と燃焼室とを連
通する空気噴射用通路と、空気室と燃焼室とを連通する
空気吸入用通路と、空気吸入用通路と空気室との連通を
遮断すると共に空気室内の空気を圧縮して燃料室内に噴
射するようにクランクと回転連結して所定の時期に補助
ピストンを移動させる補助ピストン制御手段とを備えた
ことを特徴とするものであって、ピストン制御手段の構
造が複雑であり、駆動損失の増加を招くと共に内燃機関
頭部が大型とならざるを得ない。また、燃焼の初期にお
ける燃焼は第２図の破線で示すように急激な圧力上昇を
伴い燃焼騒音の原因となり、燃焼室内の圧力も高く温度
も高いためNOXの排出を招く。
燃焼過程においてすすが発生し、このすすが排気ガスと
共に外部に排出されて大気汚染の原因の一つとなってい
る。このようなすすの発生を抑制するために従来より燃
料に空気噴流を衝突させる、或いは燃焼後期に空気噴流
を燃焼室に噴射することにより、すすの発生を抑制する
ようにした燃料直接噴射式内燃機関（実開昭62−193123
号）が提案されている。これは、補助シリンダと補助ピ
ストンとで形成される空気室と、空気室と燃焼室とを連
通する空気噴射用通路と、空気室と燃焼室とを連通する
空気吸入用通路と、空気吸入用通路と空気室との連通を
遮断すると共に空気室内の空気を圧縮して燃料室内に噴
射するようにクランクと回転連結して所定の時期に補助
ピストンを移動させる補助ピストン制御手段とを備えた
ことを特徴とするものであって、ピストン制御手段の構
造が複雑であり、駆動損失の増加を招くと共に内燃機関
頭部が大型とならざるを得ない。また、燃焼の初期にお
ける燃焼は第２図の破線で示すように急激な圧力上昇を
伴い燃焼騒音の原因となり、燃焼室内の圧力も高く温度
も高いためNOXの排出を招く。
また他の技術として、内燃機関の定圧縮圧力を得るこ
とを目的としたものがある（特開昭49−92424）。これ
は内燃機関の広範囲にわたる負荷変動において、低負荷
時には圧縮圧力を上げるように調圧ピストンを作動・保
持し、高負荷時には圧縮圧力を下げる位置に調圧ピスト
ンを作動・保持するものである。そのため調圧ピストン
は負荷が一定なエンジン運転中は、燃焼圧力によって決
まる所定の位置に動かないように背面の油により固定さ
れるため、調圧空間室から燃焼室への効果的な排ガスの
噴出を得ることはできない。
とを目的としたものがある（特開昭49−92424）。これ
は内燃機関の広範囲にわたる負荷変動において、低負荷
時には圧縮圧力を上げるように調圧ピストンを作動・保
持し、高負荷時には圧縮圧力を下げる位置に調圧ピスト
ンを作動・保持するものである。そのため調圧ピストン
は負荷が一定なエンジン運転中は、燃焼圧力によって決
まる所定の位置に動かないように背面の油により固定さ
れるため、調圧空間室から燃焼室への効果的な排ガスの
噴出を得ることはできない。
（考案が解決しようとする課題） 本考案は、上記従来技術の構造の複雑さ、エネルギー
損失、非効果的な空気噴射の問題点を解決すべく、簡単
な構造で、かつ少ないエネルギー損失で燃焼室内に効果
的な空気噴流を生成せしめ、NOX、すすの排出量低減が
可能な燃料直接噴射式内燃機関を提供することを目的と
する。
損失、非効果的な空気噴射の問題点を解決すべく、簡単
な構造で、かつ少ないエネルギー損失で燃焼室内に効果
的な空気噴流を生成せしめ、NOX、すすの排出量低減が
可能な燃料直接噴射式内燃機関を提供することを目的と
する。
（課題を解決するための手段） 本考案は、シリンダと該シリンダと対向するシリンダ
ヘッドと前記シリンダ内に摺動自在に挿置されたピスト
ンから形成される燃焼室と、該燃焼室に設けられた主凹
所と、前記シリンダヘッドに取りつけられ前記主凹所に
燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、前記主凹所に近接し
て前記シリンダヘッドに形成された補助シリンダと前記
補助シリンダ内に挿置された補助ピストンとで構成さ
れ、最大容積が機関行程容積の0.1％ないし1.0％程度で
あると空気室と、該空気室と燃焼室とを連通し前記主凹
所に指向する連通路と、前記補助ピストンを前記空気室
容積を減少する方向に付勢すると共に前記燃焼室の圧力
上昇時には、前記燃料噴射弁から燃料が噴射される前に
前記空気室容積を増し、燃焼室の急激な圧力上昇を緩和
する方向に前記補助ピストンを移動し、圧力降下時には
前記空気室容積を減少し、燃焼中期以降に前記連通路よ
り空気を噴射する方向に前記補助ピストンを移動するば
ねとから成り、燃焼中期以降該燃焼室内の燃焼ガスに乱
れを与える構成となっている。
ヘッドと前記シリンダ内に摺動自在に挿置されたピスト
ンから形成される燃焼室と、該燃焼室に設けられた主凹
所と、前記シリンダヘッドに取りつけられ前記主凹所に
燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、前記主凹所に近接し
て前記シリンダヘッドに形成された補助シリンダと前記
補助シリンダ内に挿置された補助ピストンとで構成さ
れ、最大容積が機関行程容積の0.1％ないし1.0％程度で
あると空気室と、該空気室と燃焼室とを連通し前記主凹
所に指向する連通路と、前記補助ピストンを前記空気室
容積を減少する方向に付勢すると共に前記燃焼室の圧力
上昇時には、前記燃料噴射弁から燃料が噴射される前に
前記空気室容積を増し、燃焼室の急激な圧力上昇を緩和
する方向に前記補助ピストンを移動し、圧力降下時には
前記空気室容積を減少し、燃焼中期以降に前記連通路よ
り空気を噴射する方向に前記補助ピストンを移動するば
ねとから成り、燃焼中期以降該燃焼室内の燃焼ガスに乱
れを与える構成となっている。
（作用） 上記構成の本考案によれば、燃焼室中の新規吸入した
空気が主ピストンの圧縮作用により圧縮され圧力が上昇
するのに伴って、連通路を通って燃焼室から空気室へ空
気が移動し、空気室内の圧力が上昇する。空気室内の圧
力が上昇し、補助ピストンの押力に打ち勝った場合、補
助ピストンは移動し空気室の容積が増大し高圧の空気が
空気室へ溜められる。その場合に、補助シリンダ内に挿
置された補助ピストンを燃料噴射弁から燃料が噴射され
る前の早い時期に移動するようにばねが比較的軟らかく
設定されており、空気室の容積は容易に拡大される。空
気室の容積は、最大容積が機関行程容積の0.1％ないし
1.0％程度であり、比較的小さな空気室としているた
め、燃料が噴射される前の早い時期から空気室に空気を
溜めても、燃焼室での燃焼の進行に悪影響を与えること
はない。その後膨張工程になり主ピストンが下降すると
共に、燃焼が緩慢になる燃焼中期から後期にかけては燃
焼室内の圧力が降下するため、空気室中へ溜められた高
圧の空気は、ばねの押力によって燃焼室中へ噴射され燃
焼室内に流れを形成する。
空気が主ピストンの圧縮作用により圧縮され圧力が上昇
するのに伴って、連通路を通って燃焼室から空気室へ空
気が移動し、空気室内の圧力が上昇する。空気室内の圧
力が上昇し、補助ピストンの押力に打ち勝った場合、補
助ピストンは移動し空気室の容積が増大し高圧の空気が
空気室へ溜められる。その場合に、補助シリンダ内に挿
置された補助ピストンを燃料噴射弁から燃料が噴射され
る前の早い時期に移動するようにばねが比較的軟らかく
設定されており、空気室の容積は容易に拡大される。空
気室の容積は、最大容積が機関行程容積の0.1％ないし
1.0％程度であり、比較的小さな空気室としているた
め、燃料が噴射される前の早い時期から空気室に空気を
溜めても、燃焼室での燃焼の進行に悪影響を与えること
はない。その後膨張工程になり主ピストンが下降すると
共に、燃焼が緩慢になる燃焼中期から後期にかけては燃
焼室内の圧力が降下するため、空気室中へ溜められた高
圧の空気は、ばねの押力によって燃焼室中へ噴射され燃
焼室内に流れを形成する。
その場合に、補助シリンダ内に挿置された補助ピスト
ンは、比較的軟らかいばねによって付勢されているた
め、燃焼中期以降に前記連通路より空気を噴射する。
ンは、比較的軟らかいばねによって付勢されているた
め、燃焼中期以降に前記連通路より空気を噴射する。
（効果） 上述のように本考案は、燃焼中期から後期にかけて燃
焼が緩慢になる時期に空気室から噴出した気体により燃
焼室内に吸気行程時形成されたスワール流とは別の流れ
及び乱れを生じさせ、すすの酸化を促進し空気利用率を
高め、すすの排出を低減することができる。
焼が緩慢になる時期に空気室から噴出した気体により燃
焼室内に吸気行程時形成されたスワール流とは別の流れ
及び乱れを生じさせ、すすの酸化を促進し空気利用率を
高め、すすの排出を低減することができる。
また、中高負荷時の燃料噴射期間が長くなる場合に
は、空気室より噴出される気体によって、燃焼中期に噴
射された燃料を微粒化し、燃料過濃な領域と減少させ、
空気利用率を高める。
は、空気室より噴出される気体によって、燃焼中期に噴
射された燃料を微粒化し、燃料過濃な領域と減少させ、
空気利用率を高める。
加えて、燃焼後期の燃焼が活発化するため、燃焼期間
が短縮し燃料噴射時期を遅らせることができ、さらにNO
Xの生成が抑制される。
が短縮し燃料噴射時期を遅らせることができ、さらにNO
Xの生成が抑制される。
（実施例） 第１図に圧縮着火式内燃機関に適用された本考案に係
る燃料直接噴射式内燃機関の第１実施例を示す。シリン
ダブロック１内には主ピストン２が往復動可能に配置さ
れている。シリンダブロック１上には平坦な内壁面を有
するシリンダヘッド３が固定されている。シリンダヘッ
ド３には燃料噴射弁４が取り付けられている。
る燃料直接噴射式内燃機関の第１実施例を示す。シリン
ダブロック１内には主ピストン２が往復動可能に配置さ
れている。シリンダブロック１上には平坦な内壁面を有
するシリンダヘッド３が固定されている。シリンダヘッ
ド３には燃料噴射弁４が取り付けられている。
前記主ピストン２の頂面上中央部には凹所５が形成さ
れ、この凹所５により主たる燃焼室６が形成される。燃
料噴射弁４は凹所５内に向けて配置され、燃料が燃料噴
射弁４から燃焼室６内に向けて噴射される。なお、図面
には示さないが、シリンダヘッド３の内壁面上には吸気
弁と排気弁が配置される。
れ、この凹所５により主たる燃焼室６が形成される。燃
料噴射弁４は凹所５内に向けて配置され、燃料が燃料噴
射弁４から燃焼室６内に向けて噴射される。なお、図面
には示さないが、シリンダヘッド３の内壁面上には吸気
弁と排気弁が配置される。
シリンダヘッド３内の前記凹所にほぼ対向する位置に
段付貫通孔22が設けられている。前記段付貫通孔22へ螺
合され挿置されると共に先端部が他に比べ小径に形成し
た有底円筒部材で構成された補助シリンダ８には、補助
ピストン７が摺動可能に配置されている。該補助ピスト
ン７の側面には環状の溝が２ケ所設けられていて、該溝
には気密を保つためのピストンリング21が前後に２個巻
装されている。また、補助シリンダ８および補助ピスト
ン７によって形成される空気室９は、常時開成の連通路
15によって上記燃焼室６と連通させている。前記連通路
15はその入口16が空気室９の下面に、その出口17が燃焼
室６の上部に位置し、その方向を燃料噴射弁４より噴射
される燃料に向けている。
段付貫通孔22が設けられている。前記段付貫通孔22へ螺
合され挿置されると共に先端部が他に比べ小径に形成し
た有底円筒部材で構成された補助シリンダ８には、補助
ピストン７が摺動可能に配置されている。該補助ピスト
ン７の側面には環状の溝が２ケ所設けられていて、該溝
には気密を保つためのピストンリング21が前後に２個巻
装されている。また、補助シリンダ８および補助ピスト
ン７によって形成される空気室９は、常時開成の連通路
15によって上記燃焼室６と連通させている。前記連通路
15はその入口16が空気室９の下面に、その出口17が燃焼
室６の上部に位置し、その方向を燃料噴射弁４より噴射
される燃料に向けている。
補助シリンダ８の上部には、縦断面十字状のスリーブ
14が前記貫通孔22に螺合されていて、該スリーブの先端
部はばね12を挿置するため円形を大とし、基端部はばね
12を係止するための段部を有すると共に、ガイド11を固
着するため内径を小としていて、さらにその上部は外径
大となっているフランジ部を有する。ストッパ18は前記
貫通孔22に螺合され、このストッパ18によって前記スリ
ーブ14がシリンダヘッド３に固定されている。
14が前記貫通孔22に螺合されていて、該スリーブの先端
部はばね12を挿置するため円形を大とし、基端部はばね
12を係止するための段部を有すると共に、ガイド11を固
着するため内径を小としていて、さらにその上部は外径
大となっているフランジ部を有する。ストッパ18は前記
貫通孔22に螺合され、このストッパ18によって前記スリ
ーブ14がシリンダヘッド３に固定されている。
ステム13の上端部は前記ガイド11内を貫通して、その
先端部は補助ピストン７に螺合固定されている。該ステ
ム13及び前記ガイド11によって補助ピストン７は、補助
シリンダ軸に沿って案内されている。また、補助ピスト
ン７はばね12によって図下方へ付勢されており、空気室
９内のガス圧力がばね12の押力に打ち勝つまでは空気室
９内の容積はほぼ零となっている。また前記押力は前記
ばねの初期縮み量によって調整され、この縮み量は、前
記ばねを係止する前記スリーブ14の軸方向位置によって
調整される。
先端部は補助ピストン７に螺合固定されている。該ステ
ム13及び前記ガイド11によって補助ピストン７は、補助
シリンダ軸に沿って案内されている。また、補助ピスト
ン７はばね12によって図下方へ付勢されており、空気室
９内のガス圧力がばね12の押力に打ち勝つまでは空気室
９内の容積はほぼ零となっている。また前記押力は前記
ばねの初期縮み量によって調整され、この縮み量は、前
記ばねを係止する前記スリーブ14の軸方向位置によって
調整される。
次に本実施例の作動について説明する。
主ピストン２の上昇により燃焼室６内に新規吸入され
た空気は主ピストン２により圧縮される。この間、空気
室９の容積は、ばね12の押力によりほぼ零であるが、燃
焼室６の圧力上昇に伴って空気室９の容積が若干増加す
る。
た空気は主ピストン２により圧縮される。この間、空気
室９の容積は、ばね12の押力によりほぼ零であるが、燃
焼室６の圧力上昇に伴って空気室９の容積が若干増加す
る。
その後、燃料噴射弁４から燃料が凹所５内に向かって
噴射され、圧縮着火し燃焼する。
噴射され、圧縮着火し燃焼する。
このとき第２図に示すように初期燃焼においては燃焼
室６内の圧力により、空気室９内の圧力は上昇し、補助
ピストン７はばね12の押力に打ち勝って上方へ移動し、
第３図に示すように空気室９内には燃焼室６内のガスが
流入する。この際、連通路15の出口17は噴霧の存在位置
から離れており、また空気室９の容積増加は燃焼室６内
の燃焼圧力とばね12の押力のバランスにより緩やかに行
われ、かつ空気室９の最大容積は行程容積の0.1％ない
し1.0％程度とわずかであるため補助ピストン７の上方
への移動は大きくなく、連通路15の出口17より空気室９
内に流入する気体は燃焼ガス、混合気でなく、新気空気
が大半である。さらに、燃焼室の圧力の増大に伴う空気
室容積の増大によって燃焼室内の急激な圧力上昇を抑制
し、第２図に示すように従来エンジンに比較して緩やか
な圧力上昇とすることができるため燃焼騒音を低減でき
ると共に、圧力上昇によって発生する燃焼ガス温度の増
大によるサーマルNOXの増加を防止することができる。
室６内の圧力により、空気室９内の圧力は上昇し、補助
ピストン７はばね12の押力に打ち勝って上方へ移動し、
第３図に示すように空気室９内には燃焼室６内のガスが
流入する。この際、連通路15の出口17は噴霧の存在位置
から離れており、また空気室９の容積増加は燃焼室６内
の燃焼圧力とばね12の押力のバランスにより緩やかに行
われ、かつ空気室９の最大容積は行程容積の0.1％ない
し1.0％程度とわずかであるため補助ピストン７の上方
への移動は大きくなく、連通路15の出口17より空気室９
内に流入する気体は燃焼ガス、混合気でなく、新気空気
が大半である。さらに、燃焼室の圧力の増大に伴う空気
室容積の増大によって燃焼室内の急激な圧力上昇を抑制
し、第２図に示すように従来エンジンに比較して緩やか
な圧力上昇とすることができるため燃焼騒音を低減でき
ると共に、圧力上昇によって発生する燃焼ガス温度の増
大によるサーマルNOXの増加を防止することができる。
圧縮上死点直後から燃焼は拡散燃焼になり、このとき
酸素不足の部分はすすを発生する。この時期になると、
燃焼室内の圧力は降下し始め、空気室９内の圧力よりも
低下する。そのため、この後は補助ピストン７は後方の
ばね12の押力によって第１図において下方へ降下し始
め、第３図に示すように拡散燃焼期におけるガスの流出
が始まる。
酸素不足の部分はすすを発生する。この時期になると、
燃焼室内の圧力は降下し始め、空気室９内の圧力よりも
低下する。そのため、この後は補助ピストン７は後方の
ばね12の押力によって第１図において下方へ降下し始
め、第３図に示すように拡散燃焼期におけるガスの流出
が始まる。
これによって補助ピストン７は空気室９内の空気を圧
縮しつつ連通路15から凹所５内の燃料噴霧に向かって噴
射し、酸素不足の部分に酸素供給し、さらに凹所５内に
この空気噴流による撹乱流を発生させ、周囲空気と未燃
燃料、すすを多量に含む不完全燃焼気体との混合が良好
になり、すすの酸化が著しく促進され、燃焼室６から排
出されるすすは低減する。
縮しつつ連通路15から凹所５内の燃料噴霧に向かって噴
射し、酸素不足の部分に酸素供給し、さらに凹所５内に
この空気噴流による撹乱流を発生させ、周囲空気と未燃
燃料、すすを多量に含む不完全燃焼気体との混合が良好
になり、すすの酸化が著しく促進され、燃焼室６から排
出されるすすは低減する。
上記の作用により、すす、NOXなど排気エミッション
の極めて少ない燃焼を行うことができる。このため、す
すの排出許容限度内での最大出力増加も実現される。ま
た、燃料噴射弁としては、安価な低圧の燃料噴射弁でよ
く、全体として安価で、コンパクトなすす排出量の少な
い高出力の筒内燃料直接噴射式内燃機関が実現できる。
また補助ピストンの駆動に外部からの駆動手段が必要で
ないため構造が簡単であり、駆動損失も少ない。加え
て、燃焼騒音の主原因となる燃焼初期の圧力上昇を減少
させ、燃焼騒音を低減できる。
の極めて少ない燃焼を行うことができる。このため、す
すの排出許容限度内での最大出力増加も実現される。ま
た、燃料噴射弁としては、安価な低圧の燃料噴射弁でよ
く、全体として安価で、コンパクトなすす排出量の少な
い高出力の筒内燃料直接噴射式内燃機関が実現できる。
また補助ピストンの駆動に外部からの駆動手段が必要で
ないため構造が簡単であり、駆動損失も少ない。加え
て、燃焼騒音の主原因となる燃焼初期の圧力上昇を減少
させ、燃焼騒音を低減できる。
なお、本考案においてばね12は本実施例のようなコイ
ルばねに限らず板ばねでも皿ばね等でも良く、さらには
その他の弾性作用のある弾性体であってもよい。
ルばねに限らず板ばねでも皿ばね等でも良く、さらには
その他の弾性作用のある弾性体であってもよい。
次に、本考案の第２実施例として、第４図に示すよう
に前記第１実施例の連通路15の出口17を、凹所５の中心
に向けて開口することもできる。これによってスワール
の回転中心である比較的火炎が入りにくい燃焼室中心部
に空気を噴射し、乱れを与え未利用空気と火炎との混合
を促進し、さらにすすの生成を抑制することができる。
さらに本第２実施例においても前記第１実施例と同様な
効果を有する。
に前記第１実施例の連通路15の出口17を、凹所５の中心
に向けて開口することもできる。これによってスワール
の回転中心である比較的火炎が入りにくい燃焼室中心部
に空気を噴射し、乱れを与え未利用空気と火炎との混合
を促進し、さらにすすの生成を抑制することができる。
さらに本第２実施例においても前記第１実施例と同様な
効果を有する。
さらに、本考案の第３実施例として第５図に示すよう
に前記第１及び第２実施例のステム13の上部のスリーブ
14に、このステム13のストローク量を調整する調整ねじ
26を設け、ステッピングモータ24と、該ステッピングモ
ータ24をエンジン運転条件に応じて制御するコントロー
ラ30とによってカップリング25を介して前記調整ねじ26
を回転駆動し該調整ねじの締め込み量を調整し、前記ス
テムのストロークを制御するストローク制御部を設けた
構成とすることができる。これによって補助ピストン７
のストロークの最大量を変え、空気室９の最大容積を運
転条件に適合したものとすることができる。上記の効果
に加えてさらに本第３実施例においても前記第１実施例
及び第２実施例と同様な効果を有する。加えて、本実施
例のストローク量の調整は、第６図に示すように調整ね
じに代えて、スリーブ14の上部に摺動可能に挿入された
調整部材28と、該調整部材28を図上方に付勢するばね29
とを設け、ステッピングモータ24によって回転駆動され
固定角度を調整されるカム27とから構成されるストロー
ク制御部によっても良い。また、本考案の第４実施例と
しては、第７図に示すように前記第１及び第２実施例の
スリーブ14をステム13の上下方向に移動可能としたこと
に特徴がある。また本第４実施例は、前記スリーブ14の
上部側面に沿って設けられた歯車31と、該歯車31を歯車
23を介して回転駆動するステッピングモータ24と、該ス
テッピングモータをエンジンの運転条件に応じて制御す
るコントローラ30とから構成されていることを特徴とす
る。これによって本第４実施例は前記スリーブ14を上下
方向に移動し、ばね12の初期縮み量を変えることによっ
て、ばね12の初期設定力を変え、補助ピストン７へ加わ
るばねの押力を制御し、補助ピストンの作動時期及び空
気室９の容積を運転条件に適合したものとすることがで
きる。上記の効果に加えてさらに本第４実施例において
も前記第１実施例及び第２実施例と同様な効果を有す
る。
に前記第１及び第２実施例のステム13の上部のスリーブ
14に、このステム13のストローク量を調整する調整ねじ
26を設け、ステッピングモータ24と、該ステッピングモ
ータ24をエンジン運転条件に応じて制御するコントロー
ラ30とによってカップリング25を介して前記調整ねじ26
を回転駆動し該調整ねじの締め込み量を調整し、前記ス
テムのストロークを制御するストローク制御部を設けた
構成とすることができる。これによって補助ピストン７
のストロークの最大量を変え、空気室９の最大容積を運
転条件に適合したものとすることができる。上記の効果
に加えてさらに本第３実施例においても前記第１実施例
及び第２実施例と同様な効果を有する。加えて、本実施
例のストローク量の調整は、第６図に示すように調整ね
じに代えて、スリーブ14の上部に摺動可能に挿入された
調整部材28と、該調整部材28を図上方に付勢するばね29
とを設け、ステッピングモータ24によって回転駆動され
固定角度を調整されるカム27とから構成されるストロー
ク制御部によっても良い。また、本考案の第４実施例と
しては、第７図に示すように前記第１及び第２実施例の
スリーブ14をステム13の上下方向に移動可能としたこと
に特徴がある。また本第４実施例は、前記スリーブ14の
上部側面に沿って設けられた歯車31と、該歯車31を歯車
23を介して回転駆動するステッピングモータ24と、該ス
テッピングモータをエンジンの運転条件に応じて制御す
るコントローラ30とから構成されていることを特徴とす
る。これによって本第４実施例は前記スリーブ14を上下
方向に移動し、ばね12の初期縮み量を変えることによっ
て、ばね12の初期設定力を変え、補助ピストン７へ加わ
るばねの押力を制御し、補助ピストンの作動時期及び空
気室９の容積を運転条件に適合したものとすることがで
きる。上記の効果に加えてさらに本第４実施例において
も前記第１実施例及び第２実施例と同様な効果を有す
る。
第１図は圧縮着火式内燃機関に適用された本考案の第１
実施例を示す断面図である。第２図は本考案の燃焼室内
圧力の経過を従来技術と比較した線図である。第３図は
本考案の連通路内のガス流速の線図である。第４図は本
考案の第２実施例を示す断面図である。第５図は本考案
の第３実施例を示す断面図である。第６図は本考案の第
３実施例を示す断面図である。第７図は本考案の第４実
施例を示す断面図である。
実施例を示す断面図である。第２図は本考案の燃焼室内
圧力の経過を従来技術と比較した線図である。第３図は
本考案の連通路内のガス流速の線図である。第４図は本
考案の第２実施例を示す断面図である。第５図は本考案
の第３実施例を示す断面図である。第６図は本考案の第
３実施例を示す断面図である。第７図は本考案の第４実
施例を示す断面図である。
フロントページの続き 合議体 審判長 蓑輪 安夫 審判官 久保田 健 審判官 本郷 徹 (56)参考文献 特開 昭56−113126（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−190436（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−30959（ＪＰ，Ａ) 特公 昭29−6251（ＪＰ，Ｂ１)
Claims (1)
- 【請求項１】シリンダと該シリンダと対向するシリンダ
ヘッドと前記シリンダ内に摺動自在に挿置されたピスト
ンから形成される燃焼室と、該燃焼室に設けられた主凹
所と、前記シリンダヘッドに取りつけられ前記主凹所に
燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、 前記主凹所に近接して前記シリンダヘッドに形成された
補助シリンダと前記補助シリンダ内に挿置された補助ピ
ストンとで構成され、最大容積が機関行程容積の0.1％
ないし1.0％程度である空気室と、 該空気室と燃焼室とを連通し前記主凹所に指向する連通
路と、 前記補助ピストンを前記空気室容積を減少する方向に付
勢すると共に前記燃焼室の圧力上昇時には、前記燃料噴
射弁から燃料が噴射される前に前記空気室容積を増し、
圧力降下時には前記空気室容積を減少し、燃焼中期以降
に前記連通路より空気を噴射する方向に前記補助ピスト
ンを移動するばねとから成り、 燃焼中期以降該燃焼室内の燃焼ガスに乱れを与えること
を特徴とする筒内燃料直接噴射式内燃機関。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1988168558U JP2585033Y2 (ja) | 1988-12-26 | 1988-12-26 | 筒内燃料直接噴射式内燃機関 |
| US07/455,160 US5024184A (en) | 1988-12-26 | 1989-12-22 | Direct fuel injection internal combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1988168558U JP2585033Y2 (ja) | 1988-12-26 | 1988-12-26 | 筒内燃料直接噴射式内燃機関 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0287927U JPH0287927U (ja) | 1990-07-12 |
| JP2585033Y2 true JP2585033Y2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=15870256
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1988168558U Expired - Lifetime JP2585033Y2 (ja) | 1988-12-26 | 1988-12-26 | 筒内燃料直接噴射式内燃機関 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5024184A (ja) |
| JP (1) | JP2585033Y2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2304151A (en) * | 1995-07-25 | 1997-03-12 | Guy Stewart Morton | Automotive i.c. engine with supplementary piston-and-cylinder energy accumulator |
| US6189513B1 (en) | 1999-06-03 | 2001-02-20 | Ford Global Technologies, Inc. | Fuel transfer and conditioning unit for automotive vehicle |
| US6199520B1 (en) * | 1999-08-26 | 2001-03-13 | Edward Lawrence Warren | Two stroke engine with displacer |
| US6708655B2 (en) | 2002-04-15 | 2004-03-23 | Caterpillar Inc | Variable compression ratio device for internal combustion engine |
| US6883468B2 (en) * | 2003-03-27 | 2005-04-26 | Caterpillar Inc | Premixed fuel and gas method and apparatus for a compression ignition engine |
| GB2554100A (en) * | 2016-09-20 | 2018-03-28 | Ford Global Tech Llc | An engine assembly and method |
| US11078827B2 (en) * | 2018-10-11 | 2021-08-03 | Caterpillar Inc. | Pre-chamber ignition system having igniter with gas orifice structured for pre-expanding outgoing combustion gases |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR1107917A (fr) * | 1954-06-14 | 1956-01-06 | Lister & Co Ltd R A | Piston à tête évidée pour moteurs à combustion interne |
| DE2537221A1 (de) * | 1975-08-21 | 1977-03-03 | Franz Boehm | Brennkraftmotor mit kontinuierlich aenderbarem kompressionsraum |
| JPS52112004A (en) * | 1976-03-15 | 1977-09-20 | Mitsubishi Motors Corp | Internal combustion engine |
| JPS5530959U (ja) * | 1978-08-21 | 1980-02-28 | ||
| JPS56113126U (ja) * | 1980-01-31 | 1981-09-01 | ||
| JPS61190436U (ja) * | 1985-05-21 | 1986-11-27 |
-
1988
- 1988-12-26 JP JP1988168558U patent/JP2585033Y2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1989
- 1989-12-22 US US07/455,160 patent/US5024184A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0287927U (ja) | 1990-07-12 |
| US5024184A (en) | 1991-06-18 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |