JP2584275B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents

吸収冷凍機

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JP2584275B2 JP63072396A JP7239688A JP2584275B2 JP 2584275 B2 JP2584275 B2 JP 2584275B2 JP 63072396 A JP63072396 A JP 63072396A JP 7239688 A JP7239688 A JP 7239688A JP 2584275 B2 JP2584275 B2 JP 2584275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は二重効用吸収冷凍機に係り、特に低温発生器
内の吸収液を加熱する蒸気温度を調整する装置に関する
ものである。
(ロ)従来の技術 従来、此種の二重効用吸収冷凍機においては、高温発
生器、この高温発生器からの冷媒蒸気によって吸収〔中
間〕液中の冷媒を加熱分離する低温発生器、凝縮器、吸
収器等を配管接続して冷凍サイクルを構成しているもの
〔例えば、特公昭60−40788号公報参照〕がある。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかし、此種の二重効用吸収冷凍機においては、以下
に述べる問題点が生じていた。高温発生器から低温発生
器へ送出される冷媒蒸気は飽和温度以上に加熱された過
熱蒸気であり、この過熱蒸気が低温発生器内で吸収液と
熱交換し〔冷却され〕て飽和蒸気となり、更にこの飽和
蒸気が吸収液と熱交換し凝縮する。前記過熱蒸気の熱伝
達率は飽和蒸気の熱伝達率に比べて2桁程度小さい。こ
の非常に小さい熱伝達率を持つ過熱蒸気が吸収液と熱交
換するので熱交換性能が悪く、低温発生器の伝熱面積が
大きくならざるを得ない〔低温発生器が大型にならざる
を得ない〕ということになっていた。
本発明は、前述した従来技術の問題点に鑑みてなされ
たものであり、低温発生器を加熱する蒸気を飽和温度ま
で冷却して飽和蒸気とし熱交換性能の向上を図り、延い
ては低温発生器が小型化されている二重効用吸収冷凍機
を提供するものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は前述した従来技術の課題を解決するために、
高温発生器の気相部から熱交換器を経て凝縮器へ至る蒸
気管と、この熱交換器より上流側の蒸発管内の気相部に
設けられた噴霧器と、この噴霧器と蒸発管内の液相部と
を接続する導管と、この導管に設けられたポンプとを備
え、このポンプの運転によって蒸発管内の液相部の液冷
媒を蒸発管内の気相部へ噴霧させるようにしたものであ
る。
(ホ)作 用 本発明の吸収冷凍機の運転時においては、低温発生器
内の吸収液と熱交換して凝縮した冷媒液を高温発生器か
ら送出される過熱蒸気中に噴霧器が噴霧して飽和温度ま
で冷却して低温発生器への加熱熱源として用いる。
(ヘ)実 施 例 本発明の一実施例である二重効用吸収冷凍機を第1図
に示し、以下図と共に説明する。
(1)は高温発生器、(2)は従来のものより小型化
された加熱用熱交換器(3)を有している低温発生器、
(4)は凝縮器、(5)は蒸発器、(6)は吸収器、
(7)は吸収液ポンプ(8)を有している稀液管、
(9)は高温熱交換器(10)を有している中間液管、
(11)は低温熱交換器(12)を有している濃液管、(1
3)は冷媒ポンプ(14)を有している冷媒循環用管路、
(15)は冷媒管、(16)は吸収器(6)および凝縮器
(4)を冷却する冷却水用管路、(17)は冷水用管路で
ある。(18)は高温発生器(1)の気相部と凝縮器
(4)とを接続しており、かつ、低温発生器(2)内に
加熱用熱交換器(3)を持つ蒸気管、(19)はこの蒸気
管(18)の気相部に設けられている噴霧器、(20)は蒸
気管(18)の液相部と噴霧器(19)とを接続する導管で
あり、送液用ポンプ(21)と冷媒噴霧量を制御する制御
弁(22)とを有している。
本発明の構成は以上であり、次になぜ過熱蒸気が飽和
蒸気より低温発生器への加熱熱源として適していないか
を説明する。
蒸気管(18)内の過熱蒸気、加熱用熱交換器(3)内
の飽和蒸気、低温発生器(2)内の中間液のそれぞれの
熱伝達率をαSHSSとすると、それぞれ60,8000,
1000〔単位はkcal/m2h℃〕程度である。
そして、過熱蒸気と中間液との熱通過率KSHは1/KSH
1/αSH+1/α+δ/λで与えられるが、右辺第3項は
右辺第1項と第2項に比べて極めて小さいので熱通過率
KSHはαSH・αA/(αSH+α)で近似できる。飽和蒸
気と中間液との熱通過率KSSも同様にして、熱通過率KSS
=αSS・αA/(αSS+α)で与えられる。これら熱通
過率KSH・KSSを計算すると、それぞれ57,889〔単位はkc
al/m2h℃〕となる。
このように、過熱蒸気の熱伝達率αSHが熱交換する中
間液の熱伝達率αおよび飽和蒸気の熱伝達率αSSに比
べて極めて小さく、このため過熱蒸気と中間液との熱通
過率KSHは飽和蒸気と中間液との熱通過率KSSに比べて非
常に小さくなる。熱通過率KSHが熱通過率KSSに比べて非
常に小さいため、過熱蒸気の熱は飽和蒸気の熱より中間
液へ伝わりにくい。このように、過熱蒸気は飽和蒸気に
比べて温度が高いにもかかわらず熱が伝わりにくいため
低温発生器(2)への加熱熱源として適していないこと
になる。
次に、噴霧器(19)から噴霧する冷媒の量について計
算してみる。噴霧した冷媒液がすべて過熱蒸気の熱を奪
い蒸発したとすると、低温発生器(2)を加熱する飽和
蒸気の持つ熱量は過熱蒸気の熱量と噴霧する冷媒の熱量
の和に等しい。
G3・H3=G1・H1+G2・h2 ここで噴霧する冷媒の流量をxとして上式を解くと、
x=0.138〔kg/h・RT〕となり、0.138〔kg/h・RT〕が噴
霧する冷媒の流量となる〔第3図参照〕。
次に、本発明の二重効用吸収冷凍機の運転時について
説明する。二重効用吸収冷凍機が運転されていると、高
温発生器(1)内では吸収液が加熱されて冷媒が分離さ
れている。この分離された冷媒蒸気は飽和温度より加熱
されているので過熱蒸気となっている。この過熱蒸気は
蒸気管(18)内途中の噴霧器(19)の噴霧する冷媒によ
って飽和温度にまで冷却される。本発明においては、こ
の飽和温度にまで冷却された飽和蒸気によって低温発生
器(2)内の中間液を加熱するものであるので、飽和蒸
気の熱が中間液に伝わり易く、低温発生器(2)の熱交
換性能の向上を図り、加熱用熱交換器(3)および低温
発生器(2)を小型化することができる。
尚、加熱用熱交換器(3)入口側直前における蒸気の
温度および圧力を検出する検出器(23)と、この検出器
(23)からの信号によって過熱蒸気であると演算すると
制御弁(22)の開度を増大させて噴霧する冷媒量を増大
させる温調器(24)とを設けて、低温発生器(2)への
熱源用の蒸気が常に飽和蒸気になるように噴霧する冷媒
量を調整するようにしても良い。
また、前記温調器(24)は、高温発生器(1)内の圧
力〔あるいは温度や吸収液温度〕を検出する検出器(2
5)からの信号によって動作するように本発明を構成し
ても良い。
本発明のように、蒸気管(18)内の冷媒液によって過
熱蒸気を冷却するので、この冷媒液は再び同じ温度で元
の場所に戻って来ており、凝縮器(4)内の冷媒液や蒸
発器(5)内の冷媒液で前記過熱蒸気を冷却した場合は
元の場所の冷媒液温まで再び冷却されなければならない
ので熱ロスとなるが、本発明の場合前述したような熱ロ
スが全くなく、冷媒の循環経路へ何ら影響を与えないと
いう利点がある。
(ト)発明の効果 本発明の吸収冷凍機においては、蒸発管内の液相部の
液冷媒を蒸発管内の気相部へ噴霧させることによって、
低温発生器へ供給される蒸気を飽和蒸気とするようにし
たので、低温発生器における熱交換性能の向上が図れ、
延いては低温発生器を小型化することが可能となる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である吸収冷凍機の概略構成
説明図、第2図は噴霧器の説明図、第3図は噴霧器が噴
霧する冷媒の流量を計算するための説明図である。 (1)……高温発生器、(2)……低温発生器、(3)
……加熱用熱交換器、(4)……凝縮器、(18)……蒸
気管、(19)……噴霧器、(20)……導管、(21)……
送液用ポンプ、(22)……制御弁、(23)……検出器、
(24)……温調器、(25)……検出器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温発生器、熱交換器を持つ低温発生器、
    凝縮器、蒸発器、吸収器等を配管接続して冷凍サイクル
    を構成した吸収冷凍機において、前記高温発生器の気相
    部から前記熱交換器を経て凝縮器へ至る蒸気管と、前記
    熱交換器より上流側の蒸発管内の気相部に設けられた噴
    霧器と、この噴霧器と前記蒸発管内の液相部とを接続す
    る導管と、この導管に設けられたポンプとを備え、この
    ポンプの運転によって前記蒸発管内の液相部の液冷媒を
    蒸発管内の気相部へ噴霧させることを特徴とする吸収冷
    凍機。
JP63072396A 1988-03-25 1988-03-25 吸収冷凍機 Expired - Lifetime JP2584275B2 (ja)

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JPS6273052A (ja) * 1985-09-26 1987-04-03 矢崎総業株式会社 直焚二重効用吸収冷温水機

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