JP2583648B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えばCCDを用いた固体撮像装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

近年、固体撮像素子を用いたビデオカメラ、電子スチ
ルカメラは、小型・軽量・高画質・多機能・低価格とい
ったところに開発の主眼が置かれている。

第３図に従来の手振れ防止機能付のディジタル信号処
理カメラの構成例を示す。

ディジタル信号処理カメラは、第３図に示すように、
転送段に例えばCCDを有する固体撮像素子9,プリアンプ
回路10,A/D変換器11,制御装置12,D/A変換器13,固体撮像
素子駆動パルス発生回路14,フィールドメモリ等を利用
した記憶装置15から構成されていた。

以下、信号処理の流れについて、第３図を参照しなが
ら説明する。

このディジタル信号処理カメラでは、固体撮像素子駆
動パルス発生回路14から各パルス〔垂直転送用パルス，
水平転送用パルス，固体撮像素子の出力信号処理用パル
ス（例えば、黒レベル検出直流再生用パルス）〕が固体
撮像素子９およびプリアンプ回路10に供給されると、固
体撮像素子９から画像信号が出力されてプリアンプ回路
10に送られる。プリアンプ回路10では、画像信号に対し
て、ノイズ除去，黒レベル直流再生，ブランキング処理
等を行う。そして、各種処理後の信号は、A/D変換器11
によりアナログ信号は数ビットのディジタル信号に変換
されて、制御装置12へ送られる。

上記A/D変換器11から出力された信号データは、制御
装置12を通して、一度記憶装置15に書き込まれる。そし
て、制御装置12では、信号データより演算された手振れ
の情報により、記憶装置15よりデータを読出位置・スピ
ード等を変えて読み出す。記憶装置15より読み出された
データは、D/A変換器13にてアナログ信号に変換され、
手振れ補正が行われた映像信号となる。

この結果、固体撮像素子９から出力される画像信号の
手振れが生じても、D/A変換器13から出力される映像信
号は手振れの少ないものとすることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記のような構成では、手振れの補正
を行うために、記憶装置15に一画面分のデータを保持し
ておフィールドメモリ等の大容量の記憶装置15が必要と
なる。

したがって、この発明の目的は、大容量の記憶装置を
要せずに、手振れの補正を行うことができる固体撮像装
置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の固体撮像装置は、固体撮像素子と、固体撮
像素子駆動パルス発生回路と、手振れ補正手段とを備え
ている。

固体撮像素子は、複数の光電変換素子が二次元的に配
列された光電変換部と、この光電変換部に蓄積された信
号電荷を水平帰線期間内に発生する垂直転送用パルスに
従って垂直方向に転送する垂直転送部と、この垂直転送
部から転送された信号電荷を水平転送用パルスに従って
水平方向に転送する水平転送部と、この水平転送部から
転送された信号電荷を信号電圧または信号電流に変換し
て出力する信号電荷検出部とで構成されている。

固体撮像素子駆動パルス発生回路は、水平帰線期間毎
に垂直転送用パルスを発生するとともに水平走査期間内
に水平転送用パルスを発生し、固体撮像素子の出力信号
処理用パルスを垂直転送用パルスより１水平期間遅れた
つぎの水平帰線期間に発生する。

手振れ補正手段は、固体撮像素子駆動パルス発生回路
から発生する垂直転送用パルスおよび垂直転送用パルス
より１水平期間後の固体撮像素子の出力信号処理用パル
スを抑圧し、手振れ情報に基づき垂直方向の手振れの大
きさに応じて前記垂直転送用パルスおよび前記固体撮像
素子の出力信号処理用パルスを抑圧する水平期間数を増
減させる。

〔作用〕

この発明の構成によれば、手振れ補正手段によって垂
直転送用パルスおよび垂直転送用パルスより１水平期間
後の固体撮像素子の出力信号処理用パルスとを１水平期
間分抑圧すると、その水平期間は固体撮像素子から画像
信号が出力されなくなり、画面上では１水平期間分の空
白が生じ、画像が１水平期間分下方向にずれることにな
る。

したがって、予め垂直転送用パルスおよび固体撮像素
子の出力信号処理用パルスを抑圧する水平期間数の基準
値を設定しておき、手振れ補正手段が手振れ情報に基づ
き垂直方向の手振れの大きさに応じて垂直転送用パルス
および固体撮像素子の出力信号処理用パルスを抑圧する
水平期間数を基準値から増減させることにより、画面上
の画像の位置を各パルスを抑圧する水平期間数の増減に
応じて上下させることができ、手振れによって画面上の
画像のずれを低減させることができる。この際、一画面
分のデータを保持しておくフィールドメモリ等を使用し
た大容量の記憶装置を要せずに、手振れの補正を行うこ
とが可能となる。

上記の各パルスを抑圧する期間は垂直帰線期間の直
後、つまり画面の上端に設定することが望ましい。

〔実 施 例〕

以下、この発明の一実施例を図面を参照しながら説明
する。

第１図はこの発明におけるディジタル信号処理カメラ
の構成例を示している。このディジタル信号処理カメラ
は、固体撮像素子1,プリアンプ回路2,A/D変換器3,制御
装置4,D/A変換器5,固体撮像素子駆動パルス発生回路６
から構成されており、固体撮像素子1,プリアンプ回路2,
A/D変換器３およびD/A変換器５は従来例と同様であり、
記憶装置15が省かれ、制御装置４からの手振れ検出信号
で固体撮像素子駆動パルス発生回路６が制御される点が
従来例とは異なる。

つまり、固体撮像素子駆動パルス発生回路６は、水平
帰線期間毎に垂直転送用パルスを発生するとともに水平
走査期間内に水平転送用パルスを発生し、固体撮像素子
の出力信号処理用パルスを垂直転送用パルスより１水平
期間遅れたつぎの水平帰線期間に発生する。

手振れ補正手段を構成する制御装置４は、固体撮像素
子駆動パルス発生回路６から発生する垂直転送用パルス
および垂直転送用パルスより１水平期間後の固体撮像素
子１の出力信号処理用パルスを抑圧し、手振れ情報に基
づいて作成した垂直転送制御信号により垂直方向の手振
れの大きさに応じて垂直転送用パルスおよび固体撮像素
子１の出力信号処理用パルスを抑圧する水平期間数を増
減させる。

第２図は、テレビジョン信号用の水平同期信号，固体
撮像素子の駆動パルスおよび固体撮像素子の出力信号処
理用パルスの一例のタイムチャートを示す。第２図にお
いて、（ａ）は水平同期信号、（ｂ）は制御装置４から
固体撮像素子駆動パルス発生回路６へ供給される例えば
１水平期間の長さの垂直転送制御信号、（ｃ）は垂直転
送部の第１ゲート印加パルス、（ｄ）は垂直転送部の第
２ゲート印加パルス、（ｅ）は垂直転送部の第３ゲート
印加パルス、（ｆ）は垂直転送部の第４ゲート印加パル
ス、（ｇ）はプリアンプ回路２において黒レベルの電圧
を規定するOBレベル（オプチカルブラックレベル；光学
黒レベル）を直流再生するタイミングを決定するパルス
（以下、クランプパルスと略す）を示している。

このディジタル信号処理カメラでは、固体撮像素子駆
動パルス発生回路６から各パルス〔垂直転送用パルス，
水平転送用パルス，固体撮像素子の出力信号処理用パル
ス（例えば、黒レベル検出直流再生用パルス）〕が固体
撮像素子１およびプリアンプ回路２に供給されると、固
体撮像素子１から画像信号が出力されてプリアンプ回路
２に送られる。プリアンプ回路２では、画像信号に対し
て、ノイズ除去，黒レベル直流再生，ブランキング処理
等を行う。そして、各種処理後の信号は、A/D変換器３
によりアナログ信号は数ビットのディジタル信号に変換
されて、制御装置４へ送られる。

この際、制御装置４では、A/D変換器11から送られた
信号データより演算された手振れの情報により、つぎの
フィールドで固体撮像素子１よりデータを読み出す位置
・段数等を変える。

このとき、固定撮像素子１より信号電荷を読み出す位
置・段数を制御する垂直転送制御信号（第２図（ｂ）参
照）が制御信号４から固体撮像素子駆動パルス発生回路
６へ供給されると、入力されたつぎの水平同期信号（第
２図（ａ）参照）付近に出力される垂直転送用パルス７
（第２図（ｃ）〜（ｆ）参照）が抑圧されて無くなり、
その水平走査期間では映像信号を出力せず、またそのつ
ぎの水平同期信号（第２図（ａ）参照）付近で出力され
るクランプパルス８（第２図（ｇ）参照）も抑圧されて
無くなる。また、制御装置４では手振れ情報の演算と同
時に、信号データをD/A変換器５に送ってアナログ信号
に変換し、映像信号を得る。

この結果、固体映像素子１の出力信号に手振れが発生
しても、１フィールド後の固体撮像素子１から信号を読
み出す位置を変えることで、映像信号は手振れの少ない
ものとなる。

ここで、上記の垂直転送制御信号を用いて垂直転送用
パルスおよびクランプパルスを抑圧することと手振れ補
正との関係について説明する。

つまり、制御装置４によって垂直転送用パルスおよび
垂直転送用パルスより１水平期間のクランプパルスとを
１水平期間分抑圧すると、その水平期間は固体撮像素子
から画像信号が出力されなくなり、画面上では垂直転送
制御信号の発生した水平期間の後に１水平期間分の空間
が生じ、画像が１水平期間分下方向にずれることにな
る。

したがって、予め垂直転送用パルスおよびクランプパ
ルスを抑圧する水平期間数の基準値を設定しておき、制
御信号４が手振れ情報に基づいて作成した垂直転送制御
信号により垂直方向の手振れの大きさに応じて垂直転送
用パルスおよびクランプパルスを抑圧する水平期間数を
基準値から増減させることにより、画面上の画像の位置
を各パルスを抑圧する水平期間数の増減に応じて上下さ
せることができ、手振れによって画面上の画像のずれを
低減させることができる。この際、一画面分のデータを
保持しておくフィールドメモリ等を使用した大容量の記
憶装置を要せずに、手振れの補正を行うことが可能とな
る。上記の各パルスを抑圧する期間は垂直帰線期間の直
後、つまり画面の上端に設定することが望ましい。

この結果、固体撮像素子１から出力される画像信号に
手振れが生じても、D/A変換器５から出力される映像信
号は手振れの少ないものとすることができる。

なお、上記の実施例では、固体撮像素子は、転送手段
がCCDで構成されたものについて説明したが、転送手段
がMOS素子で構成されたもの等、他の形式の固体撮像素
子にもこの発明を適用できるのはいうまでもない。

また、この実施例では、抑圧する信号処理用パルスの
一例としてクランプパルスを挙げているが、それ以外の
他のパルスを抑圧する構成でもよい。

さらに、この実施例では、手振れ防止機能付のディジ
タル信号処理カメラについて説明したが、垂直転送パル
スを抑圧する構成によって手振れを補正するものなら、
信号処理はデジタル処理に限らずアナログ処理でもよ
い。

〔発明の効果〕

この発明の固体撮像装置によれば、手振れ補正手段に
より、固体撮像素子駆動パルス発生回路から発生する垂
直転送用パルスおよび垂直転送用パルスより１水平期間
後の固体撮像素子の出力信号処理用パルスを抑圧し、手
振れ情報に基づき垂直方向の手振れの大きさに応じて前
記垂直転送用パルスおよび前記固体撮像素子の出力信号
処理用パルスを抑圧する水平期間数を増減させるので、
記憶装置を要せずに手振れの補正を行うことが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のディジタル信号処理カメラの一実施
例の構成を示すブロック図、第２図はテレビジョン信号
用の水平同期信号とこの実施例における固体撮像素子の
駆動パルスおよび信号処理用パルスの一例を示すタイミ
ング図、第３図はディジタル信号処理カメラの従来例の
構成を示すブロック図である。 １……固体撮像素子、２……プリアンプ回路、３……A/
D変換器、４……制御装置、５……D/A変換器、６……固
体撮像素子駆動パルス発生回路

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の光電変換素子が二次元的に配列され
   た光電変換部と、前記光電変換部に蓄積された信号電荷
   を水平帰線期間内に発生する垂直転送用パルスに従って
   垂直方向に転送する垂直転送部と、前記垂直転送部から
   転送された信号電荷を水平転送用パルスに従って水平方
   向に転送する水平転送部と、前記水平転送部から転送さ
   れた信号電荷を信号電圧または信号電流に変換して出力
   する信号電荷検出部とを有する固体撮像素子と、 水平帰線期間毎に前記垂直転送用パルスを発生するとと
   もに水平走査期間内に水平転送用パルスを発生し、前記
   固体撮像素子の出力信号処理用パルスを前記垂直転送用
   パルスより１水平期間遅れたつぎの水平帰線期間に発生
   する固体撮像素子駆動パルス発生回路と、 前記固体撮像素子駆動パルス発生回路から発生する前記
   垂直転送用パルスおよび前記垂直転送用パルスより１水
   平期間後の前記固体撮像素子の出力信号処理用パルスを
   抑圧し、制御装置の情報に基づき前記垂直転送用パルス
   および前記固体撮像素子の出力信号処理用パルスを抑圧
   する水平期間数を増減させる補正手段とを備えた固体撮
   像装置。
2. 【請求項２】出力信号処理用パルスが黒レベル検出直流
   再生用パルスである請求項（１）記載の固体撮像装置。