JP2583327Y2 - 開放式呼吸器の肺力弁 - Google Patents

開放式呼吸器の肺力弁

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JP2583327Y2
JP2583327Y2 JP1991003951U JP395191U JP2583327Y2 JP 2583327 Y2 JP2583327 Y2 JP 2583327Y2 JP 1991003951 U JP1991003951 U JP 1991003951U JP 395191 U JP395191 U JP 395191U JP 2583327 Y2 JP2583327 Y2 JP 2583327Y2
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卓士 土井
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川重防災工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、開放式呼吸器の陽圧形
肺力弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、面体内に正圧を生じさせる陽
圧形肺力弁は、肺力弁の蓋体にヒンジ接続された揺動部
材が配置され、揺動部材の先端にはダイヤフラムを押し
つけるための押え板が可動に連結されている。さらにこ
の揺動部材は、死点位置からダイヤフラムを押下げて弁
を開放する第1の位置と、ダイヤフラムから離される第
2の位置に角変位するようになっている。この揺動部材
を第1あるいは第2の位置に切換えるために、装着者が
操作できるように肺力弁の蓋体の外に突出する操作片と
してのつまみが設けられている。
【0003】呼吸器を使用しないときには、揺動部材が
第2の位置になるように前記つまみを回転させて、揺動
部材をダイヤフラムを持上げた状態で係止している。こ
の場合、吸引するとダイヤフラムが変位して弁を開放す
ることはできるが、ダイヤフラムと揺動部材とは分離さ
れているので、吸引したときには面体内は正圧になら
ず、負圧状態となる。
【0004】また呼吸器を使用するときには、第2の位
置に回転した方向とは反対方向へつまみを回すことによ
り、揺動部材およびそれに連結された押え板を押下げて
第1の位置にし、ダイヤフラムを押下げて弁を開放し、
肺力弁内が正圧状態に保たれる。吸気すると、さらにダ
イヤフラムが変位し、正圧状態の空気を面体側へ供給す
る。呼気すると、ダイヤフラムは持上がり、揺動部材の
死点位置付近にまで変位する。呼吸すると、これらの状
態を繰返す。
【0005】使用順序に従って操作方法を説明すると、
次のようになる。
【0006】呼吸器を背負う。
【0007】そく止弁を開く。
【0008】面体を装着する(この場合、揺動部材は
第2の位置にあるので、装着中負圧状態で吸気してい
る)。
【0009】つまみを回し、揺動部材を第1の位置と
する(この場合、正圧状態で呼吸できる)。この状態で
作業を行う。
【0010】脱装するにあたり、つまみを回し、揺動
部材を第2の位置にする。
【0011】面体を外す(脱装中、陰圧状態で呼吸し
ている)。
【0012】そく止弁を閉じる。
【0013】呼吸器を外す。
【0014】このように、面体を装着あるいは脱装中に
は、空気の浪費を防ぐために揺動部材を第2の位置で使
用し、作業中は正圧状態で呼吸するために揺動部材を第
1の位置で使用できるようにつまみを切換えて使用して
いる。
【0015】
【考案が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、面体の装着後、正圧に切換えるためのつまみを回す
ことを忘れ、負圧のまま呼吸して使用する場合がある。
負圧のまま呼吸すると吸気時に大気圧より低くなるた
め、有害ガスを吸込む恐れがでて危険である。
【0016】したがって本考案の目的は、装着後の1回
目の吸気によって揺動部材を第2の位置から第1の位置
に変位させて切換え、正圧状態の切換え忘れを防止する
ことができるようにした開放式呼吸器の肺力弁を提供す
ることである。
【0017】また前述のような先行技術では、揺動部材
が第1の位置または第2の位置にあるかは、つまみにマ
ークをつけることによって表示可能である。しかしなが
ら前記つまみは、常にある一定の位置になるようにばね
で付勢されているため、揺動部材を第2の位置に移動さ
せて固定させたとき以外、そのつまみはある一定の位置
にあり、つまみによって揺動部材の位置が判別できな
い。
【0018】したがって本考案の他の目的は、揺動部材
の一端部に表示片を取付け、蓋体に取付けられた透明窓
から第2の位置に固定された場合に表示片が見えるよう
にして、圧力容器内の呼吸用ガスの異常浪費を未然に防
ぐことができるようにした開放式呼吸器の肺力弁を提供
することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本考案は、面体に正圧を
生じさせる陽圧形肺力弁であって、一端部が肺力弁の蓋
体にヒンジ接続され、かつ他端部が肺力弁の本体に設け
られるダイヤフラムに連結される揺動部材を備え、この
揺動部材は、前記ダイヤフラムを押下げて弁孔を開放す
る第1の位置と、ダイヤフラムを持上げて弁孔を閉鎖す
る第2の位置との間で角変位するように、2位置安定の
ばね部材によってばね付勢され、第2の位置にある揺動
部材のロック状態を吸引によって解除して、その揺動部
材を前記ばね部材のばね力によって第2の位置から第1
の位置に角変位するようにした開放式呼吸器の肺力弁に
おいて、蓋体には、揺動部材の一端部よりの位置で前記
揺動部材を第1の位置から第2の位置に変位させる操作
片が蓋体の外部に突出して設けられるとともに、第2の
位置で揺動部材の他端部を保持するロック手段が設けら
れることを特徴とする開放式呼吸器の肺力弁である。
【0020】また本考案は、前記ロック手段は、第1の
位置へ角変位する揺動部材の他端部の移動経路上で両端
部が蓋体に係止される可撓性および弾発性を有する係止
部材から成り、揺動部材の前記他端部には、この他端部
が蓋体と前記係止部材との間に配置された状態で係止部
材に臨みかつ一端部から他端部に向かって先細状となる
傾斜面が形成され、前記蓋体には、揺動部材を第1の位
置に向けて付勢する付勢手段が設けられることを特徴と
する。
【0021】さらに本考案は、揺動部材の一端部には表
示片が設けられ、蓋体には第1の位置において前記表示
片を覆いかつ第2の位置において前記表示片が露出する
表示手段が設けられることを特徴とする。
【0022】
【作用】本考案に従えば、操作片を回すことによって、
揺動部材がダイヤフラムを持上げ、この状態で揺動部材
を弁孔が閉弁状態になる位置で係止することができる。
また吸引によって揺動部材がダイヤフラムとともに第2
の位置から第1の位置へ変位してロック手段によるロッ
ク状態が容易に解除されるので、たとえばこの肺力弁を
介して呼吸用気体が導かれる面体を使用者が装着した状
態で1回目の吸気を行うと、これによって生じた負圧が
前記肺力弁に導かれて揺動部材のロックは解除され、面
体内を正圧状態に保つことができる。これによって正圧
に切換えるのを忘れ、負圧のままで使用することを確実
に防ぐことができる。
【0023】また本考案に従えば、前記ロック手段は可
撓性および弾発性を有する係止部材に揺動部材の他端部
が係止され、この他端部には傾斜面が形成されるので、
前記係止部材をたとえば1つのコイルばねによって実現
することができ、これによって部品点数が削減され、こ
れによって簡単な構成でロック手段を実現することがで
きる。また揺動部材の他端部に傾斜面が形成されるの
で、上記のように吸引によって揺動部材のロック状態を
解除するとき、この吸引力が小さくてすみ、面体の使用
者への負担が少なく、容易かつ確実に面体内に正圧の呼
吸用気体を導くことができる。
【0024】さらに本考案によれば、揺動部材の変位を
表示片によって表示するようにしたので、揺動部材の位
置を視認することによって弁体が開弁状態(第1の状
態)であるか、閉弁状態(第2の状態)であるかを容易
に確認することができる。
【0025】
【実施例】図1は本考案の一実施例の開放式呼吸器1の
全体の構成を示す正面図であり、図2は図1に示される
呼吸器1の系統図である。なお、図2において、2重線
は圧力容器2内の高圧力が直接作用する高圧力(たとえ
ば300kgf/cm2)の通気経路を示し、実線は減
圧器5によって減圧された後の低圧力(たとえば6kg
f/cm2)の通気経路を示し、破線は大気圧程度の圧
力の通気経路を示している。
【0026】この開放式呼吸器1は、たとえば空気など
の呼吸用気体を加圧充填した圧力容器2が着脱自在に搭
載された状態で使用者に装着するための装着手段3と、
圧力容器2の呼吸用気体の充填/取出し口に気密に螺着
される容器弁4と、容器弁4の開放時に圧力容器2から
放出されるたとえば300kgf/cm2程度の高圧力
の呼吸用気体を減圧する減圧器5とを含む。これらの容
器弁4と減圧器5とは、管継手などによって実現される
接続手段6によって相互に取外し自在に接続される。
【0027】減圧器5によってたとえば6kgf/cm
2 程度に減圧された呼吸用気体は、給気管7を介して肺
力弁8に導かれる。この肺力弁8には可撓性の導気管9
の一端部が接続され、導気管9の他端部は面体10に接
続される。この肺力弁8は、吸気中も面体10内の圧力
が大気圧よりも高くなるように呼吸用気体の供給量を制
御する、いわゆる陽圧形肺力弁である。面体10内の呼
気は前記面体10を装着した使用者の呼気圧によって面
体10に固定される呼気弁11から外部に排出される。
【0028】前記容器弁4には、圧力容器2内の圧力を
表示する圧力計12が接続される。また減圧器5付近に
は、減圧器5によって減圧される前のたとえば300k
gf/cm2 程度の高圧力の呼吸用気体を導く導気管1
3が接続されており、この導気管13を介して前記高圧
力の呼吸用気体が圧力計14に導かれる。この導気管1
3にはまた、警報器15が接続されており、この警報器
15によって、圧力容器2内の呼吸用気体の圧力が予め
定めた値以下に低下したとき、たとえば警報音を発生し
て警報動作を行うように構成されている。
【0029】前記装着手段3は、圧力容器2を載荷して
使用者の背中に背負うための背負具16と、背負具16
に圧力容器2を固定するためのバンド17と、背負具1
6の上下方向両端部を連結し使用者の両肩にそれぞれ掛
けられる一対の肩バンド18a,18bと、各肩バンド
18a,18bの中央胸前で締付けるための胸バンド1
9a,19bと、背負具16の下部を使用者の腰に固定
するための腰バンド20とを含む。前記圧力容器2は、
呼吸用気体の充填/取出し口を下方に向けて背負具16
に前記バンド17を用いて着脱自在に装着される。
【0030】図3は図1および図2に示される肺力弁8
の拡大断面図であり、図4はその肺力弁8の平面図であ
り、図5はその肺力弁8の側面図である。なお、図4は
図解を容易にするため、部分的に切欠いて示されてい
る。肺力弁8は、本体23と、本体23に固定される蓋
体24とを有する。本体23には前記給気管7が接続さ
れる接続部25が形成される。この接続部25には、給
気管7を介して供給されてきた呼吸用気体の通路26が
形成されており、この通路26の前記接続部25とは反
対側の端部にはバイパス弁27の弁孔28が形成され
る。弁孔28は駆動棒29の先端部に嵌着されたゴムな
どの弾発性材料から成る弁体30によって塞がれる。
【0031】このような弁体30が嵌着された駆動棒2
9は、直円筒状の内周面を有する弁室31内に摺動自在
に嵌り込む。本体23にはまた、この弁室31に臨んで
開口するバイパス通路32が形成されており、つまみ3
3をその軸線まわりに角変位させることによって弁孔2
8を開弁/閉弁状態として、通路26を介して供給され
てきたたとえば6kgf/cm2 程度の圧力を有する呼
吸用気体をバイパス通路32を介して本体23内のダイ
ヤフラム室34へ供給することができる。このダイヤフ
ラム室34は、前記通路26へ弁室35および通路36
を介して連通する。ダイヤフラム室34は、ダイヤフラ
ム37によって大気圧側空間34aと、吸気圧側空間3
4bとに仕切られており、吸気圧側空間34bには前記
導気管9が接続される接続部38の通路39が連通す
る。
【0032】このダイヤフラム37は、たとえばゴムな
どの可撓性および弾発性を有する材料から成り、図6お
よび図7に示されるように、一対の金属製の挟持部材4
1,42によって挟持される。これらの挟持部材41,
42およびダイヤフラム37は大略的に球面状に形成さ
れる。ダイヤフラム37の外周部43は、大略的に直円
筒状に形成されており、その内周面には半径方向内方に
突出する突部44が周方向全周にわたって形成される。
この突部44は、本体23に形成される環状の凹溝45
に突部44の外周を糸等によって縛り付けて気密な状態
に嵌着し、こうして前記ダイヤフラム室34が気密に仕
切られる。ダイヤフラム37は、本体23にダイヤフラ
ム室34の吸気圧側空間34b内に突出して形成される
突起46に当接して、図3における下方への最大変位量
が制限される。
【0033】図8は本体23の平面図であり、図9は開
閉手段51付近の分解斜視図である。前記本体23は、
大略的に直円筒状の筒部47と、筒部47の軸線方向一
端部を塞ぐ底部48とを有する。底部48には、前記突
起46が開放端側(図8の紙面に垂直手前側)に突出し
て形成される。また本体23の前記弁室35および通路
36近傍は、図8の紙面に垂直手前側になるにつれて右
方に傾斜した傾斜面49を有する取付け座50が形成さ
れる。この取付け座50には、前記通路36および弁室
35を介して供給される呼吸用気体をダイヤフラム室3
4の吸気圧側空間34bに供給/遮断するための開閉手
段51が設けられる。
【0034】図3をも参照して、開閉手段51は、前記
弁室35内に設けられる弁体52と、この弁体52が当
接する弁座53を有する当接部材54と、当接部材54
上に配置されかつ大略的にC字状の通気孔55が形成さ
れる通気板56とを有する。通気板56には、前記通気
孔55によって外囲され弁棒57が挿通する挿通孔58
aを有する案内リング58が形成されている。取付け座
50には、弁室35からダイヤフラム室34の吸気圧側
空間34bにわたって、パツキン59を介して当接部材
54および通気板56がこの順序で積層され、ビス60
によってねじ止めされる。
【0035】前記弁棒57の軸線方向一端部には、外周
面がゴムなどの弾発性材料によって被覆された弁体52
が固着されており、弁棒57の他端部には当接片61が
固定される。この当接片61は、大略的に球状であり、
前記ダイヤフラム37が図3に示される係止位置にある
状態で、吸気圧側空間34bに臨む挟持部材42の内面
と間隔dをあけて離間している。このような間隔dを設
けることによって、ダイヤフラム37が振動などによっ
てわずかに変位しても、弁棒57が角変位することはな
く、したがって弁体52が弁座53から離間して弁孔6
2から呼吸用気体が放出されることはない。弁棒57
は、円錐状のコイルばね63と弁体52にかかる背圧と
によって底部48と30〜45°程度の角度θを成して
支持されており、このコイルばね63によって弁棒57
の先端部に固定されている当接片61が前記挟持部材4
2と間隔dをあけた状態が保持される。
【0036】このような弁棒57が前記ダイヤフラム3
7によって押圧された後、コイルばね63および弁体5
2にかかる背圧によって再び初期位置に復帰する際に不
所望な方向へそれてしまうことを防止するために、案内
部材64によって案内される。案内部材64には、弁棒
57がダイヤフラム37によって押圧された後ばね63
のばね力によって図3における下方から上方に向けて復
帰する復帰方向A1、すなわち図8の左右方向右方寄り
になるにつれて相互に近接する方向に傾斜する案内面6
6,67を有する。これらの案内面66,67の交差す
る中央位置には凹溝68が形成されており、この凹溝6
8には弁棒57が嵌り込む。
【0037】この案内部材64によって、ダイヤフラム
37の下方への変位した第1の位置、すなわち底部48
に近接する方向に変位した状態から、ダイヤフラム37
が再び初期位置(図3に示される状態)である第2の位
置に復帰したとき、それに伴って弁棒57もコイルばね
63の復元力および弁体52にかかる背圧によって矢符
A1方向に角変位して初期位置に復帰する。このとき、
弁棒57は当接片61が挟持部材42のダイヤフラム室
34に臨む円弧状の内面に当接して、図8の紙面に平行
な仮想平面内で上方に移動するけれども、振動などの作
用によって横方向、すなわち図8の紙面に垂直方向にず
れた状態であっても、弁棒57は前記案内面66,67
のうちいずれか一方に当接して前記仮想平面内に案内さ
れ、コイルばね63および弁体52にかかる背圧によっ
て支持された中立位置に復帰させることができる。この
ようにして当接片61を挟持部材42から間隔dをあけ
た位置に案内することができる。
【0038】図10はロック手段70およびそれに関連
する構成を示す底面図であり、図11はその分解斜視図
である。なお、図11において、図解を容易にするため
本体23および蓋体24の一部が省略されている。ロッ
ク手段70は、基本的に、両端部がボルトなどを用いて
蓋体24に係止される可撓性および弾発性を有する係止
部材としてのコイルばね71と、コイルばね71に他端
部である先端部72a付近が係止される揺動部材72と
を含む。揺動部材72は、一端部である基部73と、基
部73に連なる揺動部74とを有する。揺動部74は、
ダイヤフラム37を挟持する一対の挟持部材41,42
のうち上方に配置される挟持部材41に固定される一対
の立上り片83,84間に挿通する。
【0039】このようにして揺動部材72にダイヤフラ
ム37が取付けられた状態では、ダイヤフラム37は揺
動部材72に対して角変位自在である。
【0040】揺動部74には、先端寄りになるにつれて
上方、すなわち図3における右上方に傾斜した傾斜面8
5が形成される。傾斜面85にはロック状態において前
記コイルばね71が当接し、この状態でダイヤフラム3
7が吸引動作によって下方へ変位するとき、容易にばね
71のばね力に抗して離脱することができる。このよう
にして係止状態からその係止状態を吸引力によって容易
に解除することができる。
【0041】揺動部材72の基部73には透孔87が形
成される。この透孔87には2位置安定ばね88の一端
部が嵌り込んで係止される。2位置安定ばね88の他端
部は、蓋体24に固着される係止片89の係止孔90に
遊通する。この係止孔90の内周面には内ねじが刻設さ
れており、調整用ボルト91が螺合する。この調整用ボ
ルト91を螺進/螺退させることによってばね部材であ
る2位置安定ばね88のばね力を変化させることがで
き、これによって揺動部材72の角変位方向へ作用する
ばね力を調整することができる。
【0042】基部73にはまた、図10における左方側
の端部寄りになるにつれて先細状となる当接部92が形
成されており、この当接部92は支持片93のV字状に
屈曲した凹溝94に嵌り込んだ状態で揺動自在に支持さ
れる。
【0043】このような揺動部材72は、付勢手段98
によって係止解除時における吸引力の強さを調整するこ
とができる。図3をも参照して、この付勢手段98は、
揺動部材72に一端部が弾発的に当接する圧縮コイルば
ね99と、この圧縮コイルばね99の他端部が弾発的に
当接するばね受け片100と、ばね受け片100に前記
他端部が当接した圧縮コイルばね99をばね受け片10
0との間で挟持するナツト101と、このナツト101
に螺合する小ねじ102とを有する。
【0044】ばね受け片100は、その外周面に外ねじ
が刻設されており、蓋体24の取付部103に形成され
る嵌合凹所104に螺着される。このような付勢手段9
8によって、揺動部材72はその傾斜面85がコイルば
ね71に係合した状態でその係合状態を解除する方向に
弾発的に付勢されて荷重調整されるので、ダイヤフラム
室34内の吸気圧側空間34bに導かれるほぼ一定の吸
引力によって、前記傾斜面85がばね71のばね力に抗
して外れ、これによってダイヤフラム37が各挟持片4
1,42とともに吸気圧側空間34bを縮小する方向へ
変位し、各挟持部材41,42のうち吸気圧側空間34
bに臨む下方の挟持部材42の内面が弁棒57の当接片
61に当接して下方へ押圧し、前記弁棒57が矢符A2
方向へ角変位され、弁体52は弁座53から離間して弁
孔62を介して呼吸用気体が供給される。これによっ
て、この肺力弁の使用者はほぼ一定の吸引力で吸気動作
を行うことができる。
【0045】図12は、揺動部材72の基部73付近の
蓋体24を省略した斜視図である。基部73には、基部
73から一方向に垂直に立上る立上り部108が形成さ
れる。この立上り部108には透孔109が形成され、
透孔109には軸110が挿入する。軸110は、直円
柱状の回転体111にその中心軸線Lから距離rだけ半
径方向外方にずれた位置に一体的に形成される。回転体
111には、蓋体24を厚み方向に挿通する連結軸11
2の軸線方向一端部が一体的に形成されており、連結軸
112の他端部には蓋体24の外部で操作片113が固
定される。回転体111と蓋体24との間には捩りばね
114が装着される。この捩りばね114の一端部は回
転体111に係止され、捩りばね114の他端部114
aは蓋体24に係止される。したがって操作片113を
その軸線まわりの矢符B1方向に角変位させると、その
操作片113の回転は捩りばね114に抗して回転体1
11に伝達され、したがって軸110は透孔109内で
矢符B1方向に角変位する。また、操作片113から手
を離すと捩りばね114によって矢符B1方向とは逆方
向B2に回転して初期位置に戻ろうとし、突起116が
蓋体24に当接してそれ以上の回転は阻止される。
【0046】立上がり片108の透孔109には、前記
軸110が当接する当接面115が形成される。軸11
0は、操作片113を操作したときに、回転軸線Lを回
転中心として半径rとする仮想円C上で矢符B1方向に
角変位する。透孔109近傍の部分108はこのような
仮想円C内にあるため、軸110が当接してその当接面
115を押圧することができる。これによって当接部9
2を支点にして揺動部材72が矢符C1方向に角変位
し、揺動部材72の先端部72aがばね71を持ち上
げ、ばね71が蓋体24に設けられた斜面150に沿っ
て移動して、先端部72aがばね71をのり越え、揺動
部材72の先端部72aがばね71に係止される。した
がってダイヤフラム37に固定される挟持部材42は、
弁棒57の当接片61に当接しない状態に維持され、し
たがって弁体52は弁座53に周方向全周にわたって当
接して弁孔62が塞がれた状態とされる。したがってダ
イヤフラム室34の吸気圧側空間34b内に吸気用気体
が供給されることはない。
【0047】図13は表示手段120を示す蓋体24の
斜視図であり、図14はその表示手段120付近の断面
図である。前記蓋体24には接続部38が嵌り込む嵌合
孔122が形成され、この嵌合孔122の上方には表示
手段120が設けられる。この表示手段120は、蓋体
24に形成された透孔123に嵌り込んで外方に突出す
る大略的にC字状断面を有する外カバー体124と、こ
のカバー体124内にその上部側内周面に内接する内カ
バー体125と、外カバー体124の凹所126内に緩
やかに嵌り込む表示片121とを含む。
【0048】前記外カバー体124は、たとえば透明な
合成樹脂製であり、好ましくはポリカーボネイトが用い
られる。また内カバー体125は、たとえば白色のAB
S樹脂などから成り、また表示片121は赤色のABS
樹脂などから成る。この内カバー体125は、図15に
示されるように外カバー体124の凹所126内に嵌り
込み、その凹所126の内周面に沿って配置される。ま
た表示片121は、図16に示されるように揺動部材7
2の基部73に形成される嵌合孔127に嵌合する直円
筒状の突起128と、揺動部材72の当接部92近傍を
把持する把持片129とを有する。このような把持片1
29とこの把持片129が一体的に形成される表示片1
21の本体130とによって、揺動部材72の当接部9
2を把持した状態で、前記突起128が嵌合孔127に
嵌り込んで、表示片121の揺動部材72からの抜出し
が防止される。
【0049】このような表示片121が取付けられる揺
動部材72が前記コイルばね71によって係止された状
態では、表示片121は図14の仮想線121aに示さ
れる傾斜した状態となって、前記凹所126内で内カバ
ー体125から露出しており、したがって外部から視認
したときには白色の内カバー体125から赤色の表示片
121が露出しており、このような赤色の表示によって
ダイヤフラム37が係止状態であることを表示すること
ができる。また前記面体15を使用者が装着した状態で
吸引動作を行うと、その吸引力は導気管9を介して肺力
弁8のダイヤフラム室34内に導かれ、これによってダ
イヤフラム37は図3における下方へ変位し、このとき
揺動部材72の傾斜面85にコイルばね71が当接して
係止された状態からこのばね71のばね力に抗して揺動
部材72が矢符C2方向へ角変位し、前記ダイヤフラム
37の下方への変位によって、傾斜面85がばね71か
ら離脱する。こうして係止状態が解除されると、赤色の
表示片121は上方へ変位して内カバー体125によっ
て覆われた状態となり、外部にその赤色が露出しない。
このような状態で、ダイヤフラム37は使用者の呼吸に
対応して上下に変位し、このダイヤフラムの上下動によ
って弁棒57が角変位して弁孔62が開閉され、使用者
は弁孔62を介する呼吸用気体を吸引することができ
る。このような表示手段120を設けることによって、
使用する前に外部からダイヤフラムが係止状態であるか
否かを認識することができる。
【0050】
【考案の効果】本考案によれば、蓋体から外部に突出す
る操作片を操作することによって、揺動部材をロック手
段によって第2の位置で保持し、これによってたとえば
振動などの作用によって弁孔が不所望に開放して呼吸用
気体が漏洩することが防がれ、無駄な呼吸用気体の消費
が防止される。また、吸気によって係止部材のロック手
段によるロック状態が解除されるので、たとえばこの肺
力弁を介して呼吸用気体が導かれる面体を使用者が装着
した状態で1回目の吸気を行うと、これによって生じた
負圧が前記肺力弁に導かれて揺動部材のロック状態は解
除され、面体内を陽圧状態に保つことができる。これに
よって陽圧への切換え操作を忘れ、陰圧のままで使用す
るという不都合を確実に防ぐことができ、このことは特
に緊急時において救助作業等を迅速に行うために重要で
ある。
【0051】また本考案によれば、揺動部材の他端部が
係止部材に係止され、前記ロック状態が実現されるの
で、前記係止部材をたとえば単一個のコイルばねなどに
よって実現することができ、簡単な構成でロック手段を
実現することができる。また揺動部材の他端部には傾斜
面が係止されるので、その揺動部材の他端部が前記係止
部材によって係止された状態から吸引を行うと係止部材
が傾斜面に沿って容易に外れ、容易にロック状態を解除
することができる。これによって吸引力が小さくてす
み、面体の使用者への負担が少なく、緊急時などにおけ
る使用時の操作性および利便性を向上することができ
る。
【0052】さらに本考案によれば、揺動部材の変位を
表示片によって表示するようにしたので、揺動部材の位
置を視認することによって弁体が開弁状態(第1の状
態)であるか、閉弁状態(第2の状態)であるかを容易
に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の開放式呼吸器1の全体の構
成を示す正面図である。
【図2】図1に示される呼吸器1の系統図である。
【図3】図1および図2に示される肺力弁8の拡大断面
図である。
【図4】肺力弁8の平面図である。
【図5】肺力弁8の側面図である。
【図6】ダイヤフラム37および挟持部材41,42の
平面図である。
【図7】図6の切断面線VII−VIIから見た断面図
である。
【図8】本体23の平面図である。
【図9】開閉手段51付近の分解斜視図である。
【図10】ロック手段70およびそれに関連する構成を
示す底面図である。
【図11】ロック手段70およびそれに関連する構成を
示す分解斜視図である。
【図12】揺動部材32の基部73付近の斜視図であ
る。
【図13】表示手段120を示す蓋体24の斜視図であ
る。
【図14】表示手段120付近の断面図である。
【図15】表示手段120の分解斜視図である。
【図16】表示片121の揺動部材72への取付け状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 開放式呼吸器 2 圧力容器 8 肺力弁 37 ダイヤフラム 51 開閉手段 52 弁体 70 ロック手段 71 コイルばね 72 揺動部材 98 付勢手段 120 表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 尾島 一規 神戸市西区高塚台3丁目2番地16 川重 防災工業株式会社 神戸本社・本社工場 内 (56)参考文献 特開 昭62−114569(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A62B 9/02 A62B 7/04

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面体に正圧を生じさせる陽圧形肺力弁で
    あって、一端部が肺力弁の蓋体にヒンジ接続され、かつ
    他端部が肺力弁の本体に設けられるダイヤフラムに連結
    される揺動部材を備え、この揺動部材は、前記ダイヤフ
    ラムを押下げて弁孔を開放する第1の位置と、ダイヤフ
    ラムを持上げて弁孔を閉鎖する第2の位置との間で角変
    位するように、2位置安定のばね部材によってばね付勢
    され、第2の位置にある揺動部材のロック状態を吸引に
    よって解除して、その揺動部材を前記ばね部材のばね力
    によって第2の位置から第1の位置に角変位するように
    した開放式呼吸器の肺力弁において、 蓋体には、揺動部材の一端部よりの位置で前記揺動部材
    を第1の位置から第2の位置に変位させる操作片が蓋体
    の外部に突出して設けられるとともに、第2の位置で揺
    動部材の他端部を保持するロック手段が設けられること
    を特徴とする開放式呼吸器の肺力弁。
  2. 【請求項2】 前記ロック手段は、第1の位置へ角変位
    する揺動部材の他端部の移動経路上で両端部が蓋体に係
    止される可撓性および弾発性を有する係止部材から成
    り、揺動部材の前記他端部には、この他端部が蓋体と前
    記係止部材との間に配置された状態で係止部材に臨みか
    つ一端部から他端部に向かって先細状となる傾斜面が形
    成され、前記蓋体には、揺動部材を第1の位置に向けて
    付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする請求項
    1記載の開放式呼吸器の肺力弁。
  3. 【請求項3】 揺動部材の一端部には表示片が設けら
    れ、蓋体には第1の位置において前記表示片を覆いかつ
    第2の位置において前記表示片が露出する表示手段が設
    けられることを特徴とする請求項1または2記載の開放
    式呼吸器の肺力弁。
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