JP2582763B2 - 音声分析合成装置 - Google Patents

音声分析合成装置

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JP2582763B2 JP62008783A JP878387A JP2582763B2 JP 2582763 B2 JP2582763 B2 JP 2582763B2 JP 62008783 A JP62008783 A JP 62008783A JP 878387 A JP878387 A JP 878387A JP 2582763 B2 JP2582763 B2 JP 2582763B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、音声信号に分析して平均符号長を短縮し
て符号化して伝送・保存する音声分析合成装置に関す
る。
<従来の技術> 音声信号を表現するには、多大な情報量が必要である
が、音声信号には大きな冗長性があり、これを圧縮する
ことにより高能率伝送や低容量記憶を行うことができ
る。
音声信号の符号化法は波形次元での符号化と周波数領
域での符号化に大別できる。上記波形次元での符号化
は、例えば各サンプル毎に一定情報量の符号を出力する
ものであり、上記周波数領域での符号化は、例えばフレ
ーム単位で一定情報量の符号を出力するものである。こ
こで、波形次元の符号化を考えると、各サンプル毎に一
定の情報量を出力するよりも、波形の変化が激しく予測
が困難な場合に多くの情報を出力し、波形の変化が少な
く予測が容易な場合には少ない情報を出力するという可
変長符号化を行なう方が、平均符号長を短縮することが
でき、低容量記憶には適している。上記のことは周波数
領域での符号化でも同様である。
従来、振幅分布に偏り、つまり、各振幅を表す符号の
発生確率に偏りがある場合、量子化結果の出現頻度に応
じて各符号の情報量(ビット長)が変わる可変長符号に
符号化して、平均符号長を短くするという方法はエント
ロピー符号と呼ばれ、具体的アルゴリズとしてはハフマ
ン符号等が用いられている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、エントロピー符号化のような従来の可
変長符号化の手法は、入力音声における各情報の発生確
率等の統計的性質を利用しているため、上記統計的性質
を予め調査して、エントロピー最小となるように符号長
を作成する必要があり、非常に面倒であるという問題が
ある。また、エントロピー符号化は符号化されたコード
のビット長の変化が大きいため、伝送エラーに対する対
処が難しい。
そこで、この発明の目的は、入力音声信号の分析符号
のうち特定符号をマーカー符号として可変長符号を出力
することにより、入力音声信号の変化量に応じて、符号
化結果の情報量を簡単な処理で変化させて平均符号長を
短縮し、記憶容量を小さくでき、かつ、エラーの少ない
符号化特性が得られる音声分析合成装置を提供すること
にある。
<問題点を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この発明の音声分析合成装
置は、入力された音声信号をサンプリングするサンプリ
ング手段と、上記音声信号を分析して符号化する音声分
析手段と、符号化された音声信号を合成音声に復号する
音声合成手段とを備えた音声分析合成装置において、上
記音声分析手段は、サンプリングされた隣接する音声信
号の差分値を求める差分検出部と、上記差分検出部によ
って求められた差分値が一定数の符号で符号化可能な分
析符号化範囲内に入るか否かを判別する判別部と、上記
差分値が上記分析符号化範囲内に入る場合にはその分析
符号化範囲内で上記差分値を符号化する一方、上記差分
値が上記分析符号化範囲内に入らない場合には上記差分
値を表すのに必要な上記分析符号化範囲の繰り返し数を
算出し、この繰り返し数を表すマーカー符号を含む符号
列によって上記差分値を符号化する符号化部とを有し、
上記音声分析手段は、隣接する音声信号の差分値を、上
記符号列に含まれるマーカー符号に基づいて上記分析符
号化範囲に用いて求める復号化部を有することを特徴と
している。
また、この発明の音声分析合成装置は、上記音声合成
手段における上記符号化部は、上記分析符号化範囲に入
らない差分値を符号化するに際しては上記分析符号化範
囲に入る差分値を符号化するに際して用いる符号化範囲
とは異なる符号化範囲を用いるようにし、上記音声分析
手段における上記復号化部を、上記分析符号化範囲に入
らない差分値を求めるに際しては上記分析符号化範囲に
入る差分値を求めるに際して用いる符号化範囲とは異な
る符号化範囲を用いるようにすることが望ましい。
<作用> 入力された音声信号はサンプリング手段によって量子
化されて音声分析手段に入力される。上記音声分析手段
に入力された音声信号は差分検出部によって隣接する音
声信号の差分値が求められ、次に、判別部によって上記
差分値が一定数の符号で符号化可能な分析符号化範囲内
に入るか否かが判別される。上記符号化部では上記判別
部の判別結果に基づいて、上記差分値が分析符号化範囲
内に入るときは、一定数の符号の内で符号化が行なわれ
る一方、差分値が分析符号化範囲内に入らないときは、
上記差分値を表わすのに必要な上記分析符号化範囲の繰
り返し数を表すマーカー符号を含む符号列に符号化が行
なわれて出力される。
上記マーカー符号を含む符号列に符号化された音声信
号が音声合成手段に入力されると、マーカー符号に基づ
く上記分析符号化範囲の繰り返し数を参照して、隣接す
る音声信号の差分値が算出されて合成音声に復号化され
る。
また、上記音声合成手段における上記符号化部によっ
て、上記分析符号化範囲に入らない差分値を符号化する
場合には上記分析符号化範囲に入る差分値を符号化する
に際して用いる符号化範囲とは異なる符号化範囲が用ら
れ、上記音声分析手段における上記復号化部によって、
上記分析符号化範囲に入らない差分値を求める場合には
上記分析符号化範囲に入る差分値を求めるに際して用い
る符号化範囲とは異なる符号化範囲が用いられて、少な
いビット数で符号化/復号化が行われる。
<実施例> 以下、この発明を図示の実施例により詳細に説明す
る。第1図にこの発明の音声分析合成装置のブロック図
を示す。
まず、音声を分析して符号化する動作を説明する。入
力端子より入力した音声波形は、サンプリング周波数発
振回路5より発生するクロック信号CKによって制御され
るAD変換器1によってディジタル化される。上記のAD変
換器1でディジタル化されたデータは上記クロック信号
CKによってラッチ2に入力され、次のクロック信号CKで
音声波形の次のサンプルがAD変換されるまで保持され
る。さらに、上記クロック信号CKはオア(OR)回路6を
通り符号化器3にスタート信号として入力される。この
スタート信号により符号化器3はラッチ2に保持されて
いる入力波形のディジタルデータを取り込んで符号化
し、音声符号を符号化結果判定回路4に出力する。ここ
で、上記符号化器3は第2図に示す差分PCM(パルス・
コード・モデュレーション)分析合成装置、または、第
3図に示す適応差分PCM分析合成装置の符号化器等を用
いる。第2図の差分PCM分析合成装置は、量子化部21と
符号化部22と符号化側の予測部23と復号化部24と復号化
側の予測部25と加算器26,27,28とからなり、第3図の適
応差分PCM分析合成装置は適応量子化部31と符号化部32
と符号化側の論理部33と符号化部の固定1次予測部34と
復号化部35と復号化側の論理部36と復号化側の固定1次
予測部37と加算部38,39,40とからなる。
上記符号化結果判定回路4は入力された音声符号を通
信路7または記憶媒体へ伝送すると共に、上記符号が分
析符号化範囲の両端符号(マーカー符号)であるか否か
を判定する。ここで分析符号化範囲の両端の符号とは、
第4図に示す一様量子化の中間立上りの場合の入出力量
子化特性図におけるコード(CODE)3やCODE7のことで
ある。すなわち、入力信号が大き過ぎて量子化(符号
化)範囲を超える場合に出力される符号である。
上記符号化結果判定回路4は、入力された符号が上記
両端符号ではない場合は上記OR回路6に信号“0"を出力
する。そうすると、上記OR回路6は上記クロック信号が
“1"になる次のサンプル開始まで“0"を出力して符号化
器3を停止させる。一方、上記符号化結果判定回路4
が、入力された符号を両端符号であると判定した場合は
入力信号が符号化範囲を超えているため、そのままでは
符号化することができない。そのため例えば第2図に示
すような差分PCMの場合は、符号化器3における予測値
を、前の符号化で更新されている両端符号の予測値から
次の予測値へ下記のように更新するために上記符号化結
果判定回路4はOR回路6を介してスタート信号“1"を符
号化器3に送る。そうすると、符号化器3にはラッチ2
に保持されているデータが再び入力され、入力波形の1
サンプル当たり予測値計算を複数回実行して、両端符号
ではない予測値に更新される。
この動作を第5図により詳細に説明する。第51図は2
回予測計算を行なって2回符号を出力する場合である。
第5図に示すように、音声波形の変化量が大き過ぎて、
CODE7からCODE3で示される符号化範囲より超過するの
で、まず、前予測値Xに基づいて行なった1回目の符号
化ではA点において音声波形の変化に追従しきれなくな
るので、先ず符号化範囲の端でCODE3を出力し、予測値
をA点に更新する。そして、再度符号化を実行すると、
今度はA点を基準にした波形の変化量が符号化範囲に入
り、CODE2を出力して予測値をB点に決定する。符号化
器が計算を終わるのは、符号化結果として両端符号以外
を出力したときである。したがって、両端符号以外の符
号を出すまで複数回予測値計算が実行される訳である
が、その処理時間はサンプリング周期の時間より早くな
ければならない。この符号化を第2図の差分PCM方式に
用いた場合の処理の簡略したフローチャートを第6図に
示す。
まず、ステップS1で、上記ラッチ2より時点kにおけ
る入力音声の波高値ykを取り込む。
ステップS2で、内部に保持されている前予測波高値xk
と時点kの波高値ykとの差分値を算出する。
ステップS3で、上記差分値Skを片側符号化範囲幅Rで
除し、商Qkおよび余りrkを算出する。
ステップS4で、商Qkの回数だけマーカー符号(両端符
号)を出力する。すなわち、現波形値ykが符号化範囲に
入るまでマーカー符号を出力して予測波高値をシフトす
ることを意味する。そして、予測値の計算に入り、ステ
ップS5に進む。
ステップS5で、Ck(Ck=INT(rk÷△)但し△は量子
化幅)を算出する。
ステップS6で、符号Ckを出力する。
ステップS7で、次の予測値xkを、xk=xk−+R・Qk
+Ck・△の式で算出して更新する。
ステップS8で、k=k+としてステップS1に戻り次
の時点の符号化を行なう。
以上が分析側の動作であるが、ここで注意すべきこと
は、2回目の符号化範囲が1回目の符号化範囲の半分に
なっていることである。したがって、2回目以降の符号
の情報量(ビット長)は、1回目の符号長に比べ、1ビ
ット少ない。しかし、予測値の更新の仕方を符号化結果
によって制御する回路を付加することや、2回目以降の
符号化を異なる符号化範囲(片側方向のみ)の符号化器
で行なうようにすれば、1回目と同じビット長の符号が
出力できる。
次に音声を合成する動作を説明する。第1図におい
て、通信路7から送られてきた符号に基づき、複合化器
11は合成波形のディジタルデータを計算する。上記復号
化器11は、第2図に示す差分PCM分析合成装置、また
は、第3図に示す適応差分PCM分析合成装置の復号化器
等を用いる。符号化結果判定回路14は、現在通信路7か
ら送られてきた符号が両端符号か否かを判定する。
その結果、両端符号でない場合は上記符号化結果判定
回路14からラッチ12に信号“1"が出力され、現在符号化
器11で計算した合成波形のディジタルデータをラッチ12
に取り込む。このデータはサンプリング周波数発振回路
15で発生されるクロック信号CKによって制御されるDA変
換器13に取り込まれ合成音声波形として出力される。一
方、現在判定された符号が両端符号である場合は、上記
符号化結果判定回路14から信号“0"が出力され、ラッチ
12は復号化器11からはデータを取り込まない。すなわ
ち、両端符号の場合は合成波形のディジタルデータを出
力しない。それと同時に、例えば、第2図に示すような
差分PCMの復号化器11における予測値は、次の符号で合
成波形のディジタルデータを計算する基準となる予測値
に一度更新されてその値に保持され、さらに次の符号を
107の通信路から取り込み再度復号化を行なう。そし
て、入力符号が両端の符号でなくなると、始めて符号化
結果判定回路14は信号“1"を出力し、その結果合成波形
のディジタルデータがラッチ12に取り込まれ、DA変換器
13でD/A変換されて合成波形として出力端子から出力さ
れる。但し、合成側においても分析側同様に、合成波形
の全計算処理時間はサンプリング周期の時間より短い必
要がある。
この符号化復号化の具体的な処理の流れを簡略して第
7図によって説明する。
ステップS11で、内部に保持されている前合成波高値X
k−を取り込む。
ステップS2で、入力される音声符号をマーカー符号か
否かを判定してマーカー符号を連続して受け取った回数
Qkとマーカー符号の後に入力された量子化幅△の個数を
表わす符号Ckを入力する。
ステップS13で、合成波形xkを次式xk=xk−+R・Q
k+Ck・△を用いて算出する。
ステップS14で、k=k+としてステップS11に戻り
次の時点の復号化に進む。
したがって、非常に簡単な処理によって、入力音声信
号の変化量に応じて符号化処理の情報量を変化させる可
変長符号に符号化したり、あるいは、上記可変長符号を
復号化することができ、平均符号長を短くすることがで
きる。
上記実施例と異なる他の実施例では、符号化方式とし
て適応差分PCM方式を用い、分析結果として上述のよう
に波高値の変化が大きいときに2符号以上出力する際に
その量子化幅を変化させて符号化を行なう。例えば量子
化幅を定数倍すれば非線形量子化を行なうと同じ効果が
得られる。この実施例方式によれば分析符号化範囲が広
くなり、さらに急激な波形の変化に追従できると共に、
平均符号長を短く抑えて聴覚的に性能のよい符号化が実
現できる。
さらに、他の実施例では符号化結果判定回路4,14にさ
らに判定回路を付加して音声信号の変化が大きい場合に
出力する符号の数を最大2回に制限することによって、
最長の処理時間を明確にしてハードウエア実現を容易に
することができる。
<発明の効果> 以上より明らかなように、この発明の音声分析合成装
置は、音声分析手段と音声合成手段を備え、上記音声分
析手段は、サンプリングされた隣接する音声信号の差分
値を求める差分検出部と、上記差分検出部によって求め
られた差分値が一定数の符号で符号化可能な分析符号化
範囲内に入るか否かを判別する判別部と、上記差分値が
上記分析符号化範囲内に入る場合はその分析符号化範囲
内で上記差分値を符号化する一方、上記差分値が上記分
析符号化範囲内に入らない場合は上記差分値を表わすの
に必要な上記分析符号化範囲の繰り返し数を算出し、こ
の繰り返し数を表すマーカー符号を含む符号列によって
上記差分値を符号化する符号化部とを有し、上記音声合
成手段は、隣接する音声信号の差分値を、上記符号列に
含まれるマーカー符号に基づいて上記分析符号化範囲を
用いて求める復号化部を有するので、非常に簡単な処理
で、入力音声信号をその変化量に応じて符号化結果の情
報量を変化させるような可変長符号に符号化、また、上
記可変長符号を復号化することができ、したがって平均
符号長を短縮してメモリの低容量化が実現でき、かつ良
い分析合成音が得られる。
また、上記音声合成手段の上記符号化部は、上記分析
符号化範囲に入らない差分値を符号化する場合には上記
分析符号化範囲に入る差分値を符号化するに際して用い
る符号化範囲とは異なる符号化範囲を用いるようにし、
上記音声分析手段の上記復号化部を、上記分析符号化範
囲に入らない差分値を求める場合には上記分析符号化範
囲に入る差分値を求めるに際して用いる符号化範囲とは
異なる符号化範囲を用いるようにすれば、少ないビット
数で符号化/復号化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例である音声分析合成装置の
ブロック図、第2図は差分PCM分析合成装置のブロック
図、第3図は適応差分PCM分析合成装置のブロック図、
第4図は一様量子化の中間立上りの場合の入出力量子化
特性と出力符号とを示した図、第5図は上記実施例によ
って音声波形を符号化する動作および出力される符号の
説明図、第6図は、上記実施例における符号化処理の流
れ図、第7図は、上記実施例における復号化処理の流れ
図である。 1……AD変換器、3……符号化器、 4,14……符号化結果判定回路、 5,15……サンプリング周波数発振回路、 6……OR回路、11……復号化器、 13……DA変換器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された音声信号をサンプリングするサ
    ンプリング手段と、上記音声信号を分析して符号化する
    音声分析手段と、符号化された音声信号を合成音声に復
    号する音声合成手段とを備えた音声分析合成装置におい
    て、 上記音声分析手段は、サンプリングされた隣接する音声
    信号の差分値を求める差分検出部と、上記差分検出部に
    よって求められた差分値が一定数の符号で符号化可能な
    分析符号化範囲内に入るか否かを判別する判別部と、上
    記差分値が上記分析符号化範囲内に入る場合にはその分
    析符号化範囲内で上記差分値を符号化する一方、上記差
    分値が上記分析符号化範囲内に入らない場合には上記差
    分値を表すのに必要な上記分析符号化範囲の繰り返し数
    を算出し、この繰り返し数を表すマーカー符号を含む符
    号列によって上記差分値を符号化する符号化部とを有
    し、 上記音声分析手段は、隣接する音声信号の差分値を、上
    記符号列に含まれるマーカー符号に基づいて上記分析符
    号化範囲を用いて求める復号化部を有することを特徴と
    する音声分析合成装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の音声分析合
    成装置において、 上記音声合成手段における上記符号化部は、上記分析符
    号化範囲に入らない差分値を符号化するに際しては、上
    記分析符号化範囲に入る差分値を符号化するに際して用
    いる符号化範囲とは異なる符号化範囲を用い、 上記音声分析手段における上記復号化部は、上記分析符
    号化範囲に入らない差分値を求めるに際しては、上記分
    析符号化範囲に入る差分値を求めるに際して用いる符号
    化範囲とは異なる符号化範囲を用いることを特徴とする
    音声分析合成装置。
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