JP2582477Y2 - クリーナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、テーブルの上面等を
掃除するのに使用する小型のクリーナに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のクリーナとしては、図８
に示すような構成のものが知られている。すなわち、こ
の従来構成においては、ケース３１が前部ケース３２と
後部ケース３３とを着脱可能に組み付けて構成されてい
る。前部ケース３２の前端下部には吸入口３４が湾曲し
て下方を向くように形成されるとともに、後部ケース３
３の外周には排出口３５が形成されている。

【０００３】前部ケース３２及び後部ケース３３の内部
には横方向に延びるエア通路３６が形成され、その一端
が吸入口３４に連通されるとともに、他端が排出口３５
に連通されている。前記エア通路３６中に位置するよう
に、前部ケース３２内にはフィルタ３７が着脱可能に取
り付けられるとともに、後部ケース３３内にはモータ３
８にて回転されるファン３９が取り付けられている。

【０００４】後部ケース３３の後端下部には電源収容部
４０が形成され、その内部にはモータ３８を回転させる
ための電源としての電池４１が着脱可能に収容されてい
る。ハンドル４２は後部ケース３３の上面に形成され、
その上部にはモータ３８を起動停止させるためのスイッ
チの操作ボタン４３が配置されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところが、この従来の
クリーナにおいては、排出口３５が後部ケース３３の外
周に形成されている。このため、使用者がケース３１を
把持する際に、この排出口３５を塞がないように、後部
ケース３３の上面にハンドル４２が設けられ、このハン
ドル４２によってケース３１を把持できるようになって
いる。従って、ケース３１の構造が複雑で大型になると
いう問題があった。

【０００６】また、この従来のクリーナにおいては、吸
入口３４が前部ケース３２の前端下部に形成され、その
吸入口３４及び排出口３５と連通するように、エア通路
３６が前部ケース３２及び後部ケース３３内に湾曲した
状態で形成されている。このため、エアの流動抵抗が大
きくて、吸引力の損失を生じやすいという問題もあっ
た。

【０００７】この考案は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、ケースの構造が簡単で小型にすることが
できるとともに、エアの流動抵抗を小さくして、吸引力
の損失を抑制することができ、しかも操作が容易なクリ
ーナを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１に記載のクリーナの考案では、掌に収ま
る大きさでほぼ筒状をなすケースの内部に上下方向へほ
ぼ直線状に延びるエア通路を形成し、そのエア通路と連
通するようにケースの下端部には吸入口を形成するとと
もに、ケースの上端部には排出口を形成し、前記エア通
路中にはフィルタとモータにて回転されるファンとを配
置し、前記ケースの外周の一側にはモータを起動停止さ
せるためのスイッチの操作部を配置するとともに、前記
スイッチの操作部に対しケースの中心軸線を挟んで反対
側となるケースの外周の他側には電源収容部を突設配置
したことを特徴とするものである。

【０００９】また、請求項２に記載の考案では、請求項
１に記載のクリーナにおいて、前記ファンを軸流ファン
で形成してフィルタの上部に配置し、前記モータを軸流
ファンの上部において、そのファンの軸線と同一軸線上
に配置したことを特徴とするものである。

【００１０】さらに、請求項３に記載の考案では、請求
項１に記載のクリーナにおいて、前記吸入口を包囲する
ように、ケースの下端部にはブラシを配設したことを特
徴とするものである。

【００１１】

【作用】上記のようにこの考案のクリーナでは、ケース
の外周の一側にスイッチの操作部が配置されるととも
に、前記スイッチの操作部に対しケースの中心軸線を挟
んで反対側となるケースの外周の他側に電源収容部が突
設配置されている。そのため、このクリーナの使用時に
は、自然に電源収容部の突出部分が掌に当接するよう
に、ケースを外側方から把持して、スイッチの操作部を
操作することになる。従って、このクリーナの操作を片
手で容易に行うことができる。また、ケースを把持する
際に、その上端部に形成された排出口が手で塞がれるお
それはない。よって、ケースの外面に把持用のハンドル
を形成する必要がなく、ケースの構造を簡単にして小型
にすることができる。

【００１２】そして、このケースの把持状態で、スイッ
チをオン操作すると、モータが起動されてファンが回転
され、エア通路中に上方へ向かう吸引空気流が発生され
る。これにより、テーブル上面の塵埃やゴミがケース下
端の吸入口からエア通路内に吸入され、フィルタによっ
て濾過される。残りのエアはエア通路内からケース上端
の排出口を通して外部に排出される。このとき、エア通
路がケースの内部に上下方向へほぼ直線状に延びるよう
に形成されているため、エアの流動抵抗を小さくするこ
とができて、吸引力の損失を抑制することができる。

【００１３】

【実施例】以下、この考案を具体化したクリーナの一実
施例を、図１〜図７に基づいて詳細に説明する。

【００１４】ケース１はほぼ全体が円筒状に形成され、
中央のケース本体２と、そのケース本体２の下端開口部
に着脱可能に取り付けられた透明なダストカバー３と、
ケース本体２の上端開口部に着脱可能に取り付けられた
ヘッドカバー４とから構成されている。吸入口５はダス
トカバー３の底面前部に形成され、後部上方に向かって
延びている。環状の排出口６はヘッドカバー４に形成さ
れ、ほぼ同心円周上で上方に向かって平行に延びてい
る。

【００１５】エア通路７は前記ケース１内に上下方向へ
直線状に延びるように形成され、下端において吸入口５
に連通されるとともに、上端において排出口６に連通さ
れている。複数の支持リブ８はダストカバー３の内周面
に所定間隔おきで突設され、それらの上端にはフィルタ
９がエア通路７中に位置するように着脱可能に支持され
ている。

【００１６】複数のブラシ１０は前記ダストカバー３の
底面に突設され、吸入口５を包囲するように所定間隔お
きで環状に配列されている。柔軟合成樹脂フィルム等よ
りなる逆止弁１１は吸入口５の内端縁に開閉可能に取り
付けられ、ダストカバー３内からの塵埃やゴミの逆流落
下を阻止して、ダストカバー３内への塵埃の吸入のみを
許容するようになっている。

【００１７】円筒状のモータ収容部１２は前記ケース本
体２の中央上部に形成され、その内部にはモータ１３が
収容されるとともに、上端にはモータカバー１４が取り
付けられている。軸流ファンとしてのシロッコファン１
５はエア通路７中においてフィルタ９の上部に位置する
とともに、モータ１３の下部においてその軸線と同一軸
線上に位置するように、モータ１３のモータ軸に取り付
けられている。ファンカバー１６はケース本体２の下端
開口部に嵌合固定され、その下面にはフィルタ９を押圧
保持するための環状の押圧部１７が突設されている。

【００１８】スイッチ収容部１８は前記モータ収容部１
２の前側に隣接してケース本体２内に形成され、その内
部にはモータ１３を起動停止させるためのスイッチ１９
が絶縁支持板２０を介して収容されている。スイッチ操
作部としてのスイッチ操作体２１はスイッチ１９と対応
するように、ケース本体２の外周の一側に上下動可能に
取り付けられている。そして、このスイッチ操作体２１
を上方に移動させたときにはスイッチ１９がオフされ、
下方に移動させたときにはスイッチ１９がオンされる。

【００１９】電池収容部２２は前記ケース本体２の外周
の後側に突出して形成され、その外面及び両側面が開口
されている。下部端子２３は電池収容部２２の内底部に
配置され、この下部端子２３と対応するように、電池収
容部２２の内頂部には一対の上部端子２４が配置されて
いる。電源としての一対の電池２５は両端子２３，２４
に接触するように、電池収容部２２内に着脱可能に収容
されている。電池カバー２６は電池収容部２２の開口に
着脱可能に取り付けられ、電池２５を覆っている。そし
て、前記電池収容部２２、電池カバー２６等により電源
収容部Ａが形成され、この電源収容部Ａはケース本体２
の後側に突設配置されている。

【００２０】次に、前記のように構成されたクリーナに
ついて動作を説明する。さて、この実施例のクリーナで
は、ケース１の外周の前側にスイッチ操作体２１が配置
されるとともに、ケース１の外周の後側に電池収容部２
２が突設されている。そのため、このクリーナの使用時
には、自然に電池収容部２２を覆う電池カバー２６の突
出部分が掌に当接するように、ケース１を外側方から把
持して、スイッチ操作体２１を操作することになる。

【００２１】従って、ケース１を把持する際に、その上
端のヘッドカバー４に形成された排出口６が誤って塞が
れるおそれはない。よって、ケース１の外面に把持用の
ハンドルを形成する必要がなく、ケース１の構造を簡単
にして小型にすることができる。

【００２２】そして、このケース１の把持状態で、スイ
ッチ操作体２１によりスイッチ１９をオンすると、モー
タ１３が起動されてシロッコファン１５が回転され、エ
ア通路７中に上方へ向かう吸引空気流が発生される。こ
れにより、テーブル上面の塵埃やゴミがケース１の下端
のダストカバー３に形成された吸入口５からエア通路７
内に吸入され、フィルタ９によって濾過される。残りの
エアはエア通路７内からケース１上端の排出口６を通し
て外部に排出される。

【００２３】このとき、エア通路７がケース１の内部に
上下方向へほぼ直線状に延びるように形成されているた
め、エアの流動抵抗を小さくすることができる。従っ
て、図８に示すエア通路が湾曲している従来構成とは異
なり、吸引力の損失を生じるおそれを防止することがで
きる。このため、電力消費量を抑制して、電池寿命を延
ばすことができるにも関わらず、有効な掃除を行うこと
ができて、このクリーナを効率良く使用できる。

【００２４】また、このクリーナの使用時においては、
吸入口５がケース本体２の前部に位置しているため、そ
の吸入口５の所在が分かり易いとともに、塵埃やゴミの
吸引状態も分かり易く、操作が容易である。

【００２５】このように、掃除を行うと、塵埃やゴミは
フィルタ３７で濾過されて、ダストカバー３内に蓄積さ
れるが、ダストカバー３は透明なので、蓄積された塵埃
やゴミの量を一目で分かる。そして、塵埃やゴミの量が
多くなった場合は、ダストカバー３を取り外して、塵埃
やゴミを廃棄すればよい。

【００２６】一方、この実施例のクリーナでは、ファン
としてシロッコファン１５が使用されてフィルタ９の上
部に配置されるとともに、モータ１３がシロッコファン
１５の上部において、そのファン１５の軸線と同一軸線
上に配置されている。このため、ケース１が小型であっ
ても、そのケース１の内部空間を有効利用して、フィル
タ９、シロッコファン１５及びモータ１３を収容するこ
とができる。換言すれば、この構成により、クリーナ全
体の小型化を図ることができる。

【００２７】加えて、この実施例のクリーナでは、吸入
口５に隣接するように、ケース１下端部のダストカバー
３の下面に複数のブラシ１０が突設されている。このた
め、テーブルの上面等に堆積している塵埃やゴミを、ブ
ラシ１０により掻き寄せながら、吸入口５から能率良く
吸入することができる。

【００２８】なお、この考案は前記実施例の構成に限定
されるものではなく、例えば、以下のような態様で具体
化することが可能である。 （１）ファンとしてシロッコファン以外の他の種類のフ
ァンを使用すること。 （２）電源として、電池の代わりに商用電源を使用する
ように構成すること。この場合は、電源収容部に電圧を
低下させるためのトランスが収容される。 （３）エア通路７内のエア流量を検出するための圧力ス
イッチ等の手段を設け、ダストカバー３内の塵埃やゴミ
が多量になった場合や、フィルタ３７が目詰まりした場
合にそれを検出して、表示できるように構成すること。

【００２９】

【考案の効果】この考案は、以上説明したように構成さ
れているため、次のような優れた効果を奏する。

【００３０】請求項１に記載の考案によれば、ケースの
構造が簡単で小型にすることができるとともに、エアの
流動抵抗を小さくして、吸引力の損失を抑制することが
できて効率良く使用できる。しかも、クリーナ使用時に
は電源収容部の突出部分が掌に当接するようにしてケー
スを外側方向から把持した状態でスイッチ操作すること
ができるため、クリーナの操作を片手で容易に行うこと
ができる。

【００３１】また、請求項２に記載の考案によれば、ケ
ースが小型であっても、そのケースの内部空間を有効利
用して、フィルタ、ファン及びモータを容易に収容する
ことができ、結果として全体の小型化が可能になる。

【００３２】さらに、請求項３に記載の考案によれば、
テーブルの上面等に滞積している塵埃を、ブラシにより
掻き寄せながら、吸入口から能率良く吸入することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を具体化したクリーナの一実施例を示
す縦断面図である。

【図２】そのクリーナの各部材を分解して示す斜視図で
ある。

【図３】同じくクリーナの正面図である。

【図４】同じくクリーナの左側面図である。

【図５】同じくクリーナの右側面図である。

【図６】同じくクリーナの平面図である。

【図７】同じくクリーナの底面図である。

【図８】従来のクリーナを示す正面図である。

【符号の説明】

１…ケース、２…ケース本体、３…ダストカバー、４…
ヘッドカバー、５…吸入口、６…排出口、７…エア通
路、９…フィルタ、１０…ブラシ、１３…モータ、１５
…軸流ファンとしてのシロッコファン、１９…スイッ
チ、２１…スイッチ操作部としてのスイッチ操作体、２
５…電源としての電池、２６…電源部カバー、Ａ…電源
収容部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47L 5/24

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 掌に収まる大きさでほぼ筒状をなすケー
   スの内部に上下方向へほぼ直線状に延びるエア通路を形
   成し、そのエア通路と連通するようにケースの下端部に
   は吸入口を形成するとともに、ケースの上端部には排出
   口を形成し、前記エア通路中にはフィルタとモータにて
   回転されるファンとを配置し、前記ケースの外周の一側
   にはモータを起動停止させるためのスイッチの操作部を
   配置するとともに、前記スイッチの操作部に対しケース
   の中心軸線を挟んで反対側となるケースの外周の他側に
   は電源収容部を突設配置したことを特徴とするクリー
   ナ。
2. 【請求項２】 前記ファンを軸流ファンで形成してフィ
   ルタの上部に配置し、前記モータを軸流ファンの上部に
   おいて、そのファンの軸線と同一軸線上に配置したこと
   を特徴とする請求項１に記載のクリーナ。
3. 【請求項３】 前記吸入口を包囲するように、ケースの
   下端部にはブラシを配設したことを特徴とする請求項１
   に記載のクリーナ。