JP2581827B2 - 耐薬品性アラミド組成物 - Google Patents
耐薬品性アラミド組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族ポリアミドと特定のフェノール樹脂と
からなる耐薬品性アラミド組成物に関するものである。
からなる耐薬品性アラミド組成物に関するものである。
本発明の組成物は、耐酸性等の耐薬品性に優れ、産業
資材分野、特に過布,防護衣,クッション材,アルミ
スペーサー,抄紙用フェルト補強材等の分野に利用でき
る。
資材分野、特に過布,防護衣,クッション材,アルミ
スペーサー,抄紙用フェルト補強材等の分野に利用でき
る。
(従来技術) 芳香族ポリアミドは、その優れた耐熱性,難燃性,自
己消火性により過布,電子部品等の産業資材や防護衣
等の防災安全衣料用途に利用されている。
己消火性により過布,電子部品等の産業資材や防護衣
等の防災安全衣料用途に利用されている。
しかしながら、芳香族ポリアミドの用途、特に過布
用途を更に拡大するためには、耐薬品性、特に耐酸性の
向上が求められている。芳香族ポリアミドの耐薬品性向
上の手段としては、酸化性雰囲気下で高温,長時間処理
による架橋(例えば特公昭46−419号公報)、ハロゲン
化物,イオウ等による高温気相処理による架橋(例えば
特公昭47−5433号公報,特公昭47−5434号公報,特公昭
47−5436号公報)、リン酸等の鉱酸の水溶液に浸漬した
後、熱処理して架橋する方法(例えば特開昭50−62272
号公報)などがあるが、これらの方法では耐薬品性は向
上するが成形物の初期強度が低下するため実用に耐えな
い。
用途を更に拡大するためには、耐薬品性、特に耐酸性の
向上が求められている。芳香族ポリアミドの耐薬品性向
上の手段としては、酸化性雰囲気下で高温,長時間処理
による架橋(例えば特公昭46−419号公報)、ハロゲン
化物,イオウ等による高温気相処理による架橋(例えば
特公昭47−5433号公報,特公昭47−5434号公報,特公昭
47−5436号公報)、リン酸等の鉱酸の水溶液に浸漬した
後、熱処理して架橋する方法(例えば特開昭50−62272
号公報)などがあるが、これらの方法では耐薬品性は向
上するが成形物の初期強度が低下するため実用に耐えな
い。
架橋処理以外の耐薬品性向上の手段としては、繊維へ
の成形条件の好適化による方法があるが(例えば特開昭
60−88113号公報)、この場合耐薬品性向上の効果が不
十分である。この方法の場合、未捲縮糸ではある程度の
効果が認められるが、捲縮を施したとき、捲縮によって
芳香族ポリアミド繊維の耐薬品性が低下し実用的でなく
なる。例えば特開昭60−88113号公報に開示された方法
によって得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド
繊維(初期強度5.4g/de)は、60%硫酸水溶液に40℃で2
0日間浸漬した後の強度は4.7g/deを保持しているが、捲
縮度10ケ/25mmの捲縮をかけた繊維は60%硫酸水溶液に4
0℃で20日間浸漬した後の強度は1.5g/deにまで低下し実
用的でなくなる。
の成形条件の好適化による方法があるが(例えば特開昭
60−88113号公報)、この場合耐薬品性向上の効果が不
十分である。この方法の場合、未捲縮糸ではある程度の
効果が認められるが、捲縮を施したとき、捲縮によって
芳香族ポリアミド繊維の耐薬品性が低下し実用的でなく
なる。例えば特開昭60−88113号公報に開示された方法
によって得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド
繊維(初期強度5.4g/de)は、60%硫酸水溶液に40℃で2
0日間浸漬した後の強度は4.7g/deを保持しているが、捲
縮度10ケ/25mmの捲縮をかけた繊維は60%硫酸水溶液に4
0℃で20日間浸漬した後の強度は1.5g/deにまで低下し実
用的でなくなる。
実用的には捲縮綿での上記硫酸処理後の強度は、少く
とも2g/de、好ましくは2.5g/de以上が必要である。
とも2g/de、好ましくは2.5g/de以上が必要である。
一方、芳香族ポリアミド繊維よりなる織物及びフェル
ト状物を、水溶性のメラミン系樹脂,尿素系樹脂,アク
リルアミド系樹脂,エポキシ系樹脂の1種又はそれらの
混合物の水溶液に浸漬して表面を被覆して耐薬品性を改
善する方法が提案されているが(例えば、特開昭56−10
7073号公報,特開昭56−124414号公報,特開昭61−1492
17号公報等)、繊維表面の均一被覆を長期間維持するこ
とは困難であり、摩耗などにより被覆が失われた部分か
ら繊維の劣化が起るのを防ぐことができない。
ト状物を、水溶性のメラミン系樹脂,尿素系樹脂,アク
リルアミド系樹脂,エポキシ系樹脂の1種又はそれらの
混合物の水溶液に浸漬して表面を被覆して耐薬品性を改
善する方法が提案されているが(例えば、特開昭56−10
7073号公報,特開昭56−124414号公報,特開昭61−1492
17号公報等)、繊維表面の均一被覆を長期間維持するこ
とは困難であり、摩耗などにより被覆が失われた部分か
ら繊維の劣化が起るのを防ぐことができない。
(発明の目的) 本発明者らは、芳香族ポリアミドにおけるかかる問題
点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリア
ミドに特定のフェノール樹脂を混合することにより芳香
族ポリアミドの耐薬品性が著しく向上することを見出
し、本発明に到達した。
点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリア
ミドに特定のフェノール樹脂を混合することにより芳香
族ポリアミドの耐薬品性が著しく向上することを見出
し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、従来の芳香族ポリアミド
に比べて耐薬品性が著しく優れた芳香族ポリアミド組成
物を提供することにある。
に比べて耐薬品性が著しく優れた芳香族ポリアミド組成
物を提供することにある。
(発明の構成) すなわち、本発明は、 1)下記繰返し単位からなり重合度が3〜15のフェノー
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
からなる耐薬品性アラミド組成物。
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
からなる耐薬品性アラミド組成物。
[Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3] 2)下記繰返し単位からなり重合度が3〜15のフェノー
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
を極性溶媒に溶解してなる耐薬品性アラミドドープ。
は0〜3] 2)下記繰返し単位からなり重合度が3〜15のフェノー
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
を極性溶媒に溶解してなる耐薬品性アラミドドープ。
[Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3] 3)下記繰返し単位からなり重合度が3〜15のフェノー
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
を極性溶媒に溶解したのち湿式紡糸または乾式紡糸して
なる耐薬品性アラミド繊維。
は0〜3] 3)下記繰返し単位からなり重合度が3〜15のフェノー
ル樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80重量%と
を極性溶媒に溶解したのち湿式紡糸または乾式紡糸して
なる耐薬品性アラミド繊維。
[Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3]である。
は0〜3]である。
本発明にいう芳香族ポリアミドとは、次の一般式で示
される単位から構成される主鎖を80%以上含むものをい
う。
される単位から構成される主鎖を80%以上含むものをい
う。
−NH−Ar1−NH−CO−Ar2−CO− 及び/又は −NH−Ar3−CO− 式中Ar1,Ar2,Ar3は同じかあるいは異なる2官能性
の芳香族環であり、2官能性芳香族環の結合は互いにメ
タあるいはパラに配向されていることが好ましい。
の芳香族環であり、2官能性芳香族環の結合は互いにメ
タあるいはパラに配向されていることが好ましい。
これら2官能性芳香族環としては、1,3−フェニレン,
1,4−フェニレン,メタ−キシリレン,3,3′−ビフェニ
レン,4,4′−ビフェニレン,1,5−ナフチレン,1,6−ナフ
チレン,2,6−ナフチレン,4,4′−オキサジフェニル,3,
4′−オキサジフェニル,3,3′−オキサジフェニル,4,
4′−カルボニルジフェニル,3,3′−スルホンジフェニ
ル,4,4′−スルホンジフェニル,4,4′−メチレンジフェ
ニル等である。また前記の芳香族環はその水素の一部又
は全部が同種又は異種の低級アルキル,ハロゲン等の重
合時に反応に関与しない置換基によって置換されていて
もよい。更にかかる芳香族ポリアミドは脂肪族鎖又は脂
環族鎖又は複素環あるいはこれらと芳香族環との組み合
せよりなる共重合成分を20%未満含んでいてもよい。
1,4−フェニレン,メタ−キシリレン,3,3′−ビフェニ
レン,4,4′−ビフェニレン,1,5−ナフチレン,1,6−ナフ
チレン,2,6−ナフチレン,4,4′−オキサジフェニル,3,
4′−オキサジフェニル,3,3′−オキサジフェニル,4,
4′−カルボニルジフェニル,3,3′−スルホンジフェニ
ル,4,4′−スルホンジフェニル,4,4′−メチレンジフェ
ニル等である。また前記の芳香族環はその水素の一部又
は全部が同種又は異種の低級アルキル,ハロゲン等の重
合時に反応に関与しない置換基によって置換されていて
もよい。更にかかる芳香族ポリアミドは脂肪族鎖又は脂
環族鎖又は複素環あるいはこれらと芳香族環との組み合
せよりなる共重合成分を20%未満含んでいてもよい。
かかる芳香族ポリアミドの具体例としてはポリ(m−
フェニレンイソフタルアミド),ポリ(m−フェニレン
テレフタルアミド),ポリ(p−フェニレンテレフタル
アミド),ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド−テ
レフタルアミド)共重合体,ポリ(2,4−トルイレンテ
レフタルアミド),ポリ(3,4′−オキシジフェニレン
−p−フェニレンテレフタルアミド)共重合体,(ポリ
メタフェニレン−m−キシリレン)イソフタルアミド共
重合体などがある。
フェニレンイソフタルアミド),ポリ(m−フェニレン
テレフタルアミド),ポリ(p−フェニレンテレフタル
アミド),ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド−テ
レフタルアミド)共重合体,ポリ(2,4−トルイレンテ
レフタルアミド),ポリ(3,4′−オキシジフェニレン
−p−フェニレンテレフタルアミド)共重合体,(ポリ
メタフェニレン−m−キシリレン)イソフタルアミド共
重合体などがある。
本発明における芳香族ポリアミド重合体の製造方法と
しては、 (1)芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライド及
び/又はアミノカルボン酸ハライド塩酸塩からいわゆる
低温溶液重合法(例えば特公昭35−14399号公報)もし
くは界面重合法(例えば特公昭35−13247号公報又は特
公昭47−10863号公報)による方法、 (2)芳香族ジイソシアナートと芳香族ジカルボン酸と
を脱炭酸溶液重合する方法(例えば特開昭57−151615号
公報)、 (3)芳香族ジカルボン酸のアルキル又はフェニルエス
テルと芳香族ジアミンとから高温で脱アルコール溶液重
合又は脱フェノール溶液重合する方法 などがある。
しては、 (1)芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライド及
び/又はアミノカルボン酸ハライド塩酸塩からいわゆる
低温溶液重合法(例えば特公昭35−14399号公報)もし
くは界面重合法(例えば特公昭35−13247号公報又は特
公昭47−10863号公報)による方法、 (2)芳香族ジイソシアナートと芳香族ジカルボン酸と
を脱炭酸溶液重合する方法(例えば特開昭57−151615号
公報)、 (3)芳香族ジカルボン酸のアルキル又はフェニルエス
テルと芳香族ジアミンとから高温で脱アルコール溶液重
合又は脱フェノール溶液重合する方法 などがある。
本発明にいうフェノール樹脂は下記の繰返し単位から
なるものである。
なるものである。
Rは−Br,−Cl,−CH3,−C2H5から選ばれる基であ
り、特に−Br,−CH3が好ましい。
り、特に−Br,−CH3が好ましい。
mは0〜3であり、特に1が好ましい。
フェノール樹脂の重合度は3〜15であり、特に4〜8
が好ましい。
が好ましい。
具体例としては、通常のフェノール類、すなわちフェ
ノール,o−クレゾール,臭素化フェノール等とホルマリ
ンとを酸性触媒化で脱水縮合させて得られるいわゆるノ
ボラック樹脂が好適であり、軟化点は40〜170℃が好ま
しい。更に好ましい軟化点の範囲は70〜110℃である。
ノール,o−クレゾール,臭素化フェノール等とホルマリ
ンとを酸性触媒化で脱水縮合させて得られるいわゆるノ
ボラック樹脂が好適であり、軟化点は40〜170℃が好ま
しい。更に好ましい軟化点の範囲は70〜110℃である。
例えば、下図の構造式(I),(II),(III)のよ
うにすべてのベンゼン環が水酸基をもつ構造のものであ
る。
うにすべてのベンゼン環が水酸基をもつ構造のものであ
る。
かかるノボラック樹脂の市販品としては、群栄化学工
業(株)製「レヂトップ」、日本化薬(株)製「フェノ
ールノボラック(PN)」,「オルトクレゾールノボラッ
ク(OCN)」,「臭素化フェノールノボラック(BRP
N)」等がある。
業(株)製「レヂトップ」、日本化薬(株)製「フェノ
ールノボラック(PN)」,「オルトクレゾールノボラッ
ク(OCN)」,「臭素化フェノールノボラック(BRP
N)」等がある。
なお従来技術として下記の構造を有する含リンフェノ
ール樹脂と芳香族ポリアミドとからなる難燃性アラミド
組成物は知られている(特開昭51−109057号公報)。
ール樹脂と芳香族ポリアミドとからなる難燃性アラミド
組成物は知られている(特開昭51−109057号公報)。
これはハロゲン原子がリン原子に結合した構造をもつ
含リン化合物とフェノールノボラックとを反応させて得
られる含リンフェノール樹脂と芳香族ポリアミドとから
なる難燃性アラミド組成物である。上記の構造の含リン
フェノール樹脂は下記式の如き反応によって得られるも
ので、フェノール樹脂のベンゼン環の水酸基が含リン化
合物のハロゲン原子と脱塩酸反応する。
含リン化合物とフェノールノボラックとを反応させて得
られる含リンフェノール樹脂と芳香族ポリアミドとから
なる難燃性アラミド組成物である。上記の構造の含リン
フェノール樹脂は下記式の如き反応によって得られるも
ので、フェノール樹脂のベンゼン環の水酸基が含リン化
合物のハロゲン原子と脱塩酸反応する。
得られた含リンフェノール樹脂は各ベンゼン環にリン
原子が結合されていることによって難燃性向上に寄与す
る。
原子が結合されていることによって難燃性向上に寄与す
る。
芳香族ポリアミドとフェノール樹脂とからなる組成物
を得る方法は、前述の特開昭51−109057号公報に記載さ
れた方法と同様の方法を用いることができる。すなわち
芳香族ポリアミドとフェノール樹脂との両者を共に溶解
する溶媒に溶解せしめる。繊維またはフイルムなどの成
形品を得るには得られた混合溶液(ドープ)を公知の湿
式法あるいは乾式法で成形する(特公昭47−17551号公
報,USP3360598号公報,特公昭42−815号公報等)。
を得る方法は、前述の特開昭51−109057号公報に記載さ
れた方法と同様の方法を用いることができる。すなわち
芳香族ポリアミドとフェノール樹脂との両者を共に溶解
する溶媒に溶解せしめる。繊維またはフイルムなどの成
形品を得るには得られた混合溶液(ドープ)を公知の湿
式法あるいは乾式法で成形する(特公昭47−17551号公
報,USP3360598号公報,特公昭42−815号公報等)。
かかる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド,N,
N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン
等のアミド類,N,N,N′,N′−テトラメチル尿素,N,N′−
ジメチルエチレン尿素等の尿素類、ジメチルスルホキシ
ド等のスルホキシド類、テトラメチレンスルホン等のス
ルホン類、N−メチルカプロラクタム等のラクタム類な
どがあげられる。これらの溶媒は単独でも2種以上の混
合でも使用することができ、溶解性を損なわない範囲で
他の溶媒を混合使用することもできる。また溶媒の中に
塩化リチウム,塩化カルシウム等の無機塩を溶解助剤,
粘度調整剤として用いることもできる。
N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン
等のアミド類,N,N,N′,N′−テトラメチル尿素,N,N′−
ジメチルエチレン尿素等の尿素類、ジメチルスルホキシ
ド等のスルホキシド類、テトラメチレンスルホン等のス
ルホン類、N−メチルカプロラクタム等のラクタム類な
どがあげられる。これらの溶媒は単独でも2種以上の混
合でも使用することができ、溶解性を損なわない範囲で
他の溶媒を混合使用することもできる。また溶媒の中に
塩化リチウム,塩化カルシウム等の無機塩を溶解助剤,
粘度調整剤として用いることもできる。
なお従来技術として、芳香族ポリアミド繊維の中にフ
ェノール樹脂を含浸混合せしめる方法は知られている
(特開昭50−12322号公報)。これは芳香族ポリアミド
を湿式紡糸した場合、形成期の繊維中に残留する溶媒が
凝固浴(水性浴)へ抽出されるとき水が繊維内部の溶媒
と置換し繊維は水で膨潤されるのであるが、この状態の
ときにフェノール樹脂および難燃剤を含む水系含浸剤浴
中へ膨潤繊維を浸漬することによって含浸剤を膨潤繊維
内部へ拡散移動せしめ、しかるのち乾燥することによっ
て水で膨潤した構造を不可逆的につぶし難燃剤を繊維内
部へ閉じ込めんとするものである。フェノール樹脂は繊
維内部に難燃剤を固定化するための橋かけしうる物質
(架橋剤)として用いられており、前述した特開昭51−
109057号公報に記載のフェノール樹脂と同様の作用効果
を奏しているものと推定される。
ェノール樹脂を含浸混合せしめる方法は知られている
(特開昭50−12322号公報)。これは芳香族ポリアミド
を湿式紡糸した場合、形成期の繊維中に残留する溶媒が
凝固浴(水性浴)へ抽出されるとき水が繊維内部の溶媒
と置換し繊維は水で膨潤されるのであるが、この状態の
ときにフェノール樹脂および難燃剤を含む水系含浸剤浴
中へ膨潤繊維を浸漬することによって含浸剤を膨潤繊維
内部へ拡散移動せしめ、しかるのち乾燥することによっ
て水で膨潤した構造を不可逆的につぶし難燃剤を繊維内
部へ閉じ込めんとするものである。フェノール樹脂は繊
維内部に難燃剤を固定化するための橋かけしうる物質
(架橋剤)として用いられており、前述した特開昭51−
109057号公報に記載のフェノール樹脂と同様の作用効果
を奏しているものと推定される。
(発明の効果) 本発明の芳香族ポリアミドと特定のフェノール樹脂と
からなる組成物は芳香族ポリアミドのもつ優れた耐熱性
を維持し、かつ優れた耐薬品性を兼ね備えている。芳香
族ポリアミドと特定のフェノール樹脂とからなる繊維
は、捲縮をかけた後でも、60%硫酸水溶液に40℃で20日
間浸漬した後の強度は3.0g/deを維持することができ、
実用上極めて有用であり、例えば高耐久性フィルターの
ニーズが強く要望されている高温高酸性ガスフィルター
用素材として工業的価値が高い。
からなる組成物は芳香族ポリアミドのもつ優れた耐熱性
を維持し、かつ優れた耐薬品性を兼ね備えている。芳香
族ポリアミドと特定のフェノール樹脂とからなる繊維
は、捲縮をかけた後でも、60%硫酸水溶液に40℃で20日
間浸漬した後の強度は3.0g/deを維持することができ、
実用上極めて有用であり、例えば高耐久性フィルターの
ニーズが強く要望されている高温高酸性ガスフィルター
用素材として工業的価値が高い。
(実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例における評価は以下の方法に従った。
[固有粘度(IV)] 濃度0.5g/100mlでN−メチルピロリドンにポリマーを
溶解した溶液についてオストワルド粘度計により30℃で
の比粘度ηrを得、次式によって固有粘度(IV)を求め
た。
溶解した溶液についてオストワルド粘度計により30℃で
の比粘度ηrを得、次式によって固有粘度(IV)を求め
た。
IV=lnηr/0.5 [力学特性] 「テンシロン」(登録商標)引張試験機により単糸の
強力及び伸度を測定した。
強力及び伸度を測定した。
測定条件:試料長20mm,引張速度100%/分,n=10,単
糸繊度はトウの重量とフィラメント数から求めた。
糸繊度はトウの重量とフィラメント数から求めた。
[耐酸性] 繊維を40℃の60%硫酸水溶液に20日間浸漬処理し、水
洗・乾燥後の強度、伸度を測定した。
洗・乾燥後の強度、伸度を測定した。
[耐熱性] 繊維を熱風循環式乾燥機に入れ、空気中、250℃で500
時間処理した後の強度、伸度を測定した。
時間処理した後の強度、伸度を測定した。
[捲縮数,捲縮度] 自動捲縮測定器により単糸の捲縮数,捲縮度を測定し
た。
た。
測定条件:試料長20mm,初荷重2mg/de, 重加重50mg/de,n=15 実施例1 特公昭47−10863号公報記載の界面重合法に従って、
メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとよ
り、IV1.36のポリメタフェニレンイソフタルアミド重合
体を製造した。
メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとよ
り、IV1.36のポリメタフェニレンイソフタルアミド重合
体を製造した。
すなわち、メタフェニレンジアミン173gを水分率35pp
mのテトラヒドロフラン1に溶解し、これを0℃に冷
却した。一方イソフタル酸クロライド325gを、水分率35
ppmのテトラヒドロフラン1に溶解し−15℃に冷却し
た。次に後者のテトラヒドロフラン溶液を−15℃に保ち
ながら攪拌し、これに前者のメタフェニレンジアミン溶
液を15分間かけて徐々に加え、更にアニリン0.2gを添加
し5分間攪拌を続け、初期縮合物の分散液を得た。続い
て、前記初期縮合物の分散液を炭酸ソーダ200gを水2lに
溶解した溶液中に高攪拌下に速やかに加えて、N−メチ
ルピロリドン溶液中の固有粘度1.36の白色重合体を得
た。
mのテトラヒドロフラン1に溶解し、これを0℃に冷
却した。一方イソフタル酸クロライド325gを、水分率35
ppmのテトラヒドロフラン1に溶解し−15℃に冷却し
た。次に後者のテトラヒドロフラン溶液を−15℃に保ち
ながら攪拌し、これに前者のメタフェニレンジアミン溶
液を15分間かけて徐々に加え、更にアニリン0.2gを添加
し5分間攪拌を続け、初期縮合物の分散液を得た。続い
て、前記初期縮合物の分散液を炭酸ソーダ200gを水2lに
溶解した溶液中に高攪拌下に速やかに加えて、N−メチ
ルピロリドン溶液中の固有粘度1.36の白色重合体を得
た。
これとは別にフェノールノボラック(群栄化学工業
(株)製レヂトップPSM−4261)17.5gをN−メチル−2
−ピロリドン1.4lに溶解した溶液を−15℃に冷却した。
この溶液に上記ポリメタフェニレンイソフタルアミド重
合体350gを混合し均一なスラリーを作り、これを加温,
脱泡してポリメタフェニレンイソフタルアミドとフェノ
ールノボラックとの均一な混合溶液を得た。
(株)製レヂトップPSM−4261)17.5gをN−メチル−2
−ピロリドン1.4lに溶解した溶液を−15℃に冷却した。
この溶液に上記ポリメタフェニレンイソフタルアミド重
合体350gを混合し均一なスラリーを作り、これを加温,
脱泡してポリメタフェニレンイソフタルアミドとフェノ
ールノボラックとの均一な混合溶液を得た。
続いて、この溶液を孔径0.09mm,孔数500のノズルよ
り、80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度7.1m/分
で押出して繊維状に凝固させ、水洗後、沸水中で2.4倍
に延伸し、次いで350℃の熱板上で1.75倍に延伸し、ワ
インダーで捲き取り、約1000デニールのフィラメントを
得た。
り、80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度7.1m/分
で押出して繊維状に凝固させ、水洗後、沸水中で2.4倍
に延伸し、次いで350℃の熱板上で1.75倍に延伸し、ワ
インダーで捲き取り、約1000デニールのフィラメントを
得た。
このフィラメントを5本束にして12mm巾小型クリンパ
ーにて捲縮をかけた後、76mmに切断して捲縮数10ケ/25m
m,捲縮度15%のスフ綿を得た。
ーにて捲縮をかけた後、76mmに切断して捲縮数10ケ/25m
m,捲縮度15%のスフ綿を得た。
得られたスフ綿の糸物性は単糸繊度2.0デニール,強
度5.4g/de,伸度32%であった。このスフ綿を60重量%硫
酸水溶液に40℃で20日間浸漬した後の強度,伸度はそれ
ぞれ3.5g/de,18%であった。また、このスフ綿を250℃
で100時間、空気中で処理した後の強度,伸度はそれぞ
れ3.4g/de,22%であった。
度5.4g/de,伸度32%であった。このスフ綿を60重量%硫
酸水溶液に40℃で20日間浸漬した後の強度,伸度はそれ
ぞれ3.5g/de,18%であった。また、このスフ綿を250℃
で100時間、空気中で処理した後の強度,伸度はそれぞ
れ3.4g/de,22%であった。
比較例1 フェノールノボラックを使用しないで、実施例1と全
く同じ方法により単糸繊度2.0デニール,強度5.4g/de,
伸度31%のポリメタフェニレンイソフタルアミドスフ綿
を得た。このスフ綿を60重量%硫酸水溶液に40℃で20日
間浸漬した後の強度,伸度はそれぞれ1.3g/de,5%であ
り著しく低いものであった。
く同じ方法により単糸繊度2.0デニール,強度5.4g/de,
伸度31%のポリメタフェニレンイソフタルアミドスフ綿
を得た。このスフ綿を60重量%硫酸水溶液に40℃で20日
間浸漬した後の強度,伸度はそれぞれ1.3g/de,5%であ
り著しく低いものであった。
実施例2〜9,比較例2〜3 実施例1と全く同じ方法を用いて、フェノール樹脂の
種類、混合比率を変えて各々、スフ綿を得、この耐酸
性,耐熱性を調べた。
種類、混合比率を変えて各々、スフ綿を得、この耐酸
性,耐熱性を調べた。
結果を実施例1及び比較例1と共に第1表に示した。
実施例10 実施例1と同様の方法で得たIV1.33のポリメタフェニ
レンイソフタルアミド重合体43gをN−メチル−2−ピ
ロリドン157gに溶解し均一な溶液を得た。これをは別に
フェノールノボラック(日本化薬(株)製:PN−80)4.3
gをN−メチル−2−ピロリドン10gに溶解した溶液を作
った。これを上記ポリメタフェニレンイソフタルアミド
溶液と混合してよく攪拌した後、脱泡して均一溶液を得
た。
レンイソフタルアミド重合体43gをN−メチル−2−ピ
ロリドン157gに溶解し均一な溶液を得た。これをは別に
フェノールノボラック(日本化薬(株)製:PN−80)4.3
gをN−メチル−2−ピロリドン10gに溶解した溶液を作
った。これを上記ポリメタフェニレンイソフタルアミド
溶液と混合してよく攪拌した後、脱泡して均一溶液を得
た。
続いて、この溶液を孔径0.09mm,孔数100のノズルよ
り、90℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度6.8m/分
で押出して繊維に凝固せしめ、水洗後沸水中で2.8倍に
延伸し、次いで350℃の熱板上で1.56倍に延伸し、ワイ
ンダーで捲き取り、約200デニールのフィラメントを得
た。これを実施例1と同様の方法で捲縮し切断した。得
られたスフ綿の糸物性は、単糸繊度2デニール,強度5.
2g/de,伸度34%であった。
り、90℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度6.8m/分
で押出して繊維に凝固せしめ、水洗後沸水中で2.8倍に
延伸し、次いで350℃の熱板上で1.56倍に延伸し、ワイ
ンダーで捲き取り、約200デニールのフィラメントを得
た。これを実施例1と同様の方法で捲縮し切断した。得
られたスフ綿の糸物性は、単糸繊度2デニール,強度5.
2g/de,伸度34%であった。
このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬した
後の強度は3.5g/de,伸度は17%であった。
後の強度は3.5g/de,伸度は17%であった。
実施例11 特公昭35−14399号公報に記載の溶液重合法に従っ
て、ポリメタフェニレンイソフタルアミド重合体を製造
した。
て、ポリメタフェニレンイソフタルアミド重合体を製造
した。
すなわち、25.92gのメタフェニレンジアミンを攪拌
機、窒素入口管および乾燥用管を装備した丸底の三つ口
フラスコに入れ226gの蒸留したジメチルアセトアミドを
加えた。
機、窒素入口管および乾燥用管を装備した丸底の三つ口
フラスコに入れ226gの蒸留したジメチルアセトアミドを
加えた。
フラスコ内は反応混合物から大気酸素を除去するため
に窒素で置換した。ドライアイス及びアセトンからなる
冷媒でフラスコ溶液を冷却した。次に48.8gのイソフタ
ル酸クロライドを速やかに全部加えた。ついでドライア
イス浴を氷・水浴と交換して攪拌を約20〜30分間継続し
た。次にこの反応混合物を60℃まで加熱し、清澄粘稠液
となるまで加熱を継続した。この溶液はジメチルアセト
アミドに基きほぼ20重量%の重合体を含むものであっ
た。この清澄粘稠液に、反応中に発生した塩酸量と等モ
ルの水酸化カルシウムを攪拌しながら徐々に添加して中
和した。
に窒素で置換した。ドライアイス及びアセトンからなる
冷媒でフラスコ溶液を冷却した。次に48.8gのイソフタ
ル酸クロライドを速やかに全部加えた。ついでドライア
イス浴を氷・水浴と交換して攪拌を約20〜30分間継続し
た。次にこの反応混合物を60℃まで加熱し、清澄粘稠液
となるまで加熱を継続した。この溶液はジメチルアセト
アミドに基きほぼ20重量%の重合体を含むものであっ
た。この清澄粘稠液に、反応中に発生した塩酸量と等モ
ルの水酸化カルシウムを攪拌しながら徐々に添加して中
和した。
このようにして得られたポリメタフェニレンイソフタ
ルアミド溶液に60℃で攪拌しながらフェノールノボラッ
ク(日本化薬(株)製PN−100)2.9g(混合比率4.8%)
を粉末状で徐々に加え、皿に30分間攪拌を続け均一な溶
液を得た。
ルアミド溶液に60℃で攪拌しながらフェノールノボラッ
ク(日本化薬(株)製PN−100)2.9g(混合比率4.8%)
を粉末状で徐々に加え、皿に30分間攪拌を続け均一な溶
液を得た。
続いて、この溶液を脱泡したのち孔径0.08mm,孔数100
のノズルより、ポリエチレングリコール100%の130℃の
凝固浴中へ、速度4.5m/分で押出して凝固せしめ、水洗
後、沸水中で3.5倍に延伸し、次いで340℃の窒素雰囲気
中で1.5倍に延伸し、ワインダーで捲き取り、約200デニ
ールのフィラメントを得た。これを実施例1と同様の方
法で捲縮し切断した。得られたスフ綿の糸物性は強度5.
9g/de,伸度19%であった。
のノズルより、ポリエチレングリコール100%の130℃の
凝固浴中へ、速度4.5m/分で押出して凝固せしめ、水洗
後、沸水中で3.5倍に延伸し、次いで340℃の窒素雰囲気
中で1.5倍に延伸し、ワインダーで捲き取り、約200デニ
ールのフィラメントを得た。これを実施例1と同様の方
法で捲縮し切断した。得られたスフ綿の糸物性は強度5.
9g/de,伸度19%であった。
このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬した
後の強度は3.0g/de,伸度は13%であった。
後の強度は3.0g/de,伸度は13%であった。
実施例12 特開昭57−151615号公報に記載の溶液重合法に従っ
て、ポリ(2,4−トルイレンテレフタルアミド)重合体
を製造した。すなわち、テレフタル酸166.0g,テレフタ
ル酸モノカリウム2.gを無水N,N′−ジメチルエチレンウ
レア1600mlに窒素雰囲気下で加え、攪拌しながら200℃
に加熱し、これを200℃に維持しながら2,4−トリレンジ
イソシアナート174.0gを無水N,N′−ジメチルエチレン
ウレア160mlに溶解した溶液を滴下ロートより4時間に
わたって滴下し、更に1時間反応を継続した後加温を止
め、60℃まで冷却した。
て、ポリ(2,4−トルイレンテレフタルアミド)重合体
を製造した。すなわち、テレフタル酸166.0g,テレフタ
ル酸モノカリウム2.gを無水N,N′−ジメチルエチレンウ
レア1600mlに窒素雰囲気下で加え、攪拌しながら200℃
に加熱し、これを200℃に維持しながら2,4−トリレンジ
イソシアナート174.0gを無水N,N′−ジメチルエチレン
ウレア160mlに溶解した溶液を滴下ロートより4時間に
わたって滴下し、更に1時間反応を継続した後加温を止
め、60℃まで冷却した。
このようにして得られたポリ(2,4−トルイレンテレ
フタルアミド)溶液を60℃で攪拌しながら、フェノール
ノボラック(日本化薬(株)製,PN−100)24.2g(混合
比率9%)をN,N′−ジメチルエチレンウレア50mlに溶
解した溶液を加え、更に30分間攪拌を続け均一な溶液を
得た。
フタルアミド)溶液を60℃で攪拌しながら、フェノール
ノボラック(日本化薬(株)製,PN−100)24.2g(混合
比率9%)をN,N′−ジメチルエチレンウレア50mlに溶
解した溶液を加え、更に30分間攪拌を続け均一な溶液を
得た。
続いてこの溶液を脱泡した後、孔径0.11mm,孔数500の
ノズルより80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に押出し
凝固せしめた後、凝固浴と同一組成の浴中で1.6倍に延
伸し、更に80℃の温水で十分に水洗した後、150℃の熱
風槽を通して乾燥し原糸を得た。この原糸を430℃の窒
素気流乾熱延伸機で2.4倍に乾熱延伸し、フェノールノ
ボラック10%を含むポリ(2,4−トルイレンテレフタル
アミド)繊維を得た。これを実施例1と同様の方法で捲
縮し切断して得たスフ綿の糸物性は強度5.7g/de,伸度26
%であった。
ノズルより80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に押出し
凝固せしめた後、凝固浴と同一組成の浴中で1.6倍に延
伸し、更に80℃の温水で十分に水洗した後、150℃の熱
風槽を通して乾燥し原糸を得た。この原糸を430℃の窒
素気流乾熱延伸機で2.4倍に乾熱延伸し、フェノールノ
ボラック10%を含むポリ(2,4−トルイレンテレフタル
アミド)繊維を得た。これを実施例1と同様の方法で捲
縮し切断して得たスフ綿の糸物性は強度5.7g/de,伸度26
%であった。
このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬した
後の強度は2.1g/de,伸度は8%であった。
後の強度は2.1g/de,伸度は8%であった。
比較例4 フェノールノボラックを加えない以外は実施例12と全
く同じ方法で得たポリ(2,4−トルイレンテレフタルア
ミド)のスフ綿の糸物性は強度5.8g/de,伸度25%であっ
た。このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬し
た後の強伸度は測定不能なほどに強伸度が低下してい
た。
く同じ方法で得たポリ(2,4−トルイレンテレフタルア
ミド)のスフ綿の糸物性は強度5.8g/de,伸度25%であっ
た。このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬し
た後の強伸度は測定不能なほどに強伸度が低下してい
た。
比較例5 特開昭51−109057号公報に記載の方法に従って含リン
フェノール樹脂を合成した。すなわち、温度計,コンデ
ンサー,攪拌棒及び窒素導入管を備えた500mlの枝付き
フラスコに市販の平均分子量760のノボラック樹脂30gと
脱水したジオキサン100mlとを添加した。次いで内容物
の温度を60〜70℃に昇温してノボラック樹脂をジオキサ
ンに溶解させた。温度を60℃に保ちながら滴下ロートを
用いてフェニルスルホン酸ジクロリド30gを攪拌下で5
分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌下で24g
のピリジンを添加し、約15分間で反応混合物の温度を10
0℃に上昇させ、この温度で約1時間攪拌を続けた。反
応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、次いで多量の
2%炭酸ソーダ水溶液に投入し、生じた沈殿物をミキサ
ーで粉砕しながら洗浄した。得られた粉砕物を過した
後、液が中性になるまで水洗を繰返した。
フェノール樹脂を合成した。すなわち、温度計,コンデ
ンサー,攪拌棒及び窒素導入管を備えた500mlの枝付き
フラスコに市販の平均分子量760のノボラック樹脂30gと
脱水したジオキサン100mlとを添加した。次いで内容物
の温度を60〜70℃に昇温してノボラック樹脂をジオキサ
ンに溶解させた。温度を60℃に保ちながら滴下ロートを
用いてフェニルスルホン酸ジクロリド30gを攪拌下で5
分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌下で24g
のピリジンを添加し、約15分間で反応混合物の温度を10
0℃に上昇させ、この温度で約1時間攪拌を続けた。反
応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、次いで多量の
2%炭酸ソーダ水溶液に投入し、生じた沈殿物をミキサ
ーで粉砕しながら洗浄した。得られた粉砕物を過した
後、液が中性になるまで水洗を繰返した。
得られた反応生成物は白色であり、収量45g,リン含有
量は8.9%であった。
量は8.9%であった。
この含リンフェノール樹脂3.5gをN−メチル−2−ピ
ロリドン140mlに溶解し、これを−20℃に冷却し、実施
例1で製造したポリメタフェニレンイソフタルアミド重
合体35gを混合し均一なスラリーを得た。これを加温,
脱泡して均一な混合溶液を得た。
ロリドン140mlに溶解し、これを−20℃に冷却し、実施
例1で製造したポリメタフェニレンイソフタルアミド重
合体35gを混合し均一なスラリーを得た。これを加温,
脱泡して均一な混合溶液を得た。
次に、この溶液を孔径0.09mm,孔数100のノズルより、
80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度7.1m/分で押
出して凝固せしめ、水洗後、沸水中で2.4倍に延伸し、
次いで350℃の熱板上で1.75倍に延伸し、ワインダーで
捲き取り約200デニールのフィラメントを得た。これを
実施例1と同様の方法で捲縮し切断した。得られたスフ
綿の糸物性は強度4.43g/de,伸度36%であった。
80℃の40%塩化カルシウム水溶液中に速度7.1m/分で押
出して凝固せしめ、水洗後、沸水中で2.4倍に延伸し、
次いで350℃の熱板上で1.75倍に延伸し、ワインダーで
捲き取り約200デニールのフィラメントを得た。これを
実施例1と同様の方法で捲縮し切断した。得られたスフ
綿の糸物性は強度4.43g/de,伸度36%であった。
このスフ綿を60%硫酸水溶液に40℃で20日間浸漬した
後の強度は0.95g/de,伸度は6%であった。
後の強度は0.95g/de,伸度は6%であった。
Claims (3)
- 【請求項1】下記繰返し単位からなり重合度が3〜15の
フェノール樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80
重量%とからなる耐薬品性アラミド組成物。 [Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3] - 【請求項2】下記繰返し単位からなり重合度が3〜15の
フェノール樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80
重量%とを極性溶媒に溶解してなる耐薬品性アラミドド
ープ。 [Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3] - 【請求項3】下記繰返し単位からなり重合度が3〜15の
フェノール樹脂2〜20重量%と芳香族ポリアミド98〜80
重量%とを極性溶媒に溶解したのち湿式紡糸または乾式
紡糸してなる耐薬品性アラミド繊維。 [Rは−Br、−Cl、−CH3、−C2H5から選ばれる基、m
は0〜3]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12666090A JP2581827B2 (ja) | 1990-05-18 | 1990-05-18 | 耐薬品性アラミド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12666090A JP2581827B2 (ja) | 1990-05-18 | 1990-05-18 | 耐薬品性アラミド組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0423864A JPH0423864A (ja) | 1992-01-28 |
JP2581827B2 true JP2581827B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=14940718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12666090A Expired - Fee Related JP2581827B2 (ja) | 1990-05-18 | 1990-05-18 | 耐薬品性アラミド組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581827B2 (ja) |
-
1990
- 1990-05-18 JP JP12666090A patent/JP2581827B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0423864A (ja) | 1992-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |