JP2578889B2 - サーミスタ - Google Patents
サーミスタInfo
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- JP2578889B2 JP2578889B2 JP6660188A JP6660188A JP2578889B2 JP 2578889 B2 JP2578889 B2 JP 2578889B2 JP 6660188 A JP6660188 A JP 6660188A JP 6660188 A JP6660188 A JP 6660188A JP 2578889 B2 JP2578889 B2 JP 2578889B2
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- Japan
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- thermistor
- lithium
- atomic
- cobalt
- copper
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- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高応答性,高精度の温度センサとして利用
できるところの大きな負の抵抗温度係数を有するサーミ
スタに関するものである。
できるところの大きな負の抵抗温度係数を有するサーミ
スタに関するものである。
従来の技術 従来、酸化コバルトとリチウムを組み合わせた酸化物
半導体としては、一般的に酸化物半導体材料の導電機構
の一つとして説明される原子価制御理論の実例で、古く
Verweyらにより取上げられている〔Philips Research
Report 5173(1950)〕。
半導体としては、一般的に酸化物半導体材料の導電機構
の一つとして説明される原子価制御理論の実例で、古く
Verweyらにより取上げられている〔Philips Research
Report 5173(1950)〕。
しかしながら、Verweyらの検討はあくまでも学究的な
段階のもので、リチウムの固溶量も1wt%以下と、サー
ミスタとしての用途開発以前のものであった。
段階のもので、リチウムの固溶量も1wt%以下と、サー
ミスタとしての用途開発以前のものであった。
日本国内においては、二木による報告〔(株)日立製
作所,中央研究所創立二十周年記念論文集,p30〜46,昭
和37年〕があるが、サーミスタ特性としては比抵抗およ
びB定数とも低く、サーミスタとして適するものではな
く、これに準ずるものと記載されている。
作所,中央研究所創立二十周年記念論文集,p30〜46,昭
和37年〕があるが、サーミスタ特性としては比抵抗およ
びB定数とも低く、サーミスタとして適するものではな
く、これに準ずるものと記載されている。
これに対して、本発明者らが再度検討した結果、酸化
コバルトとリチウムの組み合わせでもって、かつ特定の
結晶構造とした場合には、比抵抗が小さく、B定数の高
い優れたサーミスタ材料が得られることを見出した。さ
らに、これに銅を添加した材料も優れたサーミスタ特性
を有することを見出した。
コバルトとリチウムの組み合わせでもって、かつ特定の
結晶構造とした場合には、比抵抗が小さく、B定数の高
い優れたサーミスタ材料が得られることを見出した。さ
らに、これに銅を添加した材料も優れたサーミスタ特性
を有することを見出した。
発明が解決しようとする課題 そして、上記サーミスタ材料は、コバルトおよび銅に
対してリチウムを0.5〜20.0原子%含有する組成領域で
最も優れた特性を示した。すなわち、ディスクサーミス
タとして、150℃の高温放置においても、従来のコバル
ト,マンガン,銅,ニッケルを主成分とする遷移金属酸
化物のスピネル結晶型のサーミスタと比較しても非常に
安定な結果が得られるものであった。しかしながら、直
流負荷試験,特に湿中での直流負荷試験では、もう一
歩、従来の汎用サーミスタに及ばないという問題を有し
ていた。この欠点の原因を解析した結果、酸化コバルト
に固溶していると考えられていたリチウムが粒界あるい
は結晶の接合部に偏析し、直流負荷によりリチウムイオ
ンが移動することによることを突き止めた。
対してリチウムを0.5〜20.0原子%含有する組成領域で
最も優れた特性を示した。すなわち、ディスクサーミス
タとして、150℃の高温放置においても、従来のコバル
ト,マンガン,銅,ニッケルを主成分とする遷移金属酸
化物のスピネル結晶型のサーミスタと比較しても非常に
安定な結果が得られるものであった。しかしながら、直
流負荷試験,特に湿中での直流負荷試験では、もう一
歩、従来の汎用サーミスタに及ばないという問題を有し
ていた。この欠点の原因を解析した結果、酸化コバルト
に固溶していると考えられていたリチウムが粒界あるい
は結晶の接合部に偏析し、直流負荷によりリチウムイオ
ンが移動することによることを突き止めた。
本発明はこのような問題点を解決するもので、センサ
として信頼性に優れたサーミスタを提供することを目的
とするものである。
として信頼性に優れたサーミスタを提供することを目的
とするものである。
課題を解決するための手段 上記のような問題を解決するために本発明は、種々改
善検討を行なった結果、金属酸化物の焼結混合体からな
り、その構成金属元素として、コバルト(Co),銅(C
u)およびリチウム(Li)の3種を合計100原子%含み、
かつリチウムの含有量の少なくとも85原子%以上がNaCl
型酸化コバルトの結晶粒内に固溶していることを特徴と
するものである。
善検討を行なった結果、金属酸化物の焼結混合体からな
り、その構成金属元素として、コバルト(Co),銅(C
u)およびリチウム(Li)の3種を合計100原子%含み、
かつリチウムの含有量の少なくとも85原子%以上がNaCl
型酸化コバルトの結晶粒内に固溶していることを特徴と
するものである。
作用 このセラミック微細構造を満たすことにより、直流負
荷試験ならびに湿中負荷試験においても従来のサーミス
タ以上の優れた安定性を発現することになる。
荷試験ならびに湿中負荷試験においても従来のサーミス
タ以上の優れた安定性を発現することになる。
実施例 以下、本発明の一実施例について説明する。
まず、市販の硝酸コバルト,硝酸銅,炭酸リチウムを
出発原料として、Co:Cu:Li=80:3:17原子%の比になる
ように溶解され、これを蒸発乾固させた後、600℃の温
度で仮焼し、この仮焼物をボールミルで湿式粉砕した。
このスラリーを乾燥後、ポリビニルアルコールをバイン
ダーとして添加混合し、所要量採って円板状に加圧成形
して成形品を多数作り、これらを窒素ガスフロー中で、
1200〜1300℃で2時間焼成した。こうして得られた円板
状焼結体の両面にAgを主成分とする電極を設けて試料と
した。上記プロセスの中で、スラリーの乾燥方法,条件
および焼成条件を変えて数種類の試料を作成し、60℃,9
0〜95%RH中、負荷電力0.4Wの湿中負荷(2000時間)
と、150℃での高温放置(2000時間)の試験を実施し
た。また、素子の元素分析を素子成分と溶出成分に分け
て原子吸光分光法により行った。その結果を下記の表に
まとめて示す。
出発原料として、Co:Cu:Li=80:3:17原子%の比になる
ように溶解され、これを蒸発乾固させた後、600℃の温
度で仮焼し、この仮焼物をボールミルで湿式粉砕した。
このスラリーを乾燥後、ポリビニルアルコールをバイン
ダーとして添加混合し、所要量採って円板状に加圧成形
して成形品を多数作り、これらを窒素ガスフロー中で、
1200〜1300℃で2時間焼成した。こうして得られた円板
状焼結体の両面にAgを主成分とする電極を設けて試料と
した。上記プロセスの中で、スラリーの乾燥方法,条件
および焼成条件を変えて数種類の試料を作成し、60℃,9
0〜95%RH中、負荷電力0.4Wの湿中負荷(2000時間)
と、150℃での高温放置(2000時間)の試験を実施し
た。また、素子の元素分析を素子成分と溶出成分に分け
て原子吸光分光法により行った。その結果を下記の表に
まとめて示す。
また、これらの試料をX線回折により結晶構造を確認
した結果、NaCl型の酸化コバルト(CoO)を同定した。
した結果、NaCl型の酸化コバルト(CoO)を同定した。
この表でリチウム含有量の内、粒内の項で示した値
は、全体量から溶出量を減じたもので、粒界他(粒界お
よび接合部)の項で示した値が溶出成分量である。ここ
で、サーミスタの製品仕様としては、耐湿負荷試験での
抵抗値変化率は±5%以内であることから、上表の試料
No.AおよびBが満足することになる。すなわち、NaCl型
の酸化コバルトの結晶粒内にリチウムの含有量の85原子
%以上が固溶しておれば、十分仕様を満足できることと
なる。
は、全体量から溶出量を減じたもので、粒界他(粒界お
よび接合部)の項で示した値が溶出成分量である。ここ
で、サーミスタの製品仕様としては、耐湿負荷試験での
抵抗値変化率は±5%以内であることから、上表の試料
No.AおよびBが満足することになる。すなわち、NaCl型
の酸化コバルトの結晶粒内にリチウムの含有量の85原子
%以上が固溶しておれば、十分仕様を満足できることと
なる。
なお、これら試料の比抵抗とB定数(25℃と50℃と抵
抗値に基づく)は、いずれも970Ω・cm±10%,B定数=4
620(k)±3%であった。
抗値に基づく)は、いずれも970Ω・cm±10%,B定数=4
620(k)±3%であった。
ここで、コバルトは73.0〜99.4原子%、銅は0.1〜7.0
原子%、リチウムは0.5〜20.0原子%の組成範囲のもの
が、低比抵抗,高B定数を満足する上では好ましく、セ
ンサとして機器側から要望される電気特性により一層満
たすことができる。これについては、本発明者らが先に
特願昭62−132427号にて明らかにしている通りである。
原子%、リチウムは0.5〜20.0原子%の組成範囲のもの
が、低比抵抗,高B定数を満足する上では好ましく、セ
ンサとして機器側から要望される電気特性により一層満
たすことができる。これについては、本発明者らが先に
特願昭62−132427号にて明らかにしている通りである。
発明の効果 以上述べたように、本発明は低比抵抗,高B定数を有
する負の抵抗温度係数を有し、高温放置試験および耐湿
負荷試験においても、信頼性の点で優れたサーミスタを
提供するものであるが、センサとして温度に対して高精
度化,高応答性化および高信頼性が図れ、さらに新しい
用途が期待できるものである。
する負の抵抗温度係数を有し、高温放置試験および耐湿
負荷試験においても、信頼性の点で優れたサーミスタを
提供するものであるが、センサとして温度に対して高精
度化,高応答性化および高信頼性が図れ、さらに新しい
用途が期待できるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】金属酸化物の焼結混合体からなり、その構
成金属元素として、コバルト(Co),銅(Cu)およびリ
チウム(Li)の3種を合計100原子%含み、かつリチウ
ムの含有量の少なくとも85原子%以上がNaCl型酸化コバ
ルトの結晶粒内に固溶していることを特徴とするサーミ
スタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6660188A JP2578889B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | サーミスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6660188A JP2578889B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | サーミスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01239802A JPH01239802A (ja) | 1989-09-25 |
JP2578889B2 true JP2578889B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=13320601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6660188A Expired - Lifetime JP2578889B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | サーミスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2578889B2 (ja) |
-
1988
- 1988-03-18 JP JP6660188A patent/JP2578889B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01239802A (ja) | 1989-09-25 |
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