JP2578648B2 - 線状光源 - Google Patents

線状光源

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Description

【発明の詳細な説明】 イ)産業上の利用分野 本発明は発光ダイオードを用いた線状光源に関する。
ロ)従来の技術 従来より、整列した発光ダイオード上に棒状レンズを
配置して原稿照明用等の線状光源とすることがなされて
きたが、実用になっているのは、特開昭58−225673号公
報、特開昭60−129714号公報等の様な、棒状レンズとし
てガラス等の円柱レンズを用いるものである。
斯る円柱レンズは長尺になっても適当な強度と一定の
光学特性を的つことができるが、第5図に斜線を施こし
て示す様に円柱レンズ(54)がいわゆる集光レンズの働
きをするのは中央部のみであり、全体的に複雑な光路を
とると共に照射面以外に放出される光も比較的多い。こ
れは原稿面等の照射面において所定の巾、所定の照度
の照明を行うのに円柱レンズの直径の大きさ、中心の位
置の設計が困難である事を意味し、かつ、発光ダイオ
ード(52)の位置が棒状レンズ(54)の中心軸に対し直
交する方向へのずれ量をもつ(以後横ずれという)と、
光束は大きく変位し、照射面での照射光の直線性が失な
われる事を意味する。従って例えば直径5mmのガラス製
棒状レンズを用いレンズ中心と発光ダイオードとの距離
を6mmとし、レンズ面と照射面の距離を6mmとすると、照
射巾は1.5mm得られるはずであるが、この時の発光ダイ
オードを列の中心からの横ずれ許容量±50μmという厳
しさで整列させても実際には有効照射巾1.2mmしか得ら
れない。また一般に照射巾は線状光源や読取素子の取付
作業を容易にするため、1.0〜3.0mmと出来るだけ巾広い
事が要求されるが、上述した円柱の棒状レンズでは照射
巾を広くすると照度が低下し、しかも発光ダイオードの
横ずれも規定照射面での部分的照度低下(照度ムラ)を
招くので、好ましいものではない。
一方、光束を複数本として照射巾を広げる方法が検討
されており、例えば特開昭60−147177号公報は反射枠を
用いて光束を3本とし照射巾を広げ、特開昭60−230620
号公報は発光ダイオードを2列並列配置する方法を提案
している。しかし乍ら前者の方法は、反射面効果を大き
くするためには反射面を充分に低傾斜させなければなら
ないので線状光源(製品)の巾が広くなり、広くなると
光路が長くなるので照度が低下する(照度は光路長の2
乗に比例して低下する)という矛盾がある。実用化され
ている多くの線状光源は反射枠を具備しているが、それ
は光閉込用の反射面であって、光束指向用反射面ではな
い。また後者は発光ダイオード数が倍必要なので、高価
になるばかりか駆動電源の大電力化、発熱量の増大など
を伴い好ましくない。
またこれらの線状光源は発光ダイオードの真上への光
を利用するため、受光素子アレイと組合せる時、特開昭
59−143145号公報、特開昭60−230619号公報の如く発光
ダイオード載置面を照射面に対し傾斜させて用いてい
る。このため使用に定められた照射巾で所定照度の照射
光束(これらは概ね基板面に垂直な方向で定義される)
が得られなくなったり、光軸あわせが煩雑になったり、
傾斜面や凹部を有した特殊な支持体を必要とするなど取
扱い難いものであった。
ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は上述の点を考慮し、棒状レンズに光拡散効果
と集光効果とを持たせることにより照射巾を広くさせ、
堅牢で取扱い易い線状光源を提供するものである。
ニ)課題を解決するための手段 本発明は上述した棒状レンズとして、反射枠開口全幅
を覆うレンズ面と、該レンズ面の曲率中心の下方(発光
ダイオード側)に設けられた該レンズ面の半径より充分
大きい半径の曲面又は平面からなる略平担状の下面を有
するレンズを用いるものである。
また本発明は線状光源の長手方向に対し直交する平面
での輝度分布が得られるよう棒状レンズの上側レンズ面
と下面とを発光ダイオード〜照射面間の所定光学配置に
特定したもので、屈折率を一定範囲とするため樹脂製レ
ンズを用い、上側レンズ面の曲中心が発光ダイオードか
ら照射面までの距離略1/4近傍、下面を上側レンズ面の
曲率中心の下方に配置するものである。
ホ)作用 これにより発光ダイオード上方で下面における屈折
率、棒状レンズ厚みによる光拡散効果が得られ、上方レ
ンズ面での集光性を有効照射巾端縁に指向させることで
照射巾を広くさせ、棒状レンズ下面面積が大きくなるこ
とで棒状レンズは堅牢とあり、基準位置が明確で照射巾
が広いことにより取扱い容易となる。
ヘ)実施例 第1図(a)(b)は本発明実施例の線状光源の断面
図で、(1)は長尺な基板であり、例えば巾6mm長さ350
mmのガラスエポキシ樹脂基板などからなり、表面もしく
は表裏面にプリントパターン(図示せず)を有し、好ま
しくは配線領域を除いて表面最表層に光反射性白色塗料
が塗布してある。(2)(2)…はその基板(1)上に
1列に整列して載置固着され、配線が施こされた発光ダ
イオードで、例えば1辺0.2〜0.4mmの略さいころ状をな
したGaP、GaAsP等からなり、3〜8mm間隔で配置されて
いる。(3)は先端を溶着されたピン(31)(31)…と
かシート接着剤(図示せず)などで基板(1)に固着さ
れた枠体で、発光ダイオード(2)(2)…の列に沿う
光反射性の側壁(32)(32)と発光ダイオード(2)
(2)…を1乃至数個毎に仕切る高さの低い仕切反射面
(33)(33)…とで発光ダイオード(2)(2)…を囲
繞し、反射枠を形成しており、両端には棒状レンズを固
定するための固定用孔(34)(34)を有し、側壁(32)
(32)の内側には細長い孔又は窪からなる係止部(35)
(35)が設けてある。
(4)は発光ダイオード(2)の上方に位置する様に
枠体(3)に固定された棒状レンズで、略かまぼこ状を
なしたアクリル樹脂等の樹脂成型品からなり、その稜線
の方向が発光ダイオード(2)(2)…の整列方向と平
行になるように固定用孔(34)(34)に先端突起(41)
(41)を挿入嵌合してなる。またこの棒状レンズ(4)
は上部に単一半径の曲面からなり枠体(3)開口幅の全
てを覆うレンズ面(42)を有し、下方にはレンズ面(4
2)の半径より充分大きい半径の曲面又は平面からなる
略平担で仕切反射面(33)(33)…頂部に当接する下面
(43)を有し、量側壁には係止部(35)(35)に係合す
る筋状突起(44)(44)を有している。
係る構成において、光は第2図(a)に斜線部で示す
ような光束となって進む。光反射性の側壁(32)(32)
は従来と同様光を枠体(3)内に閉じこめる働きをする
もので、側壁(32)(32)それ自体により照光面に光を
指向するような例えば傾斜角45度未満といった大きな傾
きをもつものではなく、巾を充分狭くしたい時は基板表
面を垂直となっていてもよい。棒状レンズ(4)の下部
においては光拡散効果をもたらすように構成されるが、
それはいわゆる光溜め現象であって光散乱現象ではな
い。即ち下面において光が多方向から効率よく入射する
様に高さや面状態を工夫する事、棒状レンズの屈折率と
棒状レンズの厚みを考慮することにより棒状レンズ下層
部において光吸収少なく光の進路を拡大する様に工夫す
る事により上方へ向う光が効率よくかつ広範囲にわたる
様にする。この光の状態は、例えば棒状レンズ中の所望
位置(例えば反射枠高さ:反射枠高さとは側壁(32)
(32)の反射面の上部(第2図(a)の(A)位置)以
後基準値といい、発光ダイオード(2)に向う側を+、
照射面側を−として高さ表示を行う)に樹脂界面(空気
の薄い層)を配置すると光束の強い個所は輝いてみえる
ので目視で光溜め状態を確認できるし、また光線の1本
1本の進路を演算し所定輝度の箇所をプロツトさせるコ
ンピユータシユミレーシヨンによっても推測できる。そ
してこのように拡大した光を上部のレンズ面で照射面に
導く。この時光は照射面の所望部分の両側(線状照射領
域の長手辺近傍)に光強度の強い部分を導くようにする
と輪郭が高照度になって位置確認が行い易いばかりでな
く受光素子の読取誤も少ない。また、拡大した光束を導
くのであるから枠体(3)の開口巾の全てを当該レンズ
面で覆うようにするのが高効率化のために好ましい。第
2図(a)の状態における輝度分布、即ち棒状レンズの
長手方向に直交するめでの輝度分布を示したのが同図
(b)であり、輝度分布は略M字状(B)をなしてい
る。
より具体的に例示する。以下の表は基準値の高さ(発
光ダイオード(2)から(A)点までの高さ)3.0mm、
照射距離はレンズ面頂部から6.0mm、棒状レンズの屈折
率1.490とした時のもので、下面(平面)の高さ
(l)、上部レンズ面の曲率中心(O)の高さはいずれ
も基準値からの高さである。
上述した第2図(a)(b)は上記表のロツト(イ)
に対応し、ロツト(ホ)は前記特開昭60−147177号公報
にも記載されている第3図(a)(b)に示す線状光源
の場合である。
この様に、照度を高くし、巾の広い照明を行うための
条件としては、1つにはレンズ体下方に効果的光溜を行
うもので、下面として略平面、即ち平面又は上側レンズ
面の半径より充分大きい、例えば5倍以上の半径の曲面
でこれを構成し、この下面を上側レンズ面の下方に配置
することである。
また別の検討による条件は、照射面の有効照射領域の
長手辺近傍に光強度の強い光束を指向させること、言い
かえると棒状レンズの長手方向に直交する面での輝度分
布を略M字状とするもので、そのため1つの方法として
は上部レンズ面の中心の下方に下面を配置し、上部レン
ズ面の曲率中心を発光ダイオードから照射面までの距離
の略1/4地点近傍に配置することである。この場合には
屈折率が添加物によって1.40〜1.90迄変化するガラスよ
りも、1.49近傍の屈折率で枠体と密着性のよい樹脂製棒
状レンズを用いる方がよい。これは発光ダイオードは点
灯により発熱するので温度変化によって光学的配置が変
化しないこと、また振動等によっても光学的配置が変化
しないことが好ましく、その為には屈折率を調整して光
学的配置を定め、硬質なガラスに対し枠体や基板を矯正
するよりも、レンズの厚みや形状で光学的配置を定め枠
体もしくは基板との密着性を高める方が好ましいからで
ある。そして特に上述した例の如く棒状レンズの下方に
略平坦な下面と一定の厚み部分があると密着性は著しく
向上する。
また下面が略平坦である事により発光ダイオードの前
述した横ずれに対する許容量が大きくなる。例えば上述
したロツト(イ)の場合、発光ダイオードの列の中心か
らの横ずれ許容量は±100μmと、前述の円柱レンズの
倍のゆとりがある。
そして上側のレンズ面は複数の曲面もしくは放物曲面
でもよいが樹脂成型上は単一半径の円弧が好ましい。
斯る条件を満足させた場合、照射面を発光ダイオード
の真上より偏位させることができる。第4図はその一例
を示しており、基板(101)の一平面上に2列の発光ダ
イオード(102)(102)…を配置すると共にその列の中
央部に1次元アモルフアスシリコンアレイ等の受光素子
アレイ(105)を3つの列が互いに平行になる様に配置
した受光素子付の線状光源を例にとっている。棒状レン
ズ(104)(104)は前述の実施例同様、長尺なアクリル
樹脂等からなるが、光溜め領域が一側(内側)から他側
(外側)に向って漸次変化させてあり、列の内側に向っ
て上側レンズ面は大きく露出開放されている。これによ
って発光ダイオード(102)(102)…の列の光は原稿等
(106)の照射面において、1側の強照度領域が受光素
子アレイ(105)の略真上となる様な受光素子アレイ寄
りの照射巾(C)(D)で照明される。
また第4図において(107)は受光素子アレイ(105)
の上方に配置された短焦点レンズアレイ等の光学手段で
あるが、棒状レンズ(104)(104)に挾持される様に棒
状レンズ(104)(104)同様、枠体(103)に固定され
る事によって長手方向の光軸あわせが容易となり、かつ
使用中の光軸ずれも生じ難い。
そして、この様に一平面上に線状光源と受光素子が配
置されているので、光学読取装置、フアクシミリ、複写
機等の装置に取り付ける時、単に光軸あわせが容易とい
うだけではなく、平面支持が可能なため従来必要として
いた傾斜面や凹部を有する特殊な支持体が不要となり、
また照射巾や照度が取付角度によって変動することもな
い。
尚、この例において発光ダイオード(102)(102)…
の列は2列としたが1列にしてもよい。しかし2列であ
れば受光素子アレイ(105)の配置において、平行線の
略中央に直線配置する事になるので平行度の確認が容易
となること、光学手段(107)を長辺両側から棒状レン
ズ等で支持するので軸ずれが生じ難いことなどの長所が
あり、好ましい。
またこれらの実施例において、棒状レンズ(4)(10
4)(104)の長手方向端縁(固定用の先端突起の近傍)
においては照度低下をまぬがれないので、棒状レンズ等
を有効照射長より長くするか若しくは照度向上のための
他の工夫がなされる。従って上述した棒状レンズの光学
条件は少なくとも長手方向略中央部において適用され
る。
ト)発明の効果 以上の如くにより照度が高く広い照射巾の線状光源を
得ることができたので、装置への取付・光軸あわせが確
実かつ容易に行え、しかも線状光源の製造にあたっては
発光ダイオード横ずれ許容量が大きいので製造し安く、
使用にあたっては構成部品の密着性がよいので堅牢で耐
及性がよい。また基板と原稿等の照射面を平行にするこ
とが出来るので、装置に取付けた後所定の照光巾、所定
の照度が得られないという事は生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明実施例の線状光源の断面
図、第2図と第3図は線状光源を示し、第2図(a)と
第3図(a)は模式図、第2図(b)と第3図(b)は
輝度分布図、第4図は本発明の他の実施例に係る受光素
子付の線状光源の断面図、第5図は従来の線状光源の光
束説明図である。 (1)(101)……基板、(2)(2)…(102)(10
2)……発光ダイオード、(3)(103)……枠体、
(4)(104)……棒状レンズ、(105)……受光素子ア
レイ、(107)……光学手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−105879(JP,A) 実開 昭49−45422(JP,U) 実開 昭62−138468(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、その基板の上に整列して載置され
    た複数の発光ダイオードと、その発光ダイオードを囲繞
    する様に設けられた反射枠と、発光ダイオードの列に平
    行な稜線を有し発光ダイオードの上方に位置する様に枠
    体に固定された棒状レンズとを具備した線状光源におい
    て、 前記棒状レンズは少なくとも略中央部において、反射枠
    開口幅の全てを覆うレンズ面と、該レンズ面の曲率中心
    の下方に設けられたレンズ面の半径より大きい半径の曲
    面又は平面からなる下面を具備している事を特長とする
    線状光源。
  2. 【請求項2】基板と、その基板の上に整列して載置され
    た複数の発光ダイオードと、その発光ダイオードを囲繞
    する様に設けられた反射枠と、発光ダイオードの列に平
    行な稜線を有し発光ダイオードの上方に位置する様に枠
    体に固定された棒状レンズとを具備した線状光源におい
    て、 前記棒状レンズは少なくとも略中央部において、棒状レ
    ンズの長手方向に直交する面での輝度分布が略M字状を
    なすように、反射枠開口幅の全てを覆う単一半径の曲面
    からなるレンズ面とそのレンズ面の曲率中心の下方に設
    けられた下面とを有しレンズ面の曲率中心が発光ダイオ
    ードから照射面までの距離の略1/4近傍に配置された樹
    脂製レンズである事を特徴とする線状光源。
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